JP2006518699A - 摩耗用途のcvdダイヤモンド - Google Patents

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Abstract

線引きダイス、製図用具又はスティッチェル、又は流体ジェットノズルのような摩耗用途のための耐摩耗性材料として特に適切な単結晶CVD(化学蒸着)ダイヤモンド物体。このダイヤモンドは、典型的には、低い摩耗率を有し、低い歪みを示す小さい複屈折を示し、高度の表面研磨を示すように処理される能力を有する。

Description

本発明は、摩耗表面(wearsurface)として用いられ、特に線引き用ダイス(wire drawing die)に用いるための単結晶CVD(化学蒸着)ダイヤモンドに関する。
本願では、「摩耗表面」とは、別の表面又は流体と滑り接触又は動き接触に付される固体の表面のことであり、この場合、その表面は、摩耗率が小さく、場合により更に次の性質:a)その用途に付随する荷重を受けながらの表面変化量が少なく、b)その表面で発生する摩擦力が小さく、又はc)光学的表面の劣化のような有害な変化に対する表面の抵抗性;の一つ以上をもつため、そのような用途に特に適している。
線引きダイスは、貫通して形成された孔を有し、適当な支持体に取付けられた堅い材料の本体を有する。そのような本体は、線引きダイス素材(blank)として知られている。孔の直径よりも大きな直径を有するワイヤーをその孔に通して引き、それによりその直径を小さくする。ダイスの内面は摩耗表面を形成する。その本体のために種々の硬質材料を用いることができる。既知の最良の材料の一つは、硬度及び耐摩耗性のためにダイヤモンドである。線引きダイスに用いられてきたダイヤモンドには、天然ダイヤモンド及びHPHT合成ダイヤモンドが含まれる。
線引きダイスの用途では、二つのパラメーターが鍵になると考えられる。先ず第一に全摩耗率である。第二は、非対称的摩耗により生ずる偏平度(ovality)、即ち、丸みからの変化である。単結晶ダイヤモンドでは、摩耗の非対称性は、典型的には{111}面板で、その板の垂線に平行な、<111>方向に配列したワイヤー形成孔(即ち、板の{111}主表面に垂直に配列したワイヤー形成孔)有する板を用いることにより減少するが、丸くない断面を有するワイヤーを製造する場合には、他の配向の板及び孔の方向が好ましいことがある。
ダイヤモンドの摩耗率は、それが測定される条件に対し非常に敏感である。後で記載するように、このことは、作用すると考えられる可能な摩耗機構で、試験条件に従って与える影響が変化することがある摩耗機構の範囲に関連して合理的に説明することができる。しかし、この時点で決定的なモデルは存在していない。特別な一組の条件では、ダイヤモンドで得られる今までの最小摩耗率(従って、摩耗表面として最も有利なもの)は、一般に材料の基本的性質になるものとして受け入れられており、高品質単結晶天然ダイヤモンドで観察されている挙動により典型的に示されている。適当な天然ダイヤモンドでは入手が困難でコストが高いため、HPHT合成単結晶ダイヤモンドの実質的市場を発展させる結果になっている。CVD単結晶ダイヤモンドを用いることには関心が持たれてきているが、今日までこれは商業的に入手できるようにはなっていない。
最近、有利な電気的性質を有する高純度の高品質CVDダイヤモンドを作ることができることが報告されている(国際特許WO 01/96634公報)。その記載は、不純物及び転位のような格子欠陥の導入を調節することにより、天然ダイヤモンドの電気的性能を達成することができるのみならず、或る重要な電気的パラメーターで天然ダイヤモンドを実質的に凌駕することが可能になってきたことを示している。このことは、予測されていなかったが、そのような不純物及び欠陥が帯電キャリヤーをトラップする効果に関して、後から振り返って見て合理的なものとして説明されている。
発明の要約
本発明の第一の態様により、摩耗用途で用いるための、CVDにより製造された単結晶ダイヤモンド物体が与えられ、この場合そのダイヤモンドの表面の摩耗率が、以下に記載するやり方で測定して、0.11μm/分以下であり、好ましくは0.10μm/分以下、一層好ましくは0.095μm/分以下、更に一層好ましくは0.090μm/分以下である。
その単結晶ダイヤモンド物体は、好ましくは特性(i)〜(iii)の少なくとも一つを有する:
(i) 成長中に混入することにより得られる不純物又はドーパントとしてダイヤモンド中に存在する窒素。その窒素は一般に単結晶の全体積に亙って存在しているであろうが、濃度は変化していることがある。成長形態及び得られる内部結晶構造に与えるその影響から利点が得られるが、時には摩耗表面にそれが存在することによっても利点が得られる。摩耗表面、又は本体主要部、又はそれら両方にある窒素は、一つの置換窒素中心[N−C]の形での電子常磁性共鳴(EPR)を用いて測定して、典型的には2×1015原子/cm、好ましくは1×1016原子/cm、一層好ましくは2×1016原子/cm、及び更に一層好ましくは5×1016原子/cmの下限、及び1×1019原子/cm、好ましくは3×1018原子/cm、及び一層好ましくは1×1018原子/cmの上限を有する濃度範囲にある;
(ii) 摩耗表面、即ち、本体の、摩耗表面として用いられるように予定された表面部分で、単一の成長セクター(growth sector)から形成され、好ましくは{100}、{113}、{111}、及び{110}の成長セクターの一つ、一層好ましくは{100}成長セクターである摩耗表面;
(iii) ダイヤモンド本体は、好ましくは「高結晶質品質」を有する。これに関し、「高結晶質品質」は、ドーパント硼素原子及び窒素原子、及び空位、水素等を含めたもののような点及び線状欠陥が存在していてもよい。
単結晶CVDダイヤモンド本体は、摩耗表面、即ち適用した時、他の運動する部品と接触する摩耗表面として用いられる表面の大部分に亙り、次の特性の一つ以上を有することもできる。ここで用いられる用語「摩耗表面の大部分」とは、摩耗表面の表面の少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、一層好ましくは少なくとも95%、更に一層好ましくは100%を意味する。
a) 成長中に混入することにより存在するドーパント、特にB。それらのドーパントは、一般に単結晶ダイヤモンドの体積全体にわたって存在するであろうが、その濃度は変化することがあり、それらの利点は、主に摩耗表面にそれらが存在していることから主に生ずる。摩耗表面に存在する場合、硼素含有量は、典型的には、1×1016原子/cm、好ましくは5×1017原子/cm、及び一層好ましくは1×1018原子/cmの下限、及び1×1020原子/cm、好ましくは2×1019原子/cm、及び一層好ましくは5×1019原子/cmの上限を有する範囲にある。
b) 300Kで、514nmのArイオン励起で測定した摩耗表面の大部分について、5cm−1より小さいFWHM(半値幅)、好ましくは4cm−1より小さく、一層好ましくは3cm−1より小さく、更に一層好ましくは2.5cm−1より小さい半値幅のラマン線幅。
c) 少なくとも0.4mmの厚さ、好ましくは少なくとも0.6mm、一層好ましくは少なくとも0.8mmの厚さの試料で、少なくとも1.0mm×1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm×1.5mm、一層好ましくは少なくとも2.5mm×2.5mm、更に一層好ましくは少なくとも4mm×4mmの横方向の大きさに亙って測定して、545〜615nmの範囲、好ましくは589.6nmの輻射線を用いて「デルタスキャン(Deltascan)」又は同様な解像力を有する同様な機器により測定して、位相差のsin率、|sinδ|が或る限界を超えないような、小さな歪みを示す低い光学的複屈折。特に、これらの限界は、位相差のsin率(the modulus of the sine of the phase shift)、|sinδ|が、試料分析領域の少なくとも95%、一層好ましくは少なくとも98%、一層好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%で一次に留まっており(即ち、δがπ/2を超えない)、|sinδ|は0.9を超えず、好ましくは0.6を超えず、一層好ましくは0.4を超えず、一層好ましくは0.3を超えず、一層好ましくは0.2を超えない。
d) 少なくとも1.0mm×1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm×1.5mm、一層好ましくは少なくとも2.5mm×2.5mm、更に一層好ましくは少なくとも4mm×4mmの特定の面積にわたって測定して、少なくとも0.4mm、好ましくは少なくとも0.6mm、一層好ましくは少なくとも0.8mmの特定の厚さの試料で、Δn(平均)の最大値、試料厚さにわたって平均した遅い軸及び早い軸に平行な偏光の屈折率の差の平均値が、545〜615nmの範囲、好ましくは589.6nmの輻射線を用いて「デルタスカン」、又は同様な解像力を有する同様な機器により測定して、或る限界を超えないような低い歪みを示す低い光学的複屈折。特に、これらの限界は、試料分析領域の少なくとも95%、一層好ましくは少なくとも98%、更に一層好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%で、複屈折が一次に留まっており(即ち、δがπ/2を超えない)、そしてΔn(平均)が1.5×10−4を超えず、好ましくは5×10−5を超えず、一層好ましくは2×10−5を超えず、一層好ましくは1×10−5を超えないことである。
