JP2006503551A - アルデヒド脱水素酵素ii - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の物理化学的性質:分子量100,000±10,000Da(2個の相同のサブユニットを含んでなる)または分子量150,000±15,000Da(3個の相同のサブユニットを含んでなる)であって、各々のサブユニットは分子量55,000±2,000Daを有する;L−ソルボソン、D−グルコソン、D−グルコースおよびD−キシロースに対して脱水素酵素活性;補助因子として、ピロロキノリンキノンを利用;L−ソルボソンからの、ビタミンCの製造に対して至適pH6.5〜8.0および2−ケト−L−グロン酸の製造に対して至適pH約9.0を有する;そしてCo2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、およびモノヨード酢酸により阻害される、を有し、グルコノバクター(Gluconobacter)属に属する微生物に由来する、新規アルデヒド脱水素酵素に関する。

Description

本発明は、新規な酵素、すなわち、中性pHでのL−ソルボソンからL−アスコルビン酸(以下、ビタミンCと称する)への変換およびアルカリ性pHでのL−ソルボソンから2−ケト−L−グロン酸(以下、2−KGAと称する)への変換の双方を引き起こす、アルデヒド脱水素酵素(以下、SNDH IIと称する)に関する。本発明は、また、その酵素の製造方法およびその酵素を用いるL−ソルボソンなどのアルドースからの直接的なビタミンCおよび/または2−KGAの製造方法に関する。
ビタミンCは、人間にとって、非常に重要で必須の栄養因子の一つである。ビタミンCを産生する代謝経路は、種々の生物で広く研究されている。しかしながら、L−ソルボソンのビタミンCへの直接変換に関する精製酵素についての報告はない。したがって、本発明の酵素は、ライヒシュタイン法(Helvetica Chimica Acta 17:311 (1934))等の現在の方法に代わる、新規なビタミンC製造方法に対して非常に有用である。
本発明は、以下の物理化学的性質:
a)分子量100,000±10,000Da(2個の相同のサブユニットからなる)または分子量150,000±15,000Da(3個の相同のサブユニットからなる)であって、各々のサブユニットは分子量55,000±2,000Daを有する;
b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性、
c)補助因子:ピロロキノリンキノン(PQQ)、
d)至適pH約6.5〜約8.0(L−ソルボソンからのビタミンCの製造に対して)または至適pH約9.0(L−ソルボソンからの2−ケト−L−グロン酸の製造に対して)、
e)阻害物質:Co2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、およびモノヨード酢酸、
を有する精製アルデヒド脱水素酵素を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、上記の物理化学的性質を有する分子量100,000±10,000Daのアルデヒド脱水素酵素に関する。
さらなる実施態様において、本発明は、上記の物理化学的性質を有する分子量150,000±15,000Daのアルデヒド脱水素酵素に関する。
本発明のSNDH II源は重要なことではない。そこで、本発明のSNDH IIは、例えば、グルコノバクター(Gluconobacter)または上記の性質を有する脱水素酵素を産生することができる他の生物から単離することにより製造することができ、あるいは遺伝子組換えでまたは化学合成により製造することができる。
本発明の他の目的は、好気性条件下、水性栄養培地中で、上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物を培養し、その微生物の細胞を破砕し、そしてその微生物の破砕された細胞の無細胞抽出物からアルデヒド脱水素酵素を単離精製することを含んでなる、上記のSNDH IIの製造方法を提供する。
本発明の一態様において、上記のSNDH IIの製造方法は、上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物を培養することにより行われ、ここで、反応をpH約5.5〜約9.0および温度約20〜約50℃、好ましくは温度約20〜約40℃、最も好ましくは温度約20〜約30℃で行う。このように製造されるSNDH IIは、ビタミンCおよび2−KGAの双方の製造に有用である。
本発明のさらなる目的は、電子受容体の存在下に、アルデヒドを、上記の性質を有する精製SNDH IIまたは上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなる、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法を提供する。
