JP2006330695A - 濃色離画壁及びその製造方法、その濃色離画壁を有するカラーフィルタ及びその製造方法、並びに、それを有する表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に形成される濃色離画壁であって、該濃色離画壁が着色剤を含有し、かつ、下記条件(1)及び(2)を満たしていることを特徴とする濃色離画壁。
(1)基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2とする。該濃色離画壁の最も高さの高い点をHとし、Hから基板に下ろした垂線の足をGとし、Hを通り基板表面に平行な直線をL0とする。HとGをHP:PG=1:3に内分する点をPとし、Pを通り基板表面に平行な直線をL1とし、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1、B2とする。HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとするとき、(a-b)/hの値が-1以上2以下である。(2)600nmにおける吸光度A600と500nmにおける吸光度A500の比A600/A500が0.7〜1.4である。
【選択図】図1
Description
これらを克服すべく、ブラックマトリックスを着色レジスト法で形成し、RGB画素をインクジェット法で作製するカラーフィルタ製造法も提案されているが、作成されたブラックマトリックスの断面形状を観察すると、上端やそのエッジが丸くなっており、後に打滴された各色インクがブラックマトリックスをのり越えやすいために、隣接画素と混色を起こし表示品位を低下させる。これを防ぐ為、ブラックマトリックスとインクとの間に、お互いはじきあう性質を持たせたり、ブラックマトリックス間隙部のインクの濡れ性を高めたりする方法が開示されている(特許文献4〜6参照)が、これらの方法では、ブラックマトリックス用着色レジストやインクに特殊な素材が必要であったり、ブラックマトリックス間隙部の表面エネルギーを高める工程(表面改質処理)が必要であり、コスト的な問題がなお残されている。
また、混色とは別の原因と考えられる表示品位、特に白表示、黒表示状態のときに赤みがかかった表示となってしまうという問題があった。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
(1)基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2とする。該濃色離画壁の最も高さの高い点をHとし、Hから基板に下ろした垂線の足をGとし、Hを通り基板表面に平行な直線をL0とする。HとGをHP:PG=1:3に内分する点をPとし、Pを通り基板表面に平行な直線をL1とし、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1、B2とする。HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとするとき、(a−b)/hの値が−1以上2以下である。(2)600nmにおける吸光度A600と500nmにおける吸光度A500の比A600/A500が0.7〜1.4である。
<3> 前記濃色離画壁の555nmにおける光学濃度が2.5以上であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の濃色離画壁。
<5> 前記濃色離画壁用の感光性樹脂組成物層が下記の(A)又は(B)の方法で形成されたものであることを特徴とする上記<4>に記載の濃色離画壁の製造方法。
(A)着色剤を含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布乾燥して形成する。
(B)着色剤を含有する感光性転写層が仮支持体上に形成された転写材料を用いて、前記感光性転写層を基板に転写し形成する。
<7>前記液滴を付与する方法がインクジェット法であることを特徴とする上記<6>に記載のカラーフィルタ。
<9> 前記濃色離画壁の上面の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で、該濃色離画壁間に各画素を形成することを特徴とする<8>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<10> 前記液滴を付与する方法がインクジェット法であることを特徴とする上記<8>又は<9>に記載のカラーフィルタの製造方法。
さらに、本発明によれば、前記製造方法により製造されたカラーフィルタを提供することができる。
(1)基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2とする。該濃色離画壁の最も高さの高い点をHとし、Hから基板に下ろした垂線の足をGとし、Hを通り基板表面に平行な直線をL0とする。HとGをHP:PG=1:3に内分する点をPとし、Pを通り基板表面に平行な直線をL1とし、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1、B2とする。HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとするとき、(a−b)/hの値が−1以上2以下である。(2)600nmにおける吸光度A600と500nmにおける吸光度A500の比A600/A500が0.7〜1.4である。
濃色離画壁色調としては漆黒であることが望ましい。従って、濃色離画壁の着色剤としては、例えばカーボンブラック、チタンブラック、黒鉛、金属化合物(例えば、酸化鉄、酸化チタン)などの黒色の着色剤を用いることが好ましい。しかしながら、一般に黒色着色剤(黒色顔料や黒色染料)と呼ばれているものでも厳密には完全な黒色(可視光の吸光度が、全波長域にわたり等しい)というわけではない。例えば代表的な黒色顔料であるカーボンブラックの場合でも色調は作成方法、粒径、ストラクチャー等により変化するが、特に粒径がこの色調に大きく寄与する。粒径については、10〜75nmが好ましく、より好ましくは12〜50nm、更に15〜40nmの範囲が好ましい。粒径が10nm未満であったり、75nmを超えると、A600/A500の値が0.7〜1.4の範囲から外れるために好ましくない。
尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
以下、濃色感光性樹脂組成物及び感光性転写材料について説明する。
