JP2006342213A - 光硬化性樹脂組成物、樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性および透明性にも優れ、ブリードアウトが抑制された硬化被膜を有する樹脂積層体を提供する。
【解決手段】 分子中に2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−1)、1個のエチレン系不飽和結合を有する化合物(a−2)及び分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−3)の特定量からなる混合物(A)と、四級アンモニウム塩基を有する特定の化合物(b−1)及び該化合物(b−1)と共重合可能な1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)の特定量を重合して得られる共重合体(B)と、特定の光重合開始剤(C)と、ヒンダードアミン系化合物(D)のそれぞれ特定量からなる光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性および透明性にも優れ、ブリードアウトが抑制された被膜を有する樹脂積層体、およびその様な被膜を形成し得る光硬化性樹脂組成物、および樹脂積層体の製造方法に関する。
アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂は、透明性、耐衝撃性、電気絶縁性等の特徴を有し、工業用資材、建築用資材等として広く使用されている。しかし、これら合成樹脂よりなる成形品は、表面硬度が低いため、引掻き等による傷が発生し易い場合がある。また、合成樹脂成形品は、高い体積固有抵抗を有しているため、静電気により帯電が発生し、埃が付着し易い場合がある。これらの不具合を抑制するために、従来から多くの改良が試みられているが、有効な手段は余り知られていない。
耐擦傷性を向上する方法としては、多官能(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を用い、架橋被膜を基材表面に形成することが知られているが、従来の架橋被膜は帯電防止性を全く示さないか、不十分な場合が多かった。
帯電防止性を改良する方法としては、エチレングリコールジメタクリレート等の少なくとも2個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物と、分子中に四級アンモニウム塩を含む重合性化合物とを含んでなる組成物を重合させて皮膜を形成することにより、耐摩耗性および耐溶剤性に優れ、帯電防止性および表面染色性を改善できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、当該公報に記載の方法によると、四級アンモニウム塩を含む重合性化合物の吸湿性が余りに高いために、皮膜を形成する組成物中に多くの水分が含まれることとなり、このため組成物の重合時に重合硬化ムラ、品質ムラ等を発生してしまう場合があった。更に、四級アンモニウム塩を含む重合性化合物中の水分を除去しようとしても、四級アンモニウム塩を含む重合性化合物の重合性が高いため、加熱及び減圧操作中に重合してしまい実質的に無水の四級アンモニウム塩を含む重合性化合物を得ることは困難であった。
四級アンモニウム塩を含む重合性化合物の吸湿性に関する前述の不具合は、四級アンモニウム塩を含む重合性化合物に代えて、四級アンモニウム塩基を有する化合物と、ポリエチレングリコールメタクリレート等の四級アンモニウム塩基を有する化合物と共重合可能な1個の不飽和二重結合を有する化合物とからなる共重合体を使用することにより、改善されることが知られている(例えば、特許文献2〜4参照)。
しかしながら、当該文献に記載の方法により吸湿性に関する問題は改善されるものの、得られた被膜を高温多湿の環境下に置いた場合、共重合体が加水分解され、加水分解により生じた四級アンモニウム塩がブリードアウトする場合があった。そして、四級アンモニウム塩のブリードアウトにより、被膜の外観が低下する場合があった。
四級アンモニウム塩のブリードアウトに関する前述の不具合は、四級アンモニウム塩基を有する化合物と、ポリエチレングリコールメタクリレート等の四級アンモニウム塩基を有する化合物と共重合可能な1個の不飽和二重結合を有する化合物とからなる共重合体に、ヒンダードアミン系化合物を含むことにより改善されることが知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、当該文献では、耐擦傷性を向上させる目的で、架橋重合性化合物として分子中に5〜6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する官能基数の多い架橋重合性化合物を使用しているが、この場合、鋳型を形成する型に被膜を形成し注型重合を行い樹脂積層体を製造する方法において、鋳型の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布して透明フィルムで覆い、紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物の硬化後に透明フィルムを剥がす工程で、フィルムを剥がす際に硬化被膜が鋳型から剥がれ易く、生産性が低下するという問題点があった。
特公昭54−15074号公報 特開平4−290707号公報 特開平6−73305号公報 特開平8−311366号公報 特開2001−323029号公報
