JP2006512114A - 注射カートリッジ充填装置 - Google Patents

Abstract

カートリッジ用充填装置であって、流体のビンを保持するハウジング、ビンの隔壁を切断する切断装置、排出された流体を受ける流体チャンバ、ビンから流体を排出させ、流体チャンバの寸法を減少させて流体をカートリッジに導くための弁調節構造、および流体の排出の際にビンに空気を入れる空気取入れシステムが含まれる。

Description

本発明はワクチンまたは他の液体をカートリッジに充填する手動のカートリッジ充填装置に関し、特に針のないアンプルあるいはカートリッジおよび関連する充填ステーションとともに使用する手動のカートリッジ充填装置に関する。

２００２年８月２０日に出願されたアメリカの特許文献１および２００２年８月２１日に出願された対応するＰＣＴ出願の特許文献２の明細書には、本願では参照用に組み込まれるが、針のない注入システムに使用するに先立ちアンプルあるいはカートリッジに充填するいくつかの方法が記載されている。特に特許文献１には、製造業者から供給されるビンからワクチンあるいは他の医薬を最初に抜き取る移動注射器を使用する充填ステーションの説明がある。それから、移動注射器は記載された充填ステーション内に置かれ、ワクチンは注射器からオリフィスへ、または空のアンプルあるいはカートリッジの末端部へ徐々に移される。この充填処理は、ワクチンを注射器からカートリッジに移すため注射器のプランジャを前進させるレバーの簡単な繰り返し運動によって達成される。また、特許文献１および２には、移動注射器を使用しないでカートリッジに充填するためビンに圧力を加えることでカートリッジのオリフィス端を通して充填する可能性についても記載されている。特許文献１および２の明細書に記載されているように、「最初に注射器に移動させずにビンを使用する場合に考えられる主な困難性は、ビン内への空気の流入およびビンからの液の流出を制御するための弁調節に存在する」。しかし、特許文献１および２で議論されるように弁調節および圧力制御の簡単で安価な方法は直接ビンを収納する手動装置に適用され、オリフィス端を通してアンプルに充填するのに使用される。開発の間に、ワクチンを移動する手動装置は注射器の代わりに充填ステーションにおいても使用できることがわかった。手動装置を使用したワクチン移動に関しては、オプションとしての弁調節も充填ステーションも前記文献には説明されていない。
US 2003/0040715 A1 WO 03/015846 A2

本発明の目的は注射あるいは他の装置で使用するワクチンあるいは他の流体を１つ以上のカートリッジに充填する装置を提供することである。
別の目的は排出端に隔壁を有する容器から流体を排出し、１つ以上のカートリッジに流体を充填する装置を提供することである。

また別の目的はビンあるいは他の容器の隔壁を切断し、そこに保持された流体をその使用端で流体の損失を最小限にする選択計量ステーション内に放出する装置を提供することである。

さらに別の目的は充填の前後を通して殺菌状態を維持するため、開放可能な柔軟な保護カバーを付けたカートリッジを保持する装置を提供し、カートリッジに所望の流体を充填することである。

発明のさらに別の目的は容器の隔壁を開いてそこから流体を排出し、排出された流体を選択的に計量し、そして１つ以上のカートリッジに流体を充填する装置を提供することである。

本発明のさらに別の目的は流体を容器から排出し、排出された流体を計量し、そして１つ以上のカートリッジに流体を充填するため手動で持運び可能な装置を提供することである。

発明のさらに別の目的はカートリッジがオリフィスと、カートリッジの内部を規定する壁と、カートリッジの内部に配置されたピストンを備え、前記ピストンはカートリッジの最大容量を規定するためオリフィス端近くの位置からオリフィスから離れた方向に移動可能であり、カートリッジの長さでピストンの最大移動量とカートリッジの最大容量が制限される、カートリッジ充填装置を提供することである。

発明のさらに別の目的はカートリッジに最大容量以下の選択された量で充填するため可変寸法のピストン止まりを提供することである。
発明のさらに別の目的は流体を保持する容器の隔壁を開口する装置を提供することである。

