照明という演出は、見せたいものを照射して、その反射光を見せたい人の目に直接届ける演出と、見せたいもの自身を光らせて、その発する光そのものを見せたい人の目に届ける演出との2つに分類される。
前者は直接照明とも呼ばれ、前者の例としては、例えば舞台照明、観光地などの建物の夜間照明、外側から照射する宣伝用の看板などがある。一方、後者の例としては、例えば内部に蛍光灯などを装備し、背面から文字や絵などを明るく光らせる方式のものなどがある。後者のものでは、文字自体が明るく光り、観測者はその発する光を見ることになる。
車両用灯具には、上述した両者の照明演出がふんだんに取り入れられている。後者の例としては、テールランプが挙げられる。詳細には、主に後続車を運転するドライバーは、テールランプの“発光する光そのもの”を見ている。テールランプの場合には、ギラツキ感の少ない落ち着いたものが思いやりのある演出であると言える。
一方、前者の例としては、ヘッドランプが挙げられる。ヘッドランプは、道路や周囲のガードレール、通行中の歩行者などを照明し、運転者は、ヘッドランプの反射光を見ている。ヘッドランプが発する光そのものを周囲の人が直接目にすると、目がくらむおそれがあるため、ヘッドランプが発する光そのものを周囲の人が直接目にしないように、ヘッドランプには各種の規制が設けられている。
また、車の所有者、あるいは、運転者は、車を格好良く見せたいという心理を有している。車全体のスタイルのうち、ヘッドランプが占めている割合はかなり大きいため、ヘッドランプは非常に目立つ存在であると言える。この場合、ヘッドランプを格好良く見せるための照明に使われている光は、道路照明でやむを得ず発生している乱反射光であり、上述したヘッドランプの主な照明目的とは異なってくる。
換言すれば、例えばヘッドランプのような車両用灯具には、運転者が安全に運転できるように道路などを照らすことと、車両を格好良く見せることとの2つの演出が求められていると言える。
従来から知られているヘッドランプの例としては、例えばレンズカット群で覆われたカット付き前面レンズを有し、光源からの光を1回反射させて、その反射光の進路をコントロールするものがある。このタイプのものは、1回反射タイプのものに分類することができる。
また、他の例としては、レンズカット群が無い素通しの前面レンズを有するタイプで、一般にマルチリフレクタータイプと呼ばれているものが知られている。素通しレンズ(透明な板)がレンズに含まれると考えると、このタイプのものも、1回反射タイプのものに分類することができる。
更に他の例としては、分厚い凸レンズを有する、一般にプロジェクタータイプと呼ばれているものが知られている。このタイプのものでは、例えばその長軸を中心に楕円を回転させることにより形成された回転楕円面のような楕円系反射面が用いられ、その反射面の第1焦点に光源が配置され、その反射面の第2焦点に集結された集結実像が凸レンズによって車両の前側の路面に映し出されている。
更に他の例としては、複数回反射タイプのものが知られている。このタイプのものでは、上述したプロジェクタータイプのものと同様に、まず最初に、光源からの光が楕円系反射面によって反射される。次いで、放物線を組合わせることによって形成された放物系反射面によって、楕円系反射面からの反射光が車両の前側に反射される。このタイプの車両用灯具の例としては、例えば特開2004−186031号公報に記載されたものがある。
特開2004−186031号公報に記載されたタイプとは異なる複数回反射タイプのものも知られている。このタイプのものでは、まず最初に、光源からの光が、放物柱系反射面によって扇状の水平拡散光が形成され、次いで、その扇状の水平拡散光の拡散の程度が、他の放物柱系反射面によってコントロールされる。
従来から知られているヘッドランプを整理すると、概ね以下のようになる。
(1)ヘッドランプの大きさに制限が少なくφ180mm程度以上のレンズ面積が与えられるのであれば、レンズカットの無い1回反射タイプのもの、つまり、素通しレンズタイプのものが、最大の光量と遠方視認性(通常、到達距離で表示される、遠くまで光を送り出す能力)を提供することができる。
(2)例えばφ50mm以下しかレンズ面積が与えられない正面視面積制限のある条件下であって、奥行き制限が無い条件下では、プロジェクタータイプのものが優れたヘッドランプとなると考えられる。
(3)例えば120mm以下の奥行き制限があって、しかも、例えばφ100mm〜φ140mmしかレンズ面積が与えられない正面視面積制限のある条件下では、例えば特開2004−186031号公報に記載されたタイプのような複数回反射タイプのものが最高の性能を発揮することができる。
詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源の右上側に楕円系反射面の1次反射面31L(第1反射面)が配置され、光源の左上側に楕円系反射面の1次反射面31R(第2反射面)が配置され、光源の左下側に楕円系反射面の1次反射面41R(第3反射面)が配置され、光源の右下側に楕円系反射面の1次反射面41L(第4反射面)が配置されている。
更に、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、1次反射面31L(第1反射面)からの反射光を通過させるために1次反射面31R(第2反射面)に開口部32R(第1開口部)が形成され、1次反射面31R(第2反射面)からの反射光を通過させるために1次反射面31L(第1反射面)に開口部32L(第2開口部)が形成され、1次反射面41R(第3反射面)からの反射光を通過させるために1次反射面41L(第4反射面)に開口部42L(第3開口部)が形成され、1次反射面41L(第4反射面)からの反射光を通過させるために1次反射面41R(第3反射面)に開口部42R(第4開口部)が形成されている。
また、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、開口部32R(第1開口部)を通過せしめられた光を前側に反射するために1次反射面31R(第2反射面)の左上側に放物系反射面の2次反射面33R(第2リフレクタ)が配置され、開口部32L(第2開口部)を通過せしめられた光を前側に反射するために1次反射面31L(第1反射面)の右上側に放物系反射面の2次反射面33L(第3リフレクタ)が配置され、開口部42L(第3開口部)を通過せしめられた光を前側に反射するために1次反射面41L(第4反射面)の右下側に放物系反射面の2次反射面43L(第4リフレクタ)が配置され、開口部42R(第4開口部)を通過せしめられた光を前側に反射するために1次反射面41R(第3反射面)の左下側に放物系反射面の2次反射面43R(第5リフレクタ)が配置されている。
ところが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から前側に放射された光のみならず、光源から後側に放射された光までもが、まず最初に、1次反射面31L,31R,41R,41Lによって反射され、次いで、2次反射面33R,33L,43L,43Rによって前側に反射されている。つまり、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から後側に放射された光が、2回の反射を経て前側に照射されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から後側に放射された光が2回の反射を経なければならない分だけ照射効率が低下してしまう。
また、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、特開2004−186031号公報の図2に示すように、1次反射面31L(第1反射面)が、光源の前側のみならず、光源の後側にも形成されている。そのため、光源から前側に放射された光のみならず、光源から後側に放射された光も、1次反射面31L(第1反射面)によって反射されて開口部32R(第1開口部)を通過せしめられ、2次反射面33R(第2リフレクタ)によって前側に反射されている。つまり、光源から後側に放射され、1次反射面31L(第1反射面)のうちの光源より後側の部分によって反射された光を前側に更に反射するために、2次反射面33R(第2リフレクタ)が左前側に大きく張り出して形成されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面33R(第2リフレクタ)が左前側に大きく張り出した分だけ、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法が大型化してしまう。
更に、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面43R(第2リフレクタ)からの反射光のうち、左前側に大きく張り出した部分(つまり、左側縁部)からの反射光の密度が、その他の部分からの反射光の密度よりも低くなってしまう。
また、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、特開2004−186031号公報の図2に示すように、1次反射面31R(第2反射面)が、光源の前側のみならず、光源の後側にも形成されている。そのため、光源から前側に放射された光のみならず、光源から後側に放射された光も、1次反射面31R(第2反射面)によって反射されて開口部32L(第2開口部)を通過せしめられ、2次反射面33L(第3リフレクタ)によって前側に反射されている。つまり、光源から後側に放射され、1次反射面31R(第2反射面)のうちの光源より後側の部分によって反射された光を前側に更に反射するために、2次反射面33L(第3リフレクタ)が右前側に大きく張り出して形成されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面33L(第3リフレクタ)が右前側に大きく張り出した分だけ、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法が大型化してしまう。
更に、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面33L(第3リフレクタ)からの反射光のうち、右前側に大きく張り出した部分(つまり、右側縁部)からの反射光の密度が、その他の部分からの反射光の密度よりも低くなってしまう。
また、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、1次反射面41R(第3反射面)が、光源の前側のみならず、光源の後側にも形成されている。そのため、光源から前側に放射された光のみならず、光源から後側に放射された光も、1次反射面41R(第3反射面)によって反射されて開口部42L(第3開口部)を通過せしめられ、2次反射面43L(第4リフレクタ)によって前側に反射されている。つまり、光源から後側に放射され、1次反射面41R(第3反射面)のうちの光源より後側の部分によって反射された光を前側に更に反射するために、2次反射面43L(第4リフレクタ)が右前側に大きく張り出して形成されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面43L(第4リフレクタ)が右前側に大きく張り出した分だけ、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法が大型化してしまう。
更に、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面43L(第4リフレクタ)からの反射光のうち、右前側に大きく張り出した部分(つまり、右側縁部)からの反射光の密度が、その他の部分からの反射光の密度よりも低くなってしまう。
また、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、1次反射面41L(第4反射面)が、光源の前側のみならず、光源の後側にも形成されている。そのため、光源から前側に放射された光のみならず、光源から後側に放射された光も、1次反射面41L(第4反射面)によって反射されて開口部42R(第4開口部)を通過せしめられ、2次反射面43R(第5リフレクタ)によって前側に反射されている。つまり、光源から後側に放射され、1次反射面41L(第4反射面)のうちの光源より後側の部分によって反射された光を前側に更に反射するために、2次反射面43R(第5リフレクタ)が左前側に大きく張り出して形成されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面43R(第5リフレクタ)が左前側に大きく張り出した分だけ、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法が大型化してしまう。
更に、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、2次反射面43R(第5リフレクタ)からの反射光のうち、左前側に大きく張り出した部分(つまり、左側縁部)からの反射光の密度が、その他の部分からの反射光の密度よりも低くなってしまう。
前記問題点に鑑み、本発明は、従来の車両用灯具よりも照射効率を向上させることができる車両用灯具を提供することを目的とする。詳細には、本発明は、光源から後側に放射された光が2回の反射を経なければならない分だけ照射効率が低下してしまうのを回避することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