ここで使用されるアルドースは、L−ソルボソン、D−グルコソン、D−グルコース、およびD−キシロースを含むが、ただしそれらに限定されない。
好ましいラクトンはビタミンCであり、好ましいカルボン酸は2−KGAであり、そして好ましいアルドースはL−ソルボソンである。
一つの実施態様において、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法は、アルデヒドを、上記の性質を有する精製SNDH IIまたは上記のグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなり、ここでSNDH IIの分子量は100,000±10,000Daである。
一つの実施態様において、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法は、アルデヒドを、上記の性質を有する精製SNDH IIまたは上記のグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなり、ここでSNDH IIの分子量は150,000±15,000Daである。
一態様において、本発明は、アルデヒドを、上記の性質を有する精製SNDH IIまたは上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなる、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法であって、反応をpH約5.5〜約9.0および温度約20〜約50℃、好ましくは温度約20〜約40℃、最も好ましくは温度約20〜約30℃で行う方法に関する。ビタミンCを製造する場合には、反応は、好ましくはpH約6.5〜約8.0および温度約20〜約40℃で行われる。2−KGAを製造する場合には、反応は、好ましくはpH約9.0および温度約20〜約30℃で行われる。
本発明はまた、電子受容体の存在下に、アルデヒドを、精製アルデヒド脱水素酵素または上記のアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなる、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法における、上記の性質を有する精製アルデヒド脱水素酵素の使用を提供する。
以下に記載の実施例にしたがって調製されるSNDH IIの精製試料の物理化学的性質は、次のとおりである。
1)酵素活性
本発明のSNDH IIは、電子受容体の存在下に、L−ソルボソンのビタミンCおよび/または2−KGAへの酸化を、以下の反応式にしたがって触媒する:
L−ソルボソン+電子受容体 → ビタミンCおよび/または2−KGA+還元された電子受容体
この酵素は、電子受容体としての酸素とは作用しない。このことは、この酵素が、酸素を可能な電子受容体として用いたとき、L−ソルボソンのビタミンCおよび/または2−KGAへの変換を行わないことにより、確認された。さらに、溶存酸素プローブでの検出で、反応混合物中での酸素の消費は検出されなかった。その上、NADおよびNADPは適切な電子受容体ではない。しかしながら、他の従来の電子受容体は、本発明の酵素と一緒に用いることができる。好ましい電子受容体は、フェナジン メトサルファート(PMS)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)、フェリシアニド、およびチトクロームcである。少なくともいくらかのアルデヒド基質がその対応する酸に変換されるために存在すべき電子受容体の最小量はない。しかしながら、酸化することができる基質の量は、特定の電子受容体の量およびその電子受容特性に依存する。
酵素アッセイは以下のように行った:
a)L−ソルボソンからの各々の生成物、ビタミンCまたは2−KGAへの変換に対する酵素活性を決定するアッセイ
反応混合物は、最終容量が水100μlで、1.0mM PMS、25mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、1.0μM PQQ、1.0mM CaCl2、50mML−ソルボソンおよび酵素溶液からなり、この反応混合物はアッセイの直前に調製した。他に特記しない限り、反応は30℃で60分間行った。酵素活性の指標となるビタミンCの量は、高速液体クロマトグラフィーシステム(HPLC)により、264nmで測定したが、そのシステムは、UV検出器(東ソーUV8000;東ソー株式会社、東京都中央区京橋3−2−4、日本)、ジュアルポンプ(東ソーCCPE;東ソー株式会社)、積分器(島津C−R6A;島津製作所、京都市中京区西ノ京桑原町1、日本)およびカラム(YMC−PackポリアミンII;YMC社、3233 Burnt Mill Drive Wilimington, NC28403, USA)よりなる。酵素活性の他の指標である、製造された2−KGAの量は、上記のHPLCにより測定された。各々の製造に対する酵素活性の1単位は、反応混合物中に、ビタミンCおよび2−KGAをそれぞれ1mg製造する酵素の量として定義した。
