JP2006343413A - 画像生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 波長選択性を有するディフューザを中間像形成位置に配置してスペックルを低減させるとともに、光利用効率の著しい低下を伴わずに各波長の光束を投射光学系の入射瞳径に対して充分に拡げる。
【解決手段】 画像生成装置1において、波長の異なるコヒーレント光源(2R、2G、2B)を有する光源部と、該光源部からの光を受けて中間像を形成する光学系6と、該中間像の形成位置に配置された光散乱部7と、該光散乱部の後段に配置された投射光学系8を配置する。光散乱部7において、光源の各波長に対して波長選択性を有する複数の回折格子を用いて、波長毎に光を散乱させる構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】 画像生成装置1において、波長の異なるコヒーレント光源(2R、2G、2B)を有する光源部と、該光源部からの光を受けて中間像を形成する光学系6と、該中間像の形成位置に配置された光散乱部7と、該光散乱部の後段に配置された投射光学系8を配置する。光散乱部7において、光源の各波長に対して波長選択性を有する複数の回折格子を用いて、波長毎に光を散乱させる構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、コヒーレント光源を用いた画像生成装置において、スペックル低減及び安全性の向上に有効な技術に関する。
レーザ光源を用いた投射型画像表示装置等においては、例えば、一次元空間変調型の光変調素子に対して線状ビームを照射するとともに、該光変調素子を用いて光を変調して得られる一次元画像を、ガルバノメータ等の光走査手段で一次元方向とは直交する方向に沿って走査しながら投射レンズ系を介してスクリーン上に投影することにより、二次元画像を形成することができる。
レーザを光源とする画像生成装置においては、高い可干渉性に起因するスペックルが問題視される。つまり、粒子状のノイズ(スペックルノイズ)が画面上に発生し、これが画質を劣化させる原因となる。
レーザ光を用いたディスプレイ装置において、スペックル低減方法には下記に示す方法が知られている。
(A)中間像位置にディフューザ(光散乱用の光学素子)を設置し、該ディフューザを振動させることによって時間的に異なるスペックルパターンを発生させ、視覚的な平均化の効果によってノイズが目立たないようにする方法
(B)一次元型の光変調素子を用いた構成形態において、該素子による一次元中間像位置にディフューザを設置することにより、その後に光走査(スキャン)されてスクリーン上に投影される二次元画像のスペックルを低減させる方法(例えば、特許文献1参照)。
(B)一次元型の光変調素子を用いた構成形態において、該素子による一次元中間像位置にディフューザを設置することにより、その後に光走査(スキャン)されてスクリーン上に投影される二次元画像のスペックルを低減させる方法(例えば、特許文献1参照)。
尚、上記(B)では、ディフューザによる回折散乱角度を大きくして、投射レンズの入射瞳に入る光束を広げることで、スペックルの低減効果を高めることができる。
しかしながら、従来の装置においては、複数の異なる波長、例えば、3原色(RGB)に対して共通のディフューザを使用する場合の問題が挙げられる。回折散乱角度は光源の波長に比例して大きくなるため、例えば、投射レンズの瞳径内に緑色(スペックル視感度が最も高い波長)の光束を拡げようとすると、波長の長い赤の光束が拡がり過ぎてケラレが生じてしまい、効率の大幅な低下を余儀なくされるといった問題が生じる。
そこで、本発明は、波長選択性を有するディフューザを中間像の形成位置に配置してスペックルを低減させるとともに、光利用効率の著しい低下を伴わずに各波長の光束を投射光学系の瞳径に対して充分に拡げることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、波長の異なる光を出力するコヒーレント光源を有する光源部と、該光源部からの光を受けて中間像を形成する光学系と、該中間像の形成位置に配置された光散乱部と、該光散乱部の後段に配置された投射光学系を備え、光散乱部に、コヒーレント光源の各波長に対して波長選択性を有する複数の回折格子が用いられ、波長に応じて光を散乱させる構成としたものである。
