JP2006328181A - 筆記具用油性インキ組成物 - Google Patents

筆記具用油性インキ組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006328181A
JP2006328181A JP2005152433A JP2005152433A JP2006328181A JP 2006328181 A JP2006328181 A JP 2006328181A JP 2005152433 A JP2005152433 A JP 2005152433A JP 2005152433 A JP2005152433 A JP 2005152433A JP 2006328181 A JP2006328181 A JP 2006328181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelling agent
ink
organic solvent
ink composition
soluble gelling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005152433A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Yoneda
茂樹 米田
Takeshi Omatsu
武志 尾松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2005152433A priority Critical patent/JP2006328181A/ja
Priority to CN2006800183241A priority patent/CN101184813B/zh
Priority to PCT/JP2006/310192 priority patent/WO2006126510A1/ja
Priority to US11/920,797 priority patent/US7776941B2/en
Publication of JP2006328181A publication Critical patent/JP2006328181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks
    • C09D11/18Writing inks specially adapted for ball-point writing instruments

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 溶解性ゲル化剤を用いた場合であっても、レベリング性を維持しつつ、インキの保存安定性を向上することができる筆記具用油性インキ組成物を提供する。
【解決手段】 着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有する筆記具用油性インキ組成物であって、
前記有機溶剤が、炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤であり、
前記ゲル化剤が、上記有機溶剤に溶解する溶解性ゲル化剤と、上記有機溶剤に溶解しない非溶解性ゲル化剤を含み、
上記非溶解性ゲル化剤が尿素変性チキソトロピー剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記具用油性インキ組成物に関し、特に攪拌不要のゲルタイプの修正ペン用インキとして好適に用いることができる筆記具用油性インキ組成物に関する。
従来、着色顔料と、樹脂と、非極性有機溶剤と、該非極性有機溶剤に溶解する溶解性ゲル化剤を含む筆記具用油性インキが提供されている(特許文献1)。そして、通常ゲルタイプのインキは、静止粘度を高く、動粘度を低くすることで、インキの保存安定性とレベリング性(刷毛塗り性及び筆記性)を両立している。
特開2001−158869
しかし、単一のゲル化剤を用いた場合、前記保存安定性と前記レベリング性は通常相矛盾する関係にあり、どちらかを優先すると片方が悪くなる。すなわち、かかる溶解性ゲル化剤によりインキの粘度を上昇させると、着色顔料の粒子の沈降を防止でき保存安定性は増大するが、塗布するにあたってはこの増粘効果によってレベリング性が低下し、塗布性乃至筆記性が低下する。一方、インキの粘度を低く設定するような溶解性ゲル化剤を用いれば、レベリング性は向上するが、着色顔料の粒子の沈降の防止は十分でなくなり、保存安定性は低下する。このように、着色顔料、樹脂、有機溶剤及び溶解性ゲル化剤を含む筆記具用油性インキにおいて、単一のゲル化剤を用いた場合は、インキの保存安定性とレベリング性は二律背反の関係にあり、どちらかを優先すると片方が悪くなる問題があった。かかる観点から、従来は、それぞれの特性が調整できる範囲内で単一のゲル化剤を採用していた。
本発明の課題は、前記溶解性ゲル化剤を用いた場合であっても、レベリング性を維持しつつ、インキの保存安定性を更に向上することができる筆記具用油性インキ組成物を提供するところにある。
本発明者は鋭意検討した結果、動粘度の上昇を抑えつつ、静止粘度の上昇を図れる添加剤として尿素変性チキソトロピー剤を併用することで上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有する筆記具用油性インキ組成物であって、
