JP2006341139A - 有害な無機性陰イオンの固定化除去方法及びそれに使用する固定化薬剤 - Google Patents

有害な無機性陰イオンの固定化除去方法及びそれに使用する固定化薬剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンを比較的低濃度で含む水から、それら陰イオンを簡便、廉価且つ効率よく除去する方法及びそれに使用する固定化剤を提供すること。
【解決手段】 リン酸イオン、ホウ素イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性イオンを含有する水に、少なくともセリウムの塩を主成分として含有する希土類元素の塩溶液及び水酸化マグネシュウムを添加し、PH8から11にて沈澱を生成させ、固液分離することにより、それら無機性陰イオンが固定され、速やかに除去される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機性陰イオン、特にリン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンを簡便且つ効率よく固定し、スラッジの発生量を少なくする固定化方法およびそれに使用する薬剤に関する。
リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンを含有する排水は、環境基準に管理すべき基準値が定められている。従来、これらの有害な無機性イオン含有水の処理方法としては、イオン交換樹脂により吸着させる方法や、硫酸アルミニウム、塩化アルミニュウムなどのアルミニュウム化合物及び、塩化第二鉄、水酸化カルシウムを組み合わせて凝集沈澱法により沈澱分離する方法等が知られているが、いずれも効率的な方法とはいえず、また、多量のスラッジを生成するという問題があった。
ホウ素イオンの除去に関して、凝集沈殿法と陰イオン交換樹脂又は選択性イオン交換樹脂を組み合わせた方法が提案されている(特許文献1参照)が、前段の凝集沈殿法の除去効率が悪いため後段の吸着樹脂に負荷が掛かり、そのためコストが掛かりすぎる問題と、吸着樹脂の再生液の処理の問題がある。さらに、低濃度のホウ素含有排水を希土類元素の含水酸化物を用いて処理する方法も提案されている(特許文献2参照)が、固体を用いるため吸着性能が低く多くの使用量を必要とし、処理に時間が掛かる等の問題がある。一方、ホウ素含有排水をホウ素選択吸着性イオン交換樹脂等に一旦吸着させ、その濃縮された脱離液に、希土類元素イオン及び/又はIVB族元素イオンを放出する化合物を添加するホウ素の除去法が提案されている(特許文献3参照)が、新たに吸着装置を必要とし、さらに煩雑な吸着及び脱離の操作を必要とする。また、一般に希土類元素とホウ素が反応して生成するフロックは嵩高く、沈降性が良くない。これらの問題点を改良するために、ホウ素含有水中に多価陰イオン性物質と希土類元素イオンを存在させた状態でpHを9〜13に調整することにより、ホウ素を難溶性物質として沈殿分離させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、得られたスラッジの含水率が70〜80%と高い問題があり、また、リン酸イオンや砒酸イオンなど他の有害なイオンに対する作用は開示されていない。
リン酸イオンの吸着剤として、希土類元素の水和酸化物が知られている(特許文献5参照)が、固体を用いるため吸着容量が低く使用量を多く必要とし、また処理に時間が掛かる等の問題がある。また特定の粒子径を有する酸化マグネシュウムを吸着剤とするリン酸イオンの吸着剤が開示されている(特許文献6参照)が、リン酸イオンは吸着するが、ホウ酸イオンや砒酸イオンに対する作用は開示されていなく、又該吸着剤は、ホウ酸イオンや砒酸イオンに対しては吸着性能が極めて低いため有効ではない。
特開昭57−180493号公報 特公平3−22238号公報 特開平11−235595号公報 特開2004−963号公報 特開昭61−4529号公報 特開2005−28272号公報
本発明は、リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンが単独で又は2種以上共存する被処理水中から効率よく、低量で且つ低含水率のスラッジとしてこれらの無機性陰イオンを除去する方法を提供することを目的とする。