b)SNDH IIの光度測定アッセイ
反応混合物は、最終容量が水100μlで、0.1mM DCIP、1.0mM PMS、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、1.0μM PQQ、2〜100mM 基質(L−ソルボソン、D−グルコソン、D−グルコース、など)および酵素溶液からなり、この反応混合物はアッセイの直前に調製した。反応は25℃でL−ソルボソンと共に開始し、酵素活性は、600nmでのDCIPの初期還元速度として測定した。酵素活性の1単位は、1分間あたり1μmolのDCIPの還元を触媒する酵素の量として定義した。DCIPの吸光係数はPH7.0で14.2mM-1であった。対照キュベットは、L−ソルボソンを除く全ての上記の成分を含んでいた。
タンパク質濃度は、タンパク質アッセイCBB溶液(半井テスク社、京都、日本)を用いて測定した。
2)基質特異性
酵素の基質特異性は、100mMリン酸カリウム(pH7.5)または100mMトリス−HCl(pH9.0)を緩衝液として用いた以外は、上記1b)に記載したのと同じ酵素アッセイ法を用いて測定した。pH7.5および9.0の双方において、D−グルコソン(2mM)、D−グルコース(100mM)、およびD−キシロース(100mM)に対するSNDH IIの相対活性は、L−ソルボソン(2mM)に対するそれより高かった。しかしながら、pH7.5および9.0の双方において、L−ソルボース(100mM)、D−ソルビトール(100mM)、およびL−グロノ−γ−ラクトン(100mM)に対する相対活性は、L−ソルボソンに対する活性の1%より低かった。これらの結果を表1Aに示す。
Figure 2006503551
b)表1Aで示された基質の酸化の推定生成物を、下記の表1Bに示す。
Figure 2006503551
3)至適pH
SNDH IIの反応速度と反応混合液のpH値との間の相関関係を、種々のpH値および100mM濃度の緩衝液を用いた以外は、上記1a)に記載したのと同じアッセイ方法により測定した。
この酵素は、ビタミンCの製造に対して、pH約6.5〜約8.0で比較的高い活性を示し、そして2−KGAの製造に対して、pH約9.0で、高い活性を示した。
4)温度の影響
酵素反応に対する温度の影響を、種々の温度を用いた以外は、上記1a)に記載したのと同じアッセイ方法により試験した。ビタミンCと2−KGAの双方の製造において、酵素反応は、少なくとも40℃まで安定に行われた。
5)金属イオンと阻害剤の影響
この酵素のL−ソルボソン脱水素酵素活性に対する金属イオンと阻害剤の影響は、上記1b)に記載したのと同じアッセイ方法を用いて活性を測定することにより調べた。各化合物の溶液を、基本となる反応混合物に撹拌して入れ、反応を酵素の添加により開始した。結果を表2に示す。
Figure 2006503551
各々の化合物は、EDTA、NaN3およびモノヨード酢酸の濃度が5.0mMであることを除いて、1.0mMの濃度で反応混合物に加えた。
表2に示されたように、Co2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、およびZn2+は酵素活性を阻害した。5.0mMモノヨード酢酸の添加は、酵素活性を強く阻害した。
6)分子量
酵素の分子量は、サイズ排除ゲルカラム(TSK−ゲルG3000 SWXL;東ソー株式会社、東京都港区赤坂1−7−7、日本)で測定した。酵素は、クロマトグラフィーで見かけの分子量が約100,000±10,000Daおよび約150,000±15,000に相当する2つのピークを示した。この酵素をCBBで染色した10%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析することにより、精製酵素が、各々分子量約55,000±2,000Daの2〜3個の均一なサブユニットからなることが示された。この酵素の二量体型および三量体型の双方が活性である。
7)補欠分子族
100mM NaH2PO4−HCl(pH約1.0)50μl中の精製SNDH II(0.1mg)を等容量のメタノールで添加し、よく混合した。試料を遠心分離して、析出物を除去した。得られた上清を、補欠分子族の分析に使用した。抽出物の吸収スペクトルは、PQQ(三菱ガス化学、日本)の標準試料とほとんど同一であった。その吸収ピークは、251および348nmに見出された。さらに、逆相カラム(YMC−Pack Pro C18 AS−312;YMC株式会社)を用いる313nmの波長でのHPLC分析により、メタノールでのSNDH II抽出物は、標準PQQのそれと同じ保持時間を示した。
精製酵素のヘムcの検出は、UV−VIS記録分光光度計(島津 UV−2200;島津製作所)によって得られた、酸化・還元差スペクトルにより試みられた。酵素を50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に50μg/mlの濃度で懸濁し、そして亜ジチオン酸塩で還元した形態の酵素および過硫酸アンモニウムで酸化した形態の酵素を調製して、差スペクトルを測定した。しかしながら、得られたスペクトルは、450と650nmの間の波長で、明白なピークを示さなかった。