本発明の目的は、十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性および透明性にも優れ、四級アンモニウム塩のブリードアウトが抑制された被膜を形成し得る光硬化性樹脂組成物を提供することにある。さらに本発明の目的は、前記光硬化性樹脂組成物の硬化皮膜を基材樹脂の少なくとも一部の表面に有する樹脂積層体を提供することにある。さらに本発明の目的は、該樹脂積層体を、高い生産性で製造できる方法を提供することにある。
本発明は、分子中に2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−1)80〜100質量%と、分子中に1個のα、β−エチレン系不飽和結合を有する化合物(a−2)0〜20質量%と、分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−3)0〜3質量%とからなる混合物(A)100質量部と、下記一般式(1)
Figure 2006342213
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2〜R4は炭素数1〜9の置換基を含んでも良いアルキル基、mは1〜10の整数、X-は四級化剤由来のアニオン、Yは酸素原子またはNHを表す。)で表される化合物(b−1)20〜99質量%と、該化合物(b−1)と共重合可能な1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)1〜80質量%とを重合して得られる共重合体(B)0.5〜30質量部と、光重合開始剤(C)として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンから選ばれる少なくとも1種を0.1〜10質量部と、ヒンダードアミン系化合物(D)0.01〜3質量部を含む光硬化性樹脂組成物である。
また本発明は、基材樹脂の少なくとも一部の表面に前記光硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有する樹脂積層体である。
さらに本発明は、前記光硬化性樹脂組成物を介在させて、透明樹脂フィルムを鋳型を構成する為の型に積層する第1の工程と、
前記透明樹脂フィルムを介して紫外線を照射することにより、前記型上の光硬化性樹脂組成物を硬化させる第2の工程と、
硬化した光硬化性樹脂組成物を前記型上に残して、前記透明樹脂フィルムを剥がす第3の工程と、
硬化被膜が形成された前記型を少なくとも1個用いて、前記光硬化性樹脂組成物の硬化被膜が内面となるように鋳型を構成する第4の工程と、
前記鋳型内に樹脂原料を注入して注型重合を行う第5の工程と、
注型重合終了後、前記鋳型の内面側から転写した硬化被膜を表面に有する前記原料の重合体からなる樹脂成形体を取り出す第6の工程と
を含む樹脂積層体の製造方法である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、特定の組成を採用しているため、十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性および透明性にも優れ、ブリードアウトが抑制された硬化被膜を有する樹脂積層体を、高い生産性で製造できる。
本発明で使用される重合性化合物(a−1)は、分子中に2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋反応性化合物であり、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する残基が、炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等を含むことができる。なお、(メタ)アクリとは、アクリ及び/又はメタクリを意味する。
これらの化合物の主な例としては、1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物;多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物等を挙げることができる。
1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化物の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、次の一般式(3)
Figure 2006342213
[式中、nは1〜4の整数であり、X1〜X6は3または4個が(メタ)アクリロイル基で、他はヒドロキシル基を表す。]で示される化合物、例えばジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物において、多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組合わせとしては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
重合性化合物(a−1)の他の例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’ーメチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の3量化により得られる以下一般式(4)で示されるポリイソシアネートと、
Figure 2006342213