前記有機溶剤が、炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤であり、
前記ゲル化剤が、上記有機溶剤に溶解する溶解性ゲル化剤と、上記有機溶剤に溶解しない非溶解性ゲル化剤を含み、
上記非溶解性ゲル化剤が尿素変性チキソトロピー剤である筆記具用油性インキ組成物である。
前記溶解性ゲル化剤としては2−エチルヘキサン酸アルミニウムが好ましく、前記尿素変性チキソトロピー剤としては尿素−ウレタン樹脂が好ましい。
本発明は、炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤と、かかる有機溶剤に対して溶解性を持つ溶解性ゲル化剤と、溶解性を持たない尿素変性チキソトロピー剤を含有する油性インキ組成物であるため、動粘度の上昇を抑えつつ、静止粘度の上昇を図ることができ、レベリング性を維持しつつ、インキの保存安定性を向上することができる。
(着色剤)
着色剤としては、特に限定されるものではない。白色及び又は有色の各種の顔料等を用いることができる。具体的には、無機顔料、有機顔料、樹脂粒子顔料、蛍光顔料、光輝性顔料、蓄光顔料、二色性顔料などを使用することができる。例えば、無機顔料や有機顔料として、二酸化チタン、アルミニウム粉、真鍮粉や、アルキレンビスメラミン、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などを挙げることができる。また、光輝性顔料として、ガラスフレーク顔料、金属被覆顔料などを挙げることができる。またそのほか、樹脂粒子顔料として、顔料又は染料により着色された樹脂粒子顔料などを用いることができる。また、着色剤として染料(例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料など)を用いることもできる。これらの着色剤は、単独で又は混合して使用することができる。
しかしながら特に、分散安定性に乏しく、静止状態で容器底部に沈降分離する傾向の強い比重の大きな二酸化チタンは、本発明を実施する上では最適の着色剤として用いることができる。二酸化チタンとしてはルチル型、アナターゼ型等いずれも用いることができるが、修正液に使用する場合は、隠蔽性の大きなルチル型の二酸化チタンが特に好ましい。
本発明の着色剤、中でも二酸化チタンは、インキ組成物中20〜65重量%配合することが好ましい。特に修正インキの場合、隠蔽剤となる着色剤はインキ全量中35〜63重量%配合することが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中40〜55重量%である。隠蔽剤となる着色剤をインキ全量中20重量%未満配合した場合は、充分な隠蔽効果を得ることが困難となる。隠蔽剤となる着色剤をインキ全量中65重量%を超えて配合すると、粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び筆記性を得ることが困難となる。その他の着色剤については、用途に応じ適量を配合すればよい。
(樹脂)
本発明で使用できる樹脂は、有機溶剤への溶解性、塗膜の形成、被塗布面(筆記面)への密着性或いは着色剤の分散性を発揮する樹脂、すなわち塗膜形成樹脂、バインター樹脂、分散樹脂等と称される公知の樹脂であって、特に前記溶解性ゲル化剤及び非溶解性ゲル化剤との相溶性を有する樹脂であれば用いることができる。例えば、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、アルキッド樹脂、不飽和熱可塑性樹脂エラストマー、飽和熱可塑性エラストマー、石油樹脂、テルペン樹脂などを例示することができる。これらは要求される上記の塗膜物性等に応じて適宜選択して用いることができ、また1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
これらの樹脂の配合量は、限定されるものでなく、着色剤の濃度に応じて決定すればよいが、インキ全量中0.5〜20重量%配合することが実用上好ましく、より好ましい範囲はインキ全量中2〜10重量%である。これらの樹脂をインキ全量中0.5重量%未満配合した場合は、着色剤の被塗布面への定着性が低下する。これらの樹脂をインキ全量中20重量%を超えて配合すると、粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び筆記性が低下することになる。
(有機溶剤)
本発明で用いられる有機溶剤としては、上記樹脂の溶解性及び塗膜の乾燥性を達成できる炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤が使用できる。
2−エチルヘキサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤を配合した本発明の油性インキ組成物の場合、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤などの極性有機溶剤では、既述した様なミセルによる3次元網目構造(ゲル構造)がインキ中で形成され難いのに対して、炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤などの非極性溶剤の場合、上記3次元網目構造(ゲル構造)が形成され易く、着色剤の沈降分離の抑止効果を十分発揮することが可能となる。
