JP2006337286A - 形状計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 測定物体に照射パターンを照射する照射手段21と、測定物体20の表面で反射された撮像パターンを得る撮像手段22とを備え、撮像パターンから測定物体20の表面形状を得る形状測定装置において、測定物体20は照射手段21からの距離が第1の距離L1と第2の距離L2(L2>L1とする)の範囲に存在し、照射パターンは第1の距離L1と第2の距離L2の遅延時間を周期とした正弦波の位相が異なる複数のアナログ変調光列であり、撮像手段22は第2の距離L2にある測定物体20からの反射光が撮像手段22に戻る時間のタイミングで撮像パターンの光強度を計測し、かつ計測された光強度から計算する測定物体20の測度により、測定物体20の距離を求めるようにした。
【選択図】 図1
Description
人物や商品などを撮像する際に、背景抜き出しや測定物体の表面形状を計測する形状測定装置では、非特許文献1に開示されるように、通常は、光切断法と呼ばれる、光スリットを測定物体表面に照射しながら、その変形をカメラで観測することでカメラから測定物体までの距離、つまり表面形状を計測する。
また、ステレオ法と呼ばれる複数のカメラから視差情報を用いて測定物体の表面形状測定することが多い。これらの方法は三角測量の原理を用いているため、光源とカメラの間、あるいはカメラ同士の間に距離を必要とする。それらの視差により互いに見えない部分が生じる(いわゆる「隠れ」)ことがある。見えない部分は形状データが得られないので、近傍点から類推するか、測定位置を変えて再測定することで回避するが、表面形状が複雑だと隠れをなくすことが不可能な場合もある。
隠れが生じない測定方法にTOF(タイム・オブ・フライト)法がある。この方法は、距離計測装置から光を発し、測定物体上で反射して戻る光の時間をなんらかの方法で計測するものである。
これには特許文献1に開示されるような周波数変調したレーザ光源を照射し、反射光とビートを取ることで距離に相当する位相ずれを測定する方法、または特許文献2に開示されるような時間方向に増加する光パルスと減少する光パルスを照射し、これら2つのパルスに対して各々計測した反射光強度の比を測定することで距離を計測する方法が知られている。
かかる形状計測装置(特許文献1の技術)は、比較的精度よく距離計測できるが、位相ずれを2次元的に検知できる素子がないため、1度に1点しか距離計測できない短所を持ち、形状測定にはあまり向いていない。
図6は特許文献2に開示の従来例を示すブロック図である。この形状計測装置には、信号発生部15、信号処理部16、投光部17、および撮像部18が示されている。信号発生部15からは、投光部17へ照明光変調信号S1、撮像部18へ撮像利得変調信号S2、そして信号処理部16へ制御信号S3が送られる。
投光部17からは被写体へ照明光S6が照射され、被写体からの反射光S7は撮像部18へ入る。撮像部18から映像信号S41、S42が信号処理部16へ送られる。信号処理部16からは処理された信号が立体情報信号S5として出力される。
かかる形状計測装置(特許文献2の技術)は、1ns以下のごく狭い時間帯で光量の測定を行うことで、数cmきざみの距離分解能を持たせることができ、また短時間のシャッタ機能を備えた2次元受光素子を利用することで、一括で画像の画素ごとに距離計測を行える。
図7は光強度を三角形状に変調した光パターンを2つの場合で示す概略図である。図5および図6で示した形状計測装置は、図7(aが図5に、bが図6に対応)に示すように、光強度を三角形状に変調した光パターンでなければならず、同じ周期の正弦波で変調した場合に比べ変調時に高い周波数特性が要求される。
また、図6では、上りの三角形と下りの三角形の強度の比を用いて、測定物体の反射率をキャンセルしているため、計測時に信号以外の外乱光が混入するとこの比がずれてしまうため、背景光除去に注意を払う必要がある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、測定物体方面から戻る反射光から距離決定を行う際に、照射パターンを簡単に実現でき、背景光量変動に対する安定性を向上させる形状測定装置を提供することにある。