更に、本発明は、全体の光量が低下するのを回避しつつ、車両用灯具の奥行き寸法を小型化することができ、反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、光源と、前記光源の右上側に配置された第1反射面と、前記光源の左上側に配置された第2反射面と、前記光源の左下側に配置された第3反射面と、前記光源の右下側に配置された第4反射面とを有する第1リフレクタと、前記第1反射面からの反射光を通過させるために前記第2反射面に形成された第1開口部と、前記第2反射面からの反射光を通過させるために前記第1反射面に形成された第2開口部と、前記第3反射面からの反射光を通過させるために前記第4反射面に形成された第3開口部と、前記第4反射面からの反射光を通過させるために前記第3反射面に形成された第4開口部と、前記第1開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第2反射面の左上側に配置された第2リフレクタと、前記第2開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第1反射面の右上側に配置された第3リフレクタと、前記第3開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第4反射面の右下側に配置された第4リフレクタと、前記第4開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第3反射面の左下側に配置された第5リフレクタとを具備する車両用灯具において、前記光源から前側に放射された光を前記第1リフレクタによって反射し、前記光源から後側に放射された光を前側に反射するために、前記第1リフレクタとは別個に第6リフレクタを設け、前記第6リフレクタからの反射光を通過させるための第5開口部を前記第1リフレクタに形成し、水平面と前記第6リフレクタの反射面との交線が第1楕円弧となり、かつ、前後方向に延びている軸線に対して平行な垂直面と前記第6リフレクタの反射面との交線が第2楕円弧となるように、前記第6リフレクタの反射面を形成し、前記第1楕円弧の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第1楕円弧の第2焦点を前記第5開口部の近傍または前記第5開口部の近傍より前側に配置し、前記第2楕円弧の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第2楕円弧の第2焦点を前記第1楕円弧の第2焦点より前側に配置したことを特徴とする車両用灯具が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、前記第1楕円弧の第2焦点の近傍または前記第1楕円弧の第2焦点の近傍より後側に配置された前記第5開口部にレンズを配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、前記レンズの前側にアウターレンズとして凹レンズを配置したことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記第1リフレクタを透明な材料によって形成し、前記第1リフレクタの前記第1反射面、前記第2反射面、前記第3反射面および前記第4反射面を蒸着によって形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、光源から上側に放射された光を通過させるための第6開口部を前記第1リフレクタに形成し、前記第6開口部を通過せしめられた光を左右方向に拡散させて前側に反射するための第7リフレクタを前記第1リフレクタの上側に配置し、前記第6開口部を通過せしめられた光を右側に反射するための第5反射面と、前記第5反射面からの反射光を前側に反射するための第6反射面とを前記第7リフレクタに設け、前記第6開口部を通過せしめられた光を左側に反射するための第7反射面と、前記第7反射面からの反射光を前側に反射するための第8反射面とを前記第7リフレクタに設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、光源から下側に放射された光を通過させるための第7開口部を前記第1リフレクタに形成し、前記第7開口部を通過せしめられた光を左右方向に拡散させて前側に反射するための第8リフレクタを前記第1リフレクタの下側に配置し、前記第7開口部を通過せしめられた光を右側に反射するための第9反射面と、前記第9反射面からの反射光を前側に反射するための第10反射面とを前記第8リフレクタに設け、前記第7開口部を通過せしめられた光を左側に反射するための第11反射面と、前記第11反射面からの反射光を前側に反射するための第12反射面とを前記第8リフレクタに設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、前記第1リフレクタの外側表面に装飾文字および/または装飾図形を配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、透明な材料によって形成されたインナーレンズを前記第1リフレクタの外側に配置し、前記インナーレンズの内側表面のレンズカットの形成および/またはアルミニウム蒸着処理を行い、前記インナーレンズの外側表面に装飾文字および/または装飾図形を配置し、前記光源からの光を前記インナーレンズの内部に導入するための光導入部を前記インナーレンズに設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、光源と、前記光源の右上側に配置された第1反射面と、前記光源の左上側に配置された第2反射面と、前記光源の左下側に配置された第3反射面と、前記光源の右下側に配置された第4反射面とを有する第1リフレクタと、前記第1反射面からの反射光を通過させるために前記第2反射面に形成された第1開口部と、前記第2反射面からの反射光を通過させるために前記第1反射面に形成された第2開口部と、前記第3反射面からの反射光を通過させるために前記第4反射面に形成された第3開口部と、前記第4反射面からの反射光を通過させるために前記第3反射面に形成された第4開口部と、前記第1開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第2反射面の左上側に配置された第2リフレクタと、前記第2開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第1反射面の右上側に配置された第3リフレクタと、前記第3開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第4反射面の右下側に配置された第4リフレクタと、前記第4開口部を通過せしめられた光を前側に反射するために前記第3反射面の左下側に配置された第5リフレクタとを具備する車両用灯具において、前記光源から前側に放射された光を前記第1リフレクタによって反射し、前記光源から後側に放射された光を前側に反射するために、前記第1リフレクタとは別個に第6リフレクタを設け、前記第6リフレクタからの反射光を通過させるための第5開口部を前記第1リフレクタに形成し、前記光源から前記第2反射面の外縁までの左右方向距離と前記第2反射面の外縁から前記第2リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように前記第2反射面および前記第2リフレクタの寸法を設定し、前記光源から前記第1反射面の外縁までの左右方向距離と前記第1反射面の外縁から前記第3リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように前記第1反射面および前記第3リフレクタの寸法を設定し、前記光源から前記第4反射面の外縁までの左右方向距離と前記第4反射面の外縁から前記第4リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように前記第4反射面および前記第4リフレクタの寸法を設定し、前記光源から前記第3反射面の外縁までの左右方向距離と前記第3反射面の外縁から前記第5リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように前記第3反射面および前記第5リフレクタの寸法を設定しことを特徴とする車両用灯具が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、前記第1反射面の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第1反射面の第2焦点を前記第1開口部の近傍に配置し、前記第1開口部から前記第2リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように前記第1開口部および前記第2リフレクタを配置し、前記第2反射面の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第2反射面の第2焦点を前記第2開口部の近傍に配置し、前記第2開口部から前記第3リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように前記第2開口部および前記第3リフレクタを配置し、前記第3反射面の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第3反射面の第2焦点を前記第3開口部の近傍に配置し、前記第3開口部から前記第4リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように前記第3開口部および前記第4リフレクタを配置し、前記第4反射面の第1焦点を前記光源またはその近傍に配置すると共に、前記第4反射面の第2焦点を前記第4開口部の近傍に配置し、前記第4開口部から前記第5リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように前記第4開口部および前記第5リフレクタを配置したことを特徴とする請求項9に記載の車両用灯具が提供される。
請求項11に記載の発明によれば、前記第1開口部と前記光源とを前後方向の同一レベルに配置するか、あるいは、前記第1開口部を前記光源より後側に配置し、前記第2開口部と前記光源とを前後方向の同一レベルに配置するか、あるいは、前記第2開口部を前記光源より後側に配置し、前記第3開口部と前記光源とを前後方向の同一レベルに配置するか、あるいは、前記第3開口部を前記光源より後側に配置し、前記第4開口部と前記光源とを前後方向の同一レベルに配置するか、あるいは、前記第4開口部を前記光源より後側に配置したことを特徴とする請求項9又は10に記載の車両用灯具が提供される。
請求項1〜4に記載の車両用灯具では、光源から前側に放射された光が第1リフレクタによって反射され、光源から後側に放射された光を前側に反射するために、第1リフレクタとは別個に第6リフレクタが設けられ、更に、第6リフレクタからの反射光を通過させるための第5開口部が第1リフレクタに形成されている。
詳細には、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、光源から後側に放射された光が、第6リフレクタによる1回のみの反射を経て前側に照射される。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも照射効率を向上させることができる。つまり、請求項2〜6に記載の車両用灯具によれば、光源から後側に放射された光を反射させて前側に照射する照射効率を、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも向上させることができる。
更に詳細には、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、水平面と第6リフレクタの反射面との交線が第1楕円弧となり、かつ、前後方向に延びている軸線に対して平行な垂直面と第6リフレクタの反射面との交線が第2楕円弧となるように、第6リフレクタの反射面が形成されている。つまり、第6リフレクタの反射面は、複数の水平面内の楕円弧と、前後方向に延びている軸線に対して平行な複数の垂直面内の楕円弧とを組合わせることにより、形成されている。
更に、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、第1楕円弧の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第1楕円弧の第2焦点が第5開口部の近傍または第5開口部の近傍より少し前側に配置され、第2楕円弧の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第2楕円弧の第2焦点が第1楕円弧の第2焦点より前側に配置されている。
つまり、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、第1楕円弧の第2焦点が、第2楕円弧の第2焦点よりも第6リフレクタの近くに配置されている。それにより、第6リフレクタからの反射光の左右方向の拡散度合いが、上下方向の拡散度合いよりも大きくされている。
すなわち、請求項1〜4に記載の車両用灯具によれば、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも照射効率を向上させつつ、光源から後側に放射された光を左右方向に大きく拡散させて前側に反射することができる。
好ましくは、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、第6リフレクタからの反射光を通過させるために第1リフレクタに形成された第5開口部に、例えば凹レンズ、凸レンズ、プリズムレンズ、素通しレンズなどのレンズが配置されている。
更に、好ましくは、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、第5開口部に配置されたレンズの前側にアウターレンズとして凹レンズが配置されている。なお、第5開口部に配置されたレンズの前側に配置される凹レンズの例としては、一般的なアウターレンズのように車両用灯具の前面全体を覆う位置に配置されるものではなく、例えば第5開口部を通過した光が通過可能な第5開口部の前側の所定位置に配置されるものが挙げられる。そのような凹レンズであれば、アウターレンズとしての機能のみならず、一般的なインナーレンズが有するような機能も有することができる。
また、好ましくは、請求項1〜4に記載の車両用灯具では、第1リフレクタが透明な材料によって形成され、第1リフレクタの第1反射面、第2反射面、第3反射面および第4反射面が蒸着によって形成されている。
請求項5に記載の車両用灯具では、光源から上側に放射された光を通過させるための第6開口部が第1リフレクタに形成され、第6開口部を通過せしめられた光を右側に反射するための第5反射面と、第5反射面からの反射光を前側に反射するための第6反射面と、第6開口部を通過せしめられた光を左側に反射するための第7反射面と、第7反射面からの反射光を前側に反射するための第8反射面とを有する第7リフレクタが、第1リフレクタの上側に配置されている。そのため、第1リフレクタの上側に配置されたリフレクタからグレア光が生じてしまうのを抑制することができる。
