JP2007001912A - 置換フェニルプロピオン酸誘導体 - Google Patents

置換フェニルプロピオン酸誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)が有する標的遺伝子の転写活性を活性化できる(すなわちPPARの転写活性化能を増強できる)新規化合物、及び当該化合物を有効成分としたペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤を提供する。
【解決手段】 ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤の有効成分として、下記一般式(1)で表されるで表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を含有せしめる。
【化1】
Figure 2007001912

[式中、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又は無置換若しくは置換基を有していても良いフェノキシ基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は炭素数1〜3の低級アルコキシ基を表し、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基を表し、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−を表す。]

Description

本発明は、ヒトペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体(PPAR)アゴニストとして脂質代謝、糖代謝異常の治療、癌治療等に有効な置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその付加塩又はそれらの水和物、並びにそれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。
ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(Peroxisome proliferator-activated receptor:PPAR)は、核内受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存性の転写因子であり、標的遺伝子の転写をリガンド依存的に誘導する。すなわち、リガンドがPPARに結合すると、PPARは標的遺伝子のプロモーター領域に存在するPPAR応答配列(PPAR responsive element:PPRE)に結合し、標的遺伝子の転写が誘導される。
これまでに組織分布を異にする3種類のアイソフォーム(α型、β(又はδ)型、γ型)がヒトをはじめとする様々な動物種で同定されている。これらのうち、PPARαは、脂肪酸の異化能の高い肝臓、腎臓等に分布しており、特に肝臓において高発現が認められ、PPARαによって標的遺伝子の転写が誘導されると、血中中性脂肪の低下、HDLコレステロールの増加、体重の減少、血管新生の促進等が誘起される。また、PPARβは、神経細胞を中心として生体内各組織に普遍的に発現しており、PPARβによって標的遺伝子の転写が誘導されると、骨格筋における脂肪燃焼、エネルギー代謝の増大等が誘起される。また、PPARγは、脂肪細胞に高発現しており、PPARγによって標的遺伝子の転写が誘導されると、脂肪細胞の新生、インスリン抵抗性の改善、血管新生の亢進等が誘起される。このように、PPARの各アイソフォームは、特定の臓器又は組織において特異的な機能を果たしている。
従来、PPARαアゴニストとして、下記式:
Figure 2007001912

[式中、Rは炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換または置換基を有していても良いフェニル基、無置換または置換基を有していても良いフェノキシ基、無置換または置換基を有していても良いベンジルオキシ基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基を表し、Rは炭素数1から3の低級アルコキシ基を表し、A部分の結合様式は−CHCONH−、−NHCOCH−、−CHCHCO−、−CHCHCH−、−CHCHO−、−CONHCH−、−CHNHCH−、−COCHO−、−OCHCO−、−COCHNH−及び−NHCHCO−を表す]で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体(特許文献1)、及び下記式:
Figure 2007001912

[式中、Rは炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換または置換基を有していても良いフェニル基、無置換または置換基を有していても良いフェノキシ基、無置換または置換基を有していても良いベンジルオキシ基を表し、Rは炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルチオ基を表し、RはRが炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2−トリフルオロエチル基の場合には水素原子または炭素数1から4の低級アルキル基を表し、Rが炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルチオ基の場合には水素原子を表し、Rは炭素数1から3の低級アルコキシ基を表す]で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体(特許文献2)が知られている。
国際公開WO01/092201号パンフレット 国際公開WO00/75103号パンフレット
本発明は、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)が有する標的遺伝子の転写活性を活性化できる(すなわちPPARの転写活性化能を増強できる)新規化合物、及び当該化合物を有効成分としたペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の化合物及び薬剤を提供する。
(1)一般式(1):
Figure 2007001912

[式中、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又は無置換若しくは置換基を有していても良いフェノキシ基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は炭素数1〜3の低級アルコキシ基を表し、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基を表し、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−を表す。]で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物。
(2)一般式(1):
Figure 2007001912

