JP2006352961A - Pmモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】PMモータを矩形波駆動方式にて運転すると、停止時や低速時にトルクリップルが発生する。
【解決手段】永久磁石のギャップ面側の略中央部に凹部を形成し、磁束密度分布の中央に凹みが生じるよう構成した。また、集中巻きの表面磁石構造のモータで、極数とスロット数qの差が0.2≦q≦0.5であるモータに適用した。
【選択図】 図1
【解決手段】永久磁石のギャップ面側の略中央部に凹部を形成し、磁束密度分布の中央に凹みが生じるよう構成した。また、集中巻きの表面磁石構造のモータで、極数とスロット数qの差が0.2≦q≦0.5であるモータに適用した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、PMモータに係り、特に矩形波駆動で運転されるPMモータのトルクリップル低減に関するものである。
低速用途のPMモータは通常多極で構成され、その毎極毎相のスロット数qは1よりも小さく設計される。そして、トルクリッブル低減のために、8極9スロットや10極9スロットなどのようにスロット数qが分数配置となるような巻線構造と、SPM構造(表面磁石構造)を用いる場合が多い。
このように構成されたPMモータの駆動方式としては、大きく分けて正弦波駆動方式と、120°矩形波駆動方式の2通りがある。前者は、正弦波で駆動するためにトルクリップルを比較的小さく抑えることが可能であるが、駆動装置であるインバータのスイッチング素子によるPWM高調波の影響で損失が増大したり、起磁力相差角を正確に制御するためのエンコーダ等、回転角を正確に検出するための機器を設ける必要がある。
一方、後者の120°矩形波駆動方式の場合は、120°正方向通電→60°非通電→120°逆方向通電→60°非通電の繰り返しで駆動し、運転中は3相コイル中の何れか2つの相に通電された状態となる。この矩形波駆動方式は、正弦波駆動方式に比べ制御機構がシンプルで開発が容易であり、制御装置を安価にできる等のメリットを持っている。
なお、PMモータのトルクリップルを低減するものとしては、特許文献1が公知となっている。この特許文献1のものは、永久磁石の厚さを中央で最大となるように形成したものである。
特開2001−275285号公報
120°矩形波駆動方式は、前述のようなメリットを有する反面、正弦波駆動方式に比べてトルクリップルが増大する課題を有している。特にPMモータの停止時や低速時に、トルクリップルが障害となる用途で矩形波駆動方式にて運転すると、例えば、停止位置によって発生するモータのトルクが異なって正確なる所定位置での停止ができなくなるという問題が発生する。なお、特許文献1には、矩形波駆動方式に基づく課題解決についての記載はなされていない。
そこで、本発明が目的とするところは、矩形波駆動方式での運転時に発生するトルクリップルを低減するPMモータを提供することにある。
本発明の第1は、駆動装置を介して矩形波駆動される永久磁石式モータにおいて、
前記永久磁石のギャップに面した略中央部に凹部を形成し、磁束密度分布の中央に凹みが生じるよう構成したことを特徴とする。
前記永久磁石のギャップに面した略中央部に凹部を形成し、磁束密度分布の中央に凹みが生じるよう構成したことを特徴とする。
本発明の第2は、前記PMモータは集中巻きの表面磁石構造のモータで、極数とスロット数qの差が0.2≦q≦0.5であることを特徴とする。
本発明の第3は、前記凹部を有する永久磁石はアウターロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部でロータ内径よりも小さい径で形成したことを特徴とする。
本発明の第4は、前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部でロータ外径よりも大きな径で形成したことを特徴とする。
本発明の第5は、前記凹部を有する永久磁石は、極数の少ないモータ若しくはロータ外径の小さいモータに適用したことを特徴とする。
本発明の第6は、前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部を平坦に形成したことを特徴とする。
本発明の第7は、前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部を凹みで形成したことを特徴とする。
本発明の第8は、前記凹部を有する永久磁石は、極数の多いモータ若しくはロータ外径の大きなモータに適用したことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、PMモータを矩形波駆動した際にトルクリップルを低減することが可能となる。
図1は、本発明の実施例を示すアウターロータ型のPMモータの部分図を示したものである。1はステータティース、2はコイル、3はロータヨークで、その内周面には所定数の永久磁石4が固着されている。この永久磁石4には、ステータとのギャップ面において、径方向の厚さが或る曲率をもって中央で最小となるような凹部5がそれぞれ形成されている。すなわち、ロータとステータとのギャップ間隔が、永久磁石4の一部で部分的に大きくなるように形成される。
図2は、図1のように構成されたPMモータの解析結果によるギャップ磁束密度の分布(空間分布)図である。これによると、正負両方向において中央部が共に凹んだ分布となっているが、ティース先端の磁気飽和の影響によって、コイル2に鎖交する磁束は一定(すなわち、誘起電圧が一定)となり、トルク脈動を小さくすることができる。
図3はトルク波形の比較図で、波形Aが本発明による永久磁石に凹部5を形成した場合、波形Bが凹部のない従来の場合を示したもので、永久磁石のギャップ面に凹みを形成したことによりトルクリップルが低減していることが判る。
図4は無負荷時の誘起電圧波形の比較図で、波形Cが本発明による凹部を形成した場合、波形Dが凹部のない従来の場合を示したもので、永久磁石4に凹みを形成して無負荷時の誘起電圧波形を台形とすることによりトルクリップルが低減されることが判る。