請求項6に記載の車両用灯具では、光源から下側に放射された光を通過させるための第7開口部が第1リフレクタに形成され、第7開口部を通過せしめられた光を右側に反射するための第9反射面と、第9反射面からの反射光を前側に反射するための第10反射面と、第7開口部を通過せしめられた光を左側に反射するための第11反射面と、第11反射面からの反射光を前側に反射するための第12反射面とを有する第8リフレクタが、第1リフレクタの下側に配置されている。そのため、第1リフレクタの下側に配置されたリフレクタからグレア光が生じてしまうのを抑制することができる。
請求項7に記載の車両用灯具では、第1リフレクタの外側表面に例えばエンブレム、社章、社名、ロゴ、イニシャル、文字、絵文字などの装飾文字および/または装飾図形が配置されている。そのため、反射面が形成されていない第1リフレクタの外側表面を有効活用することができる。
請求項8に記載の車両用灯具では、透明な材料によって形成されたインナーレンズが第1リフレクタの外側に配置され、インナーレンズの内側表面のレンズカットの形成および/またはアルミニウム蒸着処理が行われている。それにより、第1リフレクタの外側表面が外部から見えないようにされている。更に、請求項8に記載の車両用灯具では、例えばエンブレム、社章、社名、ロゴ、イニシャル、文字、絵文字などの装飾文字および/または装飾図形がインナーレンズの外側表面に配置され、光源からの光をインナーレンズの内部に導入するための光導入部がインナーレンズに設けられている。そのため、光源からの光を利用して装飾文字または装飾図形を光り輝かせるか、あるいは、浮き出させて装飾的な効果を演出することができる。
請求項9に記載の車両用灯具では、光源から前側に放射された光が第1リフレクタによって反射され、光源から後側に放射された光を前側に反射するために、第1リフレクタとは別個に第6リフレクタが設けられ、更に、第6リフレクタからの反射光を通過させるための第5開口部が第1リフレクタに形成されている。
また、請求項9に記載の車両用灯具では、第2リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように左前側に大きく張り出して形成されていない。詳細には、請求項9に記載の車両用灯具では、第2リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33R(第2リフレクタ)の左前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33R(第2リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第2反射面が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面31R(第2反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面31R(第2反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面31R(第2反射面)の外縁から2次反射面33R(第2リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面31R(第2反射面)および2次反射面33R(第2リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、請求項9に記載の車両用灯具では、光源から第2反射面の外縁までの左右方向距離と第2反射面の外縁から第2リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように第2反射面および第2リフレクタの寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第2リフレクタからの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、請求項9に記載の車両用灯具では、第3リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように右前側に大きく張り出して形成されていない。詳細には、請求項9に記載の車両用灯具では、第3リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33L(第3リフレクタ)の右前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33L(第3リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第1反射面が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面31L(第1反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面31L(第1反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面31L(第1反射面)の外縁から2次反射面33L(第3リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面31L(第1反射面)および2次反射面33L(第3リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、請求項9に記載の車両用灯具では、光源から第1反射面の外縁までの左右方向距離と第1反射面の外縁から第3リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように第1反射面および第3リフレクタの寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第3リフレクタからの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、請求項9に記載の車両用灯具では、第4リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように右前側に大きく張り出して形成されていない。詳細には、請求項9に記載の車両用灯具では、第4リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43L(第4リフレクタ)の右前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43L(第4リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第4反射面が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面41L(第4反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面41L(第4反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面41L(第4反射面)の外縁から2次反射面43L(第4リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面41L(第4反射面)および2次反射面43L(第4リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、請求項9に記載の車両用灯具では、光源から第4反射面の外縁までの左右方向距離と第4反射面の外縁から第4リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように第4反射面および第4リフレクタの寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第4リフレクタからの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、請求項9に記載の車両用灯具では、第5リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように左前側に大きく張り出して形成されていない。詳細には、請求項9に記載の車両用灯具では、第5リフレクタが、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43R(第5リフレクタ)の左前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43R(第5リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第3反射面が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面41R(第3反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面41R(第3反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面41R(第3反射面)の外縁から2次反射面43R(第5リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面41R(第3反射面)および2次反射面43R(第5リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、請求項9に記載の車両用灯具では、光源から第3反射面の外縁までの左右方向距離と第3反射面の外縁から第5リフレクタの外縁までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように第3反射面および第5リフレクタの寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第5リフレクタからの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、請求項9に記載の車両用灯具では、上述したように、光源から後側に放射された光を前側に反射するために、第1リフレクタとは別個に第6リフレクタが設けられ、第6リフレクタからの反射光を通過させるための第5開口部が第1リフレクタに形成されているため、全体の光量が特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも低下してしまうのを回避することができる。
請求項10に記載の車両用灯具では、第1反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第1反射面の第2焦点が第1開口部の近傍に配置され、第1開口部から第2リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第1開口部および第2リフレクタが配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32R(第1開口部)から2次反射面33R(第2リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第2リフレクタから前側に反射される像をクリアにすることができる。
また、請求項10に記載の車両用灯具では、第2反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第2反射面の第2焦点が第2開口部の近傍に配置され、第2開口部から第3リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第2開口部および第3リフレクタが配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32L(第2開口部)から2次反射面33L(第3リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第3リフレクタから前側に反射される像をクリアにすることができる。
更に、請求項10に記載の車両用灯具では、第3反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第3反射面の第2焦点が第3開口部の近傍に配置され、第3開口部から第4リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第3開口部および第4リフレクタが配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42L(第3開口部)から2次反射面43L(第4リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第4リフレクタから前側に反射される像をクリアにすることができる。
更に、請求項10に記載の車両用灯具では、第4反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第4反射面の第2焦点が第4開口部の近傍に配置され、第4開口部から第5リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第4開口部および第5リフレクタが配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42R(第4開口部)から2次反射面43R(第5リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第5リフレクタから前側に反射される像をクリアにすることができる。
つまり、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、開口部32L,32R,42L,42Rから2次反射面33L,33R,43L,43Rの後端までの前後方向距離が例えば約12mmに設定されているため、2次反射面33L,33R,43L,43Rから前側に反射される像が大きく拡散せしめられてしまっている。
