JP2006503140A - 疎水性ポリマーを永久変性するためのポリマーの誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の疎水性ポリマー及び少なくとも1種の変性ポリイソブテンを含むポリマー組成物;このポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体、及び他の加工生成物(製品)、本発明に従うポリマー組成物の製造方法、本発明のポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体を製造する方法、少なくとも1種の疎水性ポリマー、少なくとも1種の変性ポリイソブテン及び少なくとも1種の染料を含む染色ポリマー組成物;及び本発明の染色ポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体、そして疎水性ポリマーを処理するために変性ポリイソブテンを使用する方法に関する。

Description

本発明は、少なくとも1種の疎水性ポリマー及び少なくとも1種の変性ポリイソブテンを含むポリマー組成物;このポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体、及び他の加工生成物(製品)、本発明に従うポリマー組成物の製造方法、本発明のポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体を製造する方法、少なくとも1種の疎水性ポリマー、少なくとも1種の変性ポリイソブテン及び少なくとも1種の染料を含む染色ポリマー組成物;及び本発明の染色ポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体、そして疎水性ポリマーを処理するために変性ポリイソブテンを使用する方法に関する。
疎水性ポリマー、特にポリオレフィンは、低い比重(specific density)、高い破壊強度、良好な耐薬品性、極性媒体(例、水及びアルコール)の湿潤性の低いこと、低い水膨潤性及び付随する速乾性、及び低腐敗性、並びに低コストなどの数多くの優れた性質を有する。これらのポリマーは、容易に繊維、フィルム及び成形体等の種々の形態に加工することができる。しかしながら、極性物質の湿潤性が低いこと、及びこれらの物質による吸収性の低いことが、不利な場合がある。即ち、疎水性ポリマー、特にポリオレフィン、及びこれらのポリマーから形成された繊維、フィルム及び成形体は、水浴で染色することが極めて困難、或いは不可能であり、塗布(被覆)又は印刷することが極めて困難、或いは不可能であり、そして他の材料に接着することが困難である。極性材料(例えばポリマー又は金属)による塗布(被覆)しても、疎水性ポリマー表面への接着性は不十分なものである。
これらの欠点は、疎水性ポリマー、特にポリオレフィンのより一層広範な用途への障害となっている。例えば、これらの好ましい性質にも拘わらず、ポリプロピレン繊維は、衣服用繊維、特にスポーツ又は戸外衣服分野に使用されるのはまれである。疎水性ポリマー、特にポリオレフィンのこれらの不利を改善するために、染色性、印刷性、被覆性又は接着性の向上のための前処理として親水化する数多くの方法が提案されている。
疎水性ポリマー繊維を、溶解染色して深いシェード(色相)を得ることは慣用的なことである。即ち、有色顔料が、ヤーンの製造工程中に、押出機に加えられる。実際、これにより、濃く、堅牢な着色が得られるが、大きい溶解染色バッチでの製造のみが商業的には実際的であり、このためファッション性のあるカラーの要求に応えることはできない。また、華麗な色調を得ることも不可能である。最後に、溶解染色は、色の変更に伴って大量の廃棄物が発生する。
親水化のため、水性染色浴での疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の染色性を特に改善するための方法として、基本が異なるいくつかの方法が存在する。
特許文献1(WO93/06177)は、限られた数の染色点(site)を有する疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)を分散染料で染色するために湿潤剤を使用する方法に関するものである。しかしながら、このアプローチは、ポリエステルの場合に染色キャリヤーとして知られているもので、織物(textile)に残る残さが人体に有毒であり、また環境問題も伴う。
非特許文献1及び2(Melliand Textilberichte 77(1996)588−592及び78(1997)604−605)は、ポリプロピレン繊維を特定の超疎水性分散色素で、高温の条件で、好ましくは染色液中における選択された界面活性剤の追加存在下に染色し、固定収率が増加した、高い水準の染色を得ることができる方法に関するものである。ここでの問題は、染色業者と仕上げ業者が、ポリオレフィン専用の染色用染料を追加的に保管しなければならず、これは極めてコスト負担が大きい。
特許文献2(DE−A2210878)は、未処理のポリオレフィン繊維を金属錯体色素で染色する方法に関するものである。使用される金属は、クロム、銅、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛又はアルミニウムである。この方法の不利は、染色された衣服を着たときに、使用された少量の重金属が最後に皮膚に到達し、有害な影響をもたらすであろうことである。
特にポリオレフィン繊維の染色性を解消するために、疎水性ポリマーの変性に関する数多くの公報も存在している。
特許文献3(JP−A7032394)、特許文献4(JP−A6902090)、特許文献5(JP−A6921196)及び特許文献6(JP−A6931810)はそれぞれ、繊維製造中に、金属錯体をポリマーマトリックス中に導入する方法に関するものである。これらの金属錯体は、その後色素を繊維内部に閉じこめることができる。この方法の1つの不利も、染色された衣服を着たときに、使用された少量の重金属(上述した中でニッケル、亜鉛、クロム、銅、コバルト又はアルミニウムである)が最後に皮膚に到達し、有害な影響をもたらすであろうことである。
特許文献7(EP−A0039207)は、窒素含有基本共重合体を、ポリオレフィン材料の紡糸溶融物に導入することによりポリオレフィン繊維を変性する方法に関するものです。これにより、これらの基本共重合体が巨大分子内に閉じこめられる。この変性ポリオレフィンはアニオン性色素に親和性がある。
非特許文献3(V.Flaris,Annual Techn.Conf.Soc.Plastic Engineers 2000,2826−2830)は、マレイン化(maleate)ポリプロピレンとポリエーテルアミンとの反応生成物と混合することにより変性された染色可能なポリプロピレン繊維に関するものである。しかしながら、変性ポリマーは黄色がかった色に変色されており、また変性反応生成物はポリプロピレンの繊維特性、例えば破壊強度を損なうほど大量に使用しなければならない。
特許文献8(DE−A2240534)は、窒素原子に結合した少なくとも25個の炭素原子を有する少なくとも1種のヒドロカルビル鎖を有するポリアミン付加体を含む、染色可能なポリオレフィンを基礎とする組成物に関するものである。その添加は、ポリオレフィンと混合することにより組成物内に取り込まれる。この方法の不利は、染色性を獲得するのに必要な添加剤の量が大量であり(組成物に対して少なくとも3質量%、好ましくは5−15質量%)であること、及びこれらの添加剤は塩素化ポリイソブテンから得られることである。
ポリオレフィンはさらにグラフトにより変性することができる。
特許文献9(WO96/26308)は、ポリオレフィンを、染料を結合に入れることができる極性モノマー(例、ジアルキルアミノメタクリレート)でグラフトする方法に関するものである。その基材を、極性モノマー及び開始剤に浸漬し、これらと加熱により反応させる。従って、この方法は、極めてコストがかかり、不便であり、有害の可能性のあるモノマーを取り扱う必要がある。
特許文献10(US3807951)は、窒素含有モノマー(例、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン又はジアルキルアミノメタクリレート)でグラフトされたグラフト化ポリオレフィンに関するものである。次いで、グラフトポリマーは、4級化され、アニオン性染料で染色可能にする。この方法の不利の1つは、方法の実施が極めて複雑であり、極めてコストがかかることである。さらに、グラフト化で使用されるフリーラジカル開始剤は、ポリオレフィンのポリマー鎖を実質的に短縮するので、その特性は損なわれる。
特許文献11(WO94/09067)は、官能化ポリオレフィンと非官能化ポリオレフィンの混合物に関するものである。ポリオレフィンの官能化は、酸無水物、好ましくは無水マレイン酸との反応により達成される。これにより、極性材料に対する親和性の改良、ポリオレフィンの染色性及び印刷性の改良が付与される。この不利は、グラフト化に加えて、混合操作を行わなければならない点である。
WO93/06177 DE−A2210878 JP−A7032394 JP−A6902090 JP−A6921196 JP−A6931810 EP−A0039207 DE−A2240534 WO96/26308 US3807951 WO94/09067 Melliand Textilberichte 77(1996)588−592 Melliand Textilberichte 78(1997)604−605 V.Flaris,Annual Techn.Conf.Soc.Plastic Engineers 2000,2826−2830
本発明の目的は、親水性材料、特に染色可能、印刷可能、被覆可能及び接着可能な親水性材料で変性することができる疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを提供することにある。疎水性ポリマー、特にポリオレフィンの変性は、環境に優しく、廉価な材料を用いる簡便な方法で成し遂げられている。
本発明等は、上記目的が、
a)少なくとも1種の疎水性ポリマー、及び
b)数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる、末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテン
を含むポリマー組成物により達成されることを見いだした。
本発明に従うポリマー組成物は、製造が簡単であり、またその疎水性ポリマーを親水性化するのに有効であり、このためポリマー組成物及びさらにポリマー組成物の加工生成物は、染色可能、印刷可能、被覆可能及び接着可能であり、この場合、特定の染料、コーティング材或いは接着剤を必要としない。
成分A(疎水性ポリマー)
