JP2006351289A - 多孔性材料の製造方法、及び得られた多孔性材料を用いた製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】バインダーなどの添加材を使用することなく、安価な材料にて簡便に、例えば電極材料に適した充分な導電性及び多孔性を発揮できる多孔性材料を製造する方法を提供する。種々の製品の電極として使用することができる、上記の多孔性導電性材料を備えた導電性部材、及びその導電性部材の製造方法を提供する。本発明はさらに、上記の多孔性材料あるいは導電性部材を用いた製品を提供する。
【解決手段】ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成することを含む、多孔性材料の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする多孔性材料の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成することを含む、多孔性材料の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする多孔性材料の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、芳香族化合物を電解重合することによる多孔性材料の製造方法、得られた多孔性材料、及びその多孔性材料を用いた製品に関する。本発明は、詳しくは導電性ポリマーである多孔性材料の製造方法、及び該多孔性導電性ポリマーを用いた製品に関する。本発明はさらに、上記多孔性材料を用いた製品、例えば吸着剤、触媒担体、特に、高導電性と多孔性が必要とされる電気二重層キャパシタ、電気化学キャパシタ、リチウムイオン二次電池などの電気化学デバイス用の電極や、電解反応装置用の電極、太陽電池の触媒電極などに関する。
一般的な多孔性材料としては、活性炭やゼオライトなどが良く知られている。このような多孔性材料を利用した製品としては、吸着剤や触媒の担体などが挙げられる。また、多孔性材料に導電性を付与、もしくは導電性を有した多孔性材料を、電気二重層キャパシタ、電気化学キャパシタ、リチウムイオン二次電池などの電気化学デバイス用の電極や、電解反応用電極などに利用することが挙げられる。
前記の電気化学デバイス、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池の電極としては、導電性と多孔性を備えている活性炭を用いた炭素電極が広く用いられている。該炭素電極の一般的な製造方法としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのディスパージョンをバインダーとして用い、これに活性炭、カーボンブラックあるいは導電性高分子を配合したものをアルミニウム箔等の基材上に塗布し、乾燥する方法である。
前記の電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池における静電容量は、その電極の有する表面積と密接な関係があることが知られており、より大きな表面積であることが求められている。
前記の電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池における静電容量は、その電極の有する表面積と密接な関係があることが知られており、より大きな表面積であることが求められている。
例えば、特許文献1では、より優れた静電容量、低抵抗性を発揮できる電極材料として、架橋することで多孔質化するゴム系バインダー中に、導電性微粒子と非導電性微粒子を分散させて多孔性電極用バインダーを調製し、該バインダーを導電性基材に展開後乾燥・熱処理することで架橋・多孔質化することを提示している。
また、特許文献2では、電極活物質のコロイド状分散物と、硬化性有機バインダーとを混合し、得られた混合物を5〜60℃の温度で支持体上に堆積させて電極活性層を製造する方法をとっている。
すなわち、多孔性電極の成型方法としては、上記特許文献のように、多孔性の粒子を、バインダーを用いて空隙を確保しながら結着させる手法により、比表面積を増大させる手法が一般的であるが、該手法は煩雑な工程であるという問題があった。
また、特許文献2では、電極活物質のコロイド状分散物と、硬化性有機バインダーとを混合し、得られた混合物を5〜60℃の温度で支持体上に堆積させて電極活性層を製造する方法をとっている。
すなわち、多孔性電極の成型方法としては、上記特許文献のように、多孔性の粒子を、バインダーを用いて空隙を確保しながら結着させる手法により、比表面積を増大させる手法が一般的であるが、該手法は煩雑な工程であるという問題があった。
さらに、前記手法にて比表面積を増大させるためには、前記粒子の粒子径を小さくして充填量を増加する必要があるが、粒子自体には電極形成能力はないためバインダーを用いなければ成型ができず、充填量の増加には限度がある。さらに、微粒子間の結着不良が起きると電導度が低下してしまうため、粒子径を小さくするにも限界があるとともに、導電性の維持・向上のために導電性フィラーを添加しなければならず、その結果、該デバイスの体積エネルギー密度の低下は免れない。したがって、前記手法では電極表面積を向上させるには限界があり、電極特性の飛躍的な向上はほとんど期待できない。
これに対し、電極材料としてポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子を用いる方法が知られている。
前記高分子の一般的な製造方法として、電解重合法および化学重合法がある。化学重合法は、酸化剤を用いて溶液中でピロールなどの高分子を形成する芳香環化合物を重合する方法である。一方、電解重合法は、前記芳香族化合物を含む溶液中で電解を行なうことにより金属などの電極上に導電性を有した高分子の膜を形成する方法である。
上記の化学重合法は大量生産向きであるものの、得られる高分子は粒子状の形態になってしまう。したがって、バインダーを加えずに電極を形成させるには、電極基板を芳香族化合物を含む溶液に含浸させた後、酸化剤と反応させるなどの煩雑な工程が必要となってしまう問題があった。
また、一般的に化学重合で得られる高分子は導電性が低く、電極とした場合には、エネルギー的に大きな損失を伴うという問題もあった。さらに、合成した高分子中には酸化剤由来の成分混入が不可避であり、電極として電気化学デバイスに用いた場合には、信頼性が低下するという問題もあった。
さらに、モルフォロジーの調整を行なうことができないという致命的な欠点があり、多孔性材料を得る方法としては不適である。
前記高分子の一般的な製造方法として、電解重合法および化学重合法がある。化学重合法は、酸化剤を用いて溶液中でピロールなどの高分子を形成する芳香環化合物を重合する方法である。一方、電解重合法は、前記芳香族化合物を含む溶液中で電解を行なうことにより金属などの電極上に導電性を有した高分子の膜を形成する方法である。
上記の化学重合法は大量生産向きであるものの、得られる高分子は粒子状の形態になってしまう。したがって、バインダーを加えずに電極を形成させるには、電極基板を芳香族化合物を含む溶液に含浸させた後、酸化剤と反応させるなどの煩雑な工程が必要となってしまう問題があった。
また、一般的に化学重合で得られる高分子は導電性が低く、電極とした場合には、エネルギー的に大きな損失を伴うという問題もあった。さらに、合成した高分子中には酸化剤由来の成分混入が不可避であり、電極として電気化学デバイスに用いた場合には、信頼性が低下するという問題もあった。
さらに、モルフォロジーの調整を行なうことができないという致命的な欠点があり、多孔性材料を得る方法としては不適である。
