JP2006337130A - フライングキャパシタ方式電圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電圧源の電圧測定機能と絶縁検出機能とを有するフライングキャパシタ方式電圧測定装置を提供すること。
【解決手段】フライングキャパシタ3に接続され、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の個別電圧を測定する電圧測定モードと高圧電源の絶縁状態を検出する絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択する動作モード選択回路4と、サンプルスイッチ5と電圧計測手段7との間に接続され、サンプルスイッチ5を介して供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換して電圧計測手段7に供給するインターフェース回路6と、動作モード選択回路4の動作モードを選択すると共に、選択された動作モードに応じて、マルチプレクサ1,2のスイッチS1〜S6およびサンプルスイッチ4の開閉を制御する制御手段7とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】フライングキャパシタ3に接続され、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の個別電圧を測定する電圧測定モードと高圧電源の絶縁状態を検出する絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択する動作モード選択回路4と、サンプルスイッチ5と電圧計測手段7との間に接続され、サンプルスイッチ5を介して供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換して電圧計測手段7に供給するインターフェース回路6と、動作モード選択回路4の動作モードを選択すると共に、選択された動作モードに応じて、マルチプレクサ1,2のスイッチS1〜S6およびサンプルスイッチ4の開閉を制御する制御手段7とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、フライングキャパシタ方式電圧測定装置に関し、特に、絶縁検出機能を備えたフライングキャパシタ方式電圧測定装置に関する。
電気自動車の電源のように、多数個の電池(電圧源)を直列接続して構成される高圧電源において、高圧電源を構成する各個別電池(電圧源)の電圧を、それぞれ測定する装置として、フライングキャパシタ方式電圧測定装置がある。このような装置は、たとえば、特開平11−248755号公報(特許文献1)に開示されている。
上記公報に開示されているフライングキャパシタ方式電圧測定装置では、スイッチにより電圧源の電圧を一旦コンデンサに蓄え、その後電圧源とコンデンサ間のスイッチを切り離し、信号処理側とコンデンサ間を接続することにより、絶縁を保ちながら各電圧源の電圧をマルチプレクスして取り込んでいる。
特開平11−248755号公報
しかしながら、上述の従来装置では、電圧源の電圧測定機能のみで、電圧源の絶縁状態を検出するためには、別途地絡センサを設ける必要があり、システムとしての効率が悪いという課題がある。
そこで本発明は、上述した課題に鑑み、電圧源の電圧測定機能と絶縁検出機能とを有するフライングキャパシタ方式電圧測定装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明のフライングキャパシタ方式電圧測定装置は、直列接続されたN個の電圧源を含み、接地電位から絶縁されている高圧電源と、フライングキャパシタと、前記N個の電圧源に接続された(N+1)個の電圧検出端子を前記フライングキャパシタに選択的に接続する(N+1)個のスイッチを含むマルチプレクサと、電圧計測手段と、前記フライングキャパシタの両端電圧を前記電圧計測手段に供給するサンプルスイッチとを有するフライングキャパシタ方式電圧測定装置であって、前記フライングキャパシタに接続され、前記高圧電源の各電圧源の個別電圧を測定する電圧測定モードと前記高圧電源の絶縁状態を検出する絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択する動作モード選択回路と、前記サンプルスイッチと前記電圧計測手段との間に接続され、前記サンプルスイッチを介して供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換して前記電圧計測手段に供給するインターフェース回路と、前記動作モード選択回路の動作モードを選択すると共に、選択された動作モードに応じて、前記マルチプレクサのスイッチおよび前記サンプルスイッチの開閉を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された(N+1)個の前記電圧検出端子のうちの奇数番目の電圧検出端子を前記フライングキャパシタの一方の端子側に選択的に接続する第1のマルチプレクサと、前記(N+1)個の電圧検出端子のうちの偶数番目の電圧検出端子を前記フライングキャパシタの他方の端子側に選択的に接続する第2のマルチプレクサとを含むことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された(N+1)個の前記電圧検出端子のうちの1〜N番目の電圧検出端子をそれぞれ前記フライングキャパシタの一方の端子側に選択的に接続する複数のスイッチと、前記(N+1)個の電圧検出端子のうちの2〜(N+1)番目の電圧検出端子をそれぞれ前記フライングキャパシタの他方の端子側に選択的に接続する複数のスイッチとを含むことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された前記(N+1)個の電圧検出端子を前記フライングキャパシタに選択的に接続する(N+1)個のスイッチと、前記(N+1)個の電圧サンプルスイッチのうちの1番目からN番目までのスイッチと前記フライングキャパシタの一方の端子間に、それぞれ、前記スイッチから前記フライングキャパシタへ導通する極性で接続されたN個のダイオードと、前記(N+1)個のスイッチのうちの2番目から(N+1)番目までのスイッチと前記フライングキャパシタの他方の端子間に、それぞれ、前記フライングキャパシタから前記スイッチへ導通する極性で接続されたN個のダイオードとをさらに備えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記動作モード選択回路は、前記動作モードの選択に応じて前記フライングキャパシタの充電抵抗を切り替えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記動作モード選択回路は、前記動作モードの選択に応じて、前記フライングキャパシタの充電抵抗を切り替えると共に、前記電圧測定モード時には前記フライングキャパシタを接続し、前記絶縁検出モード時には、前記フライングキャパシタに代えて前記フライングキャパシタより容量の大きいキャパシタを接続することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、前記インターフェース回路は、前記動作モード選択回路の充電抵抗と共に分圧抵抗として働く抵抗を含む分圧回路で構成されることを特徴とする。
