JP2006523614A - 2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン、およびこれを利用した9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−イル]−2−アミノプリンの製造方法 - Google Patents

2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン、およびこれを利用した9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−イル]−2−アミノプリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン、及びこれを利用した9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(ファムシクロビル)の效果的な製造方法に関するものである。本発明による2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンは式(II’)で表わされる。ファムシクロビルの製造方法は、2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンをハロゲン化して2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンとし、これをジエチルマロネートと反応させる工程でなっている。本発明による製造方法は新規の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンを利用することによって、有效な抗ウイルス活性を持つプリン誘導体薬剤であるファムシクロビルを、100%の選択性で純粋に製造することができる。さらに、本発明方法は、比較的穏やかな反応条件で行うことができ、工業的に效率が良い。

Description

本発明は新規の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン〔2−amino−9−(2−substitutedethyl)purine〕、及びこれを利用した9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン〔9−[4−acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−aminopurine]の效果的な製造方法に関するものである。より詳しくは、式(II’)で表わされる2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンを用いて穏やかな条件下で、選択性を高く、効率よく式(I)で表わされるファムシクロビル〔Famciclovir〕を製造する方法に関するものである。
Figure 2006523614
Figure 2006523614
式(I)の化合物、すなわちファムシクロビルを製造する従来技術として、例えば、ヨーロッパ特許第182,024号、アメリカ特許第5,684,153号、アメリカ特許第5,138,057号及びアメリカ特許第5,917,041号がある。
ヨーロッパ特許第182,024号及びアメリカ特許第5,684,153号は、下記の反応式(1)に示されたように式(VIII)の2−アミノ−6−クロロプリン〔2−amino−6−chloropurine〕を、式(IX)の2−アセトキシメチル−4−ハロブチ−1−イル〕−アセテート〔2−Acetoxymethyl−4−halobut−1−yl−acetate〕と反応させて、式(X)の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノ−6−クロロプリン〔9−[4−Acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−amino−6−chloropurine〕とし、次いで還元触媒としてパラジウムを用いて式(I)の化合物に還元する方法を提案している。
Figure 2006523614
しがしながら、上記の製造方法は、反応式(2)に示したように、式(VIII)の化合物と式(IX)の化合物の反応によって、式(X)の化合物だけでなく、異性体である式(XI)の7−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノ−6−クロロプリン〔7−[4−Acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−amino−6−chloropurine〕を80%:20%の割合で生成するので、式(X)の化合物に対する選択性が低く、またその精製が非常に難しくなるという深刻な問題点がある。
Figure 2006523614
さらに、反応式(1)による製造方法では、式(X)の化合物から最終目的物である式(I)の化合物とするのに、爆発性が高いパラジウム触媒を使用しなければならず、工程上の效率が良くなく、工業的に適していないという深刻な問題点がある。
一方、アメリカ特許第5,138,057号は、反応式(3)に示したように、式(XII)の2−アミノ−6,8−ジクロロプリン〔2−Amino−6,8−dichloropurine〕を式(IX)の〔2−アセトキシメチル−4−ハロブチ−1−イル〕−アセテートと反応させて式(XIII)の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノ−6,8−ジクロロプリン〔9−[4−Acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−amino−6,8−dichloropurine〕とし、次いで高圧条件下、還元触媒としてパラジウムを用いて還元して式(I)の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン〔9−[4−acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−aminopurine〕とする方法を提案している。
Figure 2006523614
この方法は、式(XII)の化合物と式(IX)の化合物との反応によって、式(XIII)の化合物ばかりでなく、異性体である式(XIV)の7−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノ−6,8−ジクロロプリン〔7−[4−acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−amino−6,8−dichloropurine〕を94%:6%の割合で生成して、選択性が僅か向上するが、前述のヨーロッパ特許第182,024号及びアメリカ特許第5,684,153号と同様、式(XIII)の化合物から最終目的物である式(I)の化合物とする時に、高圧條件(50psi以上)下、爆発性が非常に高いパラジウム触媒を使わなければならない。この理由から、この方法の工業的な適用は、依然難しい、という深刻な問題点がある。