2−エチルヘキサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤を配合した本発明の油性インキ組成物の場合は、脂環族炭化水素系溶剤の中でも、特にシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタンであれば、筆記線を溶かしにくいこと及び乾燥性の面から修正液としては好適な溶剤として用いられるが、さらに重要なことは、かかる溶剤が2−エチルヘキサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤に対して3次元網目構造(ゲル構造)を系中でつくりやすい環境を与える効果も併せ持っている。また脂肪族炭化水素系溶剤、特にiso−ヘプタン、n−ヘプタン、iso−オクタン、n−オクタンなども同様である。
なお、有機溶剤は速乾性有機溶剤が好適である。特に、蒸気圧が少なくとも20mmHg(20℃)、好ましくは20〜300mmHg(20℃)の速乾性有機溶剤を用いると、本発明の油性インキ、中でも二酸化チタン等の隠蔽性顔料がインキ組成物中に含まれた本発明の修正インキの場合、擬塑性流動性がインキに与えられているので、筆記中は流動性があるが筆記後は流動性を失いつつ直ちに乾燥するので、隠蔽面に直ちに再筆記することができ、修正インキとして好適である。このような速乾性有機溶剤としては、既述の通り、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタンのほか、iso−ヘキサン、iso−ヘプタン、iso−オクタン、n−オクタンを例示することができるが、速乾性とゲル化剤の擬塑性流動性の点から、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタン、中でもメチルシクロヘキサンが好適である。
有機溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤などの炭化水素系溶剤の場合、インキ全量中10〜65重量%配合することが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中30〜60重量%である。これらの有機溶剤をインキ全量中10重量%未満配合した場合は、粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び筆記性を得ることが困難となる。一方、これらの有機溶剤をインキ全量中65重量%を超えて配合すると、着色剤による隠蔽性が低下し、着色剤を隠蔽剤として用いる場合はその実用性が悪化する。
なお、2−エチルヘキサン酸アルミニウムのような溶解性ゲル化剤を、脂環族炭化水素系溶剤などの前記有機溶剤に溶解するときには、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン、フェノール、燐酸エステル活性剤などの溶解助剤を添加することで、前記溶解性ゲル化剤が溶解し易くなる。この溶解助剤は、インキ全量中0.1〜10重量%配合することが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中0.2〜5重量%である。これらの溶解助剤をインキ全量中0.1重量%未満配合した場合は、ゲル化剤の溶解濃度が低すぎ、十分な着色顔料(特に隠蔽性顔料)の沈降防止効果が得難い。一方、これらの溶解助剤をインキ全量中10重量%を超えて配合すると、粘度が低くなりすぎ、着色顔料(特に隠蔽性顔料)が沈降し易くなる。
(溶解性ゲル化剤)
本発明に用いられる溶解性ゲル化剤は、既述の通り、前記有機溶剤に部分的に溶解する界面活性機能を持ってインキ中で三次元網目構造(ゲル構造)を形成し、着色剤をこの三次元網目構造(ゲル構造)に取り込むとともに、他方、筆記時の剪断力によって粘度低下するゲル化剤である。
界面活性機能を持つゲル化剤としては、特定の金属石鹸を例示することができるが、本発明で用いられるゲル化剤は、特に前記有機溶剤に対する溶解度(20℃)が0.1〜20重量%の溶解性ゲル化剤が好ましい。すなわち、有機溶剤に対する溶解度(20℃)が0.1〜20重量%となる様な極性基と非極性基を有する分子構造を持ち、かつインキに擬塑性流動性を与えるゲル化剤でなければならない。このようなゲル化剤の場合、その三次元構造は、顔料粒子等の着色剤をミセル構造の内部に取り込んで高粘度状態で分散安定化しているものと推定される。そして筆記時にインキに剪断力が加わると、低粘度化して流動化し、レベリング性や筆記性を発揮することができる。
