JP2006501848A - 網膜色素上皮細胞の羊膜での培養及び移植 - Google Patents

網膜色素上皮細胞の羊膜での培養及び移植 Download PDF

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Abstract

本発明は、眼の網膜下腔に移植するための組成物に関し、組成物は、低温保存し得るヒト羊膜と、羊膜に存在する複数の網膜色素上皮(RPE)細胞又はRPE等価細胞とを含む。羊膜は、完全なもの、上皮裸化したもの、又はその他の処理を施したものであってもよい。本発明は、RPE細胞の培養と、基質としてのブルッフ膜の代替となる外科移植片の形成と、網膜下腔へのRPE細胞の移植のための羊膜の使用を含む。組成物は、アロ抗原又はRPE特異的自己抗原に対する免疫反応を引き起こさず、抗炎症性、抗血管新生性、及び非瘢痕性の効果を及ぼす。本発明は、羊膜とRPE細胞とを含む組成物を作成又は使用する方法及びキットを含む。更に、RPE細胞を回収するデバイスが開示される。

Description

低温保存された羊膜を、羊膜上でのRPE細胞又はRPE等価細胞の培養に使用可能であり、基質としてブルッフ膜と交換する外科移植片として使用可能であり、網膜下腔へのRPE細胞又はRPE等価細胞の移植に使用可能であり、更に、移植片が免疫反応を引き起こさない培養及び移植組成物に関する。
関連出願の説明
本願は、出典を明示することによりその教示内容全体を本願明細書の一部とする2002年10月4日提出の米国暫定出願第60/415,986号の利益を主張する。
網膜は、光エネルギーが神経インパルスに変換される多層神経組織である。眼の前面に最も近い網膜の最外層は、神経節細胞を含むニューロンの層である。神経節細胞の後方は、一体化したニューロンの層であり、一体化したニューロンの後方は、桿体及び錐体と呼ばれる光受容細胞の層である。桿体及び錐体における光受容は、細胞内の色素による光の吸収で始まり、吸収された光は受容器電位を発生させる。
光受容細胞と密接な構造及び機能的関係を形成するのは、網膜のすぐ後方に位置する特化した立方細胞の単層である網膜色素上皮である。網膜色素上皮(RPE)細胞は、光受容細胞の支持を提供し、溶質輸送と、光受容細胞から剥離した廃棄済み外節膜の食細胞活動及び消化と、薬物の解毒とを含む、重要な生理的機能を実行する。
RPE細胞は、コラーゲン、ラミニン、その他の分子から成る厚さ1乃至5ミクロンの膜であるブルッフ膜と呼ばれる特化した基底膜の上に載っている。
RPE細胞の上には、脈絡組織の脈絡毛細管板が存在する。脈絡毛細管板は、網膜に栄養素を提供し、代謝副産物を除去する脈管構造を含む。脈絡組織の上には、強膜が存在する。
RPE細胞がその機能を適切に実行できないと、光受容細胞の細胞外環境が変更され、光受容細胞の結果的な変性及び損失につながると考えられている。RPEの機能不全は、加齢性黄斑変性症(ARMD)(参考文献1)と、漿液性網膜剥離(参考文献2)と、脳回転状萎縮(参考文献3)及び先天性脈絡膜欠如(参考文献4)のような遺伝病とを含む、視力を脅かす様々な疾患の発病を助長する。
加齢性黄斑変性症
ARMDは、西欧諸国において視力障害の主要な原因であり、光受容細胞の損傷につながるRPE、ブルッフ膜、及び脈絡毛細管板の漸進的な劣化によって生じると考えられている。ARMDでは、RPE細胞は機能不全となる。ARMDの一形態では、RPE細胞の変性に続いて、脈絡毛細管板の萎縮が生じる。別の形態では、ブルッフ膜は、脈絡膜新生血管膜(CNV)の網膜下腔への侵襲により改変及び劣化され、網膜下腔における出血、及び瘢痕化につながり、RPE及び光受容体の両方が更に損傷する可能性がある。
上皮下及び/又は網膜下腔へのCNVの侵襲(参考文献5)は、レーザ光凝固により治療可能だが、新血管形成が中心窩下である場合、成果は貧弱である(参考文献6)。CNV膜の外科切除は、視力の改善に殆どつながらず、或いは、ARMD(参考文献7)の進行を殆ど停止しない。貧弱な成果は、CNV除去中のRPEの不注意による除去(参考文献8)と、RPEの再定着の失敗と、黄斑下手術に続く脈絡毛細管板萎縮の漸進的な拡大(参考文献9)と、光受容体の損失とが原因となり得る。
RPE移植の従来技術の方法での問題
現在の方法のRPE移植を使用した視力の回復は、自己又は同種のソースにより、限定的にしか成功していない(実験(参考文献6、10)、及び臨床(参考文献11乃至14))。実験動物、特に網膜劣化の英国外科医師会(RCS)ラットモデル(参考文献15乃至19)では、光受容体を救護し、脈絡毛細管板を保全し、CNVを予防するために、RPE移植が使用されてきた。同種RPE移植の場合、失敗の説明となる明白な理由の一つは、同種移植拒絶反応(参考文献13、20)である。しかしながら、自己RPE移植の場合、視力の回復の失敗は、疾患部位に移植RPEが再定着できないこと、或いはin vivoで機能できないことが原因となり得る。RPEの成長又は機能の失敗は、ブルッフ膜の損傷が原因となり得る。
ブルッフ膜
ブルッフ膜の完全性は、RPEの再定着とその後の機能にとって決定的であることを示す証拠が存在する。例えば、ブルッフ膜への損傷のないRPEの外科切除では、人間以外の霊長類及び飼育ブタにおいて、RPE単層の部分的再生が、下の脈絡毛細管板と上の光受容体とが維持された状態で生じる(参考文献21乃至23)。対照的に、研磨による創面切除では、ブルッフ膜に対する損傷が多くなり、RPEの不完全な再定着と、脈絡毛細管板の萎縮と、外節での網膜劣化(参考文献24)とにつながる。ヨザルのブルッフ膜への培養ヒトRPEの実験的移植では、正常な付着と、生存能力と、接合及び形態的極性の発現とが生じる(参考文献25)。研磨により創面切除したブルッフ膜へのRPEの自己移植は、ウサギにおいて脈絡毛細管板の萎縮と光受容体の損失とを低減する(参考文献26)。
ARMDの人間の患者の場合、移植したヒト自己RPEにおける機能回復の失敗は、少なくとも部分的には、ARMDが本質的に発生させ(参考文献27)、CNV膜の外科切除により損なわれた(参考文献23、24)、ブルッフ膜の改変が原因となり得る。
RPE移植の現在の方法であるRPE細胞懸濁液の網膜下注入により達成される成功は、限られている。この方法については多数の問題点が存在し、これには結果的な網膜下線維形成と、RPEの複数の層の形成とが含まれる(参考文献6)。こうした問題は、in vivoでの(正常な)上皮表現型及び機能の回復の欠如が原因となり得る。ARMDの外科治療におけるブルッフ膜の回復については、現在まで、進展が見られていない。
RPE移植の免疫学的態様
中枢神経系の一部として、眼は免疫学的な特権部位の特徴を有するが、RPE移植により、受容者は、アロ抗原とRPE特異的自己抗原との両方に対して敏感になることが実証されている。両方とも、移植の成功にとって障害になると考えられており、免疫抑制の処方計画が必要となる(参考文献28)。更に、免疫反応は、移植細胞の量に関連する可能性が最も高く、反応は時間と共に増加することも実証された。RCSラット内のRPE同種移植片は、一年までに渡って拒絶されなかった。
従来技術のRPE培養の基質及び方法による問題
この目的で使用されている基質には、プラスチック(参考文献31)と、架橋コラーゲン(参考文献32)と、ゼラチン(参考文献1)と、フィブリノーゲン(参考文献2)と、ポリ−L−乳酸(PLLA)(参考文献3)と、PLLA/PLGA(ポリ−DL−乳酸−コ−グリコール酸)膜(参考文献5、6)と、ヒドロゲル(参考文献7)と、基底膜含有水晶体前嚢(参考文献7)とが含まれる。移植用のRPE細胞を培養するのに使用される従来技術の基質のそれぞれには多くの欠点が付随し、多数の問題が未解決のまま残されている。
不浸透性物質
