JP2006509872A - 熱可塑性加硫ゴムを製造するためのプロセス - Google Patents

熱可塑性加硫ゴムを製造するためのプロセス Download PDF

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ユ、トーマス・チェン−チ
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Abstract

【解決手段】反応器中で熱可塑性加硫ゴム(TPV)を製造するためのプロセスを提供する。このプロセスは、熱可塑性マトリックス成分中にシラングラフト化された弾性ポリマー成分が分散された混合物を形成する。混合物は、a)マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり弾性ポリマー成分25〜60重量部と、b)マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たりマトリックス成分40〜75重量部と、c)シラングラフト化剤とを反応器中で混合することにより形成される。シラングラフト化された弾性ポリマー成分は、固体の水生成剤を反応器に添加することにより架橋される。

Description

本発明は一般に、例えば、自動車用途においておよびPVC代替品として使用される熱可塑性加硫ゴムを製造するためのプロセスに関する。
熱可塑性加硫ゴム(「TPV」)は一般に、熱可塑性マトリックス成分中に分散された少なくとも1つの部分的または完全に架橋されたゴムあるいはエラストマー成分を有する再生可能な材料であることが知られている。一般に、TPVは、マトリックス用材料とエラストマー成分を、所望の添加物およびエラストマー成分の少なくとも部分的な架橋を促進するための硫黄または過酸化物硬化パッケージと共にブレンドすることにより調製される。ブレンディングは、大規模ミキサー中で実行され、グラフト化は、エチリデンノルボルネンのようなジエンから誘導された単位により提供されたエラストマーのポリマー鎖中の不飽和官能基を用いて実行される。
ミキサーは連続的であり、TPVはペレットの形態で提供される。マトリックス成分の軟化点または融点以上の温度に達すると、TPVは、熱可塑性プラスチックのための従来の成形または造形条件下でのTPVの完全編成または溶融を用いて、連続シートおよび/または成形物品を形成できる。TPVは、熱硬化性エラストマーの特性を有しており、密閉式ミキサーにおいて再加工可能である。
実際に使用する場合、TPVの製造および造形物品への加工のための既知の手順には制限がある。例えば、ジエンから誘導された単位を持たないポリマーを加工することは困難である。全体的なプロセスは、限られたグレード名簿からTPV製造業者により供給されたTPVを用いる多くのステップを有しており、特定の最終用途要件への処方の適応を制限している。
例えば、電気的用途においてシランを用いてポリオレフィンをグラフトすること、および押し出し後に水分に架橋を起こさせることが知られている。
ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス(Polymer Engineering and Science),1999年6月,第39巻,第6号,第1087頁以降には、ポリプロピレンマトリックス中にエチレン−オクテンが分散されたTPVが開示されている。第1ステップにおいて、エチレン−オクテンポリマーが被覆され、溶融時の過酸化物生成によりグラフト化が引き起こされる(ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス第1092頁参照)。適切に被覆されたポリプロピレンが、第2ステップにおいて添加およびブレンドされる。第3ステップにおいて、架橋を引き起こすために水が注入される。ドイツ特許第DE4402943号は、同様なプロセスを開示している。
PCT公報第WO98/23687号は、架橋が実質的にない熱可塑性マトリックスレジン相および分散されたシラングラフト化エラストマー相を含有する熱可塑性ポリマーブレンド組成物を開示している。
ブレンディングとグラフト化および/またはブレンディングと硬化と統合することにより、単純化されたおよび/または柔軟なプロセスを提供することが本発明の目的の1つである。
1つの実施形態において、反応器中で熱可塑性加硫ゴム(「TPV」)を製造するプロセスが本発明により提供される。このプロセスは、熱可塑性マトリックス成分中にシラングラフト化された弾性ポリマー成分が分散された混合物を形成するステップと、シラングラフト化されたエラストマー成分を架橋するために固体の水生成剤を添加するステップとを含む。混合物は、a)マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たりマトリックス成分40〜75重量部、b)マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり弾性ポリマー成分25〜60重量部、およびc)シラングラフト化剤を反応器中で混合することにより形成される。
別の実施形態において、このプロセスは、a)連続的なマトリックス相を形成するための熱可塑性ポリマー成分、弾性ポリマー成分、およびマトリックス中に分散された相を形成するためのシラングラフト化剤、ならびにシラングラフト化を促進するための添加物をブレンドするステップと、b)固体の水生成剤を添加するステップとを含み、この水生成剤は、ステップa)において形成された配合物がシラングラフト化されたポリマーを架橋するために剪断を受ける間に水を放出する。
本明細書中に記載されたいずれかの実施形態の特定の局面においては、このプロセスは、以下の特徴の1つ以上をいかなる組み合わせでも有する。
a) DSCにより決定される少なくとも40%の結晶化度を有する連続マトリックス相、
b) DSCにより決定される40%未満の結晶化度を有する弾性ポリマー成分、
c) このプロセスは、反応器中でフリーラジカル生成剤を混合するステップをさらに含む、
d) フリーラジカル生成剤は過酸化物である、
e) このプロセスは、反応器で加水分解触媒を混合するステップをさらに含む、
f) シラングラフト化剤、フリーラジカル生成剤、および加水分解触媒は、個別の成分として反応器に添加される、
g) シラングラフト化剤、フリーラジカル生成剤、および加水分解触媒は、多孔質キャリヤーポリマー上の混合物として反応器に添加される、
h) 多孔質キャリヤーポリマーは、ポリエチレンおよびポリプロピレンから成る群から選ばれる、
i) シラングラフト化剤はビニルアルコキシシランである、