このような属性を有する溶解性ゲル化剤であれば、本発明において使用することができる。例えば、ジベンジリデンソルビトールなどのソルビトール誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、水添ひまし油、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ポリエーテル・エステル型界面活性剤系ゲル化剤等を挙げることができる。最も好適な溶解性ゲル化剤としては、2−エチルヘキサン酸アルミニウムを例示することができる。この2−エチルヘキサン酸アルミニウムの場合、インキ中で2−エチルヘキサン酸アルミニウム分子同士がアルミニウム金属の存在に起因して配位結合し、この配位結合された2−エチルヘキサン酸アルミニウム分子のミセルによる3次元網目構造(ゲル構造)がインキ中で形成され、このゲル構造の中に着色剤が取り込まれて、これが着色剤の沈降を抑止しているためと推測される。また、この2−エチルヘキサン酸アルミニウムを配合した油性インキ、特に修正インキは、上記のミセルによる3次元網目構造(ゲル構造)に起因していると思われるが、静止粘度は高いが剪断速度が大きくなるにつれて低粘度化するチキソトロピー性を持っている。
2−エチルヘキサン酸アルミニウムとしては、モノソープ型、ジソープ型及びトリソープ型を例示することができる。本発明ではモノソープ型、ジソープ型及びトリソープ型の2−エチルヘキサン酸アルミニウムのうちいずれかに特に限定されるものではないが、ジソープ型の2−エチルヘキサン酸アルミニウムを単独又は主要成分として使用することが好ましい。ジソープ型の2−エチルヘキサン酸アルミニウムの場合、ジソープの分子構造上、油性インキの系においてゲル構造を形成し易いためと考えられ、モノソープ型及びトリソープ型と比較して二酸化チタンや着色顔料等の着色剤の分散安定性が特に優れている。
溶解性ゲル化剤のインキ組成物中の含有量は、特に限定されるものではない。例えば、有機溶剤の含有量や種類など他の配合成分に応じて適宜調整することもできる。具体的には、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤を用いる修正液などの油性インキ組成物の場合は、2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどのゲル化剤は、インキ全量中0.05〜5重量%配合することが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中0.5〜2重量%である。2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどのゲル化剤をインキ全量中0.05重量%未満配合した場合は、刷毛塗り性及び筆記性については良好であるが、同成分の配合量が少なすぎるため油性インキの系において網目構造を作り難いことから、着色剤の分散安定性に乏しく、またチキソトロピー性を発揮し難い。一方、2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどのゲル化剤をインキ全量中5重量%を超えて配合すると、着色剤の分散安定性及びチキソトロピー性は発揮されるが、同成分の配合量が過剰過ぎるため粘度が高くなりすぎ、適度な刷毛塗り性及び筆記性を得ることが困難となる。
(非溶解性ゲル化剤)
本発明では、前記溶解性ゲル化剤にさらに非溶解性ゲル化剤を併用する。非溶解性ゲル化剤としては、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系有機溶剤に溶解せず、微結晶が擬塑性3次元構造をつくるゲル化剤が好ましい。このようなゲル化剤として、尿素変性チキソトロピー剤が好適である。具体的には尿素−ウレタン樹脂が用いられる。特に、尿素−ウレタン樹脂が含まれたビックケミー・ジャパン株式会社が提供する商品名「byk−411」が好適である。また、特開昭54−156040号の特許請求の範囲に記載された被覆組成物用チクソトロープ剤が好ましい。
上記非溶解性ゲル化剤は、インキ全量中0.01〜0.3重量%配合することが実用上好ましく、最適範囲はインキ全量中0.05〜0.2重量%である。上記非溶解性ゲル化剤がインキ全量中0.01重量%未満の場合は、十分な沈降防止効果が得難い。一方、上記非溶解性ゲル化剤がインキ全量中0.3重量%を超える場合は、粘度が高くなり、適度な筆記性能が得難い。
(インキの粘度)
インキの粘度は、剪断速度が0.1(1/s)のとき700mPa・s未満であると、粘度が低すぎるため、たとえ前記ゲル化剤によって3次元網目構造が形成されても、顔料粒子等の着色剤の取り込みが安定しないことが原因であると推定されるが、充分な着色剤の沈降抑止を達成することが困難となり、振盪、再攪拌によって再分散を必要とする場合が生じる。他方、インキの粘度が、剪断速度が100(1/s)のとき500mPa・sを超えると、筆記時のインキの流動性が低下し、良好なレベリング性や筆記性を確保することが困難となる。
従って、本発明では、インキの粘度は、剪断速度が0.1(1/s)のとき700mPa・s以上であり、剪断速度が100(1/s)のとき500mPa・s以下とすることが重要である。しかし、上記の点から、本発明に係るインキの粘度の好適範囲は、剪断速度が0.1(1/s)のとき900mPa・s以上であり、剪断速度が100(1/s)のとき250mPa・s以下である。
本発明で示す粘度は、HAAKE社製レオメーターRS−75を用い、20℃で、Z20DINローターをもって測定した値である。このインキの粘度は、溶解性ゲル化剤によって達成することが望ましいが、別に粘度調整剤を用いることも可能である。
