JP6034174B2 - Frp製の構造物及びこれを用いた建築土木構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、建築土木構造物の枠材や梁、ガイド材、或いは建築物の柱や補強材など、一般構造物や建造物の構成部材として利用することができるFRP製の構造物に関する。
ガラス繊維などの繊維を樹脂に含有させて強度を向上させた樹脂複合材料(FRP)は、建築土木や機械、車両、電気製品など様々な分野で多種多様な成形品に加工されて利用されている。
この内、建築土木の分野において、建造物用の支柱や梁などに使用されるFRP成形品として、炭素繊維を含む繊維束を、樹脂を含浸させながら加熱成形外金型を通して成形する引き抜き成形法を用い、例えば図10に示されるように、FRP形材100のガラス繊維を含むFRP部101の上部と下部に、形材の長手方向に配列された炭素繊維を含む補強繊維層102をそれぞれ配置した層構造に一体成形されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、コンクリート造の床スラブなどの構造物の疲労損傷の防止などを目的として、構造物の表面に、炭素繊維強化プラスチックからなる帯状の補強材を構造物の長手方向に沿って直線的に配列して接着することで構造物を補強する工法が知られている(例えば特許文献2参照)。
特許平9−203159号公報 特開2008−174989号公報
FRP成形品は、前記図10に示されるように、FRP形材100の上下両面に補強繊維層102を配置した層構造に成形することによって強度を高めることができるが、構造物の構成部品として単独で用いられることは少なく、コンクリートや鋼材などを組み合わせ、これらと一体に加工して利用されているのが実状である。
また、鋼材や木材で構造物の構成部品を形成する場合、例えば建造物の梁や桁などの所定の耐荷重強度を具備する必要がある構成部品は、それぞれ設置寸法に対応させて長尺に加工したもの、或いは短尺な標準品であっても鋼材同士を溶着一体化したり木材同士を継手部で連結一体化したりして所定の寸法形状及び強度に加工がなされたものが用いられる。
これに対してFRP成形品の場合は、大きな耐荷重強度が必要とされる部位には前記の如くコンクリートなどと一体加工して用いられ、また、大きな耐荷重強度が要求されない例えば屋外に設置される歩行路の手摺りのような部位には、複数のFRP成形品を互いに接続するなどして所定の寸法形状に加工した構成部品が用いられることはあるが、所定の耐荷重強度を有する構成部品として、鋼材や木材のように、所定寸法の標準品として成形されたFRP成形品同士を接続或いは連結一体化した構成のものが用いられることはない。
また、建築土木分野に限らず、FRP成形品は、成形された形態のままで各種の構成部品として用いられ、成形後にその強度を高めたり補強したりする加工処理がなされることはない。
また、前記梁や桁など構造物の構成部品に用いられるFRP成形品は、設計荷重に対して十分な耐荷重強度を有するように、使用材料や成形品の厚み、加工方法などを適宜に選定した上で、設置部位に沿った形状及び大きさに加工する加熱成形金型を構成し、これを用いてその構造物専用の構成部品として成形される。
FRP成形品を構造物の構成部品として用いれば、軽量であるため施工性に優れ、耐水性や耐食性が良好なため施工後の維持管理が容易であるなどの利点があるものの、施工する構造物毎でその設置部位に対応した加熱成形金型を構成する必要がある分、構成部品の加工コストが嵩むことは避けられず、また、加熱成形金型の構成上、部材の断面高さなど成形寸法が制限されてしまう。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、標準品として量産されるFRP形材を用い、耐荷重強度とたわみ抑制効果に優れ、構造物の構成部品として利用可能なFRP製の構造物を構成することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明のFRP製の構造物は、複数のFRP形材を上下複数段に積み重ね、且つ互いに重なり合うFRP形材の外面同士を接着固定してFRPブロック体が形成され、このFRPブロック体の上下両面に、それぞれ炭素繊維強化プラスチックからなる板状の補強材が重ねられて接着された構成を有することを特徴とする。
本発明によれば、FRP形材を複数段に積み重ね、これを接着一体化してFRPブロック体を構成し、その上下両面に炭素繊維強化プラスチックからなる板状の補強材をそれぞれ一体に接着して補強してあるので、耐荷重強度が増すとともに、たわみの発生が抑制され、これを建築物などの重量を支える構造で造作された構造物の構成部品として使用することができる。
また、本発明によれば、高剛性の構造物を専用の加熱成形金型を使用することなく、標準品として量産されるFRP形材を組み合わせて所望の大きさ及び形状に形成することができるので、構造物や構造部品の設計の自由度が増し、構造物全体の施工コストを低廉に抑えることが可能である。