さらに別の目的は排出オリフィスが隔壁で覆われた容器から流体を排出する装置の改良された貫通装置を提供することである。
本発明の別の目的は排出オリフィスを覆っていた切断された隔壁を通して流体が排出される容器に空気を供給する手段を提供することである。

別の目的は容器から流体を排出する装置に選択計量ステーションを提供することである。
また別の目的は容器内の流体がカートリッジ充填装置に使用する選択計量ステーションに排出された容器から流体を移動する流体流れシステムを提供することである。

さらに特定の目的は所望の流体を保持するビンあるいは容器から流体を移動させて、病院、医院、研究所またはいずれかの場所で一度に使用する分量か、または大量接種のためにマガジンで使用する多数のカートリッジに充填する分量の選択的に計量された流体量でヘルスケア・カートリッジに充填する装置を提供することである。

別の特別の目的は、一端にオリフィスを有し、内部を規定する壁、さらにカートリッジに流体を移動するときオリフィスから離れる方向に移動し、最終位置でカートリッジの容量を決定するピストンを有するカートリッジとともに使用する、前のパラグラフに記載された装置を提供することである。

発明の別の特別の目的はコンパクトで、使用が簡単で効果的で、安価で操作が効果的で耐久性のある前のパラグラフに記載のカートリッジに充填する手動の装置を提供することである。

これらの目的は以下の記載および従属する請求項から明らかである。
発明は装置に容器を挿入するとビンあるいは他の容器の隔壁を開く態様の装置に含まれる。この装置は、容器を逆にして装置に挿入したとき、スパイクの形で隔壁を貫通する隔壁切断装置を備えたハウジングである。スパイクには容器から流体を排出する導管および容器からの流れを制御する一方弁が含まれる。さらにスパイクには大気空気を容器に入れる一方弁付の別の導管が含まれる。

別の態様の発明はカートリッジに移動する所望の流体量を受け取る可変寸法の空所のあるチャンバを備えた選択計量構造を含む排出装置が含まれる。筒状部材（円筒状が好ましいが、どのような形状の筒でもよい）で計量構造からカートリッジへ流体が運ばれる。筒状部材は流体を受け取るべき位置にカートリッジがないときの流体の漏洩を防止するため一方弁を備える。

発明の好ましい実施形態によると、排出装置はカートリッジ連結装置あるいはカートリッジ受けの形とし、流体を受け取るカートリッジの位置決めを行うカートリッジ位置決め装置および選択計量ステーションを規定するハウジングと共同するための壁を備える。バネ構造で計量ステーションの空所を最大寸法にするようにハウジングを付勢する。計量ステーションからの筒状ロッドは計量ステーションからカートリッジへ流れる流体通路を形成する。

発明の別の好ましい実施形態によると、排出装置には選択計量構造を形成するためハウジングの壁と共同で機能するバネで付勢された壁が含まれる。カートリッジ位置決め装置で壁の間にカートリッジが配置され、ハウジングとカートリッジ上の計量構造を移動させるようハウジングに力を加えると、カートリッジが壁間に入る量で計量ステーションの寸法が決まる。両方の好ましい実施形態では、カートリッジに充填された後は、バネ構造によってユニットはもとの位置に戻る。

本発明には容器内の流体に対して異なる空気圧力を加えることによって容器からカートリッジに流体を充填するシステムが含まれるが、容器は排出オリフィスを閉鎖する隔壁を備えた非折り畳み式容器または注射器から流体を排出するのに使用されるピストン付き注射器などの折り畳み式容器とすることができる。発明のシステムには容器を保持するホーリダ、および容器に結合された可変寸法のチャンバを規定する壁を備えた空気圧力差付与装置が含まれる。壁はチャンバの寸法を拡大あるいは減少させるため移動可能である。チャンバが拡大または減少された寸法（実施形態による）のどちらかの寸法であるときは、流体は容器から抜き取られ、またチャンバがその他の寸法に動かされたときは、流体はカートリッジに移動される。１つの実施形態では、１つの可変寸法のチャンバで容器内に空気を送り込み、容器から流体を受け取ることによって、流体がカートリッジに移動される。別の実施形態では、可変寸法のチャンバが拡大寸法であるときに空気を保持し、次に容器内の流体に圧力差を確立して流体を容器から押し出す。第２のチャンバあるいは流体チャンバはカートリッジに移動させるため容器から流体を受け取る。