請求項1から4に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、高圧電源の絶縁状態を検出する地絡センサの機能を内蔵でき、地絡センサハードウェア分のコスト・スペースを削減できる。
請求項5および6に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、電圧測定モードの性能を落とすことなく絶縁検出モードの検出精度を向上させることができる。
請求項7記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、充電抵抗が分圧抵抗として兼用されるので、部品コストが安価になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に係るフライングキャパシタ方式電圧測定装置の構成を示す回路図である。
フライングキャパシタ方式電圧測定装置は、高圧電源Vの電圧検出端子T1〜T6に接続された第1および第2のマルチプレクサ1,2、両極性のフライングキャパシタ3、動作モード選択回路4、サンプルスイッチ5、I/F(インターフェース)回路6およびマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)7を含む。
高圧電源Vは、直列接続されたN個(この形態では、たとえばN=5)の電圧源(たとえば、単電池)V1〜V5を含み、接地電位から絶縁されている。各電圧源V1〜V5は、(N+1)個(この形態では、たとえば6個)の電圧検出端子T1〜T6にそれぞれ接続されている。電圧検出端子T1およびT6は、それぞれ、高圧電源Vの正端子および負端子となっている。
マルチプレクサ1は、一方の端子が各電圧検出端子T1,T3,T5にそれぞれ接続されたスイッチS1,S3,S5を含む。また、マルチプレクサ2は、一方の端子が各電圧検出端子T2,T4,T6にそれぞれ接続されたスイッチS2,S4,S6を含む。
スイッチS1,S3,S5の他方の端子は、それぞれ、動作モード選択回路4に接続され、スイッチS2,S4,S6の他方の端子は、それぞれ、フライングキャパシタ3の一方の端子に接続されている。
動作モード選択回路4は、スイッチS7と抵抗R1の並列接続回路からなり、並列接続回路の一方の端子は、スイッチS1,S3,S5の他方の端子に接続され、他方の端子は、フライングキャパシタ3の他方の端子に接続されている。
サンプルスイッチ5は、動作モード選択回路4の一方の端子に接続されたスイッチS8およびS10と、フライングキャパシタ3の一方の端子に接続されたスイッチS9およびS11を含む。スイッチS8〜S11の他方の端子は、I/F回路6に接続されている。
I/F回路6は、サンプルスイッチ5を介してマイコン7の入力ポートA/Dに供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換するためのものであり、抵抗R3および抵抗R4で構成される。抵抗R3およびR4は、後述するように、動作モード選択回路4の抵抗R1と共に分圧抵抗としてフライングキャパシタ3の両端電圧を分圧する分圧回路を構成する。抵抗R3の一方の端子は、サンプルスイッチ5のスイッチS9およびS10の他方の端子に接続され、他方の端子は接地されている。抵抗R4の一方の端子は、サンプルスイッチ4のスイッチS8およびS11の他方の端子とマイコン7の入力ポートA/Dに接続され、他方の端子は接地されている。
マイコン7は、その電源ポートVccに、電源+Vccからの駆動電圧が供給され、その入力ポートA/DにI/F回路6から電圧が供給されて電圧計測手段として働くと共に、マルチプレクサ1,2の各スイッチS1〜S6、動作モード選択回路4のスイッチS7およびサンプルスイッチ5の各スイッチS8〜S11を後述する動作モードに応じて切り替え制御する制御手段として働く。
上述の構成により、フライングキャパシタ方式電圧測定装置は、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の個別電圧を測定する電圧測定モードと、高圧電源Vの絶縁状態(地絡状態)を検出する絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択して動作させることができる。以下、各動作モードについて説明する。
電圧測定モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、動作モード選択回路4のスイッチS7を閉じると共に、第1のマルチプレクサ1のスイッチS1と第2のマルチプレクサ2のスイッチS2を閉じると、電圧源V1、電圧検出端子T1、スイッチS1、スイッチS7、フライングキャパシタ3、スイッチS2および電圧検出端子T2により閉回路が形成される。それにより、電圧源V1の電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS1,S2,S7を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V1の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8,S9を開き、続いてスイッチS2,S3,S7を閉じると、電圧源V2、電圧検出端子T2、スイッチS2、フライングキャパシタ3、スイッチS7、スイッチS3および電圧検出端子T3により閉回路が形成される。それにより、電圧源V2の電圧が、電圧源V1の測定時と逆極性で、すなわち、スイッチS2に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS2,S3,S7を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS11,S10を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧は、スイッチS11,S10で極性反転され、電圧源V1の測定時と同一極性とされると共に、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V2の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
