JP2006344387A - 電子ビーム表面改質方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】断面積が大きくてエネルギ密度の小さい電子ビームパルスを照射する表面改質は、複数回の電子ビームの繰返し照射で行なわれていたが、処理表面にクレータの形成とブツブツの発生があり面質を悪くしていた。
【解決手段】表面改質を出来るだけ1回の電子ビームパルスの発生、照射により行なう。追加ないしはそれ以上の繰返しの電子ビームの照射が必要な場合、真空ハウジング内に清浄用気体を噴射導入し、扇開閉等を併用してハウジング内の環境コンディショニングを行ない、電子ビームの発生操作に移行させる。1回か2回の電子ビームの照射で表面改質が終了すると予想されるケースでは、ハウジングに対して第1及び第2の電子銃部を並設しておき、第1の電子銃部による電子ビーム照射で表面改質が充分でない場合、被照射体を直ちに第2の電子銃部の位置に移動させると共に電源を切換えて電子ビームを照射させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種金属部品、金型、工具、電気接続部品、金属医療機器、金属装飾品などの表面を鏡面化、清浄化、アモルファス化、耐食化するために電子ビームを表面に照射して表面改質をおこなう方法及び該方法を好適に行なう装置に関する。
この技術は断面積10cm以上、低エネルギ10〜50kV、高電流10〜30kAの電子ビームを用いて表面の改質を行なうもので、従来の真空電子銃による高密度の電子ビームではなく、電離ガスプラズマ中を通過する低いエネルギの電子ビームを用いるので物質に照射されたとき、深溶け込みなどの深く加工作用することがなく、広い面積に一様な作用をあたえるので表面の改質に利用される。ここでいう改質とは、物質表面に付着する異物の除去、浄化、表面あらさの改善、微視的凹凸を平坦化して鏡面となすこと、急激な加熱と冷却による金属のアモルファス化、耐食化などである。
この技術は一種の電子銃であるが真空室ではなく低圧の電離ガスが充填されプラズマ化されているのでプラズマ電子銃ともよばれている。このプラズマを安定に保つために反射放電(Reflected Discharge)方式という円環状のアノードプラズマ生成用の陽極が設けられ、電子銃の外部にソレノイドが設けられて銃内空間に磁場を作る。
この装置の電子ビーム発射機構は電界放射カソードとしてチタン等の針金を束ねて円板状に形成した金属または黒鉛が用いられ、被照射体がターゲット陽極になる。両極間に10〜40kVの高圧コンデンサにより加速用の高電圧印加と放電を発生させてμs程度の短い電子ビームパルスを放射させる。プラズマ発生回路は前記の環状陽極と電子銃筐体との間にコンデンサ充放電によるグロー放電を作り電離ガスをプラズマ化する。プラズマ保持時間は数100μsでその時間内に前記高電圧の印加による電子ビームパルスの放射が行なわれる。プラズマ保持時間の前後を通じ電子銃内に磁場をつくるための前記ソレノイドを励磁する電源としてまた別のコンデンサ充放電回路が備えられている。
表面改質をする被照射体をターゲットとしてテーブルに設置し電子銃内を一旦真空にしてから電離ガス、たとえばArガスを低圧に充填し磁場形成、プラズマ形成、電子ビーム発射の順序で作動させると被照射体の表面が改質される。通常は一回の照射では不充分なので数回から数10回の照射を約10s程度以内の時間間隔で繰り返し行なってから真空ハウジングを開放して被照射体を取り出す。
被照射体の材質、成分組成、表面積、改質前の状態などによって照射条件を選ぶ必要があるが、条件の選定の数式がある訳ではないので実験の結果とか経験に依存されている。常識的な判断として溶解温度の高い材質には大きいエネルギで、低い材質には小さいエネルギで照射することになる。放射エネルギが変わる条件とは、1)前記加速用高電圧印加のカソード電圧 2)カソードとターゲット間の距離 3)電離ガス圧力の3条件が通常用いられる。これらの条件は全体装置を制御運用するシステムの指令手段で調整できるように構成されている。
図3は従来例の一例の概略全体構成図で、1はハウジング、6は環状アノード電極、8は前述カソード、Sは電子銃内加速空間、5は励磁ソレノイド、14はターゲットとして被照射体12を設置するテーブルである。一点破線部1−1以下の函体部分1Bには図示しないテーブル移動機構などが設けられる。電子銃1Aを含むハウジング1内の電離ガスの調整システムとしてスクロールポンプ2、ターボ分子ポンプ3が、流量調整弁2A、3Aを介して連結され、さらに図示しない圧力センサとともに作動する。室内は一旦真空状態とした後ボンベ15からバルブ4を介して希ガス、例えばArを充填し所定低気体圧状態に保たれる。
