JP2006321083A - マイクロリアクターの製造方法及びマイクロリアクター用マスター型若しくは雌型の製造方法 - Google Patents

マイクロリアクターの製造方法及びマイクロリアクター用マスター型若しくは雌型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
複雑な形状のマイクロリアクター又はその製造用の型を精度良く、簡便且つ迅速に形成することが可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明にかかるマイクロリアクター等の製造方法は、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元形状を形成するものである。本発明は、マイクロリアクター等の構造が、オーバーハング部を有する複雑な三次元構造である場合に、特に有効である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成することを特徴とする、マイクロリアクター又はマイクロリアクター用型の製造方法である。
ガラス等の透明基板の表面に微細な加工を施して、溝形状等の凹凸形状を形成し、蓋をすることにより管状構造となして、この管状構造中に液体や気体を流し、管状構造中で化学反応や物理反応等を行う小型デバイスの技術が知られている(特許文献1〜11)。これらの小型デバイスは、その用途に応じて、化学マイクロデバイス、Lab−on−chip、バイオチップ等と呼称されているが、本願では、これをマイクロリアクターと総称することとする。マイクロリアクターは、化学的若しくは生物学的な反応装置若しくは分析装置(典型例は、多段合成装置やクロマトグラフィー用超小型カラムである。)や、微小な電極や各種物理・化学センサー等としても利用が期待されている。
これらのマイクロリアクターは、典型的には、長さ及び幅が数cm、厚み1mm程度の直方体の透明基板の表面に、幅及び深さが数〜数百μmの溝を形成し、溝の上を覆う蓋を接着した構造を有している。さらに、電極やセンサー等の電気デバイスとする場合には、透明基板の表面に蒸着法等により金属薄層を設けて導電性を付与する他、溝形状に限らず、より複雑な三次元構造を形成して、例えば、基板表面から一部分が浮遊した薄片を形成することにより、機械的振動に対する歪みを検出するセンサーとすること等ができる。
従来、マイクロリアクターは、ガラス等の透明基板を切削したり、リソグラフィー技術を用いて所定のマスクパターンに応じた光硬化性樹脂の硬化物からなる薄層を形成することにより、表面凹凸形状を形成して、別途、蓋部材を溝部を覆うように接着して管状構造を形成して、製造されていた。また、リソグラフィー技術等を用いる場合において、犠牲層を設ける中間工程を採用することにより、オーバーハング部を有する構造を形成する技術も知られている(特許文献10及び11)。
一方、光硬化造形方法(以下、「光造形方法」という。)では、造形しようとする立体モデルを複数の層にスライスして得られる断面群のデータに基づいて造形する。通常、最初に最下段の断面に相当する領域において、光硬化性樹脂液の液面に光線を照射する。すると光照射された液面部分の光硬化性樹脂液は光硬化し、立体モデルの一断面の硬化樹脂層が造形される。次いで、この硬化樹脂層の表面に未硬化状態の光硬化性樹脂液を所定の厚みでコートする。このとき、硬化樹脂層を所定の厚み分だけ、樹脂槽に満たされた光硬化性樹脂液に沈めてコートすることが一般的である。また、比較的少量の光硬化性樹脂を一層の硬化樹脂層を形成する毎にリコータにより全面に塗布することも行われる。そして、この表面に所定パターンに沿ってレーザ光線走査を行ない、光照射したコート層部分を硬化させる。硬化した部分は、下部の硬化樹脂層に積層一体化される。以後、光照射工程で扱う断面を隣接する断面に切り替えながら、光照射と光硬化性樹脂液のコートを繰り返すことによって、所望の立体モデルを造形する(特許文献12および特許文献13参照)。光造形方法は、CADデータに基づき、オーバーハング部を有する三次元構造を簡便かつ迅速に形成することのできる技術であるが、従来の光造形方法では、造形物の解像度を上げることが困難であり、典型的な解像度は、数十μmであって、より高解像度を要するマイクロリアクターの製造に用いることは困難であった。