以下同様に、スイッチS3およびS4、S4およびS5、S5およびS6の組み合わせにより、それぞれ、電圧源V3、V4およびV5の各電圧を示す値が、マイコン7で読み込まれる。また、スイッチS1およびS6の組み合わせにより、電圧源V1〜V5の全部の合計電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧もマイコン7で読み込むことができる。なお、奇数番目の電圧源V1,V3,V5の電圧測定時には、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9が閉じられるが、偶数番目の電圧源V2,V4の電圧測定時には、サンプルスイッチ5のスイッチ11,10が閉じられて極性反転されるので、マイコン7の入力ポートA/Dには、常に同一極性の電圧が供給される。
次に、絶縁検出モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、第1のマルチプレクサ1のスイッチS1と第2のマルチプレクサ2のスイッチS6を閉じると、電圧源V1〜V5、電圧検出端子T1、スイッチS1、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS6および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、高圧電源Vの高圧電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS1,S6を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、高圧電源Vの高圧電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS9を閉じたままで、スイッチS1を閉じると、電圧源V1〜V5、電圧検出端子T1、スイッチS1、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS9、抵抗R3、接地電位、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnおよび電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS1を開き、続いてスイッチS8を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rnの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rnの値に応じた電圧と、前回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnの値を算出する。(なお、地絡抵抗の算出方法は、たとえば、出願人が先に提案している特開2004−170103号公報や特開2004−245632号公報等で開示している方法と同じであり、ここでは詳述しない。以下同じ。)
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8を閉じたままで、スイッチS6を閉じると、電圧源V1〜V5、電圧検出端子T1、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位、抵抗R4、抵抗R2、スイッチS8、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS6および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS6を開き、続いてスイッチS9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rpの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rpの値に応じた電圧と、前々回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpの値を算出する。
最後に、マイコン7は、算出した負端子側の地絡抵抗Rnと正端子側の地絡抵抗Rpの各値から、高圧電源Vの絶縁状態を判定する。たとえば、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpと、予め定められた基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗Rpの値が基準抵抗値以下になっている場合は、絶縁不良が生じていると判定する。
このように、第1の実施形態のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、電圧測定モードにおいて、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の電圧測定を行うことができると共に、絶縁検出モードにおいて、高圧電源Vの絶縁や地絡状態を検出することができる。
また、電圧測定モードと絶縁検出モードは、フライングキャパシタ3と、第1のマルチプレクサ1、第2のマルチプレクサ2、動作モード選択回路4、サンプルスイッチ5の各スイッチの開閉を上述のようにシーケンス制御するのみで、電圧源の電圧測定動作と絶縁検出動作を可能とすることができる。そして、このようなシーケンス制御は、マイコン7のソフトウエアプログラムによって実行可能である。
(第2の実施形態)次に図2は、本発明の第2の実施形態に係るフライングキャパシタ方式電圧測定装置の構成を示す回路図である。
フライングキャパシタ方式電圧測定装置は、高圧電源Vの電圧検出端子T1〜T6に接続された短絡保護用の電流制限抵抗R11〜R16、マルチプレクサ12、単極性のフライングキャパシタ3、動作モード選択回路4、サンプルスイッチ5、I/F(インターフェース)回路6、および電圧計測手段としてのマイコン7を含む。