図面を参照するに際し、図示は発明の好ましい実施形態を説明するためだけのものであり、これに限定するためのものではないことに留意されたい。付帯する図面は前述の手動のアンプルまたはカートリッジ充填装置の、または図４Ａおよび４Ｂで以下述べるように充填ステーションに挿入するための、２つの実施形態を表す。図１、図２Ａおよび図２Ｂは拡大されているが、必ずしも実際の寸法に類似するものではない。（用語「充填」はカートリッジに移される流体の量に関係し、最大容量までのいずれの量でもよい）。例えば、スパイク２３，２３’（以下に述べる）の直径は１／８インチ未満であり、ビン１２（これも以下に述べる）の隔壁端に挿入したとき隙間はほとんどない。同様に隔壁スパイク２３内のチャンネル２８および３０（後述する）の直径は１ｍｍ未満である。しかし、図は発明の第１実施形態を明確に説明して記載するために使用される。図１，２Ａ，２Ｂおよび３はカートリッジ充填装置１０を示すが、この装置は、ワクチンなどを保持するビン、ボトルあるいは類似の入れ物１２をフレアのある開放したハウジングあるいはハンドピース１１の開口１４内に挿入して収納するものである。ハンドピースあるいはハウジング１１は中空で截頭円錐状の構造にするのが好ましい。ハウジング１１にはビン１２の隔壁端１７の縁１５を受ける肩１３が含まれ、縁１５はこの肩１３に当接する。ハウジング１１の内径は計画された最大ビン１２の本体を受ける寸法にされるが、より小さいビンも使用できる。穴のあいた鍔１９はハウジング１１の比較的大きい穴のあいた首２１を横切って設けられる。壁２５は穴のあいたスパイク２３などの切断装置の中を延伸し、通路が互いに完全に分離された２つのチャンネルあるいは導管２８および３０をスパイク２３に形成する。ワクチン区画３１はハウジング１１の鍔１９と開放端２７の間に形成される。

ビン１２を挿入すると、ビン１２の隔壁端１７はボトル・スパイク２３を貫通して穴があけられる。チャンネル２８にはワクチン（または他の流体）をビン１２から、使用端で失われる流体の量を制限する目的のため、計量区画あるいは内部ワクチン・チャンバー３１などの選択計量ステーション内に排出するための一方弁３２が含まれる。第２のチャンネルあるいは導管３０はワクチン（または他の流体）が抜き取られたときに大気空気をビン１２に入れるための一方弁３４を備える。両方の一方弁３２および３４は普通の安価なダックビル（くちばしのある）弁で示されるが、傘フラップまたはボール・ソケット弁など他の形式の一方弁でもよい。このように計量ステーション３１は開いた状態では比較的大きな空所を有し、閉じた状態では比較的小さい空所を有する折り畳み式チャンバである（後述する）。

装置１０は以下に述べるようにカートリッジあるいはアンプル１８に充填するのに使用される。さらに装置１０にはカートリッジ連結装置、カートリッジ受けあるいはノーズピース３３が含まれる。受けあるいは連結装置３３は円筒外壁３９および内部円筒壁あるいはロッド３５を備え、これらの間に、末端が円筒リング３８で閉鎖された円筒チャンバ３６を規定する。ハウジング１１の首２１はチャンバー３６内に延伸し、バネ弁サブアセンブリ４２を形成するため１つ以上のバネまたは他の付勢装置４０でハウジングおよびビン１２（ハウジングに配置されている場合）が支持される。ロッド３５には縦穴４４が設けられる。以下に述べるように、シール４６によって首２１とロッド３５の間における流体の流れが防止される。以下に述べる低圧クラッキング弁４８はロッド３５の穴４４を横切って設けられる。用語「排出装置」は選択計量ステーションを形成する連結装置の一部およびカートリッジへの流体通路を規定する部材を形成する連結装置の一部として参照される。

さらにカートリッジ受け３３には受けられるカートリッジ１８の充填端に連結するレセプタクルあるいは受け端部４９が含まれる。シール５０は受けられるカートリッジ１８と壁規定レセプタクル４９の間の空間からの流体の漏洩を防止する。

