JP2006321181A - 射出成形機の型締装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造簡易にして低コストの型厚調整機構を設けた射出成形機の型締装置を提供すること。
【解決手段】 固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置である。固定プラテン側にて水平方向に配置されている複数のタイバー同士を連結するビームを上下にそれぞれ配置しておく。この連結ビームを固定プラテンに接離させるアジャストシリンダ機構を設け、前記プラテンと連結ビームとの間にウェッジ機構を設ける。ウェッジをサーボモータにて出入操作可能にして型厚調整を可能とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置である。固定プラテン側にて水平方向に配置されている複数のタイバー同士を連結するビームを上下にそれぞれ配置しておく。この連結ビームを固定プラテンに接離させるアジャストシリンダ機構を設け、前記プラテンと連結ビームとの間にウェッジ機構を設ける。ウェッジをサーボモータにて出入操作可能にして型厚調整を可能とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、プラスチックやアルミの製品を成形する射出成形機の型締装置に関し、特に、金型交換に伴う型厚調整機能を持たせた型締装置に関する。
射出成形機は、一対の固定金型と可動金型をそれぞれ固定プラテン、可動プラテンに取り付け、固定プラテンに対して4本のタイバーを移動ガイドとして可動プラテンを接離移動させることで型合せを行い、タイバーを介して型締力を発生させるようにしている。最近の射出成形機は、型合せに高速で長ストロークの型開閉シリンダ機構を用い、型締には低速で短ストロークの型締シリンダ機構を用いる複合式の型締装置が用いられている。この種の型締装置では、固定プラテンと可動プラテンとを連結している4本のタイバーの一端を固定プラテン又は可動プラテンに固定し、他端側に設けたリング溝(または凸部)をハーフナットに設けたリング溝(凹部)で噛み合せ固定保持し、その後にタイバーにて反力支持された状態で型締シリンダ機構を作動させて大きな型締力を得る方式が採られる。そして、射出側から溶融状態のアルミやプラスチックを金型に射出注入し、冷却固化後、金型を開いて成形品を取り出すようにしている。
このような型締装置では、従前のトグル式型締装置に比べ、機械長が短くなり、省スペース化が可能であるので、一般に多く利用されている。
このような型締装置では、従前のトグル式型締装置に比べ、機械長が短くなり、省スペース化が可能であるので、一般に多く利用されている。
ところで、成形対象が変更になれば金型を換える必要があり、金型の型厚寸法は一律ではないので、従来の型締装置には、任意の厚さの金型に対応するため、金型が閉じた状態でハーフナットに設けたリング溝(凹部)とタイバーに設けたリング溝(凸部)の噛み合い位置を調整する装置が備えられている。
従来の噛み合い位置調整機構を備えた型締装置には、特許文献1に示されているように、4本のタイバー毎に合計4セット設け、噛み合い調整のためタイバーを移動させる型厚調整装置や、特許文献2のように、タイバーの移動位置を正確に制御するため、タイバー位置センサ、タイバー駆動用の油圧シリンダ、並びに制御装置からなる型厚調整装置を4セット設けたものが提案されている。
実公平7−36732号公報
特開平8−276482号公報
ところが、上記従来の射出成形機の型締装置では、各タイバーに型厚調整装置を設けた構成となっているためにコスト高になってしまう。また、後者の型締装置における型厚調整装置では、作動油流量の微調整ができる油圧ユニットや、スケールや位置センサなどの移動位置検出機構が必要であり、さらにこれらを制御するための制御装置を設ける必要があり、装置が煩雑になる欠点があった。
本発明は、上記従来の問題点に着目し、構造簡易にして低コストの型厚調整機構を設けた射出成形機の型締装置を提供することを目的としている。第2には、タイバーの位置センサなどを必要とせずに簡易に型厚位置制御ができるようにした射出成形機の型締装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る射出成形機の型締装置は、固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置であって、複数のタイバー同士を連結するビームと、この連結ビームをプラテンに接離させるアジャストシリンダ機構とを設けると共に、前記プラテンと連結ビームとの間に出入可能な型厚調整機構を設けた構成とした。