これらの結果は、この酵素はPQQを有するが、ヘムcを補欠分子族として有しないことを強く示唆する。
8)基質濃度の影響
1mM〜8mMまでの種々の濃度のL−ソルボソンでの酸化反応の速度を測定して、L−ソルボソンのKm値を決定した。ミカエリス定数は、DCIPを反応の電子受容体として用いた場合の反応速度に基づくラインウィーバー・バーク(Lineweaver-Burk)プロットから、pH7.5および9.0で、それぞれ14.7mMおよび20.0mMであると計算された。
9)精製方法
酵素の精製は、公知の精製法の任意の組み合わせ、例えば、イオン交換カラムクロマトグラフィー、疎水性カラムクロマトグラフィー、塩析および透析により行う。
本発明により提供される酵素は、適切な微生物を水性栄養培地中、好気性条件下で培養し、その微生物の細胞を破砕し、そしてその微生物の破砕された細胞の無細胞抽出物から脱水素酵素を単離精製することにより調製することができる。
本発明の方法に用いられる微生物は、上記の脱水素酵素を産生することのできるグルコノバクター(Gluconobacter)属に属する微生物である。
好ましい株はグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)である。本発明において用いられる最も好ましい株は、グルコノバクター オキシダンス DSM 4025であり、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen in Gottingen(ドイツ国)に、ブダペスト条約の規定に基づいて、DSM No.4025で1987年3月17日に寄託された。寄託者はThe Oriental Scientific Instruments Import and Export Corporation for Institute of Microbiology, Academia Sinica, 52 San-Li-He Rd., Beijing, Peoples Republic of Chinaであった。事実上の寄託者は該機関であり、その完全なアドレスは、The Institute of Microbiology, Academy of Sciences of China, Haidian, Zhongguancun, Beijing 100080, People's Republic of Chinaである。
また、この株の継代培養物もまた、産業技術総合研究所(AIST)にブダペスト条約の規定に基づいて、受託番号グルコノバクター オキシダンス DSM No. 4025(FERM BP−3812)で1992年3月30日に寄託された。寄託者は、日本ロシュ株式会社(東京都港区芝2丁目6−1、日本)であった。この継代培養物もまた本発明に最も好ましく用いられる。
そこで、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No. 4025株(FERM BP−3812)の同定性質をもつグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、その継代培養株または変異株に由来する、上記のアルデヒド脱水素酵素を提供することは、本発明の目的である。
G. oxydans DSM 4025(FERM BP−3812)またはグルコノバクター(Gluconobacter)属に属し、G. oxydans DSM 4025(FERM BP−3812)の同定性質をもつ微生物の変異株は、例えば、紫外線もしくはX線照射、またはナイトロジェン・マスタードもしくはN−メチル−n′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン等の化学的突然変異原で細胞を処理することにより得られる。
全てのタイプの微生物、例えば、静止細胞、アセトン処理細胞、凍結乾燥細胞、固定化細胞などが、基質に直接作用するために用いられる。微生物のインキュベーション法に関連する方法としてそれ自体公知のすべての手段が、エアレーションの使用を通して採用され、そして、攪拌式液中発酵槽が特に好ましい。反応を行うための好ましい細胞濃度範囲は、1mlあたりの湿潤細胞重量で、約0.01g〜0.7g、好ましくは1mlあたりの湿潤細胞重量で、0.03g〜0.5gである。
微生物「グルコノバクター オキシダンス」はまた、原核生物命名の国際コードにより定義される、同じ物理化学的性質を有するそのような種の異名物またはバソニムを包含する。
G. oxydans DSM No. 4025(FERM BP−3812)の性質は、以下のとおりである:
a)ソルボースから2−KGAを産生、
b)エタノールは酢酸に酸化される、
c)D−グルコースはD−グルコン酸と2−ケト−D−グルコン酸に酸化される、
d)ポリアルコールのケトン体生成能、
e)pH4および5のマンニトール培養液(24時間培養)中で外皮および環生長、およびpH4.5のグルコース培養液中で外皮生長、