従って、本発明では、中間像形成位置に配置される光散乱部において、波長選択性を有する複数の回折格子を用いることによって、光源の波長毎に回折散乱角と回折格子面を独立に設計することができる。つまり、光束の拡がり角や回折面の位置が波長に応じて規定された上で投射光学系に入射される。
本発明によれば、コヒーレント光源を用いた画像生成装置への適用において、スペックル低減効果を高めることで画質向上を図るとともに、光利用効率の著しい低下を伴わずに各波長の光束を投射光学系の瞳径に対して充分に拡げることができ、安全性の向上に有効である。
そして、光散乱部において、各波長に対応した回折格子が上記光学系の光軸に沿って位置的にずらして配置された構成によれば、中間像面の位置を波長毎に配置できるという自由度が生まれるため、軸上色収差の低減等に有効である。
また、各波長に対応した回折格子による散乱角度を波長毎に設定することによって、光学設計の自由度を高めることができ、光利用効率の著しい低下を伴わずに、所望の光束を拡げることができ、充分な安全対策を講じることが可能である。
光源部がレーザ光源と光変調素子を備え、該光変調素子を用いた光変調による画像を、リレー光学系によって中間像位置に結像させる構成形態では、画像表示装置等への適用において、光利用効率や画質の向上等に寄与する。例えば、光変調素子として一次元光変調素子を用いるとともに、リレー光学系による一次元像を、光走査手段によって一次元像の形成方向とは直交する方向に走査することで二次元化する装置において、高画質化、高性能化に適した構成が実現され、また、小型化やコスト削減等に有用である。
本発明は、例えば、波長の異なる複数のコヒーレント光源及び光変調素子を用いて画像表示や画像出力等を行う画像生成装置において、スペックル低減効果を高めるとともに、充分な安全対策を講じることを目的とする。
本発明の適用において、コヒーレント光源及び光変調素子の種類や構成の如何は問わないが、例えば、レーザ光源を用い、一次元空間変調型の光変調素子等により形成される一次元画像を、ガルバノメータ等の光走査手段によって走査することで二次元中間像を形成する画像表示装置に適用し、あるいはプリンタ等の画像出力装置に適用することが可能である。
図1は、本発明に係る画像生成装置1を、前面投射型の画像表示装置に適用した場合の基本構成について概要を例示したものである。
本例において、コヒーレント光源2から出力される光は、照明光学系3を経て光変調部4に到達し、ここで変調された光が色合成部5、光学系6(空間フィルタを含む。)、光散乱部7を経て、投射及び光走査系8に到達する。
コヒーレント光源2には、複数の光源が用いられる。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の波長毎に半導体レーザや固体レーザ等を用いたレーザ光源2R、2G、2Bが設けられており、図示しない電源部からの電力供給を受けて各色に応じた波長のレーザビームをそれぞれ出力する。
照明光学系3は、レーザビームを光変調部4に対して所定の光強度プロファイルをもって照射するために設けられている。本例では、各レーザ光源から出力されるビームを一次元の線状ビームに変換する役目を有し、ビーム拡大光学系やラインジェネレータ等を用いて構成される。尚、R、G、Bの各色に応じた光学系3R、3G、3Bがそれぞれに用いられる。
光変調部4には、例えば、一次元型の光変調素子が使用される。R、G、Bの各色に対応した一次元光変調素子4R、4G、4Bを用いて構成され、上記光学系3R、3G、3Bを経て均一化された強度分布(所謂「トップハット」分布)の線状ビームが各素子に照射される。尚、一次元光変調素子には、例えば、GLV(グレーティング・ライト・バルブ)素子を使用することができる。反射型回折格子の場合、複数の可動リボン及び固定リボンが所定の方向に沿って交互に配置されている。例えば、1画素を構成する6本のリボン素子が設けられていて、3本ずつの可動リボンと固定リボンとが1つおきにそれぞれ配置されている場合に、1ライン分の1080画素では6480本のリボン素子が一次元方向(画素配列方向)に沿って配列される。レーザ光の照射面に対して、可動リボンの表面である第1面と、固定リボンの表面である第2面については、アルミニウム銅(AlCu)合金等が用いられ、各面が交互に配置されるとともに、後述する駆動制御部(9)からの駆動信号を受けて可動リボンが移動されてその第1面がレーザ光の照射方向に沿う方向に位置制御される。つまり、画像信号に応じた駆動電圧が印加されると、駆動電圧に応じた変位量をもって可動リボンが移動し、この状態(所謂ピクセルオン時)では入射光に対する反射型回折格子が構成される(1次回折光の発生)。また、可動リボンを動かさずに固定リボンとの間で変位量を揃えた状態(所謂ピクセルオフ時)では、1次回折光が発生しない(入射光に対する正反射のみ)。