基本的には、どのような疎水性ポリマーでも使用することができる。一般的には、公知のポリオレフィンであればどのようなものでも好適である。C2〜C4の基本構造の繰り返し単位から構成されるポリオレフィンが好ましい。これらは単独重合体でも共重合体でも良く、共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でも良い。エチレンと他のα−オレフィン、ジエン又はポリエンが好適なコモノマーであり、ポリオレフィンの基本構造の繰り返し単位に依存して変わる。コモノマーに該当する共重合体の画分は、一般に40質量%以下、例えば、用途により、20〜30質量%、2〜10質量%である。
本発明のポリマー組成物は、プロピレンの単独又は共重合体、或いはエチレンの単独又は共重合体がさらに好ましい。
好ましい態様では、用いられるポリオレフィンは、ポリエチレン、そしてさらに好ましくは線状のポリエチレン(HDPE、LLDPE)である。これは、その単独重合体の形態で、或いはランダム共重合体又はブロック共重合体として使用することができ、共重合体では全ての慣用のコモノマーを使用することができる。
さらに特に好ましい態様において、使用されるポリオレフィンはポリプロピレンである。このポリプロピレンは、一般にプロピレン単独重合体、或いはプロピレンのランダム共重合体又はブロック共重合体である。
ランダムポリプロピレン又はブロックポリプロピレンは、40質量%までのコモノマーを含むことができる。好適なモノマーとしては、例えばエチレン、α−オレフィン、ジエン(例、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン)、又はポリエン(例、オクタトリエン又はジシクロペンタジエン)を挙げることができる。
ポリマーは、一般にアタクチック、アイソタクチック又はシンジオタクッチックであり、アイソタクチックポリマーが好ましい。ポリマーは従来の方法、例えばチグラー−ナッタ又はメタロセン触媒を用いることにより製造される。
さらなる詳細は、当該技術者に公知であり、例えば、”Ullmanns Encyclopedia (of Technical Chemistry),6th Edition,2000 electronic Release”及びその中の引用文献に記載されている。
成分B(変性ポリイソブテン)
成分Bとして使用される変性ポリイソブテンは、数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られ、末端二重結合(α−及び/又はβ−オレフィン)を60モル%以上含む、末端極性基で変性された少なくとも1種のポリイソブテン、又はその前駆体である。
変性されたポリイソブテンは、極性基を1個の鎖末端に有する鎖状又は実質的に鎖状のポリイソブテン誘導体であり得る。この種の構造は、頭−尾構造として知られている。これらはさらに、両方の鎖末端に極性基を有する鎖状又は実質的に鎖状のポリイソブテン誘導体でもあり得る。さらにまた、極性基を有する鎖末端を3個以上含む分岐ポリイソブテン誘導体を使用することも可能である。本発明は、特定の分岐パターンに限定されるものではない。当然、種々のポリイソブテン誘導体の混合物を、本発明のポリマー組成物に使用することもできる。
変性ポリイソブテン誘導体は、反応性ポリイソブテン出発材料の官能化により得ることができる。本発明の目的に適った反応性ポリイソブテンは、1個又は2個の鎖末端、或いは分岐の反応性ポリイソブテンを用いた場合は3個以上の鎖末端に、反応性基を有するポリイソブテンである。
鎖末端の反応性基は、原則として、適宜反応して末端極性基を形成することができれば、所望するどのような基であっても良い。反応性基は、α−又はβ−オレフィン基、そしてまた−C(CH32−Z−が好ましく、これらの基は直接反応させるか、又はオレフィン段階で脱離により反応させることができる。冒頭で定義された官能化の程度を達成するためには、各場合、未変性のポリイソブテンにおいて少なくとも対応する量の反応性の鎖末端があることが必要である。−C(CH3)=C(CH3)−CH(CH32等の非反応性の鎖末端を有するポリイソブテン鎖は、極性変性を受けず、有効ではないか、及び/又は効果を損なうものである。このため、比較的大量の反応性鎖末端が存在することが好ましい。鎖末端が別の反応工程で反応性基を備えていることは、好ましくはないが、可能であるけれども、反応性の鎖末端は、重合の終点で基本的に公知の方法で形成されることが好ましい。反応性ポリイソブテンは、50モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上の末端2重結合を含んでいる。ポリイソブテンの末端2重結合は、ポリイソブテンのα−又はβ−位置における2重結合である。
本発明の反応ポリイソブテンは、ビニル異性体(β−オレフィン、RCH=C(CH32)及び/又はビニリデン異性体(α−オレフィン、R−C(CH3)=CH2)又は適当な前駆体(例、R−C(CH32Cl)の単位を合計で60%以上含んでいるポリイソブテンである。
本発明のポリイソブテンは、150〜50000、好ましくは200〜35000、さらに好ましくは300〜6000(例、約550,約1000又は約2300)の数平均分子量Mnを有している。本発明で使用されるポリイソブテンの分子量分布は一般に狭い。本発明のポリイソブテンの分子量分布(Mw/Mn)は、1.05〜4の範囲、特に2〜3の範囲が好ましい。しかしながら、所望により、例えば、>5又は>12の広い分子量分布を有するポリイソブテンを使用することさえ可能である。
好適な反応性ポリイソブテンは、例えば、イソブテンのカチオン重合により得ることができる。
好適な出発材料は、イソブテンのみ使用して合成することが好ましい。しかしながら、カチオン重合性コモノマーを同様に使用することもできる。しかしながら、コモノマーの量は、20質量%未満、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%未満であることが一般的である。
好適なコモノマーとしては、スチレン性コモノマー、例えば、スチレン及びα−メチルスチレン、C1〜C4−アルキルスチレン(例、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン及び4−メチルスチレン、さらに4−tert−ブチルスチレン)、C3〜C6−アルケン(例、n−ブテン)、炭素原子数5〜10個のイソオレフィン(例、2−メチルブテン−1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1、2−エチルヘキセン−1及び2−プロピルヘプテン−1)を特に挙げることができる。
出発材料を合成するために好適なイソブテン供給原料としては、イソブテン自体のみならず、イソブテン含有C4炭化水素流(例えば、C4ラフィネート)、イソブテン脱水素で得られるC4カット、蒸気クラッカーで得られるC4カット、又は流体触媒クラッキング(FCC)クラッカーを挙げることができる。但し、これらは、これらの中に1,3−ブタジエンが実質的に存在しないとの条件下で挙げられている。本発明に好適なC4炭化水素流は、一般に500ppm未満、好ましくは200ppm未満のブタジエンしか含んでいない。ブテン−1、シス−ブテン−2及びトランス−ブテン−2の存在の、本発明の方法における実質的な臨界点はなく、その存在が選択性の喪失をもたらすことはない。C4炭化水素流の濃度は、40〜60質量%の範囲が一般的である。C4カットを供給原料として使用する場合、イソブテン以外の炭化水素は不活性溶剤の機能を果たす。
反応は、BF3のみ、電子供与体とのBF3錯体又はこれらの混合物によって触媒作用を受けることができる。電子供与体(ルイス塩基)は、例えば、酸素、窒素、リン又はイオウ原子上に孤立電子対(free electron pairs)を有し、ルイス酸と錯体を形成することができる化合物である。この錯体化は、多くの場合望ましい。なぜなら、錯体化はルイス酸の活性を低下させ、副反応を抑制するからである。好適な電子供与体の例としては、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル類、トリエチルアミン等のアミン、ジメチルアセトアミド等のアミド、メタノール、エタノール、i−プロパノール又はt−ブタノール等のアルコールを挙げることができる。アルコールは、さらにプロトン源として働き、それ故重合を開始させる。カチオン重合の機構は、至る所に存在する痕跡量の水からもたらされるプロトンによっても活性化され得る。
重合に好適な溶剤としては、選択された温度範囲で液体でありそしてプロトンを分離せず、孤立電子対を持たない、全ての有機化合物を挙げることができる。これらの例としては、環式又は非環式アルカン(例、エタン、イソプロパン、n−プロパン、n−ブタン及びその異性体、シクロペンタン、さらにn−ペンタン及びその異性体、シクロヘキサン、さらにn−ヘキサン及びその異性体、n−ヘプタン及びその異性体、さらに類似の高級化合物)、環式又は非環式アルケン(例、エテン、イソプロペン、n−プロペン、n−ブテン、シクロペンテン及びn−ペンテン、シクロヘキセン及びn−ヘキセン、n−ヘプテン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、又は異性体キシレン)を挙げることができる。炭化水素はハロゲン化されていても良い。ハロゲン化炭化水素の例としては、塩化メチル、臭化メチル、塩化メチレン、臭化メチレン、塩化エチル、臭化エチル、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロホルム及びクロロベンゼンを挙げることができる。望ましくない特性が発現しない限り、溶剤の混合物も使用することができる。
工業技術の観点から、所望の温度範囲で沸騰する溶剤を用いることが特に望ましい。重合は、原則として−80〜0℃、好ましくは−50〜−5℃、特に好ましくは−30〜−15℃で行われる。
BF3触媒の存在下におけるカチオン重合により、1個の鎖末端においてα−オレフィン基を特に高い含有量で有する実質的に鎖状のポリイソブテンが製造される。好適な反応形態では、α−オレフィン含有量は80%以上である。
両方の鎖末端に活性α−オレフィン基を有するか又は分岐している反応性ポリイソブテンは、リビングカチオン重合により、特に穏やかな条件で得ることができる。しかしながら、1個の鎖末端にのみ活性α−オレフィン基を有する線状ポリイソブテンも、この方法で合成しても良いことは明らかである。
リビングカチオン重合では、イソブテンは、開始剤分子IXnとルイス酸Sとの適当な組合せで重合することができる。重合におけるこの方法の詳細は、例えばKennedy及びIvan,”Carbocationic Marcomolecule Engineering”,Hanser Publishers 1992に開示されている。