j) ビニルアルコキシシランは、ビニルメトキシシランおよびビニルエトキシシランから成る群から選ばれる、
k) 固体の水生成剤は、金属酸化物/カルボン酸組み合わせ、エプソム塩、グラウバー塩、粘土、水、タルク、およびそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、
l) マトリックス成分は、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルのうちの少なくとも1つを含む、
m) 弾性ポリマー成分は、ハロブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム、天然ゴム、合成ゴム、アミン官能化合成ゴム、およびエポキシ官能化合成ゴムのうちの少なくとも1つを含む、
n) 弾性ポリマー成分はエチレンインターポリマーである、
o) このプロセスは、マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり、弾性ポリマー成分25〜35重量部、または30重量部、およびマトリックス成分65〜75重量部、または70部重量を混合するステップを含む、
p) 反応器はバッチ型配合装置である、
q) 反応器は連続型配合装置である、
r) 反応器は、反応器中の生成物をペレット化ステップの介入なしで、造形された製造品に押し出すのに適したダイと接続されている、
s) マトリックス成分は、DSCにより決定される少なくとも40%の結晶化度を有する、
t) 弾性ポリマー成分は、DSCにより決定されるせいぜい40%の結晶化度を有する、
u) マトリックス成分および弾性ポリマー成分の結晶化度は、少なくとも10%、または少なくとも20%異なる、
v) マトリックス成分および弾性ポリマー成分は、ブレンドされ、シラングラフティング剤と同時に組み合わされる。
熱可塑性マトリックス成分
TPVのマトリックス成分は、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルを含む。マトリックス成分に適するポリマーは、従来のチーグラー・ナッタおよび/またはメタロセンのようなシングルサイト触媒を用いた高圧、低圧または中圧法を用いるモノオレフィンモノマーの重合により作られるポリオレフィン系熱可塑性ポリマーである。好ましくは、熱可塑性マトリックス成分は、反復単位に変換されたモノオレフィンモノマーが少なくとも95wt%、式CH=C(CH)−RまたはCH=CHR(式中、Rは、Hあるいは1〜12個の炭素原子の線状または分岐状アルキル基である)のモノオレフィンであるポリオレフィンである。
マトリックス成分に適するポリマーとしては、エチレン、およびコノモノマーとして3〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンを含むエチレンインターポリマー、ポリプロピレン、コノモノマーとしてエチレンおよび4〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンのようなα−オレフィンを含むプロピレンインターポリマー、ならびに2つ以上の混合物が含まれる。エチレン由来ポリマーは、高密度または低密度のいずれか一方とすることができる。用語ポリプロピレンは、ホモポリマーまたはコポリマーあるいはそれらの混合物を意味するために用いられる。一般に、マトリックス成分の融点が高くなればなるほど、TPVを加工できる温度が高くなる。プロピレンポリマーマトリックス成分は、任意のプロピレンベースポリマー、すなわち、単位の大部分がプロピレンから誘導されたポリマーとすることができる。
1つの実施形態において、マトリックス成分は、プロピレンホモポリマー、コポリマーまたはインパクトコポリマーであり得るプロピレンポリマーをベースとする。一般に、プロピレンポリマーは、15以上の溶融流量(MFR)、および任意に25以上、あるいは35のMFRを有することができる。一般に、曲げ率は、少なくとも1000MPa、または少なくとも1200MPa、あるいは1300MPaである。ポリプロピレンポリマーは、マルチサイト触媒またはメタロセンのようなシングルサイト触媒を用いて作ることができる。
1つの実施形態において、マトリックス成分は、耐衝撃性が改良されたポリプロピレンである。この実施形態においては、マトリックス成分自体は、その中に架橋されていないエラストマーが分散されたプロピレンポリマーマトリックスのブレンドである。この実施形態の特定の局面においては、エラストマーはコポリマーであり、耐衝撃性が改良されたポリプロピレンブレンドの総重量に基づいて20wt%未満の量で存在する。この実施形態の別の特定の局面においては、耐衝撃性が改良されたポリプロピレンのプロピレンポリマーマトリックス成分は、少なくとも95wt%のプロピレン含有量、少なくとも70,000の重量平均分子量を有するポリプロピレンであり、アイソタクチック規則性かシンジオタクチック規則性かを有して高度に立体規則的である。
耐衝撃性が改良されたポリプロピレンは、反応器ブレンドとして調製することができ、そこでは、プロピレンポリマー部分およびエラストマー部分は、技術的に知られているように、異なるゾーンまたは単一の反応ゾーンにおける別の適切なオレフィンモノマーとのプロピレンの重合により同時に形成される。代わりに、耐衝撃性が改良されたポリプロピレンは、ブレンディングの前に各々別個に形成されたポリプロピレンとエラストマーとの溶融配合により形成することができる。一般に、経済的理由により、耐衝撃性が改良されたポリプロピレンは、反応器ブレンドとして調製され、そしてこの理由により、一般に、耐衝撃性を改良するエラストマーの含有量は反応器ブレンドの20wt%を越えず、より典型的には、反応器ブレンドの12wt%を越えない。耐衝撃性が改良されたポリプロピレンの詳細のさらなる議論は、参照により本明細書に完全に組み入れられる米国特許第4,521,566号に見ることができる。耐衝撃性が改良されたポリプロピレンがどのように形成されるかにかかわらず、この耐衝撃性が改良されたポリプロピレンは一般に、ブレンドのプロピレン含有量が少なくとも80wt%であるように、プロピレンポリマー80wt%〜90wt%およびでエラストマー10wt%〜20wt%を含む。本発明の耐衝撃性が改良されたポリプロピレンは、60,000psi〜130,000psiの1%割線モジュラスと、上限が5.0または3で下限が0.5の範囲内のMFRとを有する。