一方、電解重合法は比較的電導度の高い高分子が膜状で得られ、かつ、その合成方法も簡便であり、電極材料の作製方法として望ましい方法である。しかし、例えば図1の写真に示したポリピロール膜のように粒塊状のモルフォロジーとなってしまうなど、電極材料として望ましい多孔性状態で形成することは困難であった。
また、ポリアニリンを用いた電解重合膜では、図2の写真に示すようにフィブリル状の多孔性形状となることが知られているが、ポリアニリンはポリピロールなどに比べて導電性に劣るとともに、電位窓が狭く、容易に酸化還元されて不導体となるため電極材料には適していない。
すなわち、これらの高分子材料を用いれば、バインダーなどを添加することなく電極を形成できる利点があるものの、得られる高分子は多孔性が不十分であるという問題があった。
また、ポリアニリンを用いた電解重合膜では、図2の写真に示すようにフィブリル状の多孔性形状となることが知られているが、ポリアニリンはポリピロールなどに比べて導電性に劣るとともに、電位窓が狭く、容易に酸化還元されて不導体となるため電極材料には適していない。
すなわち、これらの高分子材料を用いれば、バインダーなどを添加することなく電極を形成できる利点があるものの、得られる高分子は多孔性が不十分であるという問題があった。
そこで、多孔性を補うため、多孔性材料を基体とし、その表面を前記の導電性を有する高分子で被覆して使用する方法が行なわれている。
特許文献3では、室温での短時間出力特性に優れたリチウム電池用電極が示されている。該特許文献によれば、導電性高分子は充放電時の高速応答性に優れ反応抵抗が小さいと考えられるキャパシタ材料として機能するとしているが、導電性高分子が活物質表面に被覆して形成される被膜は非常に緻密な被膜であり、充放電に伴う活物質のリチウムイオンの出入りを阻害(抵抗増大)するため、室温下での出力特性が低下する、とある。そのため、該特許文献では、活物質と、活物質表面を被覆していない状態での導電性高分子と、を用いたリチウム電池用電極を提案している。
特許文献4においては、導電性高分子によって被覆された、紙や織物などの多孔質材料層、特に布層を製造する方法が開示されている。該特許は、多孔性導電性高分子膜を得る手法として、酸化剤を用いて芳香族化合物をその場で重合することにより、導電性高分子で被覆された多孔性材料層を製造する方法とある。
特許文献3では、室温での短時間出力特性に優れたリチウム電池用電極が示されている。該特許文献によれば、導電性高分子は充放電時の高速応答性に優れ反応抵抗が小さいと考えられるキャパシタ材料として機能するとしているが、導電性高分子が活物質表面に被覆して形成される被膜は非常に緻密な被膜であり、充放電に伴う活物質のリチウムイオンの出入りを阻害(抵抗増大)するため、室温下での出力特性が低下する、とある。そのため、該特許文献では、活物質と、活物質表面を被覆していない状態での導電性高分子と、を用いたリチウム電池用電極を提案している。
特許文献4においては、導電性高分子によって被覆された、紙や織物などの多孔質材料層、特に布層を製造する方法が開示されている。該特許は、多孔性導電性高分子膜を得る手法として、酸化剤を用いて芳香族化合物をその場で重合することにより、導電性高分子で被覆された多孔性材料層を製造する方法とある。
非特許文献1には、スルホン化ナフタレン化合物を用いて電解重合することにより、多孔性ポリピロールを形成したことが報告されている。該文献においては、多孔性ニッケルを電極基板として用いている。
しかしながら、この文献に示された製造方法では、形成される導電性高分子の多孔性が充分でなく表面積が根本的に不足しており、多孔性の電極基板を使用することで表面積の不足を補うことになる。
しかしながら、この文献に示された製造方法では、形成される導電性高分子の多孔性が充分でなく表面積が根本的に不足しており、多孔性の電極基板を使用することで表面積の不足を補うことになる。
しかしながら上記のように多孔性電極基体と共にその上に形成された導電性高分子をリチウム電池用電極や電気化学キャパシタ用電極などとして使用するとき、多孔性基体を使用していることから、重量もしくは体積当たりのエネルギー密度が低下してしまうという問題がある。しかも、より表面積を拡大するためには、被覆する材料(基体)を3次元的に微細化しなければならず、そのような材料を高分子にて均一に全て被覆することは困難であり、求める表面積の大きな優れた電極を形成することはできていない。
ところで、導電性高分子のモルフォロジーは重合方法以外にも、電導度を高めるために添加されるドーパントの種類、電解重合時の電流密度、および電極基体によっても影響を受けることが知られているが、多孔性を発現するように系統的にドーパントの検討を行なった電解重合の例や、電解重合条件の検討の報告例としては、前述の非特許文献1や非特許文献2〜4などが挙げられるが、多孔性電極および多孔性材料として十分なものは得られてはいない。
近年、これまでドーパントとしては利用されていなかったスルホニルイミドなどのフッ化物を用いた新規な導電性高分子の合成が行なわれている。
例えば、非特許文献5には、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のフッ化イミドを用いてピロールの電解重合を行ったことが報告されている。また、非特許文献6、及び非特許文献7には、同様のフッ化物を用いて、それぞれ、3−メチルチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェンの電解重合を行ったことが報告されている。
前記文献においても、得られる高分子膜のモルフォロジー制御を行なっておらず、上記フッ化物をドーパントとして電解重合して得られる高分子の多孔性材料、特に電極材料としての性質については全く検討されていない。
以上のように、バインダーなどを添加することなく電解重合により成型できる多孔性材料であり、導電性が高い電極材料にふさわしい材料は得られていない。
近年、これまでドーパントとしては利用されていなかったスルホニルイミドなどのフッ化物を用いた新規な導電性高分子の合成が行なわれている。
例えば、非特許文献5には、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のフッ化イミドを用いてピロールの電解重合を行ったことが報告されている。また、非特許文献6、及び非特許文献7には、同様のフッ化物を用いて、それぞれ、3−メチルチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェンの電解重合を行ったことが報告されている。
前記文献においても、得られる高分子膜のモルフォロジー制御を行なっておらず、上記フッ化物をドーパントとして電解重合して得られる高分子の多孔性材料、特に電極材料としての性質については全く検討されていない。
以上のように、バインダーなどを添加することなく電解重合により成型できる多孔性材料であり、導電性が高い電極材料にふさわしい材料は得られていない。
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、バインダーなどの添加材を使用することなく、安価な材料にて簡便に、例えば電極材料に適した充分な導電性及び多孔性を発揮できる多孔性材料を製造する方法を提供することである。本発明の目的はまた、種々の製品の電極として使用することができる、上記の導電性多孔性材料を備えた導電性部材、及びその導電性部材の製造方法を提供することである。本発明はさらに、上記の多孔性材料あるいは導電性部材を用いた製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、電解重合により高分子を形成させる際に、高分子を構成する芳香族化合物と共に重合溶液中に特定のフッ素含有電解質を存在させること、及び平均面粗さが10nm以上である電極基体を用いることにより、表面積の大きな多孔質かつ導電性が高い高分子材料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成することを含む、多孔性材料の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする多孔性材料の製造方法である。本発明はさらに、前記多孔性材料の製造方法により得られた多孔性材料である。
