JP2006348695A - 可動クロッシング吊上金具及び可動クロッシング吊上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 この発明は鉄道の分岐器における可動クロッシングの保守点検作業ための吊上金具及び吊上方法に関し、可動クロッシングの保守作業時において可動クロッシングの平衡を保った吊上(昇降)操作を確実に行うことがようにすることを目的とする。
【解決手段】 鉄道軌道の分岐器における可動クロッシングの保守作業に使用する可動クロッシング吊上金具40は板状をなし、一対のレール係合突起42を形成しており、レール係合突起42間のレール底面嵌合溝44は、トングレールとの連結部位に近接し、隣接した枕木間に位置される可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状をなしている。吊上作業時に金具40を隣接の枕木間に挿入し、可動クロッシングの曲折部26をその下面において金具のレール底面嵌合溝44に嵌着する。そして、吊上金具の四隅に位置する孔46に吊上索を掛装し、山越器による吊上作業を行う。
【選択図】 図5
【解決手段】 鉄道軌道の分岐器における可動クロッシングの保守作業に使用する可動クロッシング吊上金具40は板状をなし、一対のレール係合突起42を形成しており、レール係合突起42間のレール底面嵌合溝44は、トングレールとの連結部位に近接し、隣接した枕木間に位置される可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状をなしている。吊上作業時に金具40を隣接の枕木間に挿入し、可動クロッシングの曲折部26をその下面において金具のレール底面嵌合溝44に嵌着する。そして、吊上金具の四隅に位置する孔46に吊上索を掛装し、山越器による吊上作業を行う。
【選択図】 図5
Description
この発明は鉄道の分岐器における可動クロッシングの保守点検作業ための吊上金具及び吊上方法に関するものである。
可動クロッシングは分岐器での切替の際に、ノーズを移動させることで、異線へのフランジウエイを完全封鎖することで、高速での安定な分岐動作が得られるようにしたもので、新幹線などの高速鉄道には広く採用されている。可動クロッシングにおいてはノーズ部が基部に対して弾性変形することにより分岐動作を行う。長期にわたって確実な分岐動作を行わしめるため、素材として靭性に富み高強度のモリブデン鋼を採用しているが、安全確保のためクラック等の損傷の有無を確認するべく定期的な保守作業が必須である。可動クロッシングの構造一般については特許文献1等を参照されたい。
特開2002−38404号公報
可動クロッシングの保守作業時、可動クロッシングを枕木に固定しているナット類を取り外し、一対の山越器を可動クロッシング両端を跨ぐように配置し、夫々の可動クロッシング端部にワイヤを掛装させ、ワイヤを巻き上げることにより可動クロッシングを吊上げている。しかしながら、可動クロッシングの吊上げの際に可動クロッシングが傾きやくす、スムースな作業が行い難かった。即ち、可動クロッシングは3ン近い重量物であり、しかもその異形形状故に、単にワイヤ掛装させ吊上げるだけでは重量バランスが崩れやすく、水平状態を維持して作業することが困難であったのである。
この発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、可動クロッシングの保守作業時において可動クロッシングの平衡状態をいつも維持して吊上(昇降)操作を行うことがようにすることを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、鉄道軌道の分岐器における可動クロッシングの保守作業に使用する可動クロッシング吊上金具であって、トングレールとの連結部位に近接した可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状の溝部を形成し、該溝部の両側に吊上索の錨止部を具備したことを特徴とする可動クロッシング吊上金具が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、鉄道軌道の転轍機における可動クロッシングの保守作業のための可動クロッシング吊上方法であって、トングレールとの連結部位に近接した可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状の溝部を形成し、該溝部の両側に吊上索の錨止部を具備した可動クロッシング吊上金具を準備し、前記金具を隣接した枕木の間より可動クロッシングの曲折部の下方に導入し、可動クロッシングの先端及び可動クロッシング吊上金具の錨止部に吊上索を錨止することにより可動クロッシングを吊上げ、これにより可動クロッシングの保守作業を行うことを特徴とする方法が提供される。