カートリッジ１８は一般に内側が円筒状のチャンバである。縦方向に移動可能なカートリッジ・ピストン５２がチャンバ内に配置される。カートリッジ１８は円筒状基部５４および開放入口端部あるいはオリフィス５６を備える。

カートリッジ１８の基部５４を受けるために支持台５８が設けられ、カートリッジ１８の基部５４の空間内に伸びる突起あるいは付属部６０が備わる。ピストン５２はカートリッジ１８の移動底を形成する。後述するように、通常、カートリッジ１８のオリフィスは開放可能な柔軟なシートで覆われている。連結装置３３がカートリッジ１８の端部上まで下方に移動してきたときに、この連結装置３３はシートを開放し、充填工程の前後を通して完全に殺菌状態でオリフィスにアクセスするように維持する。

操作面においては、装置１０のカートリッジ受け３３はカートリッジ１８のオリフィス５６連結部上に載置される。それから方向矢印２０で示すように、ハウジング１１全体を下方向に押し付ける。この動作でロッド３５はバネ弁サブアセンブリ４２に抗しながら上方に動く。ロッド３５が内部ワクチン区画３１内に押し上げられると、区画あるいはチャンバ３１の寸法は減少し、そこに含まれているワクチン（または他の流体）はロッド３５内の穴４４を通り下方向のカートリッジ１８のオリフィス５６内に押し出されて、カートリッジ１８内にワクチン（または流体）が排出される。この運動でカートリッジ・ピストン５２は前述のようにカートリッジ１８の基部に移動する。ワクチン（または流体）を受け取るカートリッジを位置決めまたは受け入れる受け端部４９にカートリッジ１８が存在しないとき、低いクラッキング圧弁４８により漏洩が防止される。カートリッジ１８に選択された量が充填されたとき、支持台５８上の付属物６０でピストン５２が停止する。付属物６０はカートリッジ１８の分量を変化させるため様様な寸法にすることができる。

力ベクトル２０の方向に移動可能な力をハウジング１１から取り除くと、付勢装置４０によってロッド３５は延伸した位置に戻る。この作用でチャンバ３１に真空力が生じ、新たな流体がビン１２から一方弁３２を通ってチャンバ３１内に吸引供給される。ビン１２から流体が除去されると、そこにわずかな真空が生じるので、大気一方弁３４を介してスパイク２３の空気通路内に十分な量の大気空気が流入して真空状態がなくなる。この作用／反作用により次のサイクルのためのワクチンが簡単に確実に抜き取られる。

図３に手動コンセプトの第２の実施形態を拡大して示すが、図２Ａおよび図２Ｂのものと類似する機能には肩記号を付けた同一の符号を使用する。流体と空気流の移動の力ベクトルは図２Ａおよび２Ｂのものとは逆となり、図２Ｂのチャンバ３１は負圧で満たされるが、図３のチャンバ３１は正圧で満たされる。この実施形態も図４に関して以下に述べるものに類似する充填ステーション装置に使用できる。

図３のカートリッジ充填装置１０’にはビン１２を受ける壁を有するハンドピースあるいはハウジング１１’が含まれる。ハウジング１１’は前にも述べたように、一般にフレアのある開口１４’を有する截頭円錐状構造をしている。ハウジング１１’はビン１２の隔壁１７の縁１５に当接可能な穴のあいた鍔１９’を備える。穴のあいた鍔１９’には、穴のあいた貫通点２２’付ボトル・スパイク２３’が設けられる。壁２５’およびスパイク２３’は共同でチャンネル２８’および３０’を規定する。ビン１２に空気を入れるためにチャンネル３０’に配置され、ワクチン（または他の流体）をビン１２から排出するために一方弁３２’がチャンネル２８’に配置される。首２１’を貫通して空気一方弁７０が設けられる。壁あるいは支柱７２は隔壁スパイク２３の壁あるいは中央支柱２５’から垂れ下がり、穴のあいた鍔１９’の空気側と流体側とを完全に分離し、その端部は円筒壁７６およびキャップ７８を有する円筒構造７４が形成される。