従って本発明は、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成することを含む、多孔性材料の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする多孔性材料の製造方法である。本発明はさらに、前記多孔性材料の製造方法により得られた多孔性材料である。
本発明の好ましい実施態様として、上記少なくとも一種の芳香族化合物をピロール化合物から選択することが挙げられ、また、チオフェン化合物から選択することが挙げられる。
本発明の方法により電極基体表面上に形成された多孔性材料は、該電極基体から分離して使用することができるし、また、適当であるならば該電極基体とともに使用することができる。
本発明の方法により得られた多孔性材料は好ましくは10m2/g以上の比表面積を有する。
本発明により得られた多孔性材料は、種々の製品、例えば、吸着剤、触媒担体、電極、中でも特に電極として有利に使用することができる。従って、本発明はさらに、上記製造方法により得られた多孔性材料を用いた製品に向けられる。そのような製品の例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極が挙げられ、また、上記製造方法により得られた多孔性材料を電極として備えた電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池が挙げられる。
本発明の方法により電極基体表面上に形成された多孔性材料は、該電極基体から分離して使用することができるし、また、適当であるならば該電極基体とともに使用することができる。
本発明の方法により得られた多孔性材料は好ましくは10m2/g以上の比表面積を有する。
本発明により得られた多孔性材料は、種々の製品、例えば、吸着剤、触媒担体、電極、中でも特に電極として有利に使用することができる。従って、本発明はさらに、上記製造方法により得られた多孔性材料を用いた製品に向けられる。そのような製品の例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極が挙げられ、また、上記製造方法により得られた多孔性材料を電極として備えた電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池が挙げられる。
色素増感型太陽電池は、光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層と、該電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極とを少なくとも含む構造からなる。本発明の方法により得られた多孔性材料は、この触媒電極に用いることができる。
従って、本発明はさらに具体的に、光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層とを少なくとも有する色素増感型太陽電池において、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極であって、該触媒電極の電極に上記方法により得られた多孔性材料を用いたことを特徴とする触媒電極である。本発明はまた、光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層と、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極とを少なくとも有する色素増感型太陽電池であって、該触媒電極の電極に上記方法により得られた多孔性材料を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池に向けられている。
従って、本発明はさらに具体的に、光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層とを少なくとも有する色素増感型太陽電池において、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極であって、該触媒電極の電極に上記方法により得られた多孔性材料を用いたことを特徴とする触媒電極である。本発明はまた、光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層と、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極とを少なくとも有する色素増感型太陽電池であって、該触媒電極の電極に上記方法により得られた多孔性材料を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池に向けられている。
本発明の方法では、重合形成する多孔性材料の用途に適した電極基体を選択して使用すれば、電極基体から形成した多孔性材料を分離することなく、電極基体とその上にある多孔性材料を一体として、例えば種々の製品の電極として使用することが可能である。
従って本発明はさらに、導電性基体表面上に多孔性導電性ポリマーが設けられている導電性部材であって、該導電性基体において多孔性導電性ポリマーが設けられている表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする、導電性部材に向けられている。
本発明はまた、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に導電性ポリマーを形成することを含む、導電性部材の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする導電性部材の製造方法である。こうして得られた導電性部材は、導電性基体上に多孔性導電性ポリマーを備えているものである。
本発明はさらに、上記の導電性部材を用いた製品に向けられる。そのような製品の例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極が挙げられ、また、上記導電性部材を電極として備えた電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池が挙げられる。
従って本発明はさらに、導電性基体表面上に多孔性導電性ポリマーが設けられている導電性部材であって、該導電性基体において多孔性導電性ポリマーが設けられている表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする、導電性部材に向けられている。
本発明はまた、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に導電性ポリマーを形成することを含む、導電性部材の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする導電性部材の製造方法である。こうして得られた導電性部材は、導電性基体上に多孔性導電性ポリマーを備えているものである。