(式中、Rは置換基を含んでも良い、炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)活性水素を有するアクリルモノマー、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等とを、イソシアネート1モル当たり3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート;公知のエポキシポリアクリレート;公知のウレタンポリアクリレート等を挙げることができる。
なお、重合性化合物(a−1)の含有量としては、被膜の十分な耐擦傷性を実現するために、混合物(A)の全体に対して80質量%以上100質量%以下とされる。85質量%以上であることが好ましい。ここで単一の重合性化合物(a−1)からなるものであっても便宜的に「混合物(A)」という。
本発明で使用される化合物(a−2)としては、通常公知の、分子内に1個のα,β−エチレン系不飽和結合を有する単量体を挙げることができる。特に、重合性化合物(a−1)と共重合体(B)との両者に相溶性を有する化合物であって、分子内に極性基を有する化合物が好ましい。
具体的には、重合性化合物(a−1)と共重合体(B)との種類および量によって適宜選択されるが、一般には、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらのアミド、アミドのメチロール化物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。高温多湿な環境下における四級アンモニウム塩のブリードアウトを抑制するためには、特にジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、化合物(a−2)の含有量としては、被膜の十分な耐擦傷性を実現するために、混合物(A)の全体に対して0質量%以上20質量%以下とされる。15質量%以下であることが好ましい。
本発明で使用される重合性化合物(a−3)は、分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋反応性化合物であり、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する残基が、炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等を含むことができる。
重合性化合物(a−3)の具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
化合物(a−3)の含有量としては、樹脂積層体製造時の生産性を向上するために、混合物(A)の全体に対して0質量%以上3質量%以下とされる。2質量%以下であることが好ましい。
本発明で使用される化合物(b−1)は、四級アンモニウム塩基を有する化合物であり、例えばアミノ基を有する(メタ)アクリレート類または(メタ)アクリルアミド類等を四級化剤により四級化することにより得られる。
アミノ基を有する(メタ)アクリレート類の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
なお、一般式(1)で示される化合物(b−1)の中で、得られる共重合体(B)の高い耐加水分解性が実現でき、四級アンモニウム塩のブリードアウトがより抑制できる等の理由により、YがNHである化合物がより好ましい。
従って、アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類を四級化することにより得られる化合物が好ましい。
四級化剤としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類、トリメチルホスファイト等のアルキルリン酸、アルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライド、アルキルクロライド、アルキルブロマイド等の各種ハライドが用いられ、特にアルキル硫酸類、スルホン酸エステル類が耐熱分解性の点より好ましい。
即ち、一般式(1)における四級化剤由来のアニオン(X-)は、一般式R7SO3 -またはR7OSO3 -(式中、R7は水素原子または炭素数1〜20の置換基を含んでも良いアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す)で示されるものが好ましい。
なお、一般式(1)中のmは1以上10以下の整数であるが、得られる共重合体(B)の高い耐加水分解性が実現でき、四級アンモニウム塩のブリードアウトがより抑制できる等の理由により、2以上6以下が好ましい。
以上に述べた化合物(b−1)と共重合可能な1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;N−フェニルマレイミド等のマレイミド類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ基含有単量体;アクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有単量体;アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;末端メタクリレートポリメチルメタクリレート、末端スチリルポリメチルメタクリレート、末端メタクリレートポリスチレン、末端メタクリレートポリエチレングリコール、末端メタクリレートアクリロニトリルスチレン共重合体等のマクロモノマー類等を例示することができ、これらを2種以上混合して用いることもできる。
