JP2006328684A - 補強木材構造物 - Google Patents

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Fujio Kondo
富士夫 近藤
Iori Nakabayashi
伊織 中林
Takaaki Taniguchi
貴昭 谷口
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Abstract

【課題】構造物における補強木材の曲げ剛性および曲げ耐力を効率良く大幅に増加させ、形状変化の少ない補強木造構造物を提供する。
【解決手段】木材1の表面の長手方向に繊維強化プラスチック板2,3を固着してなる補強木材を支持材として少なくとも一部に有する補強木材構造物であって、前記補強木材の横架材の少なくとも一部が、前記構造物における曲げ荷重が作用したときに引張力が作用する部位と圧縮力が作用する部位との双方に、繊維強化プラスチック板2,3を固着してなることを特徴とする補強木材構造物。
【選択図】図1

Description

本発明は、補強木材構造物に関する。
木造構造物に用いられる木材であって、特に梁などの横架材として用いられるものは、荷重によってたわみが発生し易い。特に、間仕切り変更を伴うリフォームにおいては、横架材を支持する中間支持柱を撤去することが多く、これによるスパン増加により横架材に生じるたわみや曲げモーメントが増加するため、横架材の曲げ剛性を高める必要があった。
これに対し、従来は横架材として用いられる木材の厚みを大きくすることで対処していた。しかしながら、横架材の厚みを大きくすると床から天井までの高さが低くなってしまう問題がある。
また、横架材の曲げ引張側をFRP(繊維強化プラスチック)材により補強し、曲げ圧縮側を鋼材により補強する手段が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この手段によれば、横架材の曲げ剛性が増加するのでたわみ量が軽減するとのことである。しかしながら、鋼材は重量が重く、曲げモーメントを増加させてしまうので、結局さらに追加補強が必要となる。また、2種類の補強材を使用しなければならないことから、施工経済上の不利な点もある。
特開平11−324222号公報
本発明の目的は、構造物における補強木材の曲げ剛性および曲げ耐力を効率良く大幅に増加させ、形状変化の少ない補強木材構造物を提供することにある。
すなわち本発明は、木材の表面の長手方向に繊維強化プラスチック板を固着してなる補強木材を支持材として少なくとも一部に有する補強木材構造物であって、前記補強木材の少なくとも一部が、前記構造物における曲げ荷重が作用したときに引張力が作用する部位と圧縮力が作用する部位との双方に、繊維強化プラスチック板を固着してなることを特徴とする補強木材構造物である。
本発明の補強木材構造物は、軽量かつ高弾性な繊維強化プラスチック板を木材の圧縮側と引張側との双方に固着しているので、木材の曲げ剛性および曲げ耐力が大幅に増加し、木材の破壊や形状変化を抑制することができる。