開始剤分子IXnは、1個以上の脱離基Xを有する。脱離基Xは、さらに置換されていても良いルイス塩基である。好適な脱離基の例としては、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素及びヨウ素)、直鎖及び分岐のアルコキシ基(例、C25O−、n−C37O−、i−C37O−、n−C49O−、i−C49O−、sec−C49O−又はt−C49O−)、及び直鎖及び分岐のカルボキシル基(例、CH3CO−O−、C25CO−O−、n−C37CO−O−、i−C37CO−O−、n−C49CO−O−、i−C49CO−O−、sec−C49CO−O−又はt−C49CO−O−)を挙げることができる。反応条件下で充分に安定であるカルボカチオンI+を形成することができる部分Iは、脱離基(単数又は複数)に結合される。重合を開始するために、脱離基は、好適なルイス酸Sにより引きつけられる:I−X + S → I+ + XS-(n=1の場合のみここでは示されている)。得られるカルボカチオンI+は、カチオン重合を開始し、それは得られるポリマーに取り込まれる。好適なルイス酸Sの例としては、AlY3、TiY4、BiY3、SnY4、ZnY2(但し、Yはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す)を挙げることができる。重合反応はルイス酸を破壊することにより、例えばそれとアルコールと反応させることにより、終結し得る。これにより、末端−C(CH32−Z−基を有するポリイソブテンが製造される。末端−C(CH32−Z−基は、次いでα−又はβ−オレフィン基に転化することができる。
好ましい開始剤分子は、第3級カルボカチオンを形成し得る構造を有する。イソブテンの低級オリゴマー、H−[CH2−C(CH32n−X(但し、nは好ましくは2〜5である)から誘導される基が好ましい。このような開始剤分子を用いて形成された反応性鎖状ポリイソブテンが、1個の末端でのみ反応性基を有している。
両末端で反応性基を有する線状ポリイソブテンは、2個の脱離基X及びY(これらは同一でも、異なっていても良い)を有する開始剤分子IXQを用いて得ることができる。−C(CH32−X基を含む化合物は、この技術では確立されている。その例としては、直鎖又は分岐のアルキレン基Cn2n(但し、nは好ましくは4〜30である)であり、このアルキレン基は2重結合又は下記の有機部分:
Figure 2006503140
等により中断されていても良い。
分岐ポリイソブテンは、3個以上の脱離基(これらは同一でも、異なっていても良い)を有する開始剤分子IXnを用いて得ることができる。好適な開始剤の分子の例としては、下記の化合物(1,2,4及び/又は1,3,5異性体として):
Figure 2006503140
を挙げることができ、脱離基は同一であることが好ましいが、異なっていても良い。モノ−、ジ−、トリ−又はポリ−官能化開始剤分子は、冒頭で引用したKennedy及びIvanの文書及びその中の引用文献に見ることができる。
反応性ポリイソブテンを適当な試薬と反応させ、末端極性基を有する所望のポリイソブテンを得る。
末端基を有する変性ポリイソブテン誘導体の官能化度は、65%以上、さらに75%以上、特に85%以上であることが好ましい。1個の鎖末端のみに極性基を有するポリマーの場合、この数字はその1個の鎖末端のみを言う。両方の鎖末端に極性基を有するポリマーの場合、及び分岐生成物の場合、この数字は全ての鎖末端の合計数を言う。官能化されていない鎖末端は、全く反応性基を持たないものと、反応性基は、存在するが、官能化反応において転化されなかったものと含んでいる。
用語「極性基」は、当該技術者には知られている。極性基は、プロトン性又は非プロトン性の極性基でも良い。従って、変性ポリイソブテンは、ポリイソブテン基を含む疎水性部分と、末端極性基を含むある親水特性を少なくともある程度は有する部分とを有している。この基は、強い親水性基であることが好ましい。用語「親水性」及び「疎水性」は、当該技術者には知られている。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、無水物、カルボキシル基、カルボキシアミド、OH基、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、エポキシド又は好適なシラン(これらは適宜置換されていても良い)を挙げることができる。
極性基の導入のための適当な反応(官能化)は、当該技術者に一般に知られている。
本発明で使用されるポリイソブテンの官能化は、1以上の工程で行うことが一般的である。
好ましい態様では、本発明で使用されるポリイソブテンの官能化は、1以上の工程で行われ、下記の工程:
i)アルキル化触媒の存在下に芳香族ヒドロキシ化合物と反応させてポリイソブテン−アルキル化芳香族ヒドロキシ化合物を得る工程、
ii) ポリイソブテンをペルオキシ(peroxy)化合物と反応させてエポキシ化ポリイソブテンを得る工程、
iii)ポリイソブテンを、エノ反応において、求電子置換された2重結合(エノフィル(enophile))を有するアルケンと反応させる工程、
iv) ポリイソブテンを、一酸化炭素及び水素と、ヒドロホルミル化触媒の存在下に反応させてヒドロホルミル化ポリイソブテンを得る工程、
v)ポリイソブテンを、硫化水素又はチオールと反応させてチオ−官能化ポリイソブテンを得る工程、
vi) ポリイソブテンを、シリル化触媒の存在下にシランと反応させてシリル−官能化ポリイソブテンを得る工程、
vii) ポリイソブテンを、ハロゲン又はハロゲン化水素と反応させてハロゲン−官能化ポリイソブテンを得る工程、
viii) ポリイソブテンを、ボランと反応させ、次いで酸化開裂を行って、ヒドロキシル化ポリイソブテンを得る工程、
ix) ポリイソブテンを、SO3源、好ましくはアセチルスルフェート、と反応させて末端スルホン酸基を有するポリイソブテンを得る工程、
x) ポリイソブテンを酸化窒素と反応させ、次いで水素化して、末端アミノ基を有するポリイソブテンを得る工程、
から選択される。
i)芳香族ヒドロキシ化合物のアルキル化について
反応性ポリイソブテンは、アルキル化触媒の存在下に芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることにより誘導することができる。このフリーデル−クラフツアルキル化のための適当な触媒及び反応条件は、例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版、John Willy & Sons,534−539頁に記載されており、この中にも参照により盛り込まれている。
アルキル化に使用される芳香族ヒドロキシ化合物は、1、2又は3個のOH基を有するフェノール化合物(任意に少なくとも1個の別の置換基を含んでいても良い)から選択することが好ましい。好ましい別の置換基は、C1〜C8−アルキル基、特にメチル及びエチルである。特に一般式:
Figure 2006503140
[但し、R1及びR2が独立して水素、OH又はCH3を表す。]
で表される化合物が好ましい。フェノール、クレゾール異性体、カテコール、レゾルシノール、ピラゴロール、フルオログルシノール及びキシレノール異性体が特に好ましい。特に、o−クレゾール及びp−クレゾールが使用される。所望により、アルキル化には、上述の化合物の混合物を使用することも可能である。
触媒は、ルイス酸アルキル化触媒から選択することが好ましい。本発明においては、ルイス酸アルキル化触媒は、個々の受容体原子のみならず、受容体−リガンド錯体、分子等を、これらが正味のルイス酸(電子受容体)特性を有するという条件下において、包含している。この例としては、AlCl3、AlBr3、BF3、BF32C65OH、BF3[O(C2522、TiCl4、SnCl4、AlC25Cl2、FeCl3、SbCl5及びSbF5を挙げることができる。これらのアルキル化触媒は、共触媒、例えばエーテルと共に使用することができる。好適なエーテルは、ジ−(C1〜C8−アルキル)エーテル(例、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル)、さらにテトラヒドロフラン、及びジ−(C5〜C8−シクロアルキルアルキル)エーテル(例、ジシクロヘキシルエーテル)、及び少なくとも1個の芳香族ヒドロカルビルを有するエーテル(例、アニソール)である。触媒−共触媒錯体をフリーデル−クラフツアルキル化に使用する場合、触媒の共触媒に対するモル比は1:10〜10:1の範囲が好ましい。この反応も、プロトン酸(例、硫酸、リン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸)の触媒作用で行うことができる。有機プロトン酸は、ポリマー結合体中、例えばイオン交換樹脂中に存在し得る。
アルキル化は、溶剤と共に、或いは溶剤無しで行うことができる。好適な溶剤の例としては、n−アルカン及びその混合物、及びアルキル芳香族(例、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン)及びそのハロゲン誘導体を挙げることができる。
アルキル化は、−10〜+100℃で行うことが好ましい。反応は通常大気圧で行うが、過圧又は減圧で行うこともできる。
得られるアルキル化生成物の画分及びそのアルキル化の程度は、芳香族ヒドロキシ化合物のポリイソブテンに対するモル比、及び触媒を好適に選択することにより制御することができる。例えば、実質的にモノアルキル化ポリイソブテニルフェノールは一般に、過剰のフェノールから得られるか、或いはエーテル共触媒を添加して用いた場合にルイス酸アルキル化触媒の存在下に得られる。
適当なアルキル化触媒の存在下におけるポリイソブテンとフェノールとの反応は、例えば、US5300701及びWO02/26840に開示されている。
工程i)で得られたポリイソブテニルフェノールは、さらにMannich反応により、少なくとも1種のアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、及び少なくとも第1級又は第2級アミン機能を有する少なくとも1種のアミンでさらに官能化され、ポリイソブテン−アルキル化及びさらに少なくとも部分的にアミノアルキル化された化合物を得ることができる。アルデヒド及び/又はアミンの、反応及び/又は縮合生成物を使用することも可能である。このような化合物の製造は、再び、WO01/25293及びWO01/25294に記載されており、これらは参照により充分に取り込まれている。
工程i)で得られるポリイソブテニルフェノールは、さらにアルキレンオキシドで、好ましくはエチレンオキシドでアルコキシル化されても良い。
ii) エポキシ化
反応性ポリイソブテンを、少なくとも1種のペルオキシ化合物と反応させることにより官能化して、エポキシ化ポリイソブテンを得ることができる。好適なエポキシ化法は、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons,826−829頁に記載されており、参照によりここに取り込まれている。使用されるペルオキシ化合物は、少なくとも1種の過酸、例えばm−クロロ過安息香酸、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸及び3,5−ジニトロ過安息香酸が好ましい。過酸は、鉱酸の存在下又は非存在下に、対応する酸及びH22から、その場(in situ)で製造することができる。さらに、好適なエポキシ化試薬としては、例えばアルカリ性過酸化水素、分子状酸素、及びアルキルペルオキシド(例、tert−ブチルペルオキシド)を挙げることができる。エポキシ化用に好適な溶剤の例としては、通常の非極性(apolar)溶剤を挙げることができる。特に好ましい溶剤はトルエン、キシレン、ヘキサン及びヘプタン等の炭化水素である。