また、それに用いる薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、被処理水中にセリウムを主成分とする希土類元素塩溶液と水酸化マグネシュウムを存在させ、好適なpHに管理することによって、被処理水中に溶存する、リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンを一挙に難溶性物質として沈殿分離させることができることを見い出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]有害な無機性陰イオンを含有する被処理水に、該処理水のpHが8を超えているときは8以下に調整した後、少なくともセリウムの塩を主成分として含有する希土類元素の塩溶液及び水酸化マグネシュウムを存在させ、pH8〜11にて該無機性イオンを難溶性沈澱として生成させ、固液分離することを特徴とする有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[2] 有害な無機性陰イオンがリン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンの一種又は2種以上である[1]に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[3] 希土類元素の塩が少なくともセリウムの塩を90質量%以上含有する[1]又は[2]に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[4] 水酸化マグネシュウムが濃度25〜45質量%の水スラリーである[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[5] pH調整剤を使用する[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[6] pH調整剤が水酸化カルシウムである[5]記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
[7] 少なくともセリウムの塩を主成分として含む希土類元素の塩及び水酸化マグネシュウムからなる、有害な無機性陰イオンを含有する被処理水からそれらイオンを固定化除去するための薬剤。
[8] 希土類元素の塩が少なくともセリウムの塩を90質量%以上含有する[7]に記載の薬剤。
[9] 水酸化マグネシュウムが濃度25〜45質量%の水スラリーである[7]に記載の薬剤。
に関する。
本発明の方法によれば、被処理水中に含まれるリン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンを含有する水に、本発明の薬剤を添加してpHを調節することで、沈澱を生成させ、濾過する簡単な方法により、それら有害イオンを効率良く沈澱として除去することができる。また、生成するスラッジは、低含水率で少量であることから、汚泥の処理コストを低減させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、少なくともセリウムの塩を主成分として含有する希土類元素の塩溶液に水酸化マグネシュウムを併用してpH8〜11に調整することによって被処理水中の無機性陰イオンと結合して効率的に沈殿を生成させる。このうち、被処理水中の希土類元素イオンが主にリン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオンの固定剤としての役割を果たす。被処理水へ添加する際の希土類元素の塩溶液は塩酸塩、硫酸塩又は硝酸塩として被処理水に添加するのが好ましい。その塩水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、操作性を考慮すると、希土類元素酸化物として10〜40質量%、好ましくは20〜35質量%である。
本発明に使用する少なくともセリウムの塩を主成分として含有する希土類元素の塩は、希土類元素中、セリウムを75質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する希土類元素の塩の混合物である。セリウムイオンは、併せて使用する水酸化マグネシウムの存在下PH8〜11に調整されることで、効率的に被処理水中の無機性陰イオンと結合して沈殿を生成する。水酸化マグネシウムの共存下でpHがこの範囲以外の時は、pH調整剤を使用して前記pHの範囲になるように調整する。セリウム以外の希土類元素が多く含まれていると陰イオンと結合された化合物の溶解度により被処理水中の有害イオンの除去率が低下する問題がある。セリウム以外に混合されて良い物質としては、セリウム以外の希土類元素およびIVb元素である、スカンジウム、イットリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニユム、テリビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムを含む化合物等が挙げられる。
本発明において、希土類元素イオンの添加量は、被処理水中の無機性陰イオンの種類、組成と濃度にもよるが、リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの有害な無機性陰イオン1モル当たり、0.1〜30モル、好ましくは0.5〜15モルである。被処理水中に共存する塩素イオン、硝酸イオン及び硫酸イオンは希土類元素の水酸化物に殆ど吸着しないので、考慮する必要はない。吸着性が高い陰イオンとして考慮する必要がある陰イオン種は、リン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンの他、重炭酸イオン、珪酸イオン、亜砒素酸イオン、六フッ化珪酸イオンなどである。