本発明はさらに、上記の導電性部材を用いた製品に向けられる。そのような製品の例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極が挙げられ、また、上記導電性部材を電極として備えた電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池が挙げられる。
本発明の方法によれば、バインダーなどの添加材を使用することなく、安価な材料により及び簡便に多孔性材料が得られ、さらに該多孔性材料は高い導電性をも兼ね備え、電気化学デバイス用電極、電解反応用電極、触媒電極などとして優れた電極性能を示す。ならびに、該多孔性材料による製品、特に該多孔性材料を電極として優れた電気化学デバイス、電解反応装置、色素増感型太陽電池などの製品を提供することができる。
本発明の電解重合法により、電導度が高く、かつ多孔質となる高分子膜が得られる理由について、明確には解明されてないが、本発明で使用するフッ化物はイミド化合物をフッ素化したものであり、その結果、該フッ化物アニオンは強酸となり高い求核性を有し、酸化状態で生成する高分子と強く相関するため、得られた高分子が高電導度を有していると考えられる。一方、多孔質となる理由については、電極基体の凹凸により部分的に重合電荷密度が高まるため、その点を中心として高分子の成長が開始することに加え、該フッ化物は左右に広く展開した弓形、もしくは扇型の分子構造をしていることかつアルキル基の存在によって成長過程の高分子と絡まる形状で成長することにより、フィブリル状の高分子が生成したと推測している。
本発明の電解重合法により、電導度が高く、かつ多孔質となる高分子膜が得られる理由について、明確には解明されてないが、本発明で使用するフッ化物はイミド化合物をフッ素化したものであり、その結果、該フッ化物アニオンは強酸となり高い求核性を有し、酸化状態で生成する高分子と強く相関するため、得られた高分子が高電導度を有していると考えられる。一方、多孔質となる理由については、電極基体の凹凸により部分的に重合電荷密度が高まるため、その点を中心として高分子の成長が開始することに加え、該フッ化物は左右に広く展開した弓形、もしくは扇型の分子構造をしていることかつアルキル基の存在によって成長過程の高分子と絡まる形状で成長することにより、フィブリル状の高分子が生成したと推測している。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[電極基体]
本発明の電解重合法において、多孔性材料をその表面上に形成させる電極基体は陽極として働くものである。
本発明に用いられる電極基体としては、導電性を有し重合溶媒に冒されない基材であれば特に限定されないが、金属や金属酸化物、炭素材料などが利用できる。例えば、炭素材料としては、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。さらに、金属酸化物としては、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体、酸化アンチモンと酸化スズの混合体、酸化亜鉛、酸化チタンなどを好適に用いることができる。
電極基体の形状は特に制限されることなく、例えば板状、棒状、円柱状などである。
多孔性材料をその表面上に形成させる電極基体はその形状、材質、大きさ、厚さなどを、形成させる多孔性材料の用途に適したものとすれば、その電極基体とその上に形成された多孔性材料を一体のまま、使用することができる。例えば、電極基体と多孔性材料とを一体としてフレキシブル電極として用いることを企図するのであれば、該電極基体として、例えばプラスチックフィルム上に金属の蒸着による薄膜などを形成させたものを使用することができる。また、電極基体と多孔性材料とを一体として透明電極として用いることを企図するのであれば、例えば透明基体として透明ガラスを用いその上にFTOなどの透明導電膜を形成させたものを電極基体として使用できる。このような透明電極は太陽電池の触媒電極として有利に用いることができる。
他には、リチウムイオン二次電池や電気化学キャパシタなどの用途には、電極基体としてステンレスなどの金属板が好適に利用できる。
[電極基体]
本発明の電解重合法において、多孔性材料をその表面上に形成させる電極基体は陽極として働くものである。
本発明に用いられる電極基体としては、導電性を有し重合溶媒に冒されない基材であれば特に限定されないが、金属や金属酸化物、炭素材料などが利用できる。例えば、炭素材料としては、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。さらに、金属酸化物としては、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体、酸化アンチモンと酸化スズの混合体、酸化亜鉛、酸化チタンなどを好適に用いることができる。
電極基体の形状は特に制限されることなく、例えば板状、棒状、円柱状などである。
多孔性材料をその表面上に形成させる電極基体はその形状、材質、大きさ、厚さなどを、形成させる多孔性材料の用途に適したものとすれば、その電極基体とその上に形成された多孔性材料を一体のまま、使用することができる。例えば、電極基体と多孔性材料とを一体としてフレキシブル電極として用いることを企図するのであれば、該電極基体として、例えばプラスチックフィルム上に金属の蒸着による薄膜などを形成させたものを使用することができる。また、電極基体と多孔性材料とを一体として透明電極として用いることを企図するのであれば、例えば透明基体として透明ガラスを用いその上にFTOなどの透明導電膜を形成させたものを電極基体として使用できる。このような透明電極は太陽電池の触媒電極として有利に用いることができる。
他には、リチウムイオン二次電池や電気化学キャパシタなどの用途には、電極基体としてステンレスなどの金属板が好適に利用できる。
電極基体の表面形態において、凸部が高分子の成長点として利用できるため、平均面粗さが大きいことが望ましく、本発明で使用する電極基体の表面形態は10nm以上の平均面粗さとする。該平均面粗さは好ましくは30nm以上であり、より好ましくは100nm以上である。電極基体表面の平均面粗さの上限は特に限定されることはないが、例えば0.1mm程度の平均面粗さの電極基体を使用することができる。
電極基体において重合体を形成させる表面を上記の平均面粗さとしておく。従って、電極基体の形状が板状のとき、その両面をこの平均面粗さにしておいて、両面に重合体を形成させることもできる。
本発明でいう平均面粗さ(Ra:Surface Mean Height)は、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものである。
上述の平均面粗さを持つ電極基体材料は、市販で入手できるものもあり、その表面を走査型プローブ顕微鏡(SPM)にて観察、測定し、確認して使用することができる。また、電極基体材料に適当な粗面化手段(例えば、研磨処理や、サンドブラスト、酸などによるエッチングなど)を施し、上述の平均面粗さを持つ電極基体材料としてもよい。平均面粗さを測定する手段として走査型プローブ顕微鏡による観察が挙げられる。
本発明で使用する電極基体の大きさや厚さは、電解重合反応を実施する常識の範囲内で、目的に応じて任意に選ぶことができる。使用する電極基体の電導度は重合反応ができれば特に限定されるものではないが、電力のロスを考慮すると少なくとも10-9S/cm以上が適当であり、望ましくは10-6S/cm以上、特に望ましくは10-2S/cm以上である。
電極基体の表面を部分的にマスクして所望の大きさや形の多孔性材料を得ることもできる。
一方、陰極(対向電極)として使用する電極基体は、上記の陽極と同様、電力ロスの観点から電導度の高いものが望ましく、また、上記の陽極で述べたのと同様の材質でよい。陰極の大きさや形状は、陽極の大きさや形状に合わせて任意に設定することができる。