e) 少なくとも1.0mm×1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm×1.5mm、一層好ましくは少なくとも2.5mm×2.5mm、更に一層好ましくは少なくとも4mm×4mmの面積にわたって高度の表面研磨を示し、表面R(プロファイルを通る平均線からの絶対偏差の数学平均)が2nmより小さく、好ましくは1nmより小さく、一層好ましくは0.6nmより小さく、更に一層好ましくは0.4nmより小さくなるように、処理することができる能力。
f) 5.0mm×3.0mm×0.17〜0.35mm(長さ×幅×厚さ)の個々の試料の大きさで単一カンチレバー・ビーム(single cantilever beam)法を用いて行われた測定から得られた、少なくとも8、好ましくは少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15の大きさのバッチについて試験した試料の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、一層好ましくは少なくとも90%、更に一層好ましくは少なくとも95%が、少なくとも2.5GPa、好ましくは少なくとも3.0GPa、一層好ましくは少なくとも3.5GPaの強度値でのみ破損するような機械的設計強度。
本発明の単結晶CVDダイヤモンド本体は、一般に層状になっており、自立できるものか、又は一層大きなダイヤモンド物体又は層の一つの領域又は層を形成するかであろう。一層大きなダイヤモンド物体又は層は、CVD又は他の合成法により製造された単結晶又は多結晶質ダイヤモンドでもよい。一層大きなダイヤモンド層又は本体は、硼素、窒素、又は他の元素、又はそれらの或る組合せがドープされていてもよい。
本発明の別の態様に従い、本発明の単結晶CVDダイヤモンドの層を製造する方法が与えられる。この方法は、実質的に結晶欠陥を持たない表面を有するダイヤモンド基体を与える工程、用いられる硼素、窒素、又は他のドーパントの適当な原料を含む原料ガスのような原料ガスを与える工程、前記原料ガスを解離する工程、実質的に格子欠陥をもたない表面の上にダイヤモンドをホモエピタキシャル成長させ、それにより単結晶ダイヤモンド、好ましくは上述した種類のダイヤモンドの層を生成させる工程を含む。この方法にとって必須なことは、ダイヤモンド成長が、実質的に結晶欠陥をもたないダイヤモンド表面上に行われることである。
本発明の方法は、原料ガスに、制御して添加される窒素、場合により硼素を用いることを含んでいる。
本発明の方法に従い、特に耐摩耗性材料として適切な、特に線引きダイスの素材を作るのに適した合成CVD単結晶ダイヤモンドを製造することができることが判明した。このCVD法によりそのように製造されたダイヤモンドは、単結晶であり、後で記載する耐摩耗性試験により測定して、0.11μm/分以下、好ましくは0.10μm/分以下、一層好ましくは0.095μm/分以下、更に一層好ましくは0.090μm/分以下である摩耗率を有する。このダイヤモンドは、上述した他の特性の一つ以上を有することも好ましい。
本発明の材料の種々の用途に対し、ダイヤモンド層又は本体は、そのまま用いるか、又は例えばカットすることにより分割し、二つ以上の、一般には多数の一層小さな片又は素子を生成させてもよく、それらは上述した用途の一つ以上で使用されるであろう。片又は素子の形及び大きさは用途によって指定されるであろう。
更に、本発明により、線引きダイスは、後で記載する耐摩耗性試験により測定して、0.11μm/分以下、好ましくは0.10μm/分以下、一層好ましくは0.095μm/分以下、更に一層好ましくは0.090μm/分以下の摩耗率を有する単結晶CVDダイヤモンドであることを特徴とする素材を含む。このダイヤモンドは、上に記載した他の特性の一つ以上を有することも好ましい。
好ましくは、素材は、{111}板で、その面の垂線に平行な<111>方向にその板を通って形成された孔を有する板である。この素材は、{100}板で、その面の垂線に平行な<100>方向に形成された孔を有する板にすることもできる。
単結晶CVDダイヤモンドダイス素材は、線引きダイスを作るために適当な支持体に取付けてもよい。そのような支持体及びそれにダイヤモンド素材を取付ける仕方は当分野でよく知られている。
本発明の詳細な記述
多くの材料で、摩耗機構は未だよく理解されていない。このことは特にダイヤモンドに当てはまる。ダイヤモンドでは、摩耗機構に幾つかの重要な要素があると考えられている:
1) ダイヤモンドが接触する材料との間の相互作用に伴われる化学的要素。特に、鋼のような炭化物形成剤が、ダイヤモンドの炭素を黒鉛化される、又は他の手段により鋼中へ吸収又は溶解されるときに増大した速度でダイヤモンドを摩耗する。
2) 滑動接点の所で局部的プラズマが発生するプラズマ/化学的要素。このモデルには、プラズマを形成させる摩擦により局部的静電気帯電が形成され、一度形成されると、プラズマとダイヤモンド表面との相互作用が、ガス状環境に左右されるようになることがある、ことを含む。
3) ダイヤモンドの小さな破片が除去又は砕けて取れ、そのような破片が摩耗表面又は部品の典型的な幾何学的形態の規模では小さいような機械的要素。
4) 大きな破片が砕けて取れる更に別の機械的要素であるチッピング(chipping)。そのような大きな破片は、摩耗表面又は部品の幾何学的形態を局部的に著しく変化させ、その性能に悪影響を与えることがある。適用する場合、この機構が起きないようにすることが望ましい。
これらの摩耗機構、特にダイヤモンドの化学的摩耗機構が明らかに優勢である場合を考慮して、一般に天然ダイヤモンドがダイヤモンドの摩耗率の限界を示していると推定されてきた。それに反する簡単なモデルはなく、それを探す理由も存在しなかった。或る範囲の材料について、一層一般的な変形及び摩耗についての理解は、通常、転位の存在が自然の滑動面を止め、変形及び摩耗に対し材料を硬化するのに有利であり、従って、転位密度を減少させることにより摩耗率が増大するであろうと言うことを結論させるようになっていた。
従って、本発明が、摩耗率が天然ダイヤモンドのものよりも実質的に低いダイヤモンドの品質を開示していることは、特に鋼ワイヤーを用いて測定した場合、そのモデルは優勢な化学的摩耗機構を有すること示唆しているので、驚異的なことである。
本発明のダイヤモンドでは、それがドーパントを含まないか、又は殆ど含まない場合、摩耗率を減少する可能な機構には:
i) 摩擦加熱により達成される温度を低下するのに役立つ局部的熱拡散性の増大、
ii) 転位密度を非常に低くすることにより歪みを小さくし、材料の化学的摩擦過程に対する敏感性を低下すること、
iii) 転位のような結晶欠陥を無くすことにより摩耗表面に非常に円滑な表面を形成し、それにより一層安定で摩耗しにくい表面を与えること、
が含まれる。
これらの機構の第一は、恐らくドーパントが存在する材料では働かず、少なくとも同じ程度には働かず、熱拡散性が温度と共に著しく低下するのであまり重要にはならないであろう。しかし、ドーパントが存在すると、それらドーパントが表面の帯電状態を変化させ、その電気伝導度を変化させ、それによりエッチング性プラズマの形成、又はダイヤモンド表面でのその効果に影響を与えるようなやり方に関連した更に別の機構が働くことがある。
非常に低い摩耗率を有すると共に、研磨して非常に滑らかな表面にすることができるダイヤモンド摩耗表面には更に別の利点がある。或る用途では、摩耗表面の一つだけにダイヤモンドを用い、他の所には別の材料を用いることが有利である。その別の材料は、必然的にダイヤモンドよりも摩耗を受け易く、ダイヤモンドと他の摩耗表面との間の摩擦及び他の摩擦表面が受ける摩擦量は、ダイヤモンド表面の詳細な条件により実質的に影響を受けることがある。この種の影響は、油、グリース等を用いた場合のように、潤滑された摩耗用途では特に重要になることがあり、その場合、非ダイヤモンド表面の摩耗は、ダイヤモンドの表面粗さによって支配されることがある。
ダイヤモンドの摩耗率を特定化するために、線引きダイス用途で一組の試験条件を開発した。±0.15μm以内に特定化した80μmの範囲内の最小孔直径及び0.1μmより小さい偏平度を有する焼結取付け線引きダイス中へダイヤモンドをプレスして入れた。減少角度は10〜12°であった。線引きするために用いた機械はハインリッヒ(Heinrich)HZ10であり、鉱油冷却剤を用いた湿式線引きを用い、10m/秒の線引き速度、及び公称80μmの直径のワイヤーをもたらす18%の線伸び率を用いてステンレス鋼ワイヤーDIN 1.4301を引くのに用いた。ワイヤーの直径及び偏平度は、ズムバッハ(Zumbach)ODAC 16Jレーザー直径測定装置を用いて試験の開始から種々の時間で測定し、記録した。どのような特定の型/幾何学的形態のものでも最低5つのダイスを試験すべきであり、夫々のダイスについて各摩耗時間でのデーターを得、平均値をプロットした。得られたデーターは、ダイスを出るワイヤーについて測定したワイヤーの直径及び偏平度である。偏平度は、ワイヤーの長径と、その長径に対しどのような角度に回転していてもワイヤーに沿った同じ位置でのワイヤーの短径との差として定義される。