これらの共重合可能な1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)としては、得られる被膜の特性のバランスの観点から、以下一般式(2)
Figure 2006342213
(式中、R5は水素原子またはメチル基、R6は水素原子または炭素数1〜18の置換基を含んでも良いアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、Aは炭素数2〜4の置換基を含んでも良いアルキレン基、nは0〜500の整数を表す。)で表される化合物を使用することが好ましい。
特に一般式(2)においてn=2〜500で表される化合物を用いると、共重合体(B)と重合性化合物(a−1)及び化合物(a−2)との相溶性が良好となり、光硬化性樹脂組成物が均一に硬化できるため好ましい。
一般式(2)において、n=2〜500で表される化合物としては、ポリエチレングリコール(4)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノメチルエ−テル、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノブチルエ−テル、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノフェニルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノベンジルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モノ(メタ)アクリレートモノオレイルエーテル等を例示することができる。なお、カッコ内はポリアルキレングリコールユニットの数を表す。
化合物(b−1)の含有量は、良好な帯電防止性を実現するために、共重合体(B)に対して20質量%以上99質量%以下、好ましくは90質量%以下とされる。一方、1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)の含有量は、光硬化性樹脂組成物の均一性及び基材合成樹脂との密着性の観点から、1質量%以上80質量%以下、好ましくは10質量%以上とされる。
共重合体(B)は、上記の質量比で混合された化合物(b−1)及び(b−2)から、パーオキサイド系やアゾビス系等の重合開始剤を用いて、メタノール等の溶媒中での溶液重合法等により製造できる。
本発明においては、共重合体(B)の作用により、被膜に帯電防止性が付与される。その様な共重合体(B)の添加量は、十分な帯電防止性を実現するために、混合物(A)100質量部に対して0.5質量部以上とされ、良好な耐擦傷性を実現するために、30質量部以下とされる。さらに5質量部以上、20質量部以下であることが好ましい。
本発明で使用される光重合開始剤(C)は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンから選ばれる少なくとも1種である。本発明においては、前記開始剤を単独で用いるだけでなく、複数の開始剤を併用して用いてもよい。光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂組成物の十分な硬化性を実現するために、混合物(A)100質量部に対し、0.1質量部以上とされ、硬化後の被膜の着色を抑制するために、10質量部以下とされる。本発明においては、前記の光重合開始剤を使用することにより、耐擦傷性に非常に優れた硬化被膜を有する樹脂積層体を得ることができる。
また前記以外の光重合開始剤を併用しても良い。併用可能な光重合開始剤は特に限定されないが、具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。本発明においては、前記開始剤を単独で併用するだけでなく、複数の開始剤を併用して用いてもよい。
本発明に用いられるヒンダードアミン系化合物(D)としては、四級アンモニウム塩のブリードアウトを抑制できるものであれば特に制限されないが、抑制効果が大きく、それ自身が化学的に安定である等の理由により、2及び6位の炭素上の全ての水素がメチル基で置換されているピペリジン骨格を、分子内に有するヒンダードアミン系化合物が好ましい。
上記の様なヒンダードアミン系化合物(D)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンゾイル7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、4−メトクリロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を例示することができる。
ヒンダードアミン系化合物(D)の添加量は、高温多湿条件下でのブリードアウトを十分抑制するために、混合物(A)の100質量部に対して0.01質量部以上とされ、0.05質量部以上が好ましい。また、光硬化性樹脂組成物の良好な硬化性を維持し、十分な耐擦傷性を実現するために、3質量部以下とされ、2.5質量部以下が好ましい。
本発明における光硬化性樹脂組成物には、従来から使用されている種々の添加剤を添加しても良い。添加剤としては、界面活性剤、レベリング剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、難燃剤、可塑剤等を挙げることができる。