改質装置には最初に作動して電子銃室1A内にソレノイド5により磁場を作る励磁電源16、次に作動して環状陽極6付近にアノードプラズマ7を生成するコンデンサ充放電回路を含むパルス電源17、そしてアノードプラズマ7を通過する電子ビーム11を放射して改質作用を実行するビーム加速電源であってコンデンサ充放電回路で構成されるパルス電源18が備えられている。それぞれの電源は独立しており、絶縁物6A、8Aによりハウジング1から絶縁されている。
表面改質の目的は表面の粗さの改善、鏡面化、清浄化、アモルファス化、耐食化など多様であるし、また材質も多様である。従って前述の三つの条件を適正に選択することが困難である。放射された電子ビームの相当部分が散逸し被照射体12に吸収される割合は一定ではないから結果としての効果も変わってしまうという欠点があった。被照射体12と同じ条件で照射された結果のデータを持つことができなかったからである。
しかしながら、何れにしても斯種の電子ビームパルスの発生装置を使用して被照射体12の表面改質を行なう手法としては、被照射体に、しかも通常被照射体の被照射表面領域に、前記電子ビームのパルスを1パルスではなく、5パルスとか、10パルスとか、或いは30パルス前後とか複数パルスを繰り返し照射する表面改質の手法が常態であり、さらにその複数回繰り返される電子ビームパルスの照射は、作業効率等の都合上、例えば、約10s前後の如く数10s以内の時間間隔で繰り返し行なわれるものであった(特許文献2−3、及び非特許文献1−2参照。)。
特開平09−216075号公報 特開2003−111778号公報 特開2004−1086号公報 宇野義幸、外4名「大面積パルス電子ビームによる金型の仕上げと表面改質」電気加工技術、社団法人電気加工学会、平成15年6月、第27卷、第86号、p.12−17、 藪下法康、外4名「大面積電子ビームによる金型加工面仕上げに関する研究(第2報)」一傾斜面平滑化特性と表面改質効果―電気加工学会全国大会(2003)講演論文集 社団法人電気加工学会、平成15年12月、p.47−50、 G.E.OZUR外3、Production and application of low -energy,high-current electron beams, Laser and Particle Beams (2003), 21,157-174, Printed in the USA.
そして、従来は、上述のような表面改質の処理操作に依って得られた被処理済み被照射体を、表面改質が短時間で効率良く為されたものとして満足していたのであるが、かかる使用の用の供されている内に、表面改質の質の面、特に表面粗さのより微細化への改善や全体的に均一な粗さや鏡面化の程度等に対する要求が高かまって来ていた。そして、特に被照射面に1つまたは不定に分散して形成される直径がφ0.1〜50μm程度で、深さが、直径の1/10前後程度の所謂クレータ(crater:噴火口又は砲弾の落下爆発穴)及び、ほぼ全面に多数形成される凹凸状の所謂ツブツブの排除要請が厳しく為されるようになって来ているのが現状である。
しかるに、このクレータの生成の原因及びメカニズムについては、種々推定されているものの、未だ殆んど正確な解明が為されていないのが実情で、之が排除には未だ成功していないのである。しかして、従来は、前述クレータが生成すると、以後の繰り返しの電子ビームパルスの照射により消し去るか、何等かの、繰り返しの電子ビーム照射による仕上げ加工的手法により矮小化乃至は微小化せんものとして対応していたのであるが、前述一旦生成したクレータは、前述後続の繰り返しの電子ビームパルスの照射体によって消失すると言うことは殆んど無く、困窮していたものである。
然るに、本発明者等は鋭意研究開発を続けた結果、前記クレータの被照射体被照射面への生成乃至は生起が前述の電子ビームのパルスが繰り返し照射される場合の概して2パルス目以後で、比較的照射パルス数の少ない内であること、また照射電子ビームパルスのエネルギや被照射体の材質等との組み合わせ関係等によるが、照射を繰り返すと概してクレータの発生数が多くなる傾向にあることを検知し得た。
そこでさらに検討を加えた所、本発明者等は、被照射体の表面改質を、前述クレータを殆んど例外的にしか発生させることなく実行することに成功したことにより本発明が提案される。即ち、前記クレータの生成が前述電子ビームパルスの比較的短時間の間隔での繰り返し照射に起因していると思考されること、従って逆に、電子ビームパルスを繰り返し照射する場合には、前述従来の数10s前後以内に対し、逆に数min前後又はそれ以上の長い時間間隔の後とすることにより前記クレータの生成を免れ得る可能性が高いことが判ったものである。