基板上の濃色離画壁は、着色剤を含有する感光性樹脂組成物(「濃色感光性樹脂組成物」又は「濃色組成物」ともいう。)から形成される。ここで、濃色組成物とは、555nmにおいて高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は濃色離画壁の高さに相当する厚みの塗布膜を形成したときの値が、2.5以上が好ましく、2.5〜10.0がより好ましく、2.5〜6.0が更に好ましく、3.0〜5.0が特に好ましい。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は濃色離画壁の高さに相当する厚みの塗布膜を形成したときの値が、2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では離画壁形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することができず離画壁そのものを作ることが困難となる。
以下、該組成物中の成分について説明する。
本発明に用いる着色剤としては、具体的には、下記染料、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明の濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、感光性樹脂層に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
濃色組成物に用いるバインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
濃色組成物を硬化させる方法としては、熱開始剤を用いる熱開始系や光開始剤を用いる光開始系が一般的であるが、本発明では、光開始系を用いることが好ましい。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始剤系の中から適宜選択することができる。
濃色組成物に用いる多官能性モノマーとしては、下記化合物を単独で又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
本発明の濃色組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
本発明における濃色離画壁又は感光性転写材料においては、後述するスリット状ノズル等を用いることにより、濃色組成物を基板又は仮支持体に塗布することができるが、該濃色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1質量%が一般的であり、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.3質量%が特に好ましい。
本発明の濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15質量%が一般的であり、1〜12質量%が好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
−熱重合防止剤−
また、本発明の濃色組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1質量%が一般的であり、0.02〜0.7質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
また、本発明の濃色組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
本発明における離画壁の形状を容易且つ低コストで実現するものとして、仮支持体上に少なくとも濃色感光性樹脂組成物からなる層(感光性転写層もしくは感光性樹脂組成物層ということあり)と、必要に応じて更に、酸素遮断層とを、有してなる濃色感光性転写材料(以下、「感光性転写材料」ともいう。)を使用するという後述の手法(3),(4)がある。酸素遮断層を有する材料を用いた場合、濃色感光性樹脂組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
上記の感光性転写材料における仮支持体としては、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるものから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、好ましくは20〜150μmである。中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
上記の感光性転写材料における濃色感光性樹脂組成物層は、前記濃色組成物から形成され、その形状等の特性、形成方法等については、前記塗布法により形成された層と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明における感光性樹脂転写材料においては、露光時の酸素を遮断する目的から、仮支持体上に形成された感光性樹脂層上に酸素遮断層を設けることが好ましい。該酸素遮断層は後述の濃色離画壁の項に記載した酸素遮断層と、物性、特性等が全て同様であり好ましい態様も同様である。
上記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層とは、アルカリ可溶性であることが好ましく、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述する濃色離画壁形成方法において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、上記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質についても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。また、これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤或いは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
感光性樹脂組成物層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂組成物層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。尚、保護フイルムの厚さは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる酸素遮断層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後濃色感光性樹脂組成物用塗布液を、酸素遮断層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。なお、熱可塑性樹脂層を設けない場合には酸素遮断層の溶剤の制約は特に必要がない。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び酸素遮断層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、酸素遮断層と濃色感光性樹脂組成物層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に濃色感光性樹脂組成物層及び酸素遮断層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と酸素遮断層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