また請求項2に記載の発明は、前記照射パターンはI=A+Bcos(ωt+φo)の形の正弦波であり、φo=0、π/2、π、3π/2である4枚の繰り返しパターンから得られた前記撮像パターンの光量分布をPpc、Pns、Pnc、Ppsとすると、測度関数φ=atan((Pps−Pns)/(Ppc−Pnc))から測度φを求め、測定物体の距離Lを、L=L2−(L2−L1)φ/(2π)から求める請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記照射パターンはI=A+Bcos(ωt+φo)の形の正弦波であり、φo=0、π/2、πである3枚の繰り返しパターンから得られた前記撮像パターンの光量分布をPpc、Pns、Pnc、Ppsとすると、測度関数atan((Pps−Pns)/(Pns−Pnc))−π/4から測度φを求め、前記測定物体の距離Lを、L=L2−(L2−L1)φ/(2π)から求める請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記照射パターンは第1の距離L1と前記第2の距離L2の遅延時間の間にn周期(nは整数)の正弦波の光強度をとる周期とした複数のアナログ変調光列である請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、前記撮像手段から一定の光量を照射して計測した撮像光の光強度をPmax、前記撮像手段から光照射を行わずに計測した背景光の光強度をPmin、計測した光強度をP、規格化光強度をPnorm=K(P−Pmin)/(Pmax−Pmin)で求め、定数KをPnormの最大値を1とするように決め、Pnormを用いて形状を求める請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、前記照射手段はレーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源であり、前記撮像手段は光シャッタ付きのCCCD素子、またはCMOS素子である請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、前記照射手段はレーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源であり、前記撮像手段は電子増倍作用を持ったイメージインテンシファイアである請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、前記照射手段の光源を赤外光源とし、前記撮像手段に可視光を除去する光フィルタを設ける請求項1の形状測定装置を特徴とする。
また請求項10に記載の発明は、前記照射手段の光源を赤外光源とし、前記撮像手段に赤外光と可視光を分離するミラーを設け、分離した赤外光から形状を測定し、可視光から形状に貼り付けるテキスチャデータを得る請求項9記載の形状測定装置を特徴とする。
測定物体20は照射手段21から距離L1からL2(L2>L1とする)の範囲に存在し、照射パターンはL1とL2の遅延時間tp(=2(L2−L1)/c)(cは光速を意味する)の間に正弦波状の光強度を採るtpを周期とした複数のアナログ変調光列である。
各変調光列は正弦波の位相が異なり、撮像手段22は距離L2にある測定物体20からの反射光が撮像手段22に戻る時間t2(=2L/c)のタイミングで撮像パターンの光強度を計測し、かつ計測された光強度から計算する測定物体20の測度により、測定物体の距離を求めるようにしている。
具体的に述べれば、照明手段21はレーザダイオードからなり、レーザの出力光を変調して照射パターンを生成する。撮像手段22はレンズ23とCMOSフォトダイオードが2次元状に配列された受光素子アレイ22とレンズ23の直前に配した光シャッタ24からなる。
ハーフミラー25を利用してレンズ23の光学中心とレーザダイオード21の発光中心を光学的に同じ位置に合わせてあるため、測定物体20から見ると、照明手段21と撮像手段22は同じ場所にあるように見える。そのため、通常の光切断法と異なり、照明と撮像の間に視差がない。
照明手段(レーザダイオード)21から照射された光パルスは、ハーフミラー25で折り曲げられて測定物体20上に照射される。この測定物体20上で散乱された光の一部は、照射と同じ経路を逆にたどって、ハーフミラー25を透過し、光シャッタ24を抜けて受光素子アレイ22上に結像する。レンズ23の焦点距離をfとすると、レンズ23と受光素子アレイ22との距離は概ねfとなる。
t=2L/c
測定物体20がL1からL2(L1<L2)の間にあるとして、L1の距離から一番速くパルスが受光素子アレイ22に戻る時間t1と、L2の距離から一番遅くパルスが戻る時間t2は、
t1=2L1/c
t2=2L2/c
である。
レーザダイオード21の照射する変調周期をtp