工程ii) で得られるエポキシ化ポリイソブテンは、さらにアンモニアとの反応により官能化され、ポリイソブテンアミノアルコールが得られる(EP−A0476785)。
iii)エン反応
反応性ポリイソブテンは、さらにエン反応において求電子的(nucleophilically)置換2重結合を有する少なくとも1種のアルケンとの反応により官能化することができる(参照、例えばDE−A4319672又はH.Mach及びP.Rath in ”Lubrication Science II”(1999),175−185頁、ここには参照により充分に盛り込まれている)。エン反応では、アリル−配置された水素原子を有するアルケンを、炭素炭素結合の形成、2重結合のシフト及び水素移動を含むペリ環状(pericyclic)反応において、求電子(nucleophilic)アルケン、エノフィル(enophile)と反応させる。この場合、反応性ポリイソブテンは、エンとして働く。好適なエノフィルは、ディーズ−アルダー反応においてジエノフィルとして使用される化合物である。これは、EP−A0156310に開示されているように、無水コハク酸基で官能化されたポリイソブテン(ポリイソブテニル無水コハク酸、PIBSA)を形成する。
エン反応は、所望により、ルイス酸触媒の存在下に行うことができる。好適な例としては、塩化アルミニウム及び塩化エチルアルミニウムを挙げることができる。
この反応は、新しいα−オレフィン基を鎖末端に形成する。無水コハク酸基を用いて誘導されたポリイソブテンは、例えば下記:
a)少なくともアミンとの反応により、スクシンイミン酸(succinimic)基及び/又はスクシンアミド基で部分的又は完全に官能化されたポリイソブテンを得る工程、
b)少なくとも1種のアルコールと反応して、コハク酸エステル基で官能化されたポリイソブテンを得る工程、
c)少なくとも1種のアルコールと反応して、コハク酸チオエステル基で官能化されたポリイソブテンを得る工程、
d)無水マレイン酸と反応して、鎖末端に2個の無水コハク酸基を有する生成物(PIBBSAとして知られている)を得る工程、
e)加水分解して、塩に転化され得るコハク酸基で官能化されたポリイソブテンを得る工程(塩における好適なカチオンは、特にアルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン及びアルキルアンモニウムイオンである。)
から選択される第2反応を受けることによりさらに官能化され得る。
a)及びb)について、
無水コハク酸基は、例えば、さらなる誘導化のために、アルコール及びアミン等の極性反応剤と反応させることができる。好適な極性反応剤は、好ましくは第1級アルコールROH、第1級アミンRNH2、又は第2級アミンRR’NH[但し、Rは、OH、NH2及びNH3 +、及び所望により1個以上のCH(O)基から選択される少なくとも1個の置換基を有する、線状又は分岐の飽和ヒドロカルビル基であり、所望により隣接しない−O−及び/又は−NH−及び/又は3級−N−基を有し、そしてR’は、Rとは独立に、同じ基を意味する。]である。無水コハク酸の両方のカルボン酸基が反応しても良く、或いは一方のみ反応しても良く、その場合もう一方のカルボン酸基は遊離酸基又は塩として存在する。上記置換基は、さらに、例えばアルコキシル化により、変性されていても良い。
無水コハク酸基を誘導化するための別の変形合成法は、ファイル番号DE10125158.0及びDE10147650.7の出願に述べられている。
無水コハク酸基をコハク酸イミド(succinimide)基に適当な条件下に転化することも、当該技術者には知られている。
iv) ヒドロホルミル化
反応性ポリイソブテンは、ヒドロホルミル化触媒の存在下で一酸化炭素及び水素との反応で官能化され、ヒドロホルミル化ポリイソブテンが形成される。
好適なヒドロホルミル化触媒は公知であり、好ましくは周期表の第VIII族の遷移元素(例、Co、Rh、Ir、Ru、Pd又はPt)の化合物又は錯体を包含する。活性度/選択性に影響を与えるために、N−又はP−含有リガンドによって変性されたヒドロホルミル化触媒を用いることが好ましい。これらの金属の好適な塩としては、例えば水素化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、硫化物、又はアルキルカルボン酸若しくはアリールカルボン酸の塩、又はアルキルスルホン酸若しくはアリールスルホン酸の塩を挙げることができる。好適な錯体は、例えば、ハロゲン化物、アミン、カルボキシレート、アセチルアセトネート、アルキルスルホネート若しくはアリールスルホネート、水素化物、CO、オレフィン、ジエン、シクロオレフィン、ニトリル、N−含有複素環、アロマット(aromat)及びヘタロマット(hetaromat)、エーテル、PF3、ホスホール(phosphol)、ホスファベンゼンから選択されるリガンド、及びさらにモノ−、ビ−及びさらに高価なデンテイトホスフィン、ホスホニト、ホスホニト、ホスホラミディト(phosphoramidite)及びホスヒトリガンドを有する。
一般に、各場合に使用される触媒又は触媒前駆体は、ヒドロホルミル化条件下において、一般式Hxy(CO)zq[但し、Mが第VIII族の遷移元素を表し、Lがリガンドを表し、q、x、y及びzが金属の原子価及び性質、並びにリガンドLによって占められた配位部位の数に依存する整数を表す。]で表される触媒活性種に転化される。
好ましい態様では、ヒドロホルミル化触媒は、ヒドロホルミル化反応で使用される反応器内で、その場で製造される。
別の好ましい態様においては、カルボニル発生器を使用し、これにより予め作製されたカルボニルは、例えば活性炭に吸収させ、そして脱着されたカルボニルのみヒドロホルミル化に給送され、カルボニルを製造する塩溶液はヒドロホルミル化に給送されない。
好適な触媒としては、ロジウム化合物又は錯体、例えばロジウム(II)及びロジウム(III)の塩{例、塩化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)、硫酸ロジウム(III)、硫酸カリウムロジウム、カルボン酸ロジウム(II)又はロジウム(III)、酢酸ロジウム(II)又はロジウム(III)、酸化ロジウム(III)、ロジウム(III)酸(rhodic acid)の塩、トリスアンモニウムヘキサクロロローデート(rhodate)(III)}を挙げることができる。ロジウム錯体、例えばロジウムビスカルボニルアセチルアセトネート、アセチルアセトナトビスエチレンロジウム(I)の使用も可能である。
有用な触媒としては、さらにルテニウム塩又はルテニウム化合物を挙げることができる。好適なルテニウム塩は、例えば塩化ルテニウム(III)、酸化ルテニウム(IV)、酸化ルテニウム(VI)、酸化ルテニウム(VII)、ルテニウムオキソ酸のアルカリ金属塩(K2RuO4又はKRuO4)、又は錯体、例えばRuHCl(CO)(PPh33である。ルテニウムのカルボニル、例えばドデカカルボニルトリルテニウム又はオクタデカカルボニルヘキサルテニウム、又はCOが式PR3のリガンドで一部置き換わった混合体、例えばRu(CO)3(PPh32の使用も可能である。
好適なコバルト化合物としては、例えば塩化コバルト(II)、硫化コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、これらのアミン錯体又はアクオ錯体、カルボン酸コバルト(例、ギ酸コバルト、酢酸コバルト、エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト)及びコバルト−カプロラクタメート錯体を挙げることができる。コバルトのカルボニル錯体、例えばオクタカルボニルジコバルト、ドデカカルボニルテトラコバルト及びヘキサデカルボニルヘキサコバルトを使用することも同様に可能である。
上述の化合物及び他の好適な化合物が一般に知られており、広範に文献に記載されている。
ヒドロホルミル化に使用することができる好適な活性化剤としては、例えばブレーンステッド酸、ルイス酸(例、BF3、AlCl3及びZnCl2)、及びルイス塩基を挙げることができる。
一酸化炭素及び水素を含む使用される合成ガスの組成は、広い範囲で変更することができる。一酸化炭素の水素に対するモル比は、一般に5:95〜95:5の範囲、好ましくは40:60〜60:40の範囲である。ヒドロホルミル化の温度は、一般に20〜200℃の範囲、好ましくは50〜190℃の範囲である。反応は、選択された反応温度で、反応ガスの部分圧で一般に行われる。圧力は、一般に約1〜700バール、好ましくは1〜300バールである。
得られるヒドロホルミル化ポリイソブテンのカルボニル数は、数平均分子量Mnに依存して異なる。10000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のカルボニル数は、2〜5.6mgKOH/g、特に3.6〜5.6mgKOH/gである。40000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のカルボニル数は、0.5〜1.4mgKOH/g、特に0.9〜1.4mgKOH/gである。他の数平均分子量Mnを有する生成物のカルボニル数は、内挿法又は外挿法により決定することができる。
使用される中位の分子量の反応性ポリイソブテンに存在する2重結合の主要部分を、ヒドロホルミル化によりアルデヒドに転化するが好ましい。好適なヒドロホルミル化触媒の使用及び/又は使用される合成ガス中の水素の過剰な使用により、反応剤に存在するエチレン性不飽和2重結合の主要部分を直接アルコールに転化することも可能である(参照、例えばDE−A10003105)。これは、後述する反応工程B)により2段階官能化でも達成することができる。
ヒドロホルミル化により得られる官能化ポリイソブテンは、さらなる加工用の中間体として極めて有用である。その加工は、官能化ポリイソブテンが含むアルデヒド官能基の一部又は全ての官能化により行われる。
A)オキソカルボン酸
工程iv)で得られるヒドロホルミル化ポリイソブテンは、酸化剤との反応によりさらに官能化して、カルボキシル基で部分的又は完全に官能化されたポリイソブテンを得ることができる。
アルデヒドは、一般に多数の異なる酸化剤及び方法を用いてカルボン酸に酸化することができる。この酸化剤及び方法は、J.March,Advanced Organic Chemistry,John Wiley & Sons,第4版,701頁以降(1992)に記載されている。これらは、例えば過マンガン酸塩、クロム酸塩、大気酸素等による酸化を包含している。空気/酸素による酸化は、金属塩の存在での触媒作用下におけるのみならず、触媒の非存在下においても行うことができる。好ましい金属では原子価の変更は可能であり、金属としては例えばCu、Fe,Co、Mn等を挙げることができる。空気酸化の場合、転化は反応時間により容易に制御可能である。