特開2003−14772号公報 特開2003−117409号公報 特開2003−139761号公報 特開2003−149252号公報 特開2004−69625号公報 特開2004−178319号公報 特開2004−195433号公報 特開2004−219199号公報 特開2005−22364号公報 特開2004−69733号公報 特開2004−9183号公報 特開昭56−144478号公報 特開昭62−35966号公報
切削法やリソグラフィー法を用いた場合、これらの方法によって形成されうるのは、原則としてオーバーハング部を有しない構造に限定されるため、例えば、複数の流路が立体交差する等の、オーバーハング部を有する複雑な三次元構造からなるマイクロリアクター又はマクロリアクター用型(以下、「マイクロリアクター等」という。)を製造することは困難であった。また、犠牲層を形成する中間工程を採用すると、三次元構造を形成した後に、犠牲層を除去する工程が別途必要であるなど、製造工程が複雑になり、製造時に長時間を要する等の問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複雑な三次元形状、特に、オーバーハング部を有する三次元構造、を有するマイクロリアクター等を精度良く、簡便かつ迅速に形成することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロリアクター等の製造方法は、投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成するものである。本発明は、マイクロリアクター等の構造が、オーバーハング部を有する複雑な三次元構造である場合に、特に有効である。
ここで、前記投影領域の面積が100mm以下の場合に、本発明にかかる光造形方法を用いれば、より精度良くマイクロリアクター等を形成することができる。
同様に、前記硬化樹脂層の1層の厚さは10μm以下の場合に、本発明にかかる光造形方法を用いれば、より精度良くマイクロリアクター等を形成することができる。
本発明にかかるマイクロリアクター等の製造方法は、前記光硬化性樹脂液を、ディジタルミラーデバイスによって反射された光によって硬化させる場合に好適に用いられる。
また、本発明にかかるマイクロリアクター又はマイクロリアクタを製造するための雌型の製造方法は、前記光硬化性樹脂液にセラミックス粉体を配合することにより、より強度を持たせたセラミックスを材料とするマイクロリアクターやマイクロリアクタを製造するための雌型を形成することができる。
本発明の製造方法により、複雑な三次元構造を有するマイクロリアクター等を精度良く、簡便かつ迅速に形成することが可能なマイクロリアクター等の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
発明の実施の形態1 [マイクロリアクターの製造方法]
図1を用いて、本発明にかかるマイクロリアクターの製造方法に使用される光硬化造形装置(以下、「光造形装置」という)の一例について説明する。光造形装置100は、光源1、ディジタルミラーデバイス(DMD)2、レンズ3、造形テーブル4、ディスペンサ5、リコータ6、制御部7、記憶部8を備えている。
光源1は、レーザ光線を発生させる。光源1には、例えば、405nmのレーザ光を発生させるレーザダイオード(LD)や紫外線(UV)ランプが用いられる。
ディジタルミラーデバイス(DMD)2は、テキサス・インスツルメンツ社によって開発されたデバイスであり、CMOS半導体上に独立して動くマイクロミラーが数十万〜数百万個、例えば、48万〜131万個敷き詰められている。かかるマイクロミラーは、静電界作用によって対角線を軸に約±10度、例えば、±12度程度傾けることが可能である。マイクロミラーは、各マイクロミラーのピッチの1辺の長さが約10μm、例えば、13.68μmの四角形の形状を有している。隣接するマイクロミラーの間隔は、例えば1μmである。本実施の形態1で用いたDMD2の全体は、40.8×31.8mmの四角形状を有し(うち、ミラー部は、14.0×10.5mmの四角形状を有する。)、1辺の長さが13.68μmのマイクロミラー786,432個により構成されている。当該DMD2は、光源1から出射されたレーザ光線を個々のマイクロミラーによって反射させ、制御部7によって所定の角度に制御されたマイクロミラーによって反射されたレーザ光のみ集光レンズ3を介して造形テーブル4上の光硬化性樹脂9に照射する。