また、アメリカ特許第5,917,041号は、反応式(4)に示されたように、式(XV)のN−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド〔N−(2−Amino−4,6−dichloro−5−pyrimidinyl)formamide〕を、式(XVI)の2−アセトキシメチル−4−アミノブチ−1−イル〕−アセテート〔2−Acetoxymethyl−4−aminobut−1−yl−acetate〕と反応させて式(XVII)の化合物とし、次いで式(XVIII)のトリエチルオルトホルメ−ト〔Triethylorthoformate〕を用いて式(X)の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノ−6−クロロプリンとし、還元触媒としてパラジウムを用いて式(I)とする方法を提案している。
Figure 2006523614
しかしながら、この方法は、反応式(5)に示したように、式(XIX)の2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン〔2,5−Diamino−4,6−dihydroxypyrimidine〕と式(XX)のクロロメチルレンイミン塩〔Chloromethylenimminimum salt〕を出発原料として式(XV)の化合物を製造しなければならず、これら出発原料が高価である上、出発原料から多くの段階を経って最終目的物である式(I)の化合物は収率が略32%と非常に低い、という問題がある。
また、前述したヨーロッパ特許第182,024号及びアメリカ特許第5,684,153号と同様、爆発性のパラジウム触媒を使わなければならない。このように、この方法は、工程上の效率が良くなく、反応経路が長くて工業的の適用を難しくしているという問題点がある。
Figure 2006523614
従って、本発明の第一の目的は抗ウイルス活性を持つプリン誘導体薬剤としてのファムシクロビルを效果的に製造できる新規の化合物を提供することにある。
第2の目的は、高い選択性を持って工程效率が良好なファムシクロビルの製造方法を提供することにある。
第3の目的は、比較的穏やかな反応条件で、工程效率の良いファムシクロビルの製造方法を提供することにある。
以下、本発明を詳しく説明する事にする。
本発明は、式(II’)で表わされる新規の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン〔2−amino−9−(2−substituted ethyl)purine〕、及びこれを利用した式(I)の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(以降、“ファムシクロビル”と呼ぶ)を效果的に製造する方法に関するもので、このファムシクロビルは、抗ウイルス有效活性を持つプリン誘導体の薬物である(ヨーロッパ特許第141,927号参照)。
Figure 2006523614
Figure 2006523614
式(II’)の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンを用いてファムシクロビルを製造する本発明による方法によれば、式(II’)の化合物は、100%の選択性を示すので、ファムシクロビルの製造過程において、式(I)のファムシクロビルとは異性体となり、薬理活性がない式(XXIII)の7−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン〔7−[4−Acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−aminopurine〕を副生しない。そこで、目的物であるファムシクロビルを100%の高選択性で製造することができる。
Figure 2006523614
本発明の式(II’)に表われる化合物が、式(II)の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン〔2−Amino−9−(2−hydroxyethyl)purine〕あるいは式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリン〔2−Amino−9−(2−halogenoethyl)purine〕であるとき、以下に記載する方法で式(I)のファムシクロビルが、所望の化合物として100%の選択性で製造される。すなわち、この方法は、式(II)の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンをハロゲン化反応させて式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンとし、次いで式(III)化合物を式(IV)のジエチルマロネート〔Diethylmalonate〕で置換反応させて式(V)の2−アミノ−9−(エチル−2−カルボエトキシブタノエート−4−イル)プリン〔2−Amino−9−(ethyl−2−carboethoxybutanoate−4−yl)purine〕とし、式(V)の化合物を還元させて式(VI)の2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリン〔2−Amino−9−[4− hydroxy−3−(hydroxymethyl)but−1−yl]purine〕とし、最後に、式(VI)の化合物をアセチル化する。
Figure 2006523614
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本発明の製造方法に関する上記の概括的説明で、式(II)及び式(III)の化合物は、本発明の製造方法における核心物質である。式(II)の化合物は、その異性体である式(VII)の2−アミノ−7−(2−ヒドロキシエチル)プリン〔2−Amino−7−(2−hydroxyethyl)purine〕を含んでいないので、100%の高い選択性を持つことになる。
Figure 2006523614
本発明の構造式(II’)で表示した化合物としては、式(II)の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン以外に、式(XXVI)の2−アミノ−9−(2−メシルオキシエチル)プリン〔2−Amino−9−(2−mesyloxyethyl)purine〕、または式(XXVII)の2−アミノ−9−(2−トシルオキシエチル)プリン〔2−Amino−9−(2−tosyloxyethyl)purine〕のような種々の置換基をもつ化合物であることができる。これらはどれも抗ウイルス及び抗バクテリア活性を持つファムシクロビルのようなプリン誘導体医薬品製造の中間体として非常に有用である。
Figure 2006523614
Figure 2006523614
式(II’)の好ましい例である式(II)の化合物、式(XXVI)の化合物、または式(XXVII)の化合物はどれもハロゲン化反応によって式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンに変換される。