前記構成のFRP製の構造物において、上方から荷重を受けたときに発生する応力を低減して部材のたわみが小さく抑えられるようにするため、上方からの荷重を受けて圧縮方向の力が作用するFRPブロック体の上面には、強度が大きいPAN系炭素繊維を含有する補強材、引張り方向の力が作用するFRPブロック体の下面には、弾性率が高いピッチ系炭素繊維を含有する補強材をそれぞれ重ねて接着一体化することが好ましい。
前記PAN系炭素繊維を含有する補強材に代えて、FRPブロック体の上面にアラミド繊維を含有する補強材を接着し、下面に炭素繊維を含有する弾性率が高い補強材を接着してFRP製の構造物を構成してもよい。
また、FRPブロック体の上面又は下面に接着一体化する補強材を、その弾性率と引張強度が適宜な値のものを選定して用いることにより、FRP製の構造物の耐荷重強度とたわみ抑制効果を高めることができる。
具体的には、前記構成の構造物において、FRPブロック体の上面に接着される補強材の弾性率が82Gpa以上且つ引張強度が1440N/mm以上であり、下面に接着された補強材の弾性率が350Gpa以上且つ引張強度が1200N/mm以上に設定して構成すれば、構造物の弾性率が向上して上方から荷重を受けた際に生ずるたわみが小さく抑えられ、構造物の剛性を高めることができる。
さらに、前記構成の構造物において、外周面に炭素繊維シート又は炭素繊維ストランド、或いはアラミド繊維シートを周方向に沿って巻き付けて接着一体化すれば、せん断耐力が高まるとともに構造物の上下の隅角部が補強されて、例えば鋼橋に並設される歩道床版を支持する主桁などの、大きな耐荷重強度が必要とされる部位に用いることができる。
前記構成の構造物において、FRPブロック体を構成するFRP形材は、樹脂にガラス繊維耐を含ませた複合材料(GFRP)製のものを用いることが好ましく、幅方向の断面形状がロ形、I形、H形などの、互いに上下に積み重ね可能に形成された量産される標準品を用いることができる。
FRPブロック体は、FRP形材の上面に軸方向を揃えて同じ断面形状のFRP形材を複数段に積み重ね、或いは軸方向を揃えて同じ断面形状のFRP形材を複数列に並べ、その上面に同じ断面形状のFRP形材を複数段に積み重ね、互いに上下又は左右に接合して重なり合うFRP形材外面同士を接着固定して、適宜な高さ及び幅に形成することができる。FRP形材同士を接着する接着剤は、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を用いることができる。
FRPブロック体の上面と下面に接着する補強材を構成する炭素繊維強化プラスチックとアラミド繊維強化プラスチックは、強化繊維とマトリックス樹脂からなる樹脂複合材であればよく、炭素繊維又はアラミド繊維と樹脂とが複合一体化してなるものであれば、その複合化手段は任意であり、公知適宜な手段を用いて形成することができる。
例えば、炭素繊維又はアラミド繊維と樹脂とを複合化する方法として、細かく切断した繊維をプラスチック中に均一に混入させる方法や、繊維に方向性を持たせたままプラスチックに浸潤させる方法などを挙げることができる。より具体的には、プラスチック中に炭素繊維又はアラミド繊維を含浸させた薄いシート状の含浸体からなるプリプレグを作製しておき、このプリプレグを積層して加熱溶融一体化しなる構成の樹脂複合材を挙げることができる。
前記炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系)、レーヨン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、或いはポリビニルアルコール系炭素繊維などの前駆体繊維を用いることができる。中でも、アクリルニトリル重合体或いはその共重合体から得られるポリアクリロニトリル系炭素繊維(「PAN系炭素繊維」)とピッチ系炭素繊維が好ましい。アラミド繊維としては、芳香族ポリアミド繊維を用いることができる。
また、マトリックス樹脂としては、エポキシ、不飽和ポリエステル、フェノール、ビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、メラミン、マレイミド、ポリイミド等の重合・硬化型やポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポミアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂のうちの一種類、或いはこれらのうちの二種類以上の混合樹脂を用いることができる。
補強材は、適宜な厚み及び幅寸法で長尺帯状に形成することができる。FRPブロック体の上面又は下面に短尺な補強材を軸方向に沿って継ぎ合わせてFRPブロック体の上面又は下面の全体が補強材で覆われるようにしてもよいが、FRPブロック体の上面又は下面の両端部間に亘って一枚の補強材が接合して重なるように設けることが好ましい。FRPブロック体の幅方向に沿って複数枚の補強材を並置し、これをFRPブロック体の上面又は下面に重ね合せてもよい。また、薄肉の補強材同士を重ねて所望の厚みに構成してもよい。