別の態様において、使用される酸化剤は、カルボン酸、例えば酢酸と組み合わせた過酸化水素水溶液である。得られるカルボキシル官能基を有するポリイソブテンの酸価は、数平均分子量Mnに依存して変わる。10000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物の酸価は、2〜5.6mgKOH/g、特に3.6〜5.6mgKOH/gである。40000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物の酸価は、0.5〜1.4mgKOH/g、特に0.9〜1.4mgKOH/gである。他の分子量を有する生成物の酸価は、内挿法又は外挿法により決定することができる。
B)オキソアルコール
別の好適な態様において、工程iv)で得られるヒドロホルミル化ポリイソブテンは、水素化触媒の存在下に水素との反応を行うことができ、これによりアルコール基により部分的又は完全に官能化されたポリイソブテンが得られる。
好適な水素化触媒は、一般に、遷移金属、例えばCr、Mo、W、Fe、Rh、Co,Ni、Pd、Pt、Ru等又はこれらの混合物であり、またこれらは、活性炭、アルミナ、珪藻土等の担体に施すことができ、これにより活性度及び安定性が増加する。触媒活性を増加させるために、Fe、Co、好ましくはラニーニッケルの形のNiを、極めて大きい表面積を有する金属スポンジとして使用することが可能である。
工程iv)で得られたオキソアルデヒドの水素化は、触媒の活性度に依存するが、高温及び高圧で行うことが好ましい。反応温度は、約80〜150℃、圧力は約50〜350バールの範囲が好ましい。
得られるヒドロキシル基を有するポリイソブテンのアルコール数は数平均分子量Mnに依存して変わる。10000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のアルコール数は、2〜5.6mgKOH/g、特に3.6〜5.6mgKOH/gである。40000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のアルコール数は、0.5〜1.4mgKOH/g、特に0.9〜1.4mgKOH/gである。他の分子量を有する生成物のアルコール数は、内挿法又は外挿法により決定することができる。
アルコール官能化ポリイソブテンは、さらにアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドでアルコキシル化することができる。
C)アミン合成
別の好適な態様においては、工程iv)で得られたヒドロホルミル化ポリイソブテンを、さらに水素及びアンモニア又は1級若しくは2級アミンと、アミノ化触媒の存在下に反応させて官能化し、アミノ基で部分的又は完全に官能化されたポリイソブテンが得られる。
好適なアミノ化触媒は、工程B)で上述された水素化触媒であり、銅、コバルト又はニッケルが好ましく、これらはラニー金属の形で又は担体上で使用することができる。白金触媒を使用することも可能である。
アンモニアによるアミノ化によって、第1級アミノ官能基を有するアミノ化ポリイソブテンが得られる。アミノ化に有用な第1級及び第2級アミンとしては、一般式R−NH2及びRR’NH[但し、R及びR’は、独立して、例えばC1〜C10−アルキル、C6〜C20−アリール、C7〜C20−アリールアルキル、C7〜C20−アルキルアリール又はシクロアルキルを表す。]で表される化合物を挙げることができる。
得られるアミノ基を有するポリイソブテンのアミン数は数平均分子量Mnに依存して変わる。10000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のアミン数は、2〜5.6mgKOH/g、特に3.6〜5.6mgKOH/gである。40000ダルトンの数平均分子量Mnを有する生成物のアミン数は、0.5〜1.4mgKOH/g、特に0.9〜1.4mgKOH/gである。他の分子量を有する生成物のアミン数は、内挿法又は外挿法により決定することができる。
v)硫化水素及びチオールの付加
反応性ポリイソブテンを、硫化水素又はチオール(例、アルキルチオール又はアリールチオール、ヒドロキシメルカプタン、アミノメルカプタン、チオカルボン酸又はシランチオール)により官能化し、チオ基で官能化されたポリイソブテンが得られる。
好適なヒドロ−アルキルチオ付加は、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons,766−767頁に記載され、ここに充分に取り込まれている。反応は、一般に開始剤の非存在下のみならず、開始剤の存在下及びまた電磁波放射の存在下に行うことができる。硫化水素の付加により、チオ基で官能化されたポリイソブテンが得られる。開始剤の非存在下におけるチオールとの反応により、一般に2重結合へのマルコニコフ(Markovnikov)付加生成物が得られる。ヒドロ−アルキルチオ付加に好適な開始剤は、例えば、プロトン酸、及びルイス酸(例、濃硫酸又はAlCl3)である。有用な開始剤として、さらにフリーラジカル形成可能な開始剤を挙げることができる。これらの開始剤の存在下におけるヒドロ−アルキルチオ付加により、一般にアンチマルコニコフ(anti-Markovnikov)付加生成物が得られる。この反応はまた、10〜400nm、好ましくは300〜300nmの波長領域の電磁波放射の存在下に行うことができる。
vi)シリル化
反応性ポリイソブテンは、シリル化触媒の存在下、シランとの反応により官能化することができ、これによりシリル基で官能化されたポリイソブテンが得られる。
好適なヒドロシリル化触媒としては、例えば遷移金属触媒を挙げることができ、遷移金属触媒はPt、Pd、Rh、Ru及びIrから選択されることが好ましい。好適な白金触媒としては、例えば微粒子状の白金(白金ブラック)、塩化白金、及び白金錯体(例、ヘキサクロロ白金酸)を挙げることができる。好適なロジウム錯体としては、例えば(RhCl(P(C6533及びRhCl3を挙げることができる。RuCl3及びIrCl3も好適である。好適な触媒としては、さらにルイス酸(AlCl3又はTiCl4)及び過酸化物を包含する。上述の触媒の組合せ又は混合物を使用することも好ましい場合がある。
好適なシランとしては、例えばハロゲン化シラン(例、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン及びトリメチルシロキシジクロロシラン);アルコキシシラン(例、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル−1,1−ジメトキシテトラシロキサン)及びアシロキシシランを挙げることができる。
シリル化の反応温度は、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃の範囲である。反応は、一般に大気圧下に行うが、過圧、例えば1.5〜20バールの範囲、或いは減圧下、例えば200〜600ミリバールの範囲でも行うことができる。
反応は溶剤無しで、或いは適当な溶剤の存在下に行うことができる。好ましい溶剤の例としては、トルエン、テトラヒドロフラン及びクロロホルムを挙げることができる。
vii)ハロゲン化水素又はハロゲンの付加
反応性ポリイソブテンは、ハロゲン化水素又は水素との反応により官能化することができ、ハロゲン基により官能化されたポリイソブテンが得られる。
ヒドロ−ハロ付加のための適当な反応条件は、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons,758−759頁に記載され、ここに参照して取り込まれている。付加反応のために好適なハロゲン化水素としては、原則として、HF、HCl、HBr及びHIを挙げることができる。HI、HBr及びHFの付加は、一般に室温で行われ、HClの付加は高温で行われる。
ハロゲン化水素の付加は、開始剤又は電磁波放射の非存在下又は存在下に、一般に行うことができる。開始剤(特に過酸化物)の非存在下での付加により、マルコニコフ(Markovnikov)付加生成物が一般に得られる。過酸化物が存在する場合、HBrの付加により一般にアンチマルコニコフ(anti-Markovnikov)付加生成物が得られる。
2重結合のハロゲン化は、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons,812−814頁に記載され、参照してここに取り込まれている。インターハロゲン化合物は、ハロゲン化が混合された化合物を得るために使用することが知られている。フッ素は、一般にフッ素含有化合物(例、CoF3、XeF2及びPbO2とSF4との混合物)を用いて付加される。臭素は、一般に、室温で好収率にて2重結合に付加する。塩素は遊離ハロゲンによるだけでなく、塩素含有試薬(例、SO2Cl2、PCl5)からも付加される。
ハロゲン化を、電磁波放射の存在下に塩素又は臭素を用いて行う場合、得られる生成物は実質的に、ポリマー鎖にフリーラジカル置換した生成物であり、あったとしても、少量程度までの、末端2重結合への付加生成物である。
viii)ヒドロボロン化
反応性ポリイソブテンは、ボラン(任意にその場で発生させる)との反応により官能化することができ、ヒドロキシル化ポリイソブテンが得られる。
好適なヒドロボラン化法は、J.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons,783−789頁に記載され、参照してここに取り込まれている。好適なヒドロボラン試薬の例としては、一般にホウ化水素ナトリウムとBF3エーテレートとの反応によりその場で生じるジボラン、ジイサミルボラン(ビス[3−メチルブタ−2−イル]ボラン)、1,1,2−トリメチルプロピルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ジイソカンフィルボラン(これらは対応するアルケンをジボランでヒドロボラン化することにより得られる)、クロロボラン−ジメチルスルフィド、アルキルジクロロボラン、又はH3B−N(C252を挙げることができる。
ヒドロボラン化は原則として溶剤中で行われる。ヒドロボラン化に好適な溶剤の例としては、非環式エーテル(例、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル)、環式エーテル(例、テトラヒドロフラン又はジオキサン)、及び炭化水素(例、ヘキサン又はトルエン)、並びにこれらの混合物を挙げることができる。反応温度は、一般にヒドロボロン化試薬の反応性により決定され、通常反応混合物の融点〜沸点の範囲、好ましくは0〜60℃の範囲である。
ヒドロボロン化試薬は通常アルケンに対して過剰で使用される。ホウ素原子は、より少なく置換された、従って立体障害の少ない炭素原子に優先的に付加する。
形成されたアルキルボランは、通常単離されず、次の反応により重要な生成物に直接転化される。アルキルボランの極めて重要な反応は、アルカリ性過酸化水素と反応させて、アルケンのアンチマルコニコフ(anti-Markovnikov)水和に形式的に好ましく対応するアルコールを得る反応である。さらに、得られるアルキルボランは、水酸化物イオンの存在下、臭素と反応させて臭化物を形成することができる。
ix)SO3源との反応