ハウジング１１’は円筒壁８２を有する拡大した開放円筒部分８０を有し、円筒壁８２は円筒部分８０内で壁７６と共同して、その内側に円筒区画８４を規定する。流体をビン１２から計量流体区画８４に流して、その後にカートリッジ１８のオリフィス端に流し込むため、壁７６と８２の間に低圧のクラッキング弁４８’が設けられる。カートリッジ１８と連結する点の直上になる円筒区画８４の底の部分に扉構造を設ける。この扉構造は充填の際にカートリッジ１８が区画８４内に進入するときに開放され、カートリッジ１８が引き出されるときに閉鎖される。そしてカートリッジ１８が存在しないときは流体（ワクチン）の漏洩を防止する。この実施形態では、排出装置はカートリッジ１８およびカートリッジへの流体通路を規定する部材として参照される。

円柱構造８６を空気区画８５の開放端８８に挿入するため支持台５８’に取り付ける。空気シール９０が円柱８６の外壁と区画８５を規定する壁との間に取り付けられる。カートリッジ１８が区画８４内に進入したときにカートリッジ１８に係合させるため、流体シール９２が壁７６と８２の間に取り付けられる。カートリッジ１８には前記のようにピストン５２’が設けられる。支持台５８’にはカートリッジ１８の入れるための突起６０’がある。圧縮バネアセンブリ９４が円筒構造７４と支持台５８’の間に設けられる。

図３の実施形態を操作する際、円柱部材８６および円筒カートリッジ１８を含む固定の支持台５８’に対して力ベクトル２０でビン１２およびハウジング１１を押し付ける。空気が含まれる区画８５に円柱部材８６を進入させると、空気は一方弁３４’を通ってビン１２’内に押し込まれる。その結果生じるビン１２内の圧力でワクチンは出口一方弁３２’を通りカートリッジ１８のオリフィスあるいは末端５６内に押し込まれる。ビン１２’を下向きに押すとバネ９４も圧縮され、力ベクトル２０’をビン１２’から取り除くと、円筒構造７４およびハウジング１１’はバネ９４で押されて円柱部材８６から離れるが、この機能はポンプの機能である。円柱８６を移動させると区画８５に真空が発生するので、一方弁７０を通して区画８５内に周囲の空気が流入し、次のサイクルの準備ができる。これとは反対に、図３の充填装置において、ビン１２’とハウジング１１’を固定状態に保持し、円柱８６とカートリッジ１８をビン１２’とハウジング１１’に向って押し上げても充填工程が達成される。前に説明したように、シール９０はハウジング１１’と区画８５が円柱８６上に移動するときに空気の漏洩を防止し、またシール９２はハウジングがカートリッジ１８上に移動するときに流体の漏洩を防止する。後述するように、カートリッジ１８の開放可能な柔軟なカバーは、壁８２および７６の下部がカートリッジ１８のオリフィス端に接近してくると開けられる。

図４Ａは、以下に図５で述べるマガジン構造に含まれるカートリッジへの充填のために、図１、図２または図３のいずれかの手動充填装置が装着される前の充填ステーション８０を示す。充填ステーション８０には上部顎８７、下部顎８６および顎連結柱８８を備えたハンドル・アセンブリ８２が含まれる。上部顎８７は、装置１０または１０’などの倒立の手動カートリッジ充填装置の中間部分を保持するグリップ部９４を形成するフォーク状支持アーム９２を有する垂直方向に移動可能なフランジ９０で構成される。下部顎８６は、倒立のカートリッジ充填装置１０または１０’の下部を把持するグリップ部１００を形成するフォーク状グリップアーム９８を有し上方に湾曲するフランジ９６を含む。上部フランジ９０および下部フランジ９６は圧縮バネ機構９９の付勢に抗してともに移動し、このような移動を行って、ハウジング１１または１１’全体をカートリッジ充填用オリフィスに向けて移動させ、接触した後も、ハウジング１１または１１’を装置１０または１０７内でポンプバネに抗して前方に移動し続けてカートリッジ１８の充填が実行される。