1つの実施形態において、マトリックス成分は、熱可塑性ポリアミド組成物である。これらは一般に、ポリマー鎖内に反復ポリアミド単位を有するコポリマーおよびターポリマーを含む、結晶質または樹脂状で高分子量の固体ポリマーを含む。ポリアミドは、カプロラクタム、ピロリドン、ラウリルラクタムおよびアミノウンデカンラクタムのような1つ以上のεラクタム、またはアミノ酸の重合により、あるいは二塩基酸とジアミンとの縮合により調製できる。繊維形成グレードナイロンおよび成形グレードナイロン双方が適する。そのようなポリアミドの例は、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレン−アゼルアミド(ナイロン6,9)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6,IP)および11−アミノウンデカン酸縮合生成物(ナイロン11)、ならびにメタキシレンジアミンとアジピン酸との重縮合により作られた部分的に芳香族のポリアミドである。さらに、ポリアミドは、例えば、グラスファイバーまたは無機充填剤あるいはそれらの混合物により強化できる。カーボンブラックまたは酸化鉄のような顔料も添加できる。ポリアミドの追加の例は、カーク・オスマー化学大事典(Kirk−Othmer,Encyclopedis of Chemical Technology)第10巻、第919頁、およびエンサイクロペデイァ・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)第10巻、第392〜414頁に記載されている。
マトリックス成分は、マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり、上限が80、または75、または70、または65重量部で下限が40重量部の範囲内の量で存在する。弾性ポリマー成分は、マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり、上限が60重量部で下限が35、または30、または25、または20重量部の範囲内の量で存在する。
弾性ポリマー成分
弾性ポリマー成分は一般に、エラストマー特性を有するポリマーを含む。例としては、ゴム、エラストマー、およびプラストマーが含まれる。ポリマーは、硬化剤と反応して少なくとも部分的に架橋され得る残留不飽和または硬化可能官能部位を有し得る。ゴム成分として考えられる材料としては、ハロブチルゴム、エチレンプロピレン(EP)ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)ゴム、天然ゴム、および合成ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトルゴムのような合成ゴムが含まれる。アミン官能化またはエポキシ官能化された合成ゴムも適する。これらの例としては、アミン官能化EPDM、エポキシ官能化天然ゴム、および官能化メタロセンプラストマーが含まれる。
弾性ポリマー成分は、エチレンインターポリマーに基づくことができる。すなわち、エチレン由来単位が重量%的に主要成分である。エチレンインターポリマーは、上限が0.915g/cmまたは0.910g/cmで、下限が0.860g/cmの範囲内の密度を有することができる。エチレンインターポリマーは、シングルサイト触媒、例えば、それを介して配位子が遷移金属陽イオンに配位結合するシクロペンタジエニル陰イオン構造を有する少なくとも1つの配位子を持つ有機金属化合物である遷移金属成分を有する触媒を用いて調製し得る。好ましくは、インターポリマーは、狭い分子量分布および狭い組成分布を有する。
メタロセン触媒処理されたエチレンインターポリマーは、部分的に熱可塑性プラスチック様かつ部分的にエラストマー様となることがあり、「プラストマー」と呼ばれることがある。エチレンインターポリマーは、総モノマー含有量に基づいて、エチレン由来単位85モル%〜96モル%およびα−オレフィンコノモノマー由来単位4モル%〜15モル%を有するコポリマーであってもよい。α−オレフィンコノモノマーは、0.915g/cm〜0.860g/cmの密度に備える量で組み入れられる。プラストマーのα−オレフィンコノモノマーは、ブテン−1、ペンテン−l、ヘキセン−1、オクテン−1、および4−メチル−ペンテン−1のような非環式モノオレフィンとすることができる。
弾性ポリマー成分は、エチレン−α−オレフィン−ジエンターポリマーに基づくことができる。特定量のジエンモノマーの組み込みにより、最終生成物中の弾性ポリマー成分のさらなる官能化および/または架橋反応もしくはカップリングを可能にするさらなる残留不飽和を有する弾性ポリマー成分が提供される。しかしながら、本発明は、弾性ポリマー成分がジエンを実質的に含まないエチレンインターポリマーである場合に、満足な結果を与えるために実行できる。
エチレンインターポリマーは、以下の点の1つ以上により特徴付けることができる。
(a)40℃〜110℃の範囲に生じる単一の融点ピークの発生を示すDSC融点曲線(第2の溶融ランダウン)、
(b)70,000〜130,000の範囲内の重量平均分子量値、
(c)4.0以下、または3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)値、
(d)15,000を越えず、800psi以下の1%割線モジュラス。
弾性ポリマー成分は、テキサス州ベイタウンのエクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手可能なEXACT(商標)プラストマーとすることができる。EXACT(商標)プラストマーは、エチレンとC〜Cα−オレフィンコノモノマーとのコポリマーであり、プラスチック様の分子量を有する。
弾性ポリマー成分は、Engage(商標)ポリマーとすることができる。Engage(商標)ポリマーは、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能な、メタロセン触媒処理されたプラストマーである。
弾性ポリマー成分は、2つ以上のポリマーを含み得る。例えば、弾性ポリマー成分は、(a)上記のEXACT(商標)プラストマーのような、C〜Cα−オレフィンコモノマーおよびプラスチック様の分子量を有するエチレンコポリマー、および(b)エチレン−プロピレン−ジエン(「EPDM」)ターポリマーを含み得る。(b)のEPDMは、弾性ポリマー成分の総重量に基づいて、上限が75wt%または70wt%で下限が50wt%または60wt%の範囲内の量で弾性ポリマー成分中に存在し、上限が0.90g/cmまたは0.880g/cmで下限が0.860g/cmの密度を有する低結晶化度EPDMとすることができる。低結晶化度EPDMとは、DSCにより決定した時に、そのEPDMが10J/g未満の融解熱を有することを意味する。低結晶化度EPDMは、テキサス州ベイタウンのエクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手可能なVistalon(商標)7500とすることができる。Vistalon(商標)7500は、エチレン含有量が52.3wt%で融解熱が0.6J/gの低結晶化度EPDMターポリマーである。