FRPブロック体の表面に重ね合せた補強材の接着や薄肉の補強材同士の接着は、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を用いて行うことができる。
炭素繊維シートは高強度炭素繊維を一方向に引き揃えて長尺帯状に形成されたシート、炭素繊維ストランドは高強度炭素繊維を一方向に引き揃えたもの、また、アラミド繊維シートがアラミド繊維を一方向又は二方向に引き揃えて長尺帯状に形成されたシートであり、これら何れかのシートを、上下両面に補強材が接着されたFRPブロック体の表面全体に周方向に沿って巻き付け、当該シートに含浸させたエポキシ樹脂系接着剤によりFRPブロック体の外周面に貼り付けることにより、構造物のせん断応力を高めることができる。
このように本発明によれば、専用の加熱成形金型を使用することなく、建築土木構造物の構成部品として利用可能な高剛性の構造物を、量産されるFRP形材を組み合わせて所望の大きさ及び形状に形成することができるので、構造物や構造部品の設計の自由度が増し、これを用いて構成される構造物の施工コストを低廉に抑えることができる。
本発明のFRP製の構造物を建築土木構造物の構成部品に使用した場合、軽量なため施工性に優れるとともに荷重を支える他の構成部品の負荷が軽減され、また、高剛性であるため補強材などの部材を削減することが可能となり、さらに、耐水性や耐食性が良好なため施工後の維持コストが低減され、前記施工コストも含めたトータルコストの低廉化を実現することができる。
本発明のFRP製の構造物の一実施形態の端面図(A)と一部を破断して示した側面図(B)である。 (A)〜(C)は本発明の他の実施形態の端面図である。 本発明のさらに他の実施形態の端面図(A)と一部を破断して示した側面図(B)である。 本発明のFRP製の構造物を構成可能なFRP形材の断面形状を示した図である。 実施例における本発明のFRP製の構造物を用いて構成した建築土木構造物の概略想定図である。 実施例における構造物の構成を示す側面図(A)と断面図(B)である。 実施例で構成したFRPブロック体(A)とFRP製の構造物(B)の端面図である。 実施例の評価結果を示す図表である。 比較例の評価結果を示す図表である。 従来のFRP形材の一例の端面側外観図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、図示した構造物の形態及び後述する実施例や比較例で特定される構造物の形態は本発明を限定するものではない。
図1は本発明の一実施形態のFRP製の構造物を示しており、この構造物1は、端面がロ型正方形を呈する適宜な長さの中空なFRP形材21を四段に積み重ね、互いに重なり合う各FRP形材21の上下両面を接着一体化してFRPブロック体2を形成し、このFRPブロック体2の上面2aと下面2bに、FRP形材21の上下両面と同幅で長着帯状に形成された炭素繊維強化プラスチックからなる補強材3,4を重ね合せ、且つそれぞれ接着剤で一体に貼り合わせて、FRPブロック体2の上下両面2a,2bを補強材3、4で被覆一体化して構成してある。
構造物1は、これを建築土木構造物などの構成部品として使用する部位に応じた形態に構成することができ、例えば図2(A)に示されるように、二段に重ねたFRP形材21を接着一体化してFRPブロック体2を形成し、その上下両面2a,2bに補強材3,4をそれぞれ貼り合わせて構成したり、同図(B)に示されるように、六個のFRP形材21を二列三段に組み合わせ、各FRP形材21の互いに接合する外周面同士を接着一体化してFRPブロック体2を形成し、その上下両面2a,2bに二列に並べた補強材3,4を各々貼り合わせて構成したりすることができる。
また、同図(C)に示されるように、FRP形材21を上下両面に補強材3,4を貼り合つけて被覆一体化することによりその剛性が高められ、剛性を高めたFRP形材21を単独で構成部品として用いてもよい。
図3は他の一実施形態の構造物11を示しており、これは、前記図1に示された構成の構造物1の外周面全長に亘り、その周方向に沿って炭素繊維シート5を巻き付け、且つ当該シートに含浸させた接着剤により構造物1の表面に貼り付けて、構造物1の外周面全体に炭素繊維シート5を被覆一体化して、そのせん断応力を高める補強を施したものである。前記炭素繊維シートに代えて、炭素繊維ストランド又はアラミド繊維シートを用いてもよい。
前記構造物1を構成するFRP形材21は、前記各図に示されたロ型正方形断面形状のものの他に、上下に積み重ねが可能な適宜な形状のもの、例えば図4に示されるように、扁平な矩形断面形状のものや、I形、H形などの断面形状のものを用いることができる。
また、前記補強材3,4は、上方からの荷重を受けて圧縮方向の力が作用するFRPブロック体2の上面2aには強度が大きいPAN系炭素繊維を含有する補強材3、又はアラミド繊維を含有する補強材3を用い、また、引張り方向の力が作用するFRPブロック体2の下面2bには、弾性率が高いピッチ系炭素繊維を含有する炭素繊維強化プラスチックからなる補強材4を用いて、それぞれの面に重ねて接着一体化させることが好ましい。