尚、GLV素子を使用する形態では、高速な動作制御が可能あることや、広い帯域幅で高い解像度の画像表示を行う場合に低い動作電圧でもって駆動可能なこと等の特長が得られるが、本発明の適用においては、一次元空間変調型素子に限らず、二次元空間変調型素子を用いた構成形態でも構わない。また、光源2、照明光学系3、光変調部4を含む光源部に限らず、光源部に自己発光型デバイスを用いた構成形態への適用が可能である。
図1において、一次元光変調素子4R、4G、4Bに照射された照明光の反射光や回折光が発生されて、色合成部5では、変調された各色光が合成された後、光学系6に到達する。
光学系6には、光学素子や空間フィルタが含まれ、光源部からの光を受けて所定位置に中間像を形成する。空間フィルタは、特定次数の回折光成分を選別する役目をもち、例えば、一次元光変調素子4R、4G、4Bを用いて変調された光のうち、±1次回折光をとり出すためにシュリーレンフィルタが用いられる(画像表示に用いない0次光が遮光される。)。
光学系6による中間像の形成位置には、光散乱部7が配置されており、後で詳述するように各レーザ光源の波長に対して選択性を有する光散乱素子(所謂「ディフューザ」)が用いられる。
光散乱部7の後段には、投射及び光走査系8が配置されており、上記中間像の投影機能及び光走査による二次元像化の機能を有する。例えば、下記に示す構成形態が挙げられる。
・投射系の後段に光走査系を配置する構成
・光走査系の後段に投射系を配置する構成
・投射系内に光走査系が包含されるようにした一体的構成。
・光走査系の後段に投射系を配置する構成
・投射系内に光走査系が包含されるようにした一体的構成。
光走査系には、例えば、ガルバノメータが用いられ、一次元像の入射光を受けて二次元像を形成する。即ち、一次元像の形成方向を「第一の方向」とするとき、該方向は一次元光変調素子の長軸方向に対応しており、該第一の方向に対して直交する「第二の方向」に沿って光走査を行うことにより二次元像が形成される。
光走査によって得られる二次元像は、投射光学系の作用によってスクリーン「SCN」上に拡大投影され、映像表示が行われる。
上記光変調部4の駆動制御については、図中に「VIDEO」で示す映像信号に応じて駆動制御部9により行われる。例えば、映像信号は色差信号からRGBの色信号に変換される。そして、γ(ガンマ)特性等の非線形特性が付与されている場合には、逆補正を行うことで線形特性への変換が行われた後、照明光源の色再現範囲への対応のための色空間変換処理等が行われる。駆動制御部9の出力信号は、一次元光変調素子4R、4G、4Bの駆動回路を介して、一次元光変調素子にそれぞれ供給され、これにより、色毎にレーザ光の変調制御が行われる。
光走査制御部10は、投射及び光走査系8を構成する光学素子の駆動制御(例えば、ガルバノミラーの回転制御)を行う。つまり、一次元光変調素子4R、4G、4Bを用いた光変調により得られる一次元像を走査して二次元化するための制御を行うものであり、図中に「SYNC」で示す同期信号に従って制御信号を投射及び光走査系8に送出し、機構部の動作を制御する。
図2及び図3は、画像生成装置の主要部について光学的構成の一例を示したものであり、図2は、一次元光変調素子の長軸方向(画素配列方向)に沿う方向から見た構成図を示し、図3は、該長軸方向とは直交する方向から見た場合の、光変調素子4c(「c」は色を表す指標であり、R、G、Bのいずれかを示す。)、光学系6、光散乱部7、投射及び光走査系8を示している。尚、これらの図には、レーザ光源、照明光学系、光変調素子に関して、便宜上、3原色のうち、ある波長だけを例示しているが、実際の光学系では、上記のように波長毎に光源部が設けられて、各色光が色合成部5において合成される。