本発明において、光硬化性樹脂組成物よりなる被膜の厚みは、十分な帯電防止性および耐擦傷性を実現するために、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、被膜にクラックが発生したり、積層体の切断時に被膜が欠ける等の不具合を抑制するために、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用い、ブリードアウトが抑制され、帯電防止性および耐擦傷性を有する樹脂積層体を得る方法としては、基材樹脂表面に、刷毛塗り法、バーコート法、流し塗り、スプレーコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディッピング法等の方法で、本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布し、光で硬化する方法;ガラスと基材樹脂との間に本発明の光硬化性樹脂組成物を挟込んで光硬化し、基材樹脂表面に被膜を転写する方法が挙げられる。
また鋳型表面に前記方法で光硬化性樹脂組成物を塗布して透明フィルムで覆い、紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物の硬化後に透明フィルムを剥がし、得られた被膜を内側として鋳型を作製し、樹脂原料を注入して、重合硬化せしめ鋳型から剥離する方法が挙げられる。異物等による欠陥が無い良好な外観を有する被膜を得るためにはこの方法が望ましい。以下にこの方法の詳細を示す。
第1の工程で使用する透明樹脂フィルムは、後の硬化に使用する紫外線を透過し、光硬化性樹脂組成物により溶解あるいは膨潤しない耐溶剤性を有し、酸素の透過率が低いものが好ましい。その様なフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムが挙げられる。フィルムの厚みは、フィルム強度を維持する点から1μm以上が好ましく、取り扱い性やコスト等の点から200μm以下が好ましい。
第1の工程において、光硬化性樹脂組成物を介在させ、透明樹脂フィルムを鋳型を構成する為の型に積層する方法としては、例えば、透明樹脂フィルムもしくは型に光硬化性樹脂組成物を塗布し、これらをゴムロール等で圧着する方法が挙げられる。光硬化性樹脂組成物を塗布する方法は特に限定されず、前述の方法を適用できる。
本発明においては、第1の工程で透明樹脂フィルムを積層した後、第2の工程として、透明樹脂フィルムを介して紫外線を照射することにより型上の光硬化性樹脂組成物を硬化させる。この紫外線照射には、紫外線ランプ等を使用すればよい。紫外線ランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、蛍光紫外線ランプ等が挙げられる。
第2の工程における光硬化性樹脂組成物の硬化は、1段階で行っても良いし、2段階以上で行っても良い。また、第2の工程において、完全に硬化させても良いし、あるいは2段階以上の硬化過程のうちの一部のみを行っても良い。後者の場合は、具体的には、透明樹脂フィルムを介して前硬化し(第2の工程)、そのフィルムを剥離し(第3の工程)、その剥離後更に紫外線を直接照射して硬化し、完全に硬化した後に第4の工程を行えばよい。
本発明においては、第3の工程として、硬化した光硬化性樹脂組成物を型上に残して透明樹脂フィルムを剥がし、表面の少なくとも一部に硬化被膜を有する型を得る。ここで必要ならば前述したように更なる硬化を行っても良い。
そして第4の工程として、その硬化被膜が形成された前記型を少なくとも1個用いて、硬化被膜が内面(成形面の少なくとも一部)となるように注型重合用の鋳型を構成する。ここで、鋳型を構成する為の型としては、例えば、鏡面を有するステンレス板やガラス板、もしくは表面に凹凸を有するステンレス板やガラス板等を挙げることができ、これらを用いて注型重合用の鋳型を構成することができる。
具体的には、例えば、2枚の型の間に、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等からなるガスケットをはさみ込み、クランプで固定する等の方法によって、鋳型が組立てられる。また、連続的に注型重合する方法として、対向して走行する2枚のステンレス製エンドレスベルトの間で樹脂原料を注型重合する方法が知られているが、この場合はステンレス製エンドレスベルト表面に硬化被膜を形成しておけばよい。この方法は生産性の点で優れている。
第4の工程において注型重合用の鋳型が完成したら、第5工程として、その鋳型内に樹脂原料を注入して注型重合(キャスト重合)を行う。樹脂原料としては、従来より知られる各種の原料を使用できる。例えば、アクリル樹脂成形体を注型重合で製造する場合は、その樹脂原料として、(メタ)アクリル酸のエステル類を主成分とする単量体、あるいは、この単量体とこの単量体からなる重合体の混合物を含有するシロップ等を挙げることができる。アクリル樹脂は、単独重合体でも良いし、共重合体でも良い。(メタ)アクリル酸のエステル類としては、メタクリル酸メチルを例示することができる。例えば、メタクリル酸メチルを主な単量体成分とする場合、共重合単量体成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;などを併用できる。また、シロップを使用する場合、このシロップは、例えばメタクリル酸メチルに重合体を溶解させて得たものでも良いし、あるいはメタクリル酸メチルの一部を重合させて得たものでも良い。