それに対し、請求項10に記載の車両用灯具では、第1反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第1反射面の第2焦点が第1開口部の近傍に配置され、第1開口部から第2リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第1開口部および第2リフレクタが配置されている。また、第2反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第2反射面の第2焦点が第2開口部の近傍に配置され、第2開口部から第3リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第2開口部および第3リフレクタが配置されている。更に、第3反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第3反射面の第2焦点が第3開口部の近傍に配置され、第3開口部から第4リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第3開口部および第4リフレクタが配置されている。また、第4反射面の第1焦点が光源またはその近傍に配置されると共に、第4反射面の第2焦点が第4開口部の近傍に配置され、第4開口部から第5リフレクタの後端までの前後方向距離が約25mmになるように第4開口部および第5リフレクタが配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32L,32R,42L,42Rから2次反射面33L,33R,43L,43Rの後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第2リフレクタから前側に反射される像をクリアにすることができる。
請求項11に記載の車両用灯具では、第1開口部と光源とが前後方向の同一レベルに配置されるか、あるいは、第1開口部が光源より後側に配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32R(第1開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面33R(第2リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第2リフレクタの前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
また、請求項11に記載の車両用灯具では、第2開口部と光源とが前後方向の同一レベルに配置されるか、あるいは、第2開口部が光源より後側に配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32L(第2開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面33L(第3リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第3リフレクタの前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
更に、請求項11に記載の車両用灯具では、第3開口部と光源とが前後方向の同一レベルに配置されるか、あるいは、第3開口部が光源より後側に配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42L(第3開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面43L(第4リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第4リフレクタの前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
また、請求項11に記載の車両用灯具では、第4開口部と光源とが前後方向の同一レベルに配置されるか、あるいは、第4開口部が光源より後側に配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42R(第4開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面43R(第5リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第5リフレクタの前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
まず最初に、この明細書において用いられる定義について説明する。図1は明細書における定義を説明するための図である。図1において、Aは車両用灯具の光源点を示している。詳細には、後で詳細に説明する本発明の車両用灯具においては、光源点Aが、光束を発生させるための光源としてのバルブの一部に設定されている。
この明細書においては、図1に示すように、光源点Aよりも前側かつ右側かつ上側を第1象限と称し、光源点Aよりも前側かつ左側かつ上側を第2象限と称し、光源点Aよりも前側かつ左側かつ下側を第3象限と称し、光源点Aよりも前側かつ右側かつ下側を第4象限と称する。また、光源点Aよりも後側かつ右側かつ上側を第5象限と称し、光源点Aよりも後側かつ左側かつ上側を第6象限と称し、光源点Aよりも後側かつ左側かつ下側を第7象限と称し、光源点Aよりも後側かつ右側かつ下側を第8象限と称する。
本発明の車両用灯具においては、図1中の前側(スクリーン側)と後側とを結ぶ軸線が、車両用灯具の主光軸として設定されている。また、本発明の車両用灯具においては、光源としてのバルブのベース部分またはソケットが、例えば光源点Aの後側に配置されている。
以下、本発明の車両用灯具の第1の実施形態について説明する。図2は第1の実施形態の車両用灯具の一部分を前側かつ右側かつ上側から見た斜視図、図3は第1の実施形態の車両用灯具の一部分を前側かつ左側かつ上側から見た斜視図である。図2および図3において、E1は光源点Aを含む光源の右上側に配置された第1反射面を示している。つまり、第1反射面E1は第1象限(図1参照)に配置されている。E2は光源点Aを含む光源の左上側に配置された第2反射面を示している。つまり、第2反射面E2は第2象限(図1参照)に配置されている。E3は光源点Aを含む光源の左下側に配置された第3反射面を示している。つまり、第3反射面E3は第3象限(図1参照)に配置されている。E4は光源点Aを含む光源の右下側に配置された第4反射面を示している。つまり、第4反射面E4は第4象限(図1参照)に配置されている。1は第1反射面E1と第2反射面E2と第3反射面E3と第4反射面E4とを有する第1リフレクタを示している。第1リフレクタ1は、光源点Aを含む光源から前側に放射された光を反射するために、光源点Aの前側(第1象限、第2象限、第3象限および第4象限内)に配置されている。
詳細には、第1反射面E1は、その長軸を中心に楕円弧を回転させることにより形成された楕円系反射面である。第1反射面E1の第1焦点は光源点Aまたはその近傍に配置されている。同様に、第2反射面E2は、その長軸を中心に楕円弧を回転させることにより形成された楕円系反射面である。第2反射面E2の第1焦点は光源点Aまたはその近傍に配置されている。また、第3反射面E3は、その長軸を中心に楕円弧を回転させることにより形成された楕円系反射面である。第3反射面E3の第1焦点は光源点Aまたはその近傍に配置されている。更に、第4反射面E4は、その長軸を中心に楕円弧を回転させることにより形成された楕円系反射面である。第4反射面E4の第1焦点は光源点Aまたはその近傍に配置されている。
また、図2および図3において、H1は第1反射面E1からの反射光を通過させるために第2反射面E2に形成された第1開口部を示している。つまり、第1開口部H1は第2象限(図1参照)に配置されている。H2は第2反射面E2からの反射光を通過させるために第1反射面E1に形成された第2開口部を示している。つまり、第2開口部H2は第1象限(図1参照)に配置されている。H3は第3反射面E3からの反射光を通過させるために第4反射面E4に形成された第3開口部を示している。つまり、第3開口部H3は第2象限(図1参照)に配置されている。H4は第4反射面E4からの反射光を通過させるために第3反射面E3に形成された第4開口部を示している。つまり、第4開口部H4は第3象限(図1参照)に配置されている。
第1の実施形態の車両用灯具では、楕円系反射面である第1反射面E1の第2焦点が、第1開口部H1の近傍に配置されている。また、楕円系反射面である第2反射面E2の第2焦点が、第2開口部H2の近傍に配置されている。更に、楕円系反射面である第3反射面E3の第2焦点が、第3開口部H3の近傍に配置されている。また、楕円系反射面である第4反射面E4の第2焦点が、第4開口部H4の近傍に配置されている。
更に、図2および図3において、2は第1開口部H1を通過せしめられた光を前側(スクリーン側)に反射するために第2反射面E2の後側かつ左側かつ上側に配置された第2リフレクタを示している。つまり、第2リフレクタ2は第6象限(図1参照)に配置されている。詳細には、第2リフレクタ2の反射面は、放物線を組合わせることによって形成された放物系反射面である。更に詳細には、放物系反射面である第2リフレクタ2の反射面の焦点は、第1反射面E1の第2焦点またはその近傍に配置されている。また、第2リフレクタ2からの反射光の照射方向は、例えば上述した主光軸の方向に一致せしめられている。
また、図2および図3において、3は第2開口部H2を通過せしめられた光を前側(スクリーン側)に反射するために第1反射面E1の後側かつ右側かつ上側に配置された第3リフレクタを示している。つまり、第3リフレクタ3は第5象限(図1参照)に配置されている。詳細には、第3リフレクタ3の反射面は、放物線を組合わせることによって形成された放物系反射面である。更に詳細には、放物系反射面である第3リフレクタ3の反射面の焦点は、第2反射面E2の第2焦点またはその近傍に配置されている。また、第3リフレクタ3からの反射光の照射方向は、例えば上述した主光軸の方向に一致せしめられている。
更に、図2および図3において、4は第3開口部H3を通過せしめられた光を前側(スクリーン側)に反射するために第4反射面E4の後側かつ右側かつ下側に配置された第4リフレクタを示している。つまり、第4リフレクタ4は第8象限(図1参照)に配置されている。詳細には、第4リフレクタ4の反射面は、放物線を組合わせることによって形成された放物系反射面である。更に詳細には、放物系反射面である第4リフレクタ4の反射面の焦点は、第3反射面E3の第2焦点またはその近傍に配置されている。また、第4リフレクタ4からの反射光の照射方向は、例えば上述した主光軸の方向に一致せしめられている。
また、図2および図3において、5は第4開口部H4を通過せしめられた光を前側(スクリーン側)に反射するために第3反射面E3の後側かつ左側かつ下側に配置された第5リフレクタを示している。つまり、第5リフレクタ5は第7象限(図1参照)に配置されている。詳細には、第5リフレクタ5の反射面は、放物線を組合わせることによって形成された放物系反射面である。更に詳細には、放物系反射面である第5リフレクタ5の反射面の焦点は、第4反射面E4の第2焦点またはその近傍に配置されている。また、第5リフレクタ5からの反射光の照射方向は、例えば上述した主光軸の方向に一致せしめられている。
更に、図2および図3において、HCは第1リフレクタ1に形成された第5開口部を示しており、HUは光源点Aを含む光源から上側に放射された光を通過させるために第1リフレクタ1に形成された開口部を示している。また、HDは光源点Aを含む光源から下側に放射された光を通過させるために第1リフレクタ1に形成された開口部を示している。更に、HRは光源点Aを含む光源から右側に放射された光を通過させるために第1リフレクタ1に形成された開口部を示しており、HLは光源点Aを含む光源から左側に放射された光を通過させるために第1リフレクタ1に形成された開口部を示している。
図4は第1の実施形態の車両用灯具の他の部分を前側かつ右側かつ上側から見た斜視図である。図4において、6は光源点Aを含む光源から後側に放射された光を反射するために、光源点Aの後側(第5象限、第6象限、第7象限および第8象限内)に配置された第6リフレクタを示している。第6リフレクタ6には、2つの楕円系反射面F20,F21が形成されている。
詳細には、第6リフレクタ6の上側半分を占める反射面F20は、水平面と反射面F20との交線が楕円弧となり、かつ、上述した主光軸に対して平行な垂直(鉛直)面と反射面F20との交線が楕円弧となるように形成されている。同様に、第6リフレクタ6の下側半分を占める反射面F21は、水平面と反射面F21との交線が楕円弧となり、かつ、上述した主光軸に対して平行な垂直(鉛直)面と反射面F21との交線が楕円弧となるように形成されている。
また、上述した第5開口部HCは、第6リフレクタ6の反射面F20,F21からの反射光を通過させるために第1リフレクタ1に形成されている。
更に、図4において、H1’は図2および図3に示した開口部H1と相補形状をなす開口部を示しており、H2’は図2および図3に示した開口部H2と相補形状をなす開口部を示しており、H3’は図2および図3に示した開口部H3と相補形状をなす開口部を示しており、H4’は図2および図3に示した開口部H4と相補形状をなす開口部を示している。また、HU’は図2および図3に示した開口部HUと相補形状をなす開口部を示しており、HD’は図2および図3に示した開口部HDと相補形状をなす開口部を示しており、HR’は図2および図3に示した開口部HRと相補形状をなす開口部を示しており、HL’は図2および図3に示した開口部HLと相補形状をなす開口部を示している。HBは光源としてのバルブを取り付けるためのバルブ取り付け穴を示している。LBは反射面F20と反射面F21との境界線を示している。第1の実施形態の車両用灯具では、境界線LBに段差が設けられていない。
第1の実施形態の車両用灯具では、図4に示す第6リフレクタの幅寸法(左右方向寸法)が例えば約60mmに設定され、高さ寸法(上下方向寸法)が例えば約80mmに設定されている。
図5および図6は図4に示した第6リフレクタ6の反射面F20,F21を構成する楕円弧の焦点を説明するための図である。第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示すように、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M01の第1焦点が、光源点A(図4参照)の近傍の点A1またはその近傍に配置されている。詳細には、点A1は、光源としてのバルブに含まれている点である。更に詳細には、点A1は光源の後側かつ下側の近傍に配置されている。つまり、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M01の第1焦点A1は光源上または光源の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M01の第2焦点は、光源点A(図4参照)よりも例えば250mm前側、かつ、光源点A(図4参照)よりも所定高さだけ上側の曲線Lh1上の点Q2またはその近傍に配置されている。尚、第1の実施形態の車両用灯具では、曲線Lh1は楕円弧M1と同じ高さに設定されている。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示すように、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第1焦点が、光源点A(図4参照)の近傍の点A1またはその近傍に配置されている。つまり、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第1焦点A1は光源上または光源の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第2焦点は、第5開口部HCの近傍の曲線LV上の点Q2’またはその近傍に配置されている。