[式中、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換又は置換基を有していても良いフェノキシ基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は炭素数1〜3の低級アルコキシ基を表し、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基を表し、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−を表す。]で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有するペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤。
本発明によれば、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)が有する標的遺伝子の転写活性を活性化できる(すなわちPPARの転写活性化能を増強できる)新規化合物、及び当該化合物を有効成分としたペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤が提供される。
一般式(1)において、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又は無置換若しくは置換基を有していても良いフェノキシ基のいずれであってもよいが、これらのうち、トリフルオロメチル基、又は置換基を有していても良いフェノキシ基であることが好ましい。
一般式(1)において、R1で表される「無置換若しくは置換基を有していても良いフェノキシ基」は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等のうち1種又は2種以上の置換基を有することができるが、置換基の種類はこれらに限定されるものではない。置換基の数は通常1〜5、好ましくは1〜3であり、置換位置は任意であってよいが、好ましくは4位、3,4位又は3,4,5位である。
一般式(1)において、R2で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるが、これらのうちフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
一般式(1)において、R3で表される炭素数1〜3の低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルコキシ基が挙げられるが、これらのうちメトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
一般式(1)において、R4で表される炭素数1〜6の低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基が挙げられるが、これらのうちエチル基又はn−プロピル基が好ましい。
一般式(1)において、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−のいずれであってもよい。
一般式(1)で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体の薬剤上許容される塩は特に限定されるものではなく、慣用の塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等の金属塩が挙げられる。
一般式(1)で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体には、プロピオン酸部分に基づく光学異性体が含まれるが、そのような光学異性体及びそれらの混合物はすべて本発明の範囲内に含まれるものである。
本発明の一般式(1)で表される化合物のうち、Xが−CHNHCO−である一般式(1a)で示される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる(スキーム1)。
Figure 2007001912
すなわち、一般式(1a):
Figure 2007001912

[式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同義である。]
で表される化合物は、一般式(2):
Figure 2007001912

[式中、R3及びR4は前記と同義であり、R5は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基を表す。]で表される公知の化合物(例えばWO00/75103号参照)と、一般式(4):
Figure 2007001912

[式中、R1及びR2は前記と同義である。]で表される化合物とを反応させ(第一工程)、得られた一般式(3):
Figure 2007001912

[式中、 R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される化合物のCOOR5部位を加水分解する(第二工程)ことにより製造することができる。
第一工程の反応は、一般式(1a)で表される化合物が有するカルボキシル基の反応性をそのまま利用するか、又は当該カルボキシル基を反応性誘導基に変換し、その反応性を利用して実施することができる。
「カルボキシル基の反応性誘導基」としては、例えば、酸塩化物、酸臭化物、酸無水物、カルボニルイミダゾール等が挙げられる。カルボキシル基の反応性誘導基の反応性を利用した反応は、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、塩基(例えば、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基)の存在下又は非存在下で実施することができる。この際の反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(1a)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
カルボキシル基の反応性をそのまま利用した反応は、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、縮合剤の存在下、塩基の存在下又は非存在下、添加剤の存在下又は非存在下で実施することができる。縮合剤としては、例えば、N,N−ジメチルイミゾリニウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3-(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルリン酸アジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。添加剤としては、例えば、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、 N−ヒドロキシスクシンイミド、3,4-ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン等が挙げられる。この際の反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(1a)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
第二工程の加水分解反応はアルカリ性条件下で実施することができる。アルカリ性条件は、通常pH8〜14、好ましくはpH9〜13であり、アルカリ性条件の調整には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。この際の反応温度は通常0〜80℃、好ましくは室温〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは3〜24時間である。
一般式(1)で表される化合物のうち、Xが−CONHCH−である一般式(1b)で示される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる(スキーム2)。
Figure 2007001912
すなわち、一般式(1b):
Figure 2007001912

[式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同義である。]で表される化合物は、一般式(5):
Figure 2007001912

[式中、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される公知の化合物(WO01/92201号参照)と、一般式(7):
Figure 2007001912