この電子ビームパルスの繰り返し照射に於ける現象を別の観点より見ると、各回の電子ビームパルスの照射を独立させて、電子ビームパルスの生成領域の空間環境を、前の電子ビームの照射の時の各種イオンや微粒粉塵等が残存しない清浄な未照射の初期状態に設定して行なうことにより、クレータの生成を回避して繰り返し照射が可能となるものである。
即ち、真空ハウジング内の空間、特に電子銃内の電子ビームの加速飛翔経路及びその近傍周りの環境は、電離気体の圧力(ガス密度)が所定の低圧の同一値であるとしても、真空ハウジング内に一旦新しいアルゴンガス等を供給した後所定圧力に真空引きした状態のときと、その後常用手段によって電子ビームのパルスを発生照射させ、そして続いて次の電子ビームのパルスを発生照射させるためにハウジング内の気体圧力が所定の圧力状態であるように真空引きコントロールをしているときとでは、各電極材やガス材成分のイオンや分子、その他微粒子等が加熱等されて残存しているだけでなく、その残存状態は電子銃部1A内に於いて、不定の偏在状態となっている蓋然性が高く、このため、前の電子ビームパルスの照射後、数10s前後またはそれ以内と言う短い時間間隔の後に発生照射させられる後続の電子ビームのパルスは、その断面の各部に電子密度の疎密や偏密度状態等が生じた状態で照射されていたものと考えられるのである。
そしてこのことは、現に上述した後続の電子ビームパルスの照射等のときのコンデンサ充放電電源18による冷陰極カソード8と被照射体12設置テーブルターゲット14間への印加加速電圧が、所望の高電圧に迄充分立ち上がらないで、放電している状態が見受けられ、該放電の電子ビームが、電子ビーム成分中にアーク放電電流が生じているのではないかと思われることからも伺えるものである。
そこで本発明は、環状陽極使用のアノードプラズマを通路として放射される断面積の大きい電子ビームのパルスを照射して行なう被照射体の表面改質を、被照射面にどちらかと言えば大きいクレータ(又は穴)を散在生成させることなく、又は、さらに前記クレータと比較すると小さい多数のツブツブ(微少凹凸)を生成させることなく行なうこと、そして行なうことが出来る装置を得ることを目的とするものである。
しかして、既に上述したところによれば、可能ならば、只1回の電子ビームパルスの発生照射により被照射体に目的とする表面改質をするようにすることであり、また、被照射体の同一の箇所か一部に同一の箇所を含む隣接または周辺領域、さらには離隔した隣接領域等の電子ビーム照射による表面改質を行う必要がある場合には、第1回目の電子ビームパルスの照射から充分に長い相当の時間を置いて、または場合によっては真空ハウジングの被照射体の出し入れ口の扉を開いて内部のガスを入れ替え、または前記扉は閉じたまま内部にガスを注入、排出により入れ替えた後、所定の低ガス圧状態にまで真空引きした後、後続の電子ビームパルスの発生、照射に移行させること等が考えられるが、何れも甚だ効率が悪く、現実的でないものである。
前述の本発明の目的は、要するに、(1)被照射体に電子ビームパルスを断続的に放射して前記被照射体の表面を改質する電子ビーム表面改質方法において、前記被照射体に1発の電子ビームパルスを照射する毎に低圧被電離気体を清浄な気体に入れ替えて照射空間を前記電子ビームパルスを照射する前の雰囲気環境にコンディショニングして次の電子ビームパルスを照射することで達成される。より具体的には、(2)電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質方法において、前記第1回目の電子ビームパルスの照射の後被照射体表面の同一の領域、一部に同一の領域を含む隣接領域、又は同一領域を含まない別異の被照射体を含む新規領域に対して第2回目以後の各回の電子ビームパルスの照射を行なうとき、前記ハウジング内又は少なくとも電子銃部のハウジング内の低圧被電離気体を新しい前記被電離気体を含む清浄用気体の供給により入れ替えた後、所定低圧状態に真空引きする照射空間の雰囲気環境のコンディショニングを行なう表面改質方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明も目的は、(3)入れ替え清浄用気体のハウジング内への噴射供給を、ハウジング内の前記一軸方向の一端側の内周から他端側の気体の排出口へと電子銃内を縦方向に流動するように噴射される入替手段を有する電子ビームパルスの照射毎にハウジング内を清浄化する前記(2)に記載の表面改質方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(4)前記被電離気体の入れ替えのために真空ハウジング内に新しい被電離気体を含む清浄用気体