高圧電源Vは、直列接続されたN個(この形態では、たとえばN=5)の電圧源(たとえば、単電池)V1〜V5を含む。各電圧源V1〜V5は、(N+1)個(この形態では、たとえば6個)の電圧検出端子T1〜T6にそれぞれ接続されている。
マルチプレクサ12は、一方の端子が電流制限抵抗R11〜R15にそれぞれ接続されたスイッチS12〜S16と、一方の端子が電流制限抵抗R12〜R16にそれぞれ接続されたスイッチS17〜S21とを含む。
スイッチS12〜S16の他方の端子は、それぞれ、動作モード選択回路4に接続され、スイッチS17〜S21の他方の端子は、それぞれ、フライングキャパシタ3の一方の端子に接続されている。
動作モード選択回路4は、スイッチS7と抵抗R1の並列接続回路からなり、並列接続回路の一方の端子は、スイッチS12〜S16の他方の端子に接続され、他方の端子は、フライングキャパシタ3の他方の端子に接続されている。
サンプルスイッチ5は、動作モード選択回路4の一方の端子に接続されたスイッチS8と、フライングキャパシタ3の一方の端子に接続されたスイッチS9を含む。スイッチS8,S9の他方の端子は、I/F回路6に接続されている。
I/F回路6は、サンプルスイッチ5を介してマイコン7の入力ポートA/Dに供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換するためのものであり、抵抗R3および抵抗R4で構成される。抵抗R3およびR4は、後述するように、動作モード選択回路4の抵抗R1と共に分圧抵抗としてフライングキャパシタ3の両端電圧を分圧する分圧回路を構成する。抵抗R3の一方の端子は、サンプルスイッチ5のスイッチS9およびS10の他方の端子に接続され、他方の端子は接地されている。抵抗R4の一方の端子は、サンプルスイッチ4のスイッチS8およびS11の他方の端子とマイコン7の入力ポートA/Dに接続され、他方の端子は接地されている。
マイコン7は、その電源ポートVccに、電源+Vccからの駆動電圧が供給され、その入力ポートA/DにI/F回路6から電圧が供給されて電圧計測手段として働くと共に、マルチプレクサ1,2の各スイッチS1〜S6、動作モード選択回路4のスイッチS7およびサンプルスイッチ5の各スイッチS8〜S11を後述する動作モードに応じて切り替え制御する制御手段として働く。
上述の構成により、第2の実施形態のフライングキャパシタ方式電圧測定装置は、同様に電圧測定モードと絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択して動作させることができる。以下、各動作モードについて説明する。
電圧測定モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、動作モード選択回路4のスイッチS7を閉じると共に、マルチプレクサ12のスイッチS12,S17を閉じると、電圧源V1、電圧検出端子T1、電流制限用抵抗R11、スイッチS12、スイッチS7、フライングキャパシタ3、スイッチS17、電流制限用抵抗R12および電圧検出端子T2により閉回路が形成される。それにより、電圧源V1の電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS12,S17,S7を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V1の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8,S9を開き、続いてスイッチS13,S18,S7を閉じると、電圧源V2、電圧検出端子T2、電流制限用抵抗R12、スイッチS13、スイッチS7、フライングキャパシタ3、スイッチS18、電流制限用抵抗R13および電圧検出端子T3により閉回路が形成される。それにより、電圧源V2の電圧が、電圧源V1の測定時と同様に、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS13,S18,S7を開いて、サンプルスイッチ4のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V2の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
以下同様に、スイッチS14およびS19、S15およびS20、S16およびS21の組み合わせにより、それぞれ、電圧源V3、V4およびV5の各電圧を示す値が、マイコン7で読み込まれる。また、スイッチS12およびS21の組み合わせにより、電圧源V1〜V5の全部の合計電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧もマイコン7で読み込むことができる。なお、この第2の実施形態では、全ての電圧源V1〜V5の電圧測定時に、フライングキャパシタ3は同一方向に充電されるので、マイコン7の入力ポートA/Dには、常に同一極性の電圧が供給される。
次に、絶縁検出モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、マルチプレクサ12のスイッチS12,S21を閉じると、電圧源V1〜V5、電圧検出端子T1、電流制限用抵抗R11、スイッチS12、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS21、電流制限用抵抗R16および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、高圧電源Vの高圧電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS12,S21を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、高圧電源Vの高圧電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS9を閉じたままで、スイッチS12を閉じると、電圧検出端子T1、電流制限用抵抗R11、スイッチS12、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS9、抵抗R3、接地電位、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnおよび電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS12を開き、続いてスイッチS8を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rnの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rnの値に応じた電圧と、前回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnの値を算出する。