第1の実施形態の車両用灯具では、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第2焦点が第5開口部HCの近傍の点Q2’またはその近傍に配置されているが、第2の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第2焦点を第5開口部HCの近傍の点Q2’よりも少し前側(スクリーン側)に配置することも可能である。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、図5および図6に示すように、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M01の第2焦点Q2が、第6リフレクタ6の反射面F20上の楕円弧M1の第2焦点Q2’よりも前側(スクリーン側)に配置されている。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示すように、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M02の第1焦点が、光源点A(図4参照)の近傍の点A2またはその近傍に配置されている。詳細には、点A2は、光源としてのバルブに含まれている点である。更に詳細には、点A2は光源の前側かつ下側の近傍に配置されている。つまり、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M02の第1焦点A2は光源上または光源の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M02の第2焦点は、光源点A(図4参照)よりも例えば250mm前側、かつ、光源点A(図4参照)よりも所定高さだけ下側の曲線Lh2上の点Q5またはその近傍に配置されている。尚、第1の実施形態の車両用灯具では、曲線Lh2は楕円弧M2と同じ高さに設定されている。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示すように、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第1焦点が、光源点A(図4参照)の近傍の点A2またはその近傍に配置されている。つまり、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第1焦点A2は光源上または光源の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第2焦点は、第5開口部HCの近傍の曲線LV上の点Q5’またはその近傍に配置されている。
第1の実施形態の車両用灯具では、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第2焦点が第5開口部HCの近傍の点Q5’またはその近傍に配置されているが、第2の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第2焦点を第5開口部HCの近傍の点Q5’よりも少し前側(スクリーン側)に配置することも可能である。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、図5および図6に示すように、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M02の第2焦点Q5が、第6リフレクタ6の反射面F21上の楕円弧M2の第2焦点Q5’よりも前側(スクリーン側)に配置されている。
すなわち、第1の実施形態の車両用灯具では、第6リフレクタ6の反射面F20,F21からの反射光が、図5に示すように上下方向にはあまり大きく拡散せしめられないのに対し、図6に示すように左右方向には大きく拡散せしめられる。詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、第6リフレクタ6の反射面F20,F21からの反射光が第5開口部HCへと進む進路の邪魔にならない程度にまで、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも第1リフレクタ1が大型化せしめられている。
第1の実施形態の車両用灯具では、図5および図6に示すように、点A1または点A2から曲線Lh1,Lh,Lh2上の点までの距離が、点A1または点A2から曲線LV上の点までの距離の数倍程度に設定されているが、第3の実施形態の車両用灯具では、点A1または点A2から曲線Lh1,Lh,Lh2上の点までの距離を、点A1または点A2から曲線LV上の点までの距離の数十倍〜数千倍程度に設定することも可能である。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示すように、点A1から放射された光のうち、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01上の点P2で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q2に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01上の点P2’で反射された光も、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q2に到達する。更に、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01上の点P2”で反射された光も、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q2に到達する。つまり、円筒状の光源の反射像が、光源から250mm前側に想定した円筒スクリーン上では上下方向に延びている。
同様に、第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示すように、点A2から放射された光のうち、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M02上の点P5で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q5に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M02上の点P5’で反射された光も、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q5に到達する。更に、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M02上の点P5”で反射された光も、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q5に到達する。つまり、円筒状の光源の反射像が、光源から250mm前側に想定した円筒スクリーン上では上下方向に延びている。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示すように、点A1から放射された光のうち、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M1上の点P1で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q1に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M1上の点P3で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q3に到達する。つまり、円筒状の光源の反射像が、光源から250mm前側に想定した円筒スクリーン上の曲線Lh1に沿って無数に連続的に形成されている。
同様に、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示すように、点A2から放射された光のうち、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M2上の点P4で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q4に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M2上の点P6で反射された光は、第5開口部HCを通過せしめられ、点Q6に到達する。つまり、円筒状の光源の反射像が、光源から250mm前側に想定した円筒スクリーン上の曲線Lh2に沿って無数に連続的に形成されている。
第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示すように、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01の第2焦点Q2が光源から250mm前側に配置され、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M02の第2焦点Q5が光源から250mm前側に配置されているが、第4の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01の第2焦点および反射面F21の楕円弧M02の第2焦点を光源から例えば10mまたは25m前側に配置し、反射面F20の楕円弧M01の第2焦点を反射面F21の楕円弧M02の第2焦点またはその近傍に配置することも可能である。
図7は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1の第1反射面E1および第2反射面E2、第2リフレクタ2、および第3リフレクタ3を水平面で切断した断面図である。図7において、E11は第1開口部H1の近傍に配置された第1反射面E1の第2焦点を示しており、E21は第2開口部H2の近傍に配置された第2反射面E2の第2焦点を示している。
図7に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源点Aから第2反射面E2の外縁までの左右方向距離W21と、第2反射面E2の外縁から第2リフレクタ2の外縁までの左右方向距離W22との比が、約0.8〜2になるように、第2反射面E2および第2リフレクタ2の寸法が設定されている。また、光源点Aから第1反射面E1の外縁までの左右方向距離W31と、第1反射面E1の外縁から第3リフレクタ3の外縁までの左右方向距離W32との比が、約0.8〜2になるように、第1反射面E1および第3リフレクタ3の寸法が設定されている。
更に、図7に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、第1開口部H1から第2リフレクタ2の後端までの前後方向距離D2が約25mmになるように、第1開口部H1および第2リフレクタ2が配置されている。また、第2開口部H2から第3リフレクタ3の後端までの前後方向距離D3が約25mmになるように、第2開口部H2および第3リフレクタ3が配置されている。
また、図7に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源点Aと第1開口部H1と第2開口部H2とが前後方向の同一レベルに配置されている。
図8は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1の第3反射面E3および第4反射面E4、第4リフレクタ4、および第5リフレクタ5を水平面で切断した断面図である。図8において、E31は第3開口部H3の近傍に配置された第3反射面E3の第2焦点を示しており、E41は第4開口部H4の近傍に配置された第4反射面E4の第2焦点を示している。
図8に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源点Aから第4反射面E4の外縁までの左右方向距離W41と、第4反射面E4の外縁から第4リフレクタ4の外縁までの左右方向距離W42との比が、約0.8〜2になるように、第4反射面E4および第4リフレクタ4の寸法が設定されている。また、光源点Aから第3反射面E3の外縁までの左右方向距離W51と、第3反射面E3の外縁から第5リフレクタ5の外縁までの左右方向距離W52との比が、約0.8〜2になるように、第3反射面E3および第5リフレクタ5の寸法が設定されている。
更に、図8に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、第3開口部H3から第4リフレクタ4の後端までの前後方向距離D4が約25mmになるように、第3開口部H3および第4リフレクタ4が配置されている。また、第4開口部H4から第5リフレクタ5の後端までの前後方向距離D5が約25mmになるように、第4開口部H4および第5リフレクタ5が配置されている。
また、図8に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源点Aと第3開口部H3と第4開口部H4とが前後方向の同一レベルに配置されている。
上述したように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源点Aと第1開口部H1と第2開口部H2と第3開口部H3と第4開口部H4とが前後方向の同一レベルに配置されているが、第5の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1開口部H1、第2開口部H2、第3開口部H3および第4開口部H4を光源点Aより後側に配置することも可能である。