tp=2(L2−L1)/c
とし、光強度がIp=A+Bcos(ωt+φo)となる正弦波状の変調パターンを照射する。ここでω=2π/tp、φoは初期位相である。
測定物体20で反射された反射光の光量は、測定物体表面の反射率と表面の距離の2乗に反比例するが、どちらも不明なのでId=A’+B’cos(ωt+φo+φs)の形で撮像される。A’、B’、φsは測定物体表面の場所ごとに異なる。
位相ずれφsが生じるのは、測定物体20の距離に応じて反射に遅延が生じるためで、距離L1で反射される場合が最も位相が進み、距離L2で反射される場合は最も位相が遅れる。
tpを周期に正弦波状に変調された光は、距離L2反射される光が撮像素子に戻る時間を基準にすると、L2位置でφs=0、L1位置でφs=2π、その中間の反射位置ではL2からの距離に比例して位相φsが割り振られる。上述した測度というのはここで言う距離に対応した位相値φsのことである。
撮像された変調パターンIdから何等かの方法で測度が分れば、次の式から距離Lが求められる。
L=L2−(L2−L1)φ/(2π)
例えば、φo=0とφo=πのパターンを用いると、Id1=A’+B’cos(ωt+φs)とId2=A’+B’sin(ωt+π+φs)が得られ、変調なしの背景光からId3=A’が得られる。
Id1、Id2、Id3を測定時間t2の一瞬で計測した光量とし、測度関数φ=atan((Id2−Id3)/(Id1−Id3))から測度φを求めると、φ=φsとして測度が得られる。この例では測度の判別に3回の測定が必要である。
光シャッタ24が開いている時間tsが測度の分解能を決めることになる。例えば、100MHzで変調している場合は1周期が3mになるので、L2−L1=1.5mの間、ちょうど変調パターンの1周期分が収まる。光シャッタ24が開くゲート時間が1周期の1/10に相当する1nsであれば、距離分解能は0.15mとなる。
この装置で高速動作しなくてはならないのは、レーザダイオード21と光シャッタ24だけであり、高価になり易い高速変調素子の数を2個に抑えられることが利点である。高速変調素子の個数が少なければ、相互の時間同期も取り易い。受光素子アレイ22を用いているため、アレイの各画素からレンズ23の光学中心を通して見た方向ごとに、測定物体表面の距離が同時に求められる。
受光素子アレイ22は通常のCCDやCMOS受光素子アレイで十分であるが、測度を正しく検知するには入射光量に対する信号の線形性が必要である。工業用のCCDでは通常1%程度の線形性が得られているので、光シャッタ24のゲート時間を周期の1/100まで短縮できれば、変調の1周期に相当するL2−L1に対して1%の精度が得られる。
図2の形状測定装置Aでは、追加的に、照射パターンは、I=A+Bcos(ωt+φo)の形の正弦波である。
図2において、形状測定装置Aは、測定物体20に光パターン(照射パターン)を照射する照射手段(レーザダイオード)21と、測定物体20表面で反射された光パターン(撮像パターン)を得る、照射手段21と光学的に同じ位置にある撮像手段22と、撮像パターンから測定物体20の表面形状を計算する計算手段(図示せず)から構成されている。
具体的に述べれば、照明手段21はレーザダイオードからなり、レーザの出力光を変調して照射パターンを生成する。撮像手段はレンズ23とCMOSフォトダイオードが2次元状に配列された受光素子アレイ22とレンズ23の直前に配した光シャッタ24からなる。
ハーフミラー25を利用してレンズ23の光学中心とレーザダイオード21の発光中心を光学的に同じ位置に合わせてあるため、測定物体20から見ると、照明手段21と撮像手段は同じ場所にあるように見える。測定物体20とハーフミラー25の間には参照ミラー26が配置されている。
φo=0、π/2、π、3π/2である4枚の繰り返しパターンから得られた撮像パターンの光量分布をPpc、Pns、Pnc、Ppsとすると、測度関数φ=atan((Pps−Pns)/(Ppc−Pnc))から測度φを求め、測定物体の距離Lを、L=L2−(L2−L1)φ/(2π)から求めるようにしている。
照射パターンとして、通常の位相シフト法でよく用いられる、π/2ずつずれた正弦波を4種類用いた例である。第1の実施形態に比べてパターンの枚数が増えているが、位相を安定して検知できる点で実績のある測度関数である。
第1の実施形態で背景光を求めたId3は、変調のない言わば「直流」パターンであるが、第2の実施形態は4枚のパターンとも空間周波数が同じであり、撮像レンズの結像特性に空間周波数依存性がある場合は、このようなパターンが望ましい。