レンズ3は、DMD2によって反射されたレーザ光線を光硬化性樹脂9上に導き、投影領域を形成する。レンズ3は、凸レンズを用いた集光レンズであってもよいし、凹レンズを用いてもよい。凹レンズを用いると、DMD2の実サイズよりも大きな投影領域を得ることができる。本実施の形態1にかかるレンズ3は、集光レンズであって、入射光を約15倍縮小し、光硬化性樹脂9上に集光している。
造形テーブル4は、硬化させた樹脂を順次堆積させ、載置する平板状の台である。この造形テーブル4は、図示しない駆動機構、即ち移動機構によって、水平移動及び垂直移動が可能である。この駆動機構により、所望の範囲に亘って光造形を行なうことができる。
ディスペンサ5は、光硬化性樹脂10を収容し、予め定められた量の光硬化性樹脂10を所定位置に供給する。
リコータ6は、例えば、ブレード機構と移動機構を備え、光硬化性樹脂10を均一に塗布する。
制御部7は、露光データを含む制御データに応じて光源1、DMD2、造形テーブル4、ディスペンサ5、リコータ6を制御する。制御部7は、典型的には、コンピュータに所定のプログラムをインストールすることによって構成することができる。典型的なコンピュータの構成は、中央処理装置(CPU)とメモリとを含んでいる。CPUとメモリとは、バスを介して補助記憶装置としてのハードディスク装置などの外部記憶装置に接続される。この外部記憶装置が、制御部7の記憶部8として機能する。記憶部8として機能するフレキシブルディスク装置、ハードディスク装置、CD−ROMドライブ等の記憶媒体駆動装置は、各種コントローラを介してバスに接続される。フレキシブルディスク装置等の記憶媒体駆動装置には、フレキシブルディスク等の可搬型記憶媒体が挿入される。記憶媒体にはオペレーティングシステムと協働してCPUなどに命令を与え、本実施形態を実施するための所定のコンピュータプログラムを記憶することができる。
記憶部8には、造形しようとする立体モデルを複数の層にスライスして得られる断面群の露光データを含む制御データが格納されている。制御部7は、記憶部8に格納された露光データに基づいて、主としてDMD2における各マイクロミラーの角度制御、造形テーブル4の移動(即ち、立体モデルに対するレーザ光の照射範囲の位置)を制御し、立体モデルの造形を実行する。
コンピュータプログラムは、メモリにロードされることによって実行される。コンピュータプログラムは圧縮し、又、複数に分割して記憶媒体に記憶することができる。さらに、ユーザ・インターフェース・ハードウェアを備えることができる。ユーザ・インターフェース・ハードウェアとしては、例えば、マウスなどの入力をするためのポインティング・デバイス、キーボード、あるいは視覚データをユーザに提示するためのディスプレイなどがある。
光硬化性樹脂10には、可視光及び可視光領域外の光によって硬化する樹脂を使用することができる。例えば、15μm以上(500mJ/cm)の硬化深度を有し、粘度が1500〜2500Pa・s(25℃)の405nm対応のアクリル系樹脂を用いることができる。
次に、本実施の形態1にかかる光造形装置100の光造形動作について説明する。まず、ディスペンサ5に未硬化状態の光硬化性樹脂10を収容する。造形テーブル4は初期位置にある。ディスペンサ5は、収容された光硬化性樹脂10を所定量だけ造形テーブル4上に供給する。リコータ6は、光硬化性樹脂10を引き伸ばすようにして掃引し、硬化させる一層分のコート層を形成する。
光源1から出射したレーザ光線は、DMD2に入射する。DMD2は記憶部8に格納された露光データに応じて制御部7により制御され、レーザ光線を光硬化性樹脂10に照射する部分に対応したマイクロミラーの角度を調整する。これにより、そのマイクロミラーを反射したレーザ光線が集光レンズ3を介して光硬化性樹脂10に照射され、その他のマイクロミラーを反射したレーザ光線は光硬化性樹脂10に照射されない。光硬化性樹脂10へのレーザ光線の照射は例えば0.4秒間行なわれる。このとき、光硬化性樹脂10への投影領域は例えば、1.3×1.8mm程度であり、0.6×0.9mm程度まで縮小することもできる。投影領域の面積は、通常、100mm以下であることが望ましい。