RPE移植の試みの一つでは、完全な眼、又はDispaseR(合同酒精株式会社、東京、日本)による生検から分離されたRPE細胞を利用し、プラスチック皿のような不浸透性基質上に接種した(参考文献31)。こうした細胞は、移植前に、解離細胞懸濁液(参考文献6、10)として、或いは、胎児に由来するパッチ(参考文献11)として調製した。こうした細胞は、上皮形態を完全には保持しなかった。更に、メラノリポフスチン顆粒の色素沈着は、プラスチック培養において消滅する(参考文献33)。
多孔性支持物(架橋コラーゲン、コラーゲン、ゼラチン、フィブリノーゲン、PLLA/PLGA、ヒドロゲル、CNV膜、水晶体嚢)
架橋コラーゲンは、移植に使用する時、その厚さと、低い浸透性と、分解不能性とにより網膜に損傷を与える(参考文献32)。コラーゲン膜に接種したヒトRPE細胞(参考文献34)は、測定可能な経上皮抵抗性及び電位(参考文献35)を示す細胞の単層を生成するが、細胞は、in vivoでの発達及び機能状態を達成しなかった。
ゼラチンは、包埋媒体として使用されてきたが、付着用の基質としては使用されていない。フィブリノーゲン及びPLLAマイクロスフェアも、網膜下腔への移植時に単一のシートとしてRPEを移植するのに適していない(参考文献2、3)。PLLA/PLGA膜は移植用のRPE単層シートを提供するが、こうした支持物上で成長させたヒト胎児RPE細胞のin vivo培養は、色素沈着(メラニン形成)を示さない(参考文献5、6)。ヒドロゲルも移植用のRPE単層シートを提供するが、ZO−1の発現によって決定される結果的な細胞密度及び細胞密着結合は、相対的に低い(参考文献7)。
ヒトRPE細胞は、ARMD患者から外科的に切除されたCNV膜でも培養されてきたが、培養物は、多層を形成する(参考文献36)。
水晶体嚢は、基底膜を含有する天然材料だが、RPE培養及び移植にとって理想的な基質ではない。水晶体前嚢は、RPE(参考文献7、8)及びIPE(参考文献8)の成長と、網膜下腔への水晶体嚢によるRPE及びIPE(参考文献8)の移植とに使用されてきた。ヒドロゲル及び水晶体嚢の両方では、RPE培養の基質として使用される時、培養物内のRPE細胞による色素沈着の形成(又はメラニン形成)が可能にならない(参考文献7、8)。
本件の発明者らは、水晶体嚢をRPE/IPE移植の自己基質として使用することを試みた。しかしながら、水晶体嚢がカールする傾向のため、この手法は、実行不可能となった。より薄いことから、後嚢を使用する考え方も、多数の理由により断念した。第一に、後嚢は、患者を高い危険に晒すことなく、外科手術中に取得するのが困難である。第二に、水晶体嚢の吸収が存在しない、或いは吸収が低速である場合、細胞のブルッフ膜及び/又は脈絡毛細管板との不十分な接触により、移植RPE細胞の生存が阻害される可能性がある。
最近、Bilbaoら(参考文献37)は、カールを防止し、網膜下で解放する使用法を容易にするために、水晶体嚢の片側にコーティングされたPLGAの使用を開示した。しかしながら、組織学的研究では、PLGAが四週間後に完全に溶解しただけでなく、上の網膜層が破壊され、大量の細胞浸潤が破壊に伴ったことが明らかとなった。
供血者からの寒冷沈降物も、ヒト胎児網膜色素上皮の可能な自己基質として、1999年にFarrokh−Siarらによって試験された(参考文献38)。Duttら(参考文献39)は、HPE細胞株0041の培養のために、いくつかの基質、即ち、胎盤及び羊膜からの抽出物と、MATRIGELR(マサチューセッツ州ベッドフォードのCollaborative Biomedical Products,Inc.)と、市販の基底膜マトリクスと、内皮細胞(ECM)が分泌した細胞外マトリクスによりコーティングした皿と、コラーゲンIV及び/又はラミニンによりコーティングした皿と、コラーゲンI及び/又はフィブロネクチンによりコーティングした皿とを使用した。MATRIGELR上で成長させた細胞は、強く着色されたが、線維芽細胞のように見えた。
上記のように、解決されずに残された問題点には、例えば、培養及び移植RPE細胞におけるRPE表現型の形態の維持と、生体適合基質上での自己RPEの均一な単層の形成と、欠損を良好に覆う移植手法の改良と、アロ抗原及びRPE特異的自己抗原の両方によるRPE移植の免疫拒絶の克服と、RPE移植後の網膜下線維形成の防止とが含まれる。
羊膜は、羊膜腔の内面を覆う生体膜であり、単純な立方上皮と、厚い基底膜と、ヒアルロン酸を含む無血管間葉層とよりなる。羊膜移植は、角膜組織の化学火傷及び熱傷の治療において、眼の表面の再構築に使用されてきた(参考文献53)。
全般的には、網膜下腔への移植に適したRPE細胞を培養する方法と、上皮表現型を維持し、下の間質に抗炎症性、非瘢痕性、及び抗血管新生性の作用を及ぼす適切なRPE移植組成物と、網膜下腔へRPE細胞を移植する方法とについての医学的な必要性が満たされていない。
本発明は、一態様において、適切に調達及び処理された時、低温保存された羊膜を、羊膜上でのRPE細胞又はRPE等価細胞の培養に使用可能であり、基質としてブルッフ膜と交換する外科移植片として使用可能であり、網膜下腔へのRPE細胞又はRPE等価細胞の移植に使用可能であり、更に、移植片が免疫反応を引き起こさないという発見に関する。本発明は、一態様において、必要とする患者の眼の網膜下腔における移植のための組成物に関し、組成物は、羊膜と、RPE細胞又はRPE等価細胞とを含む。本発明の一実施形態において、組成物内に存在する羊膜は、ヒト羊膜である。羊膜は、完全なもの、上皮裸化したもの、又はその他の処理を施したものにしてよい。本発明の一実施形態において、羊膜は、片側を処理し、例えば、片側を薄化するか、或いは除去する。別の実施形態において、羊膜は、間質側を除去するか、或いは基底膜側を薄化するためにレーザ焼灼によって新たな形態にする。更に別の実施形態では、間葉細胞を間質側に追加する。本発明は、特に、以下を単独で、又は組み合わせて含む。
本発明の一実施形態は、羊膜と、羊膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞とを含んだ組成物を含む。
別の実施形態は、羊膜と、羊膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞と、緩衝媒体又は培養媒体とよりなるキットを含み、更にキットは、随意的に、網膜疾患を治療するキットの少なくとも一つの構成要素の同時、個別、又は連続使用についての説明書を含む。一実施形態において、キットに含まれる羊膜は、ヒト羊膜である。
本発明の別の実施形態は、組成物を形成する方法であり、方法は、少なくとも一つの網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を羊膜に供給するステップと、網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を、成長に適した条件下で、複数の培養細胞を生成するのに十分な期間に渡って膜上で培養するステップとよりなる。一実施形態において使用される羊膜は、人間のものであってよい。一実施形態では、培養RPE細胞又は培養RPE等価細胞と羊膜とを含む組成物を、必要とする受容者の目の網膜下腔での移植に使用する。受容者は、任意の哺乳類、例えば人間にしてよい。
更に別の態様において、本発明の実施形態は、切除又は培養網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞が網膜色素上皮細胞の表現型を発現又は維持するのを誘導する方法を含み、方法は、羊膜を網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞に接触させるステップと、網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を、成長に適した条件下で、複数の培養細胞を生成するのに十分な期間に渡って膜上で培養するステップと、網膜色素上皮細胞の表現型を誘導又は維持するのに十分なレベルまで細胞内カルシウムイオン濃度を引き上げる有効量の作用物質に培養細胞を接触させるステップ、或いは、網膜色素上皮細胞の表現型を誘導又は維持するのに十分な期間に渡って、培養細胞を含む膜を空気流体界面に露出するステップとよりなる。一実施形態において使用される羊膜は、人間のものであってよい。