反応性ポリイソブテンは、さらにSO3源で官能化することができこれにより末端スルホン酸基を有するポリイソブテンを得る。
スルホ−官能化ポリイソブテンは、反応性ポリイソブテンとSO3源との反応により形成することができる。好適なSO3源としては、3酸化イオウと空気との混合物、3酸化イオウ水和物、3酸化イオウアミン錯体、3酸化イオウエーテル錯体、3酸化イオウホスフェート錯体、アセチルスルフェート、3酸化イオウと酢酸との混合物、スルファミン酸、硫酸アルキル又はクロロスルホン酸を挙げることができる。反応は、溶剤の非存在下、或いは任意の不活性無水溶剤において行うことができる。好適な反応温度は、−30〜+200℃の範囲であり、使用されるスルホン化剤により異なる。例えば、低温及び高温でのアセチルスルフェートとのスルホン化は回避すべきであり、そうでないと生成物は分解するであろう。スルホン化剤は、一般にポリイソブテンに対して1:1〜2:1のモル比で使用される。アセチルスルフェート又は硫酸と無水酢酸の混合物を用いることが好ましく、その際、アセチルスルフェートはその場で形成され、そしてスルホ−官能化ポリイソブテンが直接形成される。上述のスルホン化試薬の他のものは、例えば、3酸化イオウと酸素の混合物は、まずスルトン中間体を形成し、それを所望のスルホン酸に加水分解しなければならない。スルホ−官能化ポリイソブテンの製造方法はWO01/70830に記載されている。
x)アミノ基による官能化
反応性ポリイソブテンは、酸化窒素と反応させ、次いで水素化することにより官能化することができ、これにより末端アミノ基を有するポリイソブテンを得る。
好適な窒素酸化物としては、例えばNO、NO2、N23、N24、これらの窒素酸化物相互の混合物、及びこれらの窒素酸化物と酸素との混合物を挙げることができる。NO又はNO2と酸素との混合物が特に好ましい。窒素酸化物はさらに追加的に不活性ガス、例えば窒素を含んでいる。ポリイソブテンと酸化窒素との反応は、一般に不活性有機溶剤中で−30〜+150℃にて行われる。得られた生成物は、次いで水素化され、好ましくは水素化触媒の存在下に水素で触媒水素化(接触水素化)により水素化される。水素化は、使用される還元システムにより異なるが、一般に20〜250℃で行われる。触媒水素化の水素化圧力は、一般に1〜300バールの範囲である。アミノ−末端付加ポリマーの製造方法は、例えばWO97/03946に記載されている。
本発明のポリマー組成物から形成される繊維、フィルム、成形体
本発明のポリマー組成物は、所望のどのような方法でも加工することが可能である。このために、本発明は、本発明のポリマー組成物から形成される繊維、フィルム、成形体を提供するものである。
ここで使用される用語「繊維」は、あらゆる長さ及び直径のものがあてはまる。ここで使用される用語「繊維」は、「フィラメント」及び「スフ(staple fibers)」を包含する。用語「繊維」はさらに、個々の繊維自体のみならず、これらの繊維から形成されたヤーン、織物、結節カーペット又は不織布を包含する。これらの繊維から形成され且つ本発明のポリマー組成物からなるヤーン、織物、結節カーペット又は不織布を製造する方法は、当該技術者には知られている。
ここで使用される用語「フィルム」は、所望の厚さのプラスチックフィルム及びシート、並びにその加工生成物を包含する。フィルムを製造し、加工する適当な方法は、当該技術者に公知である。
「成形体」は、本発明のポリマー組成物から、押出成形、射出成形、発泡成形及びカレンダリング付き又は無しの回転成形により製造することができる製品、部品、半完成品、板及び発泡成形体を意味している。
ポリマー組成物の製造
本発明はさらに、疎水性ポリマー、特にポリオレフィン、又は疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを製造するのに使用される出発材料を、末端極性基で変性された少なくとも1種のポリイソブテンと接触させる工程を含む本発明のポリマー組成物の製造方法を提供するものである。
疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを製造するのに好適なモノマーは、前述の通りである。疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを製造する方法は、当該技術者にとっては公知である。
ポリマー組成物、及び本発明のポリマー組成物から形成される繊維、フィルム、成形体は種々な方法で製造することができる:
a)本発明に従い用いられる変性ポリイソブテンの存在下における疎水性ポリマー、特にポリオレフィンの製造
疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを、本発明に従い用いられる変性ポリイソブテンの存在下に製造する場合、ポリイソブテンは一般に、疎水性ポリマー、特にポリオレフィン中に共重合体としては取り込まれることはなく、ポリマーマトリックス中に微細形態で存在している。しかしながら、好適に変性されたポリイソブテンが共重合体として確実に疎水性ポリマー、好ましくはポリオレフィン中に取り込まれることも考えられ得る。いずれの場合も、変性ポリイソブテンが、ポリオレフィンの表面に単に施されるのではなく、ポリマー材料全体に強固に付着している。従って、別の変性用に使用される物質、例えば染料は、ポリイソブテンの表面のみならず、ポリマー材料全体にも付着するはずである。これにより、例えば、前述の繊維、フィルム、成形体にさらに加工することができる、染色されたポリマー組成物が提供される。染料は、強固にポリマー組成物内に付着しているので、染料の浸出を実質的に回避することができる。好適な方法は当該技術者に公知である。
b)使用される疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の製造における変性ポリイソブテンの添加
本発明に従い使用される変性ポリイソブテンを、疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の加工において、繊維、フィルム及び成形体に添加すること、例えば疎水性ポリマー、特にポリオレフィンの押出成形、射出成形、発泡成形及び回転成形において添加することは同様に可能である。この方法では、本発明のポリマー組成物は、使用される疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)と変性ポリイソブテンとの間の混合物である。この場合に達成されるものも、疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の表面の変性のみならず、疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)内の変性ポリイソブテンへの分散による変性もある。好適な方法は当該技術者に公知である。
従って、本発明は、繊維、フィルム及び成形体の製造中に、ポリイソブテンを疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)に接触させる工程を含む、本発明の繊維、フィルム及び成形体を製造する方法も提供する。
c)変性ポリイソブテンを施すこと
最後に、当該技術者に公知の方法により、疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)から繊維、フィルム及び成形体を製造し、その後本発明で使用される変性ポリイソブテンを当該技術者に公知の方法により単に施すことは可能である。この場合、それは単に、変性ポリイソブテンにより変性された繊維、フィルム及び成形体の表面になされる。従って、例えば、変性された疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の染色の場合、染色されるのは単に繊維、フィルム及び成形体の表面である。
従って、本発明はさらに、変性ポリイソブテンを、ポリオレフィンから形成された繊維、フィルム及び成形体に施す工程を含む、本発明の繊維、フィルム及び成形体を製造する方法も提供する。
方法a)及びb)においては、一般に、溶剤無しで、変性ポリイソブテンを疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)に接触させ、一方、方法c)においては、本発明で使用される変性ポリイソブテンによる処理を、溶剤中の本発明の変性ポリイソブテンの溶液、エマルジョン、又は分散液(好ましくは水溶液、水性エマルジョン又は水性分散液)で、液状形態にてスプレー、エアゾール又は気相で噴霧することにより行うことが好ましい。
本発明に従うポリマー組成物は、一般に85〜99.9質量%、好ましくは90〜99.8質量%、さらに好ましくは95〜99.5質量%の疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)、及び一般に0.1〜15質量%、好ましくは0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%の本発明に使用されるポリイソブテン誘導体を含んでいる。本発明のポリマー組成物は、任意に、さらに、疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)と混和性があり、例えば技術的特性を改善するために添加される他のポリマー、そして加工助剤、UV吸収材等の安定剤、酸化防止剤及びフリーラジカル除去剤(例えば、HALSアミン)、帯電防止剤、難燃剤、核剤、フィラー等の成分を含むことができるが、但し、これらは本発明の物質と好ましくない化合物を形成するものであってはならない。詳細は、当該技術者に公知であり、例えば”Ullmanns Encyclopedia (of Technical Chemistry),第6版,2000 Electronic Release”のポリオレフィンの章及びその中の引用文献に見ることができる。
本発明のポリマー組成物は、未変性の疎水性ポリマー(特にポリオレフィン)の不利を改善している。本発明のポリマー組成物及び、本発明のポリマー組成物から形成される繊維、フィルム及び成形体は、水性浴から染色可能であり、他の材料に被覆可能、印刷可能そして接着可能である。従って、本発明のポリマー組成物は、工業的織物又は自動車用織物、そして衣服用繊維、特にスポーツ又は戸外衣服分野に極めて有用であり、さらに織物シート材料(例、カーペット又は不織布)の製造用染色可能及び印刷可能な繊維として、及び自動車、建築物及び家庭用分野用の部品及び半製品として、さらに極めて広範で様々な器具用ハウジングとして、さらに包装用、工業用途用としても極めて有用である。
本発明のポリマー組成物の染色
従って、本発明はさらに本発明のポリマー組成物又は本発明の繊維、フィルム及び成形体を染色する方法を提供する。この方法は、少なくとも1種の染料含有液を、ポリマー組成物又は本発明の繊維、フィルム及び成形体に接触させる工程を含むものである。
染料液の組成は、使用する染色法及び使用する染料により異なる。適当な染料の選択は、例えば使用中の堅牢度、色相の深さ、及び染色の輝度に関する要求に依存している。これらの要求により、本発明で使用される変性ポリイソブテンの官能化の選択が決定される。ポリマー組成物又はポリマー組成物から形成される繊維、フィルム及び成形体における染料の良好な接着性は、使用される染料の官能基が使用されるポリイソブテンの末端極性基と補完的である場合に得られる。