注型重合において、原料を重合させる為に添加する開始剤としては、一般的に用いられるアゾ系の開始剤、パーオキサイド系開始剤が挙げられる。それら開始剤は通常量使用すればよい。また、樹脂原料には、その他得られる樹脂積層体の用途に応じ、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料等の各種添加剤を添加することもできる。
注型重合終了後、第6の工程として、樹脂積層体を取り出す。この樹脂積層体は鋳型に注入した樹脂原料の重合体から成るものであるが、同時にその表面に鋳型の内面側から転写した硬化被膜を有している。このようにして得た樹脂成形体は、成形体へ塗布硬化した硬化被膜と比較すると、異物等による欠陥が無い優れた被膜表面を有する。しかもその硬化被膜は上述の特定の材料から成るものなので、帯電防止性、耐擦傷性、透明性にも優れている。
本発明の樹脂積層体においては、必要に応じて、光硬化性樹脂組成物よりなる被膜の上に更に、反射防止膜を設けることができる。また樹脂積層体の片面に本発明の光硬化性樹脂組成物よりなる被膜を設け、他方の片面に反射防止膜、接着膜等の他の機能薄膜を設けることもできる。
本発明の樹脂積層体の表面は、透明性、耐擦傷性、帯電防止性に優れている。帯電防止性は、表面抵抗値および電荷半減期で評価することができ、表面抵抗値は、1×1013Ω/□以下が好ましく、5×1012Ω/□以下がより好ましく;電荷半減期は、30秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましい。また、耐擦傷性は擦傷ヘーズで評価することができ、擦傷ヘーズは0.3%以下が好ましく、0.2%以下がより好ましい。
本発明の、硬化皮膜を基材樹脂の少なくとも一部の表面に有する樹脂積層体によれば、帯電防止性を有するため埃が付着しにくく、耐擦傷性を有するため取り扱い等によって傷が付きにくく、着色等もなく、透明性は良好である。
このため、本発明の樹脂積層体は、部品カバー、グレージング材、車両用部材、ディスプレー材、照明材、銘板等に使用できるが、特に、CRT、液晶テレビ、プロジェクションテレビ等の各種ディスプレーの前面板、携帯電話の面板として好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
なお、特に断りがない限り、全ての試薬は市販の特級相当品を使用した。また、「部」は「質量部」を意味し、ヘーズおよび相対湿度以外の「%」は「質量%」を意味する。
(評価方法)
(ア)全光線透過率:
樹脂積層体の透明性を評価する為に、日本電色社製HAZE METER NDH2000により、JIS−K7361に示される測定法に準拠して、全光線透過率を測定した。
(イ)帯電防止性の指標として表面抵抗値を測定した。測定方法としては、超絶縁抵抗計(TOA製、ULTRA MEGOHMMETER MODEL SM−10E)を使用し、測定温度23℃、測定湿度50%相対湿度(以下、「%相対湿度」は「RH%」と記す)の条件で印加電圧500Vで1分後の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。なお、測定用の試料としては、予め、23℃、50RH%で1日間調湿したものを用いた。
(ウ)帯電防止性の他の指標として電荷半減期を測定した。測定方法としては、スタティックオネストメーター(宍戸商会製)を使用し、印加電圧10000V、試料回転速度1550rpm、印加時間30秒、測定温度23℃、測定湿度50RH%の条件で測定し、電圧印加時の試料電圧が印加電圧切断後、半分になるまでの時間を電荷半減時間(秒)とした。なお、測定用の試料としては、予め、23℃、50RH%で1日間調湿したものを用いた。
(エ)耐擦傷性については、擦傷試験の前後におけるヘーズの変化(擦傷ヘーズ)をもって評価した。即ち、#000のスチールウールを装着した直径25.4mmの円形パッドをサンプルの被膜側表面上に置き、9.8Nの荷重下で、20mmの距離を100回往復擦傷し、擦傷前と擦傷後のヘーズ値の差を下式(1)より求めた;
[擦傷ヘーズ(%)]
=[擦傷後のヘーズ(%)]−[擦傷前のヘーズ(%)] (1)
なお、ヘーズは、日本電色製HAZE METER NDH2000により、JIS−K7136に示される測定法に準拠して測定した。
(オ)ブリードアウトについては、耐湿試験により評価した。即ち、40℃、95RH%の条件下に10日間サンプルを放置した後、被膜の外観を目視で観察し、次の2段階で評価した;
○:変化なし
×:ブリード物で外観低下
(カ)生産性については、樹脂積層体を10枚作製し、第3の工程で光硬化性樹脂組成物(E)の硬化後に透明樹脂フィルムを剥がす際、硬化被膜が鋳型から剥離しなかったサンプル数をn/10で示した。
(共重合体Bの合成)撹拌羽根付きガラス製フラスコに、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド188部、メタノール228部を投入し、撹拌しながらジメチル硫酸136部、メタノール41.3部の混合物を、内温が15℃以下となる様に滴下し、滴下終了後30分間撹拌を続け四級アンモニウム塩基を有する化合物溶液を得た。
この溶液に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.4部、n−オクチルメルカプタン2.4部、メタノール384部、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル(カッコ内はポリエチレングリコールユニットの数)485部を加え、60℃で窒素雰囲気下に6時間重合させ、50℃で3日真空乾燥し、帯電防止性を付与する共重合体Bを得た。