一実施形態において、細胞内カルシウムイオン濃度を増加させる作用物質に培養細胞を接触させるステップと、網膜色素上皮細胞の表現型を誘導又は維持するために、培養細胞を含む膜を空気流体界面に露出するステップとは、両方とも、連続的に、又は本質的に同時に実行される。しかしながら、別の実施形態において、媒体は、成長因子を追加された状態で、通常の又は高いCa2+濃度を有することができる。
本発明は、更に別の実施形態では、網膜色素上皮細胞の表現型を発現する複数の細胞への少なくとも一つの網膜色素上皮等価細胞の成長及び分化を促進する羊膜の使用に関する。特定の実施形態において、羊膜は、人間のものである。
本発明の別の実施形態は、複数の網膜色素上皮細胞を、必要とする個体の網膜下腔の標的部位に送給する方法であり、個体の網膜に少なくとも一つの穴を形成するステップ、或いは網膜下腔にアクセスするために網膜を少なくとも部分的に分離するステップと、穴を介して、羊膜と膜に存在する網膜色素上皮細胞とを含む組成物を挿入するステップと、組成物を標的部位に位置決めするステップとを含む。
本発明は、更に、網膜疾患を治療する方法に関し、方法は、必要な患者の網膜下腔に、羊膜、例えば、ヒト羊膜と、膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞とを含む組成物を挿入するステップを含む。RPE細胞は、本発明の方法に従って、膜上で培養してよい。本発明の実施形態に従って治療される網膜疾患の非制限的な例は、加齢性黄斑変性症と、網膜変性と、脳回転状萎縮と、先天性脈絡膜欠如とである。
本発明の別の態様は、疾患を有する、或いは疾患にかかる危険性のある患者における網膜疾患の治療用組成物の製造のための、一実施形態において人間を起源とする羊膜と、少なくとも一つの網膜色素上皮細胞との使用である。
本発明は、更に、網膜色素上皮細胞の表現型を発現する複数の細胞への少なくとも一つの網膜色素上皮等価細胞の成長及び分化を促進するヒト羊膜の使用に関する。
本発明の更に別の態様は、アロ抗原と網膜色素上皮特異的自己抗原とに対して受容者が敏感になるのを防止又は軽減するために、網膜色素上皮細胞又は虹彩色素上皮細胞を網膜下腔に移植するための羊膜の使用である。特定の実施形態において、アロ抗原と網膜色素上皮特異的自己抗原とに対して受容者が敏感になるのを防止又は軽減するために、網膜下腔へRPE細胞又はIPE細胞を移植するのに使用される羊膜は、人間を起源とする。
本発明は、更に、RPE細胞又は虹彩色素上皮(IPE)細胞の網膜下腔への移植に続く繊維形成を阻害するヒト羊膜を含む羊膜の使用に関する。本発明の別の実施形態は、疾患を有する、或いは疾患にかかる危険性のある患者における網膜疾患の治療用組成物の製造のための、ヒト羊膜及び少なくとも一つのRPE細胞の使用である。
RPE又はRPE等価細胞を培養する基質として、本発明の実施形態に従って処理又は低温保存された羊膜を使用することで、多数の利点を得られる。例えば、羊膜とRPE又はRPE等価細胞とを含む組成物は、網膜下腔における基質の交換及びRPE細胞の移植のための外科移植片として使用できる。組成物は、抗炎症性、抗血管新生性、抗線維形成性、及び非瘢痕性の効果を及ぼし、アロ抗原又はRPE特異的自己抗原に対する免疫反応を引き起こさない。更に、本発明の実施形態に従って使用される羊膜は、培養中のRPE細胞の成長及び分化と、培養中及び網膜下腔への移植後の両方におけるRPE細胞の形態的外観の維持とを促進する。網膜下腔へRPE細胞を送給する組成物及び方法は、基底膜を有する生体適合基質上でのRPE細胞の均一な単層を発生させる。本発明の実施形態による組成物は、代用品としてのブルッフ膜の交換と、網膜下腔へのRPE細胞の移植とに適した、外科移植片として使用できる。本発明の実施形態は、欠損を優れた形で覆い、アロ抗原及びRPE特異的自己抗原の両方によるRPE移植の免疫拒絶を克服し、RPE移植後の網膜下線維形成を防止する改良された移植組成物及び手法を提供する。
本発明の上記その他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に例示されたような、以下の更に詳細な本発明の例示的実施形態の説明から明らかとなろう。
本発明の例示的実施形態の説明は、次の通りである。本発明の特定の実施形態は、本発明の制限としてではなく、例示として明らかにされると理解されるであろう。最初に、本発明について、最も広義の全体的態様において説明し、その後、より詳細な説明を行う。本発明の組成及び方法の特徴その他の詳細は、請求項において更に指摘される。
本発明の主題の発明者は、最初に、ヒト臍帯血管内皮細胞を成長させる基質として羊膜の間質側を使用することを試みたが、細胞は、羊膜上で成長しなかった。実際には、内皮細胞はアポトーシスを起こした。本発明者は、更に、ヒト多形核白血球を成長させる試みにおいて、基質として羊膜の間質側を使用したが、白血球は、羊膜上で成長しなかった。
本発明は、適切に調達及び処理され、冷凍保存された羊膜、例えば、ヒト羊膜上において、RPE細胞、RPE等価細胞、及びIPE細胞が適切な条件下で成長するという発見に関する。組織学的には、羊膜は、厚い基底膜と、無血管間質とを含む。本発明者は、培養においてRPE等価細胞及びRPE細胞の成長及び分化を促進するのに、ヒト羊膜が理想的な細胞外マトリクス基質であることを発見した。
適切な条件下で羊膜上において成長させたRPE細胞、RPE等価細胞、及びIPE細胞は、分化し、形態的特徴を保持する傾向にあり、脱分化の傾向を有していない。更に、上に細胞が存在する羊膜は、網膜下腔へのRPE細胞の移植と、基質の交換とのための外科移植片として使用できる。移植片は、免疫反応を引き起こさず、網膜疾患の治療のために使用できる。
したがって、本発明は、羊膜及び複数のRPE、RPE等価細胞、又はIPE細胞を含む結果的な組成物と、加齢性黄斑変性症、網膜変性、脳回転状萎縮、及び先天性脈絡膜欠如といった網膜疾患を治療するために哺乳類の眼の網膜下腔にRPEを移植する外科移植片としての組成物の使用方法とに関する。
RPE又はRPE等価細胞
「RPE等価細胞」という用語は、本明細書での使用において、網膜、虹彩、毛様体、成体幹細胞、又は胚幹細胞に由来し、その正常な表現型又は機能を維持するか、最適に満たない機能を有し得るか、或いは、RPE細胞への分化のためにin vitro又はin vivoで誘導された細胞を指す。
本発明の実施形態によれば、RPE細胞のソースは、人間又はその他の哺乳類にできる。本発明の別の実施形態によれば、RPE細胞のソースは、自己由来(受容体と同じ個体から)又は同種(受容体とは異なる個体から)にできる。後者の場合、こうした細胞は、成体又は胎児の死体又は生体から取得可能であり、後者は、HLA適合又は非適合にできる。
更に、ヒトRPE等価細胞のソースは、網膜又は虹彩又は毛様体に由来してよい。RPE細胞は、一実施形態において、神経網膜細胞、例えば、桿体細胞又は錐体細胞に由来する細胞を含む。虹彩に由来する場合、細胞は、虹彩色素上皮細胞(IPE)と呼ばれ、その機能は最適状態に及ばない場合がある。ヒトRPE等価細胞のソースは、ウイルス又は非ウイルス作用物質により不死化されているが依然として正常な表現型又は機能を保持するRPE細胞に由来してもよい。