図9は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第7リフレクタ7を前側かつ右側かつ上側から見た斜視図、図10は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第7リフレクタ7を前側かつ左側かつ上側から見た斜視図である。
図9および図10に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HU(図2参照)を通過せしめられた光源からの光を左右方向に拡散させて前側に反射するための第7リフレクタ7が第1リフレクタ1の上側に配置されている。
図9および図10において、F9は開口部HUの領域HUαを通過せしめられた光源からの光の一部を右前側に反射するための放物柱面系反射面を示しており、F10は開口部HUの領域HUβを通過せしめられた光源からの光の一部を左前側に反射するための放物柱面系反射面を示している。F13は反射面F9からの反射光のうちの大部分を前側に反射するための反射面を示しており、F14は反射面F10からの反射光のうちの大部分を前側に反射するための反射面を示している。F11は開口部HUの領域HUαを通過せしめられた光源からの光の残りを前側に反射するための反射面を示しており、F12は開口部HUの領域HUβを通過せしめられた光源からの光の残りを前側に反射するための反射面を示している。
開口部HUの領域HUαを通過せしめられた光源からの光が反射面F13に直接入射し、その光が反射面F13によって前側に反射されると、グレアー光になってしまうおそれがある点に鑑み、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HUの領域HUαを通過せしめられた光源からの光が反射面F13に直接入射できないように、開口部HUの領域HUαの大きさが設定されている。つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HUの領域HUαを通過せしめられた光源からの光のすべてが反射面F9,F11に入射するように、開口部HUの領域HUαの大きさが設定されている。
同様に、開口部HUの領域HUβを通過せしめられた光源からの光が反射面F14に直接入射し、その光が反射面F14によって前側に反射されると、グレアー光になってしまうおそれがある点に鑑み、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HUの領域HUβを通過せしめられた光源からの光が反射面F14に直接入射できないように、開口部HUの領域HUβの大きさが設定されている。つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HUの領域HUβを通過せしめられた光源からの光のすべてが反射面F10,F12に入射するように、開口部HUの領域HUβの大きさが設定されている。
図11は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第8リフレクタ8を前側かつ右側かつ上側から見た斜視図、図12は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第8リフレクタ8を前側かつ左側かつ上側から見た斜視図である。
図11および図12に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HD(図2参照)を通過せしめられた光源からの光を左右方向に拡散させて前側に反射するための第8リフレクタ8が第1リフレクタ1の下側に配置されている。
図11および図12において、F15は開口部HDの右側領域を通過せしめられた光源からの光の一部を右前側に反射するための放物柱面系反射面を示しており、F16は開口部HDの左側領域を通過せしめられた光源からの光の一部を左前側に反射するための放物柱面系反射面を示している。F19は反射面F15からの反射光のうちの大部分を前側に反射するための反射面を示しており、F22は反射面F16からの反射光のうちの大部分を前側に反射するための反射面を示している。F17は開口部HDの右側領域を通過せしめられた光源からの光の残りを前側に反射するための反射面を示しており、F18は開口部HDの左側領域を通過せしめられた光源からの光の残りを前側に反射するための反射面を示している。
開口部HDの右側領域を通過せしめられた光源からの光が反射面F19に直接入射し、その光が反射面F19によって前側に反射されると、グレアー光になってしまうおそれがある点に鑑み、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HDの右側領域を通過せしめられた光源からの光が反射面F19に直接入射できないように、開口部HDの右側領域の大きさが設定されている。つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HDの右側領域を通過せしめられた光源からの光のすべてが反射面F15,F17に入射するように、開口部HDの右側領域の大きさが設定されている。
同様に、開口部HDの左側領域を通過せしめられた光源からの光が反射面F22に直接入射し、その光が反射面F22によって前側に反射されると、グレアー光になってしまうおそれがある点に鑑み、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HDの左側領域を通過せしめられた光源からの光が反射面F22に直接入射できないように、開口部HDの左側領域の大きさが設定されている。つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HDの左側領域を通過せしめられた光源からの光のすべてが反射面F16,F18に入射するように、開口部HDの左側領域の大きさが設定されている。
図13は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第9リフレクタ9を前側かつ右側かつ上側から見た斜視図である。図13に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HRを通過せしめられた光源からの光を前側に反射するための第9リフレクタ9が、第1リフレクタ1の右側に配置されている。詳細には、第9リフレクタ9は、第1象限、第4象限、第5象限および第8象限(図1参照)にまたがって配置されている。
図14は第1の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1および第10リフレクタ10を前側かつ左側かつ上側から見た斜視図である。図14に示すように、第1の実施形態の車両用灯具では、開口部HLを通過せしめられた光源からの光を前側に反射するための第10リフレクタ10が、第1リフレクタ1の左側に配置されている。詳細には、第10リフレクタ10は、第2象限、第3象限、第6象限および第7象限(図1参照)にまたがって配置されている。
図5および図6に示したように、第1の実施形態の車両用灯具では、光源から後側に放射された光が、第6リフレクタ6による1回のみの反射を経て前側に照射される。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも照射効率を向上させることができる。つまり、第1の実施形態の車両用灯具によれば、光源から後側に放射された光を反射させて前側に照射する照射効率を、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、反射面F20の楕円弧M1の第1焦点A1が光源またはその近傍に配置されると共に、反射面F20の楕円弧M1の第2焦点Q2’が第5開口部HCの近傍に配置され、図5に示したように、反射面F20の楕円弧M01の第1焦点A1が光源またはその近傍に配置されると共に、反射面F20の楕円弧M01の第2焦点Q2が、反射面F20の楕円弧M1の第2焦点Q2’(図6参照)より前側に配置されている。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、反射面F20の楕円弧M1の第2焦点Q2’が、反射面F20の楕円弧M01の第2焦点Q2よりも第6リフレクタ6の近くに配置されている。それにより、第6リフレクタ6の反射面F20からの反射光の左右方向の拡散度合いが、上下方向の拡散度合いよりも大きくされている。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、反射面F21の楕円弧M2の第1焦点A2が光源またはその近傍に配置されると共に、反射面F21の楕円弧M2の第2焦点Q5’が第5開口部HCの近傍に配置され、図5に示したように、反射面F21の楕円弧M02の第1焦点A2が光源またはその近傍に配置されると共に、反射面F21の楕円弧M02の第2焦点Q5が、反射面F21の楕円弧M2の第2焦点Q5’(図6参照)より前側に配置されている。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、反射面F21の楕円弧M2の第2焦点Q5’が、反射面F21の楕円弧M02の第2焦点Q5よりも第6リフレクタ6の近くに配置されている。それにより、第6リフレクタ6の反射面F21からの反射光の左右方向の拡散度合いが、上下方向の拡散度合いよりも大きくされている。
すなわち、第1の実施形態の車両用灯具によれば、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも照射効率を向上させつつ、光源から後側に放射された光を左右方向に大きく拡散させて前側に反射することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第2リフレクタ2が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33R(第2リフレクタ)の左前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33R(第2リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第2反射面E2が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面31R(第2反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面31R(第2反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面31R(第2反射面)の外縁から2次反射面33R(第2リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面31R(第2反射面)および2次反射面33R(第2リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、光源から第2反射面E2の外縁までの左右方向距離W21と第2反射面E2の外縁から第2リフレクタ2の外縁までの左右方向距離W22との比が約0.8〜2になるように第2反射面E2および第2リフレクタ2の寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第2リフレクタ2からの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第3リフレクタ3が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33L(第3リフレクタ)の右前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面33L(第3リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第1反射面E1が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面31L(第1反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面31L(第1反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面31L(第1反射面)の外縁から2次反射面33L(第3リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面31L(第1反射面)および2次反射面33L(第3リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、光源から第1反射面E1の外縁までの左右方向距離W31と第1反射面E1の外縁から第3リフレクタ3の外縁までの左右方向距離W32との比が約0.8〜2になるように第1反射面E1および第3リフレクタ3の寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第3リフレクタ3からの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第4リフレクタ4が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43L(第4リフレクタ)の右前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43L(第4リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第4反射面E4が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面41L(第4反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面41L(第4反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面41L(第4反射面)の外縁から2次反射面43L(第4リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面41L(第4反射面)および2次反射面43L(第4リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、光源から第4反射面E4の外縁までの左右方向距離W41と第4反射面E4の外縁から第4リフレクタ4の外縁までの左右方向距離W42との比が約0.8〜2になるように第4反射面E4および第4リフレクタ4の寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第4リフレクタ4からの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第5リフレクタ5が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43R(第5リフレクタ)の左前側に大きく張り出した部分の分だけ、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の2次反射面43R(第5リフレクタ)よりも小さく形成され、その代わりに、第3反射面E3が、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具の1次反射面41R(第3反射面)よりも大きく形成されている。