前記基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや透明合成樹脂フィルムが挙げられる。
各画素の濃色離画壁は、上記濃色感光性樹脂組成物(濃色組成物)を用いた塗布法又は後述の感光性転写材料を用いた転写法で形成する態様がある。形成は貧酸素雰囲気下で行ってもよい。
ここで、前記貧酸素雰囲気下とは、本発明における濃色組成物又は濃色組成物層を光硬化させる際の酸素の分圧が0.15気圧以下、又は、酸素を遮断しうる酸素遮断層下のことを指しており、これらは詳しくは以下の通りである。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は0.21気圧であるので、酸素の分圧を0.15気圧以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.71気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して40vol%以上混合することにより達成できる。
本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず前記いずれの方法も用いることが出来る。
前記酸素分圧は0.15気圧以下とする方法を用いる場合、0.10気圧以下が好ましく、0.08気圧以下がより好ましく、0.05気圧以下が特に好ましい。酸素分圧が0.15気圧より高いと、濃色離画壁の表面が十分に硬化せず、濃色離画壁の高さが目標より低くなる場合がある。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。酸素分圧は酸素計を用いて測定することができる。
即ち、(1)濃色離画壁は、着色剤を含有する濃色感光性樹脂組成物を、基板に塗布乾燥した後、貧酸素雰囲気下(酸素分圧が0.15気圧以下)で露光し現像して形成する。
また、(2)濃色離画壁は、着色剤を含有する濃色感光性樹脂組成物を、基板に塗布乾燥した後、貧酸素雰囲気下(前記濃色感光性樹脂組成物層上に酸素遮断層を設けた状態)で露光し現像して形成する。
(3)前記濃色感光性樹脂組成物により仮支持体上に形成された濃色感光性転写層(濃色感光性樹脂組成物層)を有する感光性転写材料を、前記基板上に転写した後、貧酸素雰囲気下(酸素分圧が0.15気圧以下)で露光し現像して形成する。
(4)前記濃色感光性樹脂組成物により仮支持体上に形成された濃色感光性転写層(濃色感光性樹脂組成物層)を有する感光性転写材料を、前記基板上に転写した後、貧酸素雰囲気下(前記濃色感光性樹脂組成物層上に酸素遮断層を設けた状態)で露光し現像して形成する。
本発明で言う酸素遮断層とは、500cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であるが、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、離画壁を前記所望の形状にすることが困難となる。
具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明の酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
基板上に形成される濃色離画壁の断面形状において、基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2、該濃色離画壁の最も高さの高い点をH、Hから基板に下ろした垂線の足をG、Hを通り基板表面に平行な直線をL0、HとGをHP:PG=1:3に内分する点をP、Pを通り基板表面に平行な直線をL1、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1及びB2とし、HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとするとき、前記貧酸素雰囲気下の二つの寄与により、(a−b)/hの値を−1以上2以下に調整することができる。
これらの値は、実際には基板上に形成された濃色離画壁を、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察することで測定する。こうして得られた離画壁形状を固定化する工程を経ることで、例えば、カラーフィルタに用いた場合、一旦その空隙に打滴されたインクは該濃色離画壁を乗り越えにくくなる。その結果、隣接画素との混色などを防いで良好なカラーフィルタを得ることができる。前記(a−b)/hの値は−1以上2以下であることが必要であるが、−0.5以上1.5以下であることがより好ましく、0以上1以下であることが特に好ましい。
前記光学濃度の範囲とすることにより、コントラストの高い表示装置がえられて好ましい。また、表示装置の表示品位の点から濃色離画壁の色は黒であることが好ましい。
本発明の濃色離画壁は「600nmにおける吸光度÷500nmにおける吸光度」の値が0.7〜1.4の範囲である必要があるが、中でも、表示装置の表示品質の観点から、0.75〜1.2の範囲が好ましく、0.77〜1.15の範囲がより好ましい。
前記吸光度の比が上記好ましい範囲外であると、濃色離画壁が着色して見えるために好ましくない。
前記吸光度の比を好ましい範囲にするには、着色剤種を調整することで達成できる。
また、前記濃色離画壁の吸光度及び光学濃度は、公知の分光光度計にて測定することができ、本発明においては、UV−2100(島津製作所(株)製)を用いて測定した値を採用する。
−濃色組成物を用いる濃色離画壁の形成−
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記濃色組成物を塗布する。引き続き、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、必要に応じてEBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークして濃色感光性樹脂組成物層を得る。
前記塗布としては、特に限定されず、公知のスリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(例えば、エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)等を用いて行うことができる。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる、