ヒトRPE等価細胞のソースは、更に、RPEへの分化がin vivoで誘導された成体幹細胞又は胚幹細胞に由来してよい。前者の場合、こうした成体幹細胞は、自己又は同種において、身体の様々な部位、例えば、末梢血又は骨髄から取得できる。
RPE等価細胞のソースは、ヒト細胞に適合するように生体工学処理を行った、その他の非人間種に由来してもよい。例えば、本発明による組成物において使用される網膜色素上皮等価細胞のソースは、網膜色素上皮細胞への分化をin vitroで誘導された少なくとも一つの生体工学処理細胞を含んでよい。
RPE細胞又はRPE等価細胞の回収
RPE又はIPEのソースが自己由来である場合、回収の手段は、網膜又は虹彩の組織部位からの外科生検となる。自己RPE等価細胞は、成体幹細胞に由来し、末梢血又は骨髄等の対象となる部位から取得できる。RPE又はIPEのソースが同種であり、生体又は死体である場合には、それぞれ提供された組織から取得される。同種RPE等価細胞のその他のソースは、組織培養及び移植に関する当業者に周知である。
RPE又はIPE細胞を回収又は分離する一方法は、従来通りであり、EDTA又はEGTAを含有する非酵素溶液、或いは、コラゲナーゼ又はDISPASER溶液を使用した酵素消化を含む。幹細胞から誘導したRPE等価細胞を回収又は分離する方法は、成長因子及び誘引因子を使用してin vitroで実行される。
本発明の更に別の態様では、RPE細胞を回収するデバイスの実施形態が着想及び設計された。デバイスは、本明細書において「バインダRPEハーベスタカニューレ」、「RPEハーベスタカニューレ」、又は「カニューレ」と呼ばれ、RPEへの損傷を最少化し、回収率を最大化する。
デバイスは、いくつかの特徴を有し、次のように説明される。図面を参照すると、図1は、フレキシブル又は折り曲げ可能なチューブ17によって従来型のテーパ付きLUERメスコネクタ部品に取り付けられた注射器18を有するハーベスタカニューレ10の例示的実施形態を示す。遠端部12を備えた吸引ライン15は、注射器18に接続され、LUERコネクタ16を通過する。一実施形態において、ハーベスタカニューレ10の外径は、強膜切開部位において、標準の20ゲージ(ga)(0.9mm)であり、現在の硝子体切除装置に一致する。近端部は、従来型LUERメスコネクタ部品と、例えば、容量0.5ccのガラス注射器に接続された約10cm乃至約20cm等の短いフレキシブルチューブ17とにより終了させてよい。「フレキシブル」という用語は、本明細書での使用において、「フレキシブル」と説明されたチューブを、外科手術中にデバイスを操作するのに十分な度合いまで曲げられることを意味する。フレキシブルチューブ17は、好ましくは、内壁へのRPE細胞の接着を防止し、これにより、回収を最大化するために、テフロン等の非粘着材料で作成される。
カニューレ遠端部12は、曲がっている(例えば、曲率半径約10mm)。網膜組織と接触した状態に置かれる遠端部12の最後の約5mmは、後極でのブルッフ膜表面に一致する曲率半径を有する扁平な三日月形の中空な断面を有する。その半径は、約11ミリメートル(mm)である。図2に図示したように、カニューレ10の遠端部12の拡大詳細図は、上方リップ26と突出する下方リップ24とを形成する先端部12の終わりにおいて、約10度のテーパを示している。したがって、カニューレが外科手術において使用される際には、上方又は高位リップは、前方に突出し、手術用顕微鏡(外科医の視界)を介して常に見ることができる。図2は、更に、図3及び4についての方向を示すビューを図示している。カニューレの使用時に、上方リップ24は、網膜と接触し、網膜は僅かに持ち上げられ、下方リップ26は、収集中のRPE細胞と接触する。
一実施形態において、各リップの厚さは、約75マイクロメータであり、中空の内径は、高さ約100マイクロメートルであり、先端部の厚さは約250マイクロメートルとなる。遠端部でのカニューレ外面の幅は、約1.5mmにしてよく、中空の内径の幅は、約1.35mmにしてよい。一実施形態において、上方又は高位リップのテーパは、約3マイクロメートルの円滑で研磨済みの丸いエッジで終了する。高位リップに僅かなテーパが付いており、網膜組織は多少の弾性又は柔軟性を有することから、網膜切開の幅は、約1mmあればよい。
一実施形態において、RPEハーベスタカニューレは、RPE細胞を支持する弾性のあるブルッフ膜の表面を滑らせることが可能な前方突出リップを備えた扁平な三日月形状を有する。これにより、一通過当たり約1.2mmの幅に渡って、RPE細胞の回収が最大化される。カニューレのリップの後部の湾曲はブルッフ膜の湾曲と一致するため、膜自体への損傷が最少化される。即ち、切断、剥離、又は穿孔を、殆ど又は全く発生させない可能性がある。断面形状が網膜切開の開口部の長さ及び形状より小さいため、カニューレの外壁と網膜切開の縁部との間で良好な一致が得られる。これは、網膜への外傷を最少化し、硝子体腔へのRPE細胞の逆流を防止又は最少化する。例えば、図3において、ビュー3−3で取り出した図2のビューは、吸引ポート32を形成する中空インチューブ30の上方突出リップ24と下方リップ26とを図示する。
RPEハーベスタカニューレは、ステンレス鋼で作成可能であり、好ましくは、テフロンに似た材料等の抗粘着プラスチックで作成できる。例示的な実施形態では、完全に透明であり、外科医がカニューレ内径の内容物を見ることが可能なクロロトリフルオロエチレン(CTFE)プラスチックを利用する。
図5に図示したRPE回収カニューレ50の別の実施形態は、吸引ライン56と、上部本体に接続された補助注入ライン52とを有する。ライン52は、カニューレ先端部の湾曲開始位置に配置された外側注入ポート59を有する。注入LUER57は、短いフレキシブル又は折り曲げ可能なライン17を介して1cc注射器54に接続される。使用中には、回収カニューレの先端部が網膜の下にある時、ステンレス鋼で作成し、吸引ライン56に半田付けしてよい注入ライン52を介して、食塩水の短いパルス状のボーラスを注射器54から注入する。食塩水のボーラスは、網膜を持ち上げ、これによりブレブ、即ち、網膜下の空間又はテントを形成し、外科医が更に容易にRPE細胞を回収するのを可能にする。使用されない場合、注入ポート59は、逆流を防ぐために、LUERプラグにより閉鎖するべきである。
図6は、注入ライン52及び注入ポート59を追加した図2と同じ側面を図示するカニューレ50の遠端部58の拡大図60を示している。
図7は、図6のビュー7−7で取り出した、追加の注入ライン52及び外側注入ポート59を図示するカニューレ50の遠端部58の底面図70である。
羊膜を調製する方法
本発明の実施形態において使用するのに適した低温保存ヒト羊膜を調整する方法は、この技術において周知であり、例えば、Tsengに対する米国特許第6,152,142号及び第6,326,019B1号において説明されており、それぞれの教示内容は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。羊膜の保存方法も、WO01/08716A1において説明されており、その教示内容は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。羊膜は、凍結乾燥することもできる。
本発明の実施形態において使用するのに適した羊膜は、絨毛膜を分離した哺乳類の胎盤、特に人間の胎盤から取得される。実施形態において使用される羊膜は、例えば、ウマ、ウシ、又はアルパカのソースに由来してもよい。本発明の実施形態において使用するのに適した羊膜は、一般に、上皮層と、基底膜と、間質とを含み、三層の組み合わせは、好ましくは、約200μmの平均合計厚を有する。羊膜のシートは、適切な大きさに切断し、濾紙に貼り、保存溶液中で保存できる。こうしたシートは、更に、表面の側にマークが付いている限り、濾紙に貼ることなく適切なサイズに切断できる。凍結乾燥させる場合、凍結乾燥シートは、溶液中では保存しない。保存溶液は、培養媒体と高浸透圧剤とを含み、羊膜の水和が維持される。膜には、保存前又は使用前に、治療薬を浸透させることができる。