ここで使用される「補完的な基」は、共有結合を形成することにより、静電相互作用による塩形成により、水素結合又はファン・デル・ヴァールズ相互作用を形成することにより、相互に反応することができる1対の官能基を意味する。
有用な染料としては、カチオン性染料、アニオン性染料、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料を挙げることができる。種々な染料の使用法は、ポリオレフィンを変性するために使用される変性ポリイソブテンに特に依存している。
工程i)〜x)の1工程による官能化の後に得られる変性ポリイソブテン、及びこれらの変性ポリイソブテン含有ポリマー組成物に好適な染料について以下に記載する:
i)芳香族ヒドロキシ化合物のアルキル化
芳香族ヒドロキシ化合物及びフェノールのアルキル化は、特にポリイソブテニルフェノールを与える。ポリイソブテニルフェノールは、分散染料、直接染料(direct dye, substantive dye)、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料と相互作用し、そしてまた(アニオン性又はカチオン性官能基で置換された場合)カチオン性及びアニオン性染料とも相互作用することもあり得る変性ポリイソブテンである。
工程i)において、少なくとも1種のアルデヒド及び少なくとも1種のアミンとのマンニッヒ反応より得られるポリイソブテニルフェノールのさらなる官能化により、ポリイソブテン−アルキル化化合物及び付加的にアミノ−アルキル化化合物がもたらされる。これらの変性ポリイソブテンは、アミノ基上の正電荷のため、アニオン性染料と相互作用することができる。その電荷はアミノ基の4級化の結果として永久的となるか、酸性条件の場合一持的となるであろう。
ii)エポキシ化
ポリイソブテンのエポキシ化により、エポキシ化ポリイソブテンが得られる。これは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料と相互作用することができる。
工程ii)で得られるエポキシ化ポリイソブテンは、さらにアンモニアとの反応により官能化されて、ポリイソブチルアミノアルコールが得られる。これは適当な条件でアニオン性染料と優先的に相互作用することができる。
iii)エン反応
エン反応により、特に、無水コハク酸基により変性されたポリエステルイソブテンが得られる。本発明の上記物質の酸無水物基は、製造前にジカルボン酸基に加水分解されるか、或いは本発明の処理中に少なくとも部分的に反応してジカルボン酸基が形成される。無水物及びジカルボン酸基は、カチオン性染料と優先的に相互作用することができる。
コハク酸無水物基で変性されたポリイソブテンは、二度目に無水マレイン酸と反応し、鎖末端に二個のコハク酸無水物基を有する生成物(PIBBSAとして公知)が得られ得る。PIBBSAは、順に、カチオン性染料と優先的に相互作用することができる。
iv)ヒドロホルミル化
ヒドロホルミル化は、アルコール基を有するポリイソブテンを得る方法である。これらは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料と相互作用することができる。
iv)による反応により得られた変性ポリイソブテンのさらなる官能化により、種々の官能化イソブテンを得ることができる。
A)オキソカルボン酸
ヒドロホルミル化ポリイソブテンの酸化はカルボキシル−官能化ポリイソブテンを得る方法である。これらはカチオン性染料と優先的に相互作用することができる。
B)オキソアルコール
アルコール−官能化ポリイソブテンがヒドロホルミル化において直接得られていない場合、水素化触媒の存在下における水素との反応により、ヒドロホルミル化ポリイソブテンをアルコール−官能化ポリイソブテンに転化する。これらは媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料と相互作用することができる。アルコール基で官能化されたポリイソブテンは、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドでさらにアルコキシル化することができる。得られる変性ポリイソブテンは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料及びカチオン性染料と相互作用することができる。
C)アミン合成
工程iv)で得られるヒドロホルミル化ポリイソブテンは、水素及びアンモニア又は1級若しくは2級アミンと、アミノ化触媒の存在下に反応することができ、アミン基で官能化されたポリイソブテンが得られる。これらのポリイソブテンはアニオン性染料と優先的に相互作用することができる。
V)硫化水素又はチオールの付加
ポリイソブテンの硫化水素又はチオールとの反応は、チオ−官能化ポリイソブテンを得る方法である。これらは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料及びカチオン性染料と相互作用することができる。
vi) シリル化
ポリイソブテンのシランによる官能化により、シリル−官能化ポリイソブテンが得られる。これらは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料及びカチオン性染料と相互作用することができる。
vii)ハロゲン化水素又はハロゲンの付加
ポリイソブテンのハロゲン化水素又はハロゲンによる官能化は、ハロゲン基で官能化されたポリイソブテンを得る方法である。これらのポリイソブテンは、分散染料、直接染料、及び硫化染料と相互作用することができる。
viii)ヒドロホウ素化
ポリイソブテンのヒドロホウ素化は、アルコールを得る方法である。これらは、媒染染料、直接染料、分散染料、地染め染料、建染染料、金属染料、反応染料、硫化染料と相互作用することができる。
ix)SO3源との反応
SO3源を移動する化合物との反応は、スルホン酸基を有するポリイソブテンを得る方法である。これらは、カチオン性染料と優先的に相互作用することができる。
x)窒素酸化物との反応及び続く水素化
窒素酸化物との反応及びポリイソブテンの水素化により、末端アミノ基を有するポリイソブテンを利用可能にする。これらは、アニオン性染料と優先的に相互作用することができる。
前述で列挙したものは、本発明のポリマー組成物を染色するための膨大な可能性のある例から選択された少数の例を表しているにすぎない。本発明で使用される変性ポリイソブテンを官能化することができる方法が膨大であるため、膨大な異種の染料との相互作用(即ち染色)することができるポリオレフィン組成物を得ることは可能である。従って、変性ポリイソブテン及び染料を含むポリマー組成物の、いずれかの用途のための最適組合せに到達することが可能である。このため本発明のポリマー組成物は極めて広範に使用することができる。
使用中の高い堅牢度を得るために、イオン性染料で染色するのが好ましいと言える。他の繊維種(例えば、天然繊維(例、綿又はウール)、又は合成繊維(例、ポリエステル又はポリアミド))とブレンドされたポリオレフィン繊維を染色する必要がある場合、両方の繊維を同じ種類の染料で染色する、例えば綿−ポリプロピレンブレンドを直接染料で染色することが好ましいと言える。
本発明のポリマー組成物、又は本発明の繊維、フィルム及び成形体を染色するのに好適な染料液、さらに好適な染色方法、そして種々の染色方法に好適な染料は、当該技術者には公知である。染色は、メイクアップ(makeup)の異なる形態(ヤーン、トウ、織物、編み織物、又は不織布)において、通常の染色機(例、ウインチベック、ヤーン染色機、ビーム染色機、及びジェット)でバッチにて、ニップ−パジング、フェース−パジング、スプレー、又は適当な乾燥手段及び固定手段を用いる発泡処理装置により連続的に、実施することができる。
本発明は、さらに下記を含む染色されたポリマー組成物を提供する:
a)少なくとも1種の疎水性ポリマー、特にポリオレフィン、
b)末端極性基で変性された、数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる少なくとも1種のポリイソブテン、及び
c)少なくとも1種の染料。
好適なポリオレフィン、ポリイソブテン及び染料については前述したとおりである。
アニオン性、カチオン性に変性されたポリイソブテンと反対の電荷の染料との組合せが特に好ましい。
これらのポリマー組成物は、ポリオレフィンの優れた特性と、使用される変性ポリイソブテンのために達成された良好な染色性とを併せ持っている。ポリマー組成物は、ポリマー組成物に堅固に固定され、浸出に抵抗性がある染料に注目されるべきである。さらに、ポリマー組成物は、各場合に好適な染料及びポリマー組成物を染色に好適な助剤のための公知の方法で染色することができる。
本発明は、さらに本発明の染色されたポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体を提供する。
本発明の染色されたポリマー組成物及び本発明の染色された繊維、フィルム及び成形体は、種々な方法で得ることができる。これは、変性ポリイソブテンを疎水性ポリマー、特にポリオレフィンに何時加えるかに、特に依存している。前記説明したように、これは、疎水性ポリマー、特にポリオレフィンの製造中、その別の工程において、或いはその後の工程で、直接可能である。染料を、処理後にポリマー組成物に導入するか、得られた繊維、フィルム及び成形体に施すことが好ましい。しかしながら、ポリマー組成物を直接染色することも可能である。
本発明は、さらに、数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテンを、疎水性ポリマー、特にポリオレフィンを親水性にするために使用する方法を提供する。
好ましい変性されたポリイソブテン及び好ましい疎水性ポリマー、特にポリオレフィンは当該技術者に知られている。用語「親水化」も同様に当該技術者に知られている。
以下の実施例により本発明を説明する。
押出試験
ポリプロピレン: MetoceneR X50248(Basell製)。
MetoceneR X50248はホモポリプロピレン(メタロセン触媒)である。特に、不織布、スフ及びフィラメントに有用である。
添加無しのホモポリプロピレンの生成物データ:
Figure 2006503140
各場合、末端極性基で変性された下記の特定のポリイソブテン5質量%を、ポリプロピレンチップに添加した。
試験は、2軸押出機において、180℃のハウジング温度、200rpmにて行った。ダイアウトプットは1×4mmである。
処理量は5kg/hであり、極性基で変性されたポリイソブテン添加剤は250g/hの処理量で添加される。定量ポンプは100〜200g/hで作動する。
紡糸
伸長比は3:1であり、線密度は17dtex(デシテックス)である。紡糸は200℃/230℃で行う。
織物シート材料の製造