図1で示すように永久磁石4に凹部5を形成した構造とすることにより、毎極毎相のスロット数qが、例えば、0.2≦q≦0.5のように近い場合に特に有効となる。その理由は、1極分の永久磁石のほとんどが1つのティースを通る場合に、ティース先端で起こる磁気飽和を考慮して磁石中央部の磁束を弱め、磁石両端の磁束を強めた構造となることで、ロータが回転したときにティース1本を通る磁束の変動が小さくなるためである。
図5はインナーロータ型に適用した場合の他の実施例を示したものである。この実施例における永久磁石4の中央部に形成される凹部5aは、ロータ外径よりも大きな径となるようにして形成されている。このように形成することによってステータ側とのギャップ間隔が大きくなり、磁束密度の分布も中央部が凹んだ状態となる。この実施例は極数が比較的少ない場合や、ロータ外形の小さいものに適用でき、図1で示した実施例と同様の効果が生じる。ここで、ロータ外形よりも大きい、或いは小さい径とは、磁極極数が12極以上をロータ外形より大きいとし、磁極極数が10極以下をロータ外形より小さいと区分している。
図6はインナーロータ型に適用した場合の他の実施例を示したものである。この実施例における永久磁石4の中央部に形成される凹部5bは、中央部を平坦とすることによって当該部分とステータ側とのギャップ間隔を大としたものである。これによって、磁束密度の分布も中央部が凹んだ状態となり、図1で示した実施例と同様の効果が生じる。
図7はインナーロータ型に適用した場合の他の実施例を示したものである。この実施例における永久磁石4の中央部に形成される凹部5cは、中央部で厚みが最小となるような凹みを設けて形成したものである。このように形成することによってステータ側とのギャップ間隔が大きくなり、磁束密度の分布も中央部が凹んだ状態となる。この実施例は極数が比較的多い場合や、ロータ外形の大きいものに適用でき、図1で示した実施例と同様の効果を生じる。
1… ステータティース
2… コイル
3… ロータヨーク
4… 永久磁石
5… 凹部
2… コイル
3… ロータヨーク
4… 永久磁石
5… 凹部
Claims (8)
- 駆動装置を介して矩形波駆動される永久磁石式モータにおいて、
前記永久磁石のギャップに面した略中央部に凹部を形成し、磁束密度分布の中央に凹みが生じるよう構成したことを特徴としたPMモータ。 - 前記PMモータは集中巻きの表面磁石構造のモータで、極数とスロット数qの差が0.2≦q≦0.5であることを特徴とした請求項1記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石はアウターロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部でロータ内径よりも小さい径で形成したことを特徴とした請求項1又は2記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部でロータ外径よりも大きな径で形成したことを特徴とした請求項1又は2記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石は、極数の少ないモータ若しくはロータ外径の小さいモータに適用したことを特徴とした請求項4記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部を平坦に形成したことを特徴とした請求項1又は2記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石はインナーロータ型に使用され、永久磁石の凹部は略中央部を凹みで形成したことを特徴とした請求項1又は2記載のPMモータ。
- 前記凹部を有する永久磁石は、極数の多いモータ若しくはロータ外径の大きなモータに適用したことを特徴とした請求項7記載のPMモータ。
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JP2005173096A JP2006352961A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | Pmモータ |
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EP2660959A1 (en) * | 2012-03-05 | 2013-11-06 | Zhejiang Yilida Ventilator Co., Ltd. | Brushless direct current motor |
KR20140056985A (ko) * | 2012-11-02 | 2014-05-12 | (주) 보쉬전장 | 코깅 토크 발생 절감용 마그네트가 구비된 영구자석방식용 모터 |
CN104953737A (zh) * | 2014-03-26 | 2015-09-30 | 德昌电机(深圳)有限公司 | 一种永磁无刷电机 |
US9800123B2 (en) | 2012-03-05 | 2017-10-24 | Zhejiang Yilida Ventilator Co., Ltd. | Method for modifying stator tooth top arc of brushless DC motor |
JP2020096484A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | Tdk株式会社 | 永久磁石および回転電機 |
CN113541355A (zh) * | 2021-06-04 | 2021-10-22 | 安徽华驰动能科技有限公司 | 基于外转子铁心偏心结构设计的方波转子 |
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2005
- 2005-06-14 JP JP2005173096A patent/JP2006352961A/ja active Pending
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