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記得られた濃色感光性樹脂組成物層の膜厚は、前述の通りである。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜(例えば、300mJ/cm2)選択することができる。また、このときの酸素分圧は酸素計(G−102型、飯島電子工業製等)を用いて測定することができる。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色感光性樹脂組成物層の表面を均一に湿らせることが好ましい。前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
(1)<撥水性物質を離画壁に練りこむ方法>
(1)<撥水性物質を離画壁に練りこむ方法>
「混色」を防ぐ手段として、含フッ素樹脂(A)を含有する本発明の濃色組成物より得られるフォトレジストを用いて離画壁を作製する方法がある。
含フッ素樹脂は、エチレン性二重結合とRf基(a)とを有する単量体に基づく単量体単位と、エチレン性二重結合と酸性基(b)とを有する単量体に基づく単量体単位とを含む共重合体であって、酸価が1〜300mgKOH/gであるのが好ましい。
エチレン性二重結合としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基が挙げられる。
エチレン性二重結合とRf基(a)とを有する単量体としては、CH2=CR1COOQ2Rf、CH2=CR1OCOQ1Rf、CH2=CR1OQ1Rf、CH2=CR1CH2OQ1Rf、CH2=CR1COOQ2NR1SO2Rf、CH2=CR1COOQ2NR1CORf、CH2=CR1COOQ2NR1COOQ2Rf、CH2=CR1COOQ2OQ1Rf等が挙げられる。ただし、R1は水素原子又はメチル基を、Q1は単結合又は炭素数1〜6の2価有機基を、Q2は炭素数1〜6の2価有機基を、それぞれ示す。Q1、Q2は環状構造を有していてもよい。
CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3(nは3〜9)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C6F13(nは2〜6)、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C3F7(nは2〜6)。
CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3(nは3〜9)、CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C3F7(nは2〜6)、CH2=C(CH3)COOCH2CH2NHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C6F13(nは2〜6)。
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)n-1CF3(nは3〜9)、CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C6F13(nは2〜6)、CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)n-1C3F7(nは2〜6)。
カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の単量体としては、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル化合物、クロロオレフィン類、フルオロオレフィン類、共役ジエン類が挙げられる。これらの化合物には、官能基が含まれていてもよく、例えば水酸基、カルボニル基、アルコキシ基、アミド基等が挙げられる。またポリシロキサン構造を有する基を有していてもよい。ただし、これらのその他の単量体に基づく単量体単位は、Rf基(a)及び酸性基(b)を有しない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類が、本発明の感光性樹脂組成物から形成される塗膜の耐熱性に優れるので好ましい。
エポキシ基を有する単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートが挙げられる。
HOOC−Cp-1F2(p-1)−O−(CpF2p−O)n-1−CqF2q+1 ・・・式3
式3中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
HOCH2−Cp-1F2(p-1)−O−(CpF2p−O)n-1−CqF2q+1・・・式4
式4中、pは2又は3の整数、qは1〜20の整数、nは2〜50の整数を示す。
エチレン性二重結合を有する酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、無水3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、無水cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、2−ブテン−1−イルスシニックアンハイドライド等が挙げられる。
含フッ素樹脂の酸価は、1〜300mgKOH/gが好ましく、5〜200mgKOH/gがより好ましく、10〜150mgKOH/gが特に好ましい。この範囲であると本発明の感光性組成物の現像性が良好となる。なお、酸価は樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(単位mg)であり、本明細書においては単位をmgKOH/gと記載する。
含フッ素樹脂(A)の配合量は、感光性組成物中の固形分に対し、0.01〜50%が好ましく、0.1〜30%がより好ましく、0.2〜10%が特に好ましい。当該範囲であると感光性組成物は良好な撥インク性、インク転落性を奏し、現像性が良好となる。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板上の離画壁に合致した位置にインキ反発性を有する仕切り壁を作製する方法がある。
インキ反発性を有する仕切り壁として、シリコ−ンゴム層を用いることが好ましい。表層に塗設されるシリコ−ンゴム層は、着色に用いる溶液およびインクに対して反発効果を有することが必須であり、これに限定されるものではないが、次の様な繰り返し単位を有する分子量数千〜数十万の線状有機ポリシロキサンを主成分とするものである。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、プラズマによる撥水化処理をする方法がある。