本発明のFRP製の構造物を建築土木構造物の構成部品として使用する場合に、構成部品として必要な許容応力度を具備するか否かをシミュレーションにより検証した。
シミュレーションに用いる建築土木構造物として、図5に示される如き橋梁6を想定し、床版7を支持する主桁8に本発明のFRP製の構造物を適用した。
橋梁6は、図6に示されるように、10mの間隔を開けて設置した支持材9,9上に同一構成の八本の主桁8を架設し、これら主桁8上で、GFRP製の床板71上にアスファルトの舗装面72を敷設してなる床版7を支持する構成とした。
以下の実施例及び比較例の通りに主桁8を構成し、これを図6に示されるように配置して床版7を支持したときの、各主桁8に発生する応力度などを算出して、各例の主桁8についての構造上の評価を行った。
〔実施例1〕
FRP形材21として、端面がロ型正方形を呈する四辺が100mm×100mm、肉厚5mmm、長さ10mの成形寸法のGFRP形材(商品名「プラアロイ」(登録商標);AGCマテックス株式会社製)を用い、これを図7(A)に示されるように四段に積み重ね、重なり合う上下のFRP形材21同士を接着一体化してFRPブロック体2を形成し、このFRPブロック体2の上面2aに厚み4mmの炭素繊維強化プラスチック製の高強度プレートの補強材3、下面2bに厚み4mmの炭素繊維強化プラスチック製の高弾性プレートの補強材4をそれぞれ貼り合せて同図(B)に示される構造体1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
高強度プレートの補強材3は、PAN系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率170GPa、引張強度2400N/mmの炭素繊維強化プラスチック(商品名「eプレート 高強度グレード」;三菱樹脂株式会社製)を用い、高弾性プレートの補強材4は、ピッチ系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率450GPa、引張強度1200N/mmの炭素繊維強化プラスチック(商品名「eプレート 高弾性グレード」;三菱樹脂株式会社製)を用いた。
〔実施例2〕
実施例1の構造物1の外周面に、前記図3に示されるように、その全長に亘って周方向に炭素繊維シート5を巻き付け、これに接着樹脂を含浸させ、構造物1の表面に貼り付けて構造物11を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
炭素繊維シート5は、弾性率230GPa、引張強度3400N/mmの高強度炭素繊維シート(商品名「リペラーク」(登録商標);三菱樹脂株式会社製)を用いた。
〔実施例3〕
FRPブロック体2の下面2bに貼り付ける補強材4として、ピッチ系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率350GPa、引張強度1200N/mmの炭素繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
〔実施例4〕
FRPブロック体2の下面2bに貼り付ける補強材4として、ピッチ系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率700GPa、引張強度1200N/mmの炭素繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
〔実施例5〕
FRPブロック体2の上面2aに貼り付ける補強材3として、アラミド繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率82GPa、引張強度1440N/mmのアラミド繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
〔実施例6〕
実施例5の構造物1の外周面に、前記図3に示されるように、その全長に亘って周方向にアラミド繊維シート5を巻き付け、これに接着樹脂を含浸させ、構造物1の表面に貼り付けて構造物11を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
アラミド繊維シート5は、弾性率118GPa、引張強度2060N/mmのものを用いた。
〔比較例1〕
実施例1の構造物1を形成する工程で作製されたFRPブロック体2を主桁8に用いる構成とした。
〔比較例2〕
FRPブロック体2の下面に貼り付ける補強材4として、前記PAN系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率170GPa、引張強度2400N/mmの炭素繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
〔比較例3〕
FRPブロック体2の上面に貼り付ける補強材3として、前記ピッチ系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率450GPa、引張強度1200N/mmの炭素繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