[式中、R1及びR2は前記と同義である。]で表される化合物とを反応させ(第三工程)、得られた一般式(6):
Figure 2007001912

[式中、 R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される化合物のCOOR5部位を加水分解する(第四工程)ことにより製造することができる。
第三工程の反応は、一般式(7)で表される化合物が有するカルボキシル基の反応性をそのまま利用するか、又は当該カルボキシル基を反応性誘導基に変換し、その反応性を利用して実施することができる。
「カルボキシル基の反応性誘導基」としては、例えば、酸塩化物、酸臭化物、酸無水物、カルボニルイミダゾール等が挙げられる。カルボキシル基の反応性誘導基の反応性を利用した反応は、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、塩基(例えば、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基)の存在下又は非存在下で実施することができる。この際の反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(7)で表される化合物の添加量は、一般式(1b)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
カルボキシル基の反応性をそのまま利用した反応は、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、縮合剤の存在下、塩基の存在下又は非存在下、添加剤の存在下又は非存在下で実施することができる。縮合剤としては、例えば、N,N−ジメチルイミゾリニウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3-(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルリン酸アジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。添加剤としては、例えば、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、 N−ヒドロキシスクシンイミド、3,4-ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン等が挙げられる。この際の反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(7)で表される化合物の添加量は、一般式(1b)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
第四工程の加水分解反応はアルカリ性条件下で実施することができる。アルカリ性条件は、通常pH8〜14、好ましくはpH9〜13であり、アルカリ性条件の調整には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。この際の反応温度は通常0〜80℃、好ましくは室温〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは3〜24時間である。
一般式(1)で表される化合物のうち、Xが−CHNHCO−であり、R4がSの立体配置を示す一般式(1c)で表される光学活性な化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる(スキーム3)。
Figure 2007001912
すなわち、一般式(1c):
Figure 2007001912

[式中、R1は、R2、R3及びR4は前記と同義である。]で表される化合物は、一般式(8):
Figure 2007001912

[式中、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される公知の化合物(WO00/75103号参照)と、一般式(4):
Figure 2007001912

[式中、R3及びR4は前記と同義である。]で表される化合物とを反応させ(第五工程)、得られた一般式(9):
Figure 2007001912

[式中、 R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される化合物のCOOR5部位を加水分解する(第六工程)ことにより製造することができる。
第五工程の反応は、一般式(8)で表される化合物が有するカルボキシル基の反応性をそのまま利用するか、又は当該カルボキシル基を反応性誘導基に変換し、その反応性を利用して実施することができる。
「カルボキシル基の反応性誘導基」としては、例えば、酸塩化物、酸臭化物、酸無水物、カルボニルイミダゾール等が挙げられる。カルボキシル基の反応性誘導基の反応性を利用した反応は、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、塩基(例えば、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基)の存在下又は非存在下で実施することができる。この際の反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(8)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
カルボキシル基の反応性をそのまま利用した反応は、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、縮合剤の存在下、塩基の存在下又は非存在下、添加剤の存在下又は非存在下で実施することができる。縮合剤としては、例えば、N,N−ジメチルイミゾリニウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3-(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルリン酸アジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。添加剤としては、例えば、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、 N−ヒドロキシスクシンイミド、3,4-ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン等が挙げられる。この際の反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(8)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
第六工程の加水分解反応はアルカリ性条件下で実施することができる。アルカリ性条件は、通常pH8〜14、好ましくはpH9〜13であり、アルカリ性条件の調整には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。この際の反応温度は通常0〜80℃、好ましくは室温〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは3〜24時間である。
一般式(1)で表される化合物のうち、Xが−CHNHCO−であり、R4がRの立体配置を示す一般式(1d)で表される光学活性な化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる(スキーム4)。
Figure 2007001912
すなわち、一般式(1d):
Figure 2007001912

[式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同義である。]で表される化合物は、一般式(10):
Figure 2007001912

[式中、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される公知の化合物(WO2005/009942号参照)と、一般式(4):
Figure 2007001912