この場合、前記型厚調整機構をウェッジ機構によって構成すればよく、また、前記型厚調整機構は回転位置検出機能付きのサーボモータによってプラテンと連結ビームとの間に出入されて型厚調整可能とした構成とすればよい。さらに、前記連結ビームは水平方向に位置する複数のタイバーを連結した構成とすることが望ましい。加えて、前記型厚調整機構、アジャストシリンダ機構及び連結ビームは固定プラテンに装備しておけばよい。
本発明に係る射出成形装置は、具体的には、固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置であって、前記固定プラテン側にて水平方向に配置されている複数のタイバー同士を連結するビームを上下にそれぞれ配置し、この連結ビームを固定プラテンに接離させるアジャストシリンダ機構とを設け、前記プラテンと連結ビームとの間にウェッジ機構を設けるとともに、ウェッジをサーボモータにて出入操作可能にして型厚調整を可能ならしめたことを特徴としている。
上記構成によれば、タイバー同士を連結ビームで繋いでおき、この連結ビームをプラテンに対して移動させることにより型厚調整を行うので、2セットの型厚調整装置でタイバー位置を調整できる。部品点数が少なくなり、構造が簡単でコストが安くなる。型厚調整にウェッジ機構を採用しているため、その出入寸法による型厚調整寸法の関係から簡単に調整寸法の割り出しと調整操作ができる。タイバー位置センサが不要となるので、複雑な制御手段を用いることなく型厚調整ができるようになっている。また、ウェッジ機構の作動をサーボモータによって行う構成を採用することにより、より簡単に型厚調整制御を行うことができる。
以下に、本発明に係る射出成形機の型締装置についての具体的実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。
図1、2は実施形態に係る型締装置の全体構成概略図であり、図1は正面断面図を、図2は固定プラテン側の側面図を示している。図示のように、この型締装置10は、ベース12上に固定配置された固定プラテン14と、当該固定プラテン14に対面配置されてこれに接近離反移動できるように配置された可動プラテン16とを装備している。これらプラテン14、16の対面部分には各々固定金型18と可動金型20が取り付けられている。可動金型20と固定金型18の型合せのために固定プラテン14と可動プラテン16の間に型開閉シリンダ機構23が設けられており、これは後述する型締シリンダ機構に比較して小径断面で長ストローク構造とされて高速移動を可能ならしめている。
固定プラテン14と可動プラテン16との間には4本のタイバー22が金型18,20を取り囲む領域の四隅部分に位置して渡し掛けられている。このタイバー22は、固定プラテン14側の端部を固定端(現実には、後述するように、固定プラテン14内に設けられた型締シリンダ機構のピストンに固着または係止、あるいは螺着されて可動となっている。)として可動プラテン16側に延び、可動プラテン16を貫通している。タイバー22における可動プラテン16への貫通側には、複数のリング溝24が定ピッチで刻まれている。このリング溝部分に対応して、可動プラテン16の外面部にはハーフナット機構26が設けられ、金型18、20の型合せが行われた位置でハーフナットをリング溝24に噛み合せ、これによって両者を結合し、型締時の反力を支持するようにしている。一方、固定プラテン14側に位置するタイバー22の端部には型締シリンダ機構28が構成されている。この型締シリンダ機構28は、タイバー22の端部に固定した型締ピストン30と、固定プラテン14の背面部(金型取付面と反対側)に形成され前記ピストン30を貫入させたシリンダ32とを有し、型合せの後、両者の間に形成した油圧室34に作動油を供給することにより、タイバー22を介して可動プラテン16を固定プラテン14側に牽引し、型締力を発生させるようにしている。