を噴射供給するとき、前記真空ハウジングの被照射体の出し入れ口の扇を同期して一時的に開放する前記(2)に記載の表面改質方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(5)電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えるとき共に被電離気体を収納するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質において、前記第1回目の電子ビームパルスの放射の後被照射体表面の同一の領域、一部に同一の領域を含む隣接領域、又は同一領域を含まない別異の被照射体を含む新規領域に対して、第2回目以後の各回の電子ビームパルスの照射を短い時間間隔を置いて行なう表面改質方法は、前記被照射体が前記電子ビームパルスの照射軸と直交する少なくとも一軸方向に電子銃に対して相対的に位置決め移動可能に設けられると共に、前記一軸方向に前記電子銃に対して第2の電子銃が所定の間隔を置いて設けられ、前記被照射体に対する第2回目以後の電子ビームパルスの照射は、第1の電子銃に対して前記一軸方向に並設された第2以後の電子銃の位置に被照射体を順次に位置決め移動させて行なうようにして為される表面改質方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(6)前記第2以後の電子銃に対するソレノイド励磁電源、アノードプラズマ生成電源、及びカソード印加加速電圧電源は前記第1の電子銃に対して設けられた各電源がその都度スイッチにより切換えられて使用される前記(5)に記載の表面改質方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(7)電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質装置において、前記電子銃の一軸方向のカソード設置端部とテーブル周り近傍との一方または両方に、気体の噴射孔と吸入孔の一方を円弧に沿って有するパイプの環状体が1つまたは2つが対向して配置され、噴射孔を有する環状体が被電離気体を含む清浄用気体供給装置に噴射開閉バルブを介して接続されるのに対し前記吸入孔を有する環状体が排気開閉バルブを介して排気ポンプに接続され、電子ビームパルスの照射後に前記噴射開閉バルブの操作が制御される表面改質装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(8)電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質装置において、前記被照射体を前記電子ビームパルスの照射軸と直交する少なくとも一軸方向に前記電子銃に対し相対的位置決め移動可能に真空ハウジング内に設けられると共に、前記一軸方向に前記電子銃に対して第2の電子銃が所定の間隔を置いて設けられ、前記第1の電子銃による電子ビームパルスの照射後に引き続いて電子ビームパルスの照射が指令されたとき、テーブルを被照射体が第2の電子銃の電子ビームパルスの照射を受ける位置に位置決め移動させる制御回路が設けられている表面改質装置とすることにより達成されるものである。
前述の発明(1)、(2)によれば、被照射体の表面改質に電子ビームのパルスを続けて繰り返し照射することが予定されていた場合は勿論、電子ビームパルスの発生、照射を1回行なう丈で目的、効果を達すべきものと予定した所、改質処理の状況が充分でなく、追加の発生照射が必要となった場合にも、真空ハウジング内、特に電子銃内の電子ビーム11の発生飛行路及び表面改質領域には、一旦被電離気体であっても良い清浄用気体が充満乃至は流動通過する状態に供給されて、その後に所定の真空に引かれるので、前記領域に偏在等して残存する各種のイオン、分子、微細粉塵等は除去され、その後続または追加電子ビームパルスの発生、照射が最初の時と同一の雰囲気、環境で行なわれるので、発生、照射される電子ビームは断面の各部におけるエネルギ密度がほぼ同一に揃った綺麗なもので、偏在集中や疎密、及びねじれ等がなく、被照射体表面に大きなクレータや、多数微小凹凸のツブツブ等を生ぜしめることなく表面改質をすることができる。
また、前述発明(3)及び(4)によれば、何れの場合にも清浄用気体の流動による前述各種イオンや粉塵の高速で、確実な除去、清掃が行なわれるので、本発明の目的、効果が効率良く達成されることになる。
