JP2006349377A - 2自由度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象400と、前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出部402と、検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出部404と、前記第1、第2の検出部の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算処理部とを有する。
【選択図】 図11
Description
可動軸軸方向の移動量はリニアセンサ104、回転方向の回転角度量は回転センサ106によって検出され、コントローラ108にフィードバックされる。
コントローラ108はリニアセンサ104、回転センサ106のフィードバック信号をもとに可動軸102の位置・角度制御を行うように構成されている(特許文献1参照)。
(1)可動軸の直線運動、回転運動によるセンサの出力誤差を発生させない構成が必要となる。例えば、リニアセンサは、測定対象が回転しても直線運動量を検出でき、かつ測定対象が直線運動せずに回転した場合に出力誤差を生じない必要がある。回転センサについても同様である。すなわち2種類のセンサが出力誤差を生じない工夫が必要であるため、センサの構成が複雑化するという問題が有った。
(3)2自由度アクチュエータの可動軸の直線運動と回転運動に対し、それぞれ検出対象、検出部などが必要になるため、センサのコストが高くなるという問題も有った。
また、検出対象に形成される凹凸を単に増やすだけで2自由度センサの検出範囲を広げることができる。
さらに、本発明によれば、複雑な構造を必要としないため、部品点数が少なくてすみ、小型化、低コスト化が図れる。
また、2相正弦波から逆正接によって位置を求めることにより、検出対象の寸法誤差や素子の温度変化の影響を少なくすることができる。
さらに、4つの検出部を複数組設け、それぞれ平均を取れば、更に精度良く測定を行うことができる。
さらに、PD(Photo Diode)やPSD(Position Sensitive Detector)を、検出部を構成する検出素子として使用できるので、2自由度アクチュエータに磁束変化の影響を与えることなく精度よく2方向の運動量の測定を行うことができる。
検出対象を非金属材料で構成しなければならない場合でも適用できる。
本発明の第1実施形態に係る2自由度センサの構成を図1に示す。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸の2方向(可動軸軸方向、回転方向)の運動量を検出する機能を有する。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸10に設けられた検出対象12と、複数の検出素子で構成される検出部40と、検出部40の出力に基づいて可動軸10の可動軸軸方向、回転方向の運動量を算出する演算処理部50とを有している。図1(a)は2自由度センサの腰部の構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)の正面図、図1(c)は図1(a)の側面図である。
また、検出対象12は可動軸10の軸方向から見て一定幅t1の凹凸14と、可動軸10の回転方向である円周方向から見て一定幅t2の凹凸14を有している。
検出部40の各検出素子群A、Bは、それぞれ4つの検出素子20からなる。本実施形態での検出素子は、コの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであり、検出素子群Aの各検出素子20は、検出素子群Bの各検出素子に対して垂直に配置されている。
検出素子群Aにおいて、4つの検出素子20はそれぞれ検出対象12における凸部と対面する部分がt1× (2・n・t2)の寸法を有する(ただしnは整数)。また、図1(b)に示すように検出対象の凹凸に対し,それぞれ異なる位相で配置される。
また、図1(c)に示すように検出対象12における凹凸14に対し、それぞれ異なる位相で配置される。
図2に、検出対象12と検出素子群Aを直線状に展開した図を示す。同図において、検出素子群Aを構成する4つの検出素子20を区別するために、検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'とする。検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'は、図2(a)に示すように検出対象12に形成された凹凸に対して位相がt1/2づつ、ずらして配置されている。なお位相間係が成り立てば、検出素子同士は離れていても良く、また並び方が順不同であっても良い。
各検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'の励磁コイルに磁束が強め合う向きの電流が流れると、検出素子と検出対象12間に磁気回路が形成される。
なお、θ1は検出対象12の移動量l1を1周期(2π)とした場合の相当角度を表す。また、位相関係が図2(a)となるある位置を相当角度0とする。
図3(a)と図3(b)に示す検出素子aθと検出素子aθ'のインダクタンス、あるいは図3(c)と図3(d)に示す検出素子bθと検出素子bθ'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式で表す2相正弦波出力を得ることができる。
βθ=Lbθ−Lb'θ=2・L2・sin (θ1+π/2)=2・L2-cos (θ1) …(2)