一方、式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンにおけるハロゲンは、特に制限するものではないが、1)式(III)の化合物の製造が容易であり、2)反応工程が非常に效率的であり、3)臭素化剤で90%以上の高い収率となる、との観点から臭素が最も好ましい。式(III)の誘導体のうち、臭素置換基のある2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン〔2−Amino−9−(2−bromoethyl)purine〕は、式(III−1)で示される。
Figure 2006523614
以下に、本発明による製造方法を、式(II’)に表示される本発明の新規化合物の例として、式(II)の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンあるいは式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンを用い、反応式(6)を参照しつつ詳細に説明する。
反応式(6)に示されているように、式(II)の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンと四塩化炭素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ジブロモトリフェニルホスフィン、四臭化炭素、N−ブロモスクシンイミドなどのハロゲン化剤と、極性または非極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略20〜40℃で、略2〜10時間、好ましくは略3〜5時間反応させて式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンとする。次いで式(III)の化合物を、式(IV)のジエチルマロネートと、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基存在下、極性有機溶媒の中、0〜100℃、好ましくは40〜60℃、略2〜10時間、好ましくは略3〜5時間反応させて、式(V)の2−アミノ−9−(エチル−2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリンとする。次いで、式(V)の化合物を分離するか、または分離しないまま、水素化ホウ素ナトリウム、水酸化アルミニウムリチウムなどの還元剤と、極性または非極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略40〜60℃で、略2〜10時間、好ましくは略3〜5時間反応させて、式(VI)の2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリンとする。次いで式(VI)の化合物を、無水酢酸と、非極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略20〜40℃で、略2〜10時間、好ましくは略3〜5時間の間反応させて最終の目的化合物である式(I)のファムシクロビルを得る。
Figure 2006523614
本発明の製造方法において使用される極性有機溶媒の好ましい例は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、酢酸、及びメタノール、エタノール、イソプロパノ−ルなどの炭素数1〜3の低級アルコ−ル、これらからの混合物である。非極性有機溶媒の好ましい例は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、およびこれらからの混合物である。
一方、本発明の前記製造方法における出発原料として使用される式(II’)の化合物は、新規化合物であり、その製造方法を、
式(II’)の化合物が2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンである例により次の反応式(7)を参照しつつ簡単に記載する。
下記の反応式(7)に示されているように、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン〔2−Amino−4−(2−hydroxyethylamino)−5−nitropyrimidine〕とラネーニッケルあるいは鉄粉末などの還元剤と、極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略30〜50℃で、略1〜10時間、好ましくは略2〜5時間反応させて、構造式(XXV)の2,5−ジアミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)ピリミジン〔2,5−Diamino−4−(2−hydroxyethylamino)pyrimidine〕を得る。次いで、式(XXV)の化合物を分離することなく直ちに式(XVIII)のトリエチルオルトホルメート中、略50〜150℃、好ましくは略70〜90℃で、略5〜15時間、好ましくは略8〜10時間反応させることによって、2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンとする。
Figure 2006523614
反応式(7)で使用される極性有機溶媒の好ましい例は、前述したのと同じである。
一方、式(II)の化合物の製造に使用される式(XXIV)の化合物は、直接製造して使うことができるし、またその製造方法は、有機化学雑誌〔Journal of organic chemistry〕、20巻、171頁(1955年)、および化学学会雑誌〔Journal of the Chemistry Society〕、2821頁(1958年)に詳しく記載されている。
式(XXIV)の製造方法を簡単に説明する。反応式(8)に示されたように、式(XXVIII)の5−ニトロウラシル〔5−Nitrouracil〕を、オキシ塩化リン(Phosphorus oxychloride)などの塩化剤と、略50〜150℃、好ましくは略90〜110℃で、略1〜10時間、好ましくは略2〜5時間反応させて、次の式(XXIX)の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン〔2,4−Dichloro−5−nitropyrimidine〕とする。次いで式(XXIX)の化合物を、式(XXX)のエタノールアミンと、極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略10〜20℃で、略10〜30時間、好ましくは略15〜20時間反応させて、式(XXXI)の2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン〔2−Chloro−4−(2−hydroxyethylamino)−5−nitropyrimidine〕とする。次いで、式(XXXI)の化合物とアンモニアを、極性有機溶媒中、略0〜100℃、好ましくは略40〜60℃で、略10〜20時間、好ましくは略12〜15時間反応させることによって、式(XXIV)の2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン〔2−amino−4−(2−hydroxyethylamino)−5−nitropyrimidine〕を得る。