電極基体において重合体を形成させる表面を上記の平均面粗さとしておく。従って、電極基体の形状が板状のとき、その両面をこの平均面粗さにしておいて、両面に重合体を形成させることもできる。
本発明でいう平均面粗さ(Ra:Surface Mean Height)は、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものである。
上述の平均面粗さを持つ電極基体材料は、市販で入手できるものもあり、その表面を走査型プローブ顕微鏡(SPM)にて観察、測定し、確認して使用することができる。また、電極基体材料に適当な粗面化手段(例えば、研磨処理や、サンドブラスト、酸などによるエッチングなど)を施し、上述の平均面粗さを持つ電極基体材料としてもよい。平均面粗さを測定する手段として走査型プローブ顕微鏡による観察が挙げられる。
本発明で使用する電極基体の大きさや厚さは、電解重合反応を実施する常識の範囲内で、目的に応じて任意に選ぶことができる。使用する電極基体の電導度は重合反応ができれば特に限定されるものではないが、電力のロスを考慮すると少なくとも10-9S/cm以上が適当であり、望ましくは10-6S/cm以上、特に望ましくは10-2S/cm以上である。
電極基体の表面を部分的にマスクして所望の大きさや形の多孔性材料を得ることもできる。
一方、陰極(対向電極)として使用する電極基体は、上記の陽極と同様、電力ロスの観点から電導度の高いものが望ましく、また、上記の陽極で述べたのと同様の材質でよい。陰極の大きさや形状は、陽極の大きさや形状に合わせて任意に設定することができる。
[芳香族化合物]
本発明の電解重合において、少なくとも一種の芳香族化合物を重合させて、導電性の多孔性材料を得る。該芳香族化合物は後述のフッ化物とともに、電解重合液中に存在させる。
本発明で用いられる芳香族化合物としては、特に限定されないが導電性高分子を得るために、例えばピロール、チオフェン、フラン、ピリジン、ベンゼン、アニリン、インドール、セレノフェン、アズレン、インデン、ピリダジン、イソチアナフテン、ナフタレン、アントラセン、ピレンフタロシアニン、アニリンの窒素原子を硫黄原子、酸素原子で置換したパラフェニレンスルフィド、パラフェニレンオキシド構造を有する芳香族化合物、及びそれらの誘導体などが挙げられる。また、本発明の電解重合において、ポリアリーレン系ポリマーのほか、ポリ(パラフェニレンビニレン)やポリ(チオフェンビニレン)などのように、上記芳香族化合物の芳香環とビニレン基の交互共重合体であるポリアリーレンビニレン系のポリマーを形成させてもよい。
上記芳香族化合物の誘導体の例として、芳香族化合物の水素原子の一部を炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、又はホスホニウム基などで置換した化合物が挙げられる。
これらの芳香族化合物を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の電解重合において、少なくとも一種の芳香族化合物を重合させて、導電性の多孔性材料を得る。該芳香族化合物は後述のフッ化物とともに、電解重合液中に存在させる。
本発明で用いられる芳香族化合物としては、特に限定されないが導電性高分子を得るために、例えばピロール、チオフェン、フラン、ピリジン、ベンゼン、アニリン、インドール、セレノフェン、アズレン、インデン、ピリダジン、イソチアナフテン、ナフタレン、アントラセン、ピレンフタロシアニン、アニリンの窒素原子を硫黄原子、酸素原子で置換したパラフェニレンスルフィド、パラフェニレンオキシド構造を有する芳香族化合物、及びそれらの誘導体などが挙げられる。また、本発明の電解重合において、ポリアリーレン系ポリマーのほか、ポリ(パラフェニレンビニレン)やポリ(チオフェンビニレン)などのように、上記芳香族化合物の芳香環とビニレン基の交互共重合体であるポリアリーレンビニレン系のポリマーを形成させてもよい。
上記芳香族化合物の誘導体の例として、芳香族化合物の水素原子の一部を炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、又はホスホニウム基などで置換した化合物が挙げられる。
これらの芳香族化合物を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用する特に好ましい芳香族化合物として、導電性が高い観点からピロール化合物及びチオフェン化合物が挙げられる。
ピロール化合物の具体例として、下記一般式(1)で表されるものがある。
(一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、又はホスホニウム基を示し、R1とR2は連結して環を形成していてもよい。)
このようなピロール化合物を一種又は二種以上使用することができる。
ピロール化合物としてピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール及び3−オクチルピロールが特に好ましく使用できる。
ピロール化合物の具体例として、下記一般式(1)で表されるものがある。
このようなピロール化合物を一種又は二種以上使用することができる。
ピロール化合物としてピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール及び3−オクチルピロールが特に好ましく使用できる。
チオフェン化合物の具体例として、下記一般式(2)で表されるものがある。
(一般式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、又はホスホニウム基を示し、R1とR2は連結して環を形成していてもよい。)。
このようなチオフェン化合物を一種又は二種以上使用することができる。
チオフェン化合物としてチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、及び3,4−エチレジオキシチオフェンが特に好ましく使用できる。
このようなチオフェン化合物を一種又は二種以上使用することができる。
チオフェン化合物としてチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、及び3,4−エチレジオキシチオフェンが特に好ましく使用できる。
[フッ化物]
本発明に用いられるフッ化物は、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びその塩類から選ばれる少なくとも一種である。
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドは具体的に、下記一般式(3)で示される。
(一般式(3)中、R3、R4はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜8のパーフルオロアルキル基を示し、R3とR4は連結して環を形成していてもよい。)
本発明で使用するビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドの更なる具体例として、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロエタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロパンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミドなどが挙げられる。このとき、基R3及びR4の長さが長いと、形成されるポリマーがフィブリル状となり、逆に短いとフィブリルの径が太く、多孔質状となる。従って、この基R3及びR4の長さを適宜選択することによって、用途とする電極の種類に応じて、多孔質材料を望ましい形状に制御することができる。