本発明のダイヤモンドの他の可能な特性の範囲は、次のように特徴付けることができる。
複屈折
応力のないダイヤモンドのような等方性媒体では、屈折率は光の偏光方向とは無関係である。もしダイヤモンドが、成長時に生じた応力又は局部的欠陥のためか、又は外部から適用した圧力のために不均一に応力を受けていると、屈折率が異方性になる。屈折率の偏光方向による変動は、一般に楕円の形をした光学的インディカトリックス(indicatrix)と呼ばれる表面により表すことができる。二つの楕円軸の差は、第三の軸に沿った光についての直線複屈折である。これは、応力のない材料の屈折率、応力及び光学的弾性係数を含めた関数として表すことができる。
デルタスカン〔オックスフォード・クリオシステムズ(Oxford Cryosystms)〕は、与えられた波長での屈折率が、見る方向に対し直角な平面内で分極方向にどのように依存するかについての情報を与えている。A.M.グラツェル(Glazer)その他により、どのようにデルタスカンの研究が与えられたかの説明が、Proc. R. Soc. Lond. A, 452 (1996). 2751-2765に与えられている。
一対の平面偏光フィルターの種々の相対的配向の範囲について得られた一連の像から、デルタスカンは「遅い軸」の方向を決定し、見る方向に対し直角な平面内で、屈折率が最大になる偏光方向を決定している。それは、|sinδ|も測定する。ここでδは次の式により与えられる位相差である:
δ=(2π/λ)ΔnL
ここでλは光の波長であり、Lは試料の厚さであり、Δnは、遅い軸及び早い軸に平行に分極した光についての屈折率の差である。ΔnLは、「光学的レターデーション」として知られている。
一次レターデーションについては、L=0.6mm及びλ=589.6nmとすると、sinδ=1及びΔnL=λ/4の場合、Δn=2.45×10−4であることを推論することができ、sinδ=0.5及びΔnL=λ/12の場合、Δn=0.819×10−4であることを推論することができる。
デルタスカンは、a)「遅い軸」、b)sinδ、及びc)操作波長での吸光度の空間変動を示す3色コード像を生ずる。
試料は既知の厚さの光学的板として調製され、少なくとも1.3mm×1.3mm、好ましくは2.5mm×2.5mm、一層好ましくは4mm×4mmの領域に亙って分析する。それぞれ1mm×0.75mmの領域を覆うデルタスカン像又は「枠(frame)」の複数の組を589.6nmの波長で各試料について記録する。各枠内で、デルタスカンは640×480ピクセルを個々に分析し、試料が非常に微細な規模で確実に分析されるようにする。次に、デルタスカン|sinδ|像の配列をsinδの挙動について分析する。最も簡単な分析は、分析領域の全てにわたってそれぞれ1mm×0.75mm枠中のsinδの最大値を同定し、これらの値を、分析した全ての領域の最大値を特徴付けるのに用いることである。1mm×0.75mm枠の配列が分析されている領域に正確に一致しない場合、それらの枠をその領域を完全に覆うように枠の最小合計数を得るように配列し、中心を定め、縁枠を実際上対称的に利用できるようにする。どの枠でもその中のデーターの、分析中の領域の境界の外からの部分を、次にその枠の分析から除く。別法として、各1mm×0.75mm枠を、分析した試料領域内に入るデーターの5%、2%、1%を除外した後に残るか又は除外しない時の最大値について分析し、分析した領域中の材料の95%、98%、100%についてそれぞれ最大値を得るようにすることができる。
sinδの挙動は、材料の特別な板の性質であり、ここでは最小の厚さを適用することにより有用な厚さの板に限定される。材料の一層基本的な性質は、sinδの情報を、遅い軸及び早い軸に平行に偏光した光について屈折率の差を試料の厚さについて平均した値、Δn(平均)に変換することにより得ることができる。
表面R
表面粗さをジィゴ・ニュービュー(Zygo NewView)5000走査白色光干渉計を用いて測定した。干渉計は、マイケルソン又はミロー(Mireau)型の干渉計対物レンズを具えた顕微鏡を用いている。この装置で1倍から50倍の倍率が可能である。ダイヤモンド板の全領域にわたって測定することにより、もしその板を完全に微細研磨した場合、その板の領域にわたって表面粗さの変動が10%未満になることを我々は見出した。従って、現在の測定では、粗さは、約0.36mm×0.27mmの代表的領域にわたる測定から推論された。
機械的強度
本発明のダイヤモンドの有用性は、実際の破壊試験により得られてきた単結晶ダイヤモンドでの強度データーの報告が無かったことにより明らかに例示されている。現在報告されているデーターは、押込試験(indentation test)に基づいており、この研究で固有の近似値及び推定に基づいている。それに対し、本発明の方法は、適当な破壊試験を完了させることができる充分な量で材料を利用できるようにしている。
更に、破壊強度試験は破壊試験である。天然ダイヤモンドのそれぞれの破片は独特のものなので、その強度が一度知れても、それを応用するのにもはや利用することはできない。従って、破壊試験は、非破壊試験を必要とする或る代用特性に対して強度の広がりを特徴付けるのに用いることができるだけであり、用途に対する材料片の設計に対し、予想される最低の強度が用いられるだけである。これに対し、本発明の合成ダイヤモンドは充分特性化及び一環した材料であり、従って、特定の部材の破壊強度を同等の試料の破壊統計に基づいて合理的に予測することができる。本明細書で用いられているダイヤモンドの設計強度は、下の手順を用いて試験した同等の材料試料の少なくとも70%、好ましくは80%、一層好ましくは少なくとも90%、更に一層好ましくは少なくとも95%によって示される強度である。
強度は、単一のカンチレバー・ビーム法を用いて測定し、試料の大きさは5.0mm×3.0mm×0.18〜0.35mm(長さl×幅b×厚さd)であった。試料を、長軸を<110>方向に沿うようにして(従って、厚さは<100>に沿い、長さ及び幅が<110>に沿っているようにして)、{100}配向板から切断した。試験手順としてそれらビームに4mmの長さを露出させ(即ち、クランプ内に1mm入れて)取付け、そのクランプから3.5mmの距離の所に力を加えた。
強度、σは、次の式により与えられる:
σ=(6Ws)/(bd
式中、Wは破壊荷重であり、sは荷重線とクランプ線との間の距離である。
試料をホモエピタキシャルCVDダイヤモンド板から切り出し、約0.1μmのグリットサイズまで次第にグリットを細かくしながらスカイフェ(scaife)研磨することにより注意深く調製した。表面仕上げがよくないと、材料の測定強度に限界を与えることがあり、この材料が高度の表面仕上げを得ることができる能力は、その全強度に寄与するであろう。
本発明のCVDダイヤモンド材料は、制御されたレベルの窒素を存在させ、場合により制御されたレベルの他のドーパント、特に硼素を存在させてCVD法により製造する。用いられる窒素のレベルは、結晶欠陥の発生を抑制するのに非常に重要であり、従って、本発明の重要な特性を有するダイヤモンド材料を達成するのに重要である。非常に高いレベルの窒素を用いて成長した材料は、低下した結晶品質を示すことがあることが見出されている。それに対し、本質的に窒素を含まず、或いは窒素が300ppbより少ない条件で成長させた材料は、比較的高いレベルの局部的歪み発生欠陥を有し、それはダイヤモンド中の歪みのような性質に影響を与えることがある。この正確な機構は充分理解されていないが、次の観察が行われている。次の記載で、「転位」と言う言葉は、孤立した転位及び転位が一緒に集団になった転位束(bislocation bundle)の両方を包含するものとする。
どのようなダイヤモンド材料でも、転位及び他の結晶欠陥を大きな体積にわたって全く無くすことはできない。そのような結晶欠陥に対する種々の性質の敏感性は変化する。局部的歪み場は、転位に敏感であるように見える。
成長過程のガス混合物中に充分な窒素が存在しないと、基体材料中に予め存在しているか、又は基体/成長界面に発生した転位の周囲に、{100}成長面にピットが形成される。これらのピットのためか、又は他の原因により、転位は成長中にゆっくり増加することがある。或る程度までこの過程は指数関数的であり、転位の増加速度は存在する局部的転位密度及び配列に依存する。
少量の窒素が存在すると、相対的面成長速度は変化し、これらのピットが除去されることがある。これらのピットが存在しないためか又は他の理由により、転位の増大は減少し、結局回避されることがある。
これらのピットは、材料中に不均一な仕方で他の欠陥及び不純物を含有させる原因になることもある。
処理ガス中のNの好ましい濃度についての下限は、従って、ピット形成を制限し、欠陥発生歪みを抑制する必要性により設定され、処理ガス中の窒素濃度の上限は、有害な結晶劣化の開始により設定される。
上記条件を用いて、本発明の単結晶CVDダイヤモンド材料を、典型的には層状に、有利な摩耗性を持って製造することを可能にしている。