図2において、レーザ光源2c(「c」は色を表す指標であり、R、G、Bのいずれかを示す。)から出射されたビームは、照明光学系3において、発散レンズ11、コリメートレンズ12、シリンドリカルレンズ13を透過して一次元光変調素子4cに照射される。尚、シリンドリカルレンズ13は図2の紙面に平行な面内でパワーをもち、紙面に直交する面内ではパワーをもたない。
一次元光変調素子4cには、例えば、反射型回折格子が用いられ、その配列方向が図2の紙面に垂直な方向(あるいは図3における素子4cの長手方向)とされる。一次元光変調素子4cにおける反射光や回折光は、光学系6(リレー光学系)にて、第1リレーレンズ14、シュリーレン絞り15、第2リレーレンズ16の順に透過する。例えば、シュリーレン絞り15において0次光が遮光され、±1次回折光が選択的に通過して後段の光散乱部7に到達する。尚、本発明の適用においては、図示のようなレンズを用いたリレー光学系に限らず、オフナーリレー光学系(例えば、主鏡及び副鏡を用いて、副鏡にシュリーレン絞りを設置した光学系)等を用いても良く、光源部からの光を受けて中間像を形成する各種光学系への適用が可能である。
光学系6を通った後に形成される一次元中間像の像面には光散乱素子が設置されており、該素子を用いて波長毎に回折により散乱された光は、投射及び光走査系18を介してスクリーン「SCN」上に投影される。尚、投射及び光走査系8において、例えば、前段に投射光学系17(図には投射レンズだけを示す。)が配置されており、光散乱素子によって拡散された光束が入射される。投射光学系17の後段には、光走査系18(図2には、紙面に垂直な回転軸「R」を有する回転反射鏡19を示す。)が配置されており、画像信号と同期した光走査によって一次元像が二次元化されてスクリーン上に投影される。
中間像形成位置に設置される光散乱素子については、光源毎の波長に対して波長選択性を有する材料を用いて複数の回折格子が形成される。つまり、特定の波長に対してのみ回折効果を有し、他の光源波長に対する回折効果については画質への影響が無視できるほど充分に小さいという特徴をもっており、例えば、下記に示す構成形態が挙げられる。
(I)一つの波長に対応する回折格子をそれぞれに形成する構成
(II)複数の波長に対応する回折格子の組み合わせ、又は該回折格子と上記(I)の回折格子とを組み合わせた形態
(II)複数の波長に対応する回折格子の組み合わせ、又は該回折格子と上記(I)の回折格子とを組み合わせた形態
先ず、(I)では、例えば、3原色(R、G、B)のそれぞれに対応する波長に関して、一つの波長においては屈折率差を有するが残りの2つの波長においては同じ屈折率又はほぼ等しい屈折率をもつ材料(例えば、有機物顔料を含有する光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等の有機材料)を組み合わせた複合構造とする。つまり、それらの材料をフォトリソグラフィ技術により、一定の繰り返し周期(回折ピッチ)で基板(合成石英やガラス等)上に配置して格子パターンを形成する。
例えば、図4の(A)図に示すような波長選択性回折格子を有する光散乱素子20では、赤色光(その波長を「λR」と記すとき、例えば、λR=640nm)に対応する回折格子20Rと、緑色光(その波長を「λG」と記すとき、例えば、λG=530nm)に対応する回折格子20Gと、青色光(その波長を「λB」と記すとき、例えば、λB=450nm)に対応する回折格子20Bとが、所定の間隔(回折格子面間隔「d1」、「d2」参照。例えば、100μm程度)をおいて位置的にずらした状態で形成されている。
回折格子20Rは、波長λRにおいて屈折率差を有し、かつ波長λG、λBでは屈折率差が殆どない材料を組み合わせて形成され、よって、赤色光に対する回折作用が得られ、緑色光や青色光については回折作用をもたない(透過作用のみ)。同様に、回折格子20Gは、波長λGにおいて屈折率差を有し、かつ波長λR、λBでは屈折率差が殆どない材料を組み合わせて形成され、回折格子20Bは、波長λBにおいて屈折率差を有し、かつ波長λR、λGでは屈折率差が殆どない材料を組み合わせて形成される。
(B)図は、ある特定波長の入射光に対する回折の様子を示す概念的な説明図であり、「20c」は回折格子を表している(「c」は、R、G、Bのいずれかを示す色指標である。)。
光散乱素子への入射角(「θin」参照)については、例えば、±10°程度が許容範囲とされる。つまり、高次回折光の回折角度に対して小さい角度であることが求められる。