本発明で使用する水酸化マグネシュウムはそれ自体がこれらの陰イオンを吸着し、希土類元素イオンとの組み合わせで相乗効果を奏するのみならず、沈澱時の粒子径を肥大化させ沈降性、脱水性のよい沈殿を生成して沈殿物の固液分離をしやすくすると同時に、ろ過スラッジ中の含水率を低下させる効果を奏する。水酸化マグネシュウムは粉末状、水スラリー状で添加することができるが、好ましくは、海水から析出させた水酸化マグネシュウムスラリーを使用することが簡便である。該水酸化マグネシュウムスラリーは、一般に工業用途として、海水を原料として、純分25〜45質量%の濃度のものを入手することができる。水酸化マグネシュウムの使用量は純分として、被処理水の容量に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜2質量%である。
本発明では、被処理水に希土類元素の塩溶液と水酸化マグネシュウムを添加後、pHを調整して生成する沈澱に有害な無機性陰イオンを共沈させる。そのpHは、一般的には8〜11の範囲、好ましくは8.5〜10.5の範囲である。除去すべき陰イオンがリン酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンなどの場合にはpH8.5〜9.5が、またホウ酸イオンの場合はpH9〜10.5の範囲が特に好ましい。pHが8以下では沈澱が完全に生成しないか、析出粒子がコロイド状となり、ろ過性が極端に低下する。またpHが11を越えると希土類元素イオンとの共沈の効率が低下し、有害陰イオンの除去率が低下する。
被処理水に希土類元素の塩溶液と水酸化マグネシュウムを添加する順序は、希土類元素の塩溶液を添加した後に水酸化マグネシュウムを添加する。添加後の液のpHが前記pHの範囲に無い場合はpH調整剤を使用して所定のpHに調整する。例えば水酸化マグネシウムの添加後の液のpHが7以下の場合には水酸化カルシュウムを添加し、pHを8〜11の範囲に調節して沈澱生成を完結させる。
一般に被処理水がpH8を超えるアルカリ性の場合は、希土類元素の塩溶液を添加すると希土類元素の水酸化物の沈澱が生成するので、この場合には予め塩酸、硫酸、硝酸等の酸の添加により被処理水のpHを8以下、好ましくは5〜8に調整する。本発明の効果を奏するためには、被処理水に希土類元素の塩溶液が添加された状態では、沈澱を生成させないことが好ましく、その後水酸化マグネシュウムを添加して、希土類元素と水酸化マグネシュウムの共沈物を形成させる。水酸化マグネシュウムの添加により目標とするpHに到達しない場合は、pH調整剤として水酸化カルシュウムを用いて所定のpH値に調節する。目標のpH値を超えた場合は塩酸、硫酸、硝酸等の酸を使用して再調節することも出来る。水酸化マグネシュウムの添加前に析出した沈澱は、極めて微細なゲル状の粒子のため、ろ過操作を困難にするので好ましくない。
さらに本発明においては、必要に応じて、凝集剤を使用することもできる。この場合の凝集剤は、希土類元素イオン及び水酸化マグネシュウムの添加後沈澱した無機性陰イオンの沈澱物を凝集させるのに用いられ、沈殿物の固液分離をより容易にすることができる。具体例としては、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、ポリ硫酸第一鉄、ポリ硫酸第二鉄等の無機系凝集剤の他、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリエチレンイミン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及び/その塩等のアニオン性有機系凝集剤等が挙げられる。
一連の工程終了後、被処理水を固液分離処理する。この固液分離は常法により行なうことができ、例として、濾過分離、遠心分離、沈降分離等が挙げられるが、通常の濾過装置で十分固液分離可能である。
連続式の反応槽と沈澱槽を用いて処理を行う場合は、沈殿の一部を反応槽に一部循環することもできる。更に上記一連の処理を行うことにより、沈澱物中に含有している希土類元素イオンと水酸化マグネシュウムを効率的に利用することができる。これによって溶存無機性イオンを更に低濃度まで除去することが可能となる。循環する沈殿物は、発生する沈澱物の10〜50質量%、好ましくは15〜30質量%である。
本発明によれば、生成した沈澱物の沈降速度は数秒〜数分と早く、また通常のろ過機により脱水したろ過スラッジは、含水率が60〜70%と極めて低含水率のスラッジを得ることができる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