本発明の実施形態での使用のため、羊膜は、完全な状態(即ち、追加処理なし)にするか、或いは上皮の裸化を行う(即ち、以前に報告されているようにEDTA及び機械的手段による(参考文献62))。参照により全体を本明細書に組み込むGrueterich M, Espana E, Tseng SCG; 完全及び裸化羊膜上でのヒト輪部上皮のコネキシン(参考文献43)の発現及び増殖, Invest Ophthalmol Vis. Sci., 43:63-71 (2002) を参照せよ。羊膜は、完全な状態か、或いは、間質表面の間質部分を除去するために焼灼される。上皮裸化膜が使用される場合、裸化膜は、培養中のRPE又はRPE等価細胞の接種前に作成される(下記参照)。しかしながら、羊膜間質を薄化する場合、間質は、こうした培養の前又は後で焼灼する。焼灼の方法は、例えばエキシマレーザ等、レーザ駆動にしてよい。別の実施形態において、羊膜は、膜に対するRPE細胞の良好な接着が可能となるように処理できる。例えば、膜は、膜上で電荷を発生させるように処理できる。
羊膜上でのRPE又はRPE等価細胞の培養方法
回収後、RPE又はRPE等価細胞は、血清及び成長因子を含む培養捕捉物を含有する媒体において培養する。一実施形態において、媒体は、約0.01ミリモル(mM)乃至約0.4mM、好ましくは0.1mMの低Ca2+濃度を含む。別の実施形態において、媒体は、成長因子を追加した状態で通常又は高Ca2+濃度を含む。選択した培養基質上で、拡大培養を実行する。本発明の実施形態によれば、拡大培養は、低温保存羊膜上で実行される。
標準的な培養方法が、本発明の実施形態に従って使用される。細胞接種密度は、使用する羊膜の表面積に応じて変更できる。RPE又はRPE等価細胞は、一般に、サブコンフルエント段階に達した時に、トリプシン及び/又はEDTAを利用した従来の方法によってプラスチック基質から取り除く。分離RPE又はRPE等価細胞は、基底膜が露出された状態、或いは完全な羊膜上皮細胞に依然として覆われた状態である羊膜の上皮側に接種する。
羊膜上のRPEの培養物において上皮表現型を誘導する方法
本発明の実施形態によれば、網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を羊膜上で培養するステップは、細胞がコンフルエントに達するまで継続する。理想的には、羊膜に存在する網膜色素上皮細胞の数は、1mm2当たり約4000細胞である。しかしながら、理想的な数は、移植組成物によって覆うべき欠損のサイズによって決まる。例えば、4mm2の欠損を覆うには、高い生命力を備えた約16,000乃至約20,000細胞が必要となる。
RPEの線維芽細胞表現型から上皮表現型を誘導する、本発明の実施形態による一方法では、低いカルシウム濃度(例えば、約0.01乃至約0.4mM、好ましくは0.1mM)を、約0.5乃至約2.0mM、好ましくは約1.8mMの範囲の高いカルシウム濃度に上昇させる。カルシウムイオン濃度は、培養媒体に可溶性カルシウム塩を追加することで、実施形態に従って、上昇させ得る。代替として、イオンと結合することで、或いはイオンに対する障壁の浸透性を増加させることで、細胞膜の脂質障壁を越えるカルシウムイオンの輸送を促進するカルシウムイオノフォア等の作用物質を使用して、Ca2+濃度を高めてよい。別の実施形態は、細胞質からのCa2+の搬出を遮断することで細胞内カルシウム濃度を高める作用物質を含む。別の実施形態において、媒体は、成長因子が追加された状態で、通常又は高Ca2+濃度を含んでよい。別の実施形態によれば、培養されたRPE又はRPE等価細胞を含む羊膜は、空気流体界面に露出される。方法の組み合わせも、同時に又は連続して利用できる。
羊膜上のRPE細胞又はRPE等価細胞を含む組成物
一実施形態によれば、組成物は、基底膜と間質とを備えた完全なヒト羊膜を含む。本発明の別の実施形態において、組成物のヒト羊膜は、上皮裸化されている。
本発明は、更に、少なくとも一つの薬学的活性分子を更に含む組成物に関する。本発明の一実施形態において、組成物内の薬学的活性分子は、成長因子、酵素、又は治療薬剤のうちの一つ以上である。
網膜疾患を治療するキット
別の実施形態は、ヒト羊膜にしてよい羊膜と、羊膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞と、緩衝媒体又は培養媒体とよりなるキットを含み、更にキットは、随意的に、網膜疾患を治療するキットの少なくとも一つの構成要素の同時、個別、又は連続使用についての説明書を含む。特定の実施形態において、キットは、更に、少なくとも一つの薬学的活性物質を含む。活性物質は、成長因子、酵素、及び治療薬剤を含んでよい。成長因子は、網膜色素上皮由来成長因子及び/又はトランスフォーミング成長因子βを含んでよい。活性物質は、インターロイキン10を含んでよい。活性物質は、組成物に存在してよく、或いは、別個にパッケージして、移植前に組成物又は網膜下腔の標的組織部位に添加してよく、若しくは、移植後に患者に投与してよい。
実施形態によるキットは、生体工学処理された細胞である網膜色素上皮等価細胞を含んでよい。
実施形態によるキットは、事前に対象受容者から回収され、研究室へ送られた自己由来の羊膜及び網膜色素上皮等価細胞によって形成された組成物を含んでよく、研究室では細胞を羊膜上で培養し、組成物に追加する。
RPE細胞の網膜下腔への移植方法
RPEの移植の外科的手技は、眼内外科手術の標準的手技に類似する。手技は、以下のステップを含む。
a)扁平部の硝子体切除、及び後部硝子様の膜の除去。
b)第一の網膜切開を、CNV膜の上方において側頭側又は鼻側で実行する。
c)リンゲル溶液を使用して、黄斑下CNV膜を穏やかに水流解離させ、網膜下鉗子により取り除く。このステップ中、眼圧は上昇し、ペルフルオロカーボン(PFCL)を使用して、出血を防止又は最少化する。
d)眼圧を約15乃至約20ミリメートル(mm)Hgに低下させ、存在しない場合は、リンゲル溶液の網膜下注入によって、浅い網膜分離を形成する。
e)注入システム、或いは、鏡面仕上げ又は抗粘着テフロン面等の非常に平滑な表面を有する特別に作成した鉗子を用いて、RPE単層を備えた羊膜の調製済みシートを、中心窩領域において網膜下領域に送給する。
f)最後に、空気又はガスタンポナーデを行い、移植シートを所定の位置に固定し、胸膜切開を閉鎖し、患者には、数日間に渡って腹臥位を維持するように求める。
ステップ「e」において使用可能な鉗子については、膜がステンレス鋼に非常によく粘着し、移植物を解放できないため、未修正の市販の鉗子は、羊膜RPE移植物の網膜下の位置への移動には容易に使用できないことに留意されたい。したがって、顎部をテフロンRのような物質でコーティングするべきである。微小な凹凸が膜に付着又は粘着し、これにより網膜とブルッフ膜との間に外科的に形成した空間に膜を解放するのを妨げるため、テフロンでコーティングした顎部は、鏡面仕上げにする必要がある。ステンレス鋼ではなく、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含むプロトタイプの鉗子は、羊膜RPE組成物の移植において使用するために、我々の研究室で作成している。CTFEは、テフロンRと殆ど同じ抗粘着特性を有し、透明であり、外科医はCTFEを通して見ることができる。CTFEが提供する付加的な利点は、CTFEの柔軟性がステンレス鋼より高く柔らかであるため、CTFE顎部が羊膜RPE移植物に対する傷を最少化することである。柔軟で透明なCTFE顎部を備えた鉗子は、約20ゲージ(ga)である。
