JP2006347117A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多大なコストアップをすることなく、複数の排出ローラでの搬送精度向上を図り、シートの後端部における良好な記録画像を提供する。
【解決手段】 記録ヘッド11よりも搬送方向下流側においてシートPを搬送する排出ローラを有し、該排出ローラ16,17を搬送方向に複数配置した排出ユニット7において、前記複数の排出ローラ16,17のうち、シート搬送方向最下流側の第二排出ローラ17を、これよりも上流側の第一排出ローラ16に比べて高精度に形成し、上流側の第一排出ローラ16は、ローラ部も含めて一体成形の樹脂で構成し、ローラ部の拍車の対向部は拍車歯先と当接しないように逃がした構成としたことを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、記録手段よりも搬送方向下流側においてシートを搬送する搬送手段を複数有するシート搬送装置に係わる記録装置に関し、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ等の記録装置において記録がなされた記録媒体を排出搬送する搬送装置に関するものである。
従来、インクジェットプリンタ等の記録装置において、記録紙等のシートを搬送する一般的な搬送装置について図7を用いて簡単に説明する。
図7に示すように、シートは、主搬送ローラ113とピンチローラ118によって挟持搬送され、その下流に配置された記録ヘッド111により記録が行われる。そして、記録がなされたシートは、記録ヘッド111の下流に配置された第一排出ローラ116と拍車119、及び第二排出ローラ117と拍車120により排出される。ここでは、排出ローラを2本用いることにより、主搬送ローラ113とピンチローラ118のニップ部をシート後端が抜けた後のシートの姿勢安定を図っている。
特開2002−96513号公報
従来、主搬送ローラでシートを搬送している領域と排出ローラのみでのシートを搬送している領域でシート搬送精度に差があったが、主にテキスト印字やグラフィック印字が出力画像の中心であり、その搬送精度の差は大きな問題ではなかった。
しかしながら、近年の記録装置の画質向上に伴い写真調の記録をシートの印字可能領域いっぱいに記録する傾向が強まり、排出ローラのみでのシート搬送精度を向上させ、主搬送ローラとのシート搬送精度の差を少なくすることが望まれてきた。
そのため、排出ローラのみでのシート搬送精度を主搬送ローラと同等程度に向上させるという手段が考えられるが、上述したような複数本の排出ローラが必要な従来構成においては、全ての排出ローラのシート搬送精度を向上させるためには多大なコストが必要となっていた。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多大なコストアップをすることなく、複数の排出ローラでの搬送精度向上を図り、シートの後端部における良好な記録画像を提供する記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、記録手段よりも搬送方向下流側においてシートを搬送する搬送手段を有し、該搬送手段を搬送方向に複数配置し、該搬送ローラに記録シートを押圧するための拍車を有する記録装置において、前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ1と前記最下流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ2はμ1<μ2となるように構成し、且つ前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の拍車対向部は記録シートを搬送していないときに拍車の記録シート当接部とローラのシート当接部が接触しないようにシート当接部を逃がした形状とし、上流側の搬送回転体はコストの安い樹脂で形成したことを特徴とする。
前記搬送回転体は、回転中心となるシャフトと、該シャフトと一体に回転してシートを搬送するローラ部と、を有し、シート搬送方向最下流側の搬送回転体は金属製のシャフトにローラ部はゴム部材を用い、これよりも上流側の搬送回転体はシャフト及びローラ部を一体成形の樹脂としたことを特徴とする。
また、前記搬送ローラを2本有し、下流側の搬送ローラに対する拍車の押圧力は、上流側の搬送ローラに対する拍車押圧力の2倍以上であることを特徴とする。
上記構成によれば、精度が良い下流側の搬送ローラによる記録シート搬送力が支配的になるため、記録手段よりも搬送方向下流側において複数の搬送ローラのみでの記録シート搬送精度向上を図ることができ、例えば本装置を用いた記録装置にあってはシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。この際に、複数の搬送手段のうちの搬送方向上流側の搬送手段には安価な材料及び製造方法を採用することができ、多大なコストアップを必要とせずに前述の効果が得られる。