式(1)、(2)より、回転運動量θは検出素子群Aの出力から次式で表すことができる。
ここでNcは基準位置からの正弦波αθの周期数であり、Nθは図1(b)の凸部の数を表す。
図4に、検出対象12と検出素子群Bを一列上に並べた図を示す。なお、回転運動量検出の説明と重複する部分についての説明は省略する。
検出素子az、bz、 az'、 bz’は、図4(a)に示すように検出対象の凹凸に対して位相がt2/2づつ、ずらして配置されている。なお、検出素子は、図1(c)に示すように円周面上に配置しても構わない。
図5(a)と図5(b)に示す、検出素子azと検出素子az'のインダクタンスあるいは図5(c)と図5(d)に示す検出素子bzと検出素子bz'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式(4)、(5)で表す2相正弦波出力を得ることができる。これは、回転運動量検出の場合と同様に、直線運動量のみで決まる値となる。
βz=Lbz−Lbz'=2・L4・sin (θ2+π/2)=2・L4・cos (θ2) …(5)
式(4)、(5)より、直線運動量Zは、検出素子群Bの出力から次式で表すことができる。
Z=l2・{Nz+tan−1 (αz/βz)/(2π)} …(6)
ここでNzは基準位置からの正弦波αzの周期数である。
本発明の第2実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図6に示す。本発明の第2実施形態に係る2自由度センサは、検出対象を平面とし、直交する X軸、Y軸2方向に移動する検出対象の移動量を検出するように構成したものであり、他の構成は第1実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。図6において、複数(本実施形態では4つ)の検出素子からなる検出素子群Aと、検出素子群Bが検出対象60に対面するように配置されている。第1実施形態と同様に検出素子群Aの各検出素子と、検出素子群Bの各検出素子は、互いに直交するように配置されている。
なお、本実施形態に係る2自由度センサは、検出対象が固定側で移動量を検出する、検出素子群A,Bを含む検出部が可動側となるように構成してもよい。
本発明の動作原理を用いることにより、2自由度アクチュエータによる平面運動の移動量を測定できる。
次に、本発明の第3実施形態に係る2自由度センサの構成を図7に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、同一の検出方向について検出素子群を2組以上設置し、各検出素子群の出力の平均値を真値として求めるようにしたものである。
一例として、図7に2自由度アクチュエータの可動軸の円周方向に第1実施形態(図1)と同一構成の検出素子からなる検出素子群Aを2組、すなわち検出素子群A1,A2を配置した場合を示す。図7(a)は可動軸の円周上に2組設置した場合であり、図7(b)は可動軸10の軸方向に検出素子群A1,A2を2組、設置した例をそれぞれ示している。図7(a)、(b)において、検出素子1−1〜1−4は検出素子群A1に属し、検出素子2−1〜2−4は検出素子群A2に属している。
θ2= (360°/Nθ){Nc+tan −1 (αθ2/βθ2)/(2π)}…(8)
平均回転運動量θ’=(θ1+θ2)/2を求めることにより、本発明の精度を上げることができる。
また、第1実施形態(図1)と同様に検出素子群Aの各検出素子と直交する方向に各検出素子が配置される検出素子群Bを2組以上設置し、第1実施形態と同様に各検出素子群の出力からそれぞれ、図示してない演算処理部において式(6)により直線運動量を算出し、2つの直線運動量の平均値を求めることにより、直線運動量Zの精度の向上が図れる。
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出部として渦電流式や静電容量式などの変位センサを用いるように構成したものである。
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図8に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動部、例えば、第1実施形態と同様の直線運動と回転運動を行う可動軸10の運動量を検出する検出部として変位センサ70を配置したものである。
例えば、検出対象を形成するのに磁性体を使用できない場合、非磁性体用の渦電流変位センサを用いることにより本発明の効果が得られる。
本発明の第5実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出素子として受光量や受光位置により出力が変化する素子、例えば、フォトダイオード(PD:Photo Diode)や、位置検出素子(PSD:Position Sensitve Detector)などを用いるように構成したものである。他の構成は第1、第3実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
したがって、第5実施形態に係る2自由度センサによれば、検出素子としてコアとヨークを用いた他の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本変形例により、たとえば検出部の磁束が2自由度アクチュエータの駆動に有害な影響を与える場合や、検出対象を樹脂成形品などの非金属で構成しなければならない場合など、検出素子としてフォトダイオードなどを用いることにより本発明の効果が得られる。