CTFE鉗子では、我々は、顎部を作動させるために多くの従来的なメカニズムの一つを使用する。こうしたメカニズムは、ハンドル又はハンドルの直前に位置し、長さ約35乃至50mm、外径約0.9mm以下のチューブに接続される。チューブの機能は、鉗子が胸膜切開を通過するのを容易にすることである。チューブは、眼の後極に達するのに十分な長さにする。眼は、通常、長さ約24mmだが、近視、ブドウ腫、その他の条件の存在に応じて、長さ20乃至35mmとなり得る。閉じた時、顎部は、チューブの外径と等しいか、或いは僅かに小さい直径を有する。
ハンドルを圧縮することで、顎部をチューブに引き込み、これにより顎部が閉じるか、或いは、チューブを前方へ移動させ、これにより顎部を閉じる。チューブを前方に移動させる場合、顎部の先端は、保持している組織又は物体から一定の距離を維持する。一部のハンドルでは、ハンドルの遠端部又は直前のいずれかに位置する回転ノブにより、顎部の回転が可能となる。その他のハンドルは、円形で、片手を使って容易に回転させることができる。外科医はハンドルについて個人的好みを有するため、我々は、両方のタイプを製造する。全てのハンドルは、市販されているが(例えば、Storz−B&L Inc、Katena Inc、DORC Inc、Grieshaber−Alcon Inc、その他)、CTFE顎部は、市販されていない。
また、ステップ「e」では、鉗子の代わりに注入システムを使用して、RPEを有する羊膜の調製シートを網膜下領域へ送給できる。
細胞回収のためにのみ、第二の網膜切開が網膜の鼻側で実行されることに留意されたい。
実施例
動物
ダッチベルトウサギを、Convance Research Products,Inc.(米国ペンシルベニア州ドンバ)から入手した。使用した全てのウサギは、ケタミン0.3ml(35mg/kg)及びキシラジン(5mg/kg)の筋肉内注射と、その後のEuthasolR(バージニア州ミッドロージアンのDelmarva Laboratories, Inc.)1mlの注射とによって安楽死させた。
材料
ダルベッコ改変イーグル培地及びF12栄養混合物1:1(V/V)と、分子遮断率10,000ダルトンの透析ウシ胎仔血清(FBS)と、L−グルタミンと、L−メチオニンと、L−リジンと、L−ロイシンと、塩化マグネシウムと、硫酸マグネシウムと、塩化カルシウムと、細胞培養グレードの水と、重炭酸ナトリウムと、FITC共役ヤギ抗ウサギUgGと、マウスモノクローナル抗サイトケラチン(CK)18(クローンCY−90)とは、全てSigma−Aldrich Chemical Company(米国ミズーリ州セントルイス)から入手した。フェノールレッドナトリウムと、DMEM/F12と、無菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と、アンフォテリシンBと、トリパンブルー染色溶液と、トリプシン/EDTAとは、Gibco BRL(米国ニューヨーク州グランドアイランド)から購入した。24ウェルプレートを使用した(Corning Life Sciences)。239U/mgのコラゲナーゼI型は、Worthington Biochemical Corporation(米国ニュージャージ州レイクウッド)から購入した。ペニシリン及びストレプトマイシンは、Bio Whittaker(米国メリーランド州ウォークスビル)から入手した。ヤギ抗ラットAlexa546共役IgG(H+L)、F(ab)2、ヤギ抗マウスAlexa488共役IgG F(ab)2は、Molecular Probes Inc.(米国オレゴン州ユージーン)から購入した。Aqua−Poly/mountは、Polysciences Inc.(米国ペンシルベニア州ウォリントン)から入手した。ポリクローナルウサギ抗RPE−65抗体は、T.Michael Redmandから寄贈された。モノクローナルラット抗ZO−1抗体(MAB1520)は、Chemicon(米国カリフォルニア州テメキュラ)から入手した。モノクローナルマウス抗パンサイトケラチンK8.13Abは、ICN Biomedicals,Inc.(米国オハイオ州オーロラ)から入手した。以前に公開されているように13、羊膜の上皮裸化のために、角膜上皮スクラバを利用した(Amoils上皮スクラバ、Innova、カナダオンタリオ州トロントのInnovative Excimer Solutions,Inc.)。羊膜を固定するために使用した培養プレートインサートは、Millipore(米国マサチューセッツ州ベッドフォード)から入手した。
一次RPE培養
安楽死後、眼を迅速に摘出し、角膜輪部の後方およそ3乃至4mmでのハサミによる周方向の切開によって、前部を除去した。RPEの分離は、コラゲナーゼを使用したことを除き、報告されている事項に従った(参考文献48)。簡単に言うと、無菌PBS、pH7.4の網膜下注入によって神経網膜を分離させ、硝子体残留物及び神経網膜の除去を容易にした。その後、RPE表面をPBSで三回濯ぎ、アイカップをDMEM/F12において1mg/mlコラゲナーゼI型と共に、5%CO2の培養機内で、一時間に渡って37度で培養した。RPEシートは、熱研磨ガラスピペットによるブルッフ膜の穏やかな掻爬によって収集した。細胞は、800rpmで五分間遠心分離して、Ca2+ 0.1mMに調節し、10%透析FBS、100IU/mlペニシリン(100g/mlストレプトマイシン及び0.5g/mlアンフォテリシンB)を追加したDMEM/F12内で、24ウェルプレート(一つの眼について5乃至6ウェル)で平板培養した。培養物は、媒体の50%を新鮮な媒体と交換することで、平板培養48時間後に破片を除去した。媒体は、その後、隔週で完全に交換した。
羊膜の調製
ヒト羊膜は、以前に説明した方法(米国特許第6,152,142号及び6,326,019号)に従って、Bio−Tissue Inc.(フロリダ州マイアミ)から寄贈され、使用前にDMEM及びグリセロール(1:1)中において−80℃で保管した。使用時、AMを室温で解凍し、無菌のハンクス平衡塩類溶液(HBSS)により濯ぎ、余分なグリセロールを除去し、以前に説明したように(参考文献63)、上皮側を上に向けて、24ウェルプレート培養インサートに対して、4−0絹製外科用縫合糸(米国のAlcon Surgical)による縫合及び/又はゴム輪による締め付けを行った。別個の実験において、AMは、以前に説明したように(参考文献62)、PBS内の無菌0.02%EDTAによる45分間の培養と、その後の上皮スクラバ(Amoils上皮スクラバ、Innova、カナダオンタリオ州トロントのInnovative Excimer Solutions,Inc.)による穏やかな研磨とにより、上皮裸化した。無菌HBSSによる三回の濯ぎの後、RPE細胞の接種の前に、これらのAMをDMEM/F12中で3乃至4日保存した。
RPE細胞の継代
RPE細胞の第一の継代は、対数期の後半に、Ca2+及びMg2+を含まないHBSS中の0.05%トリプシン及び0.02%EDTAの八分間の処理によって取得し、Ca2+濃度を0.1mMに調節し、10%透析FBS、100IU/ml PNS、及び0.5μg/mlアンフォテリシンBを追加したDMEM/F12において、1cm2当たり5,000乃至20,000生存RPE細胞(トリパンブルー染色により評価)で、プラスチック、裸化AM、又は完全AMのいずれかに接種した。細胞は26時間に渡って平静に保って付着させ、培養媒体は、その後、隔週で交換した。
カルシウム切り替え
上の各培養物のRPE細胞がコンフルエントに達した時、可溶性カルシウム塩を追加して、培養媒体のCa2+濃度を1.8mMに変更した。
評価