更に、前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の拍車の歯の対向部は記録シートを搬送していないときに拍車の歯とローラのシート当接部が接触しないようにシート当接部を逃がした形状に形成し、且つ記録シートを搬送する際には逃がした形状部に記録シートが落込まずに記録シート高さを保持できる程度の逃がし量としたことにより、拍車歯先部が樹脂製のローラ部に当接して変形することが防止可能となり、且つ記録シートに多大な搬送力を与えなくともシート位置を正確に規定することが可能であり、信頼性が高く、記録部と記録シートの距離が正確に規定できるためシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。
また、前記搬送ローラを2本有し、下流側の搬送ローラに対する拍車の押圧力は、上流側の搬送ロータに対する拍車押圧力の2倍以上とすることにより、より一層搬送手段のみでの搬送精度向上を図ることができ、同様にシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。
本発明によれば、記録手段よりも搬送方向下流側においてシートを搬送する搬送手段を有し、該搬送手段を搬送方向に複数配置し、該搬送ローラに記録シートを押圧するための拍車を有する記録装置において、前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ1と前記最下流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ2はμ1<μ2となるように構成し、且つ前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の拍車対向部は記録シートを搬送していないときに拍車の記録シート当接部とローラのシート当接部が接触しないようにシート当接部を逃がした形状とし、上流側の搬送回転体はコストの安い樹脂で形成したことにより、前記複数の搬送手段のみでの搬送精度向上を図ることができ、例えば本装置を用いた記録装置にあってはシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。この際に、複数の搬送手段のうちの搬送方向上流側の搬送手段には安価な材料及び製造方法を採用することができ、多大なコストアップを必要とせずに前述の効果が得られる。
更に、前記搬送回転体は、回転中心となるシャフトと、該シャフトと一体に回転してシートを搬送するローラ部と、を有し、シート搬送方向最下流側の搬送回転体は金属製のシャフトにローラ部はゴム部材を用い、これよりも上流側の搬送回転体はシャフト及びローラ部を一体成形の樹脂としたことにより、より一層の搬送手段のみでの搬送精度向上を図ることができ、同様にシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。
更に、前記シート搬送方向最上流側の搬送回転体は、拍車の対向部を逃がしたことにより、拍車先端部が樹脂製のローラ部に当接して変形することが防止可能となり、且つ記録シートに搬送力を与えない状態で位置を正確に規定することが可能であり、信頼性が高く、記録部と記録シートの距離が正確に規定できるためシートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。
また、前記搬送ローラを2本有し、下流側の搬送ローラに対する拍車の押圧力は、上流側の搬送ロータに対する拍車押圧力の2倍以上とすることにより、高精度な下流側排紙ローラによる搬送寄与率が高まるため、更に高い搬送精度が確保可能となる。
以下、図面を参照して、本発明を適用したシート搬送装置の一態様について詳しく説明する。尚、以下の実施形態では、記録装置に用いられる、記録手段の搬送方向下流側において記録媒体を搬送する搬送装置を例示している。
〔第1実施形態〕
図1〜図5を参照して、第1実施形態に係るシート搬送装置を備えた記録装置について説明する。尚、図1は可動カバー部材が開いた状態の記録装置の斜視説明図、図2は可動カバー部材が閉じた状態の記録装置の斜視説明図、図3は装置内部の斜視説明図、図4は搬送ユニット及び排出ユニットの断面説明図、図5は搬送ユニット及び排出ユニットの上面説明図である。
ここでは、まず装置全体の構成について説明し、次に本発明を適用したシート搬送装置である排出ユニットの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、記録装置本体はメインケース1及びボトムケース2に覆われている。これらケース1,2は記録装置のフレームの一部に固定されて固定カバー部材を構成しており、このケースによって後述する記録媒体搬送ユニットや回復ユニットを被覆している。
また、前記メインケース1の一部には開口部が形成されており、この開口部を被蓋するようにアクセスカバー3が取り付けられている。このアクセスカバー3はメインケース1に対して回動可能に取り付けられて可動カバー部材として構成されており、図1に示すように、アクセスカバー3を開くことによって後述するキャリッジユニットへのアクセスが可能となり、ヘッド交換やインクタンク交換を行うことが可能となる。