更に詳細には、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具では、光源から1次反射面41R(第3反射面)の外縁までの左右方向距離と1次反射面41R(第3反射面)の外縁から2次反射面43R(第5リフレクタ)の外縁までの左右方向距離との比が約0.5になるように1次反射面41R(第3反射面)および2次反射面43R(第5リフレクタ)の寸法が設定されているのに対し、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、光源から第3反射面E3の外縁までの左右方向距離W51と第3反射面E3の外縁から第5リフレクタ5の外縁W52までの左右方向距離との比が約0.8〜2になるように第3反射面E3および第5リフレクタ5の寸法が設定されている。その結果、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。更に、第5リフレクタ5からの反射光に密度の低い部分が生じてしまうのを抑制することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図5および図6に示したように、光源から後側に放射された光を前側に反射するために、第1リフレクタ1とは別個に第6リフレクタ6が設けられ、第6リフレクタ6からの反射光を通過させるための第5開口部HCが第1リフレクタ1に形成されているため、全体の光量が特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具よりも低下してしまうのを回避することができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第1反射面E1の第1焦点Aが光源またはその近傍に配置されると共に、第1反射面E1の第2焦点E11が第1開口部H1の近傍に配置され、第1開口部H1から第2リフレクタ2の後端までの前後方向距離D2が約25mmになるように第1開口部H1および第2リフレクタ2が配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32R(第1開口部)から2次反射面33R(第2リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第2リフレクタ2から前側に反射される像をクリアにすることができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第2反射面E2の第1焦点Aが光源またはその近傍に配置されると共に、第2反射面E2の第2焦点E21が第2開口部H2の近傍に配置され、第2開口部H2から第3リフレクタ3の後端までの前後方向距離D3が約25mmになるように第2開口部H2および第3リフレクタ3が配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32L(第2開口部)から2次反射面33L(第3リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第3リフレクタ3から前側に反射される像をクリアにすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第3反射面E3の第1焦点Aが光源またはその近傍に配置されると共に、第3反射面E3の第2焦点E31が第3開口部H3の近傍に配置され、第3開口部H3から第4リフレクタ4の後端までの前後方向距離D4が約25mmになるように第3開口部H3および第4リフレクタ4が配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42L(第3開口部)から2次反射面43L(第4リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第4リフレクタ4から前側に反射される像をクリアにすることができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第4反射面E4の第1焦点Aが光源またはその近傍に配置されると共に、第4反射面E4の第2焦点E41が第4開口部H4の近傍に配置され、第4開口部H4から第5リフレクタ5の後端までの前後方向距離D5が約25mmになるように第4開口部H4および第5リフレクタ5が配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42R(第4開口部)から2次反射面43R(第5リフレクタ)の後端までの前後方向距離が約12mmに設定されている場合よりも、第5リフレクタ5から前側に反射される像をクリアにすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第1開口部H1と光源とが前後方向の同一レベルに配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32R(第1開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面33R(第2リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第2リフレクタ2の前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図7に示したように、第2開口部H2と光源とが前後方向の同一レベルに配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部32L(第2開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面33L(第3リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第3リフレクタ3の前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第3開口部H3と光源とが前後方向の同一レベルに配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42L(第3開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面43L(第4リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第4リフレクタ4の前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図8に示したように、第4開口部H4と光源とが前後方向の同一レベルに配置されている。そのため、特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具のように開口部42R(第4開口部)が光源より前側に配置され、それに伴って、2次反射面43R(第5リフレクタ)が前側に大きく張り出して形成されている場合よりも、第5リフレクタ5の前側への張り出し量を小さくすることができる。それにより、車両用灯具の奥行き寸法、つまり、前後方向寸法を小型化することができる。
以下、本発明の車両用灯具の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第6の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図15は第6の実施形態の車両用灯具の一部の断面等を示した図である。詳細には、図15(A)は第6の実施形態の車両用灯具の第1リフレクタ1、第6リフレクタ6等の断面図、図15(B)は従来のプロジェクタータイプの車両用灯具の断面図である。
上述したように、第1の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の第5開口部HCにレンズが配置されていないが、図15(A)に示すように、第6の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の第5開口部HCに2つの凹レンズ11,12が配置されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図5に示したように、第6リフレクタ6の反射面F20の楕円弧M01上の点P2,P2’,P2”で反射せしめられた光が、光源から250mm前側の1つの点Q2に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F21の楕円弧M02上の点P5,P5’,P5”で反射せしめられた光が、点Q2とは異なる1つの点Q5に到達する。
一方、第6の実施形態の車両用灯具では、第6リフレクタ6の反射面F20(図5参照)の楕円弧M01上の点P2,P2’,P2”で反射せしめられた光が、凹レンズ11(図15(A)参照)によって屈折せしめられ、光源から例えば10mあるいは25m前側の1つの点に到達する。また、第6リフレクタ6の反射面F21(図5参照)の楕円弧M02上の点P5,P5’,P5”で反射せしめられた光が、凹レンズ12(図15(A)参照)によって屈折せしめられ、上述した1つの点に到達する。
つまり、第1リフレクタ1の第5開口部HCに凹レンズが設けられていない第1の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の2つの反射面F20,F21の楕円弧M01,M02上の無数の点からの反射光が、光源から250mm前側に2つの像を形成することになる(図5参照)。一方、第1リフレクタ1の第5開口部HCに凹レンズ11,12(図15(A)参照)が設けられている第6の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の2つの反射面F20,F21(図5参照)の楕円弧M01,M02上の無数の点からの反射光によって、光源から例えば10mあるいは25m前側に、重なり合い溶け合った1つの像が形成されることになる。
また、図15(A)に示すように、第1および第6の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の前端から第6リフレクタ6の後端までの前後方向寸法、つまり、奥行き寸法が約75mmになる。
一方、図15(B)に示すように、従来のプロジェクタータイプの車両用灯具では、凸レンズの肉厚(奥行き寸法)が約25〜30mmになり、バックフォーカスBFが約40〜45mmになり、シールド板からリフレクタの後端までの奥行き寸法が約80mmになる。つまり、凸レンズの前端からリフレクタの後端までの奥行き寸法が約145mmになる。
つまり、図15に示すように、第1および第6の実施形態の車両用灯具によれば、従来のプロジェクタータイプの車両用灯具の凸レンズのような分厚くて重い凸レンズおよびシールド板(遮光板)を排除することができ、それにより、第1および第6の実施形態の車両用灯具の奥行き寸法を従来のプロジェクタータイプの車両用灯具の奥行き寸法の約半分にすることができる。
尚、凹レンズ11,12(図15(A)参照)が設けられていない第1の実施形態の車両用灯具と、凹レンズ11,12が設けられている第6の実施形態の車両用灯具とを比較した場合、凹レンズ11,12における光量損失がない分だけ、第1の実施形態の車両用灯具の光量損失が、第6の実施形態の車両用灯具の光量損失より少なくなる。また、凹レンズ11,12が設けられていない第1の実施形態の車両用灯具では、光源からの熱を、第5開口部HCを介して発散させることができる。
第6の実施形態の車両用灯具では、凹レンズ11,12(図15(A)参照)にシボ加工が施されていないが、第7の実施形態の車両用灯具では、凹レンズ11,12にシボ加工を追加することも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第8の実施形態について説明する。第8の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第8の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図16は第8の実施形態の車両用灯具の断面図である。詳細には、図16は光源点Aを通る水平面によって第8の実施形態の車両用灯具を切断した断面図である。第1の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1(図7および図8参照)の前側にインナーレンズが配置されていないが、図16に示すように、第8の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の前側(外側)にインナーレンズ13が配置されている。インナーレンズ13は、透明な材料によって形成されている。また、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)には、レンズカットが形成されている。更に、インナーレンズ13の外側表面(前側表面)には、装飾文字および/または装飾図形が配置されている。
また、第8の実施形態の車両用灯具では、第5開口部HCを通過せしめられた光源からの光が、光導入部14aを介してインナーレンズ13の内部に導入される。また、開口部HL,HRを通過せしめられた光源からの光が、光導入部14bを介してインナーレンズ13の内部に導入される。その結果、光導入部14a,14b以外の部分14cの外側表面(前側表面)に配置された装飾文字および/または装飾図形が照らし出される。
