JP2006509908A - 複合金属製品及びそのような製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、通常MX−型の硬質相と呼ばれる、実質的にM(C,N)−カルボニトリド又はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドの粒子の形の硬質相を30〜90容積%含む複合金属製品に関する。但しMは少くとも50原子%までチタンからなり、前記粒子は焼入れ可能な鋼からなるマトリックス中に実質上均質に分布しており、CとN間の原子%の比は0.1<(式I)<0.7の条件を満足させる。製品の製造に際しては、チタンカーバイド、チタンニトリド、及び/又はチタンカルボニトリド粉末をそのチタン原子の含量が最終金属製品中のMX−型の前記硬質相中金属原子の少くとも50%に相当する量で含む粉末混合物、及び最終金属製品の他の成分の少くとも主要部を一緒に微粉砕する。微粉砕した生成物でグリーンボデーを形成し、このグリーンボデーを1350〜1600℃の温度で液相焼結にかけ、続いて冷却して液相を固化させる。そこで前記液相焼結及び続く冷却の間に、MX−型の前記硬質相粒子が最終の組成とサイズを得る。
N/(C+N) (I)

Description

本発明は、せん断、切断、穿孔、及び成形工具用の材料ならびに十分な強度とともに硬度と耐磨耗性に高い要求が掲げられる場合に、磨耗部や構造部材用の材料として使用するのに適する複合金属製品に関する。本発明はさらにそのような製品の製造方法にも関する。
せん断、切断、穿孔、及び成形用の工具の材料ならびに硬さや耐磨耗性に大きな要求が掲げられている磨耗部や構造部材用の材料として、今日、冷間加工鋼、高速度鋼、焼結炭化物材料及びセラミック材料が用いられている。このシリーズ中では高速度鋼が一般に冷間加工鋼よりも適している、焼結炭化物材料が高速度鋼よりも適している,などと考えられている。冷間加工鋼と高速度鋼間の境界線は、主として粉末技術の使用により多かれ少なかれなくなってきているが、高速度鋼と適格性の高い焼結カーバイド材料との間には依然として広いギャップがある。「焼結炭化物材料(cemented carbide materials)」の概念は、通常コバルトベースの合金からなるバインダー金属中に一緒に焼結されている極めて高含量の炭化物(カーバイド)を有する材料を意味する。過去50年間、高含量のチタンカーバイドを有する鋼合金の開発によりこのギャップを埋めるため多くの試みがなされてきた。早くに提案されたこのカテゴリに属する材料は「フエロ−TiC」(Ferro−TiC)の登録名で公知であるが、実際的な使用は極く限られていた。米国特許4,145,213に開示されている「コロナイト」(Coronite)という登録名を有する別の材料は、出願人が知る限りもはや市場には出ていない。
前記米国特許4,145,213にしたがう材料は、焼入れ可能な鋼からなるマトリックス中に非常に高含量のチタンカーバイド(炭化チタン)を含む。この特許によれば、チタンカーバイは同様に炭素よりも大量の窒素を含む。さらにこの特許によれば、この材料は冷間圧縮粉末体の液相焼結により、又は加圧下、粉末体の液相焼結(いわゆる加圧焼結)により、均衡熱間加圧により、あるいは液相の存在下又は不存在下に粉末体の鍛造によって製造することができる。液相の存在下に焼結するときは、硬質相(hard phase)生成物の望ましくない粒子成長を回避するため、焼結温度で非常に短時間の間に焼結操作を実施することが必要である。これはマトリックス中に硬質相粒子の望ましい均一分布を達成することを困難にするか又は不可能にするので重大な制約である。出願人の知る限り、これが前記技術のどれも「コロナイト−材料」の商業生産に採用されなくなった理由であると思われる。その代り、この材料は高価な方法である押出し法によって製造され、高速度鋼や焼結炭化物材料のいずれとも競合不可能となった。高速度鋼と焼結炭化物材料の間のギャップを埋めると主張できる他の材料は何も知られていない。
せん断、切断、穿孔及び/又は成型操作を含む工具用、ならびに硬さと耐摩耗性に関して大きな需要が掲げられている他の製品用に現在入手可能な材料と競合できる新規な材料を提供することが本発明の目的である。特に、高速度鋼、冷間加工鋼又は耐摩耗性構造鋼が今日用いられている少くともある用途用に、この材料が使用できるということを除外することなく、少くとも一定用途のための焼結炭化物の代りとなる代替物を提供するのが目的である。
この目的は、実質的にM(C,N)−カルボニトリド又はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドの粒子の形の硬質相,通常MX−型の硬質相と呼ばれる,を30〜90容積%含む複合金属製品により本発明を通じて達成できる。ここでMは少くとも50原子%までチタンからなり、CとNの間の原子%比は 0.1 < N/(C+N) < 0.7 の条件、好ましくは 0.2 < N/(C+N) < 0.6 の条件、好適には 0.3 < N/(C+N) < 0.6 の条件、最も好適には 0.4 < N/(C+N) < 0.5 の条件を満足させ、上記粒子は焼入れ可能な鋼からなるマトリックス中に実質上均一に分布している。