Figure 2006523614
反応式(8)で使われる極性有機溶媒の好ましい例は、前述したのと同じである。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に述べる。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって制限されるものではない、ということ心に留めておくべきである。
実施例1:2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジンの製造
5−ニトロウラシル15.71g(0.1モル)をオキシ塩化リン31.42mlに完全に溶解させ、室温でジエチルアニリン22.39g(0.15モル)をゆっくりと加えた。混合液の入った反応器は、温度がゆっくりと105〜110℃に上り、この温度で3時間撹拌した。反応終了後、減圧で濃縮した。濃縮液に水150mlをゆっくりと加え、エチルエーテル200mlで3回抽出した。有機層を集め、水300mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、減圧蒸留して油状の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン13.58g(収率70%)を得た。
IR:γmax(cm−1):3085、1532、1353、1344、1207、1104
NMR(CDCl,300MHz)(ppm):
9.18(1H,s,C−6のH)
実施例2:2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジンの製造;
5−ニトロウラシル15.71g(0.1モル)をオキシ塩化リン31.42mlに完全に溶解させ、室温でジメチルアニリン18.78g(0.15モル)をゆっくりと加えた。混合物の入った反応器は、温度がゆっくりと105〜110℃に上り、この温度で5時間撹拌した。反応終了後、減圧で濃縮し、濃縮液を水150mlに加え、エチルエーテル200mlで3回抽出した。有機層を集め、水300mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、減圧蒸留して油状の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン12.03g(収率62%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例1と同じである。
実施例3:2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジンの製造;
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン19.40g(0.1モル)をメタノール60mlに完全に溶解させ、15℃以下に保持した。この溶液を20℃以下に保ちながらエタノールアミン12.22g(0.2モル)をメタノール20mlに溶解させた溶液をゆっくりと加え、15℃以下で18時間撹拌した。反応終了後、5℃以下に保持し、生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して淡黄色の2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン18.58g(収率85%)を得た。
融点:123−125℃
IR:γmax(cm−1):3330、3164、1536、1431、1314、1104
NMR(DMSO−D、300MHz)(ppm):
3.59−3.61(2H、t、−NHCH CH
3.90−3.94(2H、t、−NHCH CH−)
4.92(1H、brs、−OH)
8.99−9.03(2H、m、−NHCHCH− およびC−6のH)
実施例4:2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジンの製造;
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン19.40g(0.1モル)をエタノール60mlに完全に溶解させ、15℃以下に保持した。この溶液を20℃以下に保ちながら、エタノールアミン12.22g(0.2モル)をメタノール20mlに溶解させた溶液
をゆっくりと加え、15℃以下で18時間撹拌した。反応終了後、5℃以下に保持し、生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して淡黄色の2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン17.71g(収率81%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例3と同じである。
実施例5:2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジンの製造;
2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン21.86g(0.1モル)をエタノール500mlに溶解させ、50〜60℃に保持し、アンモニアを13時間バブリングさせた。反応終了後、5℃以下に保持し、生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して淡黄色の2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン18.92g(収率95%)を得た。
融点:192−194℃
IR:γmax(cm−1):3341、3337、3314、3104、2981、1531
NMR(DMSO−D、300MHz)(ppm):
3.30−3.34(2H、t、−NHCH CH −)
3.54−3.59(2H、t、−NHCH CH−)
4.90(1H、brs、−OH)
7.63−7.70(2H、d、−NH
8.63(1H、s、−NHCHCH−)
8.85(1H、s、C−6のH)
実施例6:2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジンの製造;
2−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン21.86g(0.1モル)を、アンモニアを飽和させたエタノール500mlに溶解させ、50〜60℃に保持し、アンモニアを13時間バブリングした。反応終了後、5℃以下に保持し、生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して淡黄色の2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン18.81g(収率93%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例5と同じである。