本発明の耐摩耗性ダイヤモンド層の製造にとって、単結晶CVDダイヤモンドの層の成長が、実質的に結晶欠陥を含まないダイヤモンド表面上で行われることが重要である。これに関連して、欠陥は主に転位及び微細亀裂を意味するが、双晶境界、ドーパントN原子に固有には伴われていない点欠陥、低角度界面、及び結晶格子へ拡大した***も含まれている。基体は、低複屈折型Ia天然、Ib又はIIa高圧/高温度合成ダイヤモンド、又はCVD合成単結晶ダイヤモンドであるのが好ましい。
実質的に欠陥のない基体上に成長したものの品質は、層が厚くなる程急速に低下し、欠陥構造が増加し、全体的結晶劣化、双晶、及び再核生成を起こす。
欠陥密度は、例えば下に記載する型の簡単なプラズマエッチングを用いて、欠陥を露出させるのに最適にしたプラズマ又は化学エッチング(露出プラズマエッチングとも呼ばれている)を用いた後、光学的評価により最も容易に特徴付けられる。二つの型の欠陥を露出させることができる:
1) 基体材料の品質に固有のもの。選択された天然ダイヤモンドでは、これらの欠陥の密度は、50/mm位に低いことがあり、最も典型的な値は10/mmであるが、他のものでは10/mm以上になることがある。
2) 研磨に起因するもの。転位構造、及び研磨線に沿った振動傷痕を形成する微細亀裂が含まれる。これらの密度は一つの試料についてもかなり変化することがあり、典型的な値は、約10/mmから、よく研磨されていない領域又は試料での10/mm以上までの範囲にある。
好ましい低い欠陥密度は、上で記載したように表面エッチング特性の欠陥に関する密度が5×10/mmより低く、一層好ましくは10/mmより低くなるような密度である。
CVD成長が行われた基体表面及びそれより下の欠陥レベルは、このように基体の注意深い調製により最小にすることができる。下記の調製には、鉱石採取(天然ダイヤモンドの場合)、又は合成(合成材料の場合)からの材料に適用されるどのような方法でも含まれ、それぞれの段階が、基体としての調製が完了した時の基体表面を最終的に形成することになる面での材料内の欠陥密度に影響を与えることがある。特定の処理工程には、機械的ノコギリ切断、ラップ盤研磨、及び磨き(本願では特に低い欠陥レベルのために最適にされる)のような慣用的ダイヤモンド処理、及びレーザー処理又はイオンインプランテーション及びリフト・オフ(lift-off)法のようなそれ程慣用的ではない方法、化学的/機械的研磨、及び液体化学的処理とプラズマ処理との併用法が含まれる。更に、表面R〔スチラス・プロフィロメーター(stylus profilometer)により測定し、好ましくは0.08mmの長さにわたって測定されたもの〕は最小にすべきであり、プラズマエッチング前の典型的な値は、数nm以下であり、即ち、10nmより小さい。Rは、平面からの表面プロファイルの二乗平均偏差である〔表面高さのガウス分布について、R=1.25R:定義については、例えば「トライボロジー:工学的材料の摩擦及び摩耗」(Tribology: Friction and Wear of Engineering Materials)、IMハッチングス(Hutchings)、(1992)、出版、エドワード・アーノルド(Edward Arnold)、ISBN 0−340−56184参照〕。
基体の表面損傷を最小にする一つの特別な方法は、表面をその場でプラズマエッチングし、その上にホモエピタキシャルダイヤモンド成長を行わせることを含んでいる。原理的には、このエッチングはその場である必要はなく、成長過程の直前である必要もないが、その場で行われた場合に最大の利点が得られる。なぜなら、更に物理的損傷又は化学的汚染が起きる危険を回避できるからである。その場でのエッチングは、一般に成長過程もプラズマに基づく場合には最も便利でもある。プラズマエッチングは、蒸着又はダイヤモンド成長過程に同様な条件を用いることができるが、炭素含有原料ガスを存在させずに、一般に僅かに低い温度で、一層よいエッチング速度の制御を与えることができる。例えば、それは、次のものの一つ以上から構成することができる:
(i) 主に水素を用い、場合により少量のAr及び必要な少量のOを用いた酸素エッチング。典型的な酸素エッチング条件は、50〜450×10Paの圧力、1〜4%の酸素含有量、0〜30%のアルゴン含有量、及び残余の水素を含むエッチングガス(全ての%は体積による)、600〜1100℃(一層典型的には800℃)の基体温度、及び3〜60分の典型的継続時間を用いる。
(ii) (i)と同様であるが、酸素が存在しない場合の水素エッチング。
(iii) アルゴン、水素、及び酸素だけに基づくのではない別のエッチング法を用いてもよく、例えば、ハロゲン、他の不活性ガス、又は窒素を用いた方法。
典型的には、エッチングは酸素エッチングの後に水素エッチングを行い、次に直接炭素原料ガスを導入することにより合成へ移行することからなる。エッチング時間/温度は、処理により残った表面損傷が除去でき、全ての表面汚染物が除去できるように選択するが、高度に粗い表面を形成することがないようにし、表面と交差する転位のような拡大欠陥に沿って広範にエッチングし、深いピットを生ずることがないように選択する。エッチングは強力なので、室の設計及び材料のその成分についての選択が、プラズマにより室から気相へ又は基体表面へ移動する物質がないようにすることがこの段階では特に重要である。酸素エッチングに続く水素エッチングは、結晶欠陥の特別な原因にはなりにくく、そのような欠陥を強力に侵食する酸素エッチングにより起きた角ばった所を丸く除去し、一層滑らかで後の成長に一層よい表面を与える。
CVDダイヤモンド成長が行われるダイヤモンド基体の主たる表面は{100}表面であるのが好ましい。処理の束縛状態により、実際の試料表面の配向は、理想的な配向から5°まで、或る場合には10°まで異なることがあるが、これは再現性に悪影響を与えるので余り望ましくない。
本発明の方法では、CVD成長が行われる環境中の不純物含有量が適切に制御されることも重要である。特に、意図的に添加される窒素又は使用される他のドーパント以外の汚染物は実質的に含まない雰囲気を存在させて、ダイヤモンド成長を行わなければならない。窒素の添加は、正確に制御されるべきであり、誤差は、300ppb(全ガス体積のモル分率として)未満、又は気相中の目標値の10%未満(どちらの方が大きくても)、好ましくは誤差は、200ppb(全ガス体積のモル分率として)未満、又は気相中の目標値の6%未満で(どちらの方が大きくても)、一層好ましくは誤差は、100ppb(全ガス体積のモル分率として)未満、又は気相中の目標値の3%未満で、更に一層好ましくは誤差は、50ppb(全ガス体積のモル分率として)未満、又は気相中の目標値の2%未満(どちらの方が大きくても)である。気相中の絶対的及び相対的窒素濃度の測定は、特に300ppb〜5ppmの範囲の濃度での測定は、例えば、WO 01/96634に記載されているようなガスクロマトグラフィーにより達成することができるような精密な監視設備を必要とする。
原料ガスは、当分野で知られているどのようなものでもよく、解離してラジカル又は他の反応性物質を生ずる炭素含有物質を含むことができる。ガス混合物も、一般に原子状の水素又はハロゲンを与えるのに適切なガスを含み、例えば、N又はNHにすることができる窒素源、場合により硼素源を含むであろう。
原料ガスの解離は、反応器中でマイクロ波エネルギーを用いて行うのが好ましく、その例は当分野で知られている。しかし、反応器からの不純物の移動は最小にすべきである。マイクロ波装置を用いて、ダイヤモンド成長が行われる基体表面及びその取付け具(基体支持体)を除き、プラズマが全ての表面から確実に離れて存在するようにすることができる。好ましい取付け材料の例には、モリブデン、タングステン、珪素、及び炭化珪素が含まれる。好ましい反応器室材料の例には、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、金、及び白金が含まれる。
大きなマイクロ波電力(典型的には、25〜300mmの基体直径に対し3〜60kW)及び高いガス圧力(50〜500×10Pa、及び好ましくは100〜450×10Pa)から得られる大きなプラズマ電力密度を用いるべきである。
本発明の方法の重要な要素は、それが厚い層として適切な品質の材料の合成を可能にすることである。好ましい成長セクターは{100}であるが、好ましい線引きダイス素材は{111}であり、従って、線引きダイス素材は、最初のダイヤモンド基体に対し或る角度で切断されるのが好ましい。これを行うため、ダイス素材の大きさに依存する最小CVD層の厚さは、典型的には、2〜3mmであるが、生成する材料の体積の利用効率は、層が厚くなると、例えば4〜6mmの厚さで急速に上昇する。
これらの独特の材料特性により性能が可能になる本発明のCVDダイヤモンド材料から求められる用途には、次のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:
線引きダイス、特に、化学的摩耗機構が一般に重要になると考えられる炭化物形成性金属と共に用いられる線引きダイス。そのような金属には、鋼ワイヤー、特にNi及びCrを含むものが含まれるが、そのようなワイヤーは商業的には多量に引き抜きされなければならず、従って、摩耗速度の低い適当なダイスが必要である。
非常に低い摩擦係数又は小さな機械的許容誤差に対する経時固守性を必要とするベアリング表面。そのような表面は、しばしば、装置の正確な機能のために必要とされる運動部材の位置的安定性を与える。