[式中、R1及びR2は前記と同義である。]で表される化合物とを反応させ(第七工程)、得られた一般式(11):
Figure 2007001912

[式中、 R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。]で表される化合物のCOOR5部位を加水分解する(第八工程)ことにより製造することができる。
第七工程の反応は、一般式(10)で表される化合物が有するカルボキシル基の反応性をそのまま利用するか、又は当該カルボキシル基を反応性誘導基に変換し、その反応性を利用して実施することができる。
「カルボキシル基の反応性誘導基」としては、例えば、酸塩化物、酸臭化物、酸無水物、カルボニルイミダゾール等が挙げられる。カルボキシル基の反応性誘導基の反応性を利用した反応は、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、塩基(例えば、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基)の存在下又は非存在下で実施することができる。この際の反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(10)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
カルボキシル基の反応性をそのまま利用した反応は、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、縮合剤の存在下、塩基の存在下又は非存在下、添加剤の存在下又は非存在下で実施することができる。縮合剤としては、例えば、N,N−ジメチルイミゾリニウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3-(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルリン酸アジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。添加剤としては、例えば、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、 N−ヒドロキシスクシンイミド、3,4-ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン等が挙げられる。この際の反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間である。また、一般式(4)で表される化合物の添加量は、一般式(10)で表される化合物に対して通常0.5〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
第八工程の加水分解反応はアルカリ性条件下で実施することができる。アルカリ性条件は、通常pH8〜14、好ましくはpH9〜13であり、アルカリ性条件の調整には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。この際の反応温度は通常0〜80℃、好ましくは室温〜60℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは3〜24時間である。
ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)の転写活性化剤は、一般式(1)で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれら水和物のうち1種を有効成分としてもよいし、2種以上を有効成分としてもよい。
PPARの転写活性化剤は、一般式(1)で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物のみから構成されていてもよいが、通常は医薬的に許容され得る1種以上の担体及び/又は添加剤とともに常法に従って製剤化する。製剤化する場合、製剤中の有効成分の量は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜20質量%である。
医薬的に許容される担体としては、例えば、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース等が挙げられる。
製剤化に際して使用される添加剤としては、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、賦形剤、安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等が挙げられ、これらの添加剤は製剤の投与単位形態等に応じて適宜選択される。これらのうち、通常の蛋白製剤等に使用される成分、例えば、安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等が好ましく選択される。
投与経路及び投与剤形は、治療に際して最も効果的なものを使用するのが望ましい。投与経路としては、例えば、経口投与;口腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内、静脈内等の非経口投与が挙げられ、投与剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、吸入剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤等が挙げられる。
投与量及び投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、投与量は、有効成分量に換算して成人1日当たり通常0.001〜100mg/kg体重の範囲から適宜選択でき、投与回数は、1日1回から数回の範囲から適宜選択できる。投与対象動物は特に限定されないが、例えば、ヒトを含む哺乳動物等が挙げられる。