実施例7:2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンの製造;
2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン19.92g(0.1モル)をメタノール400mlに懸濁させ、ウェット(wet)ラネーニッケル10gを加え、30〜40℃で3時間撹拌した。反応終了後、ニトロセルロースを通して濾過し、次いで洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、トリエチルオルトホルメ−ト100ml、濃塩酸10mlを加え、80〜90℃で還流煮沸させながら9時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、これにエチルエーテル200mlを加えた。生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して黄褐色の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン13.44g(収率75%)を得た。
融点:173−175℃
IR:γmax(cm−1):3410、3335、3205、2945、1627、1577
NMR(DMSO−D、300MHz)(ppm):
3.68−3.78(2H、t、=NCH CH −)
4.00−4.16(2H、t、=NCH CH−)
4.99(1H、brs、−OH)
6.39−6.52(2H、q、−NH
7.99(1H、s、C−8のH)
8.55(1H、s、C−6のH)
実施例8:2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンの製造;
2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−ニトロピリミジン19.92g(0.1モル)を酢酸400mlに懸濁させ、鉄粉末20gを加えた。混合液を30〜40℃で3時間撹拌した。反応終了後、ニトロセルロースを通して濾過し、次いで洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、トリエチルオルトホルメ−ト100ml、濃塩酸10mlを加え、80〜90℃で還流煮沸させながら9時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、エチルエーテル200mlを加えた。生成した結晶を濾過、洗浄、乾燥して黄褐色の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン10.75g(収率60%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例7と同じである。
実施例9:2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリンの製造;
2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン17.92g(0.1モル)をアセトニトリル400mlに完全に溶解させ、ジブロモトリフェニルホスフィン84.42g(0.20モル)を加え、30〜40℃で5時間撹拌した。反応終了後、水300mlを加え、水酸化ナトリウム水溶液で中和してから、クロロホルム:メタノール=4:1の混合溶液500mlで4回抽出した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、クロロホルムで結晶化して白色の2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン22.03g(収率91%)を得た。
融点:192−194℃
IR:γmax(cm−1):3332、3211、2973、1612、1567、1472
NMR(DMSO−D,300MHz)(ppm):
3.89−3.93(2H、t、=NCH CH −)
4.44−4.48(2H、t、=NCH CH−)
6.57(2H、s、−NH
8.09(1H、s、C−8のH)
8.58(1H、s、C−6のH)
実施例10:2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリンの製造;
2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリン17.92g(0.1モル)を1,4−ジオキサン200mlに完全に溶解させ、5℃以下で冷却して、四臭化炭素49.75g(0.15モル)を加えた。この冷却した中にトリフェニルホスフィン39.34g(0.15モル)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、水300mlを加え、次いで、クロロホルム:メタノール=4:1の混合溶液500mlで4回抽出した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムを加えて脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、クロロホルムで結晶化させて白色の2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン15.74g(収率65%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例9と同じである。
実施例11:2−アミノ−9−(エチル2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリンの製造;
2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン24.21g(0.1モル)をジメチルスルホキシド120mlに完全に溶解させ、ジエチルマロネート48.05g(0.3モル)、炭酸カリウム41.46g(0.3モル)を加え、40〜50℃で4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水300mlを加え、ジクロロメタン400mlで3回抽出した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化して淡黄色の2−アミノ−9−(エチル2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリン27.31g(収率85%)を得た。
融点:65−67℃
IR:γmax(cm−1):3337、3204、2953、1743、1730、1631
NMR(DMSO−D、300MHz)(ppm):
1.09−1.14(6H、t、−CH CH ×2)
2.31−2.35(2H、q、=NCH CH CH=)
3.43−3.48(1H、t、=NCHCH CH=)
3.99−4.13(6H、m、−CH CH×2 および=NCH CHCH=)
6.50(2H、s、−NH
8.00(1H、s、C−8のH)
8.55(1H、s、C−6のH)