前記カバーの内部には、図3に示すように、記録装置本体が内蔵されている。図3において、4は装置のフレームをなすシャーシであり、これにメインケース1やボトムケース2が固定されている。
また、5は給送ユニットであり、記録前のシート(記録媒体)Pがここに載置され、記録開始信号によって図示しない給送ローラが回転してシートPを1枚ずつ分離給送する。そして、給送されたシートは搬送ローラとピンチローラからなる搬送ユニット6、及び複数の排出ローラと拍車等の記録媒体接触面積が小さい回転体からなる排出ユニット7により記録領域を搬送されて排出される。
また、前記記録領域には記録手段としてのキャリッジユニット8が設けられており、搬送されるシートPに対して所定の記録を行うようになっている。本実施形態にあってはシリアル型のインクジェット記録方式を用いており、キャリッジ8aがガイド軸8bに沿って往復移動可能に取り付けられ、このキャリッジ8aに記録ヘッド及びインクタンク8cが搭載されている。そして、キャリッジ8aの移動に同期して記録ヘッドからインクを吐出することにより、記録領域へ搬送されたシートPへインク像を記録する。尚、キャリッジ8aの移動領域端部には記録ヘッドと対向するように回復ユニット9が設けられており、記録開始前に記録ヘッドからインクを吸引することによりインク吐出不良を生ずることなく記録を行う。
そして、記録後のシートは前記排出ユニット7で排出され、図2に示すように、排出ユニット7の下方にボトムケース2に対して着脱自在に装着された排出トレイ10に順次排出積載される。
次に本発明を適用したシート搬送装置である排出ユニットの構成について図4及び図5を参照して説明する。尚、前述したように、図4は搬送ユニット及び排出ユニットの断面説明図、図5は上面説明図である。
図4、図5に示すように、搬送ユニット6は、シートPを搬送する主搬送ローラ13と、シートPと記録ヘッド11の離間距離を設定するプラテン12を有する。そして、主搬送ローラ13にはモータ14からの駆動出力が伝達される。また、主搬送ローラ13には、該主搬送ローラ13及びシートPの摩擦駆動力によって従動するピンチローラ18が当接している。このピンチローラ18は不図示のバネ部材により主搬送ローラ13に向けて付勢されており、シートPの搬送力を生み出すようになっている。尚、各ピンチローラ18はそれぞれ500[gf](4900[mN])の押圧力が主搬送ローラ13に対してかかるように設定されている。
また、排出ユニット7は、記録ヘッド11の下流に設けられ、画像記録が終了したシートPを排出すると共に画像記録中のシートPの挙動安定を図るものである。この排出ユニット7は、主搬送ローラ13と平行に配設された2本の搬送回転体である排出ローラ16,17、該ローラ16,17に対してそれぞれシートPを押圧しつつ従動回転する複数の従動回転体である拍車19,20、及び排出されたシートPをスタックする排出トレイ10等を備えた搬送装置として構成されている。
排出ローラ16,17は、プラテン12に取り付けられ、主搬送ローラ13の一端に設けられた出力ギア13aから伝達ギア21,22を介して各排出ローラ16,17の一端に設けられたローラギア16b,17bまで駆動が伝達されるようになっている。
一方、排出トレイ10は、排出するシートPを複数枚スタックできるように第二排出ローラ17に対して下方に配置されている。
尚、前記主搬送ローラ13、第一排出ローラ16、第二排出ローラ17は略同一高さである。
次に、上述のように構成された記録装置の画像記録動作について説明する。
給送ユニット5により分離・給送されたシートPは、主搬送ローラ13とピンチローラ18により挟持搬送される。そして、シートPがプラテン12の画像を記録する所定の位置に到達すると、キャリッジユニット8が不図示のキャリッジモータによりシート搬送方向と直交する方向に往復移動し、不図示の電気基板からの信号により記録ヘッド11がシートPに向けてインクを吐出して画像を記録する。
ここで、シートPは、記録ヘッド11よりも下流側を第一排出ローラ16と拍車19、及び第二排出ローラ17と拍車20により挟持され、上流側を主搬送ローラ13とピンチローラ18により挟持されて搬送・記録が行われる。そして、シートPの先端から所定範囲の記録後は、シートPの後端が主搬送ローラ13とピンチローラ18のニップ部から抜ける。この後の搬送は、前記複数の排出ローラ対によってのみ行うことにより、シートPの後端いっぱいまで記録ヘッド11による記録が可能となる。
ここで、本実施形態においては、前記複数の排出ローラのうち、搬送方向最上流側の第一排出ローラ16のローラ部の記録シートに対する摩擦係数μ1を、これよりも下流側の第二排出ローラ17のローラ部の記録シートに対する摩擦係数μ2と比較して小さくなるように構成した。
更には、本実施形態においては、前記複数の排出ローラのうち、搬送方向最下流側の第二排出ローラ17を、これよりも上流側の第一排出ローラ16に比べて高精度に形成している。具体的には、図5に示すように、搬送方向最下流側の第二排出ローラ17の構成として、シャフト17cに金属(SUM22D+KNメッキ)を用い、シート搬送部であるローラ部17dにゴム(EPDM:硬度70°)を用いた。この第二排出ローラ17は、シャフト17cにローラ部17dを圧入後に該ローラ部17dを研磨することにより、ローラ部17dの外径精度としてφ15±0.02[mm]、振れ精度として0.05[mm]を実現している。この精度は剛性の高い金属シャフトを採用し、且つ、ローラ部を研磨することにより実現できるものである。