研磨流体、又は懸濁粒子含有流体を取扱う流体制御装置でバルブ、オリフィス、及び光学的分析窓に見出される表面のような摩耗表面。
本発明のダイヤモンドの、予想外の利点を与える特別な特性は、低い複屈折を特徴とする、材料の歪みが低いことである。低い複屈折性を有する材料は、非常に低い摩耗率を示すことが判明しており、複屈折が普通には制限因子とは考えられない用途に適したものにしている。例えば、孔径の増大及び丸みの減少により特徴付けられる線引きダイスの摩耗の外に、複屈折が低いと、スティッチェル(stichel)(ダイヤモンド製図用具)、水流ジェットノズルの摩耗率を低くし、摩耗性流体の流れと接触している分析窓の光学的性能の劣化を遅くする結果を与える。
同様に、表面粗さの小さな研磨を行うことができる能力は、応力が低いことも示している。このように、非常に低い表面粗さまで研磨することができる材料は、或る範囲の用途で、表面状態を摩耗法により決定する前に少なくとも初期に、高度の表面研磨をそれら用途へもたらすことができる利点の外に、予想外の良好な摩耗性を有することが示されている。
研究により、ダイヤモンドをアニーリングすると、ダイヤモンドの摩耗率を更に向上し、摩耗及び切削用途へのその有用な適用を向上することができることが示されている。この利点は、特に、本発明の方法により成長する材料で見られており、それは成長したままの状態で既に比較的低い摩耗性を有する。アニーリングとは、制御されたやり方で上昇させた温度を用い、本明細書に詳述する性質又は適用時のそれら性質に補足的である性質に対し、ダイヤモンドの性質のいずれについても有利な変化をもたらす方法を意味する。熱処理は、成長したままのCVDダイヤモンドの性質及び生じさせたい希望の変化に従って変化するであろう。アニーリング法は、恐らく更に、ダイヤモンドの局部的歪み点のみならず、非ダイヤモンド構造の変性領域を減少する。アニーリングは大気圧近く又は高圧でもよく、典型的には1200℃より高く、一層典型的には1700℃より高い温度範囲で行われる。一層高い温度からは利点が予想されるが、2500℃〜2800℃のアニーリング温度範囲についての上限は、現在の実験能力の限界によって設定される。
線引き法は、大きな直径のワイヤーを小さな直径を有する孔に通して延伸し、それにより材料の体積を同じに維持しながら、ワイヤーの直径を塑性変形により減少させることである。典型的には、特定の直径のワイヤーを、円柱又はロールの形をしたワイヤーの出発材料を、次第に直径が小さくなる一組の線引きダイスに通すことにより製造する。延伸される材料の例には、鋼及び鋼合金、銅及び銅合金、金、及びタングステンが含まれる。工具の摩耗は、製造過程の中断の主な原因である。線引きダイスに用いられる典型的な材料は、炭化タングステン、焼結多結晶質ダイヤモンド、典型的にはコバルト結合剤相を有するもの、天然ダイヤモンド、及びHPHT単結晶ダイヤモンドである。HPHT単結晶ダイヤモンドのための材料選択基準は、配向、色、傷、及び内部応力である。改良された耐摩耗性は、線引き業者にとって生産性の重要な改善を構成することになるであろう。本発明の方法により製造されたCVDダイヤモンドは、ダイヤモンド板の光学的複屈折により測定して優れた低い応力を示し、更に、傷又は含有物のような他の欠陥を持たない。その結果、その摩耗は実質的に減少することが示されており、この材料から作られた線引きダイスの寿命は、Ia「ケープ(Cape)」型ダイヤモンドのような現存する材料の寿命よりも25%〜40%以上の範囲まで伸びている。
印刷工業では、印刷中のインクを保持する働きをするダイヤモンド成形圧痕パターンを有する銅シリンダーを彫刻するのにダイヤモンド製図用具又はスティッチェルを用いる。これらの圧痕の深さ及び形は、紙に転写されるインクの量をそれらが制御するので、正確に調節されなければならない。成形ダイヤモンド先端の摩耗は、印刷結果の品質に影響を与えるであろう。ダイヤモンドの摩耗性はダイヤモンドの組成、結晶欠陥、及び内部応力による影響を受けるので、本発明の方法によって製造された単結晶CVDダイヤモンドを用いることは特に有利である。この用途でIIa型の天然ダイヤモンドを用いた場合、その材料中の大きな応力のため早く破壊を起こすことになる。典型的には、このことは、部分的には摩耗によって起こされるが、しばしば破損による破滅的な破壊により起こされる。後者は、IIa型ダイヤモンドに典型的な大きな内部応力に起因する。従来法では、好ましい材料は、一般に、IIa型天然ダイヤモンドよりも遥かに応力の少ないIa型天然ダイヤモンドである。しかし、Ia型ダイヤモンドでは、内部応力が摩耗及び破壊にも重要な役割を果たす。比較的大きな応力の「褐色」製図用具は、一層値段の高い黄色(「ケープ(cape)」)用具よりも劣る平均寿命を有する。
水ジェット切断では、ノズルを適用して水ジェットを形成し、食品からセラミックタイルまでの範囲の種々の材料を切断する。一般にサファイアノズルが用いられている。このノズルは50時間の寿命を有するが、通常のIaダイヤモンドノズルは500〜800時間の寿命を有する。その寿命は孔の摩耗によって決定され、孔が大きくなり過ぎるか、又はその丸い形状を失った時に切断物の品質が不充分なものになる。ダイヤモンドノズルの利点は、使用者が故障時間が少なく、材料の損失が少なく、一層よい製品を経験していることである。本発明の単結晶CVDダイヤモンドから製造されたダイヤモンドノズルは、現在開発中である。これらのCVDダイヤモンドノズルは、一層低い摩耗率を示し、適当な切断サイズ及びプロファイルを一層長く維持し、ノズル交換のための停止時間を減少する。更に別の利点は、材料の反復性であり、使用中一層一定した挙動を与え、ノズルの調製を助け、一層大きな設計能力を可能にし、天然ダイヤモンドに必要な材料選択段階を除いている。
非鉄金属、工業セラミックス、プラスチック及びガラスのような種々の材料から作られた極めて正確な形をした部品を機械加工するためにダイヤモンド旋削工具が広く用いられている。典型的には、非常に低い粗さ及び大きな形状精度を有する部品を旋削又はフライス削りするために工具の先端が用いられている。例えば、金属旋削工業では強力レーザー用途のために平面状、球状、及び非球面状金属鏡が製造されており、走査用途及び同様な高い表面品質の光学的素子のためには多角形が製造されている。同様に、ガラス及びプラスチックス工業では、コンタクトレンズ、コンパクトディスク読取り装置、メガネ等のような用途のために球形及び非球形レンズを製造することができる。一般に機械建設工業では、極めて正確な非鉄金属部品がダイヤモンド先端旋削又はフライス削りにより製造されており、例えば自動車工業ではアルミニウム部品が製造されている。これらの用途では一般にダイヤモンドの重要な利点は、ダイヤモンドによる切削が最終的表面仕上げを生じ、時間の掛かる多段法を回避していることである。
工具の摩耗が、それらの工具で作られる製品の品質及び寿命を最終的に決定する。典型的にはこれらの工具に、褐色及び黄色(ケープ)Ia型天然ダイヤモンドが用いられている。しかし、本発明の方法により作られた単結晶CVDダイヤモンドは、天然ダイヤモンド工具に比較して摩耗及び破損を少なくし、一層一定した高度の表面仕上げを一層長く生ずる。
或る用途では、材料中の主たる転位方向を考慮することにより更に利点を導くことができる。CVDダイヤモンドに形成される転位は、一般に成長方向に平行か、又は平行に近く形成される。即ち、転位が交差する成長面に直角な方向である。その場合、材料中の転位が、主に摩耗表面に平行か又は垂直になるように摩耗表面を形成することが可能であり、転位が平行であるか又は平行成分を有する場合、更に、転位の方向のその平行成分に対し摩耗表面上の運動方向を選択することができる。摩耗過程が転位と相互作用する機構及びベアリング表面の特定の幾何学性から利点が得られる。例えば、摩耗表面に直角な転位は、結晶中へ続く連続的弱点を有するのに対し、平行な転位は、摩耗表面を横切り、恐らくその縁へと迅速に動く弱点をもたらすであろう。
本明細書の目的から、特定の成長セクター内の転位の特徴的方向は、ベクトル平均を用いた転位の平均方向であり、転位の少なくとも70%、一層典型的には80%、更に一層典型的には90%が、平均方向の20°以内、一層好ましくは15°、更に一層好ましくは10°、最も好ましくは5°の範囲内に入る方向に横たわる。
特徴的転位方向は、例えば、X線トポグラフィー(topography)により決定することができる。そのような方法は、必ずしも個々の転位を解析する必要はないが、一般に転位束を解析し、その強度は束中の転位数に或る程度比例するであろう。次に転位方向の面内でトポグラフ影像断面から、単純又は好ましくは強度加重ベクトル平均が可能であり、その方向に垂直に取られたトポグラフは、線よりもむしろ点のパターンを有する点で異なっている。板の最初の成長方向が知られている場合、これは、明確な出発点であり、それから転位方向が決定される。
上記方法に従い特徴的転位方向を決定したならば、その配向を単結晶CVDダイヤモンド板の摩耗面(単数又は複数)に対しその配向を分類することができる。転位の方向は、もし転位方向と摩耗表面から垂直即ち直角に引いた線との間の角度が30°より大きく、好ましくは40°より大きく、一層好ましくは50°よりも大きいならば、ダイヤモンド板の摩耗表面に垂直、即ち、直角から離れた配向をしている考えられる。