レンズ3に、凹レンズを用いることにより、投影領域を6×9cm程度まで拡大することもできる。投影領域をこのサイズを超えて拡大すると、投影領域に照射されるレーザー光線のエネルギー密度が低くなるため、光硬化性樹脂10の硬化が不十分となることがある。レーザ光線の投影領域のサイズよりも大きい立体モデルを形成する場合には、例えば造形テーブル4を移動機構によって水平移動させることにより、レーザ光線の照射位置を移動させて全造形領域を照射する必要がある。投影領域毎に1ショットずつレーザ光線の照射を実行していく。各投影領域に対するレーザ光線の照射の制御については後に詳述する。
このようにして、投影領域を移動させて、各投影領域を単位としてレーザ光線の照射、即ち露光を実行することによって、光硬化性樹脂10が硬化し、第1層目の硬化樹脂層が形成される。1層分の積層ピッチ、すなわち、硬化樹脂層1層の厚み、は、例えば、1〜50μm、好ましくは、2〜10μm、さらに好ましくは、5〜10μmである。
続いて、同様の工程で所望形状の立体モデルの2層目を同時形成する。具体的には、1層目として形成された硬化樹脂層の外側にディスペンサ5より供給された光硬化性樹脂10をリコータ6によって立体モデルを越えて引き伸ばされるように均一厚さに塗布する。そして、レーザ光線を照射することにより、第2層目の硬化樹脂層を第1層目の硬化樹脂層の上に形成する。以下同様にして第3層目以降の硬化樹脂層を順次堆積させる。そして、最終層の堆積が終了すると、造形テーブル4上に形成された造形物を取り出す。造形物は、表面に付着した光硬化性樹脂液を洗浄その他の方法で除去し、必要に応じて紫外線ランプ等により照射し又は加熱して、硬化を更に進行させることができる。
製造するマイクロリアクター等の三次元構造は、上記の光造形装置の解像度の範囲内であれば、任意の構造であってよい。本発明のマイクロリアクター等の製造方法は、特に、オーバーハング部を有するような複雑な三次元構造を有するマイクロリアクター等の製造に好適である。オーバーハング部を有する三次元構造の具体例としては、立体交差する管状構造、垂直方向に間隔を空けて重層する複数の層からなる構造等を挙げることができる。
ここで、「オーバーハング部を有する」とは、その三次元構造体をいかなる方向に回転させて設置した場合でも、垂直方向から見てオーバーハング部が少なくとも一部に存在することをいうものとする。また、オーバーハング部とは、ある部分の水平幅よりもより上部の水平幅の方が大きい構造を有する部分であって、典型的には、柱部と柱部の上に接して柱部よりも水平方向に張り出したいわば天井部からなる構造であるが、直線的な構造に限定するものではなく、垂直方向に立ち上がりつつ水平方向へ張り出す曲面を有する形状や、いわゆる逆テーパー形状等も含む概念である。例えば、円筒形状は、筒状側面を水平面に接した状態で垂直方向から見ると下半分がオーバーハング部であるが、底面を水平面に接した状態で垂直方向から見るとオーバーハング部は無いので、オーバーハング部を有する三次元構造ではない。他方、球形状は、オーバーハング部を有する三次元構造である。本発明の製造方法が、オーバーハング部を有する三次元構造の造形に特に適しているのは、ある方向から見ればオーバーハング部を有しない構造であれば、オーバーハング部を本質的に製造困難な他の製造方法を用いてもその三次元構造の造形が可能となる場合もあり得るからである。
本発明に用いられる光硬化性樹脂は、特に限定されるものではないが、通常、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物を有してなる光硬化性樹脂組成物が好適に用いられる。また、これらの光硬化性樹脂組成物には、ラジカル重合又はカチオン重合にそれぞれ対応した光重合開始剤が、通常、添加される。
上述の光造形法により得られた硬化物からなる立体形状物は、光造形装置から取り出し、その表面や内部に残存する未反応の組成物(未硬化)を除去した後、必要に応じて洗浄する。ここで、洗浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤;低粘度の熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。