この形状測定装置Aでは、照射パターンを、位相がπ/4だけ異なる4種類の正弦波が繰り返される光列とすることで、パターンが実装し易くなっているため、照射や観測を簡単に実現できる。
第2の実施形態より1枚だけ照射パターンを減らし、測度関数を変更したものである。3回撮像すればよいので、検知の手間を第2の実施形態より減らせるのが利点である。理論上は第2の実施形態と同じ測度が得られるはずであるが、変調が正弦波からずれると第2の実施形態の4枚パターンに比べて測度誤差が大きくなる。ただし、3枚のパターンとも空間周波数が同じであり、撮像レンズの結像特性に空間周波数依存性がある場合は、このようなパターンが望ましい。
第2の実施形態の第1の変形例の形状測定装置では、照射パターンを、位相がπ/4だけ異なる3種類の正弦波が繰り返される光列とすることで、パターンが実装し易くなっているため、照射や観測を簡単に実現できる。
第2の実施形態の第2の変形例の形状測定装置では、第1の実施形態に加え、照射パターンがL1とL2の遅延時間tpの間にn周期(nは整数)の正弦波の光強度を取るtp/nを周期とした複数のアナログ変調光列であるようにしている。
tpにn周期の正弦波を配置すると、0・・・2πの測度が0・・・2πnまでn倍増加するため、同じ測度誤差の場合、距離精度がn倍改善される。例えばn=10、つまり変調周波数を10倍にし、10周期分の正弦波とすれば、距離精度が10倍改善される。
このとき問題になるのは、測度は、実際には2πの範囲に折り畳まれているため、L1からL2の距離に対応する測度値がn個所生じることである。n=10の例では、L1からL2の間が10等分に分割され、各々の分割領域に対して0から2πの値の測度が対応するため、或る測度値を与えた場合、10個の分割領域のどれに対応しているか判断できないことになる。ここでは、照射パターンの周期をn倍短縮することで、照射パターンの測度検知精度をn倍向上しているので、距離分解能を高めることができる。
この問題を解決する現実的な解決策としては、測定物体20の上の或る点の測度を与え、その点の周辺の測度が連続することを仮定して撮像領域全域で位相を特定する方法が知られている。
また、nの値を1とする場合は、精度は低いが曖昧さなく測度を決定できるので、これを概算値として、nを増加させて精度を上げたとき、最も概算値に近い測度を選択する方法を採ってもよい。
図2のように、レンズ23の光学中心からLoの距離に距離の参照面となる反射板(参照ミラー)26を設けておく。レーザパルスの変調に対して光シャッタ24の変調の基準時間がずれている場合、計測される測度φdが真の位相φからずれる。
測定物体20の位置に光を吸収する吸収板(図示せず)を設けておくと、距離Loにある参照ミラー26で観察されるずれを含む測度をφr’とすると、真のφrは
L=L2−(L2−L1)φr/(2π)
でなくてはならない。この測度ずれ(φr−φr’)を用いると、計測測度φdを次式で補正できる。
φ=φd+(φr−φr’)
計測時には参照ミラー26を外し、吸収板の代りに測定物体20を置いて測定すればよい。
ここでは、半透明の反射板を設け、この反射板から戻る反射光の戻り時間から撮像に対する照射の測度ずれを計測することで、照射と撮像の変調タイミングずれを予測しているので、距離測定の誤差を低減できる。
図3において、形状測定装置は、測定物体20に光パターン(照射パターン)を照射する照射手段(レーザダイオード)21と、測定物体20表面で反射された光パターン(撮像パターン)を得る、照射手段21と光学的に同じ位置にある撮像手段22と、撮像パターンから測定物体20の表面形状を計算する計算手段(図示せず)から構成されている。
具体的に述べれば、照明手段21はレーザダイオードからなり、レーザの出力光を変調して照射パターンを生成する。撮像手段はレンズ23とCMOSフォトダイオードが2次元状に配列された受光素子アレイ22とレンズ23の直前に配した光シャッタ24からなる。
ハーフミラー25を利用してレンズ23の光学中心とレーザダイオード21の発光中心を光学的に同じ位置に合わせてあるため、測定物体20から見ると、照明手段21と撮像手段22は同じ場所にあるように見える。この場合、レーザダイオード21は赤外レーザダイオードであり、光シャッタ24の下に赤外線フィルタ27が配置されている。
図3の第3の実施形態の形状測定装置Aでは、図1の第1の実施形態に加えて、撮像手段22から一定の光量を照射して計測した撮像光の光強度をPmax、撮像手段22から光照射を行わずに計測した背景光の光強度をPmin、計測した光強度をP、規格化光強度をPnorm=K(P−Pmin)/(Pmax−Pmin)で求め、定数KをPnormの最大値を1とするように決め、Pnormを用いて形状を求めるようにしている。