本発明に用いられるフッ化物は、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びその塩類から選ばれる少なくとも一種である。
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドは具体的に、下記一般式(3)で示される。
本発明で使用するビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドの更なる具体例として、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロエタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロパンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミドなどが挙げられる。このとき、基R3及びR4の長さが長いと、形成されるポリマーがフィブリル状となり、逆に短いとフィブリルの径が太く、多孔質状となる。従って、この基R3及びR4の長さを適宜選択することによって、用途とする電極の種類に応じて、多孔質材料を望ましい形状に制御することができる。
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドの塩としては特に限定はされず、用いる電解重合溶媒に応じて変更が可能である。例えば、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属イオンや、テトラエチルアンモニウムやテトラブチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、また、ピリジニウム塩やイミダイミダゾリウム塩などが挙げられる。
[電解重合液]
上述の芳香族化合物及びフッ化物を電解重合溶媒に溶解させて、電解重合液とする。本発明に用いられる電解重合溶媒としては、上述の芳香族化合物とフッ化物を溶解でき、芳香族化合物の電解重合電位において安定なものであれば特に限定はされないが、例えば、水、アセトニトリルなどのニトリル系、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン系、プロピレンカルボナートなどのカルボナート系、テトラヒドロフランなどを用いることができる。またこれらは単独、もしくは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。上述の中でも、ある程度の極性を有した有機溶媒、例えば、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロピレンカルボナート、テトラヒドロフランなどが好適に利用できる。ただし、上記フッ化物は非水溶性が強いためか、水溶媒中で重合した高分子は平滑なモルフォロジーになりやすいため、水を使用するときは有機溶媒と混和させることが望ましい。水と有機溶媒との混液を使用するときは、その体積比は水:有機溶媒が10:90〜90:10の範囲が適当である。中でも水とアルコールやアセトニトリルとの混液を好ましく用いることができる。
上述の芳香族化合物及びフッ化物を電解重合溶媒に溶解させて、電解重合液とする。本発明に用いられる電解重合溶媒としては、上述の芳香族化合物とフッ化物を溶解でき、芳香族化合物の電解重合電位において安定なものであれば特に限定はされないが、例えば、水、アセトニトリルなどのニトリル系、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン系、プロピレンカルボナートなどのカルボナート系、テトラヒドロフランなどを用いることができる。またこれらは単独、もしくは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。上述の中でも、ある程度の極性を有した有機溶媒、例えば、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロピレンカルボナート、テトラヒドロフランなどが好適に利用できる。ただし、上記フッ化物は非水溶性が強いためか、水溶媒中で重合した高分子は平滑なモルフォロジーになりやすいため、水を使用するときは有機溶媒と混和させることが望ましい。水と有機溶媒との混液を使用するときは、その体積比は水:有機溶媒が10:90〜90:10の範囲が適当である。中でも水とアルコールやアセトニトリルとの混液を好ましく用いることができる。
本発明における電解重合条件としては、予め上記芳香族化合物と上記フッ化物を溶解させた電解重合液中に、上記電極基体を浸漬させ、同じ電解重合液中に設置した対向電極との間に任意の電圧を印加することで重合を進行させる。このときの芳香族化合物濃度としては、0.01mol/L〜10mol/Lの範囲が望ましい、特に0.1mol/L〜3mol/Lの範囲がより望ましい。さらに、フッ化物濃度(mol/L)としては、芳香族化合物濃度に対して1/10〜100倍の範囲が望ましく、特に1/3〜20倍の範囲がより望ましい。また、印加電流密度としては、0.01mA/cm2〜100mA/cm2の範囲であることが望ましく、特に1mA/cm2〜10mA/cm2の範囲であることがより望ましい。
電解重合を実施するときの電解重合液の温度は特に規定されるものではないが、温度が低いと形成される重合体が緻密になる傾向があるので、この観点から任意に設定をすることができる。電解重合液の温度範囲は、その溶媒が固化・突沸しない範囲が適当であって一般に−30℃〜80℃である。電解重合における電圧、電流、温度及び時間は、要求する膜厚に応じて適宜選択することができる。
電解重合を実施するときの電解重合液の温度は特に規定されるものではないが、温度が低いと形成される重合体が緻密になる傾向があるので、この観点から任意に設定をすることができる。電解重合液の温度範囲は、その溶媒が固化・突沸しない範囲が適当であって一般に−30℃〜80℃である。電解重合における電圧、電流、温度及び時間は、要求する膜厚に応じて適宜選択することができる。
本発明により得られる多孔性材料の比表面積としては、使用する用途により最適値が異なるため特に限定はされないが、電気化学デバイス用電極として利用する場合、N2-BET比表面積が1000cm2/g以上、特に10m2/g以上であることが望ましい。
本発明により得られる多孔性材料の厚さは用途に応じて適宜選択できるが、一般的に1nm〜10cmの範囲である。また得られる多孔性材料はその電導度が10-9S/cm以上を示すものが望ましい。
本発明により得られる多孔性材料の厚さは用途に応じて適宜選択できるが、一般的に1nm〜10cmの範囲である。また得られる多孔性材料はその電導度が10-9S/cm以上を示すものが望ましい。
以上説明したような形態で電解重合を行なうことにより、導電性をも兼ね備えた多孔性材料を得ることができる。
このように形成された多孔性材料は電極基体上から分離して、そのまま、又は加工をして種々の製品、例えば吸着剤、触媒担体、特に電極として利用することができる。本発明による多孔性材料は具体的に電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極などに利用することができる。上記電気化学デバイスの例として電気二重層キャパシタ、電気化学キャパシタ、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。