本工程において導入する、少なくともフッ素原子を含有するガスとしては、CF4、CHF3、C2F6、SF6、C3F8、C5F8から選択されるハロゲンガスを1種以上用いることが好ましい。特に、C5F8(オクタフルオロシクロペンテン)は、オゾン破壊能が0であると同時に、大気寿命が従来のガスに比べて(CF4:5万年、C4F8:3200年)0.98年と非常に短い。従って、地球温暖化係数が90(CO2=2とした100年積算値)と、従来のガスに比べて(CF4:6500、C4F8:8700)非常に小さく、オゾン層や地球環境保護に極めて有効であり、本発明で使用する上で望ましい。
用いる場合にはO2の混合比率が30%以下の範囲で使用する必要がある。
また、プラズマの発生方法としては、低周波放電、高周波放電、マイクロ波放電等の方式を用いることができ、プラズマ処理の際の圧力、ガス流量、放電周波数、処理時間等の条件は任意に設定することができる。
「混色」を防ぐ手段として、離画壁を形成した基板に、撥水性を有する材料を全面に塗布する方法がある。
撥水性を有する材料としてはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコンゴム、パーフルオロアルキルアクリレート、ハイドロカーボンアクリレート、メチルシロキサン等、一般に撥水材料と考えられるもので着色剤に対する接触角が60°以上のものであれば特に限定されるものではない。
撥水材料の塗布の方法としては基板、離画壁などに影響を及ぼさない方法であれば、スリットコート、スピンコート、ディップコート、ロールコート等各材料に最適の方法を選択することが可能である。
撥水材料を除去または親水化処理することが可能ならば、パターニングの方法はレーザーアブレーション、プラズマアッシング、コロナ放電処理等のドライ処理およびアルカリを用いたウェット処理等材料に応じて最適の方法を選択することが可能である。また、離画壁上に撥水材料をパターン形成することが可能であればリフトオフ法等も有効である。
まず、前述の感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去した後、露出した濃色感光性樹脂組成物層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネーター等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネーターには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
現像処理に用いる現像液及び光照射に用いる光源は、前記塗布法を用いた形成における現像液及び光源が同様に用いられる。
本発明における前記画素及び前記着色液体組成物については、後述の「カラーフィルタの製造方法」の項において説明する。
上記のように着色領域(着色画素)及び濃色離画壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び濃色離画壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用光硬化性組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
(各画素の形成)
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記基板上に、前記濃色離画壁の製造方法により製造された濃色離画壁と、2色以上の色を有する、複数の画素からなる画素群とを有し、前記複数の画素が、前記濃色離画壁を形成した後、着色液体組成物を液滴付与することにより形成させることを特徴とする。
即ち、前記現像工程にて基板上に形成された濃色離画壁間の空隙に対し、2色以上の画素(例えば、RGB各画素)を形成する為の着色液体組成物を液滴付与することにより濃色離各壁の空隙に侵入させて2色以上の色を有する複数の画素を形成する。
この着色液体組成物を離画壁空隙に侵入させる方法としては、インクジェット法やストライプギーサー塗布法など公知のものを使用することができ、インクジェット法がコスト的に好ましい。前記ストライプギーサー塗布法は、細かな液滴吐出用の穴が開いたギーサーを用いて液滴を基板上に付与し、ストライプ状の画素を形成する方法である。
また、このように各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。
すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理(ベーク)を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさす。該ポスト露光と加熱処理工程については、上記「濃色組成物を用いる濃色離画壁の形成」の項で述べた方法と同様である。
本発明に用いるインクジェット方式としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク着色樹脂組成物、(例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]と[0076]〜[0078]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]や、特開2004−339332号公報や、特開2002−372615号公報に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、上記<濃色組成物>の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた感光性樹脂組成物を、好適なものとして用いることができる。
このカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用できる。
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
本発明は、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
濃色感光性樹脂組成物は、まず下記濃色感光性樹脂組成物処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。
・カーボンブラック分散液(カーボンブラックの粒径20nm) 23部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.0部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.5部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16部