[実施例1]
化合物(a−1)として、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 アロニックスM−309、以下「M309」とも記載する)47.5部、重量平均分子量約200のポリエチレングリコールのジアクリレート(新中村化学工業社製 NKエステルA200、以下「A200」とも記載する)13.75部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学社製 ビスコート#230、以下「C6DA」とも記載する)13.75部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成社製 アロニックスM−305、以下「M305」とも記載する)5部、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物(大阪有機化学工業社製、以下「TAS」とも記載する)20部と、共重合体(B)11部と、光重合開始剤(C)として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 ダロキュア1173、以下「D1173」とも記載する)1.5部と、ヒンダードアミン系化合物(D)として、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共社製 サノールLS744、以下「LS744」とも記載する)0.3部とを混合し、光硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた光硬化性樹脂組成物をSUS板に滴下し、その上に厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート製(以下、PETとも記載する)の2軸延伸フィルム(ダイヤホイル社製)を配置し、JIS硬度40゜のゴムロールにてしごき、光硬化性樹脂組成物層の厚みを20μmに設定した。その後、出力40Wの蛍光紫外線ランプ(東芝製、FL40BL)の下、10cmの位置を、PETフィルム面を上にして、2m/分のスピードで通過させ被膜の前硬化を行った。そして、SUS板上に硬化被膜を残して、PETフィルムを剥離した。次いで出力30W/cmの高圧水銀灯下20cmの位置を、被膜を上にして0.8m/分のスピードで通過させて、被膜をさらに硬化させた。この様に処理した2枚のSUS板を硬化被膜が内側になるように対向させ、周囲を軟質塩ビ製のガスケットで封じ、注型重合用のセルを作製した。このセルに、重量平均分子量22万のメタクリル酸メチル重合体20%とメタクリル酸メチル80%とからなるシラップ100部と、アゾビスジメチルバレロニトリル0.05部と、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩0.005部とからなる樹脂原料を注入し、対向するSUS板の間隔を2.7mmに調整し、80℃の水浴中で1時間、次いで、130℃の空気炉で1時間重合した。冷却後SUS板から樹脂板を剥離することにより表面に硬化被膜を有するアクリル系樹脂積層体を得た。
上記において、SUS板上に硬化被膜を残して、PETフィルムを剥離する際、硬化被膜のSUS板からの剥離は見られなかった。また、得られたアクリル系樹脂積層体は透明性に優れており、その表面抵抗率値は2.0×1011Ω/□、電荷半減時間は1秒、擦傷ヘーズは0.2%であった。また耐湿試験後もアクリル系樹脂積層体の外観に変化は無かった。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜13、比較例1〜11]
表1及び表2に示す原料組成を採用したこと以外は、実施例1と同様にしてアクリル系樹脂積層体を製造した。評価結果を表1および表2に示す。
[比較例12]
被膜を形成していないアクリル樹脂板(三菱レイヨン社製 アクリライトL)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2006342213
Figure 2006342213
表中の略号は、以下の化合物を示す。
「M309」 :トリメチロールプロパントリアクリレート
「A200」 :重量平均分子量約200のポリエチレングリコールのジアクリレート
「C6DA」 :1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
「M305」 :ペンタエリスリトールトリアクリレート
「TAS」 :コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物
「M450」 :ペンタエリスリトールテトラアクリレート(東亞合成社製 アロニックスM−450)
「DPHA」 :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製 KAYARAD DPHA)
「HEA」 :2−ヒドロキシエチルアクリレート
「DM」 :ジメチルアミノエチルメタクリレート
「D1173」:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
「I127」 :2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア127)