また本発明(5)及び(6)によれば、前述の発明(2)−(4)における清浄用気体の噴射、噴流が、真空ハウジング内を大気圧以下の状態で行なえたとしても、次の電子ビームパルスの発生、照射のための所定の低気圧状態への真空引きには、通常10分前後少なくとも数分以上の待ち時間を要するのであるが、最初の第1の電子銃による電子ビームパルスの照射後、被照射体を真空ハウジング内で第2の電子銃の位置へ移動させることにより、第2の電子ビームパルスを雰囲気、環境が綺麗な状態の電子銃から発生照射させることができるので、例えば、1回の電子ビームパルスの発生、照射を予定していたにもかかわらず、追加照射が必要になった場合等に素早く対応できて目的を達することができる。
また、本発明(7)は、前述本発明(1)−(4)を実施する装置であり、また本発明(8)は、前述本発明(5)−(6)を実施する装置であって、各方法の発明を好適に実行し得て目的を達するものである。
図1は、本発明の一実施例装置の正断面図で、前述従来例の図3に符合するものであり、同一物または同等物には同一の符号を付してある。
図に於いて、被照射体12を設置するテーブル14は、電子ビーム11のターゲットであって、1軸または2軸テーブル19と共にリニアモータ等を有する水平1軸または2軸移動体に構成され、前記テーブル14上には、前記ワークとしての被照射体12が電子銃部1Aからの電子ビームのパルス11の照射が受けられる加工処理函体1B内の位置にセットするものである。なお、1Cは、真空ハウジング1を、後述のように必要に応じて自動で密閉、開放可能な被照射体12の出し入れ口の扉である。
前記2軸移動体19としては、前述の如く、例えば非磁性ステンレスによる密閉乃至シール可能なハウジングによりキャンドモータ化して構成された励磁コイルを有する1次側部材と、磁石片列を設けたヨーク材を有する2次側部材とを有する直流又は交流コアレスリニアモータを用い、機台に固定して設けたテーブルベース19Aと該テーブルベース19Aの上面に対し水平左右の一軸方向に直線に移動するように軸支してラム19Bを設け、該ラム19Bの下面に前記リニアモータの1次側部材と2次側部材の一方を可動子として取り付けるのに対し、前記テーブルベース19Aの上面に他方を固定子として取り付け、さらに必要に応じ、前記ラム19Bの上面に水平前後方向に直線に移動するように軸支してテーブル14を設け、該テーブル14の下面に、前述一軸方向の場合と同様にリニアモータの1次側部材と2次側部材の一方を可動子として取り付けるのに対し、前記ラム19Bの上面に他方を固定子として取り付ける構成とするとよい。
そして、前記2軸テーブル19は、該テーブル19を加工処理函体部1Bに取り付け支持する図示しないラック支柱と、加工処理函体部1B壁に気密に取り付けられたラック支柱を外部でZ軸移動するように設けたモータ等の駆動源に連結されるピニオンギアとを有し、所要の被照射体12の改質加工処理をする電子ビーム11の被照射面が、電界放射カソード8前面から所要の照射距離hの位置にあるように昇降移動して位置決めされる。なお、電子ビームのパルス照射は、前記テーブル14が兼用するターゲット14とカソード8との間に、負の高い加速電圧を印加することにより照射が行なわれることになるが、電子銃部1Aを含むハウジング1の全体が、前記ターゲット14と同電位にあるよう接地線26により、加工処理函体1Bに接続されている。
電子銃1A内を所定電離気体圧状態で励磁して荷電粒子を閉じ込めるソレノイド5の励磁電源16、該電源16による電子銃1A内の励磁が所定の指令値通りになるのを待って、アノード6とテーブル14との間に電圧を印加するアノードプラズマを生成させる電源17、そして環状アノード6廻りのアノードプラズマ7が所定の生成状態になったのを検知して電界放射カソード8とターゲット14間にμsオーダの短い負の加速電圧パルスを印加する電子ビーム11の生成加速電源18は夫々電源制御手段16A、17A、及び18Aを有し、該各制御手段は後述するCNC制御装置22により制御及び駆動操作等される。
真空ハウジング1内の被電離気体としては、その種類及びその密度(圧力、pa)等種々選定及び調整して使用されるが、希ガスとしてAr等が使用され、ボンベ15から流量調整弁4を介して供給が制御される被電離ガスのガス圧をスクロールポンプ2、及びターボ分子ポンプ3を組合せた減圧調整システムにより真空ハウジング1内のガス圧を0.03〜0.1pa程度の所定のガス圧に調整した状態で、前述の電源等の順次の操作により所望指令通りのエネルギ及びエネルギ密度を持った電子ビームパルスを発生させようとすることは従来と変わりないが、本発明はさらに、電子ビームパルスの照射が1発で済まず複数発の繰り返し照射が必要となった場合、或いは被照射体の材質と改質領域の大きさに対する使用改質装置の性能、仕様等の関係から、初めから複数回の電子ビームパルスの発生照射が予定される場合等に於いて、その何時の電子ビームパルスの発生、照射時にも、その発生、照射領域の雰囲気、環境、例えば、被電離ガスの種類やガス圧(密度)等だけでなく、例えば、特に、発生、照射空間の清浄度、さらには介在する被電離気体の温度等も最初の電子ビームパルス11の発生時と出来るだけ同一の状態として、発生を繰り返えさせようとするものである。