充填ステーション８０には、フランジ９０および９６を備えたハンドル・アセンブリ８２を支持する延長部１０４を有する支持台１０２が含まれる。支持台１０２にはスライド式マガジン・ホルダー１０６が配置される。操作の際、図４の充填ステーション８０の顎構造８４，８６で充填装置１０または１０’は受けられる。充填ステーション８０のハンドル８２をバネ機構９９に抗して下に押し下げる。この下向き運動で、図１、図２Ａ、図２Ｂおよび図３に関して記載した充填装置１０および１０’の手動操作において上述したような力ベクトル２０が発生する。

図４Ｂは図１、図２Ａおよび２Ｂに関して記載したビン直接装置を収納する充填ステーション８０を示し、図４Ｃは特許文献１に記載されたカートリッジに充填する移動注射器を収納する同一の充填ステーションを示す。しかし、図４Ｃの場合、注射器１１８から流体が抜き取られたとき、図４Ｂのビン直接装置で記載した負圧によって、プランジャ・ロッド１１６は下方向に引き込まれるように働く。

特許文献１に記載された充填ステーションには本出願の図５に示すものに特性が類似する廃棄処分可能なマガジンが含まれる。このマガジンのコンセプトは以下に挙げる特性をもち、かつ充填の前後を通して完全殺菌を付与するカートリッジ１８のオリフィス端を保護する積層薄板カバー１１０が含まれる。この廃棄処分可能なマガジンは安価なプラスチックで作られ、カートリッジのオリフィス端の係合する凹部１１２に摩擦接合で装着される。積層カバー１１０はオリフィスを保護し、マガジンおよびそのカートリッジの殺菌、包装および輸送を有効に行うため、箔およびマイラーで作ることができる。カバー１１０は充填入口、すなわちオリフィス５６上に適用されるが、カートリッジに充填するときに取り外す必要はない。カバー１１０にはカートリッジ１８の上部を受けるためのフラット部材１１１およびこれと一体化された突出部１１３が含まれる。円筒リング３８末端を有する円筒チャンバ３６の前方端が充填のためオリフィスに近づくと、積層薄板はこの前方端に生じる圧力に屈服するように設計されている。このとき、装置１０の受け３６上の外側リング３８または装置１０’の壁７６および８２の下部が最初に接近してきたときに積層薄板カバー１１０は開放位置にされ、その後、ワクチンを移動させるノズルが外側リング３８または壁７６および８２の下部を通して接近し、オリフィス５６または５６’を通して充填が行われる。充填ノズルあるいはオリフィス５６または５６’はいずれの外面にも接触しないので、この工程で汚染の危険に曝されることはない。積層薄板はオリフィスの前方スペースを保護シールするため表層は箔で構成される。充填後の箔のくぼみによって、カートリッジに充填されたことが視認できる。積層薄板の第２の層１１２は、もとの位置にスプリングバックし、かつ貫通する充填ノズルが取り除かれた後で再度シール可能なマイラーなどの材料で作られる。層１１２は廃棄処分可能なマガジンの各充填入口開口に一致する「Ｘ」型１１４に貫かれる。箔層を介して充填連結装置で押され、「Ｘ」型１１４が下側に、かつ中心から外側に開くので、充填連結装置はカートリッジ・ノズルに対してシールされる。充填連結装置が引き抜かれると、「Ｘ」型はもとの位置にもどるので、上記のようにオリフィスは外部からの汚染から保護される。充填後にさらに保護を強化するため、箔を露出させるため引き離して箔に置き換えることのできる第３の再シール可能な表層が考えられる。

本発明は好ましい実施形態を特に強調して記載してきた。しかしこの実施形態は説明のためのみに記載されたものであり、また当該分野の専門家は発明の精神および範囲を逸脱することなく数多くの変更および修正が実施できる。このようなすべての修正および変更は特許請求の範囲またはこれに均等なものである限り本発明に含まれるものである。

充填装置の正面斜視図である。 図１の充填装置の斜視断面図であり、流体を移動のため挿入するときのビンの位置を示す。 図２Ａの内部構造の簡略化された一連の要素の拡大概略断面図であり、バネ、弁、カートリッジ内への流体の流路およびビンへの空気通路を示す。 充填装置の別の実施形態の簡略化された断面の拡大概略図であり、空気および流体の流れに関して図２Ｂのものとは力が逆になることを示す。 図２に示す充填装置を装着する前の充填ステーションの斜視図である。 医薬ビンを挿入した充填装置を装着したときの充填ステーションの斜視図である。 移動注射器を挿入した充填装置を装着したときの充填ステーションの斜視図である。 処分可能な殺菌したマガジンであり、図４Ｂまたは図４Ｃのいずれかに示すように殺菌した充填処理が終了した３０個のカートリッジを保持する構造を示す。