代わりに、成分(b)のEPDMは、弾性ポリマー成分の総重量に基づいて、上限が60wt%または50wt%で下限が20wt%または25wt%の範囲内の量で弾性ポリマー成分中に存在する高結晶化度EPDMとすることができる。高結晶化度EPDMとは、そのEPDMが、70wt%を超えるエチレン含有量と、DSCにより測定した時に10J/gを超える融解熱を有することを意味する。高結晶化度EPDMは、テキサス州ベイタウンのエクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手可能なVistalon(商標)1703Pとすることができる。Vistalon(商標)7500は、エチレン含有量が78%でビニルノルボルネン含有量が0.9wt%の高結晶化度EPDMである。
ゴム成分は、どちらも引用により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第5,162,445号および同6,207,754号に記載されるような、イソモノオレフィンとアルキルスチレンのハロゲン化コポリマーをさらに含み得る。ハロゲン化コポリマーは、C〜Cイソモノオレフィンとアルキルスチレンとのコポリマーとすることができる。イソモノオレフィンは、イソブチレンとすることができ、アルキルスチレンは、ハロゲン化メチルスチレンとすることができ、ハロゲンは臭素とすることができる。ハロゲン化コポリマーは、ノルマルアルカン(例えば、ヘキサンまたはヘプタン)溶液中の臭素を用い、ビスアゾ開始剤、例えば、AIBNまたはVAZO52(2,21−アゾビス(2,4ジメチルペンタンニトリル))を利用して、55℃〜80℃で4.5分〜30分間イソブチレン−アルキルスチレンコポリマーをハロゲン化し、続いて苛性クエンチすることによって製造できる。次に回収されたポリマーを、塩基性洗浄水および水/イソプロパノール洗浄液中で洗浄し、回収し、安定化し、乾燥する。
架橋
1つの共通な架橋方法は、弾性ポリマー成分を架橋するための炭素・炭素結合を形成するするために過酸化物の使用を伴う。しかしながら、マトリックス成分がポリプロピレンを含む場合、過酸化物は、弾性ポリマー成分の架橋に加え、ポリプロピレンマトリックスを劣化させる。したがって、ビニルアルコキシシランのようなエラストマー成分を著しく架橋する化学薬剤を用いるのが望ましい。ビニルトリメトキシシラン(VTMOS)およびビニルトリエトキシシラン(VTEOS)は、ビニルアルコキシシランの具体例である。ビニルアルコキシシランは、非常に少量、すなわち、10/1〜40/1のビニルアルコキシシラン/過酸化物比の過酸化物と共に用いることができる。過酸化物は、初期ブレンディングの間に低温で反応性を有するように選ぶことができる。過酸化物は、以下に示されるように、エラストマー幹にビニルシラン分子をグラフトするためのフリーラジカル生成剤として使用される。
Figure 2006509872
本発明は、グラフト化段階の間に、シランおよび任意にフリーラジカル生成剤ならびに加水分解触媒を個別の成分として、または混合物として配合装置に添加することにより実行できる。
シランは、ベースポリマーと相溶性の固体キャリヤーポリマーを介して配合装置に供給できる。そのようなプロセスは、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第5,112,919号に記載されており、この米国特許は、液状シランとは対照的に、押出機にシラン架橋剤の固体供給を添加するためのプロセスを提供する。
シランは、「シランマスターバッチ」として配合装置に供給できる。本明細書中で用いられる用語「シランマスターバッチ」は、ビニルアルコキシシラン、少量のフリーラジカル生成剤、および固体キャリヤーポリマー上の加水分解触媒の混合物を意味する。2つのタイプのシランマスターバッチが商業的に入手可能である。1つのタイプは、多孔質ポリエチレンキャリヤーをベースとし、他方のタイプは、多孔質ポリプロピレンキャリヤーをベースとする。ポリプロピレンキャリヤーは、ホモポリプロピレンプロピレン、プロピレンのインパクトコポリマー、またはプロピレンのランダムコポリマーとすることができる。ポリプロピレンランダムコポリマーは好ましくない。なぜならば、ビニルシランは、ポリプロピレンランダムコポリマーの幹に沿ってエチレン結合にグラフトし、キャリヤーならびにエラストマーの双方を架橋するからである。
ポリアミドおよびポリエステルのようなエンジニアリングレジンも、TPVの高温抵抗性を増大させるために、キャリヤーとして用い得る。無水マレイン酸グラフト化プラストマーまたは無水マレイン酸グラフト化EPゴムもしくはEPDMは、エンジニアリングレジンと弾性ポリマー成分との間の相溶化剤として用い得る。過酸化物およびビニルシランも、キャリヤーとして用い得る。
シラングラフト化反応が完了すると、配合装置内での加熱時、好ましくはポリマーの融解温度範囲において、水生成剤が水を放出し、これにより架橋の発生が可能にする。水生成剤は、シラングラフト化反応の完了と同時に反応器に添加できる。水生成剤の例としては、エプソム塩、グラウバー塩、粘土、水、タルク、金属酸化物/カルボン酸組み合わせ、およびそれらの組み合わせが含まれる。金属酸化物/カルボキシル酸組み合わせの例は、酸化亜鉛/ステアリン酸、酸化亜鉛/イソノナン酸、および酸化亜鉛イソオクタン酸である。
図1および2は、硫酸マグネシウムへプトハイドレイト(エプソム塩)、および硫酸ナトリウム十水和物(グラウバー塩)についての重量損失−温度の熱重量分析をそれぞれ例示している。これらの図は、エプソム塩はその水和水の半分を150℃〜200℃で放出し、グラウバー塩はその水和水の半分をずっと低い温度で放出することを示している。図3〜7は、タルク、水和粘土(含水ケイ酸アルミニウム)、およびいくつかの金属酸化物/カルボキシル酸組み合わせ(酸化亜鉛/ステアリン酸、酸化亜鉛/イソノナン酸、および酸化亜鉛/イソオクタン酸)についての重量損失−温度の熱重量分析を例示している。
水分子の存在下で、グラフト化されたビニルシラン分子のOR基は、OH基へ容易に加水分解され得る。次にSi−OH基は、加水分解触媒、例えばジブチル錫ジラウレートの存在下で、縮合反応を受けてSi−O−Si結合を形成する。エラストマー幹に十分なビニルシラン分子がグラフトされていない場合、Si−O−Si結合は、エラストマー分子からの2次元鎖伸張をもたらす。エラストマー幹に十分なビニルシラン分子がグラフトされている場合、3次元ネットワークが形成でき、エラストマーは架橋される。上記で述べた架橋プロセスを以下に示す。