そして、そのための手法の1つとして図示実施例では、電子ビームの発生、照射に使用しているアルゴン等の電離用気体又はその他の混合物であっても良い希ガス、加圧窒素(N2)ガス、好ましくは、例えば、液体窒素をガス源とする低温窒素ガス、または加圧空気等の清浄用気体の噴射または吸入口13Aを管路に沿って有するパイプの環状体13を、好ましくは、図示のように電子銃部1Aの基端部と開放前方の被照射体12の周りとの一方または両方に設け、制御可能な開閉バルブ15Bを介し前記電離用気体の供給源15に接続して電離用気体の噴射装置15Aを構成させるか、又は同じ制御可能な開閉バルブ20Bを介して前記したような被電離気体以外の清浄用気体の供給源20に接続して清浄用気体の噴射装置20Aを構成させるものである。なお、供給源20に付設されることがあるレギュレータやドライヤ等は図示が省略されている。
そして、図示実施例では、電子銃部1Aの開口直下にある被照射体12の周りに清浄用気体の噴射又は吸入用のパイプから成る環状体13を配置し、カソード8廻りに配置した清浄用気体の噴射に対応して、開閉バルブ25Aと排気手段25Bとの組合せからなる排気装置25により清浄用気体を電子銃部1Aを縦方向に噴射流動させた後、急速に排気し、最初に電子ビームを生成、照射した時とほぼ同一の環境、条件を電子銃部1A内において再現させて、クレータやツブツブの生成のない表面処理を実現させる。なお、電子銃部1A内における清浄用気体の流動の方向は上述とは逆の上昇流であっても良い。また、図示では、下方の電子銃部1A開口廻りに設置した環状体13を含む排気装置25は本件真空装置に基本の真空排気システム(ポンプ2、3)に排気を依存する場合がある外、場合によっては、真空ハウジング1の加工処理函体部1Bに装置されている被照射体12の出し入れ扇1Cおよび場合によりその開閉制御に替えるか共用することもできる。この場合、カソード8廻りの清浄用気体の噴射ノズル13からの噴射後一呼吸を置いて前記扇1Cを開き、該扇開口からの内部流体の噴出開始確認後、前記噴射ノズル13の噴射停止後、扇1Cを閉じるように操作すれば良く、ケースに応じて切換え、又は作動させて、より短時間で、ハウジング内、特に電子銃部1A内の目的とする清浄の作用効果を生じさせるように、カソード8廻りの噴射ノズル13と扇1C開閉とを組合わせ共働させることができる。
図1中における22はCNC制御装置で、入力装置22A、プログラム制御装置22B、外部の記憶装置や、表示装置22Dを有し、xy及びz等のテーブル用の軸移動装置23や、流量調整弁4、2A、3A及び開閉バルブ15B、20Bの切換選択及び開閉軸作動装置の機能装置24、及び、前述真空ハウジング1の扇1Cの開閉や開閉バルブ25Aや真空用排気機器25B用の付加機能装置22Cを設けることにより、前述した目的とする電子ビームパルス11の発生、照射後の次の電子ビームパルスの発生、照射に臨んでの真空ハウジング1内、特に電子銃部1A内の雰囲気、環境を従来のような単なる被電離気体のガス圧(濃度)だけでなく、電極6、8や被照射体12及びその他から発生残存する各種イオンや粉塵、さらには、介在ガス濃度から温度等を初期条件と同一に近いコンディショニングをして次の電子ビームのパルスを発生させることができるので、後続する電子ビームのパルスによってクレータやツブツブを生じさせることなく表面改質を行うことが出来る。
図2は、本発明の第2の実施例装置の概略の機能と構成を説明するための実施例正断面図で、本実施例の場合には前述図1の実施例装置の場合よりも、さらに強く、目的とする表面改質を只1回の電子ビームパルスの照射で行なうことにより確実に目的通りの改質をした金型等をほぼ予定した時間通りに行なえるように構成した装置の場合であって、第1回目の電子ビームパルスの発生、照射の後に、第2の付加的乃至は補助的電子ビームのパルスの照射が必要になった時に、従来の繰り返し照射の時間間隔に近い、短い時間間隔の後に、綺麗乃至は清浄な空間雰囲気の電子銃内で発生させた電子ビームパルスを照射して表面改質を完了させることができるようにしたものである。