各培養物を、平板培養36時間後と、コンフルエンス状態と、カルシウム切り替え一週間及び四週間後とに、位相差顕微鏡下で観察した。媒体を除去し、細胞を無菌PBSにより三回濯ぐことにより、様々な間隔で、培養を終了させた。その後、サイトケラチンのために予冷(−20℃)メタノールにおいて五分間、或いは(RPE−65、ZO−1のために)4%パラホルムアルデヒドにおいて4℃で十分間、培養物を固定した。この後、再びPBS中で三回濯ぎを行った。その後、組織は、PBS中の0.01NaNにおいて4℃で約二週間、更なる処理まで保存した。一次抗体は、以下の濃度で、一晩に渡って4℃で培養した:パンサイトケラチン(K8.13)1/100、サイトケラチン18(CY−90)1/3000(両方とも[参考文献25]による)、ZO−1 1/200及びRPE−65 1/200。この後、PBSにおいて三回洗浄し、1/200の希釈でFITC(RPE−65用)、Alexa546(ZO−1用)、Alexa488(パンサイトケラチン及びサイトケラチン18用)のいずれかと共役したそれぞれの二次抗体と共に二時間培養した。全ての抗体は、1%BSAと0.1%トリトンx−100を含むPBSにおいて希釈した。試料をPBSにおいて三回洗浄し、Aqua−Poly/mount封入媒体に封入した。その後、CCDオプトロニクスカメラに接続したZeiss Axiophot蛍光顕微鏡(Zeiss、ドイツ、オーバーコッヘン)により染色を分析した。その後、画像は、Adobe Photoshop 5.5ソフトウェアにより画質強化した。免疫染色のために、上記の抗体の特異度を、ダッチベルトウサギ組織において検証した。簡単に言うと、結果的に安楽死が必要となる別の手順で以前に使用した動物に、麻酔状態で4%ホルムアルデヒドを灌流させた。その後、PBS中の4%パラホルムアルデヒドの注入を硝子体内に行い、眼を同じ固定剤に没入させ、氷上で二時間維持した。その後、前方部分を切り取り、硝子体を可能な限り除去した。試料は、眼の後極及び角膜から眼科用ハサミで切断し、10、20、及び30%の連続的なスクロース勾配で、PBSにおいて培養し、OCTに埋め込み、液体窒素で急速冷凍した。組織切片は、Reichert低温保持装置上で8μmに切断した。
結果
様々な基質において低Ca2+で成長させたRPEの形態的外観
ウサギRPE細胞は、低Ca2+DMEM/F12において、プラスチック(P)、上皮裸化ヒト羊膜(dAM)、又は完全ヒト羊膜(iAM)上で、1cm2当たり約5,000乃至約20,000生存RPE細胞で接種した。dAM上では約7乃至9日でコンフルエンスに達し、プラスチック上での9乃至10日より早かった。こうした三種類の培養物でのRPE細胞は、一般に、紡錘状に見え、共に基質上に均一に広がったが、但し、iAM上のRPE細胞は、より扁平で多角形となり、コンフルエンスに達した時、プラスチック培養及びdAMと比較して、分布の均一性が低かった。更に、メラノリポフスチン顆粒の色素沈着は、一つには、広く認識された現象である細胞***による希釈のため、プラスチック培養では急速に消滅した(参考文献33)。しかしながら、dAM上のRPE細胞は、色素沈着は同じく低減したものの、ある程度の顆粒の外観を維持し、一方、iAM上のRPE細胞は、依然として高い色素沈着を保持した。
Ca2+切り替え一週間後のRPEの形態的外観
RPE細胞がdAM上でコンフルエンスに達した時、媒体を高Ca2+DMEM/F12に切り替えた。Ca2+切り替え一週間後、プラスチック培養のRPE細胞は、引き続き紡錘状を維持したが、ある程度の色素沈着が再び現れたのを除き、明確な顆粒を形成しなかった。対照的に、dAMで成長させたRPE細胞は、多角形(六角形)の形状の上皮様の外観となり、細胞質での色素沈着を有する豊富な顆粒を示した。iAM上のRPEも、高い色素沈着と共に、多角形の形状となった。比較として、dAM及び低カルシウムで成長させたRPE細胞は、依然として紡錘状を維持したが、より多くの色素沈着を有するように見えた。
免疫染色による結果的な上皮表現型の特徴付け
CK18染色
RPE細胞の上皮起源を特定するマーカ、CK18(サイトケラチン18)に対する抗体による染色を実行した。結果は、全ての細胞が陽性であったことから、実際に、低Ca2+濃度で培養されたRPEが上皮起源を有することを示した。完全及び裸化膜で成長させたRPEは、鮮やかな細胞骨格パターンによる強い陽性の染色を示し、Ca2+を上昇させた時、プラスチックで成長させた対応物より顕著となった。
RP65染色
RP分化の新しいマーカであるRP65に対する染色を実行した。生体内ウサギ網膜のRPEでの正常な陽性染色パターンが得られ、染色の写真は、光受容体(上部)と脈絡毛細管板(底部)との間のRPEの単層を示し、RPE細胞が染色された。
RP65染色
RP65染色は、Ca2+切り替え1.5週間後であっても、プラスチックで成長させたRPEが陰性となることを示した。対照的に、完全AM及び裸化AMで成長させた時、RPE細胞は、RP65に対して強い陽性となった。この結果は、培養を3.5週間まで延長した時に継続した。陽性染色は、緑の蛍光で示され、一方、赤みを帯びた染色は、PIによる核対比染色となった。
ZO−1染色
ZO−1染色は、RPEによって形成された密着結合複合体を対象とする。生体内では、このZO−1に対する抗体は、RPE及び光受容体複合体において陽性(赤みを帯びた蛍光)を示した。ZO−1染色は、プラスチック、完全羊膜、及び裸化羊膜で成長させたRPE細胞においても陽性となった。
参考文献
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均等物
本発明について、特に、その好適な実施形態を参照して図示及び説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更を行い得ることは理解し得よう。当業者は、本明細書で説明した特定の実施形態に対する数多くの均等物を認識し、或いは、単なる日常的実験を使用して確認できるであろう。こうした均等物は、付記した特許請求の範囲に包含されるものである。
RPE回収カニューレ10の側面図 カニューレ10の遠端部12の拡大詳細図20 ビュー3−3で取り出した図2のビューを示す図 図2のビュー4−4で取り出したカニューレ10の先端部12の端面図 補助注入ライン52を有するRPE回収カニューレ50の別の実施形態の側面図 カニューレ50の遠端部58の拡大詳細図60 図6のビュー7−7で取り出したカニューレ50の遠端部58の底面図70

Claims (52)

  1. a)羊膜と、
    b)前記羊膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞又は羊膜色素上膜等価細胞と、よりなる組成物。
  2. 前記羊膜は、上皮裸化されている、請求項1記載の組成物。
  3. 前記羊膜は、基底膜と間質とを含む完全な羊膜である、請求項1記載の組成物。
  4. 前記羊膜は、少なくとも片側を処理された膜として存在する、請求項3記載の組成物。
  5. 前記処理は、前記間質側を薄化するエキシマレーザ焼灼、或いは前記基底膜側を薄化するエキシマレーザ焼灼である、請求項4記載の組成物。
  6. 前記処理は、前記間質側の厚さを変更するレーザ処理である、請求項4記載の組成物。
  7. 前記処理は、前記間質側への間葉細胞の追加である、請求項4記載の組成物。
  8. 前記細胞は、線維芽細胞である、請求項7記載の組成物。
  9. 前記羊膜は、ヒト羊膜である、請求項1記載の組成物。
  10. 前記羊膜における網膜色素上皮等価細胞の数は、4mm2当たり約16,000乃至20,000である、請求項1記載の組成物。
  11. 前記羊膜における網膜色素上皮等価細胞の数は、4mm2当たり約4,000である、請求項1記載の組成物。