本発明をもたらした開発研究中、当初の実験は前記MX−型の硬質相中のV、Nb及びHfなどのチタン以外の金属でも行なわれた。これらの当初の実験は、前記元素の部分が多過ぎたので望ましい結果が得られなかった。しかしながら以後の実験では、MX−相が1つ以上の前記金属、例えばニオブ、を中程度の含量で含む場合に良好な結果が達成できることを示している。TaやZrなどの他のMX−相形成金属も考えられるであろう。しかしながら、前記MX−型硬質相中、最大40原子%、好ましくは最大30原子%以下のMはV、Nb、Ta、Hf及びZrからなる群に属する1つ以上の金属からなっていてもよいと推測される。例えば、Mは5以上で最大30原子%のV、及び/又は5以上で最大30原子%のNbからなることができるが、合計では最大40原子%、好ましくは最大30原子%からなる。Ta、Zr及び/又はHfを含ませる場合は、これらの金属の合計量はMX−型の硬質相の合計金属含量の3原子%を超える量であってはならない。
本発明の一態様によれば、前記MX−型の硬質相中の金属Mは、少くとも70原子%、好ましくは少くとも80原子%、最も好適には少くとも90原子%までチタンからなる。
MX−型の硬質相の総含量は、本発明の一態様によれば、金属製品の30〜70容積%、好ましくは40〜60容積%となる。
上に述べてきたように、前記マトリックスは焼入れ可能な鋼からなっている。その焼入れ及び焼戻しした状態で、この鋼はまた光学顕微鏡で観察するには小さ過ぎるサイズの2次結晶炭化物、例えばバナジウムカーバイド、すなわちMC−カーバイドを含む。さらに、鋼は高速度鋼に特有な一次炭化物、例えばM6C−カーバイドを含む。したがってマトリックス中に存在できる2次的に晶出したMC−カーバイドを含む前記マトリックス、及びマトリックス中に存在できるMX−型以外の他のすべての硬質相は、重量%で次の化学組成を有するであろう:
0.3〜3.0%C
トレース量から最大2%までのSi
トレース量から最大2%までのMn
トレース量から最大0.5%までのS
2〜13%Cr
トレース量から最大18%までのW
トレース量から最大12%までのMo
トレース量から最大15%までのCo
トレース量から最大10%までのV
トレース量から最大2%までのNb
バランス:Fe、但し50%以上のFe、及び鋼の製造由来の通常存在する不純物。
本発明はまた、通常MX−型の硬質相と呼ばれる、主としてM(C,N)−カルボニトリド又はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドからなる粒子(粒子は焼入れ可能な鋼のマトリックス中に実質上均一に分布している)の形を有する硬質相を30〜90容積%含む複合金属製品を、良好な再現性で、製造する方法を提供することを目的とする。
本発明方法によれば、これは、チタンカーバイド、チタンニトリド、及び/又はチタンカルボニトリドの粉体を、粉末混合物のチタン原子の含量が最終金属製品中のMX−型の前記硬質相中の金属原子の50%以上に相当する量で含む粉末混合物と、最終金属製品の他の成分の少くとも主要部分とを一緒に微粉砕し、粉砕した混合物で一定のボデー(body,原体)を形成し、さらに前記ボデーを1350〜1600℃の温度で液相焼結し、続いて冷却して液相を固化させて達成される。前記MX−型の硬質相粒子は前記液相焼結及び続く固化中に最終の組成とサイズを得る。光学顕微鏡により材料を見た部分で観測できる粒子数の90%以上が1μm未満のサイズであることが好ましい。
さらに、本発明の一態様によれば、粉末の選択と粉砕、粉末混合物の粉砕、粉砕した粉末の圧縮体の形成、及び液相焼結を含む総合工程中に炭素と窒素の含量が調節され、最終製品の前記硬質相中の原子%での炭素及び窒素の量が前述した比N/(C+N)の値を満足させる。
本発明の別の態様によれば、粉末混合物の微粉砕は少くとも10MJ(メガジュール)/kg粉末、好ましくは少くとも20MJ/kg粉末の電力供給で実施される。25MJ/kg粉末の電力供給が適することがわかった。それ故電力供給は、本発明の一態様にしたがって製造を不必要にコスト高としないように最大50MJ/kg粉末、好適には最大40MJ/kg粉末に制限すべきである。
MX−型の硬質相粒子が前記マトリックス中で均一に分布することが、本複合金属製品を製造する方法の典型的な特徴である。均一分布とは、製品の部分の0.5%以下が、領域の最長長さ方向に8μm以上の長さ、領域のすべての部分で前記最長長さ方向に横方向の8μm以下の幅、及び50μm2以上の面積を有する領域,この領域はMX−型の硬質相粒子が存在しない,からなる必要があること、及び製品の部分の10%以下、好ましくは5%以下が、領域の最長長さ方向に6d以上の長さ、領域のすべての部分で前記最長長さ方向に横方向の6d以上の幅、及び9πd2以上の面積を有する領域,この領域はMX−型の硬質相粒子が存在しない,からなることを意味する。ここでdは観察した部分の粒子の最長方向のMX−型の硬質相粒子サイズの平均値である。
粉末混合物中に使用されるチタンカーバイド、チタンニトリド及び/又はチタンカルボニトリド粉末は酸化されてもよい。実施した実験により、高度に酸化した粉末が使用できること、及び酸化した粉末を使用前に還元する必要がないことがわかった。このことはコストの観点から著しい利益となる。粉砕、圧縮体の形成及び焼結を含む連続工程中でさらなる酸素のとりこみを防止する手段はなにも必要でない。粉末混合物中に存在する酸素と工程中でとりこまれる追加の酸素は、前記硬質相中に存在するチタンと結合し、酸素が硬質相の結晶格子中の炭素及び/又は窒素を一部置換する。この場合、硬質相はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドと定義できる。本発明の一態様にしたがい、この硬質相中の酸素含量は硬質相中の(C+N+O)合計含量の0.01〜4原子%である。