図に於いて、真空ハウジング1及びその加工処理函体部1Bは、図示の如く図1に示した装置に比較して少なくとも水平一軸方向(図面上左右方向)に伸長して延在するように構成され、この伸長、延在部分の内部には、前記1軸方向に被照射体12を設置したテーブル14を位置決め移動させる駆動の源、例えば、リニアモータの固定子を取り付けて有するテーブルベース19Aが伸長して構成されていると共に前記伸長して延在するように構成された加工処理函体部1Bには、通常電子銃部1Aとして説明した第1の電子銃部1Aと実質上同一か、又は同一の電子ビームパルスを発生、照射するのに必須の基本の構成要素を有して構成され第2の電子銃部1A’が、前記一軸方向に前記第1の電子銃部1Aに対し所定の間隔を置いて設けられる。
この第2の電子銃部1A’に対しては、前記テーブルベース19Aに対して前記一軸方向に位置決め移動可能に、リニアモータの可動子を配して設けられたラム19B上のテーブル14を指令操作によって移動させることにより、被照射体12を第2の電子銃部1A’により発生する電子ビームのパルスの照射を受けることができるものであり、また、この第2の電子銃部1A’による電子ビームパルスの発生、照射は、第1の電子銃部1Aによる発生、照射の電子ビームパルスによる表面改質等が充分でないとか、又はより良く完成させるために、第1の電子ビームパルスの発生、照射後に殆んど時間を置かず作動させられるものの、常時は使用の用に供されることがないものであるから、この第2の電子銃部1A’のソレノイド励磁用電源16、アノード電極6とテーブル14間に印加されるアノードプラズマ生成電源17、及びカソード電極8とテーブル14間に印加される電子ビーム生成、加速用の高電圧コンデンサパルス電源18は、図示のように、第1の電子銃部1Aに対する各電源16、17、18が夫々切換スイッチ16B、17B、18Bにより切換えられて使用されるものである。
このように装置を構成しておくと、真空ハウジング1の内容積が大きくなるところから、設けられている真空引きシステムの能力によっては、電子ビームパルスの照射開始迄に余分の時間と稼動を要することとなるが、予定し設定した一回の電子ビームパルスの発生、照射で表面改質の効果が充分達成等されず追加の照射が必要とされた場合に、直ぐに処理品を必要とする等の理由から、単なる直ぐ後に続く繰り返し照射をしたのでは、クレータやツブツブの発生により、結局所望とする高品質品が得られなくなる等の齟齬を生じさせたりしていたのであるが、之が本発明の装置を備えていれば、第1の電子銃部1Aによる電子ビームパルスの照射後、充分な表面改質のために追加の電子ビームパルスの照射が必要と検知されたときには前記1軸方向のリニアモータ等の駆動装置によりテーブル14を第2の電子銃部1A’に移動位置決めすると共に、電子ビーム発生のための各電源16、17、18を夫々スイッチ16B、17B、18Bにより切換えることにより一発を限度として電子ビームの発生に未使用の清浄な環境で、第2の電子ビームのパルスを発生させて表面改質に供し、クレータやツブツブ等のない所望の表面改質済の被照射体12を最初の電子ビーム照射から時間を置かずに提供でき、スケジュール通りに作業や機械稼動を進めることができる。この場合、さらに追加の電子ビームパルスの照射が必要な場合には、前述図1等により説明した清浄気体等の噴射又は供給による真空ハウジング1内の被電離気体の入替、そして清浄、或いはさらに冷却等のハウジング内空間の環境コンディショニングが必要なこと当然である。
本発明は、断面積が大きくエネルギ密度の小さい電子ビームのパルスを利用する表面改質の実用化への道を拓くものである。
本発明の一実施例装置の正断面説明図。 本発明の異なる他の実施例装置の正断面説明図。 従来例装置の概略構成を説明する装置の正断面図。
符号の説明
1 ハウジング
1A 電子銃部
1A’第2の電子銃部
1B 加工処理函体部
1C 扇
2 スクロールポンプ
3 ターボ分子ポンプ
4 流量調整弁
5 ソレノイド
6 アノードプラズマ生成電極
7 陽極プラズマ
8 電界放射カソード
9 カソードプラズマ
11 電子ビームパルス
12 被照射体(ワーク)
13 気体給排用パイプ環状体
14 テーブル
15 電離性気体
15B 開閉バルブ
16 ソレノイド励磁パルス電源
17 アノードプラズマ用パルス電源
18 加速電圧用カソードパルス電源
19 水平2軸移動装置
20 清浄用気体供給源
20A 清浄用気体供給装置
20B 開閉バルブ
22 CNC制御装置
22A 入力装置
22B プログラム制御装置
22C 追加機能駆動装置
22D 表示装置
22E 指令出力装置
23 軸移動駆動装置
24 機能駆動装置
25 排気装置
25A 開閉バルブ
25B 排気手段

Claims (8)

  1. 被照射体に電子ビームパルスを放射して前記被照射体の表面を改質する電子ビーム表面改質方法において、前記被照射体に1発の電子ビームパルスを照射する毎に低圧被電離気体を清浄な気体に入れ替えて照射空間を前記電子ビームパルスを照射する前の雰囲気環境にコンディショニングして次の電子ビームパルスを照射することを特徴とする表面改質方法。