「I184D」:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア184D)
「TPO」 :2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 ダロキュアTPO)
「I819」 :ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア819)
「BIP」 :ベンゾインイソプロピルエーテル(精工化学社製 セイクオールBIP)
「BEE」 :ベンゾインエチルエーテル(精工化学社製 セイクオールBEE)
表1に示すように、実施例1〜12では、本発明の樹脂積層体においては、十分な帯電防止性、耐擦傷性および透明性が実現され、四級アンモニウム塩のブリードアウトも抑制されていることがわかった。また、SUS板上に硬化被膜を残して、PETフィルムを剥離する際、硬化被膜のSUS板からの剥離は見られず、高い生産性を有していた。
一方、表2に示すように、比較例1〜5では、SUS板上に硬化被膜を残して、PETフィルムを剥離する際、硬化被膜がSUS板から剥離した。また、比較例6〜9、11では耐擦傷性が不十分であり、比較例10では帯電防止性が不十分で、比較例12では帯電防止性及び耐擦傷性が不十分だった。
本発明によって得られた光硬化樹脂組成物を少なくとも一部の表面に有する樹脂積層体は、耐擦傷性、透明性などに優れ、ディスプレー前面板、携帯電話の面板など各種用途に好適である。

Claims (7)

  1. 分子中に2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−1)80〜100質量%と、分子中に1個のα、β−エチレン系不飽和結合を有する化合物(a−2)0〜20質量%と、分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a−3)0〜3質量%とからなる混合物(A)100質量部と、下記一般式(1)
    Figure 2006342213
    (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2〜R4は炭素数1〜9の置換基を含んでも良いアルキル基、mは1〜10の整数、X-は四級化剤由来のアニオン、Yは酸素原子またはNHを表す。)で表される化合物(b−1)20〜99質量%と、該化合物(b−1)と共重合可能な1つの不飽和二重結合を有する化合物(b−2)1〜80質量%とを重合して得られる共重合体(B)0.5〜30質量部と、光重合開始剤(C)として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンから選ばれる少なくとも1種を0.1〜10質量部と、ヒンダードアミン系化合物(D)0.01〜3質量部を含む光硬化性樹脂組成物。
  2. 化合物(b−2)が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
    Figure 2006342213
    (式中、R5は水素原子またはメチル基、R6は水素原子または炭素数1〜18の置換基を含んでも良いアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、Aは炭素数2〜4の置換基を含んでも良いアルキレン基、nは0〜500の整数を表す。)
  3. 一般式(1)における四級化剤由来のアニオン(X-)が、一般式R7SO3 -またはR7OSO3 -(式中、R7は水素原子または炭素数1〜20の置換基を含んでも良いアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。)である請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 一般式(1)におけるYがNHである請求項1〜3いずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. ヒンダードアミン系化合物(D)が、2及び6位の炭素上の全ての水素がメチル基で置換されているピペリジン骨格を、分子内に有する化合物である請求項1〜4いずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 基材樹脂の少なくとも一部の表面に、請求項1〜5いずれかに記載の光硬化性樹脂組成物の硬化被膜を有する樹脂積層体。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を介在させて、透明樹脂フィルムを鋳型を構成する為の型に積層する第1の工程と、
    前記透明樹脂フィルムを介して紫外線を照射することにより、前記型上の光硬化性樹脂組成物を硬化させる第2の工程と、
    硬化した光硬化性樹脂組成物を前記型上に残して、前記透明樹脂フィルムを剥がす第3の工程と、
    硬化被膜が形成された前記型を少なくとも1個用いて、前記光硬化性樹脂組成物の硬化被膜が内面となるように鋳型を構成する第4の工程と、
    前記鋳型内に樹脂原料を注入して注型重合を行う第5の工程と、
    注型重合終了後、前記鋳型の内面側から転写した硬化被膜を表面に有する前記原料の重合体からなる樹脂成形体を取り出す第6の工程と
    を含む樹脂積層体の製造方法。
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