一方、上記第二排出ローラ17よりも上流側の第一排出ローラ16の構成としては、シャフト16cに樹脂(ABS)を用い、シート搬送部であるローラ部16dも同様に樹脂(ABS)を用い、一体成形で作製している。こちらの場合はローラ部16dの外径精度はφ15±0.2[mm]、振れ精度としては0.3[mm]となる。
記録シートに対する各ローラ部の摩擦係数はシート材質によっても異なるが、おおむね以下の範囲となる。
第一排出ローラ16のローラ部の記録シートに対する摩擦係数μ1:0.1〜2.0
第二排出ローラ17のローラ部の記録シートに対する摩擦係数μ1:1.2〜3.0
但し、一つの記録シートに対するμの関係としては常にμ1<μ2が保たれている。
図8は第一排出ローラを正面から見た図である。各ローラ部の拍車の歯19Bに対向する部分は図に示すように逃がした形状(16G)にしたことにより、記録シートがない状態で拍車歯先がローラには当接しない。従って、ローラ部を硬い樹脂製としているが拍車歯先が傷つくことがない。19Cは拍車を押圧するためのバネであり、記録シートがない状態では圧が発生していない。また、図9は記録シートPの搬送状態を示す図である。シート搬送時にはローラ部16H、16J及び拍車歯先部19Bで記録シートPを挟持することにより、シートの上下方向位置を正確に規定している。従って、記録ヘッドの記録シートの距離が正確に規定されるために良好な印字が可能となる。この場合、図示するように拍車ばね19Cは撓むことにより拍車に押圧力を付与している。
図10は従来の第一排紙ローラであり、ローラ部はゴム製(エラストマ:硬度80°)のために記録シートを搬送していない状態においても拍車歯先はローラに当接している。これを見ても明らかなように、本実施においては従来と比較して上流側排紙ローラの材質、形状を変えており、この結果排紙ローラによる記録シートの搬送精度の向上が図れた。
本実施例においては従来例と比較して第一排紙ローラ部のゴムを廃止しているため、性能アップと同時にコストダウンも図れている。
尚、本実施例における詳細な数値を以下に記載する。これらの数値は一代表例であり、何ら限定されるものではない。
拍車歯先幅19A:0.1mm
ローラ逃げ部幅:1.0mm
ローラ部幅16F:6.0mm
ローラ逃げ部幅は、記録シートが落込まずに記録シート高さを保持できる程度の逃がし量であり、拍車歯先幅の5〜30倍程度が望ましい。
このように第一排出ローラ17のローラ部を記録シート搬送力の低い樹脂製としたことにより、精度の良い第二排紙ローラの寄与率が高くなり、記録シートの搬送精度の向上が図れる。同時に第一排出ローラ16は安価な材料と製造方法により作成し、第二排出ローラ17は精度を優先したものを採用することにより、シートPの搬送精度とコストパフォーマンスのバランスの取れた紙送り構成を提供するとことができる。
上述のように、搬送方向最下流側の第二排出ローラ17を、これよりも上流側の第一排出ローラ16に比べて高精度に形成した構成とすることにより、シートPの良好な搬送精度が確保できる原理について説明する。
シートPは後端が主搬送ローラ13を抜けた後は、前述したように2本の排出ローラ16,17により搬送され、記録を行う。この時のシートPの状態は、図4に示すように第二排出ローラ17よりも先の部分は該第二排出ローラ17の下方に垂れ下がり、その後、排出トレイ10に沿って移動する。この状態ではシートP後端には第二排出ローラ17と拍車20の接線Lを中心として浮き上がる方向に力が働いている。これはシートPの自重とコシにより発生する力である。この力に対向してシートPと記録ヘッド11の離間距離を確保し、シートPの搬送状態を良好に保つのは拍車19の役割であるが、シートPの浮き上がる力に対向する分、拍車19の第一排出ローラ16への押圧力は減少する。
一方、第二排出ローラ17に対してはシートPが自重により円周方向に巻き付くように接しているために、シートPに対する第二排出ローラ17の搬送力は非常に大きくなる。その結果、シートPの搬送精度への影響は第二排出ローラ17から受ける割合が非常に大きくなる。
このような現象によりシートPに対する搬送力の大きい搬送方向最下流側の排出ローラを、これよりも上流側の排出ローラに比べて高精度化する構成は理にかなったものであると言える。尚、拍車19,20は各ローラ部16d,17dに対向して配置されており、不図示のバネ部材によりそれぞれ10[gf](98[mN])という比較的小さな力でゴム部材(ローラ部)に対して押圧力がかかるように設定されている。これは記録済みのシートP表面を傷付けることを防止し、良好な画像状態を保つためである。
本実施例においては上流側排紙ローラを摩擦係数の低い樹脂で形成したため、よりいっそう精度の良い下流側排紙ローラの寄与率を高めることができ、記録シートを更に精度良く搬送することが可能となった。
