JP2006347079A - 植物繊維樹脂複合体及び植物繊維樹脂複合成形品 - Google Patents

植物繊維樹脂複合体及び植物繊維樹脂複合成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形品の吸湿時、吸水時の寸法安定性を維持し、匂いを低減した植物繊維樹脂複合体を提供する。また、吸湿時、吸水時の寸法安定性を維持すると共に匂いを低減し、さらに廃棄時の燃焼処理による回収が容易な植物繊維樹脂複合成形品を提供する。
【解決手段】 樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維をエーテル結合を複数有する長鎖の二価のアルコールにより処理した強化材と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、建材、浴槽、自動車、航空機などの高強度が要求される部材に適用される植物繊維樹脂複合体及び植物繊維樹脂複合成形品に関する。
プラスチックは、軽量、高強度であり、錆や腐食に強く、着色が自由、電気絶縁性に優れ、成形し易く、大量生産が可能であるという利点を有するため、自動車や航空機などの材料として多用されている。
近年、耐久性や強度を高めることを目的としたプラスチックの開発が進められており、このようなプラスチックとして、樹脂組成物中に無機繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維など)を複合化した繊維強化プラスチックが挙げられる。
繊維強化プラスチックは、無機繊維(例えば、ガラス繊維や炭素繊維など)を強化材として樹脂組成物中に分散等させているため、耐熱性、機械的特性に優れ、軽量、高強度であるなどの利点を有する。このため、樹脂組成物としてポリエステル樹脂を用いて、ポリエステル樹脂中にガラス繊維を複合化した繊維強化プラスチックは、ヘルメット、スキー、ラケット、浴槽、建材、自動車、航空機などの用途として使用されている。しかし、強化材である無機繊維は不燃物であるため、樹脂の廃棄時に焼却処理すると燃焼効率が低下し、燃焼炉の損傷、焼却後の残さが増加するなどの問題が生じ、また、解体処理が困難であるためリサイクルに不向きであり、さらに処理コストも高くなるという問題を有していた。
そこで、強化材として、リサイクルが容易な植物繊維を用いた複合材料が開示されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開平5−92527号公報 特開2002−69208号公報
しかしながら、植物繊維を強化材として用いた複合材料は、廃棄時の燃焼処理により容易に熱回収できるという利点を有するものの、植物繊維の吸水性により、吸湿時及び吸水時に寸法が変化するなどの問題があるため、実用化されることが少なかった。
また、植物繊維として使用される麻類の靭皮繊維(例えば、ケナフ、ジュートなど)は、茎から繊維を取り出す際に、昔から行われている池や川に漬けるという精練発酵処理をしている。池や川に植物繊維を漬けて精練発酵処理を行うと、植物繊維に匂いが付着していた。植物繊維を麻袋やロープの用途として用いる場合、植物繊維に付着した匂いは、さほど問題とならないが、人間のごく周囲で使用される場合には、植物繊維に付着した匂いが問題となっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の植物繊維樹脂複合体は、樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維をエーテル結合を複数有する長鎖の二価のアルコールにより処理した強化材、または、植物から得られるリグノセルロース繊維をパラフィンワックスにより処理した強化材、または、植物から得られるリグノセルロース繊維をイソシアネートにより処理した強化材を含むことを要旨とする。
本発明の植物繊維樹脂複合成形品は、上記記載の植物繊維樹脂複合体を成形して得られたことを要旨とする。
本発明の植物繊維樹脂複合体によれば、得られる成形品の吸湿時、吸水時の寸法安定性が維持され、かつ匂いを低減することができる。
本発明の植物繊維樹脂複合成形品によれば、吸湿時、吸水時の寸法安定性が維持されると共に匂いが低減され、さらに廃棄時の燃焼処理により容易に熱回収をすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る植物繊維樹脂複合体及び植物繊維樹脂複合成形品を説明する。
本発明の実施の形態に係る植物繊維樹脂複合体は、樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維を、エーテル結合を複数有する長鎖の二価のアルコール、パラフィンワックス又はイソシアネートのいずれかにより処理した強化材と、を含むものである。
まず、植物から得られるリグノセルロース繊維を、エーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールにより処理した強化材を含む植物繊維樹脂複合体について説明する。
エーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールによりリグノセルロース繊維を処理すると、リグノセルロース繊維の表面あるいは内部の細胞壁の内部に二価のアルコールが浸透し、細胞壁が膨潤した状態となる。未処理のリグノセルロース繊維は、吸水により表面あるいは内部の細胞壁が膨潤し、寸法の変化が生じる。このため、予めリグノセルロース繊維の細胞壁の内部に二価のアルコールを浸透させて膨潤した状態とすることで、リグノセルロース繊維の吸湿性と吸水性を低下させ、植物繊維樹脂複合成形品の寸法安定性を維持したものである。さらに、リグノセルロース繊維の表面に二価のアルコールが付着して覆われるため、リグノセルロース繊維に付着した匂いを大幅に軽減することが可能となる。
エーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールによりリグノセルロース繊維を処理する方法としては、特に限定されないが、エーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールの水溶液又は溶融液に、リグノセルロース繊維を含浸する方法、あるいはリグノセルロース繊維に水溶液または溶融液をスプレーする方法を用いることができる。
ここで、エーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。ポリエチレングリコールは、HO-[CH2CH2O]n-Hの形で表され、中性、無臭であり、ほとんど毒性が無く、平均分子量が約200〜20000のものが市販されている。ポリエチレングリコールを用いる場合、その平均分子量は、約600〜4000とすることが好ましい。ポリエチレングリコールの平均分子量が600よりも低分子になると親水性が高くなり、リグノセルロース繊維が、過度に吸水、吸湿する恐れがあるからであり、逆に、平均分子量が4000を超えて高分子になると分子のサイズが大きくなり、細胞壁の内部に二価のアルコールが浸透せず、膨潤した状態とならないからである。
また、リグノセルロース繊維に対するエーテル結合を多数有する長鎖の二価のアルコールの含有量は、特に限定されないが、約1%〜40%とすることが好ましい。含有率が1%未満になると成形品の寸法安定性が低下し、逆に、含有率が40%を超えると、細胞壁の内部に浸透する限界量を超えてしまい、これ以上含有率を高くしても成形品の寸法安定性が向上することがないからである。
次に、植物から得られるリグノセルロース繊維を、パラフィンワックスにより処理した強化材を含む植物繊維樹脂複合体について説明する。
パラフィンワックスは、原油の減圧蒸留留出油部分から、結晶性の良い炭化水素を分離抽出した直鎖状炭化水素を主成分とするものであり、もともと防水性、防湿性、保香性を有する。このため、リグノセルロース繊維をパラフィンワックスにより処理すると、リグノセルロース繊維の表面が疎水性のワックスにより被覆されて、リグノセルロース繊維の吸湿性、吸水性が低下し、膨潤による寸法変化を防止することができる。さらに、リグノセルロース繊維の表面をワックスによりコーティングしたため、リグノセルロース繊維に付着した匂いを大幅に軽減することが可能となる。
リグノセルロース繊維をパラフィンワックスにより処理する方法としては、特に限定されないが、パラフィンワックスのエマルジョン又は溶融液にリグノセルロース繊維を含浸する方法、あるいはリグノセルロース繊維にエマルジョン又は溶融液をスプレーする方法を用いることができる。
ここで、パラフィンワックスとしては、炭素数が約20〜36のCH2n+2で表される直鎖飽和炭化水素を主成分とするワックスを用いることができ、融点、精製度が異なる市販品のものを使用することが可能である。
リグノセルロース繊維に対するパラフィンワックスの含有率は、特に限定されないが、約0.1%〜5%とすることが好ましい。この理由は、パラフィンワックスの含有率が約0.1未満になると、リグノセルロース繊維が充分に被覆されず、細胞壁内部に水分が浸透して膨潤し、成形品の寸法安定性が低下するからであり、逆に、含有率が5%を超えると、リグノセルロース繊維を樹脂組成物に複合化する際に、繊維と樹脂との結合力が低下し、植物繊維樹脂複合体の物性が低下するからである。
さらに、植物から得られるリグノセルロース繊維をイソシアネートにより処理した強化材を含む植物繊維樹脂複合体について説明する。
イソシアネートは、炭素数が約20〜36であるR-N=C=Oの形で表すことができ、イソシアネート基(-N=C=O)は、非常に反応性に富み、加熱等をすることなく反応が進行する。イソシアネートによりリグノセルロース繊維を処理すると、リグノセルロース繊維中の水酸基(-OH)がイソシアネートと反応し、安定なウレタン結合が生じる。このため、処理後のリグノセルロース繊維中には親水性の水酸基が減り、リグノセルロース繊維の吸湿性、吸水性が低下し、吸水及び吸湿時の膨潤に伴う植物繊維樹脂複合体の寸法変化を防ぐことができる。さらに、リグノセルロース繊維の表面にイソシアネートが付着して覆われるため、リグノセルロース繊維に付着した匂いを大幅に軽減することが可能となる。
リグノセルロース繊維をイソシアネートにより処理する方法は、特に限定されないが、イソシアネートの液体またはエマルジョンにリグノセルロース繊維を含浸する方法、あるいはリグノセルロース繊維に液体又はエマルジョンをスプレーする方法を用いることができる。
ここで、イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(2,4または2,6-Tolylenediisocyanete ; TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’または2,4’-Diphenylemethanediisocyanete ; MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6-Hexamethylenediisocyanete)などを挙げることができるが、特に限定されるものではない。