3次回折光の回折角(「θ3」参照)については、0次光を基準として、例えば、±9°程度とされる。許容範囲を広げすぎると、投射レンズの開口数(NA)を大きくする必要が生じ、投射レンズのコスト上昇等を招く原因となる。
4次以上の回折光比率については、効率等を考慮して、例えば、10%未満にすることが好ましい。+3次〜−3次の回折光量のバラツキに関しては、各次数の光量平均値を基準として±50%以下にすることが好ましい(投射レンズの射出瞳上で光量分布が集中するとレーザ安全対策上の問題が生じる虞があり、好ましくないため。)。尚、回折効率については、格子高さや格子形状によって変化させることができる。
また、R、G、Bの各色の波長選択性に関して、設計対象とする波長(例えば、R色の波長)を基準として、残り2波長(例えば、G色、B色の各波長)の回折光強度を最小限に抑えることが望ましい(例えば、相対強度比で5%未満とする。)。つまり、結像位置と異なる面での回折による散乱は、例えば、画像投射装置への適用においてスクリーンでの解像度低下につながるため、そのような不具合を生じさせないことが求められる。
回折散乱角及び回折格子面位置については、3原色の色毎に独立して設計することができる。
回折格子に係る繰り返し周期が回折散乱角に対応しており、回折散乱角が波長に比例することから、波長に応じて繰り返し周期を規定すれば、回折散乱角度を波長に拠らない一定値又は一定範囲内にすることができる(つまり、回折散乱角Δθが、波長「λ」に比例し、繰り返し周期「p」に反比例する関係において、波長λに比例したp値に規定すれば良い。)。
尚、各回折格子を含むそれぞれの素子を独立に作成して配置することもできるが、上記のようにそれらを一体化した素子として作成した方が、小型化や精度面、製造工数等の観点から望ましい。
上記(II)では、例えば、特定の2色に対応する波長に関して、波長選択性を有する材料の組み合わせを使用して、これをフォトリソグラフィ技術により、一定の繰り返し周期で基板上に配置し、格子パターンを形成する。
図5に示す波長選択性回折格子を有する光散乱素子21では、赤色光に対応する回折格子21Rと、緑色光及び青色光を含む波長範囲に対応する回折格子21GBとが、所定の間隔(回折格子面間隔)をおいて位置的にずらした状態で形成されている。
回折格子21Rは、波長λRにおいて屈折率差を有し、かつ波長λG、λBでは屈折率差が殆どない材料を組み合わせて形成され、よって、赤色光に対する回折作用が得られ、緑色光や青色光については回折作用をもたない(透過作用のみ)。また、回折格子21GBは、波長λG やλBを含む波長範囲において屈折率差を有し、かつ波長λRでは屈折率差が殆どない材料を組み合わせて形成される。
このような構成は、例えば、緑色に対する比視感度が高いこと及び緑色光束の散乱角を充分に確保したいといった要請を考慮した光学系等に適用することができ、又は、多原色再現系等への適用において有効である。
光源波長に対して波長選択性を有する回折格子型の光散乱素子は、例えば、有機プレーナ光学素子として高精度で製造することができ、波長に応じた積層構造の採用により、格子面間隔の制御が容易であり、格子ピッチや格子高さの制御はもとより、材料選択及び材料の組み合わせにより波長選択性を現出させることができる。また、製造面では、光学式ディスクや光磁気ディスク等の再生ヘッドや記録ヘッドに用いられるホログラム素子等の分野で実績のある技術を用いることにより、マスクプロセスによる量産性や設計自由度の高さ等を生かすことができる。
図6は、上記(I)の形態において、3原色の波長毎に選択性を有する各回折格子20R、20G、20B(図には、破線で示す。)を、光学系の光軸(図の「L−L」線参照。)に沿って位置的にずらして配置した構成例を示す。尚、この光軸は、リレー光学系や投射光学系の光軸に一致し、中間像位置に光散乱素子が配置される。
回折格子の設計においては、下記に示す事項が独立して行われる。
(a)波長毎の回折面を光軸方向にずらすこと
(b)波長毎に回折格子間隔(ピッチ)を変更すること
(b)波長毎に回折格子間隔(ピッチ)を変更すること
先ず、上記(a)では、光軸上において回折格子面の間隔を設計パラメータとする。例えば、回折格子20Rと20Gとの面間隔を「d1」と記し、20Gと20Bとの面間隔を「d2」と記すとき、d1値とd2値とを同じにする必要はなく、d1値又はd2値を、許容範囲内で任意に変更する設計上の自由度が得られる。回折格子の面間隔の設定により、画像プロジェクタ等への適用において軸上色収差の問題を解決することができ、光学的性能の向上に寄与する。