実験値を参考までに記載する。第一排紙ローラ16のローラ部にゴム(従来例)を使用した場合と、樹脂製とした場合(本実施例)では記録シートの搬送精度ばらつきに以下のような差が発生する。
ローラ部ゴム製の場合 記録シートPを1mmピッチで搬送したときの3σ:±30[μm]
ローラ部樹脂製の場合 記録シートPを1mmピッチで搬送したときの3σ:±10[μm]
※3σ:標準偏差σに3を掛けた値であり、製品量産時に99.73%の良品率(3σの数値以内)となることが予想できる。そのため、製品検討時に目安とする値である。
このように、第一排紙ローラ16のローラ部を樹脂製とすることにより記録紙後端印字時の搬送精度が向上するために、高品位な記録が可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、記録手段よりも搬送方向下流側においてシートを搬送する搬送手段を有し、該搬送手段を搬送方向に複数配置したシート搬送装置において、前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ1と前記最下流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ2はμ1<μ2となるように構成し、且つ前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の拍車対向部は記録シートを搬送していないときに拍車の記録シート当接部とローラのシート当接部が接触しないようにシート当接部を逃がした形状とし、上流側の搬送回転体はコストの安い樹脂で形成したことにより、排出ローラのみでの搬送精度向上を図ることができ、シートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。この際に、上流側の排出ローラには安価な材料及び製造方法を採用することができ、多大なコストアップを必要とせずに前述の効果が得られる。
尚、本実施形態において記載した数値や材料等は一例としてあげたものであり、この数値や材料等に限定する必要はない。
また、排出ローラは2本に限定する必要はなく、それ以上の複数本の排出ローラを用いた場合でも同様の効果が得られる。
〔第2実施形態〕
前述した第1実施形態では、第一排出ローラ16及び第二排出ローラ17の各ローラ部16d,17dに対する各拍車19,20の押圧力は10[gf](98[mN])に設定していたが、本実施形態では第二排出ローラ17の各ローラ部17dに対する各拍車20の押圧力のみを各20[gf](196[mN])に上げることによって、より一層の排出ローラのみでの搬送時におけるシートPの搬送精度向上を図ることができる。
これは、第二排出ローラ17の各ローラ部17dに対する各拍車20の押圧力を第一排出ローラ16の各ローラ部16dに対する各拍車19の押圧力より高くすることにより、ローラ精度の良い第二排出ローラ17の搬送時における寄与率を更に高めることになるからである。
この際には、図6に示すように、第二排出ローラ17の各ローラ部17dにそれぞれ2個ずつの拍車20を設けることが望ましい。このように2個の拍車に対して20[gf](196[mN])の力をかけるという構成をとることにより、第二排出ローラ17の各ローラ部17dに対する拍車20からの押圧力は、前述した第1実施形態に比べ倍の20[gf](196[mN])と大きくなるが、シートPに対しては半分の10[gf](98[mN])の押圧力しかかからないため、記録済みのシートPに多大な力をかけることが無く、表面を傷つけることを防止し、良好な記録結果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、シート搬送方向最下流側の第二排出ローラ17に対する拍車20の押圧力を、これよりも上流側の第一排出ローラ16に対する拍車19の押圧力に比べて高くしたことにより、より一層の排出ローラのみでの搬送精度向上を図ることができ、シートの後端部における良好な記録画像を提供することが可能となる。
尚、本実施形態において記載した数値や材料等は一例としてあげたものであり、この数値や材料等に限定する必要はない。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、記録ヘッドの種類や数を具体的に例示して説明しなかったが、本発明は、1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置、異なる色のインクで記録する複数個の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、或いは同一色彩で濃度の異なるインクで記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置など、記録ヘッドの種類や数に関係なく適用ができ、前述した作用効果を達成し得る。