Figure 2006509872
本発明は、次の加硫ステップなしで実行できる。なぜならば、配合装置への水生成剤の添加により、TPVは、混合ラインから出てくる前に架橋されことが可能になるからである。バッチミキサーの場合には、グラフト化反応を完了した後、供給ラムを持ち上げて、水生成剤を添加する。次に、加硫反応が完了するまで、ミキサー中で混合を続ける。代わりに、連続ミキサー、例えば、押出機を配合装置として用いることができる。1パスプロセスにおいては、水生成剤は、シラングラフト化反応が生じる領域の下流ポイントで押出機に添加される。2パスプロセスにおいては、シラングラフト化は、第1のパスにおいて生じ、架橋反応は、同じ押出機の第2のパスに水生成剤を添加することによって完了される。
適切なプロセス条件により、架橋度、すなわち、ゲル含有量は、化合物全体についてほぼ同じであり得る。これは、配合ラインから出てきた後に、配合物品に水処理を施し、これにより架橋度が物品の厚さに依存するようになるプロセスに対しての利点である。
他の原材料
本発明のTPVは、技術的に知られている従来の原材料を添加することによって改良できる。そのような原材料としては、粒状充填剤、粘土、顔料、補強剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、プロセス油、潤滑剤、発泡剤、およびエキステンダー油が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの付加的な原材料は、全組成の約50重量パーセントまでを構成し得る。当業者は、TPVの特性を強化するために他の添加物が使用できることを理解するであろう。
装置
本発明のTPVは、いずれか適当なバッチ混合装置(例えば、バンバリーミキサー)または連続装置(例えば、一軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機)を用いて調製できる。
本発明は以下において、下記の実施例を参照してより詳細に例示されるが、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。表1は、実施例において用いられる試験方法のリストを示している。
以下の実施例において、Escorene(商標)PP1105は、溶融流量が35、曲げ率(MPa)が1300、およびノッチ付アイゾッド衝撃強さ(@23℃ KJ/m)が3.2のプロピレンホモポリマーである。Escorene(商標)PP8191は、密度が0.9g/cm、溶融流量が1dg/min、エチレンコノモノマー含有量が20wt%、1%割線モジュラスが62,500psiおよびDSCピーク融点が141.6℃の耐衝撃性が改良されたポリプロピレンである。Capron(商標)73ZPは、ニュージャージー州モリスタウンのハネウェル製ポリアミド−6レジンである。Ultamid35は、テキサス州フリーポートのBASF製6,66ポリアミドである。Pebax3533は、ペンシルバニア州フィラデルフィアのアトフィナ・ケミケル製軟質ポリアミドである。Sunpar150HTは、ペンシルバニア州マーカスフックのサン・オイル製プロセス油である。EXACT(商標)8201は、メルトインデックスが1.1g/10min、密度が0.882g/cm、曲げ率が1%割線が3300psi、ムーニー粘度(1+4@125℃)が19、ピーク融点が66.7℃、および溶融流量が2.5g/10minのエチレン−オクテンコポリマーである。EXACT(商標)4033は、密度が0.880g/cm、メルトインデックスが0.8g/10min、曲げ率1%割線が3300psi、ムーニー粘度(1+4@125℃)が28、およびDSCピーク融点が60℃のエチレン−ブテンコポリマーである。Vistalon(商標)1703Pは、ビニルノルボルネン約0.9wt%およびエチレン78wt%を含む高結晶化度EPDMである。Vistalon(商標)3666は、融解熱が0J/gの油展された低結晶化度EPDMである。Vistalon(商標)9303は、融解熱が3.7J/gの別の低結晶化度EPDMである。Exxpro(商標)89−1は、イソブチレンとメチルスチレンとのコポリマーから誘導された臭素化ポリマーである。Exxpro(商標)89−1は、密度が0.93g/cm3、ムーニー粘度が35ML(1+8)@125℃および臭素wt%が1.2である。Escorene(商標)、Exact(商標)、Vistalon(商標)およびExxpro(商標)は、エクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手可能な製品である。シランマスターバッチ#1は、XL−Pearl Y−15307の名称で、ニュージャージー州タリータウンのクロンプトン・コーポレーションのOSIスペシャルティーズにより供給されたもので、30wt%の多孔質ポリプロピレンに吸収された70wt%のシラン混合物を含んでいる。このシラン混合物の大部分は、グラフト化過酸化物および加水分解触媒が添加されたVTMOS型シランから構成される。同じくOSIスペシャルティーズから供給されたシランマスターバッチ#2は、50wt%の多孔質ポリプロピレンに吸収された50wt%のシラン混合物を含んでいる。このシラン混合物の大部分は、VTMOS型シランから構成される。同じくOSIにより供給されたシランマスターバッチ#3は、30wt%の多孔質ポリプロピレンに吸収された70wt%のシラン混合物を含んでいる。このシラン混合物の大部分は、VTEOS型シランから構成される。多孔質キャリヤーの商業的供給業者は、ドイツ・オーベルンベルクのアクゾ・ノーベル・メンブラナGmbhのアキュレル・システムズである。
Figure 2006509872
実施例1(バンバリーミキサー;シランマスターバッチ#1)
試料1〜5において、種々の量のシランマスターバッチ#1(多孔質ポリプロピレンキャリヤーに吸収されたVTMOS型シラン)を、Escorene(商標)PP1105/Exact(商標)8201の30/70ブレンドに添加し、混合物を00Cサイズのバンバリーミキサー中で溶融混合してシラングラフト化反応を実行した。2270gのバッチ重量を用いた。モータートルク増加により示されるように、シラングラフト化反応が完了した後、供給ラムを上げ、レジン100部当たりエプソム塩0.2部を添加した。次にラムを、別のトルク増加が観察されるまで下げた。材料が500°F以上まで加熱されることを防止するために、ミキサーをより低いローター速度にシフトさせて架橋反応を完了させた。