本発明のさらなる態様ならびに特有の特徴は、以下の説明とディスカッション及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
次の実施した実験の説明では添付の図面を参照されたい。
実施した実験の説明
実験では粉末状の硬質相、ベースの金属粉末、及びグラファイト粉末状の炭素の種々の混合物を使用した。硬質相粉末はバナジウムカーバイド(VC)、ニオブカーバイド(NbC)、ハフニウムカーバイド(HfC)、ハフニウム−チタンカーバイド((Hf,Ti)C)、チタンニトリド(TiN)、及びチタンカーバイド(TiC)からなっていた。さらに詳しくは、1μmオーダーの粉末粒子サイズを有する前記硬質相の市場入手可能な粉末を硬質相として使用した。これらの粉末は数千ppmの酸素を含んでいた。いい換えると、これらの粉末は高度に酸化されていた。酸素含量のオーダーは約4000ppm(0.4%)と見積られたが、さらに多く1重量%オーダーに達する可能性もある。ベースの金属粉末は出願人自身の生産物から得られた市場入手可能な高速度鋼からなっていた。この高速度鋼はその登録商標名ASP2030(以後文中ではASP2030(R)とする)で知られ、その化学組成は、重量%で1.28C,0.5Si,0.3Mn,4.2Cr,5.0Mo,3.1V,6.4W,8.5Co,バランス:鉄及び不可避不純物、である。この粉末は125μmの最大粒子径に篩分されたガスで噴霧された粉からなる。この実験では、焼入れ後グレードASP2030(R)の添加した鋼粉末のマトリックスと全く同じ組成を有する仕上り複合製品のマトリックスを達成することが目的であった。それ故炭素も、グラファイト粉末状で種々異なる量で粉末混合物に加えた。ASP2030(R)の一変形もASP20××と表わしてテストした。
ボールベアリング鋼製の粉砕用ボールを有するボールミル型のいわゆるアトリッターミル(attritor mill)中で種々の粉末混合物を粉砕した。しかしながら、エネルギーがミルハウジング(ミルの外被)の回転によって粉砕ボールに供給される慣用のボールミルとは違って、アトリッターミルではエネルギーは回転するプロペラによってボールに供給される。これが粉砕物に非常な高速を与え、したがって粉砕されている製品により多くのエネルギーを伝達する能力を与える。
それ故、アトリッターミルでは単位時間当りのエネルギー供給が慣用ボールミルでのそれの約15倍も大きい。これは粉砕中の材料の均質化を促進させるので重要なことである。粉砕中、粉砕されている粒子は押し砕かれ、変形され、繰返し再び結合される。この処理の重要な部分である変形によって大量の転位エネルギーが粉砕される製品に供給され、変化した高エネルギー状態の粉粹された材料がもたらされる。この方法で粉砕材料に供給されたエネルギーは約25MJ(メガジュール)/kg粉末に達した。粉砕中、粉砕液は使用されなかった。この粉砕は大気圧下で実施された。粉末の取扱い中に酸化による酸素のピックアップが起った可能性はある。
このようにして粉砕した粉末混合物をどんな圧縮助剤も添加しないでグリーンボデー(green bodies,生原体)の形に圧縮した。
このグリーンボデーを、グラファイト電気ヒータによって加熱した真空炉中で液相焼結によって固めた。焼結温度は1300〜1540℃間で変化させ、各実施焼結温度に30分間保持した。
機械的テストに先立って、サンプルを1180℃から焼入れし、続いて560℃で1時間×3回焼きなましした。
実験Iシリーズ: バナジウムカーバイド(VC)及びチタンニトリド(TiN)を含むサンプル
この実験シリーズでは、3種の異なる合金、すなわち合金63、64及び65を製造した。VC、TiNの他にベース金属ASP2030(R)及びグラファイト粉末状の炭素、さらに少量の粉末クロムカーバイド,Cr32,も加えた。この粉末混合物の成分を表1に示す。
Figure 2006509908
粉末混合物をアトリッターミル内で約25MJ/kg粉末のエネルギー供給で10時間粉砕し、グリーンボデーに圧縮した後前述の方法で焼結した。1300、1350及び1400℃で焼結したサンプルのミクロ構造を検討した。比較のため、熱間平衡圧縮(hot isostatic pressing(HIP−ing))により固められた同じ粉末混合物のサンプルも検討した。この検討の結果、これらの粉末混合物で、焼結後高密度で小さな粒子サイズの硬質相を達成できることがわかった。しかしながら、合金の均質性は、熱間平衡圧縮した材料と較べて焼結によっては改善されないことも注目された。さらに、3種の合金63、64及び65のすべてで、特に幾つかの大きい領域で硬質相粒子の異常な成長が起った。
実験IIシリーズ: ニオブカーバイド(NbC)及びチタンカーバイド(TiC)を含むサンプル
実験Iのシリーズにしたがって同じ物理的性質を有する、ベース合金ASP2030(R)、ニオブカーバイド、チタンニトリド及び炭素(グラファイト)の粉末の3種の混合物を製造した。該混合物の組成を表2に示す。
Figure 2006509908