この発明によれば、可動クロッシング吊上金具はトングレールとの連結部位に近接した可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状の溝部を形成している。また、この曲折部は隣接した枕木の間に位置しており、可動クロッシングの下方に金具を挿入する隙間が存している。従って、金具を可動クロッシング曲折部下面に全面においてぴったり嵌合させた状態で山越器の巻上機からの吊上索により掛装させ、可動クロッシングの異形形状に関らず、ノーズ部から離間側の端部においてトングレールを安定保持することができる。他方、ノーズ側端部は先鋭な先端部を形成しているため、吊上げ索の掛装のみで吊上索により安定保持が可能である。従って、両端の山越器により可動クロッシングをバランスよく実質的に水平を維持した状態で昇降させることができ、可動クロッシングの効率的な保守点検作業を実現させることができる。
図1はこの鉄道軌道の分岐器の実施形態を模式的に示しており、10, 12は一対の翼レールであり、翼レール10, 12はクロッシング溝形成部材16に一体に連なっている。翼レール10, 12及びクロッシング溝形成部材16は枕木18上に周知のように床板及び座金及びボルト・ナットにより固定されている。簡明を図るためこれらの固定手段は図示されていない。クロッシング溝形成部材16はクロッシング溝16´を形成しており、クロッシング溝16´に可動クロッシング20が載置されている。可動クロッシング20は鉤状をなしており、先端が尖ったノーズ部20-1と、ノーズ部20-1から延びる長ノーズレール20-2と、長ノーズレール20-2に対して所定角度でノーズ部20-1から延びる短ノーズレール20-3とからなる。長ノーズレール20-2は第1主レール22に接続されている。即ち、第1主レール22の先端部は長ノーズレール20-2と側面同士で密着しつつ緩い楔状をなしたトングレール22´となっており、長ノーズレール20-2はノーズ先端から離間側の基部20-2'においてボルト及びナット24によって枕木18上の床板(図示しない)に固定されている。トングレール22´との接続部位より幾分先端側(ノーズ部20-1の側)の長ノーズレール20-2の部位において、可動クロッシングは曲折部(長ノーズレール20-2からトングレール22´への移行部)26をなしており、曲折部26は隣接する枕木18の間に位置している。また、短ノーズレール20-3は第2主レール30の先端の楔状部に密接せしめられている。従って、可動クロッシング20は基部20-2'のみが枕木18側に固定されており、それ以外の部位はフリーであり、そのため後述のようにノーズ部20-1はクロッシング溝16´内で可動とされる。
可動クロッシング20のノーズ部20-1は下面に複数のピン状突起部32(図2参照)を備えており、この突起部32は電動式転轍機への接続部となっており、電動式転轍機によってノーズ部20-1が駆動せしめられ、切替が行われる。即ち、電動式転轍機が非作動の通常時においては、ノーズ部20-1は図1の実線のように翼レール10に密接し、フランジウエイaが矢印のように形成される。他方、電動式転轍機が通電を受けると、ノーズ部20-1は突起部32を介して図1の矢印cのように引っ張られ、ノーズ部20-1は枕木に対する固定部20-2'に対して弾性変位され、破線20-1Aで示すように翼レール12に当接せしめられ、フランジウエイが矢印bのように形成される。
以上のように可動クロッシングではノーズ部20-1は転轍動作のたびに弾性変形を繰り返しており、素材の繰り返し疲労による損傷の有無の検査等の作業のため、定期的な保守作業が必要とされる。保守作業の際にボルト及びナット24を緩め、可動クロッシング16の先端部位(突起部32の部位)および可動クロッシング16の後端部位(曲折部26)の前後2箇所において山越器によりクロッシング溝16´から吊上げ、この吊上げ状態で検査を行っていた。しかしながら、従来は巻上機のロードチェーン(吊上索)を掛装するだけであり、他方、可動クロッシングは長ノーズレール20-2と短ノーズレール20-3とからなる鉤状をなし、長さが10メートルを超え、重さとしても5トンに及ぶものであるため、長ノーズレール20-2に吊上索を掛装するだけではバランスが崩れやすく、作業性が著しく良くなかった。
この発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、吊上げ時のバランス崩れの原因となる長ノーズレール20-2側で安定な保持を行う金具を工夫したものである。即ち、この金具は図1において40にて示され、可動クロッシングの保守作業時、枕木18間に位置する可動クロッシング曲折部26の下面に挿入され、可動クロッシング20にその底面より係合せしめらる。図3及び図4に示すように、全体としては平板状をなし、その上面に一対のレール係合突起42が形成され、レール係合突起42間には可動クロッシングの曲折部26の底面形状と相補的な形状のレール底面嵌合溝44が形成される。レール係合突起42は全体的には傾斜した直線に沿っているがトングレール側ではレール底面形状に合わせて水平部分42´を呈している。金具40は可動クロッシングの吊上げ作業時に隣接した枕木18間に位置している可動クロッシング曲折部26の下方に嵌着式に装着するものであり、幅Wは枕木18間の間隔より幾分狭く、また枕木間に位置する面(図3の上下面)は可動クロッシング曲折部26の傾斜に合わせて傾斜している。そして、レール底面嵌合溝44の外側における金具40の四隅には山越器(図示)からのロードチェーンからの吊上索の掛装用の孔46(この発明の吊上索の錨止部)が形成される。