リグノセルロース繊維に対するイソシアネートの含有率は、0.1%〜50%とすることが好ましい。含有率が0.1%未満になると、成形品の寸法安定性が低下し、逆に含有率が50%を超えても成形品の寸法安定性が向上することがないからである。
リグノセルロース繊維としては、セルロースとリグニンを主成分とした材料が使用可能であり、麻類植物(例えば、ケナフ、亜麻、ラミー、***、ジュートなど)の靭皮から採取される繊維、麻類植物(例えば、マニラ麻、サイザル麻など)の茎又は葉の筋から採取される繊維、あるいは木材繊維を挙げることができる。これらの繊維は、セルロースとリグニンを主成分とし、ヘミセルロースやペクチンなどを副成分として含む。例示したリグノセルロース繊維の中でも、麻類植物の繊維は、結晶性が高く、強度の高いセルロースに含有される比率が60%以上であり、木材繊維中に含有されるセルロースの比率(30%〜50%)に比べて高いことから、麻類植物の繊維を用いることが好ましい。
前述した麻類植物などの植物は、レッティングと呼ばれる1週間程度の浸水処理又は物理的な解繊処理によって、長さ20mm以上、直径30〜200μmの繊維を容易に得ることができる。得られた繊維は、長さ1〜20mm以上、直径10〜30μmの単繊維細胞から構成されており、この繊維を化学処理して(例えば、パルプ化など)容易に単繊維化することができる。また、上記処理以外の処理を行い、紡糸処理により糸状とし、また、リグノセルロース繊維を加工処理してシート状、不織布、織布とし、さらに平織り等に編み繊維状として用いても良い。
また、リグノセルロース繊維は、植物由来の可燃性の有機物であるため、従来の強化材として用いたガラス繊維等の鉱物繊維に比べて、容易に燃焼することができ、焼却後にも残さ量が減少することから、容易に廃棄処理をすることができる。また、リグノセルロース繊維は燃焼すると熱量が発生するため、廃棄後のリサイクルを考慮すると、高効率で熱回収が可能となり、サーマルリサイクルが容易となる。さらに、リグノセルロース繊維は、加水分解処理、微生物処理、発酵処理などの処理により、エタノール、水素にまで分解できるため、ケミカルリサイクルをすることもできる。
樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれをも使用することができる。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル、エポキシ、フェノール、メラニン等を挙げることができ、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和ポリエステル、ABS、ポリ乳酸等を挙げることができるが、例示した材料に限定されるものではない。特に、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いた場合には、植物繊維樹脂複合体を成形した植物繊維樹脂複合成形品を製品として使用した後も、溶融して再利用することが可能となり、リサイクルが容易になるという利点を有する。
上記植物繊維樹脂複合体において、樹脂組成物中にリグノセルロース繊維を複合化する形態は特に限定されず、樹脂組成物中にリグノセルロース繊維をランダムに分散させる、一方向に配向させて分散させる、シート状に成形して樹脂組成物中に層状に複合化させる、3次元の立体形状に成形して樹脂組成物中に複合化させる等の形態とすることができる。
また、樹脂組成物中にリグノセルロース繊維を複合化する方法は、特に限定されず、溶融またはエマルジョン化などにより液状とした樹脂組成物中にリグノセルロース繊維を分散または含浸する方法、あるいは、繊維状またはペレット状とした樹脂組成物とリグノセルロース繊維とを混抄する方法を用いることができる。
樹脂組成物を溶融してリグノセルロース繊維と混練する方法を用いた場合には、繊維と樹脂組成物とが均一に分散されるため、成形体を均一にすることができる。なお、成形する際には、一般的な混練機、押出機(例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機など)を用いることができる。
混練後、直接押出成形することが可能であると共に、押出によりペレット状または繊維状に加工し、その後、射出成形など成形方法を用いて成形品とすることができる。
さらに、上記植物繊維樹脂複合体において、リグノセルロース繊維の含有量は、重量比率で2%〜90%とすることが好ましい。リグノセルロース繊維の含有量が2%未満になると補強効果が得られなくなり、含有量が90%を超えるとリグノセルロース繊維と樹脂組成物との結合が弱まり、植物繊維樹脂複合体として良好な特性が得られないからである。
上述したように、樹脂組成物中にリグノセルロース繊維を複合化した調整した樹脂組成物を用いて、押出成形、真空成形、圧空成形、射出成形、ブロー成形、発泡成形のいずれかの方法により成形して成形品とすることができる。得られた成形品は、強化材として植物由来のリグノセルロース繊維を用いたため、容易にリサイクルすることが可能となる。また、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いて射出成形する場合には、スクリュー部温度を樹脂融点から±20℃以内として成形することが好ましい。成形温度が低くなりすぎるとショートが発生して成形が不安定となり、過負荷に陥りやすく、逆に、成形温度が高くなりすぎると熱分解が起こり、成形体の強度が低下し、着色して好ましくないからである。