PPARの転写活性化剤は、PPARα、δ、γ等のPPARによる標的遺伝子の転写を活性化すること、すなわちPPARの転写活性化能を増強することができる。なお、PPARの転写活性化能とは、PPARが標的遺伝子の上流に存在するPPAR応答配列(PPAR response element:PPRE)に結合することにより、標的遺伝子の転写を活性化する能力を意味する。PPARが転写活性化できる標的遺伝子としては、例えば、アシルCo−Aオキシダーゼ(ACO)、リポプロテインリパーゼ(LPL)、脂肪酸結合タンパク質(FABP)、アジポネクチン(AD)等が挙げられる。PPARαによって標的遺伝子の転写が活性化されると、血中中性脂肪の低下、HDLコレステロールの増加、体重の減少、血管新生の促進等が誘起され、PPARδによって標的遺伝子の転写が活性化されると、骨格筋における脂肪燃焼、エネルギー代謝の増大等が誘起され、PPARγによって標的遺伝子の転写が活性化されると、脂肪細胞の新生、インスリン抵抗性の改善、血管新生の亢進等が誘起される。したがって、PPARの転写活性化剤は、高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化、癌等の疾患の予防・治療に有用である。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、これらの実施例によって本発明の範囲が限定されるものではない。
〔実施例1〕2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
3−(3−カルボキシ−4−メトキシフェニル)−2−エチルプロピオン酸エチル(WO00/75103号の実施例1に記載の化合物;400mg, 1.43mmol)を脱水ジクロロメタン10mLに溶解し、−10℃から−15℃に冷却した。撹拌下トリエチルアミン(0.5mL, 3.58mmol)を加えた。次にクロロ炭酸エチル(185mg, 1.71mmol)を脱水ジクロロメタン10mLに溶解し滴下した。−10℃で10分撹拌後2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン塩酸塩(392mg,1.71mmol)を加え、脱水ジクロロメタン10mLで洗いこんだ。−10℃で10分撹拌後、室温にて一晩撹拌した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(溶出液 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1v/v)にて精製し、270mgの2―エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸エチルを油状物質として得た。
得られた化合物とエタノ−ル30mL及び1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液30mLとを混合し、50℃で6時間撹拌後、反応液を減圧下濃縮した。残留物を希塩酸中に注加した。生じた沈殿を濾過、乾燥した後、n−ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、表題化合物を165mg(27%)得た。
融点 102−103℃;
元素分析値 C2121NO(427.40):
計算値 C,59.02; H, 4.95; N, 3.28.
実測値 C,58.80; H, 5.00; N, 3.01.;
高分解能質量分析値 C2122NO(M+H) :
計算値 428.1485
実測値 428.1453
〔実施例2〕2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
実施例1と同様にして表題化合物を得た。
融点 120−121℃;
元素分析値 C2121NO(427.40):
計算値 C,59.02; H, 4.95; N, 3.28.
実測値 C,58.85; H, 5.03; N, 3.21.;
高分解能質量分析値 C2626NO(M+H):
計算値 470.1779
実測値 470.1762
〔実施例3〕N−[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]ベンジルフタルイミド
Figure 2007001912
4−フルオロフェノール(1.12g, 10.0mmol)、3,4−ジフルオロベンズアルデヒド(1.42g, 10.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド30mLを混合し、150℃にて5時間加熱撹拌した。反応液を氷水中に撹拌下注加し、さらにしばし撹拌の後、析出物を濾過した。濾過物を酢酸エチルに溶かし、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後濃縮し、粗製の3−フルオロ−4(4−フルオロフェノキシ)ベンズアルデヒドを2.34g得た。
得られた化合物をエタノ−ル50mLに溶かし、氷冷撹拌下水素化ホウ素ナトリウム(378mg, 10.0mmol)を少しずつ加えた。添加終了後氷冷下、30分撹拌後一晩室温撹拌した。次に反応液を濃縮し、残留物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液は無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃縮して粗製の3−フルオロ−4(4−フルオロフェノキシ)ベンジルアルコールを2.26g得た。
得られた化合物及び塩化チオニル10.0mLを混合し、室温にて3時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)及びフタルイミドカリウム(2.00g, 10.8mmol)と混合し、100℃にて3時間加熱撹拌した。反応液を氷水中に撹拌下注加し、しばらく撹拌した。析出物を濾過・乾燥し、酢酸エチルとエタノールとの混合溶媒にて再結晶し、表題化合物を3.00g(82%)得た。
融点 103−105℃;
高分解能質量分析値 C2113NO: (M+H):
計算値 365.0863
実測値 365.0815
〔実施例4〕N−[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]ベンジルアミン塩酸塩
Figure 2007001912