〔比較例4〕
FRPブロック体2の下面に貼り付ける補強材4として、ピッチ系炭素繊維を含有するプラスチック板であって、弾性率200GPa、引張強度1200N/mmの炭素繊維強化プラスチックを用いる以外は、実施例1と同様にして構造物1を形成し、これを主桁8に用いる構成とした。
各実施例と比較例の主桁8で床版7を支持したときに、主桁8に発生する応力度を算出した。
ここで、図6に示されるように橋梁5を構成した場合、床版7と八本の主桁8の単位体積重量から1mあたりの重量は約4.14kN/mと算出され、また、橋軸方向の1m当たりの群集荷重を10kN/mに設定する。橋梁全体では、その自重が約41.4kN、群集荷重が100kNとなり、両値を加算した荷重が各主桁8全体に等分布で加わるものとした。
応力度の測定部位は、主桁8の床版7が接合する上側部分と、支持材9が接合する下側部分とし、それぞれの側のFRPブロック体2と補強材3,4の内部に発生する応力を算出した。
また、主桁8に用いる場合にこれを構成する各部材の応力許容値を設定し、これと前記算出された応力値とを比較した。
主桁8の発生応力と、その許容値との比較結果を図8の図表1と図9の図表2にそれぞれ示す。両図表1,2において、発生応力が許容値よりも小さいものは○、大きいものは×を記してある。
各実施例と比較例の主桁8で床版7を支持したときに、主桁8に生ずるたわみを算出した。算出結果を前記図表1,2にそれぞれ示す。
法上規定される主桁に生ずるたわみの許容値は25mmであるが、図表1に示されるように、実施例1〜6の主桁8の構成では許容値の範囲内にたわみの発生量を抑えることが可能であることを確認できた。
実施例1,2,5,6及び比較例1〜3の主桁8についてせん断耐力を算出した。算出結果を前記図表1,2にそれぞれ示す。
主桁に発生するせん断力は71.0kNであるが、実施例2と実施例6の主桁8の構成では、発生せん断力よりも大きなせん断耐力が付与されることを確認できた。
各実施例と比較例の主桁8の総合評価として、前記図表1,2中に、たわみの発生量とせん断耐力がとも許容値よりも良好なものに◎、破損することなく床版7を支持可能であり、たわみの発生量が許容値よりも小さいものに△、それ以外の主桁8として利用できないものに×を付した。
実施例2と実施例6の主桁8のように、構造物1の外周に炭素繊維シートを貼り付けた構成のものでは、FRP製の構造物1に十分なせん断耐力を具備させることが可能であることを確認できた。
なお、図示した構造物1及び構造物11の形態は一例であり、本発明はこれらに限定されず、他の適宜な形態に構成することが可能である。
1 構造物、2 FRPブロック体、21 FRP形材、3 上面に貼る補強材、4 下面に貼る補強材、5 炭素繊維シート、6 橋梁、7 床版、71 FRP床板、72 アスファルトの舗装面、8 主桁、9 支持材

Claims (7)

  1. 複数のFRP形材が軸方向を揃えて上下複数段に積み重ねられ、且つ互いに重なり合うFRP形材の外面同士接着固定されてFRPブロック体が形成され、このFRPブロック体の上下両面に、それぞれ炭素繊維強化プラスチックからなる補強材が重ねられて接着された構成を有するFRP製の構造物。
  2. FRPブロック体の上面にPAN系炭素繊維を含有する補強材、下面にピッチ系炭素繊維を含有する補強材がそれぞれ接着された構成を有することを特徴とする請求項1に記載のFRP製の構造物。
  3. 複数のFRP形材を上下複数段に積み重ね、且つ互いに重なり合うFRP形材の外面同士を接着固定してFRPブロック体が形成され、このFRPブロック体の上面にアラミド繊維強化プラスチックからなる補強材、下面に炭素繊維強化プラスチックからなる補強材がそれぞれ重ねられて接着された構成を有するFRP製の構造物。
  4. FRPブロック体の上面に接着された補強材の弾性率が82Gpa以上且つ引張強度が1440N/mm以上であり、下面に接着された補強材の弾性率が350Gpa以上且つ引張強度が1200N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のFRP製の構造物。
  5. 外周面に炭素繊維シート、炭素繊維ストランド又はアラミド繊維シートの何れかが接着された構成を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のFRP製の構造物。
  6. FRPブロック体を構成するFRP形材の断面形状がロ形、I形、H形の何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のFRP製の構造物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のFRP製の構造物を用いて構成された建築土木構造物。

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