このような基本構成において、本実施形態に係る型締装置では、複数のタイバー22同士を連結ビーム36によって連結し、この連結ビーム36を固定プラテン14に接離させるアジャストシリンダ機構50とを設けると共に、前記固定プラテン14と連結ビーム36との間に出入可能な型厚調整機構38を設け、型換え時のタイバー22とハーフナット機構26の噛み合せ位置が適正になるように調整できるようにしたものである。図2から理解できるように、固定プラテン14の背面側において、4本のタイバー22と結合されている型締ピストン30の端面が臨んでいる。この水平方向に並んでいる2個のタイバー22同士を連結ビーム36で連結し、この連結ビーム36の動作に追随して連結されている2個のタイバー22を移動できるようにしている。同様に、下側の2個のタイバー22同士も連結ビーム36により結合されて、同様な動作を行い得るようにしている。図3に示されているように、連結ビーム36は鉄鋼板を組合せてビーム状にしたもので、全体的には矩形中空断面状になっており、両端部にて各タイバー22と一体になっている型締ピストン30にボルト結合されている。
このように水平状態に配置されている連結ビーム36と固定プラテン14の間には型厚調整機構38が中央部分に設けられている。これは図4〜6に示されているように、ウェッジ機構によって構成されており、固定プラテン14の背面に沿って上下動作するウェッジ40と、このウェッジ40に当接する連結ビーム36の内側に固設した受けブロック42とを有している。前記ウェッジ40にはスクリュシャフト44が螺合されて上下に貫通しており、当該スクリュシャフト44の回転によりウェッジ40を上下させ、図5、6に示しているように、固定プラテン14に対する連結ビーム36の離反距離(L1〜L2)を調整できるようにしている。スクリュシャフト44の一端(図中、下端)は軸受48により回転自在に支持されると共に、他端側には固定プラテン14に取り付けた回転位置検出機能付きのサーボモータ46が連結され、ウェッジ40の高さをモータ回転量で調整できるようにしている。
また、上述の型厚調整機構38を挟んで両側には、連結ビーム36を固定プラテン14に接離させるアジャストシリンダ機構50が設けられている。これはシリンダ本体を連結ビーム36に固定し、伸縮ロッド54の端部を固定プラテン14に連結したものである。アジャストシリンダ機構50は、型厚調整機構38を作動させるときには連結ビーム36を後退させておき、ウェッジ40が交換金型の型厚に適合する高さ位置に達したときに、受けブロック42がウェッジ40に当たるまで、連結ビーム36を固定プラテン14に近接移動させる。
このような実施形態に係る射出成形機の型締装置では、金型18、20が閉じた状態で可動プラテン16の位置を図示しない型厚検出センサーにより自動検出し、タイバー22のリング溝24とハーフナット26との噛み込みのずれ量、即ち型厚調整代を計算する。これにより、ウェッジ40の高さが決まり、ウェッジ40を作動する。サーボモータ46の動作(ウェッジ高さ調整)時は、アジャストシリンダ機構50でタイバー22と型締ピストン30と連結した連結ビーム36を射出側に後退させて、ウェッジ部に隙間を持たせウェッジ40の高さを調整可能とする。
連結ビーム36に設けられたアジャストシリンダ機構50によりアジャスト動作させ、連結ビーム36の受けブロック42がウェッジ40と当接することにより、タイバー22の位置を決める。そしてハーフナット機構26を閉じてリング溝28に噛み込ませる。
なお、上記実施形態では、水平方向に並んでいる2個のタイバー同士を連結ビーム36で連結し、上下2個のサーボモータ46と各ウェッジ機構38を駆動したが、ベルトやチェーンで上下2つのウェッジ機構からなる型厚調整機構38を連結することにより、1つのサーボモータで2つの型厚調整装置38を駆動しても良い。型開閉シリンダ機構23は、サーボモータとボールねじの組み合わせ構造でも可能である。
このような実施形態に係る型締装置を用いた射出成形機による型交換後の型厚調整動作のフローを図7に示す。金型交換の後(ステップ100)、型閉じ状態で型厚みを自動検出する(ステップ102)。次いで、(型厚み−min型厚)÷リング溝ピッチ(P)=NP+Aであることから、型厚調整代Z(=P−A)を求める(ステップ104)。そして、型締シリンダ機構28の油圧タンクを開放し(ステップ106)、アジャストシリンダ機構50により連結ビーム36を後退させてウェッジ40の移動空間を形成し、ストロークエンドで停止させる(ステップ108)。その後、サーボモータ46を回転駆動し、ウェッジ40の高さが調整代+Zmmに達する位置まで移動させ、回転数若しくはウェッジ40の高さを確認してサーボモータ46を停止させる(ステップ110)。そして、アジャストシリンダ機構50により連結ビーム36を前進させて、連結ビーム36の受けブロック42をウェッジ40に当接させる(ステップ112)。当接圧力の上昇をアジャストシリンダ機構50の作動圧力により確認して停止し(ステップ114)、ハーフナット機構26を起動してナット締め込みを行う(ステップ116)。ハーフナット機構26によるナット締めの確認をリミットスイッチや圧力で確認し(ステップ118)、ハーフナットを開放して(ステップ120)、型交換に伴う型厚調整作業を終了する。