前述の方法にしたがって粉砕及びグリーンボデーの製造後、熱間平衡圧縮および1350℃及び1400℃での液相焼結によって固めたサンプルを製造した。サンプルのミクロ構造の研究により熱間平衡圧縮が比較的均質なミクロ構造を与えることが証明された。しかし、液相焼結後の均質性は良くなかった。これは恐らく硬質相と液相との間の濡れが良くなかったことに因るものとすることができるであろう。NbCを高含量に含むこのタイプの合金はしたがって液相焼結には適さないと考えられた。
実験IIIシリーズ: HfC、(Hf,Ti)C及びTiNを含むサンプル
表IIIにしたがう組成を有する粉末混合物を製造した。これらの粉末も実験I及びIIのシリーズと同じ物理的性質を有していた。
Figure 2006509908
グリーンボデーの製造に先立って実験I及びIIのシリーズと同じ方法でこれらの粉末も粉砕し、それぞれ熱間平衡圧縮及び1400℃と1540℃での焼結によってこれらを固めた。しかしながら、ミクロ構造の研究により、1400℃又は1540℃での焼結によって均質性がなんら改善されないことがわかった。
実験IVシリーズ: TiC及びTiNを含むサンプル
このシリーズの実験での粉末混合物成分を表4に示す。公称化学組成(目標値)を表5に示す。粉末の典型的な性質は前述の実験シリーズのそれと同等であった。
Figure 2006509908
粉末混合物の成分は、炭素と窒素の含量のみが変り、他の元素は混合物中全く同じ量で存在するように選択した。したがってこの粉末混合物の化学組成は、重量%で0.39Si,0.18Mn,2.66Cr,3.34Mo,4.18W,2.05V,5.60Co及び25.3Tiを含んでいた。この成分の製造元から受取った情報によれば、酸素含量は約0.27重量%であった。バランスは鉄、炭素、窒素及び不可避不純物であった。粉末混合物中の炭素と窒素の含量を表5に示す。
Figure 2006509908
粉末混合物は、前述した方法、例えば25MJ/kg粉末のエネルギー供給で、アトリッターミルで10時間粉砕した。グリーンボデーを粉砕した粉末でつくり、これをそれぞれ熱間平衡圧縮及び液相焼結によって固めた。液相焼結は、1300℃と1540℃の間で温度を変え、各焼結温度で30分の保持時間の間実施した。
焼結サンプルのミクロ構造研究によりミクロ構造の均質性はサンプルの化学組成によって変ることがわかった。この文脈における均質性とはマトリックス合金中の硬質相粒子の均一な分布の程度を意味する。図1〜図5は1480℃で液相焼結後の合金69、70、71、72及び73のサンプルのミクロ構造を示す。合金70と71が、比較的均質なミクロ構造と1μmよりかなり小さなサイズの微細な硬質相粒子を有していたことが明らかである。合金69は比較的より粗い硬質相構造であった。合金72は均質性が劣り、多孔性が高かったが、合金73は均質性が最も悪く、多孔性が最も高かった。この相違は次の要因のいずれかに帰することができる:粉末混合物の化学組成、存在している元素間の液相焼結中の化学反応、及び粉砕や焼結中の軽元素のとりこみ又はロス。例えば炭素は焼結操作においてグラファイト加熱部材から拾い上げられたのかも知れない。酸素ならびに窒素も粉砕工程中に周囲から取り上げられ得る。さらに、液相焼結中、MX−相中に組入れられる液相中に各種の元素が溶解し、その結果Mは完全にチタンからなるのではなく、ある程度バナジウムとベース合金ASP2030(R)からの別の金属からなるであろう。チタンの溶解度が低いにもかかわらず、少量のチタンもメルト中に溶解するらしい。本発明をどの特定の理論にも拘束しないで、少くとも若干の合金に関しては反応速度が比較的遅いと推測できる。これは炭化物を許容できない程に成長させないで、液相焼結を高温度で長時間の間実施可能にするので好都合である。炭素は硬質相と液相の間の濡れを助長すると想定できるが、一方では硬質相を安定させるため、他方ではまた硬質相の結晶格子中の若干の炭素及び/又は窒素を置換する酸素のとりこみを可能にするため、一定量の窒素も硬質相中に必要であるように思われる。さらにまた、存在しているM6C−カーバイドが焼結操作中に液相に入ること、及びそれらが固化中にM(C,N,O)−粒子の周りにネットワークを形成することが推定され、影響は例えばWとMoが低含量の適当なベース合金を選ぶことによって最小化できる。
先ず硬質相粒子の化学組成の重要性を検討するため、硬質相の化学組成とさらにマトリックス合金の化学組成を各種方法によって調査した。EDS−分析法(Energy Dispersive Spectroscopy)及びThermo−Calc計算法を使用した。1480℃で焼結した幾つかの選択した合金の焼入れ温度1180℃における硬質相とマトリックスのThermo−Calc法で計算した組成を表6及び7に示す。Thermo−Calc計算では酸素含量は考慮されなかった。酸素含量はマトリックス中では無視できると考えられるが、硬質相中では(C+N+O)合計含量の約4原子%となっているかもしれない。
Figure 2006509908
Figure 2006509908
図1〜5に示されているミクロ構造の研究により、また表6に示されている硬質相の化学組成を考慮して、本明細書の導入部の本発明の開示、ならびに特許請求の範囲でも述べた、硬質相はバランスのとれた炭素と窒素の含量(原子%で表わして)を持つべきであるという結論を引き出すことができる。