f)グリセリンは実質的にはジヒドロキシアセトンに酸化されない、
g)ソルビトールおよびグルカル酸から2−ケト−D−グルカル酸を産生、ただし、グルコース、フルクトース、グルコン酸、マンニトールまたは2−ケト−D−グルコン酸からは非産生、
h)多形、外見上、鞭毛なし、
i)褐色色素がフルクトースから産生される、
j)バチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)またはその細胞抽出物の存在下に共培養すると、良好に生長、
k)ストレプトマイシン感受性。
この微生物は、適切な栄養を補充した水性培地中、好気性条件下で培養しうる。培養は、約pH4.0〜約9.0、好ましくは約6.0〜約8.0で行いうる。培養期間は、用いられるpH、温度および栄養培地に応じて変化し、好ましくは約1〜5日である。培養を行うのに好ましい温度範囲は、約13℃〜約36℃、より好ましくは18℃〜33℃である。約50℃までの温度が、同様に、その微生物の培養に好適でありうる。
培養培地は、同化できる炭素源、例えば、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリスリトール、リビトール、キシリトール、アラビトール、イノシトール、ズルシトール、D−リボース、D−フルクトース、D−グルコースおよびスクロース、好ましくはD−ソルビトール、D−マンニトールおよびグリセリン;および有機物質のような消化できる窒素源、例えば、ペプトン、酵母エキス、パン酵母、尿素、アミノ酸、コーンスティープリカーのような栄養物を含有することが、通常必要とされる。種々の無機物、例えば、硝酸塩およびアンモニウム塩もまた窒素源として用いることができる。さらに、培養培地は、通常、無機塩、例えば、硫酸マグネシウム、リン酸カリウムおよび炭酸カルシウムを含有する。
培養後の微生物からのSNDH IIの単離および精製の実施態様を、以下に簡単に記載する。
(1)細胞を液体培養液から遠心分離または濾過により採取する。
(2)採取した細胞を水、生理食塩水または適切なpHの緩衝溶液で洗浄する。
(3)洗浄した細胞を緩衝溶液に懸濁し、ホモジナイザー、ソニケーター、またはフレンチプレスにより、あるいはリゾチームなどでの処理により破砕して、破砕した細胞の溶液を得る。
(4)破砕細胞の無細胞抽出物から、好ましくは微生物の可溶性画分から、SNDH IIを単離して精製する。
無細胞抽出物は、遠心分離を含むがそれに限定されない任意の従来法により、破砕細胞から得ることができる。
本発明により提供されるSNDH IIは、L−ソルボソンからのビタミンCおよび/または2−KGAの製造のための触媒として有用である。反応は、ビタミンCおよび2−KGAの製造に対して約5.5〜約9.0のpHで、電子受容体(例えば、DCIP、PMSなど)の存在下、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などのような溶媒中で行うことができる。ビタミンCの製造に対しては、pHが約6.5〜約8.0そして温度が約20〜約40℃に設定される場合、通常、最良の結果が達成される。2−KGAの製造に対しては、pHが約9.0そして温度が約20〜約30℃に設定される場合、通常、最良の結果が達成される。
反応混合物中のL−ソルボソンの濃度は、他の反応条件に応じて変化しうるが、一般に、約0.5〜約50g/l、最も好ましくは約1〜約30g/lである。
この反応で、SNDH IIはまた、適切な担体に、固定状態で用いることもできる。当該分野で一般に公知の酵素を固定する任意の手段のいずれを用いてよい。例えば、酵素を、1以上の官能基を有する樹脂の膜、または粒状物などに直接結合させるか、または1以上の官能基を有する架橋性化合物、例えばグルタルアルデヒドを介して樹脂に結合させてもよい。
上記に加えて、培養細胞はまた、それらの対応するアルドースからのカルボン酸および/またはそのラクトンの製造、特に、L−ソルボソンからの2−KGAおよび/またはビタミンCの製造に有用である。それらの対応するアルドースからの他のカルボン酸および/またはそのラクトンの製造は、上記のL−ソルボソンの2−KGAおよび/またはビタミンCへの変換と、基質濃度を含めて、同じ条件下に行われる。
以下の実施例は本発明をさらに例示する。
実施例1
SNDH IIの調製
すべての操作は8℃で行い、他に明記しない限り、緩衝液は0.05Mリン酸カリウム(pH7.0)であった。
(1)グルコノバクター オキシダンス DSM No. 4025(FERM BP−3812)の培養