本発明の物質が添加された全ての押出ポリマー繊維を、以下に規定した方法により染色された織物又は編み織物に加工した。テキスタイル(織物)シート材料の使用により、織物仕上げ操作、例えば手によるその操作の均染性の評価が保証される。
試験プレート:
押出後得られた各チップ生成物を用いて、プレート(約160×160×2mm;質量約46g;圧縮時間220℃で4分、50、100、150及び200バールでそれぞれ1分)に押圧した。
得られたプレートを下記の染色試験に使用した:
染色:
染色は、本発明の物質が添加されたプロピレンから製造されたニットを、脱鉱物水中で、前述の染料の存在下、前述のpHにて、AHIBA染色機を用いて、はじめは110℃〜130℃で20分間に亘って加熱し、その後130℃で2時間放置することにより、行われた。染色液比(liquor ratio)、即ち、処理浴の容積(リットル)の乾燥ポリプロピレンニット(kg)に対する比は、50:1であった。染色後、染め物を約80℃に冷却し、取りだし、常温で水洗し、100℃で乾燥した。
達成されたシェード(色相)の深さを評価した。無添加のポリプロピレンから形成され、各場合共に処理された比較のニットは、どのような染色も示さなかった。
カチオン性染色:
1.1%のBasacry Red X−BL 300%
本発明で使用されるポリイソブテン:
a)モル質量550のポリイソブテンを、無水マレイン酸とのエン反応及び水で加水分解してジカルボン酸とすることにより得られたポリイソブテンコハク酸無水物;
b)WO01/70830A2と類似の方法で、モル質量550又は1000のポリイソブテンからスルホン化により製造されたポリイソブテンスルホン酸;
c)モル質量550のポリイソブテンを、無水マレイン酸とのエン反応及びモル質量300のポリグリコールエーテルと反応させて対応するモノエステルとすることにより得られたポリイソブテンコハク酸無水物。
染色液比=50:1(注:ここに報告された大きい染色液比は、基質(被解物)量が小さいために使用されたもので、本発明で使用される物質とは関係ない。現在の極めて小さい染料液比は工業的規模で使用することができる。)
pH6、緩衝溶液で設定
アニオン性染料:
2.5%のTelon Red FRL 200%
本発明で使用されるポリイソブテン
d)1000モル質量のポリイソブテンのフェノールによるアルキル化、及びホルムアルデヒドとテトラエチレンペンタミンとの続くMannich(マンニッヒ)反応により、WO01/25293及びWO01/25294に従うか、又は類似の方法で製造されたポリイソブテンMannich TEOPA;
e)1000モル質量のポリイソブテンを、無水マレイン酸とのエン反応及びテトラエチレンペンタミンとの反応で対応するスクシンイミド(succinimide)とすることにより得られるポリイソブテンコハク酸無水物。
染色液比=50:1
pH4.5、緩衝溶液で設定
得られた染色物は、レベリング剤が無くても、レベリングが良好で、シェードが深いものであった。PIBSA PEGモノエステルの場合、染色物は、顕著により明るい色に着色されていた。ニット織物はあらい感じはなかった。得られた染色物の洗濯で色落ちしない程度は、2g/LのFEWA、染色液比200:1を用いて、60℃で5分、高速洗濯で決定した。評価の基準は、PP染色が洗濯を通じて薄くなるかどうか、即ち染料のブリードがあるかどうか及び近くの繊維が汚れるか否かである。
本発明の全ての物質の使用により満足な洗濯による色落ち程度が得られた。
a)〜e)で使用された変性ポリイソブテン誘導体の製造
a)
DE−4319672、EP−A0156310又はH.Mach 及びP.Rath ”Lubrication Science II”(1999),p.175−185に類似する、PIBコハク酸無水物の製造。PIBSA550の加水分解:
1Lの3つ枝付きフラスコに、室温にて、50mlの水及び50mlのテトラヒドロフランを充填した。275gのPIBSA(85%のα−オレフィン画分、Mn=550;DP=1.65;ポリイソブテンに対して)を150mlのテトラヒドロフランに溶解した液を滴下して加えた。次いで、その温度で30分間撹拌した。その後、溶剤を減圧下に完全除去した。残った水を除去するために、トルエンと共に共沸混合物として飛沫同伴させた。次いでNa2SO4上で乾燥した。
IRスペクトル: OH振動3545cm-1、コハク酸構造のC=O伸縮振動1710cm-1、C=C伸縮振動1636cm-1。さらに、PIB構造の振動が2951、2896、1473、1389、1365及び1236cm-1がある。
b)
WO01/70830A2に類似の方法
c)
対応するモノエステルを得るためのポリイソブテン550とポリグリコールエーテル300との反応
2Lの3つ枝付きフラスコに、347gのPIBSA(85%のα−オレフィン画分、Mn=550;DP=1.65;ポリイソブテンに対して)を充填し、内容物を90℃に加熱した。80℃に加熱した300gのポリエチレングリコール(PluriolR E300,Mn=300)を滴下して加えた。滴下終了時に、そのバッチを90℃で3時間撹拌し、その後冷却した。
IRスペクトル: OH振動3298cm-1、コハク酸モノエステル構造のC=O伸縮振動1734cm-1、C=C伸縮振動1639cm-1、C−O−Cエーテル振動1110cm-1。さらに、PIB構造の振動が2953、2893、1471、1389、1366及び1233cm-1がある。
変化し得るPIBSA基(PIB画分Mn=200、550、1000、2300等)及びポリエチレングリコール基(Mn=300、600、1500、4000、6000、9000、12000等)との反応を、出発質量を考慮した類似のやり方で行った。
d)
WO01/25293及びWO01/25294に類似の方法
f)
PIBSA1000とテトラエチルペンタミンとの反応(PIBSAイミド)
2Lの3つ枝付きフラスコに、582gのPIBSA(85%のα−オレフィン画分、Mn=1000;DP=1.70;ポリイソブテンに対して)及び63.8gのエチルヘキサノールを不活性ガス雰囲気(窒素)下に充填した。140℃に加熱し、その後99.4gのテトラエチルペンタミンを滴下して加えた。滴下終了時に、温度を160℃に上昇させ、3時間維持した。反応中、揮発物質はある程度留出した。最後に、圧力を、反応の最後近くの30分間、500ミリバールに減圧した。その後室温まで冷却した。
IRスペクトル: NH振動3295,1652cm-1、スクシンイミド構造のC=O伸縮振動1769,1698cm-1。さらに、PIB構造の振動が2953、1465、1396、1365及び1238cm-1にある。

Claims (13)

  1. a)少なくとも1種の疎水性ポリマー、及び
    b)数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる、末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテン
    を含むポリマー組成物。
  2. ポリオレフィン、特にポリプロピレンの単独又は共重合体、又はポリエチレンの単独又は共重合体を含む請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. 反応性ポリイソブテンが、50モル%以上の末端2重結合含有量を有する請求項1又は2に記載の方法。
  4. i)アルキル化触媒の存在下に芳香族ヒドロキシ化合物と反応させて、ポリイソブテン−アルキル化芳香族ヒドロキシ化合物を得る工程;
    ii)ポリイソブテンをペルオキソ化合物と反応させてエポキシ化ポリイソブテンを得る工程;
    iii)ポリイソブテンを、エン反応で、求電子性置換された二重結合(エノフィル)を有するアルケンと反応させる工程;
    iv)ポリイソブテンを、ヒドロホルミル化触媒の存在下に一酸化炭素及び水素と反応させてヒドロホルミル化ポリイソブテンを得る工程;
    v)ポリイソブテンを硫化水素又はチオールと反応させてチオ−官能化ポリイソブテンを得る工程;
    vi)ポリイソブテンをハロゲン又はハロゲン化水素と反応させてハロゲン−官能化ポリイソブテンを得る工程;
    vii)ポリイソブテンをボランと反応させ、次いで酸化開裂させてヒドロキシル化ポリイソブテンを得る工程;
    viii)ポリイソブテンをシリル化触媒の存在下にシランと反応させ、シリル−官能化ポリイソブテンを得る工程;
    ix)ポリイソブテンをSO3源、好ましくはアセチルスルフェートと反応させて末端スルホン酸基を有するポリイソブテンを得る工程;
    x)ポリイソブテンを酸化窒素と反応させ、次いで水素化して、末端アミノ基を有するポリイソブテンを得る工程;
    から選択される1個以上の工程で、ポリイソブテンの官能化を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体。
  6. 疎水性ポリマー(成分A)又は疎水性ポリマーの製造に使用されるモノマーを、末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテン(成分B)に接触させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー組成物を製造する方法。
  7. 疎水性ポリマーの製造において、コモノマーとしてポリイソブテンを使用する請求項6に記載の方法。
  8. 成形体、フィルム及び繊維に加工する間に、末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテンを、疎水性ポリマーに接触させる工程を含む請求項5に記載された成形体、フィルム及び繊維の製造方法。
  9. 末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテンを、疎水性ポリマーから形成された成形体、フィルム及び繊維に施す工程を含む、請求項5に記載された成形体、フィルム及び繊維を製造する方法。
  10. ポリマー組成物或いは繊維、フィルム及び成形体を、少なくとも1種の染料を含む染料液に接触させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー組成物或いは請求項5に記載された繊維、フィルム及び成形体を染色する方法。
  11. a)成分Aとして少なくとも1種の疎水性ポリマー、
    b)成分Bとして、数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる、末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテン、及び
    c)少なくとも1種の染料
    を含む染色ポリマー組成物。
  12. 請求項11に記載の染色されたポリマー組成物から形成された繊維、フィルム及び成形体。
  13. 数平均分子量Mnが150〜50000の反応性ポリイソブテンの官能化により得られる末端極性基により変性された少なくとも1種のポリイソブテンを、疎水性ポリマーを親水性にするために使用する方法。
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