実施例1
ホウ酸イオンをホウ素濃度として50mg/L含み(ホウ酸イオンとして4.63mM)、pH6.5のモデル排水1Lに、硝酸セリウム水溶液(希土類元素の99%以上がセリウムであるCeOとして28.3質量%含有し、比重1.68)を2.5ml(CeOとして6.75mM)添加し、続いて攪拌しながら市販の40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー(商品名S−40、日本海水社製)10gを加えた。15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。混合液のpH値は8.9であった。減圧濾過により固液分離し、濾液中のホウ素濃度を測定したところ、4.6mg/Lであった。また、16.0gのろ過スラッジが得られ、その含水率は68%であった。
実施例2
ホウ酸イオンをホウ素濃度として30mg/L(ホウ酸イオンとして2.78mM)とリン酸イオンをリン濃度として30mg/L(リン酸イオンとして0.97mM)を含むモデル排水1L(pH7.8)に、実施例1で用いた硝酸セリウム水溶液2.5ml(CeOとして6.75mM)を添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー5gを加えた。混合液のpH8.34であった。さらに水酸化カルシュウムを用いてpH9.5に調整し、15分間攪拌した。沈降性の良いフロックが生成し、減圧濾過により固液分離し、ろ液中のホウ素濃度とリン濃度を測定したところ、ホウ素濃度4.1mg/L、リン濃度0.01mg/Lであった。
比較例1
実施例1、2で、水酸化マグネシュウムスラリーを添加しない以外は実施例1、2と同様にして処理し、0.1N苛性ソーダ液でpH9.5に調整したところ、いずれの場合もコロイド状の超微粒子のフロックが生成したが、減圧濾過をすると濾紙(No.5A)の目を通過し、固液分離ができなかった。
比較例2
実施例1で、ホウ酸イオンをホウ素濃度として50mg/L、pH6.5のモデル排水1L(ホウ素イオンとして4.63mM)に、硝酸セリウム水溶液の代わりに、塩化ランタン水溶液(Laとして32.5質量%)を3.4g(LaO1.5として6.86mM)添加し、沈澱助剤として、硫酸ナトリウム1.0gを添加、続いて0.1N水酸化ナトリウム水溶液でpH11.0に調整して、15分間攪拌した。ふわふわとしたフロッグを形成し、実施例1に比べ、約2倍量の沈降体積の沈殿が生成した。これを減圧濾過により固液分離し、濾液中のホウ素濃度を測定したところ12.1mg/Lであった。また、ろ過スラッジの収量は18.4gが得られ、その含水率は79%であった。
実施例3
ホウ酸イオンをホウ素濃度として500mg/L含み、pH5.5のモデル排水1L(ホウ酸イオンとして46.3mM)に、塩化セリウム水溶液(希土類元素の95%以上がセリウムであるCeOとして31質量%含有)を25g(CeOとして45.0mM)添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー40gを加えた。15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。混合液のpH値は9.6であった。減圧濾過により固液分離し、ろ液中のホウ素濃度を測定したところ、8.6mg/Lであった。また、76g(排水の7.6質量%相当)のろ過スラッジが得られ、その含水率は67%であった。
比較例3
実施例3のモデル排水1Lに、凝集沈澱剤として硫酸アルミニュウム20gと消石灰30gを添加し、15分攪拌した。沈降性は良くないが減圧濾過により固液分離し、ろ液中のホウ素濃度を測定したところ、14.1mg/Lであった。156g(排水の15.6質量%相当)のべとべとしたろ過スラッジを得、その含水率は72%であった。
実施例4
リン酸二水素カリウムをリン濃度で300mg/Lに溶解したリン酸イオン含有モデル排水(pH9.3)を0.1N塩酸により、pH7.5に調節した液、1L(リン酸イオンとして9.67mM)に、塩化セリウム水溶液(希土類元素の95%以上がセリウムであるCeOとして31質量%含有)を4.0g(CeOとして7.2mM)添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー10gを加えた。添加後のpH値は9.6であった。15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。減圧濾過により固液分離し、ろ液中のリン濃度を測定したところ、1.2mg/Lであった。また、15.8g(排水の1.6質量%相当)のろ過スラッジが得られ、その含水率は65%であった。
比較例4