N−[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]ベンジルフタルイミド(3.00g, 8.21mmol)、ヒドラジン・水和物(0.51g, 16.0mmol)及びエタノール100mLを混合し、6時間加熱還流した。反応液に1mol/L塩酸50mLを加え、氷冷下30分撹拌後、析出した不溶物を濾別した。濾液を減圧下濃縮し、析出物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾過物をエタノールから再結晶し、表題化合物を1.95mg(87%)得た。
融点 148−150℃;
高分解能質量分析値 C2113NO(M+H):
計算値 365.0863
実測値 365.0815
〔実施例5〕2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
実施例1と同様にして表題化合物を得た。
融点 148−149℃;
元素分析値 C2122NO・1/3HO(475.50):
計算値 C,65.67; H, 5.44; N, 2.95.
実測値 C,65.79; H, 5.33; N, 2.93.;
高分解能質量分析値 C2626NO(M+H):
計算値 470.1779
実測値 470.1762
〔実施例6〕[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]安息香酸
Figure 2007001912
4−フルオロフェノール(1.12g, 10.0mmol)、3,4−ジフルオロ安息香酸メチル(1.72g, 10.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド30mLを混合し、150℃にて5時間加熱撹拌した。反応液を氷水中に撹拌下注加し、さらにしばし撹拌の後析出物を濾過した。濾過物を酢酸エチルに溶かし、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後濃縮し、粗製の3−フルオロ−4(4−フルオロフェノキシ)安息香酸メチルを得た。
得られた化合物とエタノ−ル30mL、1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液30mLを混合し、50℃で6時間撹拌後反応液を減圧下濃縮した。残留物を氷冷した希塩酸中に撹拌下注加した。生じた沈殿を濾過、乾燥した後n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、表題化合物を2.00g(80%)得た。
融点 148−149℃;
高分解能質量分析値 C13(M+H):
計算値 250.0442
実測値 250.0397
〔実施例7〕2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]ベンゾイル]アミノ]カルバモイルメチル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
3−(3−カルボキシアミノメチル−4−メトキシフェニル)−2−エチルプロピオン酸エチル・塩酸塩(WO01/92201号の実施例108に記載の化合物;350mg, 1.16mmol)、トリエチルアミン(0.56mL, 4.00mmol)、3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)安息香酸(実施例6;351mg, 1.40mmol)及び脱水ジクロロメタン15mLを混合した、氷冷撹拌下2−クロロ−1,3−イミダゾリニウムクロライド(254mg, 1.50mmol)を少量ずつ加え、脱水ジクロロメタン5mLで洗いこんだ。氷冷下10分撹拌後、室温にて一晩撹拌した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(溶出液 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1v/vから酢酸エチルのみ)にて精製し、2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[3−フルオロ−4−(4−フルオロフェノキシ)]ベンゾイル]アミノ]カルバモイルメチル]フェニル]プロピオン酸エチルを油状物質として得た。
得られた化合物とエタノ−ル30mL及び1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液30mLとを混合し、50℃で8時間撹拌後、反応液を減圧下濃縮した。残留物を氷冷した希塩酸中に注加した。生じた沈殿を濾過、乾燥した後、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、表題化合物を105mg(19%)得た。
融点 148−150℃;
元素分析値 C2121NO・1/3HO(469.49):
計算値 C,65.67; H, 5.44; N, 2.95.
実測値 C,65.57; H, 5.33; N, 2.65.;
高分解能質量分析値 C2626NO(M+H):
計算値 470.1779
実測値 470.1727
〔実施例8〕(S)−(+)−2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
[5(2S,4’R)]−2−メトキシ−5−[[2−(2−オキソ−4−ベンジルオキサゾリジン−3−イル)カルボニル]ブチル]安息香酸(WO00/75103号の実施例167に記載の化合物;600mg, 1.46mmol)、トリエチルアミン(0.61mL, 4.37mmol)及びジクロロメタン25mLを混合し、氷冷撹拌下クロロ炭酸エチル(0.17mL, 1.75mmol)を滴下した。0℃で20分撹拌後、2−フルオロ―4―(トリフルオロメチル)ベンジルアミン・塩酸塩(335mg, 1.75mmol)を少量ずつ加え、ジクロロメタン5mLで洗いこんだ。0℃で30分撹拌後、室温にて4時間撹拌した。反応液を10%クエン酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(溶出液 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1v/v)にて精製し、[3(2S),4R]−3−[2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]カルバモイル]フェニル]プロピオニル]−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オンを無色油状物として得た。