本発明のダイヤモンドの使用に関する上記記述は、本発明の材料の広い範囲の使用の例によるものであり、当業者は、上に示したものの外に他の用途に対しても本発明のCVDダイヤモンド材料の摩耗性の一般的重要性を認識するであろう。
次に本発明を次の実施例により更に詳細に論ずるが、それら実施例に限定されるものではない。
例1
本発明の単結晶CVDダイヤモンドを合成するのに適した基体は、次のように調製することができる:
i) 歪み及び欠陥を持たない基体を同定するため、顕微鏡検査及び複屈折影像に基づき、ストック材料(Ia型天然石及びIb型HPHT石)の選択を最適にした。
ii) レーザー切断、ラップ盤磨き、及び研磨により露出プラズマエッチングの方法を用いて基体欠陥を最小にし、処理により生じた欠陥レベルを決定する。
iii) 最適化後、露出エッチング後に測定することができる欠陥密度は、主に材料の品質に依存し、5×10/mmより小さく、一般に10/mmより小さい基体を製造することは日常的に可能であった。この方法により調製された基体を、後の合成に用いる。
高圧プレス中で、高温/高圧合成Ib型ダイヤモンドを成長させ、上に記載した方法を用いて基体として基体欠陥を最小にし、5mm×5mm平方×厚さ500μmで、全ての面が{100}である研磨板を形成した。この段階での表面粗さRは、1nmより小さかった。基体を、高温ダイヤモンドろう付けを用いてタングステン基体キャリヤー上に取付けた。これを反応器中へ導入し、上記したようにエッチング及び成長サイクルを開始し、一層特別には:
1) 2.45GHz反応器に、予め使用点清浄化器を取付け、導入されるガス流中の自然的汚染物質を80ppb未満へ減少した。
2) 263×10Paの15/75/600sccm(標準cm/秒)のO/Ar/H、及び730℃の基体温度を用いて、その場での酸素プラズマエッチングを行なった。
3) これを、中断することなく水素エッチングへ、ガス流からOを除去して移行させた、
4) これを、炭素源(この場合にはCH)及びドーパントガスの添加により成長過程へ移行させた。この場合にはCHは36sccmで流し、その処理ガス中に1ppmのNが存在し、制御を簡単にするためH中に100ppmのNが存在する調製原料から与えた。この段階での基体温度は800℃であった。
5) 成長期間が完了した時、基体を反応器から取り出し、基体からCVDダイヤモンド層を取り外した。
上記成長したCVDダイヤモンド層は、CVDダイヤモンド層の大きさ及び線引きダイスの必要な大きさに基づき、少なくとも一つ、好ましくは幾つかの線引きダイスを製造するのに充分な大きさにすることができる。
上記したようにして成長したCVDダイヤモンド層は、ダイヤモンド基体から取り外した後、5.6mm×5.6mm×3.0mmであり、ダイヤモンドダイス素材として用いるの望ましい0.6mmの厚さを有する{111}板へ開裂した。
更に、線引きダイスとして高度の性能が知られているため注意深く選択した天然ダイヤモンド及びHPHTダイヤモンドから線引きダイス素材を、同様に製造した。
前に記載した試験方法の詳細に従い、これらのダイス素材から、<100>及び<111>の両方の引張り方向を有するダイスを、それぞれ{100}及び{111}配向を有する板から形成した。
それらのダイスを、前の試験方法に記載したようにワイヤーを延伸するのに用い、得られた摩耗データーを分析して、線引きダイスの孔についての平均直径増大(図1)及び偏平度の発生(図2)の両方を示した。これらのグラフのそれぞれのデーター点は、5つのダイスについての測定値の平均を表している。
二つの図には次の材料が示されている:
CVD−この例の新規なダイヤモンド
ND−線引きダイス用途のために選択された天然ダイヤモンド
MCD−線引きダイス用途のために選択されたHPHT合成ダイヤモンド
<100>−垂直<100>方向に沿ってワイヤーが引かれる{001}板
<111>−垂直<111>方向に沿ってワイヤーが引かれる{111}板。
このように、CVD<100>は、垂直<100>方向に沿ってワイヤーが引かれる{001}板として試験されたこの例の新規なCVDダイヤモンド材料を指している。
図1に示したデーターから、ダイス孔直径の平均増大速度について次の結論を導くことができる:
a) ダイス孔直径の平均増大速度は、天然ダイヤモンド及び本発明のCVDダイヤモンドの両方で時間と共に良好な直線的挙動を示している。
b) ダイス孔直径の平均増大速度は、CVDダイヤモンドでは<111>及び<100>ワイヤー方向の両方について同様であり、天然ダイヤモンドでも同様である。
c) <111>及び<100>の両方のワイヤー方向についてのダイス孔直径の平均増大速度は、天然ダイヤモンドについての同様な数値よりも、本発明のCVDダイヤモンドの方が実質的に低い。
d) 特に、最小二乗直線の勾配として定義された摩耗率は、種々の材料及び試験した形態について、ダイス孔直径の平均増大速度について得られたデーターと一致しており、次の通りであることが判明した:
Figure 2006518699
図2に示したデーターから、ダイス孔直径の偏平度の進展について次の結論を導くことができる。
a)<111>方向について偏平度の進行割合は、天然ダイヤモンドとCVDダイヤモンドでは同様であった。これは、摩耗機構が二つの材料で同じであることを示唆しているが、全摩耗率がそれらの間で著しく異なることは、明らかである。
b)同様に、<100>方向について偏平度の進行割合は、天然ダイヤモンドとCVDダイヤモンドでは同様であったが、従来法による<111>についてのそれよりもかなり大きい。このことも、摩耗機構が二つの材料で同じであることを示唆しているが、全摩耗率がそれらの間では著しく異なる。
例2
ホモエピタキシャルCVDダイヤモンドの板を、例1に記載した方法に従って合成した。
次に、その板を、注意深く調製した鋳鉄ダイヤモンド砥石車で一方の側を微細に研磨した。用いたタング(tang)は、非常に堅く、スカイフェ(scaife)表面に平行に走る基準面に対しダイヤモンドを維持した。次にダイヤモンド板を反対にし、他方の側を同じスカイフェ上で希望の平面性及び平行性になるまで研磨した。
次に板を、ジィゴ・ニュービュー5000走査白色光干渉計を用いて表面Rについて測定した。測定は試料の各側について行い、それぞれの測定は、各側の中心部に3mm×3mm格子を形成する、1mm×1mmの領域の9つの領域について行い、次にそれら9つの測定値の統計的平均値を計算した。A側の測定Rは、0.53nm±0.04nmであり、Bでは、0.54nm±0.05nmであった。
例3
ホモエピタキシャルCVDダイヤモンドの一組の6mm×6mm×0.4mmの板を、例1に記載した方法に従って合成した。これらの板から横方向の大きさが3mm×5mmで、厚さが0.17〜0.22mmである一組の長方形の試験試料を切り取り、それら切断片が成長セクター境界を持たないようにした。
一組のそれら試料を、0.1μmまで小さくなる範囲のダイヤモンド粉末を用いてスカイフェ上で研磨した。全ての表面下の損傷ができるだけ試料から除去されるように注意した。最も微細なグリットを用いた最終的研磨段階は、それが最終的表面の傷の大きさの分布を支配するので極めて重要である。上と下の表面を研磨した後に、試料の縁を同じ基準まで調整した。研磨が完了した後に、それら表面をノマルスキー(Nomarski)干渉コントラストにより調べ、表面粗さを検査するため微細地図(micromap)を作った。200倍の倍率でのノマルスキー顕微鏡は、表面に目で見える欠陥は無いことを現していた。R値により定義された表面粗さは、非接触光学的表面粗さ測定装置〔マイクロマップ(Micromap)〕を用いて決定した。直角方向に2組の200μmの長さの走査を行い、得られたR値を平均し、0.25nmより小さい平均Rを得た。これを、宝石商業で天然ダイヤモンドを研磨するのに用いられているのと同じ技術を用いて研磨したダイヤモンドについての1nm〜5nmの典型的なR値と比較する。
最終的研磨をする前の幾つかの試料の表面に、更に別のイオンビームエッチング段階を適用した。場合により、最終的研磨前に試料を化学的に薄くする更に別の技術を適用してもよいであろう。
板の強度を単一感知レバービーム曲げにより測定した。約0.2mmの厚さの1組の9つの試料についての個々の強度値は、GPaで、1.50、1.63、2.50、3.26、3.30、4.15、4.29、4.83、5.12であった。この組及び他の組のデーターを分析することにより、二つの最も低い値が、異なった母集団から他の7つの母集団までにあり、恐らくこの例では、測定強度に影響を与えないようにする注意が試料調製で充分払われていなかったことを示している。これら二つの疑問のあるデーター点が含まれていても、試料の77%は、少なくとも2.5GPaの破壊強度を有し、データーは、強度が実際に3GPaを越えていることを示唆している。
比較のため、公的領域で同等のデーターはなく(天然ダイヤモンドについての既知の強度測定は全て押込試験に基づいており、それは、適当な試料の入手が限定されているため、間接的で信頼性の低い方法である)、5つのIIa型天然ダイヤモンド板のバッチの強度も測定した。これらの板は、50倍の倍率で光学的顕微鏡で調べることにより、ダイヤモンドを弱くすることがある含有物及び他の欠陥がないように注意深く選択し、同じ技術により調製し、試験した。約0.18mmの厚さをもつこの5つの試料の組についての個々の強度値は、GPaで、1.98、2.08、2.23、2.61、2.94であり、明らかに材料の固有の性質により限定されていた。高圧高温法により合成された同様なIb型単結晶ダイヤモンドを、同じ技術を用いて選択し、処理し、試験した。約0.35mmの厚さをもつこの14の試料の組についての個々の強度値は、GPaで、0.94、1.11、1.16、1.3、1.35、1.38、1.46、1.50、1.54、1.6、1.65、1.72、1.73、1.98、2.17であった。