更に記録手段(記録ヘッド)としては、記録ヘッドとインクタンクを一体化したカートリッジタイプのもの、或いは記録ヘッドとインクタンクを別体としこれらをインク供給チューブで接続する構成のものなど、記録手段及びインクタンクの構成がどのようなものであっても、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得る。
尚、本発明をインクジェット記録装置に適用する場合には、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
更に、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによって、その長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い。加えて、前述したシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、或いは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、前述したインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末装置として用いられるものの他、キャリッジに記録ヘッド以外のスキャナ等を装着することが可能なインクジェット入出力装置、リーダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態をとるもの等であっても良い。
また前述した実施形態では、記録方式としてインクジェット記録方式を例示したが、これに限定する必要はなく、他にも熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードット記録方式等のインパクト記録方式、或いはそれ以外の電子写真方式等の記録方式であっても適用し得る。
可動カバー部材が開いた状態の記録装置の斜視説明図 可動カバー部材が閉じた状態の記録装置の斜視説明図 装置内部の斜視説明図 第1実施形態に係る搬送ユニット及び排出ユニットの断面説明図 第1実施形態に係る搬送ユニット及び排出ユニットの上面説明図 第2実施形態に係る搬送ユニット及び排出ユニットの上面説明図 従来の搬送ユニット及び排出ユニットの断面説明図 第1実施形態に係る第一排紙ローラ部の正面説明図 第1実施形態に係る第一排紙ローラ部の正面説明図 従来の排紙ローラ部の正面説明図
符号の説明
L 接線
P シート
1 メインケース
2 ボトムケース
3 アクセスカバー
4 シャーシ
5 給送ユニット
6 搬送ユニット
7 排出ユニット
8 キャリッジユニット
8a キャリッジ
8b ガイド軸
8c インクタンク
9 回復ユニット
10 排出トレイ
11 記録ヘッド
12 プラテン
13 主搬送ローラ
13a 出力ギア
14 モータ
16,17 排出ローラ
16b,17b ローラギア
16c,17c シャフト
16d,17d ローラ部
18 ピンチローラ
19,20 拍車
21,22 伝達ギア

Claims (7)

  1. 記録手段よりも搬送方向下流側においてシートを搬送する搬送ローラを有し、該搬送ローラを搬送方向に複数配置し、該搬送ローラに記録シートを押圧するための拍車を有する記録装置において、
    前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ1と前記最下流側搬送ローラの記録シート当接部の記録シートに対する摩擦係数μ2はμ1<μ2となるように構成し、且つ前記最上流側搬送ローラの記録シート当接部の拍車対向部は記録シートを搬送していないときに拍車の記録シート当接部とローラのシート当接部が接触しないようにシート当接部を逃がした形状に形成したことを特徴とする記録装置。
  2. 前記最上流側搬送ローラの拍車逃げ形状部の幅は、拍車の記録シート当接部の幅に対して5〜30倍としたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記最上流側の搬送ローラの少なくとも記録シート当接部を樹脂製としたことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記最上流側の搬送ローラの少なくとも記録シート当接部を金属製としたことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  5. 前記シート搬送方向最下流側の搬送ローラのローラ部は、前記最上流側搬送ローラのローラ部と比較して高精度に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記シート搬送方向最下流側の搬送ローラは、金属製のシャフトにゴム部材を用いたローラ部を圧入し、該ローラ部を研磨して形成したことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記搬送ローラを2本有し、下流側の搬送ローラに対する拍車の押圧力は、上流側の搬送ローラに対する拍車押圧力の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録装置。
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