  12. 前記網膜色素上皮等価細胞は、虹彩色素上皮細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  13. 前記網膜色素上皮等価細胞のソースは、ウイルス又は非ウイルス作用物質により不死化された細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  14. 前記網膜色素上皮等価細胞のソースは、網膜色素上皮細胞への分化がin vivoで誘導された少なくとも一つの幹細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  15. 前記幹細胞は、成体幹細胞を含む、請求項14記載の組成物。
  16. 前記幹細胞は、胚幹細胞を含む、請求項14記載の組成物。
  17. 前記成体幹細胞は、末梢血細胞又は骨髄細胞を含む、請求項15記載の組成物。
  18. 前記網膜色素上皮等価細胞のソースは、網膜色素上皮細胞への分化をin vitroで誘導された少なくとも一つの生体工学処理細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  19. 前記網膜色素上皮等価細胞は、前記網膜色素上皮の表現型を保持する、請求項1記載の組成物。
  20. 前記羊膜に存在する前記網膜色素上皮等価細胞は、培養細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  21. 前記網膜色素上皮等価細胞は、神経網膜細胞又は毛様体に由来する細胞を含む、請求項1記載の組成物。
  22. 前記神経網膜細胞は、桿体細胞又は錐体細胞を含む、請求項21記載の組成物。
  23. 更に、薬学的活性分子を含む、請求項1記載の組成物。
  24. 前記薬学的活性分子は、成長因子と、酵素と、治療薬剤とで構成された集合から独立して選択された少なくとも一つの物質を含む、請求項23記載の組成物。
  25. 前記成長因子は、網膜色素上皮由来成長因子とトランスフォーミング成長因子βとで構成された集合から選択される、請求項24記載の組成物。
  26. 前記薬学的活性分子は、インターロイキン10である、請求項23記載の組成物。
  27. キットであって、
    a)羊膜と、
    b)前記羊膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞と、
    c)緩衝媒体又は培養媒体と、
    d)随意的に、網膜疾患を治療する前記キットの少なくとも一つの構成要素の同時、個別、又は連続使用についての説明書と、よりなるキット。
  28. 更に、少なくとも一つの薬学的活性物質を含む、請求項27記載のキット。
  29. 前記薬学的活性物質は、成長因子と、酵素と、治療薬剤とで構成された集合から独立して選択された少なくとも一つの物質を含む、請求項28記載のキット。
  30. 前記成長因子は、網膜色素上皮由来成長因子とトランスフォーミング成長因子βとで構成された集合から選択される、請求項29記載のキット。
  31. 前記薬学的活性物質は、インターロイキン10である、請求項28記載のキット。
  32. 前記網膜色素上皮等価細胞は、生体工学処理された細胞を含む、請求項27記載のキット。
  33. a)少なくとも一つの網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を羊膜に供給するステップと、
    b)前記網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を、成長に適した条件下で、複数の培養細胞を生成するのに十分な期間に渡って前記膜上で培養するステップと、よりなる、組成物を形成する方法。
  34. 前記膜における培養細胞の数は、4mm2当たり約16,000乃至20,000である、請求項33記載の方法。
  35. 切除又は培養網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞が網膜色素上皮細胞の表現型を発現又は維持するのを誘導する方法であって、
    a)羊膜を前記網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞に接触させるステップと、
    b)前記網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を、成長に適した条件下で、複数の培養細胞を生成するのに十分な期間に渡って前記膜上で培養するステップと、
    c)網膜色素上皮細胞の前記表現型を誘導又は維持するのに十分なレベルまで細胞内カルシウムイオン濃度を引き上げる有効量の作用物質に前記培養細胞を接触させるステップ、或いは
    d)網膜色素上皮細胞の前記表現型を誘導又は維持するのに十分な期間に渡って、培養細胞を含む前記膜を空気流体界面に露出するステップと、よりなる方法。
  36. ステップc及びdの両方を実行する、請求項35記載の方法。
  37. ステップcにおいて、前記細胞内カルシウムイオン濃度は、約0.5mMから約2.0mMの濃度に引き上げられる、請求項35記載の方法。
  38. ステップcにおいて、前記細胞内カルシウムイオン濃度は、約1.8mMに引き上げられる、請求項35記載の方法。
  39. 前記網膜色素上皮細胞又は網膜色素上皮等価細胞を前記膜上で培養する前記ステップは、前記細胞がコンフルエンスに達するまで継続される、請求項35記載の方法。
  40. 網膜色素上皮細胞の表現型を発現する複数の細胞への少なくとも一つの網膜色素上皮等価細胞の成長及び分化を促進するヒト羊膜の使用。
  41. 複数の網膜色素上皮細胞を、必要とする個体の網膜下腔の標的部位に送給する方法であって、
    a)前記個体の網膜に少なくとも一つの穴を形成するステップ、或いは前記網膜下腔にアクセスするために前記網膜を少なくとも部分的に分離するステップと、
    b)前記穴を介して、羊膜と前記膜に存在する前記網膜色素上皮細胞とを含む組成物を挿入するステップと、
    c)前記組成物を前記標的部位に位置決めするステップと、よりなる方法。
  42. 必要な患者の網膜下腔に、羊膜と前記膜に存在する複数の網膜色素上皮細胞とを含む組成物を挿入するステップよりなる、網膜疾患を治療する方法。
  43. 前記膜における網膜色素上皮等価細胞の数は、4mm2当たり約16,000乃至20,000である、請求項42記載の方法。
  44. 治療される前記網膜疾患は、加齢性黄斑変性症である、請求項42記載の方法。
  45. 治療される前記網膜疾患は、網膜変性と、脳回転状萎縮と、先天性脈絡膜欠如とで構成された集団から選択される、請求項42記載の方法。
  46. 前記羊膜は、ヒト羊膜である、請求項42記載の方法。
  47. 前記網膜色素上皮細胞は、前記羊膜上で培養された細胞を含む、請求項42記載の方法。
  48. 前記組成物は、更に、薬学的活性分子を含む、請求項42記載の方法。
  49. 前記薬学的活性分子は、成長因子と、酵素と、治療薬剤とで構成された集合から選択される、請求項48記載の方法。
  50. アロ抗原と網膜色素上皮特異的自己抗原とに対して受容者が敏感になるのを防止又は軽減するために、網膜色素上皮細胞又は虹彩色素上皮細胞を網膜下腔に移植するためのヒト羊膜の使用。
  51. 網膜色素上皮細胞又は虹彩色素上皮細胞の前記網膜下腔への移植に続く繊維形成を阻害するヒト羊膜を含む羊膜の使用。
  52. 疾患を有する、或いは疾患にかかる危険性のある患者における網膜疾患の治療用組成物の製造のための、ヒト羊膜及び少なくとも一つの網膜色素上皮細胞の使用。
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