本発明のCVDダイヤモンドの強度母集団は、他の形態のダイヤモンドとは明らかに異なり、一層大きな強度を持っている。
低い摩耗率を有する高強度ダイヤモンドの特別な用途は、流体分析のための光学的窓であり、この場合、分析中の流体は窓の摩耗又は劣化を起こすことがある。直径が7mmの特定の窓は、5mmの開放口を有し、一つの平らな表面の外側1mmの周りにろう付けされており、安全率4で200気圧の圧力差に耐えなければならない。
破壊強度は、厚さtに、次の式で関係づけられている:
Figure 2006518699
式中、rは開放口であり、Pは圧力であり、σは破壊強度であり、kは拘束係数であり、これはダイヤモンドの場合、縁(エッジ)で拘束されていない場合3.1であり、縁で完全に拘束されている場合1.1である(ダイヤモンドのポアソン比が0.1の値を有すると仮定する)。拘束度を決定するのは困難であるため、我々は縁が拘束されていない最悪の場合のシナリオを用いる。
天然ダイヤモンド窓(設計強度2.0GPa)をこの用途で用いた場合、厚さは0.54mmにする必要があるであろう。本発明の強い単結晶CVDダイヤモンド(設計強度3.0GPa)を用いて、厚さは0.44mmまで減少させることができるであろう。この材料の厚さの低下は、窓のコストを減少するであろう。
例4
ホモエピタキシャルCVDダイヤモンドの3枚の板の組を、例1に記載した方法に従って合成した。これらは、横方向の大きさが6mm×6mmまでで、厚さが0.60〜0.64mmの光学的板として調製した。幾つかの組みのデルタスカン像で、それぞれ1mm×0.75mmの領域を覆うものを、589.6nmの波長で各試料について記録した。各デルタスカンsinδ像を、|sinδ|の最大値について分析し、得られた値を下の|sinδ|地図で示す。
1mm×0.75mmの各枠の中に|sinδ|の最大値を示す試料E4.1のデルタスカン地図:
Figure 2006518699
上記データーの分析は、次のことを示している。
2.0mm×2.25mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.3である。
3.0mm×4.0mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.6である。
5.25mm×4.0mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.9である。
1mm×0.75mmの各枠の中に|sinδ|の最大値を示す試料E4.2のデルタスカン地図:
Figure 2006518699
上記データーの分析は、次のことを示している。
2.0mm×3.75mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.3である。
3.0mm×3.75mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.4である。
4.0mm×4.5mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.7である。
1mm×0.75mmの各枠の中に|sinδ|の最大値を示す試料E4.3のデルタスカン地図:
Figure 2006518699
上記データーの分析は、次のことを示している。
3.0mm×2.25mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.2である。
3.75mm×3.0mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.6である。
4.0mm×4.5mmの領域について、|sinδ|の最大値は0.9である。
例5
本発明の材料及び通常選択されているような天然Ia型(ケープ)ダイヤモンドをこの用途のために用いてスティッチェル(製図用具)のバッチを同じ設計で製造した。4000Hzで作動するヘル・グラビア・システムズ社(Hell Gravure Systems GmbH)K202機械を用いて試験を行った。この試験で用いたスティッチェル設計は、標準130°設計であり、この場合その角度は先端の角度を指す。
スティッチェルの寿命は、圧痕を形成するスティッチェルの先端が仕様事項内に入っている時間として決定され、天然Ia型スティッチェルについては平均300時間で、本発明の材料から作られたCVD合成ダイヤモンドスティッチェルについては496時間であると測定された。
単結晶CVDダイヤモンドの応力が低く、含有物及び他の結晶欠陥が存在しないことは、スティッチェルの破損及び早期の破滅的破壊の危険を実質的に無くすことも見出され、そのこと自体がその用途への実質的な利点になっている。CVDスティッチェルの摩耗パターンは、一層予測可能にもなり、寿命性能は、一層容易に特徴付けられ、順応させるられるようになった。特に、製図用具の切断線にチップ・アウト(chip-out)が存在しないことは、彫り込まれた刻印に滑らかな表面を与え、紙へのインクの放出を一層良く制御する結果を与えた。
例6
ホモエピタキシャルCVDダイヤモンド層の8つの組を、例1に記載した方法に従って合成した。これらCVDダイヤモンド層は、6.5mmまでの横方向の大きさ、及び3.2mmまでの厚さをもっていた。これらのCVDダイヤモンド層から、合計48枚の板を、典型的には、4.0×4.0mmまでの横方向の大きさ、及び1.2510±0.00025mmの厚さを有する光学的に研磨した板として調製した。
これらの板15枚について表面粗さを、ジィゴ・ニュービュー5000走査白色光干渉計で、ミロー型の倍率20倍の干渉計対物レンズ及びジィゴ・メトロプロ(MetroPro)ソフトウエアー・パッケージを用いて測定した。ズームは1倍に設定した。カメラ解像力は、20Hz再生速度で640×460ピクセルであった。視野は0.36×0.27mmであり、横解像力は、0.56μmであった。12.5のカットオフ空間周波数及び400線/mmを有するソフトウエアー帯域フイルターを用いた。表面プロファイルに対する最小自乗法の適用を行い、その場合、ピストン、傾斜、動力、及び全表面位置、配向角度、及び形態に関する非点収差を除いた。このように定義された基準面からの残りの偏差を帯域フイルターで濾波し、それら偏差の二乗平均値を計算した。このようにして決定した粗さは、板によって0.5〜1.5nmの間で変化し、0.92nmの平均値及び0.11nmの標準偏差を持つことが見出された。個々の板は、4.0×4.0mmの全表面積にわたり無作為的に選択した5つの異なった場所で測定した場合、0.05nm未満の遥かに小さな標準偏差を示していた。
例7
ホモエピタキシャルCVDダイヤモンド層を、例1に記載した方法に従って合成した。次にそれを、6つの研磨した{100}面及び4.00mm×3.65mm×1.31mmの大きさを有する光学的板として調製した。
幾つかの組のデルたスカン像で、夫々1mm×0.75mmを覆うものを、589.6nmの波長で、試料の面に垂直な、3つの相互に直角な視方向の各々について記録した。各デルタスカンsinδ像を、枠内に得られたデーターの100%を用いて、前に記載したやり方で、sinδの最大値について分析した。
板の4.00mmの次元に平行な視方向で記録したSinδ地図のためのSinδの最大値は0.1であった。同様に板の3.65mmの次元に平行な視方向で記録したSinδ地図のためのSinδの最大値は0.1であった。遅い軸と速い軸に平行な偏光についての屈折率の差の平均値であるΔn(平均)の最大値をこれら2つの視方向の各々について計算し、約3×10−6であることが判明した。
2つの最大次元に直角で1.31mm次元に平行な視方向で得られた値を下のsinδ地図に示す。この視方向は、CVDダイヤモンド層の成長方向に相当し、従って、材料の転位の主な方向に平行である。
板の1.31mmの次元に平行な視方向で、1mm×0.75mmの各枠の中に|sinδ|の最大値を示す、試料のデルタスカン地図を、直ぐ下に示す。
Figure 2006518699
この視方向で各枠についてのΔn(平均)の対応する最大値を、対応するsinδ値及び試料の厚さに基づいて計算することができ、下に与える値を有する:
Sinδ 0.10 0.20 0.30
Δn 7.2×10−6 1.4×10−5 2.2×10−5
或る摩耗用途では、比較的大きな応力の無作為的に散乱した点、又は一つの点でもそれが存在すると、摩耗表面にピット又は粗さを発生させ、その表面又はそれと接触する表面の摩耗率を増大し、制約的になるであろう。この実施例のデーターは、試料を横切って測定された各データーピクセルを用いており、本発明の方法を用いて成長させた材料が、試料を全体的に横切っても、局部的に横切っても、両方で極めて低いレベルの歪み関連複屈折を達成することができることを示している。
図1は、得られた摩耗データーを分析し、平均孔直径増大を示す図である。 図2は、得られた摩耗データーを分析し、線引きダイスの孔の偏平度の進行を示す図である。