実施例4で、リン濃度で300mg/Lに溶解したリン酸含有モデル排水(pH9.3)のpH調整をしない以外は、実施例4と同様にして処理したところ、塩化セリウム水溶液を添加した直後に沈澱が生成し、続いて水酸化マグネシュウムスラリー10gを加えた後のpHは11.2を示した。このろ液中のリン濃度は13mg/Lであった。
比較例5
実施例4で、水酸化マグネシュウムスラリーを硫酸アルミニュウムに代えて4g添加して、pH調整剤として水酸化カルシュウムを使用してpH9.2に調節し、実施例4と同様にして処理したところ、ろ液中のリン濃度は26mg/Lであった。
実施例5
砒酸二水素カリウムを砒素濃度で5mg/Lに溶解した砒素イオン含有モデル排水(pH6.2)1L(砒酸イオンとして0.067mM)に、塩化セリウム水溶液(希土類元素の95%以上がセリウムであるCeOとして31質量%含有)を0.5g(CeOとして0.9mM)添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー2.5gを加えた。添加後のpH値は7.5であった。水酸化カルシュウムを用いてpH9.2に調整し、15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。減圧濾過により固液分離し、ろ液中の砒素濃度を測定したところ、0.01mg/Lであった。
実施例6
フッ素イオンとリン酸イオンを含有するモデル排水として、フッ素3mg/Lとリン6mg/Lを含有するモデル排水(pH5.8)1L(F:0.15mM、P:0.19mM)に、塩化セリウム水溶液(希土類元素の95%以上がセリウムであるCeOとして31質量%含有)を2g(CeOとして3.6mM)添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー5gを加えた。添加後のpH値は7.5であった。水酸化カルシュウムを用いてpH9.5に調整し、15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。減圧濾過により固液分離し、ろ液中のフッ素濃度とリン濃度を測定したところ、フッ素0.2mg/L、リン0.01mg/Lであった。
実施例7
ホウ酸イオンとしてホウ素濃度30mg/L(ホウ酸イオンとして2.78mM)のモデル排水(pH5.8)に、硝酸セリウム水溶液(希土類元素の99%以上がセリウムであるCeOとして28.3質量%含有し、比重1.68)を2.0ml(CeOとして3.50mM)添加し、続いて攪拌しながら40%濃度の水酸化マグネシュウムスラリー5gを加えた。混合液のpH7.9であった。さらに水酸化カルシュウムを用いてpH9.5に調整し、15分間攪拌し、沈降性の良いフロックが生成した。減圧濾過により固液分離し、濾液中のホウ素濃度を測定したところ、1.6mg/Lであった。
比較例6
実施例7で、水酸化カルシュウムによるpH調整を行わない(pH7.9)以外は、実施例7と同様に処理をした場合、及び水酸化カルシュウムを用いてpH11.5に調整した以外は実施例7と同様に処理した場合の濾液中のホウ素濃度は、それぞれ6.9mg/Lと8.2mg/Lであった。

Claims (9)

  1. 有害な無機性陰イオンを含有する被処理水に、該処理水のpHが8を超えているときは8以下に調整した後、少なくともセリウムの塩を主成分として含有する希土類元素の塩溶液及び水酸化マグネシュウムを存在させ、pH8〜11にて該無機性イオンを難溶性沈澱として生成させ、固液分離することを特徴とする有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
  2. 有害な無機性陰イオンがリン酸イオン、ホウ酸イオン、フッ素イオン、砒酸イオンの一種又は2種以上である請求項1に記載の無機性陰イオンの固定化除去方法。
  3. 希土類元素の塩が少なくともセリウムの塩を90質量%以上含有する請求項1又は2に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
  4. 水酸化マグネシュウムが濃度25〜45質量%の水スラリーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
  5. pH調整剤を使用する請求項1〜4のいずれか1項に記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
  6. pH調整剤が水酸化カルシウムである請求項5記載の有害な無機性陰イオンの固定化除去方法。
  7. 少なくともセリウムの塩を主成分として含む希土類元素の塩及び水酸化マグネシュウムからなる、有害な無機性陰イオンを含有する被処理水からそれらイオンを固定化除去するための薬剤。
  8. 希土類元素の塩が少なくともセリウムの塩を90質量%以上含有する請求項7に記載の薬剤。
  9. 水酸化マグネシュウムが濃度25〜45質量%の水スラリーである請求項7に記載の薬剤。
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