Figure 2006509872
実施例2(二軸スクリュー押出機;シランマスターバッチ#1)
表3の試料6〜11は、以下で詳細に記載されるように、連続ミキサーにより製造されたプロピレンホモポリマーマトリックス成分とエチレンベースコポリマーゴム成分とを有するTVGを例示している。実施例1において記載されたものと同じEscorene(商標)PP1105/Exact(商標)8201のレジン混合物を、多孔質ポリプロピレンキャリヤー上のVTMOSマスターバッチと共に、最初に30mmZSK二軸スクリュー押出機を用いて溶融配合してシラングラフト化反応を完了する。第2のパスにおいて、溶融ブレンドされた配合物を、エプソム塩と共に、架橋反応を終了するために同じZSK押出機上で配合した。
Figure 2006509872
実施例3(バンバリーミキサー;シランマスターバッチ#2)
試料12〜16において、種々の量の多孔質ポリエチレンキャリヤー上のVTMOSマスターバッチ(レジン100部当たり1.5部〜3.5部)を、Escorene(商標)PP1105/Exact(商標)8201の30/70ブレンドに添加し、この混合物をバンバリー00Cミキサー中で溶融混合してシラングラフト化反応を実行した。2270グラムのバッチ重量を用いた。モータートルク増加により示されるように、シラングラフト化反応が終了した後、供給ラムを上げ、レジン100部当たりエプソム塩0.2部を添加した。次にラムを、別のトルク増加が観察されるまで下げた。材料が500°F以上まで加熱されることを防止するために、ミキサーをより低いローター速度にシフトさせて架橋反応を完了させた。
Figure 2006509872
実施例4(二軸スクリュー押出機、シランマスターバッチ#2)
表5の試料17〜24は、以下で詳細に記載されるように、連続ミキサーにより製造されたプロピレンホモポリマーマトリックス成分とエチレンベースコポリマーゴム成分とを有するTPVを例示している。実施例1において記載されたものと同じEscorene(商標)PP1105/Exact(商標)8201のレジン混合物を、多孔質ポリプロピレンキャリヤー上のVTMOSマスターバッチと共に、最初に30mmZSK二軸スクリュー押出機を用いて溶融配合してシラングラフト化反応を完了する。第2のパスにおいて、溶融ブレンドされた配合物を、エプソム塩と共に、同じZSK押出機上で配合して架橋反応を終了する。
Figure 2006509872
実施例5(シランマスターバッチ#3)
試料25〜28において、種々の量の多孔質ポリエチレンキャリヤー上のビニルエトキシシラン(VTEOS)マスターバッチ(レジン100部当たり0.5部〜2部)を、Escorene(商標)PP1105/Exact(商標)8201の30/70ブレンドに添加し、この混合物をバンバリー00Cミキサー中で溶融混合してシラングラフト化反応を実行した。2270グラムのバッチ重量を用いた。モータートルク増加により示されるように、シラングラフト化反応が終了した後、供給ラムを上げ、レジン100部当たりエプソム塩0.2部を添加した。次にラムを、別のトルク増加が観察されるまで下げた。材料が500°F以上まで加熱されることを防止するために、より低いローター速度にミキサーをシフトさせて架橋反応を完了した。
結果は、VTEOSを用いて達成されたゲルレベルが、図1に示される対応するVTMOSを用いたよりもずっと少ないことを示している。
Figure 2006509872
実施例6
試料29〜34は、プロピレンホモポリマーマトリックス成分、およびメタロセンプラストマーと低結晶化度EPDMゴムとの組み合わせを含むゴム成分を有するTPVを例示している。これらの組成物の各々は、DSCによるポリプロピレン溶融ピークのみを示し、どのような2次的な低温ピークも観察されなかった。試料31においても、非粘土含有配合物の引張強さがより高いことにより示されるように、バージェス粘土は、水生成剤および補強剤の双方として働いた。
Figure 2006509872
実施例7
試料35〜38は、プロピレンホモポリマーマトリックス成分、およびメタロセンプラストマーと高結晶化度EPDMゴムとの組み合わせを含むゴム成分を有するTPVを例示している。表8に示されるように、この実施形態においてEXACT(商標)8201をVistalon(商標)1703P(78wt%エチレンおよび36.5J/g溶融熱)のような高結晶化度EPDMで置き換えることにより、TPVの軟度(曲げ率および硬さ)が改善される。ゲル含有量の結果に基づき、ビニルサリンが同時に、EXACT(商標)8201およびVistalon(商標)1703Pの双方にグラフトされ、同じタイプおよび量の水生成剤(エプソム塩)により架橋され得ることが明らかである。
表8の組成物は、30mmZSK二軸スクリュー押出機を用いる2パス配合により製造した。すべての原料を最初に一緒にブレンドし、シラングラフト化反応を完了するために押出機に供給した。第2パス押し出しにおいて、エプソム塩を、架橋反応を完了するために第1パスから製造された材料と共に配合した。試料36〜38は、剛化剤EXACT(商標)8201を置き換えるためにより多くのVistalon(商標)1703Pが使用されるにつれて、比較試料35と比較して剛性(曲げ率)が減少することを示している。
Figure 2006509872
実施例8
試料39〜41において、多孔質ポリプロピレンキャリヤー上のビニルメトキシシラン(VTMOS)マスターバッチをレジン100部当たり2.2部、Escorene(商標)PP7715E4/EXACT(商標)8201の27.6/64ブレンドに添加した。試料39〜41の各々においては、異なる金属酸化物/カルボン酸組み合わせを用いた。
Figure 2006509872
実施例9
試料42においては、レジン100部当たり多孔質ポリプロピレンキャリヤー上のVTMOSマスターバッチ3部を、Escorene(商標)PP1105/EXACT(商標)8201の30/70ブレンドに添加した。試料43においては、レジン100部当たり多孔質ポリプロピレンキャリヤー上のVTMOSマスターバッチ3部を、Escorene(商標)7715/EXACT(商標)8201の30/70ブレンドに添加した。Escorene(商標)7715は、架橋されていないエチレン−プロピレンがその中に分散されているポリプロピレンマトリックスを有するインパクトコポリマーである。
Figure 2006509872
実施例10
TPV組成物は、表11に示されるように、マトリックス成分としての耐衝撃性が改良されたポリプロピレンコポリマー(Escorene(商標)PP8191)と、メタロセンプラストマー(Exact(商標)4033)およびハロゲン化ゴム(Exxpro(商標)89−1)を含むゴム成分とを用いて調製した。