これまでの第1実施形態〜第5実施形態及び変形例では1つの検出素子群に4つの検出素子を配置しているが、これに限らず、2自由度アクチュエータの可動部における各方向の運動量検出用に検出素子が1つ以上であれば良い。
本発明の第6実施形態に係る2自由度センサの構成を図11に概念的に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2方向の運動量を検出するのに、各方向について検出部として検出素子を一つ配置するように構成したものである。
本実施形態では、検出対象は、図6に示した平面状のものであり、検出素子は、図6に示した第2実施形態に係る2自由度センサと同様にコの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであるとする。
また、各検出方向A,Bにそれぞれ2つの検出素子を用意し、検出対象400の凹凸に対し位相がπ異なるように配置してそれらの検出素子の出力である矩形波を波形成形すれば、高分解能化に加えて移動方向も検出することができる。
以上のように、色々な構成を取ることが可能である。
これまでの各実施形態及び変形例では検出対象を一体物として構成しているが、複数部品から構成されていても良い。また、複数の検出素子を含む検出部(検出素子群)を、複数部品で構成されるのではなく一体物(一体的に構成されたもの)であっても良い。図12に、本発明の第7実施形態に係る2自由度センサの構成を示す。すなわち検出対象を場合と、検出素子を一体物で構成した場合の構成例を示す。
また、図12(b)は、枠体522の内側に複数の検出素子521を一体的に設け、かつ2自由度アクチュエータの可動部(例えば、可動軸)510に嵌装可能に構成したものであり、検出部520を一体物(1部品)で構成した例を示している。図12(a)に示す構成では、検出対象の各部品をプレスなどで加工可能であるため、コストの低減が図れる。
また図12(b)に示す構成では、検出素子をそのまま2自由度アクチュエータの1部品として組込めるため、設計の手間が省け、2自由度センサの小型化が図れる。
Claims (7)
- A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、
可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象と、
前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出手段と、
検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出手段と、
前記第1、第2の検出手段の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算手段と、
を有することを特徴とする2自由度センサ。 - 前記第1の検出手段は、M個×m組(Mは4以上の偶数、mは1以上の整数)の素子で構成され、かつm組目のM個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がB方向から見て0、2π・(1/M)、2π・(2/M)、…、2π・(M-1/M)である素子群から成るm組の第1の検出部a1、a2、…、amからなり、
前記第2の検出手段は、N個×n組の素子で構成され、かつn組目のN個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がA方向から見て0、2π・(1/N)、 2π・(2/N)、…、2π・(N-1/N)である素子群から成るn組の第2の検出部b1、b2、…、bnからなり、
前記演算手段は、m組の第1の検出部a1、a2、…、amおよびn組の第2の検出部b1、b2、…、bnの出力変化を演算処理し、前記検出対象のA方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の2自由度センサ。 - 前記第1の検出部及び第2の検出部は、コイルとヨークからなる素子で構成され、
前記演算手段は、前記第1の検出手段および第2の検出手段におけるインダクタンス変化を演算処理し、検出対象のA方向運動量をαa、βaおよびB方向の運動量をαb、βbの2相正弦波として算出することを特徴とする請求項2に記載の2自由度センサ。 - 前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子で構成され、
検出対象の凸部には中空状に孔が設けられており、
前記検出対象内に設置され、前記凸部に設けられた前記孔から光を出射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出すること特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の2自由度センサ。 - 前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子であり、前記検出対象の前記凸部からの反射光を受光するようになっており、
検出対象外に設置され、前記検出対象の凸部に光を照射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする2自由度センサ。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出対象は、複数部品で構成されることを特徴とする2自由度センサ。
- 前記検出部は、一体物で構成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサ。
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