図1は合金69が1480℃で焼結することにより、平均サイズが約0.8μmの硬質相粒子を含んで非常に良好な均質性を得たこと、及びほんの僅かの粒子だけが1μmを超えるサイズを有していたことを示している。しかしながら、硬質相の窒素部分が高ければ高い程均質性がますます損われ、硬質相の粒子が小さくなる。これは図4〜5で示されている。硬質相が窒素よりも炭素を幾らか多く含むサンプルの均質性が焼結温度によって影響され得るのかどうかテストするため、合金71のサンプルを1350〜1540℃の間で変化する温度で液相焼結後試験した。また同じ合金の熱間平衡圧縮したサンプルも調査した。得られたミクロ構造を図6〜11に示す。1480℃で焼結後のミクロ構造が図3に示されている。図6は1350℃で焼結後のミクロ構造が熱間平衡圧縮後のように殆んど不均一性であったこと(図11)、しかしミクロ構造は図9及び10に示すように、1480℃を超える温度で焼結することにより、粒子サイズが1μm未満よりかなり小さい、非常に均一に分布した硬質相粒子によって良好な均質性を実現したことを示している。
上に開示したことにしたがって、良好な均質性が本発明にしたがいコントロール比N/(C+N)によって助長される。これはまた表6及び表8から明らかである。後者の表はまた、本発明によって提案されたN/(C+N)比の値が満足されるならば、焼結温度を増加させるとミクロ構造の均質性が有効に改善することを示している。表8は、材料のある部分の調査した面積の%で表わしたメジャー領域の合計面積を示し、このメジャー領域は前記MX−相の見える粒子が全く存在せず、この領域の最長長さ方向に少くとも6dの長さ;この領域のどの部分にも、前記最長長さの横方向に少くとも6dの幅;及び少くとも9πd2の面積を有する。ここでdは、前記部分の検分した面積中の粒子の最長長さ方向のMX−型硬質相粒子のサイズの平均値である。そのような大きい“空”領域の存在は、実施例の高速度鋼ASP2030(R)からなる合金金属の粉砕が非常に重要であると考えられてはいるけれども、ある程度は焼結前の不十分な粉砕に原因があるとすることができる。粉砕が不十分の場合、たとえ比N/(C+N)の値に関する条件が満たされ、焼結温度が実際に可能な最高レベルに昇温されても、焼結操作によって得られる均質性が十分でないというリスクがあり得る。熱間平衡圧縮した材料について得られた結果も表8に含まれている。
Figure 2006509908
実験IVシリーズでつくったサンプルも機械的テストにかけた。1180℃で溶解処理により焼入れし、室温に冷却し、各回1時間,560℃で3回焼きなました後、サンプルが公称組成を有する場合は、ヴィッカー硬度テストでの硬度は約1080〜1180HV30に達した。炭素及び窒素のとりこみは、ある合金に対して硬度を1250〜1300HV30まで増加させた。
実験Vのシリーズ: TiC、TiN及びNbCを含むサンプル
このシリーズでは、2つの異なる合金,それぞれ合金ナンバー110及び合金ナンバー160と呼ぶ,による実験から報告する。TiC、TiN及びNbCの他に、粉末混合物はそれぞれベースの金属合金ASP2030(R)とその変形体及びグラファイト粉末状の炭素を含んでいた。この変形体はMoとWの含量がASP2030(R)よりも少なく、以後ASP20XXと呼ぶことにする。合金110の粉末混合物も少量のバナジウムカーバイド(VC)を含んでいた。この粉末は前述の実験シリーズの粉末と同じ物理特性を有していた。成分を表9に示す。
Figure 2006509908
粉末混合物を実験IVのシリーズと同じ方式で粉砕した。グリーンボデーを粉砕した粉末でつくり、このグリーンボデーを1400〜1540℃の温度範囲において各焼結温度で30分の保持時間の間液相焼結した。
Ti(C,N)及びマトリックスの他に、合金110もまたM6C−カーバイド(Mは実質上モリブデンとタングステンとからなる)及びMC−カーバイド(実質上バナジウムカーバイドからなる)を含んでいた。バナジウムカーバイドの存在にも拘らず、硬質相のV含量は、合金の全組成の点から見て期待されたものより50%少なかった。合金110の硬質相中のニオブとバナジウムの含量は、硬質相中のMの合計含量のそれぞれ約4原子%及び約5原子%であった。合金160では、硬質相中のニオブ含量は金属Mの含量の約15原子%に達した。硬質相中のC及びNの化学的含量は、それぞれ、合金110で約4.6重量%Cと3.6重量%N及び合金160で約5.1重量%Cと3.6重量%Nとなった。合金110の硬質相に関する比N/(C+N)はしたがって3.6/(3.6+4.6)=0.43で、合金160に関しても同じ値:3.9/(3.9+5.1)=0.43が得られた。
単一歯カッター(single tooth cutter)にインサート(insert,挿入物)として使用する目的でカッターの刃の形の合金110で工具部材を作製した。組立てに先立って、このインサートを1100℃から焼入れし、続いて560℃/(1時間×3回)焼きなましした。インサートのカッティング能力を、粉末冶金法で製造した高能力高速度鋼ASP2030(R)製の同等インサートのそれと比較した。カッティング能力による相対生産性が、本発明にしたがう合金でつくられたインサートによって達成され、それは既知の高速度鋼の生産性よりも約2倍(80〜100%大)であった。これに関連して、本発明材料は、実験的規模、すなわち製造した材料の清潔さや他の特徴に関して大きな制約のある方法によってつくられたこともいっておかねばならない。したがって、本格的規模の製造ではさらなる改善を達成可能なはずある。一方、工具部材(インサート)を焼結した炭化物材料でつくった場合は、カッティング能力のさらなる増加を期待する理由も必要であり、これは本発明の複合金属製品が高速度鋼と焼結炭化物材料との間のギャップを埋めることができると確認することである。