実施例12:2−アミノ−9−(エチル 2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリンの製造;
2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン24.21g(0.1モル)をジメチルホルムアミド200mlに完全に溶解させ、ジエチルマロネート48.05g(0.3モル)、炭酸カリウム41.46g(0.3モル)を加え、40〜50℃で4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水300mlを加え、ジクロロメタン400mlで3回抽出した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて淡黄色の2−アミノ−9−(エチル2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリン26.67g(収率83%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例11と同じである。
実施例13:2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリンの製造;
2−アミノ−9−(エチル2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリン32.13g(0.1モル)をt−ブタノール300mlに溶解させ、50〜60℃に加温し、水素化ホウ素ナトリウム21.06g(0.61モル)を加え、メタノール30mlをゆっくりと加えて4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、希釈した塩酸で中和した後、濃縮した。この濃縮液にメタノール100mlを加え、室温で2時間撹拌させた後、濾過した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて淡白色の2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリン18.98g(収率80%)を得た。
融点:152−154℃
IR:γmax(cm−1):3432、3336、3215、3007、2964、1638
NMR(DMSO−D,300MHz)(ppm):
1.41−1.49(1H、m、=NCHCH CH=)
1.75−1.86(2H、q、=NCH CH CH=)
3.33−3.42(4H、m、−CH OH×2)
4.07−4.13(2H、t、=NCH CHCH=)
4.40(2H、brs、−CH OH×2)
6.51(2H、s、−NH
8.10(1H、s、C−8のH)
8.60(1H、s、C−6のH)
実施例14:2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリンの製造;
2−アミノ−9−(エチル2−カルボエトキシブタノエ−ト−4−イル)プリン32.13g(0.1モル)をジクロロメタン600mlに溶解させ、50〜60℃に加温し、水素化ホウ素ナトリウム21.06g(0.61モル)を加え、メタノール30mlをゆっくりと加えて4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、希釈した塩酸で中和し、濃縮した。この濃縮液にメタノール100mlを加え、室温で2時間撹拌した後、濾過した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて淡白色の2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリン18.96g(収率80%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例13と同じである。
実施例15:2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリンの製造;
2−アミノ−9−(2−ブロモエチル)プリン24.21g(0.1モル)をジメチルスルホキシド120mlに完全に溶解させ、ジエチルマロネート48.05g(0.3モル)、炭酸カリウム41.46g(0.3モル)を加え、40〜50℃で4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水300mlを加え、ジクロロメタン400mlで3回抽出した。有機層を集め、無水硫酸マグネシウムで脱水、濾過、洗浄した。この濾液を減圧で濃縮し、t−ブタノール300mlを加え、60℃に加温した後、水素化ホウ素ナトリウム21.06g(0.61モル)を加えた。この混合液にメタノール30mlをゆっくりと加え、5時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、希釈した塩酸で中和し、濃縮した。この濃縮液にメタノール100mlを加え、室温で2時間撹拌した後、濾過した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて淡黄色の2−アミノ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル]プリン13.05g(収率55%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例13と同じである。
実施例16:9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(ファムシクロビル)の製造;
2−アミノ−9−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル)プリン23.73g(0.1モル)をテトラヒドロフランに300mlに懸濁させ、ピリジン24.52g(0.31モル)、4−ジメチルアミノピリジン1.22g(0.01モル)、無水酢酸21.44g(0.21モル)を加えて室温で5時間撹拌した。反応終了後、減圧で濃縮し、精製水300mlを加え、クロロホルム400mlで4回抽出した。有機層を集め、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて白色の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(ファムシクロビル)24.10g(収率75%)を得た。
融点:137−139℃
IR:γmax(cm−1):3330、3160、1743、1728、1645、1606
NMR(DMSO−d,300MHz)(ppm):
1.86−2.03(9H、m、=NCH CH= および−CH(CHOCOCH
4.07(4H、d、−CH(CH OCOCH
4.16(2H、t、=NCH CHCH=)
6.38(2H、brs、−NH
8.06(1H、s、C−8のH)
8.61(1H,s,C−6のH)
実施例17:9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(ファムシクロビル)の製造;