以下、さらに具体的に実施例を用いて説明する。
実施例1
中国浙江省の農場で栽培されたケナフの茎部を、中国浙江省の農場付近のため池に1週間浸漬して精錬発酵処理をした。その後、茎部から芯の木質部を除いた靭皮部を天日で乾燥し、解織機により解織処理をしてケナフ繊維とした。得られたケナフ繊維を5倍に希釈したポリエチレングリコール(商品名:PEG1000、日本油脂、平均分子量1000)中に含浸した後、絞りロールに通して、ポリエチレングリコール固形分の添加比率を20%に調整し、100℃で乾燥した後、長さ150mmに切断した。
ポリエチレングリコールを用いて処理したケナフ繊維と、ポリプロピレン(PP)を芯層、ポリエチレン(PE)を外層とした2層構造のPE/PP繊維(HR-P.6.6dtex、長さ102mm、宇部日東化成(株)社製)と、を繊維機械(カード機)で解繊しながら重量比1:1として混合し、マット状とした植物繊維樹脂混合マットを得た。
得られた植物繊維樹脂混合マットを金型温度130℃、圧力3MPaとして120秒間プレス成形して、長さ300mm、幅250mm、厚さ3.5mm、比重0.2のボードとし、これを実施例1の試料とした。
実施例2
実施例1と同様の方法を用いて調整したケナフ繊維を、50倍に希釈したパラフィンワックスエマルジョン(セロゾールM201、固形分比率54%、中京油脂(株)社製)中に含浸した。その後、絞りロールに通して、パラフィンワックス固形分の添加比率を1%に調整し、100℃で乾燥した後、長さ150mmに切断した。パラフィンワックスで処理をしたケナフ繊維を実施例1と同様の方法、条件を用いて試料を作製した。
実施例3
実施例1と同様の方法を用いて調整したケナフ繊維に、2倍に希釈した4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のエマルジョン(ウッドキュア300、日本ポリウレタン工業(株)社製、固形分比率100%)をスプレーした。その後、イソシアネートの固形分の添加比率を3%に調整し、100℃で乾燥した後、長さ150mmに切断した。イソシアネートで処理をしたケナフ繊維を実施例1と同様の方法、条件を用いて試料を作製した。
比較例1
実施例1と同様の方法を用いて調整したケナフ繊維をそのまま処理することなく、実施例1と同様の方法、条件を用いて試料を作製した。
前述した実施例1〜実施例3及び比較例1から得られた各試料を50℃、95%の恒温恒湿槽に48hr入れた後、各試料の長さと幅を計測し、恒温恒湿槽に入れる前後の試料の長さと幅の寸法変化率を平均して、耐湿試験寸法変化率を求めた。また、恒温恒湿槽から取り出した直後の各試料の匂いを10人に評価してもらい、「気になる」、「気にならない」の2段階評価により、気になる人数を匂い指数として測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2006347079
表1に示すように、実施例1では、エーテル結合を多数有する長鎖の二価アルコールであるポリエチレングリコールにより処理したケナフ繊維を強化材として用いたため、ケナフ繊維に処理をしない比較例1に比べて、耐湿試験寸法変化率が10分の1に低下し、匂いが気になる人数も0人と比較例1に比べて大幅に減少していた。また、パラフィンワックスで処理した実施例2は、比較例1に比べて、耐湿試験寸法変化率が10分の1に低下し、匂いが気になる人数も0人であった。さらに、イソシアネートで処理をした実施例3は、比較例1に比べて、耐湿試験寸法変化率が約8分の1に低下し、匂いが気になる人数も1人と比較例1に比べて大幅に減少していた。これらの結果から、ケナフ繊維に、ポリエチレングリコール、パラフィンワックス又はイソシアネートのいずれかにより処理した強化材を使用すると、ケナフ繊維の吸湿性、吸水性が低下し、吸湿時、吸水時の植物繊維樹脂複合成形品の寸法安定性が維持され、さらに匂いも低減できることが実証された。

Claims (5)

  1. 樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維をエーテル結合を複数有する長鎖の二価のアルコールにより処理した強化材と、を含むことを特徴とする植物繊維樹脂複合体。
  2. 樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維をパラフィンワックスにより処理した強化材と、を含むことを特徴とする植物繊維樹脂複合体。
  3. 樹脂組成物と、植物から得られるリグノセルロース繊維をイソシアネートにより処理した強化材と、を含むことを特徴とする植物繊維樹脂複合体。
  4. 前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の植物繊維樹脂複合体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の植物繊維樹脂複合体を成形して得られた植物繊維樹脂複合成形品。
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