Figure 2006509872
酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛の存在下で、プラストマーはハロゲン化ゴムにグラフトできる。しかしながら、酸化亜鉛/ステアリン酸亜鉛の組み合わせは、プラストマー自体を架橋する際には効果がない。ハロゲン化ゴムを架橋するために、余分量の酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛を用いることができる。試料44は、プラストマーをハロゲン化ゴム5部で置き換えることにより、結果として得られるブレンドが、1dg/minの溶融流量を有することを示している。試料45は、レジン100部当たり酸化亜鉛0.05部およびレジン100部当たりステアリン酸亜鉛0.05部が添加された以外、試料44と同一である。結果として得られる組成物は、5部のハロゲン化ゴムの架橋のせいで溶融流量のわずかな減少を示した。試料46においては、等量のプラストマーを置き換えるためにハロゲン化ゴム12.5部が用いられ、溶融流量が0.1dg/minまで減少し、配合物中の架橋度の増大を示している。
実施例11
下記の表12に記載される組成を有するTPVを製造するために、75リットルバンバリーミキサーを使用した。EXACT(商標)8201、Escorene(商標)PP1105、シランマスターバッチ、カーボンブラック、およびCel−spanの半分を空のバレルに添加し、約360°Fの溶融温度を維持するために、高および中間ローター速度の両方を用いて溶融させた。ラムを上げて、Cel−spanの残り半分を添加し、混合物を再度溶融させた。次にラムを上げ、バージェス粘土、エプソム塩、およびAX−71を添加した。最大トルク増加が観察された後、原料をさらに30秒間混合した。総サイクル時間は約4分であった。次にこのバッチを、階下のホールドミル中へ335°Fで放出した。次に二本ロール機からの4”ストリップを、ショートバレル押出機に連続的に供給して太さ3”の連続ロープを形成した。ロープの温度は、340°Fであることが記録された。押し出されたロープを、逆L型カレンダーの上部に供給し、溶解ロープを連続した薄手シートに加工した。
Figure 2006509872
下記の表13の温度分布を使用して、厚さ3.8ミル、幅58”のシートを毎分50ヤードの生産速度で生産した。
Figure 2006509872
シートの特性を下記の表14に示す。
Figure 2006509872
圧延シートの低電圧SEM顕微鏡写真を図8に示す。図8を参照すると、白いでこぼこした粒子は架橋されたプラストマーであり、暗いラインはポリプロピレンマトリックスである。大小の埋封粒子は、カーボンブラックまたは難燃剤である。
実施例12
サイズDバンバリーミキサーを使用して、下記の表15に記載される組成を有するTPVを製造した。EXACT(商標)8201、Escorene(商標)PP1105、およびシランマスターバッチを、空のバレルに添加し、約360°Fの溶融温度を維持するために、高および中間ローター速度の両方を用いて溶融させた。ラムを上げて、バージェス粘土およびエプソム塩を添加した。最大トルク増加が観察された後、原料をさらに30秒間混合した。Sunpar150Mをミキサーに注入してバッチの溶融温度を冷却そた。総サイクル時間は約4分であった。次にこのバッチを溶融供給ペレット押出機中に放出して、バッチを1/8”×1/8”ペレットに加工した。
Figure 2006509872
次にペレットを、ブラック・クローソンシート押出機の供給ホッパーに供給して、幅36”厚さ10ミルの連続シートを表16に示す条件下で製造した。
Figure 2006509872
シートの特性を下記の表17に示す。
Figure 2006509872
本明細書中で用いられた様々な商品名は、(商標)記号より示され、その名称が特定の商標権により保護され得ることを示している。いくつかのそのような名称は、様々な裁判管轄権における登録商標でもあり得る。
優先権書類を含む、本明細書中で引用されたすべての特許、試験手順、およびその他の文献は、そのような開示が本発明と矛盾しない程度までそしてそのような組み込みが認められるすべての裁判管轄剣について、参照により完全に組み込まれる。
硫酸マグネシウムへプトハイドレイト(エプソム塩)についての重量損失−温度の熱重量分析のグラフである。 硫酸ナトリウム十水和物(グラウバー塩)についての重量損失−温度の熱重量分析のグラフである。 タルクについての重量損失−温度の熱重量分析のグラフである。 水和粘土(含水ケイ酸アルミニウム)についての重量損失−温度の熱重量分析のグラフである。 酸化亜鉛/ステアリン酸組み合わせについての重量損失−温度の熱重量分析である。 酸化亜鉛/イソノナン酸組み合わせについての重量損失−温度の熱重量分析である。 酸化亜鉛/イソオクタン酸組み合わせについての重量損失−温度の熱重量分析である。 圧延シートの低電圧SEM顕微鏡写真である。

Claims (36)

  1. 反応器中で熱可塑性加硫ゴム(TPV)を製造するためのプロセスであって、
    a) 反応器中で、
    i) マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり弾性ポリマー成分25〜60重量部と、
    ii) マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たりマトリックス成分40〜75重量部と、
    iii) シラングラフト化剤と、を混合することにより、シラングラフト化された弾性ポリマー成分が熱可塑性マトリックス成分中に分散された混合物を形成するステップと、
    b) シラングラフト化された弾性ポリマー成分を架橋するために固体の水生成剤を反応器に添加するステップとを含むプロセス。
  2. ステップa)は、反応器中でフリーラジカル生成剤を混合するステップをさらに含む請求項1に記載のプロセス。
  3. フリーラジカル生成剤は過酸化物である請求項2に記載のプロセス。
  4. ステップa)は、反応器中で加水分解触媒を混合するステップをさらに含む請求項1に記載のプロセス。
  5. ステップa)は、反応器中で加水分解触媒を混合するステップをさらに含む請求項2に記載のプロセス。
  6. シラングラフト化剤、フリーラジカル生成剤、および加水分解触媒は、個別の成分として反応器に添加される請求項5に記載のプロセス。
  7. シラングラフト化剤、フリーラジカル生成剤、および加水分解触媒は、多孔質キャリヤーポリマー上の混合物として反応器に添加される請求項5に記載のプロセス。