また、本発明の多孔性材料の製造方法によれば、電極基体上に多孔性導電性ポリマーが形成されている導電性部材が得られる。この導電性部材はそのまま、又は加工をして、上記と同様の製品、具体例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極などに利用することができる。
本発明の多孔性材料又は導電性部材が利用される製品、例えば電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池などにおいて、その構造は特に規定されるものではなく従来公知の構造でよく、また、本発明の多孔性材料又は導電性部材以外に使用される部材や材料は従来公知のものを使用できる。
このように形成された多孔性材料は電極基体上から分離して、そのまま、又は加工をして種々の製品、例えば吸着剤、触媒担体、特に電極として利用することができる。本発明による多孔性材料は具体的に電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極などに利用することができる。上記電気化学デバイスの例として電気二重層キャパシタ、電気化学キャパシタ、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。
また、本発明の多孔性材料の製造方法によれば、電極基体上に多孔性導電性ポリマーが形成されている導電性部材が得られる。この導電性部材はそのまま、又は加工をして、上記と同様の製品、具体例として電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、及び色素増感型太陽電池用触媒電極などに利用することができる。
本発明の多孔性材料又は導電性部材が利用される製品、例えば電気化学デバイス、電解反応装置、及び色素増感型太陽電池などにおいて、その構造は特に規定されるものではなく従来公知の構造でよく、また、本発明の多孔性材料又は導電性部材以外に使用される部材や材料は従来公知のものを使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて、より詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
[実施例1]
FTOガラス(20mm×30mm、FTO膜厚0.4mm)を用意した。このFTOガラスの平均面粗さを、4μm四方の表面について走査型プローブ顕微鏡(「SPM」と略記する。SII社製)にて観察したところ、Ra=30nm以上であった。
ピロール 0.1mol/Lおよび、リチウムビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミド 0.1mol/Lを溶解させたアセトニトリル溶液中に上記FTOガラスを含浸させた後、1mA/cm2の定電流にて2時間電解重合を行なった。FTOガラス表面に生成した黒色のポリピロール膜を、アセトニトリルにて洗浄した後、100℃で15分乾燥させた。得られたポリピロール膜表面を走査電子顕微鏡(「SEM」と略記する。日立社製)にて観察したところ、図3のように多孔質状態であることが判った。
[実施例1]
FTOガラス(20mm×30mm、FTO膜厚0.4mm)を用意した。このFTOガラスの平均面粗さを、4μm四方の表面について走査型プローブ顕微鏡(「SPM」と略記する。SII社製)にて観察したところ、Ra=30nm以上であった。
ピロール 0.1mol/Lおよび、リチウムビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミド 0.1mol/Lを溶解させたアセトニトリル溶液中に上記FTOガラスを含浸させた後、1mA/cm2の定電流にて2時間電解重合を行なった。FTOガラス表面に生成した黒色のポリピロール膜を、アセトニトリルにて洗浄した後、100℃で15分乾燥させた。得られたポリピロール膜表面を走査電子顕微鏡(「SEM」と略記する。日立社製)にて観察したところ、図3のように多孔質状態であることが判った。
[実施例2]
芳香族化合物を3,4−エチレンジオキシチオフェン、フッ化物を、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、溶媒を、水:エタノール(体積比)2:1とした以外は、実施例1と同様の操作を行なった。得られたポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)膜表面は図3と同様に多孔質状態となった。
芳香族化合物を3,4−エチレンジオキシチオフェン、フッ化物を、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、溶媒を、水:エタノール(体積比)2:1とした以外は、実施例1と同様の操作を行なった。得られたポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)膜表面は図3と同様に多孔質状態となった。
[実施例3]
フッ化物を、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、溶媒を、水:エタノール2:1とした以外は、実施例1と同様に行なった。得られたポリピロール膜表面は図3と同様に多孔質状態となった。
フッ化物を、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、溶媒を、水:エタノール2:1とした以外は、実施例1と同様に行なった。得られたポリピロール膜表面は図3と同様に多孔質状態となった。
[比較例1]
実施例1と同様の操作により、但しリチウムビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミドの代わりにテトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホン酸を用いて、電解重合を行った。得られた高分子膜表面は図1に示すように粒塊が生成していた。
実施例1と同様の操作により、但しリチウムビス(トリフルオロブタンスルホニル)イミドの代わりにテトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホン酸を用いて、電解重合を行った。得られた高分子膜表面は図1に示すように粒塊が生成していた。
[比較例2]
実施例2と同様の操作により、但しリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりにポリビニルスルホン酸ナトリウムを用いて、電解重合を行った。
実施例2と同様の操作により、但しリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりにポリビニルスルホン酸ナトリウムを用いて、電解重合を行った。
[応用例1](電気化学キャパシタ)
実施例1〜3の手法により、多孔性高分子材料をそれぞれ2枚作製したのち、電極基体から剥離し、円形(直径13mm)に打ち抜いた。得られた2枚の高分子材料を電極(正極、負極)とし、2mol/Lの硫酸水溶液を電解液とし、セパレータとして市販の多孔質プロピレン膜を挟んでステンレス製コイン型ケースに入れ、図4のように電気化学キャパシタを作製した。これを、使用した電極材料あたり15mA/gの定電流充放電を行い、得られた放電曲線から放電容量を求め、電極活物質の重量当りの容量を算出したところ表1のようになった。一方、比較例1および2で得られた高分子材料も、上記と同様に使用して電気化学キャパシタを作製し、上記と同様に放電容量を求めた。
それらの結果を表1に示す。