・界面活性剤1 0.055部
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1部
・分散剤(下記参照) 0.80部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.38部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD
DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
・下記構造物1 30部
・メチルエチルケトン 70部
(濃色離画壁の形成)
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、前記濃色感光性樹脂組成物を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.2μmの濃色感光性樹脂組成物層を得た。
濃色離画壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス:CF4ガス流量:80sccm
圧力:40Pa
RFパワー:50W
処理時間:30sec
次いで、インクジェット装置を用いR、G、Bそれぞれのインクをブラックマトリックスパターン様離画壁の間隙に付与して着色した。
このインクは、下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得、その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、R(赤色)インクを調製した。
〈Rインクの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154)
2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
画素着色後のカラーフィルタを230℃オーブン中で30分ベークすることで、濃色離画壁(ブラックマトリックス)、各画素共に完全に硬化させて、カラーフィルタを得た。
((a−b)/h値:図1参照)
得られたカラーフィルタを基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、走査型電子顕微鏡で撮影(倍率20000倍)した。基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2とし、該濃色離画壁の最も高さの高い点をH、Hから基板に下ろした垂線の足をG、Hを通り基板表面に平行な直線をL0、HとGをHP:PG=1:3に内分する点をP、Pを通り基板表面に平行な直線をL1、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1及びB2とし、HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとして、(a−b)/h値を求めた。測定はランダムに選んだ10点について行い、それらの値を平均して求めた値を表1に示す。
上記の走査型電子顕微鏡写真から以下の方法で濃色離画壁の上端角部の形状を評価した。該離画壁の基板からの高さが最も高い点における基板からの高さをH、Hから基板に下ろした垂線の足をG、直線HG上にありHとGをHQ:PQ=1:4に内分する点をQとして、Qを通り基板表面に平行な直線をL2とする。L2が濃色離画壁の断面と交わる点をR、Rにおける接線をL3とする。L3とL0の交点Sとする。濃色離画壁の高さをh、Sから濃色離画壁の断面までの距離をdとした時、d/hの値を濃色離画壁の上端角部の形状の尺度とした。d/hの値が、0.06以下であれば混色が起こりにくく、更にこの値が0.04以下であればより混色が起こりにくくなることがわかる。
上記で濃色離画壁を形成した材料を用い、透明基板上にODが3.0以下になるような薄膜の層を形成し、パターン状に露光しない以外は上記と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この光学濃度(透過)を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。 別途ガラス基板の光学濃度(透過)を同様な方法で測定した(OD0)。
ODからOD0を差し引いた値を濃色離画壁の光学濃度(透過)とした。接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、測定用サンプルの膜厚を測定し、測定結果の光学濃度(透過)と膜厚の関係から、実施例で作製した膜厚の濃色離画壁の光学濃度を算出した。
濃色離画壁の高さは表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。
露光マスクを用いず試料全面に露光する以外は濃色離画壁を作成する方法と同様にしてガラス板上に吸光度が3.0以下になるような薄膜の層を形成し、測定用のサンプル(膜状)を得た。分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて450nmから650nmの波長領域の吸光度を測定した(吸光度(450〜650))。別途ガラス基板の吸光度を同様な方法で測定した(吸光度(450〜650)0)。
吸光度(450〜650)から吸光度(450〜650)0を差し引いた値を濃色離画壁の吸光度とした。
接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、測定用サンプルの膜厚を測定し、測定結果の吸光度と膜厚の関係から、実施例で作製した膜厚の濃色離画壁の吸光度を算出した。このチャートから500nmと600nmの値を求め下記の式で計算した。
黒色度=600nmにおける吸光度÷500nmにおける吸光度
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で目視観察して画素間の混色の有無を調べた。1000画素観察して下記のランクに分けた。結果を表1に示す。許容されるのはAランクとBランクのものである。
Aランク:混色が全くないもの
Bランク:混色が1〜2箇所のもの
Cランク:混色が3〜10箇所のもの
Dランク:混色が11箇所以上のもの
得られたカラーフィルタを基板上に画素が形成された側の反対面(パネルにしたときに観察者側になる面)から200倍の光学顕微鏡で目視観察して画素間の混色の有無を調べた。2000画素観察して下記のランクに分けた。結果を表1に示す。許容されるのはAランクおよびBランクのものである。
Aランク:混色が全くないもの
Bランク:混色が1〜4箇所のもの
Cランク:混色が6〜20箇所のもの
Dランク:混色が21箇所以上のもの