なお、本発明のインキには、塗膜改質のための微細シリカ粉、フロー性を調整するためのプラスチックピグメントのほか、各種の分散剤、界面活性剤などを添加することができる。
本発明で用いられる分散剤としては、着色剤(隠蔽剤)の分散性を確保し、前記ゲル化剤及び前記樹脂との相溶性を有し、下地に描かれた図や文字を溶解しないものが好ましい。ノニオン系界面活性剤を含有する本発明の油性インキの場合は、当該界面活性を含有しない油性インキと比較して、上記要求特性を充足できるものであり、着色剤、特に顔料粒子、中でも二酸化チタン顔料粒子のインキ中での分散安定性とインキの流動性を更に向上することができる。このノニオン系界面活性剤としては特に限定されないが、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。高級アルコールエチレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルを例示することができる。アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルを例示することができる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートを例示することができる。また、ノニオン系界面活性剤は、インキ全量に対して0.3〜5重量%含まれていることが実用的であり、特に0.5〜2重量%が好ましい。ノニオン系界面活性剤は、インキ全量に対して0.3重量%未満の場合、流動性が悪化し、適度な刷毛塗り性及び筆記性が低下する。ノニオン系界面活性剤がインキ全量に対して5重量%を超える場合は、粘度が低下し、着色顔料(隠蔽剤)が沈降し易くなる。
このように、本発明のゲル状の油性インキは、すぐれたレベリング性を発揮し、刷毛塗り性や筆記性を確保しながら、着色剤の沈降を防止することができることから、加圧式及び非加圧式を問わず、油性ボールペン、ペイントマーカーのほか、特に修正ペン、刷毛塗り型修正液等の修正具など、各種の筆記具に用いることができる。
表1の配合組成により実施例及び比較例の油性インキを試作した。
まず、有機溶剤に樹脂を加えて攪拌し溶解せしめた後、溶解性ゲル化剤を添加して攪拌し、その後溶解性ゲル化剤の溶解助剤を添加し加熱攪拌し、溶解性ゲル化剤を十分溶解させ、樹脂液を作製した。なお、攪拌はデゾルバーで行った。
次に、有機溶剤に隠蔽剤、隠蔽助剤、分散剤、溶解助剤を投入し、デゾルバーで攪拌し、更にビーズミルで十分に攪拌し、顔料ベースを作製した。
次に、上記樹脂液と上記顔料ベースを混合攪拌し、これに非溶解性ゲル化剤を攪拌しながら投入し、さらに加熱攪拌し、50℃で一週間放置して、所定の油性インキを作製した。上記攪拌はいずれもデゾルバーで行った。なお、表の配合はいずれも「重量部」により示している。
Figure 2006328181
表中、
着色顔料(隠蔽剤)である二酸化チタンは、チタン工業社製、商品名「クロノスKR−270」、
隠蔽助剤であるアクリル樹脂球は、綜研化学社製、商品名「MP−1000」、
溶解性ゲル化剤である2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、ホープ製薬社製、商品名「オクトープAl−A」、
樹脂であるロジン樹脂は、荒川化学工業社製、商品名「パインクリスタルKE100」、
ノニオン系界面活性剤は、花王社製、商品名「レオドールSP−O10」、
非溶解性ゲル化剤である尿素変性ウレタン樹脂は、ビックケミー・ジャパン株式会社の商品名「byk−411」、
溶解助剤である燐酸エステル活性剤は、日本サーファクタント工業社製、商品名「DDP−8」である。
<試験サンプルの作製>
次に、直径0.5mmのピンと40gfの荷重をもつ内蔵バネをペン先に有した修正ペンのインキ収納管に各実施例、比較例のインキを入れて試験サンプルとし、インキの保存安定性と、レベリング性と、粘度を評価した。
インキの保存安定性は、ペン先を上向きにして50℃1ヶ月後に筆記して下記の基準で評価した。
○ 初期と同等
× 書き出しが透明又は薄い
レベリング性は、PPC用紙(コピー用紙)に筆記して下記基準で官能評価した。
○ かすれない
× かすれ、線飛びがある
粘度は、HAAKE社製レオメーターRS−75を用い、20℃で、Z20DINローターにより、せん断速度0.1/sec、100/secのそれぞれについて測定した。
表1より、非溶解性ゲル化剤を含まない比較例はいずれもレベリング性又は保存安定性のいずれかにおいて満足できる特性が得られていない。これに対して、実施例はレベリング性を維持しつつ、インキの保存安定性を向上している。これらはせん断速度が0.1/secと100/secのそれぞれの粘度測定値を、比較例と比較することによってもその効果の向上が認められる。
本発明のインキ組成物は、ゲルタイプの修正ペン用インキとして好適に用いることができる。また本発明の油性インキ組成物は、油性ボールペン用インキ、ペイントマーカー用インキにも同様にして適用することができる。



Claims (2)

  1. 着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有する筆記具用油性インキ組成物であって、