合金160は、1150℃からの焼入れを含むが、他の点では前述にしたがって合金110と同じ方法で実施される熱処理後、ミクロ構造について調査した;焼入れして焼戻したマトリックス中に実質上均等に分布した丸型の炭化物の均質なミクロ構造を示す図12を参照されたい。
靭性の測定では靭性は絶対的大きさに関して定量化しなかった。しかしながら、熱間平衡圧縮によってつくられたサンプルと比較して、熱間平衡圧縮したサンプルと本発明にしたがって液相焼結を受けたサンプルとの間に系統的な相違は認められなかった。
ディスカッション:
実施した実験の前述説明から結論できるように、非常に良好な結果が実験IVのシリーズで達成された。そのシリーズでは、出発物質としてチタンカーバイド及びチタンニトリドを含む粉末混合物が使用され、そして別の点では炭素及び窒素の含量が前に示したバランス関係を満足させるようにプロセスがコントロールされた。また所望のミクロ構造達成のための微粉砕や焼結温度の重要性も議論された。他方、マトリックス合金の組成の重要性についてはなんら詳細に検討されなかった。粉末混合物中ベース合金として、先ず第1にASP2030(R)型の高速度鋼を使用した。この鋼合金は仕上り製品中に硬度500HV30まで硬化できるマトリックスを供給する。しかしながら、その高速度鋼の化学組成が、粉末混合物の他の成分と組合せて、最適化学組成を有するマトリックスを供給するために最も適当なものであるかは確かではない。例えば、ASP2030(R)は、M6Cカーバイドを形成できる比較的高含量の金属を有する。このタイプのカーバイドは本発明による液相焼結中に溶解できることは本当であるが、それらはまたマトリックス中及び/又はM(C,N)−相粒子及び/又はM(C,N,O)−相粒子上で復元することができることも真である(これは不利であろう)。それ故ASP2030(R)よりも、実験Vシリーズで合金ASP20XXの使用に関連して前述に示したようにW及びMoの含量が少い高速度鋼の方がより適しているであろう。また高速度鋼ならびに他の焼入れ可能な鋼、例えば冷間加工鋼など他の鋼合金も考えられる。しかしながら、ベース合金として、好ましくは他の成分と一緒になって焼戻し後、硬度500HV30に焼入れできるマトリックスを最終材料中に供給する鋼合金を使用すべきである。
粉末混合物中の硬質相含量も変えることができる。チタンカーバイド、チタンニトリド、及び/又はチタンカルボニトリド粉末の他に、したがって少くともある用途用に、VC、NbC、TaC、ZrC、HfC及び/又は(HfTi)C及び相当する窒化物などのMX−型の他の炭化物又は窒化物を控えめに加えることを考えてもよい。しかしながら、その量は仕上り製品中に達成したMX−型の硬質相の全含量の30モル%以下である。例えばかなりの含量のバナジウム及び/又はニオブが存在する、混合カルボニトリドの生成を刺戟することの利点は、比較的低温で焼結しても密な材料の生成が促進されることであり、このことは粉末混合物中に一定量のVC及び/又はNbCの添加、又はベースの金属合金中に高含量のバナジウム及び/又はニオブの添加を正しいとするであろう。粉末混合物中の例えばニオブカーバイドも粉砕を刺激するかも知れない。また混合カルボニトリドは純粋チタンカルボニトリド又は純粋なチタンカルボニトリドオキシドよりも硬いと考えてもよく、これが製造した金属製品の硬度を増加させるであろう。実験Vのシリーズで得られた結果は、特に粉末混合物中に少量又は中程度の量のNbCの存在(VCが一緒に存在又は存在しないで)が所望の特徴の組合せを有する最終製品を提供できることを示している。それ故、硬質相の金属原子の3〜40原子%が(Nb+V)からなり、好ましくは5以上で最大30原子%のNb及び/又はVからなることが有利であると判断される。
TiC及びTiNを含む粉末混合物で作った合金サンプルで硬質相のN/(C+N)値がある範囲内の一例であるミクロ構造を示す図である。 TiC及びTiNを含む粉末混合物で作った合金サンプルで硬質相のN/(C+N)値がある範囲内の他の例を示すミクロ構造を示す図である。 TiC及びTiNを含む粉末混合物で作った合金サンプルで硬質相のN/(C+N)値がある範囲内の他の例を示すミクロ構造を示す図である。 TiC及びTiNを含む粉末混合物で作った合金サンプルで硬質相のN/(C+N)値がある範囲内の他の例を示すミクロ構造を示す図である。 TiC及びTiNを含む粉末混合物で作った合金サンプルで硬質相のN/(C+N)値がある範囲内の他の例を示すミクロ構造を示す図である。 本発明に従う化学組成をもち、焼結温度が1350℃〜1540℃の間のある温度で製造された複合製品のミクロ構造を示す図である。 本発明に従う化学組成をもち、焼結温度が1350℃〜1540℃の間の異る温度で製造された複合製品のミクロ構造を示す図である。 本発明に従う化学組成をもち、焼結温度が1350℃〜1540℃の間の異る温度で製造された複合製品のミクロ構造を示す図である。 本発明に従う化学組成をもち、焼結温度が1350℃〜1540℃の間の異る温度で製造された複合製品のミクロ構造を示す図である。 本発明に従う化学組成をもち、焼結温度が1350℃〜1540℃の間の異る温度で製造された複合製品のミクロ構造を示す図である。 熱間平衡圧縮によって製造した、同じ化学組成を有する材料のミクロ構造を示す図である。 本発明の一態様にしたがってNbCを添加した鋼のミクロ構造を示す図である。