2−アミノ−9−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)ブチ−1−イル)プリン23.73g(0.1モル)をテトラヒドロフラン300mlに懸濁させ、トリエチルアミン31.37g(0.31モル)、4−ジメチルアミノピリジン1.22g(0.01モル)、無水酢酸21.44g(0.21モル)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、減圧で濃縮し、精製水300mlを加え、クロロホルム400mlで4回抽出した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、洗浄した。濾液を減圧で濃縮し、ブタノールで結晶化させて白色の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン(ファムシクロビル)21.85g(収率68%)を得た。
この化合物のスペクトルデータは、実施例16と同じである。
前述したように、本発明による製造方法は、新規化合物である2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリンを利用することによって、有效な抗ウイルス活性を持つプリン誘導体の薬剤であるファムシクロビルを、100%という高い選択性で純粋に製造することができる。さらに、この方法は、比較的温和な反応条件で行うことができ、工業的に効率が良い。

Claims (14)

  1. 下記の式(II’)に表わされることを特徴とする2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン〔2−amino−9−(2−substituted ethyl)purine〕。
    Figure 2006523614
  2. 前記式(II’)におけるRがBrで、下記の式(III−1)で表わされることを特徴とする請求項1に記載の2−アミノ−9−(2−置換エチル)プリン。
    Figure 2006523614
  3. 下記の式(XXIV)の化合物を極性有機溶媒中で還元剤と反応させ、その還元化合物を下記の式(XVIII)の化合物と反応させることを特徴とする下記の式(II)で表される2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンの製造方法。
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
  4. 前記還元剤が、ラネーニッケルまたは鉄粉末であり、前記極性有機溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、酢酸、及びメタノール、エタノール、イソプロパノールを含む炭素数1〜3の低級アルコールの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3に記載の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンの製造方法。
  5. 前記式(XXIV)の化合物と還元剤の反応が、極性有機溶媒中、0〜100℃で行なわれ、前記式(XXIV)の還元化合物と前記式(XVIII)の反応が、50〜150℃で行なわれることを特徴とする請求項3また4に記載の2−アミノ−9−(2−ヒドロキシエチル)プリンの製造方法。
  6. (A)下記の式(II’)の化合物とハロゲン化剤を、極性または非極性有機溶媒中で反応させて下記の式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリン〔2−amino−9−(2−halogenoethyl)purine〕を得る段階;及び(B)下記の式(III)の2−アミノ−9−(2−ハロゲノエチル)プリンと下記の式(IV)の化合物を、塩基の存在下に極性有機溶媒中で反応させて下記の式(V)の化合物とする段階;よりなることを特徴とする9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリン〔9−[4−acetoxy−3−(acetoxymethyl)but−1−yl]−2−aminopurine〕の製造方法。
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
  7. 前記(B)段階に続いて、さらに(C)前記式(V)の化合物を、還元剤と極性または非極性有機溶媒中で反応させて下記の式(VI)の化合物を得る段階;及び(D)式(VI)の化合物を、非極性有機溶媒中で無水酢酸と反応させて下記式(I)の化合物とする段階;でなることを特徴とする請求項6に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
  8. 前記式(II’)の化合物が下記の式(II)の化合物であり、前記式(III)の化合物が下記の構造式(III−1)の化合物であることを特徴とする請求項6に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
    Figure 2006523614
    Figure 2006523614
  9. 前記ハロゲン化剤が、四塩化炭素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ジブロモトリフェニルホスフィン、四臭化炭素、及びN−ブロモスクシンイミドから選ばれることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
  10. 前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
  11. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム及び/または水素化アルミニウムリチウムであることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
  12. 前記極性有機溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、酢酸、及びメタノール、エタノール、イソプロパノ−ルを含む炭素数1〜3の低級アルコールの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
  13. 前記非極性有機溶媒が、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、及びジクロロメタンの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
  14. 前記反応が、0〜100℃で行なわれることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の9−[4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブチ−1−イル]−2−アミノプリンの製造方法。
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