また、上記(b)では、波長毎に回折格子間隔(格子周期)を変更することで、回折散乱角度を波長毎に設定可能である。例えば、上記したように、波長に比例した格子周期にして回折散乱角が波長に依存しないように設計することができ、緑色光でも赤色光と同じか又はほぼ同程度の回折角を得ることができ、実効瞳径の拡大に寄与する。つまり、投射レンズの瞳径内に緑色光束を、赤色光束と同程度に拡げることができ、赤色光束のケラレの問題がなく、効率低下を伴うことがなくなる。また、光束を拡げることが、安全面においてレーザ光による障害防止対策として有効である。つまり、誤って投射レンズを覗き込んだ観察者の目に入射される光量を充分に低下させ、網膜上で結像する光の最小サイズを大きくすることで障害防止や被爆軽減等に効果的である。
上記した波長選択性を有する光散乱素子を、中間像面位置に配置することは、スペックル低減に有効であるとともに、解像度維持のためにも必要とされる。つまり、波長毎に異なった位置に中間像面が存在する場合であっても、上記の構成形態によって、解像度の劣化を伴うことなく、波長に応じた回折格子面を各別に配置することができる。
以上に説明したように、波長選択性を有する光散乱素子を用いて、波長毎に光を回折散乱させる構成によれば、画像生成装置への適用において、長い波長の光(例えば、赤色)の利用効率を低下させることなく、各色の光束を投射光学系の入射瞳径まで最大限に拡げることで開口を有効に活用することができ、例えば、下記に示す利点が得られる。
・スペックル低減効果を高めることができ(S/N比の向上に寄与する。)、しかも、そのために光利用効率の低下や、構成の複雑化、著しいコスト上昇等を伴わないこと。
・レーザ光を用いた装置の安全性を充分に保証することができ、しかも、そのためにレーザ光出力等を低下させる必要がないこと。
・中間像面の位置を波長毎に自由に設定できることにより、投射光学系やリレー光学系の軸上色収差について厳しい要求が課せられないこと(軸上色収差に対する許容範囲が広がる。)。
・光学的な設計自由度が高くなり、投射光学系の解像度性能の向上、画像歪の低下等に関して設計マージンが大きくなることや、光学素子に特殊な硝材を用いる必要がなくなり、投射光学系の低コスト化が可能になること。
・レーザ光を用いた装置の安全性を充分に保証することができ、しかも、そのためにレーザ光出力等を低下させる必要がないこと。
・中間像面の位置を波長毎に自由に設定できることにより、投射光学系やリレー光学系の軸上色収差について厳しい要求が課せられないこと(軸上色収差に対する許容範囲が広がる。)。
・光学的な設計自由度が高くなり、投射光学系の解像度性能の向上、画像歪の低下等に関して設計マージンが大きくなることや、光学素子に特殊な硝材を用いる必要がなくなり、投射光学系の低コスト化が可能になること。
1…画像生成装置、2…コヒーレント光源、2R、2G、2B…レーザ光源、4R、4G、4B…光変調素子、6…光学系、7…光散乱部、17…投射光学系、20R、20G、20B…回折格子、21R、21GB…回折格子
Claims (4)
- 波長の異なる光を出力するコヒーレント光源を有する光源部と、該光源部からの光を受けて中間像を形成する光学系と、該中間像の形成位置に配置された光散乱部と、該光散乱部の後段に配置された投射光学系を備えた画像生成装置において、
上記光散乱部に、上記コヒーレント光源の各波長に対して波長選択性を有する複数の回折格子が用いられ、波長に応じて光を散乱させる構成とした
ことを特徴とする画像生成装置。 - 請求項1に記載した画像生成装置において、
各波長に対応した上記回折格子が、上記光学系の光軸に沿って位置的にずらして配置されている
ことを特徴とする画像生成装置。 - 請求項1に記載した画像生成装置において、
各波長に対応した上記回折格子による散乱角度が波長毎に設定されている
ことを特徴とする画像生成装置。 - 請求項1に記載した画像生成装置において、
上記光源部がレーザ光源と光変調素子を備えており、該光変調素子を用いた光変調による画像を、リレー光学系によって中間像位置に結像させる
ことを特徴とする画像生成装置。
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