実施例1において、ガラス基板上に形成された濃色感光性樹脂組成物層の上に下記の酸素遮断層を設けることと、前記濃色感光性樹脂組成物層の露光の際に窒素パージを行わないこと以外は、実施例1と同様にして実施してカラーフィルタを得、同様に評価した。結果を表1に示す。
濃色感光性樹脂組成物層の上に、下記酸素遮断層を乾燥膜厚が1.6μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥した。なお塗布方法は感光性樹脂層と同じである。
<酸素遮断層用処方>
・ポリビニルアルコール 32.2部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 14.9部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン社製)
・メタノール 429部
・蒸留水 524部
(濃色感光性樹脂転写材料−1の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて濃色感光性樹脂組成物を塗布して、100℃で3分間乾燥して乾燥膜厚が2.2μmの濃色感光性樹脂組成物層を設け、この上に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着して、濃色感光性樹脂転写材料−1を得た。
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。なお露光は窒素パージして窒素雰囲気下で行った。このときの酸素分圧は0.02気圧であった。
その後更に、該基板に対して該濃色感光性樹脂組成物層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理し、濃色離画壁を得た。
次いで、下記の方法により撥水処理を行った。
濃色離画壁の形成された基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスリット状ノズルを用いて塗布し、温風循環乾燥機中で90℃、30分間の熱処理を行った。
次いで、110mJ/cm2(38mW/cm2×2.9秒)の露光量で離画壁の形成された基板裏面から濃色離画壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、濃色離画壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15dyn/cm(10〜15×10-3N/m)、画素内(ガラス基板上)は55dyn/cm(55×10-3N/m)前後であった。
この後、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(濃色感光性樹脂転写材料−2の作製)
実施例3において、仮支持体と感光性樹脂層の間に仮支持体から近い順に下記熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断層)を設ける以外は、実施例3と同様にして行い濃色感光性樹脂転写材料−2を得た。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて下記熱可塑性樹脂層塗布液を乾燥膜厚が3μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液処方>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.4部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
・メチルエチルケトン 70部
前述の熱可塑性樹脂層の上にスリット状ノズルを用いて下記酸素遮断層用塗布液を乾燥膜厚が1.6μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥した。
<酸素遮断層用塗布液処方>
・ポリビニルアルコール 32.2部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 14.9部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン社製)
・メタノール 429部
・蒸留水 524部
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該濃色感光性樹脂組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン性界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム製を純水で10倍希釈したもの)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断層を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム製を純水で5倍希釈したもの)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し濃色感光性樹脂組成物層を現像しパターニング画素を得た。
その後更に、該基板に対して該濃色感光性樹脂組成物層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理し、濃色離画壁を得た。
この後、実施例1と同様にカラーフィルタを作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、露光時に空気と窒素の混合気体によりパージして酸素分圧0.08気圧にすることと、現像条件を下記のように変更すること以外は、実施例1と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
純水をシャワーノズルにて噴霧して、該濃色感光性樹脂組成物層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン性界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製を純水で100倍希釈したもの)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.10MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行った。
実施例3において、露光時に空気と窒素の混合気体によりパージして酸素分圧0.08気圧にすることと、現像条件を下記のように変更すること以外は、実施例3と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム製を純水で5倍希釈したもの)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.22MPaでシャワー現像し濃色感光性樹脂組成物層を現像しパターニングした。