可動クロッシングの保守作業時、ボルト(床板から直立している)及びナット24を緩め、ナットは取り外される。また、1台の山越器(図示せず)がノーズ部20-1を跨ぐように位置され、そのロードチェーン(図2)からの吊上げ索(ワイヤケーブル等)50は中間のピン状突起部32に巻き掛けられる。他方の山越器は可動クロッシングの長ノーズレール20-2におけるトングレール22´への移行部としての曲折部26を跨ぐように位置され、また、曲折部26の下方に吊上金具40が挿入される。即ち、図5に示すように曲折部26の部位では枕木は存在せず、砕石のみであり、下面への吊上金具40の挿入が可能である。図5に示すようにトングレール20(長ノーズレール20-2)下面のフランジ部が吊上金具40間のレール底面嵌合溝44に嵌合される。レール底面嵌合溝44は曲折部26の曲折形状と相補的であるため、曲折部26をその下面全面にてレール底面嵌合溝44にピッタリと嵌合させることができる。そして、吊上金具40の4隅に設けられた孔46にワイヤケーブル60がループ60´にて掛装され、ワイヤケーブル60は山越器のロードチェーン側に連結される。この際に、吊上金具40に4隅において均等な力が加わるようにケーブル60の装着を行うことは言うまでもない。そして、前後の山越器の巻上機を操作することにより、ケーブル50, 60により可動クロッシング20の吊上げを行う。従来、ノーズ20-1の側と同様長ノーズレール20-2の側においてもワイヤをレールに巻き付け式に保持するだけで、吊上げ作業が行われており、短ノーズレール20-3の側の重みにより吊上げ時の平衡が保ち難かったが、この発明では長ノーズレール20-2側は、曲折部26と相補的なレール底面嵌合溝44にピッタリ嵌合させているため、金具40は曲折部26をその底面の全体で保持しており、安定性が増すため吊上げ時の平衡の崩れが少なく、可動クロッシング20の実質的な水平を維持して作業を行うことができ、可動クロッシングの保守・点検作業における効率の向上を実現することができる。
吊上金具40のレール係合突起42(例えば上り線用)を上面に加え、下面に同一位置に設けることができる。この場合、裏返して使用することにより逆方向(下り線)のクロッシング部分において可動クロッシングの吊上作業に使用することができ、吊上金具を上下線で共用でき便利である。
10, 12…翼レール
16…クロッシング溝形成部材
16´…クロッシング溝
18…枕木
20…可動クロッシング
20-1…ノーズ部
20-2…長ノーズレール
20-3…短ノーズレール
32…突起部(電動式転轍機への接続部)
40…吊上金具
42…レール係合突起
44…レール底面嵌合溝
46…吊上索掛装用の孔
16…クロッシング溝形成部材
16´…クロッシング溝
18…枕木
20…可動クロッシング
20-1…ノーズ部
20-2…長ノーズレール
20-3…短ノーズレール
32…突起部(電動式転轍機への接続部)
40…吊上金具
42…レール係合突起
44…レール底面嵌合溝
46…吊上索掛装用の孔
Claims (2)
- 鉄道軌道の分岐器における可動クロッシングの保守作業に使用する可動クロッシング吊上金具であって、トングレールとの連結部位に近接した可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状の溝部を形成し、該溝部の両側に吊上索の錨止部を具備したことを特徴とする可動クロッシング吊上金具。
- 鉄道軌道の転轍機における可動クロッシングの保守作業のための可動クロッシング吊上方法であって、トングレールとの連結部位に近接した可動クロッシングの曲折部の底面に相補的な形状の溝部を形成し、該溝部の両側に吊上索の錨止部を具備した可動クロッシング吊上金具を準備し、前記金具を隣接した枕木の間より可動クロッシングの曲折部の下方に導入し、可動クロッシングの先端及び可動クロッシング吊上金具の錨止部に吊上索を錨止することにより可動クロッシングを吊上げ、これにより可動クロッシングの保守作業を行うことを特徴とする方法。
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2005
- 2005-06-20 JP JP2005179370A patent/JP2006348695A/ja active Pending
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