グルコノバクター オキシダンス DSM No. 4025(FERM BP−3812)を、5.0%D−マンニトール、0.25%MgSO・7HO、1.75%コーンスティープリカー、5.0%パン酵母、0.5%尿素、0.5%CaCOおよび2.0%寒天を含有する寒天プレート上で27℃、4日間成育させた。一白金耳の細胞を、2%L−ソルボース、0.2%酵母エキス、0.05%グリセリン、0.25%MgSO・7HO、1.75%コーンスティープリカー、0.5%尿素および1.5%CaCOを含有する、500mlの三角フラスコ中の50mlの種母培養培地に接種し、30℃で180rpmで1日、回転振盪器で培養した。このようにして調製した種母培養物を2Lの培地に接種するために用いたが、この培地は3Lのジャーファーメンター中で、8.0%L−ソルボース、0.05%グリセリン、0.25%MgSO・7HO、3.0%コーンスティープリカー、0.4%酵母エキスおよび0.15%消泡剤を含んでいた。発酵パラメーターは、撹拌速度800rpmおよび30℃の温度で通気量0.5vvm(空気の容量/培地の容量/分)であった。pHは、発酵の間、水酸化ナトリウムで7.0に維持した。3セットのファーメンターを用いることにより、培養48時間後、グルコノバクター オキシダンス DSM No. 4025 株(FERM BP−3812)の細胞を含む培養液6Lを、連続遠心分離により採取した。細胞を含むペレットを回収し、適当量の食塩水に懸濁した。懸濁液を2,500rpm(1,000×g)で遠心分離した後、わずかに赤味がかった細胞を含む上清を回収して、培地の成分であったコーンスティープリカーおよび酵母エキス由来の不溶物質を除去した。次いで、上清を8,000rpm(10,000×g)で遠心分離して細胞ペレットを得た。その結果、湿潤重量38.4gのグルコノバクター オキシダンスDSM No. 4025(FERM BP−3812)の細胞を6Lの培養液から得た。
(2)細胞質ゾル画分の調製
細胞ペーストの一部(19.2g)を100mlの緩衝液で懸濁し、フレンチ加圧細胞プレスを通した。損傷していない菌体を除去するために遠心分離した後、上清を無細胞抽出物とし、この無細胞抽出物を100,000×gで60分間遠心分離した。得られた上清(112ml)をグルコノバクター オキシダンス DSM No. 4025(FERM BP−3812)の可溶性画分とした。この画分を緩衝液に対して透析した後、L−ソルボソンからのビタミンC製造に対する比活性が0.172単位/mgタンパク質である透析画分112mlを次の精製工程に用いた。
(3)ジエチルアミノエチル(DEAE)−セルロースカラムクロマトグラフィー
透析物(112ml)を、緩衝液で平衡化したDEAE−セルロースのカラム(WhatmanDE-52,3×50cm;Whatman BioSystems Ltd., Springfield MIII, James Whatman Way, Maidstone, Kent, U.K.)にのせ、緩衝液で洗浄して副次的なタンパク質を溶出させた。次いで、緩衝液中0.28〜0.58MのNaClによる直線勾配溶出を行った。主たる酵素活性は、0.36MのNaClで溶出した。活性画分(97.5ml)を集めた。
(4)DEAE−セファロースカラムクロマトグラフィー
前の工程からの透析活性画分の一部(97ml)を、緩衝液で平衡化したDEAE−セファロースCL−6Bのカラム(Pharmacia、3.0×25cm)にのせた。0.3MのNaClを含む緩衝液でカラムを洗浄した後、0.3〜0.45MのNaClの直線勾配を緩衝液に加えた。活性画分は、0.44〜0.47Mの範囲のNaCl濃度で溶出した。活性画分(40ml)を集め、緩衝液に対して透析した。
(5)Q−セファロースカラムクロマトグラフィー(第一段階)
透析した活性画分(40ml)を、緩衝液で平衡化したQ−セファロース(Pharmacia,1.5×25cm)のカラムにのせた。0.3MのNaClを含む緩衝液でカラムを洗浄した後、0.3〜0.5MのNaClの直線勾配を緩衝液に加えた。活性画分は、0.44〜0.46Mの範囲のNaCl濃度で溶出した。
(6)Q−セファロースカラムクロマトグラフィー(第二段階)
前工程からのプールした活性画分(17ml)を緩衝液に対して透析した。透析試料(17ml)を、緩衝液で平衡化したQ−セファロースのカラム(Pharmacia、1.5×25cm)にのせた。このカラムを0.33MのNaClを含む緩衝液で洗浄した後、0.33〜0.48MのNaClの直線勾配を緩衝液に加えた。活性画分は、0.45〜0.48Mの範囲のNaCl濃度で溶出した。
(7)疎水性カラムクロマトグラフィー
前工程からの活性画分を、限外濾過装置(Centriprep-10)で濾過して、脱塩および濃縮した。脱塩および濃縮試料(780μl)の一部(750μl)を、3M硫酸アンモニウム(最終濃度:1.5M)を含む等量(750μl)の緩衝液に加えた。試料を遠心分離(15,000×g)した後、上清を、1.5M硫酸アンモニウムを含む緩衝液で平衡化した疎水性カラムRESOURCE ISO(Pharmacia、ベッド容量:1.0ml)にのせた。カラムを、1.5M硫酸アンモニウムを含む緩衝液で洗浄した後、タンパク質を、1.5〜0.75Mの硫酸アンモニウムの直線勾配を含む緩衝液で溶出した。SNDH IIに相当する活性は、1.04〜1.00Mの範囲の硫酸アンモニウム濃度で溶出した。活性画分を、透析カップ(透析カップMWCO 8000、第一純薬、東京都中央区日本橋3−13−5、日本)を用いて、緩衝液に対して透析した。その後、画分を集め、−20℃で保存した。