    前記有機溶剤が、炭化水素系溶剤、特に脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及びハロゲン化炭化水素系溶剤の群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤であり、
    前記ゲル化剤が、上記有機溶剤に溶解する溶解性ゲル化剤と、上記有機溶剤に溶解しない非溶解性ゲル化剤を含み、
    上記非溶解性ゲル化剤が尿素変性チキソトロピー剤である筆記具用油性インキ組成物。
  2. 前記溶解性ゲル化剤がインキ全量に対して0.05〜5重量%、
    前記非溶解性ゲル化剤がインキ全量に対して0.01〜0.3重量%
    含まれる請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。



JP2005152433A 2005-05-25 2005-05-25 筆記具用油性インキ組成物 Pending JP2006328181A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005152433A JP2006328181A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 筆記具用油性インキ組成物
CN2006800183241A CN101184813B (zh) 2005-05-25 2006-05-23 书写用具用油性墨水组合物
PCT/JP2006/310192 WO2006126510A1 (ja) 2005-05-25 2006-05-23 筆記具用油性インキ組成物
US11/920,797 US7776941B2 (en) 2005-05-25 2006-05-23 Oil-based ink composition for writing instruments

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005152433A JP2006328181A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 筆記具用油性インキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006328181A true JP2006328181A (ja) 2006-12-07

Family

ID=37451936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005152433A Pending JP2006328181A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 筆記具用油性インキ組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7776941B2 (ja)
JP (1) JP2006328181A (ja)
CN (1) CN101184813B (ja)
WO (1) WO2006126510A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101143542B1 (ko) 2011-08-19 2012-05-10 주식회사 케이피아이 페인트 마커용 조성물 및 그 제조방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9365732B2 (en) * 2011-08-31 2016-06-14 Pentel Kabushiki Kaisha Oily ink composition for ballpoint pens
JP6147552B2 (ja) * 2013-04-25 2017-06-14 株式会社サクラクレパス 油性顔料インキ組成物及び油性顔料インキ筆記具
CN104109419A (zh) * 2014-07-21 2014-10-22 常熟市协新冶金材料有限公司 圆珠笔用的耐低温超润滑油基墨水

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1021973A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Tec Corp 電線接続構造
JPH10219174A (ja) * 1997-02-06 1998-08-18 Mitsubishi Pencil Co Ltd ボールペン用油性インキ組成物
JP2001158869A (ja) * 1999-09-20 2001-06-12 Sakura Color Prod Corp 筆記具用油性インキ
JP2001329204A (ja) * 2000-05-25 2001-11-27 Pilot Ink Co Ltd 油性インキ組成物
JP2003226828A (ja) * 2002-02-04 2003-08-15 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具用インキ組成物