この化合物をテトラヒドロフラン及び水の混合溶媒(4:1v/v)20mLに溶解し、アルゴン置換後氷冷した。撹拌下30%過酸化水素水(0.70mL, 6.9mmol)を滴下した。次に水酸化リチウム(110mg,2.63mmol)を3mLの水に溶かし滴下した。更に氷冷下1時間撹拌した。反応液に亜硫酸ナトリウム(1.00g,9.63mmol)を4mLの水に溶かし滴下した。反応液を水中に注ぎ、塩酸にて酸性とした後塩化メチレンで抽出した。抽出液は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(溶出液 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:3v/v)にて精製し、263mg(収率42%)の目的化合物を無色結晶として得た。
融点 102−103℃;
元素分析値 C2121NO・1/6HO(430.401):
計算値 C,58.60; H, 5.00; N, 3.25.
実測値 C,58.34; H, 5.05; N, 3.39.;
高分解能質量分析値 C2122NO(M+H)::
計算値 428.1485
実測値 428.1453
〔実施例9〕(S)−(+)−2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
実施例8と同様にして表題化合物を得た。
融点 120−121℃;
元素分析値 C2121NO(427.40):
計算値 C,59.02; H, 4.95; N, 3.28.
実測値 C,58.97; H, 5.12; N, 3.16.;
高分解能質量分析値 C2122NO(M+H):
計算値 428.1485
実測値 428.1490
〔実施例10〕(R)−(−)−2−エチル−3−[4−メトキシ−3−[N−[[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)]フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸
Figure 2007001912
実施例8と同様にして[5(2R,4’S)]−2−メトキシ−5−[[2−(2−オキソ−4−ベンジルオキサゾリジン−3−イル)カルボニル]ブチル]安息香酸(WO2005/009942号の実施例2に記載の化合物)を出発物質に用いて表題化合物を得た。
融点 108−110℃;
元素分析値 C2121NO・1/3HO(433.41):
計算値 C,58.20; H, 5.04; N, 3.23.
実測値 C,58.27; H, 4.99; N, 3.14.;
高分解能質量分析値 C2122NO(M+H):
計算値 428.1485
実測値 428.1519
〔実施例10〕ヒトペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)の転写活性化作用
10%脱脂牛血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(FCS/DMEM)にて培養したヒト胎児腎細胞(HEK293)に、酵母の転写因子(GAL4)のDNA結合領域と、ヒト型PPARの各サブタイプ(α、δ、γ)のリガンド結合領域との融合蛋白質を発現する受容体プラスミド及びそのレポータープラスミド、さらに内部標準用のβガラクトシダーゼプラスミドをリン酸カルシウム法にて無血清状態にてコトランスフェクションした。その後、被検化合物(実施例1,2,5,7〜10)を添加して16時間後にルシフェラーゼ活性及びβガラクトシダーゼ活性を測定し、内部標準により補正した。
本試験法により評価した結果、本発明化合物(実施例1,2,5,7〜10)はヒトPPARαに対しては数百nM以下のEC50値を示した。ヒトPPARδに対しては数μMのEC50値を示した。ヒトPPARγに対しては数μMのEC50値を示した。このことより本発明化合物(実施例1,2,5,7〜10)はヒトペルオキシゾ−ム増殖剤応答性受容体に対して強力な転写活性化作用を有することが示された。上述の結果から、本発明の置換フェニルプロピオン酸誘導体は優れたヒトPPAR転写活性化作用を有する新規な化合物群であることが示された。これら本発明の化合物では、ヒトPPARに対する作動活性を有する事から前述した脂質低下薬、特に肝臓における脂質の低下薬、動脈硬化の進展に対する抑制薬、抗肥満薬、インスリン抵抗性改善薬、抗癌薬として有効な化合物と言える。

Claims (2)

  1. 一般式(1):
    Figure 2007001912

    [式中、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又は無置換若しくは置換基を有していても良いフェノキシ基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は炭素数1〜3の低級アルコキシ基を表し、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基を表し、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−を表す。]
    で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物。
  2. 一般式(1):
    Figure 2007001912

    [式中、R1はトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換又は置換基を有していても良いフェノキシ基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は炭素数1〜3の低級アルコキシ基を表し、R4は炭素数1〜6の低級アルキル基を表し、Xは−CHNHCO−又は−CONHCH−を表す。]
    で表される置換フェニルプロピオン酸誘導体若しくはその薬剤上許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有するペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体の転写活性化剤。
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