第8の実施形態の車両用灯具では、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)にレンズカットが形成されているが、第9の実施形態の車両用灯具では、代わりに、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)にアルミニウム蒸着処理を行うことも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第10の実施形態について説明する。第10の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第10の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図17は第10の実施形態の車両用灯具を示した図である。詳細には、図17(A)は光源点Aを通る水平面によって第10の実施形態の車両用灯具を切断した断面図、図17(B)は第10の実施形態の車両用灯具の正面図である。図17において、図1〜図16に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図16に示した部品または部分と同一の部品または部分を示している。図17に示すように、第10の実施形態の車両用灯具では、第1の実施形態の車両用灯具の第5開口部HC(図7参照)より大きい第5開口部HC’が第1リフレクタ1’に形成されている。また、第5開口部HC’の前側にアウターレンズ15が配置されている。更に、第1リフレクタ1’の外側表面(前側表面)に塗装または蒸着が施され、その上に例えばエンブレムのような装飾文字および/または装飾図形が配置されている。
詳細には、図17に示すように、第10の実施形態の車両用灯具では、HID(hi−intensity discharge lamp)の代わりに、発生する熱量が約2倍のハロゲン電球が、光源として用いられている。そのため、光源からの熱を発散させるために、第5開口部HC’が、第1の実施形態の車両用灯具の第5開口部HCより大きくされている。また、光源からの熱を発散させるために、第5開口部HC’にレンズが配置されていない。
また、第10の実施形態の車両用灯具では、グレアー光を防止するために、ハロゲン電球の前端にブラックトップという黒い塗装が施されている。そのため、ブラックトップを隔てて光源点Aの反対側には、反射面を形成する必要がない。それゆえ、ブラックトップを隔てて光源点Aの反対側には、第5開口部HC’が形成されている。
更に、第10の実施形態の車両用灯具では、アウターレンズ15の内側(後側)にレンズカットが形成されている。
第10の実施形態の車両用灯具では、上述したように、ブラックトップ付きのハロゲン電球が光源として用いられているが、第11の実施形態の車両用灯具では、代わりに、遮光用のストライプ付きのHID、あるいは、シールドを内蔵した電球を光源として使用可能である。
第10の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1’が不透明な材料によって形成されているが、第12の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタを透明な材料によって形成し、第1リフレクタの内側表面(後側表面)の第1反射面E1、第2反射面E2、第3反射面E3および第4反射面E4(図2参照)を例えばアルミニウム蒸着によって形成し、第1リフレクタの外側表面(前側表面)に例えばエンブレムのような装飾文字および/または装飾図形を配置することも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第13の実施形態について説明する。第13の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第8の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第13の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第8の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図18は第13の実施形態の車両用灯具を示した図である。詳細には、図18(A)は光源点Aを通る水平面によって第13の実施形態の車両用灯具を切断した断面図、図18(B)は第13の実施形態の車両用灯具の正面図である。
図18に示すように、第13の実施形態の車両用灯具では、インナーレンズ13の外側表面(前側表面)にエンブレムが配置されている。詳細には、第13の実施形態の車両用灯具では、第5開口部HCを通過せしめられた光源からの光が、光導入部14aを介してインナーレンズ13の内部に導入される。また、開口部HL,HRを通過せしめられた光源からの光が、光導入部14bを介してインナーレンズ13の内部に導入される。その結果、光導入部14a,14b以外の部分14cの外側表面(前側表面)に配置されたエンブレムが照らし出される。また、光源が点灯せしめられない昼間には、インナーレンズ13の外側表面(前側表面)のエンブレムが太陽光によって照らし出される。
第13の実施形態の車両用灯具では、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)にレンズカットが形成されているが、第14の実施形態の車両用灯具では、代わりに、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)に複数の凹レンズまたは凸レンズを細かいピッチで配列し、それにより、グレアー光を防止することも可能である。また、第15の実施形態の車両用灯具では、代わりに、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)のうち、第5開口部HCの通過光が到達できない部分14cにアルミニウム蒸着処理を行うことも可能である。あるいは、第16の実施形態の車両用灯具では、代わりに、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)のうち、第5開口部HCの通過光が到達できない部分14cに凹凸のレンズカットを形成することも可能である。また、第17の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタ1の外側表面(前側表面)に装飾文字および/または装飾図形を配置すると共に、インナーレンズ13の内側表面(後側表面)および外側表面(前側表面)のうち、第5開口部HCの通過光が到達できない部分14cを素通しレンズとして形成することも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第18の実施形態について説明する。第18の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第18の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図19は第18の実施形態の車両用灯具の第6リフレクタ6’の反射面F20a,F20b,F21a,F21bを構成する楕円弧の焦点を説明するための図である。第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、第1リフレクタ1に1つの第5開口部HCが形成されているが、第18の実施形態の車両用灯具では、代わりに、図19に示すように、第1リフレクタ1”に2つの第5開口部HC1,HC2が形成されている。また、第1の実施形態の車両用灯具では、図6に示したように、第6リフレクタ6に2つの反射面F20,F21が形成されているが、第18の実施形態の車両用灯具では、代わりに、図19に示すように、第6リフレクタ6’に4つの反射面F20a,F20b,F21a,F21bが形成されている。
詳細には、第18の実施形態の車両用灯具では、図19に示すように、第6リフレクタ6’の反射面F20a上の楕円弧M1aの第1焦点A1が光源またはその近傍に配置され、第6リフレクタ6’の反射面F20a上の楕円弧M1aの第2焦点f1が第5開口部HC1の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6’の反射面F20b上の楕円弧M1bの第1焦点A1が光源またはその近傍に配置され、第6リフレクタ6’の反射面F20b上の楕円弧M1bの第2焦点f2が第5開口部HC2の近傍に配置されている。
更に、第6リフレクタ6’の反射面F21a上の楕円弧M2aの第1焦点A2が光源またはその近傍に配置され、第6リフレクタ6’の反射面F21a上の楕円弧M2aの第2焦点f3が第5開口部HC1の近傍に配置されている。また、第6リフレクタ6’の反射面F21b上の楕円弧M2bの第1焦点A2が光源またはその近傍に配置され、第6リフレクタ6’の反射面F21b上の楕円弧M2bの第2焦点f4が第5開口部HC2の近傍に配置されている。
第18の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1”の第5開口部HC1,HC2が前側から「II」形状に見えるが、第19の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタの第5開口部が前側から「H」形状に見えるように第5開口部を形成することも可能である。あるいは、第20の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタの第5開口部が前側から「A」形状に見えるように第5開口部を形成することも可能である。あるいは、第21の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタの第5開口部が前側から「Y」形状に見えるように第5開口部を形成することも可能である。あるいは、第22の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタの第5開口部が前側から「T」形状に見えるように第5開口部を形成することも可能である。すなわち、第6リフレクタ6の焦点と第5開口部との相互の位置関係が定まっていれば、第5開口部の形状はいかなるものであってもよい。
以下、本発明の車両用灯具の第23の実施形態について説明する。第23の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具と同様に構成されている。従って、第23の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図20は第23の実施形態の車両用灯具を部分的に切り欠いた斜視図である。図20において、図1〜図19に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図19に示した部品または部分と同一の部品または部分を示している。図20に示すように、第23の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の第5開口部HCの前側にアウターレンズ15’が配置され、アウターレンズ15’の一部に凹レンズ15aが設けられている。つまり、第23の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の2つの凹レンズの前側に、アウターレンズ15’の一部として凹レンズ15aが配置されている。
詳細には、第23の実施形態の車両用灯具では、幅寸法(左右方向寸法)が約30mmであって高さ寸法(上下方向寸法)が約80mmの領域に、12個の凹レンズ15aが、高さ方向(上下方向)2列かつ幅方向(左右方向)6列に配列されている。各凹レンズ15aのピッチ(幅寸法)は約4mmに設定され、その深さ(奥行き寸法、前後方向寸法)が約0.5〜1mmに設定され、その表面の曲率半径が約50〜100mmに設定されている。
第23の実施形態の車両用灯具では、第1リフレクタ1の第5開口部HCにレンズが配置されていないが、第24の実施形態の車両用灯具では、代わりに、第1リフレクタ1の第5開口部HCに2つの凹レンズを配置し、第1リフレクタ1の第5開口部HCの2つの凹レンズの前側にアウターレンズ15’を配置し、アウターレンズ15’の一部に凹レンズ15aを設けることも可能である。
本発明の第25の実施形態では、上述した第1から第24の実施形態を適宜組合わせることも可能である。
第1から第25の実施形態の車両用灯具では、上述したように、光源から後側に放射された光が、第6リフレクタ6による1回のみの反射を経て前側に照射される。そのため、光源から後側に放射された光が2回の反射を経て前側に照射される特開2004−186031号公報に記載された車両用灯具に比べ、約1.2倍程度に照射効率を向上させることができる。
また、第1から第25の実施形態の車両用灯具では、図15に示したように、その奥行き寸法を従来のプロジェクタータイプの車両用灯具の奥行き寸法の約半分にすることができる。そのため、従来のプロジェクタータイプの車両用灯具によって占められていたスペースの一部を、例えば車両のタイヤスペースとして活用することができる。
更に、第1から第25の実施形態の車両用灯具では、従来のプロジェクタータイプの車両用灯具で用いられていた分厚く重い凸レンズが不要となるため、従来のプロジェクタータイプの車両用灯具よりも軽量化を図ることができる。また、凸レンズの分だけ従来のプロジェクタータイプの車両用灯具よりもコストを低減することができる。
また、第1から第25の実施形態の車両用灯具では、装飾文字および/または装飾図形を配置するためのスペースとして、第1リフレクタ1の外側表面(前側表面)あるいはインナーレンズ13の外側表面(前側表面)を活用することができ、それにより、車両用灯具のデザイン性を向上させることができる。
本発明の車両用灯具は、一般用照明にも適用可能である。図21は本発明の車両用灯具を一般用照明に適用した例を示した図である。図21において、図1〜図20に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図20に示した部品または部分と同一の部品または部分を示しており、2’は特殊2軸楕円により構成された第2リフレクタを示しており、3’は特殊2軸楕円により構成された第3リフレクタを示しており、4’は特殊2軸楕円により構成された第4リフレクタを示しており、5’は特殊2軸楕円により構成された第5リフレクタを示している。第5開口部HC1,HC2からの照射光、第2リフレクタ2’からの反射光、第3リフレクタ3’からの反射光、第4リフレクタ4’からの反射光および第5リフレクタ5’からの反射光により、看板の文字を浮き上がらせることができる。