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8を閉じたままで、スイッチS21を閉じると、電圧検出端子T1、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位、抵抗R4、抵抗R2、スイッチS8、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS21および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS21を開き、続いてスイッチS9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rpの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rpの値に応じた電圧と、前々回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpの値を算出する。
最後に、マイコン7は、算出した負端子側の地絡抵抗Rnと正端子側の地絡抵抗Rpの各値から、高圧電源Vの絶縁状態を判定する。たとえば、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpと、予め定められた基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗Rpの値が基準抵抗値以下になっている場合は、絶縁不良が生じていると判定する。
このように、第2の実施形態のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、電圧測定モードにおいて、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の電圧測定を行うことができると共に、絶縁検出モードにおいて、高圧電源Vの絶縁や地絡状態を検出することができる。
また、電圧測定モードと絶縁検出モードは、フライングキャパシタ3と、マルチプレクサ12、動作モード選択回路4、サンプルスイッチ5の各スイッチを上述のようにシーケンス制御するのみで、電圧源の電圧測定動作と絶縁検出動作を可能とすることができる。そして、このようなシーケンス制御は、マイコン7のソフトウエアプログラムによって実行可能である。
(第3の実施形態)次に図3は、本発明の第3の実施形態に係るフライングキャパシタ方式電圧測定装置の構成を示す回路図である。
フライングキャパシタ方式電圧測定装置は、高圧電源Vの電圧検出端子に接続されたマルチプレクサ12、フライングキャパシタ3、サンプルスイッチ5、I/F回路6、電圧計測手段としてのマイコン7、ダイオード17a〜17e,18b〜18fおよび補正手段としての補正回路19−1〜19−5を含む。
高圧電源Vは、直列接続されたN個(この形態では、たとえばN=5)の電圧源(たとえば、単電池)V1〜V5を含む。各電圧源V1〜V5は、(N+1)個(この形態では、たとえば6個)の電圧検出端子T1〜T6にそれぞれ接続されている。
マルチプレクサ12は、各電圧検出端子T1〜T6にそれぞれ接続された(N+1)個(この形態では、たとえば6個)のスイッチS22〜S27を含む。また、1番目から5番目までのスイッチS22〜S26は、それぞれ、5個のダイオード17a〜17eを介して、動作モード選択回路4の一方の端子に接続されている。各ダイオード17a〜17eは、それぞれ、サンプルスイッチS22〜S26から動作モード選択回路4の一方の端子へ導通する極性で、すなわち、そのアノードが各スイッチS22〜S26側にかつカソードが動作モード選択回路4の一方の端子側になるように接続されている。
また、2番目から6番目までのスイッチS23〜S27は、それぞれ、5個のダイオード18b〜18fを介して、フライングキャパシタ3の一方の端子(たとえば、−端子)に接続されている。各ダイオード18b〜18fは、それぞれ、フライングキャパシタ3からスイッチS23〜S27へ導通する極性で、すなわち、そのアノードがフライングキャパシタ3側にかつカソードが各スイッチS23〜S27側になるように接続されている。
動作モード選択回路4は、スイッチS7と抵抗R1の並列接続回路からなり、並列接続回路の一方の端子は、ダイオード17a〜17eのカソードに接続され、他方の端子は、フライングキャパシタ3の他方の端子に接続されている。
サンプルスイッチ5は、動作モード選択回路4の一方の端子に接続されたスイッチS8と、フライングキャパシタ3の一方の端子に接続されたスイッチS9を含む。スイッチS8,S9の他方の端子は、I/F回路6に接続されている。
I/F回路6は、サンプルスイッチ5を介してマイコン7の入力ポートA/Dに供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換するためのものであり、抵抗R3および抵抗R4で構成される。抵抗R3およびR4は、後述するように、動作モード選択回路4の抵抗R1と共に分圧抵抗としてフライングキャパシタ3の両端電圧を分圧する分圧回路を構成する。抵抗R3の一方の端子は、サンプルスイッチ5のスイッチS9およびS10の他方の端子に接続され、他方の端子は接地されている。抵抗R4の一方の端子は、サンプルスイッチ4のスイッチS8およびS11の他方の端子とマイコン7の入力ポートA/D1に接続され、他方の端子は接地されている。
マイコン7は、その電源ポートVccに、電源+Vccからの駆動電圧が供給され、その入力ポートA/DにI/F回路6から電圧が供給されて電圧計測手段として働くと共に、マルチプレクサ1,2の各スイッチS1〜S6、動作モード選択回路4のスイッチS7およびサンプルスイッチ5の各スイッチS8〜S11を後述する動作モードに応じて切り替え制御する制御手段として働く。