Claims (35)

  1. 摩耗用途で用いるためのCVDにより製造された単結晶ダイヤモンド物体で、そのダイヤモンドの摩耗表面の摩耗率が、本文中に記載したやり方で測定して、0.11μm/分以下である、単結晶ダイヤモンド物体。
  2. 摩耗率が0.10μm/分以下である、請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  3. 摩耗率が0.095μm/分以下である、請求項2に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  4. 摩耗率が0.090μm/分以下である、請求項3に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  5. EPRにより測定して単一置換窒素中心の形で、2×1015原子/cmを下限濃度とする窒素濃度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  6. 下限窒素濃度が1×1016原子/cmである、請求項5に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  7. 下限窒素濃度が2×1016原子/cmである、請求項6に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  8. EPRにより測定して単一置換窒素中心の形で、1×1019原子/cmを上限濃度とする窒素濃度を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  9. 上限窒素濃度が3×1018原子/cmである、請求項8に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  10. 上限窒素濃度が1×1018原子/cmである、請求項9に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  11. 窒素濃度が、摩耗表面を組込んだ物体の一部分に限定されている、請求項5〜10のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  12. 窒素濃度が、物体の体積全体にわたっている、請求項5〜10のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  13. 摩耗表面が、単一の成長セクターから形成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  14. 単一の成長セクターが、{100}、{113}、{111}、及び{110}成長セクターからなる群から選択されている、請求項13に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  15. 単一の成長セクターが、{100}成長セクターである、請求項14に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  16. 少なくとも0.4mmの特定化した厚さの試料で、少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって本文中に記載したやり方で測定して、試料の分析した領域の少なくとも95%について、位相差のサイン率、|sinδ|が一次に留まっており(δはπ/2を超えない)、|sinδ|が0.9を超えないような低い歪みを示す小さい複屈折を示す、請求項1〜15のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  17. |sinδ|が0.6を超えない、請求項16に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  18. 少なくとも0.4mmの特定化した厚さの試料で、少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって本文中に記載したやり方で測定して、分析した領域の少なくとも95%について試料が一次に留まっており(δはπ/2を超えない)、試料の厚さにわたって平均した遅い軸と早い軸に平行に偏光した光の屈折率の差の平均値、Δn(平均)の最大値が、1.5×10−4を超えないような低い歪みを示す小さい複屈折を示す、請求項1〜15のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  19. Δn(平均)の最大値が5×10−5を超えない、請求項18に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  20. 少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって測定して、2nmより小さいR(プロファイルを通る平均線からの絶対偏差の数学平均)を持つ高度の表面研磨を示すように処理される能力を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  21. 物体の摩耗表面が、材料の特性転位方向が前記摩耗表面の垂線から少なくとも30°傾いているように選択されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  22. 物体がアニールされている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  23. 少なくとも0.4mmの特定化した厚さの試料で、少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって本文中に記載したやり方で測定して、試料の分析した領域の少なくとも95%について、位相差のサイン率、|sinδ|が一次に留まっており(δはπ/2を超えない)、|sinδ|が0.9を超えないような低い歪みを示す小さい複屈折を示す、摩耗用途で用いるための単結晶CVDダイヤモンド物体。
  24. |sinδ|が0.6を超えない、請求項23に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  25. 少なくとも0.4mmの特定化した厚さの試料で、少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって本文中に記載したやり方で測定して、分析した領域の少なくとも95%について試料が一次に留まっており(δはπ/2を超えない)、試料の厚さにわたって平均した遅い軸と早い軸に平行に偏光した光の屈折率の差の平均値、Δn(平均)の最大値が、1.5×10−4を超えないような低い歪みを示す小さい複屈折を示す、摩耗用途で用いるための単結晶CVDダイヤモンド物体。
  26. Δn(平均)の最大値が5×10−5を超えない、請求項25に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  27. 少なくとも1.0mm×1.0mmの特定の領域にわたって測定して、2nmより小さいR(プロファイルを通る平均線からの絶対偏差の数学平均)を持つ高度の表面研磨を示すように処理される能力を有する、摩耗用途で用いるための単結晶CVDダイヤモンド物体。
  28. 物体の摩耗表面が、材料の特性転位方向が前記摩耗表面の垂線から少なくとも30°傾いているように選択されている、摩耗用途で用いるための単結晶CVDダイヤモンド物体。
  29. 物体がアニールされている、摩耗用途で用いるための単結晶CVDダイヤモンド物体。
  30. 層状になっており、自立しているか、又は大きなダイヤモンド物体又は層の一つの領域又は層を形成している、請求項1〜29のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  31. 大きなダイヤモンド物体又は層が、CVD又は他の合成方法により生成させた単結晶又は多結晶質ダイヤモンドである、請求項30に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  32. 線引きダイス、製図用具、スティッチェル、高圧流体ジェットノズル、又は高圧水ジェットノズルとして用いるために調製されている、請求項1〜31のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  33. 流体が、液体、ガス、それら二つの組合せの二種類以上を含む場合の、高圧流体ジェットノズルとして用いるように調製されている、請求項32に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  34. 流体が少なくとも一種類の液体又はガスを含み、更に一種類以上の固体粒子を含む場合の、高圧流体ジェットノズルとして用いるように調製されている、請求項32に記載の単結晶ダイヤモンド物体。
  35. CVDにより製造され、少なくとも一つの摩耗表面を有する単結晶ダイヤモンド物体で、請求項1〜34のいずれか1項に記載されている単結晶ダイヤモンド物体を含む摩耗部品。
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