実施例1〜3の手法により、多孔性高分子材料をそれぞれ2枚作製したのち、電極基体から剥離し、円形(直径13mm)に打ち抜いた。得られた2枚の高分子材料を電極(正極、負極)とし、2mol/Lの硫酸水溶液を電解液とし、セパレータとして市販の多孔質プロピレン膜を挟んでステンレス製コイン型ケースに入れ、図4のように電気化学キャパシタを作製した。これを、使用した電極材料あたり15mA/gの定電流充放電を行い、得られた放電曲線から放電容量を求め、電極活物質の重量当りの容量を算出したところ表1のようになった。一方、比較例1および2で得られた高分子材料も、上記と同様に使用して電気化学キャパシタを作製し、上記と同様に放電容量を求めた。
それらの結果を表1に示す。
[応用例2](色素増感型太陽電池)
図5にて示される構造を有する色素増感型太陽電池を作製した。
FTOガラスの表面に二酸化チタンペーストをバーコーターで塗布し、乾燥後450℃で30分焼成して作製した多孔質酸化チタン半導体電極(図5の下部10〜12の構造)を、一旦150℃まで再加熱してから、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体のエタノール溶液に一晩浸漬させて、色素電極を作製した(図5の下部10〜13の構造)。さらに、上記実施例3と同様の手法で、但し電解重合時間を1分として作製した導電性部材(FTOガラス上に多孔質ポリピロール膜が形成されたもの、図5の上部10、11及び15の構造、触媒電極ともいう)と、前記の色素電極とを対向させ、ヨウ化リチウム、ヨウ素、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含むメトキシアセトニトリル溶液からなる電解質溶液を毛管現象にて両電極間に含浸させて電解質層(図5の14)を形成した。
光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して光電変換効率を評価したところ、5.6%であった。
一方、上記と同様の操作により、但し色素電極と対向させる部材を、比較例1の手法で電解重合時間を1分として得られた導電性部材(FTOガラス上にポリピロール膜が形成されたもの)に換えて、色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池では、上記と同様にして求めた光電変換効率が3.2%であった。
以上の結果から、本発明で得られた多孔性材料を電極として用いた色素増感型太陽電池は、変換効率が優れていることが判る。
図5にて示される構造を有する色素増感型太陽電池を作製した。
FTOガラスの表面に二酸化チタンペーストをバーコーターで塗布し、乾燥後450℃で30分焼成して作製した多孔質酸化チタン半導体電極(図5の下部10〜12の構造)を、一旦150℃まで再加熱してから、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体のエタノール溶液に一晩浸漬させて、色素電極を作製した(図5の下部10〜13の構造)。さらに、上記実施例3と同様の手法で、但し電解重合時間を1分として作製した導電性部材(FTOガラス上に多孔質ポリピロール膜が形成されたもの、図5の上部10、11及び15の構造、触媒電極ともいう)と、前記の色素電極とを対向させ、ヨウ化リチウム、ヨウ素、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含むメトキシアセトニトリル溶液からなる電解質溶液を毛管現象にて両電極間に含浸させて電解質層(図5の14)を形成した。
光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して光電変換効率を評価したところ、5.6%であった。
一方、上記と同様の操作により、但し色素電極と対向させる部材を、比較例1の手法で電解重合時間を1分として得られた導電性部材(FTOガラス上にポリピロール膜が形成されたもの)に換えて、色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池では、上記と同様にして求めた光電変換効率が3.2%であった。
以上の結果から、本発明で得られた多孔性材料を電極として用いた色素増感型太陽電池は、変換効率が優れていることが判る。
1 負極ケース
2 負極
3 集電体
4 電解質
5 セパレータ
6 正極
7 正極ケース
8 ガスケット
9 電極基体
10 透明基体(透明ガラス)
11 透明導電膜(FTO)
12 多孔質金属酸化物半導体層
13 増感色素層
14 電解質層
15 多孔性導電性高分子層
2 負極
3 集電体
4 電解質
5 セパレータ
6 正極
7 正極ケース
8 ガスケット
9 電極基体
10 透明基体(透明ガラス)
11 透明導電膜(FTO)
12 多孔質金属酸化物半導体層
13 増感色素層
14 電解質層
15 多孔性導電性高分子層
Claims (14)
- ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成することを含む、多孔性材料の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする多孔性材料の製造方法。
- 該少なくとも一種の芳香族化合物が、下記一般式(1)で表されるピロール化合物から選ばれる、請求項1記載の方法。
- 該少なくとも一種の芳香族化合物がピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール、及び3−オクチルピロールからなる群から選ばれる、請求項2記載の方法。
- 該少なくとも一種の芳香族化合物が下記一般式(2)で表されるチオフェン化合物から選ばれる、請求項1記載の方法。
- 該少なくとも一種の芳香族化合物がチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、及び3,4−エチレジオキシチオフェンからなる群から選ばれる、請求項4記載の方法。
- ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドが、下記一般式(3)で表される化合物から選ばれる、請求項1記載の方法。
- 該多孔性材料の比表面積が10m2/g以上である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- さらに、形成された多孔性材料を電極基体から分離することを含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法により得られた多孔性材料。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法により得られた多孔性材料を用いた製品。
- 該製品が電気化学デバイス用電極、電解反応装置用電極、又は色素増感型太陽電池用触媒電極である、請求項10記載の製品。
- 該製品が電気化学デバイス、電解反応装置、又は色素増感型太陽電池である、請求項10記載の製品。
- 導電性基体表面上に多孔性導電性ポリマーが設けられている導電性部材であって、該導電性基体において多孔性導電性ポリマーが設けられている表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする、導電性部材。
- ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種を含有する溶液中で、電極基体表面上に少なくとも一種の芳香族化合物を電解重合させて電極基体表面上に導電性ポリマーを形成することを含む、導電性部材の製造方法であって、該電極基体表面の平均面粗さが10nm以上であることを特徴とする導電性部材の製造方法。
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