その後のサイクル運転は、通常の射出成形処理と基本的に同様(図8ステップ200〜226)であるが、図8ステップ204に示すように、ハーフナット締め込み後に、アジャストシリンダ機構50の油圧回路を開放しておき、型締時の昇圧による影響を防止するようにしている。
以上のように、本実施形態によれば、連結ビーム36により複数のタイバー22同士を連結して、金型交換に伴う型厚調整を複数のタイバーに対して同時に行わせるようにし、型締力がかかるとダイバーが伸びウェッジ部に隙間があき、大きな力が作用しないので、部品点数が少なく、型厚調整機構が低コストで実現できる。そして、型厚調整をウェッジ機構によって行うようにし、ウェッジを回転位置検出機構付きのサーボモータ(インバータモータと位置を検出する装置の組合せでも良い。)で操作するようにしているために、特別なセンシング技術も制御手段も不要であり、調整作業を簡易・簡便に行うことができる。また、連結ビームを水平方向の2つのタイバーに対して連結するようにしているため、タイバーの移動に際してのこじりが比較的小さくなるので、連結ビームの移動を円滑に行うことができる。もちろん、垂直方向の2つのタイバーを連結するように構成することも可能である。
本発明は、射出成形分野で利用することができ、金型交換に伴う型厚調整作業の簡便化技術として利用することができる。
10………型締装置、12………ベース、14………固定プラテン、16………可動プラテン、18………固定金型、20………可動金型、22………タイバー、23………型開閉シリンダ機構、24………リング溝、26………ハーフナット機構、28………型締シリンダ機構、30………ピストン、32………シリンダ、34………油圧室、36………連結ビーム、38………型厚調整機構、40………ウェッジ、42………受けブロック、44………スクリュシャフト、46………サーボモータ、48………軸受、50………アジャストシリンダ機構、52………シリンダ本体、54………伸縮ロッド。
Claims (6)
- 固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置であって、複数のタイバー同士を連結するビームと、この連結ビームをプラテンに接離させるアジャストシリンダ機構とを設けると共に、前記プラテンと連結ビームとの間に出入可能な型厚調整機構を設けたことを特徴とする射出成形機の型締装置。
- 前記型厚調整機構をウェッジ機構によって構成したことを特徴とする請求項1記載の射出成形機の型締装置。
- 前記型厚調整機構は回転位置検出機能付きのサーボモータによってプラテンと連結ビームとの間に出入されて型厚調整可能としてなることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機の型締装置。
- 前記連結ビームは水平方向に位置する複数のタイバーを連結してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の射出成形機の型締装置。
- 前記型厚調整機構、アジャストシリンダ機構及び連結ビームは固定プラテンに装備されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の射出成形機の型締装置。
- 固定プラテンと可動プラテンとを複数のタイバーによって連繋し、タイバーにハーフナットを噛み合わせて固定プラテンに設けられた型締シリンダ内のピストンにタイバー先端を装着して型締力を発生させる射出成形機の型締装置であって、前記固定プラテン側にて水平方向に配置されている複数のタイバー同士を連結するビームを上下にそれぞれ配置し、この連結ビームを固定プラテンに接離させるアジャストシリンダ機構とを設け、前記プラテンと連結ビームとの間にウェッジ機構を設けるとともに、ウェッジをサーボモータにて出入操作可能にして型厚調整を可能ならしめたことを特徴とする射出成形機の型締装置。
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