JP2004099896A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Byk Chem Gmbh 尿素−ウレタンポリマーレオロジー調節剤及びその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7560587B2 (en) 2004-12-04 2009-07-14 Xerox Corporation Bis[urea-urethane] compounds
US7220300B2 (en) 2004-12-04 2007-05-22 Xerox Corporation Phase change inks containing bis(urea-urethane) compounds

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1021973A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Tec Corp 電線接続構造
JPH10219174A (ja) * 1997-02-06 1998-08-18 Mitsubishi Pencil Co Ltd ボールペン用油性インキ組成物
JP2001158869A (ja) * 1999-09-20 2001-06-12 Sakura Color Prod Corp 筆記具用油性インキ
JP2001329204A (ja) * 2000-05-25 2001-11-27 Pilot Ink Co Ltd 油性インキ組成物
JP2003226828A (ja) * 2002-02-04 2003-08-15 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具用インキ組成物
JP2004099896A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Byk Chem Gmbh 尿素−ウレタンポリマーレオロジー調節剤及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101143542B1 (ko) 2011-08-19 2012-05-10 주식회사 케이피아이 페인트 마커용 조성물 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
US7776941B2 (en) 2010-08-17
CN101184813B (zh) 2012-03-28
WO2006126510A1 (ja) 2006-11-30
US20090234069A1 (en) 2009-09-17
CN101184813A (zh) 2008-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100381848B1 (ko) 필기구용 유성잉크
JP2006328181A (ja) 筆記具用油性インキ組成物
JP4673985B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP6147552B2 (ja) 油性顔料インキ組成物及び油性顔料インキ筆記具
JP3934444B2 (ja) ボールペン
JPH07331151A (ja) インキ組成物
JP4958873B2 (ja) 筆記具用油性インキ
JP4297526B2 (ja) 顔料マーカー用インキ組成物
JP4113489B2 (ja) 水性インキ組成物
JP2005263940A (ja) 塗布具用油性インキ組成物
JP2017052832A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP4327321B2 (ja) ボールペン用光輝性水性インキ組成物
JP2016060851A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JP2003192976A (ja) ボールペン用水性インキ
JP7341480B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物、水性ボールペンレフィル及び水性ボールペン
JP2017210551A (ja) 筆記板用水性インク組成物及びこれを用いた筆記具
JP4860846B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及び当該組成物を用いた水性ボールペン
JPH08283646A (ja) 筆記具用水性顔料インキ組成物
JPH0776665A (ja) 水性ボールペン用インキ
JPH11148041A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2006096943A (ja) 隠蔽性複合粒子及びそれを用いた筆記具用インキ組成物
JP2021178924A (ja) 水性インキ組成物
JP2008138126A (ja) 油性マーキングペン用黒色インキ組成物
JP2003253184A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP2008050485A (ja) 筆記具用インキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120130