酵素の精製工程の要約を表3に示す。
Figure 2006503551
酵素の1単位は、1a)に記載された反応混合物中に1時間あたりビタミンC1mgを産生する酵素の量として定義した。
(8)単離した酵素の純度
ビタミンCに対する比活性48.9単位/mgタンパク質および2−KGAに対する比活性12.3単位/mgタンパク質の精製酵素(0.039mg/ml)を以下の分析に用いた:
未変性酵素の分子量を、0.3MのNaClを含む0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したサイズ排除ゲルカラム(TSKゲルG3000 SWXLカラム、7.8×300mm)を用いる高速液体クロマトグラフィーにより、280nmで流速1.5ml/分で測定した。シアノコバラミン(1.35kDa)、ミオグロビン(17kDa)、オボアルブミン(44kDa)、γ−グロブリン(158kDa)およびチログロブリン(670kDa)を分子量標準として用いた。精製酵素は、それぞれ分子量100,000±10,000Daと150,000±15,000Daを有する2つのピークを示した。
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)より、この酵素は分子量55,000±2,000Daのサブユニットを示した。したがって、精製酵素は2または3個の相同のサブユニットからなると推定された。
(9)反応生成物の同定
精製酵素(0.39μg)、L−ソルボソン(50mM)、PMS(1mM)、CaCl(1mM)およびPQQ(1μM)を含む反応混合液を緩衝液100μl中で、1時間、30℃でインキュベーションした。反応生成物を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60F254,MERCK,64271 Darmstadt,ドイツ)およびHPLCで分析した。2種類の生成物、ビタミンCと2−KGAが酵素反応から得られた。ビタミンCについては、試料を、HPLCシステムで、アミノ−カラム(YMCパック ポリアミン−II、YMC社)によりアッセイした。2−KGAについては、試料を、HPLCシステムで、C−18カラム(YMCパック Pro C18、YMC社)によりアッセイした。
実施例2
SNDH IIによるL−ソルボソンからのビタミンCまたは2−KGAの製造に対するpHの影響
酵素反応に対するpHの影響を試験した。緩衝液(100mM)100μl中の精製酵素(273ng)、L−ソルボソン(50mM)、PMS(1mM)、CaCl2(1mM)およびPQQ(1μM)を含む反応混合液を、1時間、30℃でインキュベーションした。反応生成物をHPLCで分析した。結果を表4に示す。
Figure 2006503551
実施例3
SNDH IIによるL−ソルボソンからのビタミンCまたは2−KGAの製造に対する温度の影響
酵素活性に対する温度の影響を試験した。25mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)100μl中の精製酵素(390ng)、L−ソルボソン(50mM)、PMS(1mM)、CaCl2(1mM)およびPQQ(1μM)を含む反応混合液を、1時間、種々の温度(20〜60℃)でインキュベーションした。反応生成物をHPLCで分析した。結果を表5に示す。
Figure 2006503551

Claims (13)

  1. 以下の物理化学的性質:
    a)分子量100,000±10,000Da(2個の相同のサブユニットからなる)または分子量150,000±15,000Da(3個の相同のサブユニットからなる)であって、各々のサブユニットは分子量55,000±2,000Daを有する;
    b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性、
    c)補助因子:ピロロキノリンキノン(PQQ)、
    d)至適pH約6.5〜約8.0(L−ソルボソンからのビタミンCの製造に対して)または至適pH約9.0(L−ソルボソンからの2−ケト−L−グロン酸の製造に対して)、
    e)阻害物質:Co2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、およびモノヨード酢酸、
    を有する精製アルデヒド脱水素酵素。
  2. アルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター(Gluconobacter)属に属する微生物に由来する、請求項1記載のアルデヒド脱水素酵素。
  3. 微生物がグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No.4025株(FERM BP−3812)の同定特性をもつグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、その継代培養株または変異株である、請求項2記載のアルデヒド脱水素酵素。