濃色離画壁の高さを2.7μmとした以外は、実施例4と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
濃色離画壁の高さを3.3μmとした以外は、実施例4と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
濃色離画壁の高さを4.5μmとした以外は、実施例4と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、窒素パージを行わずに露光する以外は実施例1と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
上記実施例1〜9、比較例1において、撥水処理を施さないでカラーフィルタを作成した以外は実施例1〜9、比較例1と同様に実施し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜18、比較例1〜2で得られたカラーフィルタを用い、下記のようにして液晶表示装置1〜20を作成した。
得られたカラーフィルタを低圧水銀灯(有効波長254nm)UV洗浄装置で洗浄し残渣及び異物を除去してから、下記透明オーバーコート剤を塗布・ベークする。膜の厚さが1.5μmになるように前面塗布後、230℃で40分間ベークした。この時、透明オーバーコート層を形成する塗布液は、下記の化学式6のポリアミック酸と化学式7のエポキシ化合物を3:1の重量比で混合して使用した。
前記オーバーコート層が形成されたカラーフィルタ上に、ITO(インジウム錫酸化物)をスパッタリングにより形成して、ITO透明電極基板を得た。
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティー露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティー露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製FH−2413F) 53.3部
・メチルエチルケトン 46.7部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04部
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。
このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、本発明及び比較の液晶表示装置とした。
得られた液晶表示装置1〜20を白表示した場合、及び、黒表示した場合の表示品位を目視で観察した。
H 濃色離画壁の最も高さの高い点
G Hから基板に下ろした垂線の足
L0 Hを通り基板表面に平行な直線
L1 Pを通り基板表面に平行な直線
P HとGをHP:PG=1:3に内分する点
B1及びB2 L1が濃色離画壁の断面と交わる点
a A1とA2の距離
b B1とB2の距離
Q 直線HG上にありHGをHQ:QG=1:4に内分する点
L2 Qを通り基板表面に平行な直線
L3 Rにおける接線
R L2が濃色離画壁の断面と交わる点
S L3とL0の交点
h 濃色離画壁の高さ
d Sから濃色離画壁の断面までの距離
Claims (11)
- 基板上に形成される濃色離画壁であって、該濃色離画壁が着色剤を含有し、かつ、下記条件(1)及び(2)を満たしていることを特徴とする濃色離画壁。
(1)基板と濃色離画壁の断面の交点をA1及びA2とする。該濃色離画壁の最も高さの高い点をHとし、Hから基板に下ろした垂線の足をGとし、Hを通り基板表面に平行な直線をL0とする。HとGをHP:PG=1:3に内分する点をPとし、Pを通り基板表面に平行な直線をL1とし、L1が濃色離画壁の断面と交わる点をB1、B2とする。HとGの距離をh、A1とA2の距離をa、B1とB2の距離をbとするとき、(a−b)/hの値が−1以上2以下である。(2)600nmにおける吸光度A600と500nmにおける吸光度A500の比A600/A500が0.7〜1.4である。 - 前記(a−b)/hの値が−0.5以上1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の濃色離画壁。
- 前記濃色離画壁の555nmにおける光学濃度が2.5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の濃色離画壁。
- 基板上に、請求項1〜3いずれか1項に記載の濃色離画壁を形成する濃色離画壁の製造方法であって、基板上に形成した着色剤を含有する濃色離画壁用の感光性樹脂組成物層を、露光し、それを現像して濃色離画壁を形成することを特徴とする濃色離画壁の製造方法。
- 前記濃色離画壁用の感光性樹脂組成物層が下記の(A)又は(B)の方法で形成されたものであることを特徴とする請求項4に記載の濃色離画壁の製造方法。
(A)着色剤を含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布乾燥して形成する。
(B)着色剤を含有する感光性転写層が仮支持体上に形成された転写材料を用いて、前記感光性転写層を基板に転写し形成する。 - 基板上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の濃色離画壁と、2色以上の色を有する、複数の画素からなる画素群とを有するカラーフィルタであって、前記複数の画素を、前記濃色離画壁を形成した後、着色液体組成物の液滴を付与することにより形成したことを特徴とするカラーフィルタ。
- 前記液滴を付与する方法がインクジェット法であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタ。
- 請求項4又は5に記載の濃色離画壁を形成後に、2色以上の色を有する、複数の画素からなる画素群を形成するカラーフィルタの製造方法であって、前記複数の画素を、着色液体組成物の液滴を付与することにより形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 前記濃色離画壁の上面の少なくとも一部が撥水性を帯びた状態で、該濃色離画壁間に各画素を形成することを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記液滴を付与する方法がインクジェット法であることを特徴とする請求項8又は9に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項6又は7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする表示装置。
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