Claims (41)

  1. 通常MX−型の硬質相と呼ばれる実質的にM(C,N)−カルボニトリド又はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドの粒子状の硬質相を30〜90容積%含むこと、ここでMは少くとも50原子%までチタンからなり、前記粒子は焼入れ可能な鋼からなるマトリックス中に本質的に均質に分布されており;及びCとNとの間の原子%比が条件0.1<N/(C+N)<0.7を満足させること;を特徴とする複合金属製品。
  2. CとNとの間の原子%比が条件0.2<N/(C+N)<0.6を満足させることを特徴とする、請求項1記載の製品。
  3. CとNとの間の原子%比が条件0.3<N/(C+N)<0.6を満足させることを特徴とする、請求項2記載の製品。
  4. CとNとの間の原子%比が条件0.4<N/(C+N)<0.5を満足させることを特徴とする、請求項3記載の製品。
  5. 前記硬質相粒子の数の90%が、製品の観察断面内で最長長さが1μm未満のサイズを有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製品。
  6. 製品の断面の10%以下が、最長長さの方向に6d以上の長さ、任意の断面で前記最長長さ方向に横方向の6d以上の幅、及び9πd2以上の面積を有する領域からなり、ここでdは観察断面中の粒子の最長長さ方向のMX−型の硬質相粒子サイズの平均値であり、該領域にはMX−型の硬質相粒子が欠けていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の製品。
  7. 製品の断面の0.5%以下が、最長長さ方向に8μm以上の長さ、任意の断面で前記最長長さ方向に横方向の8μm以下の幅、及び50μm2以上の面積を有する領域からなり、該領域にはMX−型の硬質相粒子が欠けていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製品。
  8. 前記硬質相中のMが少くとも70原子%までチタンからなることを特徴とする、請求項1記載の製品。
  9. 前記硬質相中のMが少くとも80原子%までチタンからなることを特徴とする、請求項8記載の製品。
  10. 前記硬質相中のMが少くとも90原子%までチタンからなることを特徴とする、請求項9記載の製品。
  11. 前記MX−型の硬質相中のMの最大40原子%が(V+Nb)からなることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の製品。
  12. 前記硬質相中のMの最大30原子%が、V,Nb,Ta,Hf及びZrからなる群に属する金属又はそれらより多くの金属からなることを特徴とする、請求項11記載の製品。
  13. 前記硬質相中のMの最大25原子%がNbからなることを特徴とする、請求項11又は12に記載の製品。
  14. 前記硬質相中のMの最大15原子%がNbからなることを特徴とする、請求項13記載の製品。
  15. 前記硬質相中のMの少くとも2原子%がVからなることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項記載の製品。
  16. 前記硬質相中のMの少くとも5原子%がVからなることを特徴とする、請求項15に記載の製品。
  17. 前記硬質相中のMの最大15原子%がVからなることを特徴とする、請求項15又は16に記載の製品。
  18. 前記硬質相中のMの少くとも2原子%がNbからなることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項記載の製品。
  19. 前記硬質相中のMの少くとも5原子%がNbからなることを特徴とする、請求項18記載の製品。
  20. 前記硬質相中のMの最大3原子%がTa、最大3原子%がZr、及び最大3原子%がHfからなることを特徴とする、請求項1ないし19のいずれか1項記載の製品。
  21. 前記MX−型の硬質相が不純物レベルの量を超えるTa,Zr又はHfを含まないことを特徴とする、請求項20記載の製品。
  22. 前記MX−型の硬質相を30〜70容積%含むことを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の製品。
  23. 前記MX−型の硬質相を40〜60容積%含むことを特徴とする、請求項22記載の製品。
  24. 前記MX−型の硬質相が、前記硬質相中の(C+N+O)合計含量の0.01〜4原子%の量の酸素を含むことを特徴とする、請求項1ないし23のいずれか1項に記載の製品。
  25. マトリックス中に存在し得る2次的に晶出したMC−カーバイドを含む前記マトリックス、及びマトリックス中に存在し得るMX−型以外の型のすべての硬質相が、重量%で次の化学組成を有することを特徴とする、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の製品:
    0.3〜3.0%C,
    トレース量から最大2%までのSi,