また、マイコン7の入力ポートA/D2〜A/D6には、それぞれ、補正回路19−1〜19−5が接続されている。補正回路19−1は、+Vcc電源に直列接続された抵抗19a−1とダイオード19b−1および19c−1とを含み、抵抗19a−1とダイオード19b−1の接続点がマイコン7の入力ポートA/D2に接続されている。同様に、補正回路19−5は、+Vcc電源に直列接続された抵抗19a−5とダイオード19b−5および19c−5とを含み、抵抗19a−5とダイオード19b−5の接続点がマイコン7の入力ポートA/D6に接続されている。(なお、入力ポートA/D3〜A/D5にも、それぞれ、同様の構成の補正回路19−2〜19−4が接続されているが、ここでは図示していない。)
なお、ダイオードは2素子入り4端子パッケージ品を使用し、その1個を電圧測定ライン用とし、残りの1個を補正回路用とする。たとえば、ダイオード17aおよびダイオード19b−1の組み合わせ、ダイオード18bおよびダイオード19c−1の組み合わせ、ダイオード17eおよびダイオード19b−5の組み合わせ、ダイオード18fおよびダイオード19c−5の組み合わせを、それぞれ同一パッケージ品とする。(なお、図示していない補正回路19−2〜19−4におけるダイオードも、前述と同様の組み合わせ方による同一パッケージ品とされる。)
上述の構成により、第3の実施形態のフライングキャパシタ方式電圧測定装置は、同様に電圧測定モードと絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択して動作させることができる。以下、各動作モードについて説明する。
電圧測定モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、動作モード選択回路4のスイッチS7を閉じると共に、マルチプレクサ12のスイッチS22,S23を閉じると、電圧源V1、電圧検出端子T1、スイッチS22、ダイオード17a、スイッチS7、フライングキャパシタ3、ダイオード18b、スイッチS23および電圧検出端子T2により閉回路が形成される。それにより、電圧源V1の電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS22,S23,S7を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V1の電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V1の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8,S9を開き、続いてスイッチS23,S24,S7を閉じると、電圧源V2、電圧検出端子T2、スイッチS23、ダイオード17b、スイッチS7、フライングキャパシタ3、ダイオード18c、スイッチS24および電圧検出端子T3により閉回路が形成される。それにより、電圧源V2の電圧が、電圧源V1の測定時と同様に、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS23,S24,S7を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち電圧源V2の電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、電圧源V2の電圧としてマイコン7で読み込まれる。
以下同様に、スイッチS24およびS25、S25およびS26、S26およびS27の組み合わせにより、それぞれ、電圧源V3、V4およびV5の各電圧を示す値が、マイコン7で読み込まれる。また、スイッチS22およびS27の組み合わせにより、電圧源V1〜V5の全部の合計電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧もマイコン7で読み込むことができる。なお、この第3の実施形態では、全ての電圧源V1〜V5の電圧測定時に、フライングキャパシタ3は同一方向に充電されるので、マイコン7の入力ポートA/Dには、常に同一極性の電圧が供給される。
次に、絶縁検出モード時には、まず、全てのスイッチが開いている初期状態から、マルチプレクサ12のスイッチS22,S27を閉じると、電圧源V1〜V5、電圧検出端子T1、スイッチS22、ダイオード17a、抵抗R1、フライングキャパシタ3、ダイオオード18f、スイッチS27および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、高圧電源Vの高圧電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS22,S27を開いて、サンプルスイッチ5のスイッチS8,S9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち高圧電源Vの高圧電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、高圧電源Vの高圧電圧としてマイコン7で読み込まれる。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS9を閉じたままで、スイッチS22を閉じると、電圧検出端子T1、スイッチS22、ダイオード17a、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS9、抵抗R3、接地電位、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnおよび電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS22を開き、続いてスイッチS8を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rnの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rnの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rnの値に応じた電圧と、前回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの負端子側の地絡抵抗Rnの値を算出する。