本発明の補強木材構造物は、木材の表面の長手方向に繊維強化プラスチック板を固着してなる補強木材を支持材として少なくとも一部に有する。
繊維強化プラスチック板は、軽量で現場施工性に優れ、しかも、決して錆びることがないという利点を有する。
繊維強化プラスチック板を構成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度・高弾性率繊維を採用することが好ましく、なかでも、比強度、比弾性率に優れる炭素繊維が好ましい。また、複数種の強化繊維を組み合わせたハイブリッド構成とすることも好ましい。また強化繊維の繊維強化プラスチック板における態様としては、ストランド、織物等の布帛、あるいはこれらのハイブリッド構成を採用することができる。
繊維強化プラスチック板を構成するマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、なかでも、耐候性や接着性に優れるエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が好ましい。また、使用環境によっては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合樹脂やポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂として用いることもできる。
繊維強化プラスチック板は、公知の引抜成形機を用いて、強化繊維のストランドや布帛テープをマトリクス樹脂とともに引き抜く、引抜成形法によって得ることができる。
引抜成形にあたっては、繊維強化プラスチック板に対する強化繊維の体積率が40〜80%となるようにするのが好ましい。40%以上とすることで、繊維強化プラスチック板としての高強度、高剛性を発現することができる。また、80%以下とすることで、成形中にダイを通過中の強化繊維が上下左右に移動して強化繊維の分布が乱れるのを防ぎ、強化繊維の使用量に見合う繊維強化プラスチック板としての剛性を得ることができる。目的の補強効果を得るためにはJIS K 7073に準拠して測定されるヤング係数が250GPa以上となるように強化繊維種類と強化繊維の体積含有率を設定することが好ましい。
繊維強化プラスチック板の厚みは1.5〜2.5mmとするのが好ましい。1.5mm以上とすることで、木材の補強の実効を得ることができる。また、2.5mm以下とすることで、繊維強化プラスチック板の曲げ剛性が大きくなり過ぎるのを抑え、解舒の際の先端の跳ね上がり等もなくロール状に巻き易くすることができ、運搬性や取扱い性が向上する。
また、繊維強化プラスチック板の幅は、25〜200mmとするのが好ましい。25mm以上とすることで、貼付本数を多くせずにすみ施工作業の効率向上に資する。また200mm以下とすることで、人手による貼付を容易なものとすることができる。なお、繊維強化プラスチック板を貼付する木材の幅が200mm以下の場合は、木材の幅が上限となる。
本発明の補強木材構造物は、補強木材の少なくとも一部が、構造物における曲げ荷重が作用したときに引張力が作用する部位と圧縮力が作用する部位との双方に、繊維強化プラスチック板を固着してなることが重要である。そうすることで、当該補強木材に、過度の荷重を負担させることなく、その曲げ剛性および曲げ耐力を大幅に増加させることができる。
例えば横架材の両端を支持した場合、その下側に作用する引張力を負担するために、先ずは下側の部位に繊維強化プラスチック板を配して補強する必要がある。しかしそれだけでは、図2に示すように曲げモーメントの増加に伴い、木材がねじれるように木材の上側に圧縮力が作用して座屈5が発生する。そこで、この座屈を拘束するために圧縮力が作用する部位にも繊維強化プラスチック板を固着させる。
また本発明の補強木材構造物は、引張力が作用する部位に固着する繊維強化プラスチック板の固着面を前記曲げ荷重により想定される中立面に対して略平行に配置したものであることが好ましい。そうすることで、引張力を効果的に負担することができる。
また本発明の補強木材構造物は、圧縮力が作用する部位に固着する繊維強化プラスチック板の固着面を前記曲げ荷重により想定される中立面に対して略垂直に配置したものであることが好ましい。そうすることで、曲げモーメントに起因する圧縮力による座屈を効果的に拘束することができる。
横架材の両端を支持した場合、横架材の断面に発生する曲げモーメントにより、下側に引張力が、上側に圧縮力が発生するため、例えば図1に示すように、木材1の下側の表面に引張側補強用繊維強化プラスチック板2を固着させ、上側の表面に圧縮側補強用繊維強化プラスチック板3を固着させる。またこのとき、引張側補強用繊維強化プラスチック板2は、中立面4に対し略平行に配置している。またこのとき、圧縮側補強用繊維強化プラスチック板3は、中立面4に対し略垂直に配置している。
引張側補強用繊維強化プラスチック板2と圧縮側補強用繊維強化プラスチック板3とは、同じ繊維強化プラスチック板を用いることが施工作業効率の点から好ましい。
補強に用いる繊維強化プラスチック板の枚数は、補強の度合いに応じ設定することができる。前述の図1のように4枚で補強した態様の一例の断面を図3に示す。また、3枚で補強した態様の一例の断面を図4に示す。また、4枚を超える比較的多数の繊維強化プラスチック板で補強する場合は、2枚を重ねて補強してもよいし、引張側においてさらに中立面に略垂直に補強してもよい。6枚で補強した態様の一例の断面を図5に示す。
繊維強化プラスチック板の木材への固着は、補強したい木材の面か、繊維強化プラスチック板の貼付面か、またはそれら双方の面に接着剤を塗布した後、繊維強化プラスチック板を木材に押しつけ、繊維強化プラスチック板の中央部から両側端縁に向かって接着剤を流動させながら木材に貼り付けると良い。