  2. 電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質方法において、
    前記第1回目の電子ビームパルスの照射の後被照射体表面の同一の領域、一部に同一の領域を含む隣接領域、又は同一領域を含まない別異の被照射体を含む新規領域に対して第2回目以後の各回の電子ビームパルスの照射を行なうとき、
    前記ハウジング内又は少なくとも電子銃部のハウジング内の低圧被電離気体を新しい前記被電離気体を含む清浄用気体の供給により入れ替えた後、所定低圧状態に真空引きする照射空間の雰囲気環境のコンディショニングを行なうことを特徴とする表面改質方法。
  3. 入れ替え清浄用気体のハウジング内への噴射供給を、ハウジング内の前記一軸方向の一端側の内周から他端側の気体の排出口へと電子銃内を縦方向に流動するように噴射される入替手段を有する電子ビームパルスの照射毎にハウジング内を清浄化することを特徴とする請求項2記載の表面改質方法。
  4. 前記被電離気体の入れ替えのために真空ハウジング内に新しい被電離気体を含む清浄用気体を噴射供給するとき、前記真空ハウジングの被照射体の出し入れ口の扇を同期して一時的に開放するとことを特徴とする請求項2に記載の表面改質方法。
  5. 電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えるとき共に被電離気体を収納するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質において、
    前記第1回目の電子ビームパルスの放射の後被照射体表面の同一の領域、一部に同一の領域を含む隣接領域、又は同一領域を含まない別異の被照射体を含む新規領域に対して、第2回目以後の各回の電子ビームパルスの照射を短い時間間隔を置いて行なう表面改質方法は、
    前記被照射体が前記電子ビームパルスの照射軸と直交する少なくとも一軸方向に電子銃に対して相対的に位置決め移動可能に設けられると共に、前記一軸方向に前記電子銃に対して第2の電子銃が所定の間隔を置いて設けられ、
    前記被照射体に対する第2回目以後の電子ビームパルスの照射は、第1の電子銃に対して前記一軸方向に並設された第2以後の電子銃の位置に被照射体を順次に位置決め移動させて行なうようにして為されるものであることを特徴とする表面改質方法。
  6. 前記第2以後の電子銃に対するソレノイド励磁電源、アノードプラズマ生成電源、及びカソード印加加速電圧電源は前記第1の電子銃に対して設けられた各電源がその都度スイッチにより切換えられて使用される請求項5記載の表面改質方法。
  7. 電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質装置において、
    前記電子銃の一軸方向のカソード設置端部とテーブル周り近傍との一方または両方に、気体の噴射孔と吸入孔の一方を円弧に沿って有するパイプの環状体が1つまたは2つが対向して配置され、噴射孔を有する環状体が被電離気体を含む清浄用気体供給装置に噴射開閉バルブを介して接続されるのに対し前記吸入孔を有する環状体が排気開閉バルブを介して排気ポンプに接続され、電子ビームパルスの照射後に前記噴射開閉バルブの操作が制御されるものであることを特徴とする表面改質装置。
  8. 電界放射カソードと、アノードプラズマ生成環状アノード電極と、前記電界放射カソードからの電子ビームを受ける被照射体を設置するテーブルとを一軸上に備えると共に被電離気体を収縮するハウジング内に設けられ、該ハウジング内に磁場を形成するソレノイドが設けられる電子銃であって、前記ソレノイドが磁場を形成してからアノードプラズマを生成させ、更に電界放射カソードとテーブルとの間に高い負の電圧パルスを加速電圧として印加してアノードプラズマを通路とする電子ビームのパルスを生成、放射して前記被照射体の表面を処理する表面改質装置において、
    前記被照射体を前記電子ビームパルスの照射軸と直交する少なくとも一軸方向に前記電子銃に対し相対的位置決め移動可能に真空ハウジング内に設けられると共に、前記一軸方向に前記電子銃に対して第2の電子銃が所定の間隔を置いて設けられ、前記第1の電子銃による電子ビームパルスの照射後に引き続いて電子ビームパルスの照射が指令されたとき、テーブルを被照射体が第2の電子銃の電子ビームパルスの照射を受ける位置に位置決め移動させる制御回路が設けられていることを特徴とする表面改質装置。
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