次に、図示しないリセットスイッチ等によってフライングキャパシタ3に充電された電圧が充分に放電された後、スイッチS8を閉じたままで、スイッチS27を閉じると、電圧検出端子T1、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位、抵抗R4、抵抗R2、スイッチS8、抵抗R1、フライングキャパシタ3、スイッチS27および電圧検出端子T6により閉回路が形成される。それにより、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧が、スイッチS7に接続されているフライングキャパシタ3の端子側がプラスの極性になるように、フライングキャパシタ3に充電される。
次に、スイッチS27を開き、続いてスイッチS9を所定期間閉じ、フライングキャパシタ3の両端電圧を抵抗R1、サンプルスイッチ5およびI/F回路6を介して、マイコン7の入力ポートA/Dに供給する。このとき、フライングキャパシタ3の両端電圧、すなわち地絡抵抗Rpの値に応じた電圧は、抵抗R1,R3,R4で決定される分圧比で分圧されて、マイコン7の入力ポートA/Dに供給される。それにより、供給された分圧電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換してデジタル値とされ、その値が、地絡抵抗Rpの値に応じた電圧としてマイコン7で読み込まれる。
マイコン7は、今回読み込んだ地絡抵抗Rpの値に応じた電圧と、前々回読み込んだ高圧電源Vの高圧電圧とに基づいて、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpの値を算出する。
最後に、マイコン7は、算出した負端子側の地絡抵抗Rnと正端子側の地絡抵抗Rpの各値から、高圧電源Vの絶縁状態を判定する。たとえば、高圧電源Vの正端子側の地絡抵抗Rpと、予め定められた基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗Rpの値が基準抵抗値以下になっている場合は、絶縁不良が生じていると判定する。
このように、第3の実施形態のフライングキャパシタ方式電圧測定装置によれば、電圧測定モードにおいて、高圧電源Vの各電圧源V1〜V5の電圧測定を行うことができると共に、絶縁検出モードにおいて、高圧電源Vの絶縁や地絡状態を検出することができる。
また、電圧測定モードと絶縁検出モードは、フライングキャパシタ3と、マルチプレクサ12、動作モード選択回路4、サンプルスイッチ5の各スイッチを上述のようにシーケンス制御するのみで、電圧源の電圧測定動作と絶縁検出動作を可能とすることができる。そして、このようなシーケンス制御は、マイコン7のソフトウエアプログラムによって実行可能である。
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
たとえば、上述の各実施形態において、I/F回路6の抵抗R2を削除し、分圧回路が、抵抗R3およびR4と、動作モード選択回路4の抵抗R1とで構成されるようにしても良い。
また、上述の各実施形態において、絶縁検出モードでは、最初に高圧電源Vの高圧電圧を測定しているが、この測定を省略して、電圧測定モード時に測定した高圧電源Vの高圧電圧の測定値を流用しても良い。この場合、絶縁検出モード時の計測時間を短縮できると共に精度アップできる。
また、上述の第3の実施形態では、2個のダイオードの順方向電圧降下による電圧損失分が測定結果に影響を及ぼすような高い検出精度が求められる場合に、補正回路19を入力ポートA/D2に接続することによって補正しているが、他の実施例として補正回路19を接続することなく、マイコン7で入力ポートA/D1に供給された電圧値を算出する際、予め上述の損失分を見込んでおくようにしても良い。
また、動作モード選択回路4の構成は、変形可能である。上述の各実施形態において、電圧測定モードは、多チャンネルの電圧源の電圧を高速にかつ精度良く測定する目的のものであるため、フライングキャパシタ3は、フル充電の状態で使用するのが望ましく、その容量および充電抵抗は、あまり大きな値に設定したくない。一方、絶縁検出モードは、電圧源に接続されるYコン的な容量に影響を受けるため、広い範囲で精度の良い絶縁検出をするためには、フライングキャパシタ3にある程度大きな値のものを使用したい。このため、電圧測定モードの性能を落とすことなく地絡抵抗の検出精度を向上させたい場合には、以下の変形例のように、フライングキャパシタ3への充電抵抗を切り替えたり、キャパシタの容量を切り替えたりすることによって実現できる。
以下、動作モード選択回路4の変形例について説明する。
図4は、動作モード選択回路4の第1の変形例である。図4において、動作モード選択回路4は、スイッチS7と、ダイオードD1および抵抗R1の直列接続体と、ダイオードD2および抵抗R5の直列接続体との並列接続回路からなる。電圧測定モードにおいては、スイッチS7は、電圧源からのフライングキャパシタ3への充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられ、絶縁検出モードにおいては、常に開けられるようにシーケンス制御される。
図5は、動作モード選択回路4の第2の変形例である。図5において、動作モード選択回路4は、スイッチS7と、スイッチS28および抵抗R1の直列接続体と、抵抗R5との並列接続回路からなる。電圧測定モードにおいては、スイッチS7は、電圧源からのフライングキャパシタ3への充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられ、スイッチS28は常に開けられ、絶縁検出モードにおいては、スイッチS28は、電圧源からのフライングキャパシタ3への充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられ、スイッチS7は常に開けられるようにシーケンス制御される。
図4および図5に示す動作モード選択回路4の第1および第2の変形例は、いずれも、図1〜3に示す第1〜3実施形態と同様に、充電抵抗をそれぞれのモードに適切な値のものに切り替えるように構成されている。
図6は、動作モード選択回路4の第3の変形例である。図6において、動作モード選択回路4は、フライングキャパシタ3に直列接続されたスイッチS7と、フライングキャパシタ3およびスイッチS7の直列接続体に並列接続された、スイッチS28、抵抗R5およびキャパシタ3Aの直列接続体と、ダイオード17a〜17eのカソードとサンプルスイッチ5のスイッチS8の一方の端子との間に、スイッチS29および抵抗R1の並列接続体とからなる。キャパシタ3Aの容量は、フライングキャパシタ3の容量より大きく設定されている。電圧測定モードにおいては、スイッチS7は常に閉じられ、スイッチS28は常に開けられ、スイッチS29は、フライングキャパシタ3のへの充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられると共に、絶縁検出モードにおいては、スイッチS28は常に閉じられ、スイッチS7は常に開けられ、スイッチS29は、フライングキャパシタ3のへの充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられるようにシーケンス制御される。