強化プラスチック板の貼付面に、あらかじめエンボス加工や筋等の、いわゆる目粗し加工を施しておくと、接着力が向上する場合もある。
また、すでに木材にたわみが発生している場合には、ジャッキアップなどによるたわみ量の修正を施した上で補強してもよい。繊維強化プラスチック板が木材に固着すればジャッキアップを外してよい。
また、固着部の剥離を防ぐために、繊維強化プラスチック板の上から定着金物などで押さえながら固定しても良い。固定する位置としては、繊維強化プラスチック板に引張力が作用する部位においては、繊維強化プラスチック板の長手方向の両端部を固定すると剥離を防ぐことができる。また、繊維強化プラスチック板に圧縮力が作用する部位においては、繊維強化プラスチック板の長手方向の中央部を固定すると座屈に伴うはらみだしを防ぐことができる。定着金物で押さえながら補強した態様の一例の概略斜視図を図7に示す。
また、繊維強化プラスチック板を固着した上にさらに化粧板などを被せて見栄えを良くすることも好ましい。
[補強の評価方法]
リフォームに伴う中間支持柱撤去による2.73m(1間半)から3.64m(2間)へスパン拡大して横架材の両端を支持した状態を想定し、支点間距離3.6m、純曲げ区間1.2mで4点曲げ試験を行い、繊維強化プラスチック板が木材より剥離する時点での荷重を測定した。
また、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重を、同一の木材に対する補強の前後について測定し、その比を算出した。この比の値として、2.35倍(スパン拡大率1.33倍の3乗)を合格の基準値とした。
[実施例1]
(繊維強化プラスチック板)
炭素繊維のストランド(東レ株式会社製トレカ (R)M40B)と熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅50mm、厚み2.4mm、ヤング係数272GPaの繊維強化プラスチック板を得た。得られた繊維強化プラスチック板は、長さ50m分について直径2mのロール状に巻き取ることが出来た。
(木材の補強)
上記繊維強化プラスチック板を長さ3.4mに4枚切断し、断面寸法が105mm×180mm、全長が4mのベイマツ材に対し、図3の断面になるようにペースト状の2液混合常温硬化型エポキシ接着剤(日本シーカ株式会社製シーカデュア(R)30)により接着し、常温にて2週間養生を行った。
(補強の評価)
60kNの荷重で繊維強化プラスチック板が木材より剥離した。また、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の2.53倍となった。
[比較例1]
(繊維強化プラスチック板)
実施例1で得たのと同じものを用いた。
(木材の補強)
上記繊維強化プラスチック板を長さ3.4mに4枚切断し、実施例1で用いたものと同グレード、同寸法のベイマツ材に対し、図6の断面になるようにペースト状の2液混合常温硬化型エポキシ接着剤により接着し、常温にて2週間養生を行った。
(補強の評価)
45kNの荷重で木材が座屈破壊した。また、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の2.22倍となった。目標の2.35倍に対し、未達である。
本発明の一形態に係る木材補強構造の概略斜視図である。 曲げモーメントに伴う木材の座屈を示す図である。 本発明の一形態に係る木材補強構造の断面図である。 本発明の一形態に係る木材補強構造の断面図である。 本発明の一形態に係る木材補強構造の断面図である。 本発明の比較例に係る木材補強構造の断面図である。 本発明の一形態に係る定着金物で押さえながら補強した木材補強構造の概略斜視図である。
符号の説明
1:木材
2:引張側補強用繊維強化プラスチック板
3:圧縮側補強用繊維強化プラスチック板
4:中立面
5:座屈部分
6:接着剤
7:定着金物
8:固定具

Claims (5)

  1. 木材の表面の長手方向に繊維強化プラスチック板を固着してなる補強木材を支持材として少なくとも一部に有する補強木材構造物であって、前記補強木材の少なくとも一部が、前記構造物における曲げ荷重が作用したときに引張力が作用する部位と圧縮力が作用する部位との双方に、繊維強化プラスチック板を固着してなることを特徴とする補強木材構造物。
  2. 引張力が作用する部位に固着する繊維強化プラスチック板の固着面を前記曲げ荷重により想定される中立面に対して略平行に配置した請求項1に記載の補強木材構造物。
  3. 圧縮力が作用する部位に固着する繊維強化プラスチック板の固着面を前記曲げ荷重により想定される中立面に対して略垂直に配置した請求項1または2に記載の補強木材構造物。
  4. 前記繊維強化プラスチック板の厚みが1.5〜2.5mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の補強木材構造物。
  5. 前記繊維強化プラスチック板のヤング係数が250GPa以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の補強木材構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010513755A (ja) * 2006-12-18 2010-04-30 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング プラスチックを他の材料と組み合わせて使用した複合支持系

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