  8. 多孔質キャリヤーポリマーは、ポリエチレンおよびポリプロピレンから成る群から選ばれる請求項7に記載のプロセス。
  9. シラングラフト化剤はビニルアルコキシシランである請求項1に記載のプロセス。
  10. ビニルアルコキシシランは、ビニルメトキシシランおよびビニルエトキシシランから成る群から選ばれる請求項9に記載のプロセス。
  11. 固体の水生成剤は、金属酸化物/カルボキシル酸組み合わせ、エプソム塩、グラウバー塩、粘土、水、タルク、およびそれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項1に記載のプロセス。
  12. マトリックス成分は、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のプロセス。
  13. 弾性ポリマー成分は、ハロブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム、天然ゴム、合成ゴム、アミン官能化合成ゴム、およびエポキシ官能化合成ゴムのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のプロセス。
  14. 弾性ポリマー成分はエチレンインターポリマーである請求項1に記載のプロセス。
  15. ステップa)は、マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり、弾性ポリマー成分25〜35重量およびマトリックス成分65〜75重量部を混合するステップを含む請求項1に記載のプロセス。
  16. ステップa)は、マトリックス成分および弾性ポリマー成分の組み合わせ100重量部当たり、弾性ポリマー成分30重量部およびマトリックス成分70重量部を混合するステップを含む請求項1に記載のプロセス。
  17. 反応器はバッチ型配合装置である請求項1に記載のプロセス。
  18. 反応器は連続型配合装置である請求項1に記載のプロセス。
  19. 反応器は、反応器中の生成物をペレット化ステップの介入なしで、造形された製造品に押し出すのに適したダイと接続されている請求項1に記載のプロセス。
  20. マトリックス成分は、DSCにより決定される少なくとも40%の結晶化度を有し、弾性ポリマー成分は、DSCにより決定されるせいぜい40%の結晶化度を有する請求項1に記載のプロセス。
  21. マトリックス成分および弾性ポリマー成分の結晶化度は、少なくとも10%異なる請求項20に記載のプロセス。
  22. マトリックス成分および弾性ポリマー成分の結晶化度は、少なくとも20%異なる請求項20に記載のプロセス。
  23. マトリックス成分および弾性ポリマー成分は、ブレンドされ、シラングラフティング剤と同時に組み合わされる請求項1に記載のプロセス。
  24. 熱可塑性加硫ゴム(TPV)を製造するためのプロセスであって、
    A) DSCにより決定される少なくとも40%の結晶化度を有する連続マトリックス相を形成するための熱可塑性ポリマー成分と、DSCにより決定される40%未満の結晶化度を有する弾性ポリマー成分と、マトリックス中に分散された相を形成するためのシラングラフト化剤と、シラングラフト化を促進するための添加剤とをブレンドするステップと、
    B) 固体の水生成剤を添加するステップとを含み、この水生成剤は、ステップA)において形成された配合物がシラングラフト化されたポリマーを架橋するために剪断を受ける間に水を放出するプロセス。
  25. マトリックス相のためのポリマーおよび弾性ポリマー成分のためのポリマーがブレンドされ、シラングラフト化剤および添加物と同時に組み合わされる請求項24に記載のプロセス。
  26. シラングラフト化剤および添加物は、マスターバッチの一部であり、好ましくは、固体のキャリヤーとして、弾性ポリマー成分と相溶性のポリマーを含む請求項24または請求項25に記載のプロセス。
  27. 固体の水生成剤は、ブレンド温度までの加熱時に放出可能な吸収または水和された水を含有する化合物を、好ましくは、シラングラフト化剤と共に添加された水を放出するように反応できる加水分解触媒または化合物を共に含有する先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  28. 成分は、バッチまたは連続的に操作されるブレンド装置中でブレンドされる先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  29. ステップAおよびBは、ポリマー成分のブレンドまたは固化のどのような中間的休止もなく連続している先行請求項のいずれかに記載のプロセス凝固。
  30. 弾性ポリマー成分はエチレンインターポリマーである先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  31. 熱可塑性ポリマー成分および弾性ポリマー成分の結晶化度は、少なくとも10%、好ましくは20%異なる先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  32. 弾性ポリマー成分は、40J/g未満、好ましくは30J/g未満の溶融熱を有する先行請求項のうちのいずれかに記載のプロセス。
  33. ステップA)において、熱可塑性ポリマー成分40〜75重量、好ましくは65〜75重量部、より好ましくは70重量部と、弾性ポリマー成分25〜60重量部、好ましくは25〜35重量、より好ましくは30重量部とがブレンドされる先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  34. 熱可塑性ポリマー成分は、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルのうちの少なくとも1つを含む先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  35. シラングラフト化剤は、ビニルアルコキシシラン、好ましくはビニルメトキシシランまたはビニルエトキシシランである先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
  36. 固体の水生成剤は、金属酸化物/カルボン酸の組み合わせ、エプソム塩、グラウバー塩、粘土、水、タルク、またはそれらのいずれかの組み合わせである先行請求項のいずれかに記載のプロセス。
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