    トレース量から最大2%までのMn,
    トレース量から最大0.5%までのS,
    2〜13%Cr,
    トレース量から最大18%までのW,
    トレース量から最大12%までのMo,
    トレース量から最大15%までのCo,
    トレース量から最大10%までのV,
    トレース量から最大2%までのNb,
    バランス:Fe,ただし50重量%以上、及び鋼製造からの通常存在する不純物。
  26. マトリックスが最大2重量%のNbを含むことを特徴とする、請求項25に記載の製品。
  27. マトリックス中に存在し得るすべての2次晶出MC−カーバイド、及びMX−型以外の型のすべての硬質相を含む前記マトリックスが最大1重量%のSiと3〜10重量%のCrを含む化学組成を有することを特徴とする、請求項25又は26に記載の製品。
  28. マトリックス中に存在し得るすべての2次晶出MC−カーバイド及びMX−型以外の型のすべての硬質相を含む前記マトリックス中の(W+Mo+V)含量が、少くとも10重量%に達することを特徴とする、請求項27記載の製品。
  29. マトリックス中に存在し得るすべての2次晶出MC−カーバイド及びMX−型以外の型のすべての硬質相を含む前記マトリックス中の(W+Mo+V)含量が、最大10重量%に達することを特徴とする、請求項27記載の製品。
  30. マトリックス中に存在し得るすべての2次晶出MC−カーバイド及びMX−型以外の型のすべての硬質相を含む前記マトリックスが、重量%で3〜7%Cr及び10〜20%(W+Mo+V)を含む化学組成を有することを特徴とする、請求項28記載の製品。
  31. マトリックス中に存在し得るすべての2次晶出MC−カーバイド及びMX−型以外の型のすべての硬質相を含む前記マトリックスが、重量%で2〜7%Cr及び5〜10%(W+Mo+V)を含む化学組成を有することを特徴とする、請求項29記載の製品。
  32. チタンカーバイド、チタンニトリド、及び/又はチタンカルボニトリドの粉体を、そのチタン原子の含量が最終金属製品中の前記MX−型の硬質相中の金属原子の少くとも50%に相当する量で含む粉末混合物と、最終金属製品の他の成分の少くとも主要部とを一緒に微粉砕すること、粉砕した混合物で一定のボデーを形成させること、及び前記ボデーを1350〜1600℃の温度で液相焼結させ、続いて冷却して液相を固化させ、MX−型の前記硬質相粒子が前記液相焼結及び続く固化の間に最終組成とサイズを得ることを特徴とする、通常MX−型の硬質相と呼ばれる主としてM(C,N)−カルボニトリド又はM(C,N,O)−カルボニトリドオキシドからなる粒子,粒子は焼入れ可能な鋼のマトリックス中に実質上均質に分布している,の形を有する硬質相を30〜90容積%含む複合金属製品の製造方法。
  33. 粉末の選択と混合、粉末混合物の微粉砕、微粉砕した粉末混合物のグリーンボデーの形成、及び該グリーンボデーの液相焼結を含む総合工程中に炭素と窒素の含量をコントロールして、最終製品の前記硬質相の炭素と窒素の含量が原子%で表わして比0.1<N/(C+N)<0.7を満足させることを特徴とする、請求項32記載の方法。
  34. 粉末の選択と混合、粉末混合物の微粉砕、微粉砕した粉末混合物のグリーンボデーの形成、及び該グリーンボデーの液相焼結を含む総合工程中に炭素と窒素の含量をコントロールして、最終製品の前記硬質相の炭素と窒素の含量が原子%で表わして比0.2<N/(C+N)<0.6を満足させることを特徴とする、請求項33記載の方法。
  35. 粉末の選択と混合、粉末混合物の微粉砕、微粉砕した粉末混合物のグリーンボデーの形成、及び該グリーンボデーの液相焼結を含む総合工程中に炭素と窒素の含量をコントロールして、最終製品の前記硬質相の炭素と窒素の含量が原子%で表わして比0.3<N/(C+N)<0.6を満足させることを特徴とする、請求項34記載の方法。
  36. 粉末の選択と混合、粉末混合物の微粉砕、微粉砕した粉末混合物のグリーンボデーの形成、及び該グリーンボデーの液相焼結を含む総合工程中に炭素と窒素の含量をコントロールして、最終製品の前記硬質相の炭素と窒素の含量が原子%で表わして比0.4<N/(C+N)<0.5を満足させることを特徴とする、請求項35記載の方法。
  37. 粉末混合物の微粉砕が少くとも10MJ(メガジュール)/kg粉末のエネルギー供給で実施されることを特徴とする、請求項32〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 粉末混合物の微粉砕が少くとも20MJ/kg粉末のエネルギー供給で実施されることを特徴とする、請求項37記載の方法。
  39. 粉末混合物の微粉砕が10〜50MJ/kg粉末のエネルギー供給で実施されることを特徴とする、請求項37又は38記載の方法。
  40. 酸素の含量を前記総合工程中にコントロールして、最終製品中の酸素の含量が硬質相中の(C+N+O)合計含量の0.01〜4原子%となることを特徴とする、請求項32〜39のいずれか1項記載の方法。
  41. 液相焼結が、1450〜1510℃の間の各焼結温度で10分〜2時間、好ましくは10〜60分の保持時間の間実施されることを特徴とする、請求項32〜40のいずれか1項記載の方法。
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