Claims (22)

1. 壁と入口オリフィスを備えた容器からなる少なくとも１つのカートリッジに流体を充填する装置であって、
   隔壁で覆われた流体排出オリフィスを備え流体を保持する容器を受けるハウジングと、
   隔壁開放装置に対する容器の相対移動に応じて隔壁を切断するため前記ハウジングに取り付けられた隔壁開放装置と
   を備えた装置。
2. カートリッジへの移動のために容器から一定量の流体を受け取る選択計量ステーションをさらに備えた請求項１に記載の装置。
3. 所定量の流体をカートリッジに移動させる弁をさらに備えた請求項２に記載の装置。
4. 容器から前記計量ステーションへの流体通路を規定する導管と、容器への大気空気通路を規定する導管をさらに備え、これら導管は容器の隔壁の切断に応じてそれぞれ通路を規定する、請求項２に記載の装置。
5. 前記計量ステーションは容器から受け取った流体を移動のためカートリッジに排出するため圧縮可能である請求項２に記載の装置。
6. 前記ハウジングは隔壁で覆われた排出オリフィスが下方を向くよう容器を逆姿勢で支持する容器サポートをさらに備え、かつ前記隔壁開放装置は前記容器サポートへの容器載置に応じて隔壁を貫通する貫通部材を備えた、請求項１に記載の装置。
7. 前記ハウジングに支持された容器に入れるため流体導管がさらに含まれ、この流体導管には容器から前記計量ステーションに流体を放出する一方弁が含まれた、請求項４に記載の装置。
8. 容器に空気を移動する空気導管と、容器に空気を導入する一方弁とがさらに含まれた、請求項４に記載の装置。
9. 前記ハウジングは隔壁で覆われた排出オリフィスが下方を向くよう容器を逆姿勢で支持する容器サポートを備え、また前記計量ステーションは前記ハウジングに関して固定された第１の壁で規定されたチャンバと第２の壁とを備え、前記チャンバを圧縮して前記チャンバからカートリッジに流体を押し出すため、前記第１の壁および第２の壁は相対的に移動可能である、請求項２に記載の装置。
10. カートリッジは開放可能なカバーで覆われ、かつ前記第２の壁には、充填の前後を通して流体がカートリッジにアクセスするときの殺菌処理を規定する、カートリッジのオリフィス上の開放可能なカバーを開放するカバー開放部分が含まれた、請求項９に記載の装置。
11. 前記第１および第２の壁は前記チャンバが比較的大きな空所となる開放位置と前記チャンバが比較的小さい空所となる閉鎖位置とを備え、かつ前記装置には前記第１および第２の壁を開放位置に付勢するバネ構造がさらに含まれた、請求項９に記載の装置。
12. 前記装置にはカートリッジ受けが含まれ、このカートリッジ受けは
    前記チャンバを規定するため前記第１の壁と共同する前記第２の壁と、
    前記計量ステーションからカートリッジに流体を供給する流体通路となるチャンネルを規定するチャンネル壁と
    を備えた、請求項１１に記載の装置。
13. 前記カートリッジ受けには、流体を受け取るカートリッジが存在しないとき前記計量ステーションからの流体の流出を防止するため前記チャンネルに一方弁がさらに含まれた、請求項１２に記載の装置。
14. 各カートリッジにはピストンとカートリッジ・オリフィス間で流体容器を規定するためカートリッジ内にピストンが含まれ、このピストンは流体が容器に入るとオリフィスから離れて移動し、さらに、カートリッジが受け取る流体の最大量を決定するためカートリッジ・ピストンの外面を受ける突起が含まれた、請求項１に記載の装置。
15. 一端にオリフィスを備えた少なくとも１つのカートリッジに流体を充填する装置であって、前記の装置は排出オリフィスを規定する縁とオリフィス上の隔壁とを有し流体を保持する容器を受けるハウジングを備え、さらに、前記ハウジングは
    隔壁で覆われたオリフィスが下方を向くよう容器を逆姿勢で保持する容器保持部分と、
    隔壁を貫通する、穴のあけられたスパイクを有し、容器縁と容器を支持する容器サポートであって、前記穴のあけられたスパイクは、流体導管からの漏洩を防止するため一方弁を備え容器から流体を排出する流体導管と、別の流れを防止するため一方弁を備え大気空気を容器内に導入する空気導管との２つの導管を備えた、容器サポートと、