P=CPsσ+Pb
となる。
一定の光強度Ps1で照射した場合の計測光強度をPmax、光強度0とした場合の計測光強度をPminとすると、
Pmax=CPs1σ+Pb
Pmin=Pb
背景光を除いた真の計測光強度をPxとし、規格化光強度Pnorm=(K P−Pmin)/(Pmax−Pmin)を求めると、
P=CPxσ+Pb
Pnorm=K(P−Pmin)/(Pmax−Pmin)=KPx/Ps1
Pxの最大値をPxmaxとすると、
K=Ps1/Pxmax
とすればPnormを0から1に規格化できる。
ここでは、一定光量の撮像光強度と背景光の光強度で、計測した光強度を規格化することで、撮像される光強度が測定物体の反射率に依存しにくいため、測定物体20の反射率に依存した距離誤差を低減できる。
改めてPnormを計測光強度として距離判定に用いれば、測定物体20の反射率や背景光の影響なしに形状計測できる。Kの値は、撮像手段で得られた画素ごとに異なる値を取る。
第1の実施形態の具体例および第2の実施形態、およびその第1の変形例の照射パターンを用いると、理論上は測定物体表面の反射率をキャンセルできるのであるが、照射パターンが厳密な正弦波からずれると測度誤差が生じる。
第3実施形態の形状測定装置Aでは、第1実施形態に加え、照射手段21はレーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源であり、撮像手段22は光シャッタ24付きのCCCD素子、またはCMOS素子であるように構成している。
照明手段21や撮像手段22は、なるべく入手し易く低コストの部品で作れることが望ましい。照射手段21を、レーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源、撮像手段22を、光シャッタ24付きのCCCD素子、またはCMOS素子とすれば、容易に第3の実施形態の装置を構成することができる。
レーザダイオードと外部に光シャッタ24を設けたCCDまたはCMOSアレイによる構成は第1の実施形態の具体例で既に述べた。最近のLSIは簡単な回路であれば10GHzを越すクロックでも動作するので、光シャッタ24をCMOS基板に内蔵した光電流のシャッタ回路としてもよい。
第3の実施形態の形状測定装置では、照射手段21を半導体光源、撮像手段22を光シャッタ付きのCCCD素子、またはCMOS素子とすることで、入手し易く、高速応答可能な素子で装置を構成できるので、システムコストを低減できる。
撮像手段22で光量を測定する場合、計測周期数を増やすことで光量を確保することは第1の実施形態の説明で述べたが、受光素子自体を高速高感度にする方法もある。第3の実施形態のこの第1の変形例では受光素子として電子増倍作用を持ったイメージ増強装置(製造元は浜松ホトニクス社など)を用いる。
この素子は高速のゲート機能を持つため、光シャッタを兼用できる点もメリットである。高感度に光強度を計測できるため、計測周期数を増やす必要もなく、全体の形状計測時間を低減することに繋がる。
また、照射手段21を半導体光源、撮像手段22を、電子増倍作用を有するイメージ増強装置とすることによって、撮像手段22を高速・高感度化しているので、距離誤差を低減できる。
第3の実施形態の第2の変形例の形状測定装置では、第1の実施形態に加え、照射手段21の光源を赤外光源(赤外線レーザダイオード)とし、撮像手段22には可視光を除去する光フィルタ(赤外線フィルタ)27を設けている。
図3に示すように、光源として赤外レーザダイオード21を用い、光シャッタ24に赤外線を透過する赤外線フィルタ27を設けることで、ノイズになる外部からレンズに入射する可視光(外乱光)を除去し、光強度計測の光量誤差に起因する距離誤差を低減できる。
第3の実施形態の第2の変形例の光フィルタとして、第2のハーフミラー28を新たに設け、この第2のハーフミラー28は可視光を反射するようにする。反射した可視光は第2のレンズ29で受光素子アレイ22に結像され、可視のテキスチャ画像として撮像する。
赤外レーザダイオード21とレンズ23と光シャッタ24と受光素子アレイ22により形状計測を行う点は、第3の実施形態の第2の変形例と同じである。レンズ23と第2のレンズ29の光学中心は、ハーフミラー25および第2のハーフミラー28で折り曲げられているだけで、光学的に同じ位置にあるため、受光素子アレイ22および第2の受光素子アレイ30の画素ごとにテキスチャ画像と距離画像の対応を付けることができる。