  4. 微生物がグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No. 4025(FERM BP−3812)、その継代培養株または変異株である、請求項3記載のアルデヒド脱水素酵素。
  5. 以下の物理化学的性質:
    a)分子量100,000±10,000Da(2個の相同のサブユニットからなる)または分子量150,000±15,000Da(3個の相同のサブユニットからなる)であって、各々のサブユニットは分子量55,000±2,000Daを有する;
    b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性、
    c)補助因子:ピロロキノリンキノン(PQQ)、
    d)至適pH約6.5〜約8.0(L−ソルボソンからのビタミンCの製造に対して)または至適pH約9.0(L−ソルボソンからの2−ケト−L−グロン酸の製造に対して)、
    e)阻害物質:Co2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、およびモノヨード酢酸、
    を有するアルデヒド脱水素酵素の製造方法であって、好気性条件下、水性栄養培地中で、上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物を培養し、その微生物の細胞を破砕し、そしてその微生物の破砕された細胞の無細胞抽出物からアルデヒド脱水素酵素を単離精製することを含んでなる方法。
  6. 反応が、pH約5.5〜9.0および温度約20〜約50℃で行われる、請求項5記載の方法。
  7. 電子受容体の存在下に、アルデヒドを、以下の物理化学的性質:
    a)分子量100,000±10,000Da(2個の相同のサブユニットからなる)または分子量150,000±15,000Da(3個の相同のサブユニットからなる)であって、各々のサブユニットは分子量55,000±2,000Daを有する;
    b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性、
    c)補助因子:ピロロキノリンキノン(PQQ)、
    d)至適pH約6.5〜約8.0(L−ソルボソンからのビタミンCの製造に対して)または至適pH約9.0(L−ソルボソンからの2−ケト−L−グロン酸の製造に対して)、
    e)阻害物質:Co2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、およびモノヨード酢酸、
    を有する精製アルデヒド脱水素酵素または上記の性質を有するアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなる、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法。
  8. 微生物がグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No. 4025株(FERM BP−3812)の同定特性をもつグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、その継代培養株または変異株である、請求項5〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 微生物がグルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No.4025(FERM BP−3812)、その継代培養株または変異株である、請求項8記載の方法。
  10. ラクトンがビタミンCであり、カルボン酸が2−ケト−L−グロン酸であり、そしてアルドースがL−ソルボソンである、請求項7記載の方法。
  11. 反応が、ビタミンCおよび2−ケト−L−グロン酸の製造に対して、それぞれpH約5.5〜約9.0および温度約20〜約50℃で行われる、請求項7〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 反応が、ビタミンCの製造に対して、pH約6.5〜約8.0および温度約20〜約40℃で、そして、2−ケト−L−グロン酸の製造に対して、pH約9.0および温度約20〜約30℃で行われる、請求項7〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 電子受容体の存在下に、アルデヒドを、精製アルデヒド脱水素酵素またはアルデヒド脱水素酵素を産生することができるグルコノバクター属に属する微生物から調製された無細胞抽出物と接触させることを含んでなる、カルボン酸および/またはそのラクトンをその対応するアルドースから製造する方法における、請求項1の精製アルデヒド脱水素酵素の使用。
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