図7は、動作モード選択回路4の第4の変形例である。図7において、動作モード選択回路4は、フライングキャパシタ3に直列接続されたスイッチS7と、スイッチS7に並列接続された抵抗R6およびダイオードD3の直列接続体と、フライングキャパシタ3およびスイッチS7の直列接続体に並列接続された、スイッチS28、ダイオードD1、抵抗R1およびキャパシタ3Aの直列接続体と、ダイオードD1および抵抗R1の直列接続体に並列接続された、抵抗R5およびダイオードD2の直列接続体とからなる。キャパシタ3Aの容量は、フライングキャパシタ3の容量より大きく設定されている。電圧測定モードにおいては、スイッチS7は、電圧源からのフライングキャパシタ3への充電時には閉じられ、マイコン7への供給時には開けられ、スイッチS28は常に開けられ、絶縁検出モードにおいては、スイッチS28は常に閉じられ、スイッチS7は常に開けられるようにシーケンス制御される。
図6および図7に示す動作モード選択回路4の第3および第4の変形例は、いずれも、充電抵抗およびキャパシタの両方をそれぞれのモードに適切な値のものに切り替えるように構成されている。
V 高圧電源
V1〜V5 電圧源
S1〜S6,S12〜S27 スイッチ
1,2,12 マルチプレクサ
3 フライングキャパシタ
3A キャパシタ
4 動作モード選択回路
5 サンプルスイッチ
6 I/F(インターフェース)回路
7 マイコン(電圧計測手段、制御手段)
17a〜17e,18b〜18f ダイオード
V1〜V5 電圧源
S1〜S6,S12〜S27 スイッチ
1,2,12 マルチプレクサ
3 フライングキャパシタ
3A キャパシタ
4 動作モード選択回路
5 サンプルスイッチ
6 I/F(インターフェース)回路
7 マイコン(電圧計測手段、制御手段)
17a〜17e,18b〜18f ダイオード
Claims (7)
- 直列接続されたN個の電圧源を含み、接地電位から絶縁されている高圧電源と、フライングキャパシタと、前記N個の電圧源に接続された(N+1)個の電圧検出端子を前記フライングキャパシタに選択的に接続する(N+1)個のスイッチを含むマルチプレクサと、電圧計測手段と、前記フライングキャパシタの両端電圧を前記電圧計測手段に供給するサンプルスイッチとを有するフライングキャパシタ方式電圧測定装置であって、
前記フライングキャパシタに接続され、前記高圧電源の各電圧源の個別電圧を測定する電圧測定モードと前記高圧電源の絶縁状態を検出する絶縁検出モードとの2つの動作モードを選択する動作モード選択回路と、
前記サンプルスイッチと前記電圧計測手段との間に接続され、前記サンプルスイッチを介して供給される電圧を接地電位に対する電圧に変換して前記電圧計測手段に供給するインターフェース回路と、
前記動作モード選択回路の動作モードを選択すると共に、選択された動作モードに応じて、前記マルチプレクサのスイッチおよび前記サンプルスイッチの開閉を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された(N+1)個の前記電圧検出端子のうちの奇数番目の電圧検出端子を前記フライングキャパシタの一方の端子側に選択的に接続する第1のマルチプレクサと、前記(N+1)個の電圧検出端子のうちの偶数番目の電圧検出端子を前記フライングキャパシタの他方の端子側に選択的に接続する第2のマルチプレクサとを含む
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された(N+1)個の前記電圧検出端子のうちの1〜N番目の電圧検出端子をそれぞれ前記フライングキャパシタの一方の端子側に選択的に接続する複数のスイッチと、前記(N+1)個の電圧検出端子のうちの2〜(N+1)番目の電圧検出端子をそれぞれ前記フライングキャパシタの他方の端子側に選択的に接続する複数のスイッチとを含む
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項1記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記マルチプレクサは、前記直列接続されたN個の電圧源に接続された前記(N+1)個の電圧検出端子を前記フライングキャパシタに選択的に接続する(N+1)個のスイッチと、
前記(N+1)個の電圧サンプルスイッチのうちの1番目からN番目までのスイッチと前記フライングキャパシタの一方の端子間に、それぞれ、前記スイッチから前記フライングキャパシタへ導通する極性で接続されたN個のダイオードと、
前記(N+1)個のスイッチのうちの2番目から(N+1)番目までのスイッチと前記フライングキャパシタの他方の端子間に、それぞれ、前記フライングキャパシタから前記スイッチへ導通する極性で接続されたN個のダイオードとをさらに備えた
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記動作モード選択回路は、前記動作モードの選択に応じて前記フライングキャパシタの充電抵抗を切り替える
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記動作モード選択回路は、前記動作モードの選択に応じて、前記フライングキャパシタの充電抵抗を切り替えると共に、前記電圧測定モード時には前記フライングキャパシタを接続し、前記絶縁検出モード時には、前記フライングキャパシタに代えて前記フライングキャパシタより容量の大きいキャパシタを接続する
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。 - 請求項5または6記載のフライングキャパシタ方式電圧測定装置において、
前記インターフェース回路は、前記動作モード選択回路の充電抵抗と共に分圧抵抗として働く抵抗を含む分圧回路で構成される
ことを特徴とするフライングキャパシタ方式電圧測定装置。
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