    計量ステーションの折り畳み式チャンバの一部を形成する首部分と
    を備えた装置。
16. さらに、前記ハウジングに固定されたカートジッリ受けを備え、前記カートリッジ受けは
    前記計量ステーションの折り畳み式チャンバを形成するため前記ハウジングの前記首部分と共同する計量構造と、
    前記計量ステーションからカートリッジへの流体通路を規定するため前記計量ステーションから延伸し、流体の漏洩を防止するため一方弁を備えた筒状部材と
    を備えた、請求項１５に記載の装置。
17. 前記計量ステーションのチャンバ寸法を拡大するため前記ハウジングをカートリッジから離す方向に付勢する付勢装置をさらに備えた、請求項１６に記載の装置。
18. 少なくとも１つの充填されるカートリッジを支持する支持台をさらに備え、この支持台は、カートリッジの最大量を設定するため、カートリッジのオリフィス端とは反対側となるカートリッジ端部内に延伸する少なくとも１つの突起を備えた、請求項１７に記載の装置。
19. カートリッジと前記装置を連結する連結装置をさらに備え、前記筒状部材は前記計量ステーションと前記連結装置との間に延伸して、前記計量ステーションからカートリッジへの流体通路が形成された、請求項１８に記載の装置。
20. 少なくとも１つのカートリッジのオリフィスは開放可能な柔軟なシートで覆われ、装置にはさらに、カートリッジのオリフィスにアクセスするためカートリッジのオリフィスを覆うシートを開放するオリフィス・シート・オープナを備え、
    カートリッジが前記連結装置に配置されて前記ハウジングに力が加えられると、オリフィス・シート・オープナによってカートリッジのオリフィスを覆うシートが開放し、前記計量ステーションの寸法が減少し、流体が前記計量ステーションから前記筒状部材を通り、カートリッジの開放されたシートカバーを通りカートリッジ内に押し込まれ、流体は前記容器導管を通って容器から排出され、空気は前記空気導管を通って容器に入り、カートリッジに流体が充填されると、その後は前記ハウジングが前記計量ステーションのチャンバの寸法を拡大するため動かされる
    請求項１９に記載の装置。
21. 容器から排出された流体を導き、排出された流体を受け取るカートリッジを保持する装置であって、流体をカートリッジに移動させる前に、容器からの流体を保持する可変寸法のチャンバを有する計量ステーションの１つの部分を形成する構造と共同する装置において、前記装置は連結装置を備え、前記連結装置は
    計量ステーションの１つの部分と共同するステーションの第２の部分と、
    流体が充填されるカートリッジを受ける受け端部と、
    計量ステーションから受けられたカートリッジまで流体通路を規定するため計量ステーションと前記受け端部の間で延伸し、流体の漏洩を防止するため一方弁を付けた筒状部材と、
    計量ステーションのチャンバの寸法を拡大するために前記連結装置から１つの部分を離す方向に付勢するため前記連結装置と１つの部分を相互連結する付勢装置と
    を備える装置。
22. カートリッジ・オリフィスは開放可能な柔軟なシートで覆われ、カートリッジの内部を規定する壁と、オリフィスの反対側端部の開口と、カートリッジの内部に配置されてカートリッジが充填されるときはカートリッジ・オリフィスから離れる方向に移動可能なピストンとを有し、ピストンがオリフィスから移動する最終の移動量はカートリッジに入る流体の総量を決定し、前記装置はさらに、前記支持台はカートリッジの最大容量を確立するためカートリッジのオリフィス端と反対側のカートリッジ端内に延伸する突起を有し、充填するカートリッジを支持する支持台を備えた、請求項２１に記載の装置。
    
    
    
    
    
    
    
    

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