第4の実施形態の形状測定装置では、赤外光・可視光の分離ミラーを利用して赤外光から形状を測定し、可視光から形状に貼り付けるテキスチャデータを得る。これによって、形状測定とテキスチャ画像取得を異なる波長の光で行うので、形状測定とテキスチャ画像取得を同時に行える。
Claims (10)
- 測定物体に照射パターンを照射する照射手段と、前記測定物体の表面で反射された撮像パターンを得る撮像手段とを備え、前記撮像パターンから測定物体の表面形状を得る形状測定装置において、前記測定物体は前記照射手段からの距離が第1の距離L1と第2の距離L2(L2>L1とする)の範囲に存在し、前記照射パターンは前記第1の距離L1と前記第2の距離L2の遅延時間を周期とした正弦波の位相が異なる複数のアナログ変調光列であり、前記撮像手段は前記第2の距離L2にある前記測定物体からの反射光が前記撮像手段に戻る時間のタイミングで前記撮像パターンの光強度を計測し、かつ計測された光強度から計算する前記測定物体の測度により、前記測定物体の距離を求めることを特徴とする形状測定装置。
- 前記照射パターンはI=A+Bcos(ωt+φo)の形の正弦波であり、φo=0、π/2、π、3π/2である4枚の繰り返しパターンから得られた前記撮像パターンの光量分布をPpc、Pns、Pnc、Ppsとすると、測度関数φ=atan((Pps−Pns)/(Ppc−Pnc))から測度φを求め、測定物体の距離Lを、L=L2−(L2−L1)φ/(2π)から求めることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射パターンはI=A+Bcos(ωt+φo)の形の正弦波であり、φo=0、π/2、πである3枚の繰り返しパターンから得られた前記撮像パターンの光量分布をPpc、Pns、Pnc、Ppsとすると、測度関数atan((Pps−Pns)/(Pns−Pnc))−π/4から測度φを求め、前記測定物体の距離Lを、L=L2−(L2−L1)φ/(2π)から求めることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射パターンは第1の距離L1と前記第2の距離L2の遅延時間の間にn周期(nは整数)の正弦波の光強度をとる周期とした複数のアナログ変調光列であることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射手段の前方の距離Loに反射板を設け、該反射板から戻る反射光の測度φr、前記測定物体での反射光から得られた検知測度をφdとし、真の測度φをφ=φd+((L2−Lo)/(2π(L2−L1))−φr)から求めることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記撮像手段から一定の光量を照射して計測した撮像光の光強度をPmax、前記撮像手段から光照射を行わずに計測した背景光の光強度をPmin、計測した光強度をP、規格化光強度をPnorm=K(P−Pmin)/(Pmax−Pmin)で求め、定数KをPnormの最大値を1とするように決め、Pnormを用いて形状を求めることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射手段はレーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源であり、前記撮像手段は光シャッタ付きのCCCD素子、またはCMOS素子であることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射手段はレーザダイオードや発光ダイオードなどの半導体光源であり、前記撮像手段は電子増倍作用を持ったイメージインテンシファイアであることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射手段の光源を赤外光源とし、前記撮像手段に可視光を除去する光フィルタを設けることを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
- 前記照射手段の光源を赤外光源とし、前記撮像手段に赤外光と可視光を分離するミラーを設け、分離した赤外光から形状を測定し、可視光から形状に貼り付けるテキスチャデータを得ることを特徴とする請求項9記載の形状測定装置。
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