発明の実施の形態2 [セラミックからなるマイクロリアクターの製造方法]
マイクロリアクターをセラミックで製造したい場合には、光硬化性樹脂組成物には、セラミック粉体を配合することができる。その数平均粒径は、電子顕微鏡法による測定で、通常、0.01〜0.5μmである、好ましくは、0.02〜0.3μmであり、さらに好ましくは、0.05〜0.2μmである。セラミック粉体の粒径は、電子顕微鏡法により測定されるが、特に、走査型電子顕微鏡法が好ましい。セラミック粉体の形状は、粒径を定義できる程度の粒状性を有していれば、特に限定されるものではない。例えば、球状に限らず、粉砕体等であってもよい。球状以外の形状である場合の粒径は、電子顕微鏡像における最大径により定義される。
セラミック粉体を構成する材質は、照射波長の光を実質的に吸収しないものであれば特に制限されない。例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、フェライト、チタン酸バリウム、アパタイト、シリカ等の酸化物、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素等の炭化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、サイアロン(SiAlON)等の窒化物、又はこれらの混合物等の各種セラミックスを用いることができる。通常、(A)成分としては、アルミナ、ジルコニア、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、又はこれらの混合物等が好適に用いられる。
セラミック粉体を配合した光硬化性樹脂を光硬化させて得られた立体形状物を焼成すると、セラミックス焼成体からなるマイクロリアクターとなり得る。ここで用いる焼成方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
発明の実施の形態3 [マイクロリアクター用型の製造方法]
本発明の他の実施形態は、マイクロリアクターの製造に用いられる型の製造方法である。実施の形態1、2では光造形法によりマイクロリアクター自体を造形、製造したが、実施の形態3では、実施の形態1において説明した光造形法によりマイクロリアクターの製造に用いられる型を造形、製造する。型は、雌型とマスター型に大別され、いずれも当該光造形法により造形、製造することができる。雌型とは、その型から形状を写し取ってマイクロリアクターを製造する型であり、マスター型とは、最終的に製造しようとするマイクロリアクターの原型であって、マスター型の形状を写し取って前述の雌型を製造するための型である。
雌型からマイクロリアクターを製造する場合には、雌型の中に、例えば、加水分解性基を有するシラン化合物を注入して、加熱等により加水分解・縮合反応を生じせしめて、雌型の形状を写し取ったポリシロキサンからなる三次元構造物を得る。この三次元構造物を雌型から剥離させることにより、マイクロリアクターを得ることができる。雌型の構造が複雑である場合には、雌型を破壊しなければ剥離させることができない場合がある。このような場合には、例えば、300℃×6時間程度の熱処理により雌型を構成する硬化樹脂を焼失させたり、エタノール等の有機溶剤に浸漬して超音波処理を1時間程度行うことにより雌型を構成する硬化樹脂を膨潤させる等の方法により、雌型を破壊することができる。光硬化性樹脂からなる雌型は、剥離のために破壊しない場合であっても、金型等に比較すると機械強度が劣るため、マイクロリアクターを製造することができる回数は限定的である。しかし、金型と異なり、簡便且つ迅速に雌型が得られるため、様々な形状のマイクロリアクターを試作する場合等に有効である。
マスター型からマイクロリアクターを製造する場合には、例えば、マスター型の表面にNi電気鋳造を行った後マスター型を剥離し、マスター型の形状を写し取った雌型を作製する。この雌型を用いて前述と同様に加水分解性基を有するシラン化合物を注入・反応させ、雌型から剥離させることによりポリシロキサン製マイクロリアクターを得ることができる。
また、マスター型の形状を写し取った雌型として通常のシリコンゴムによる真空注形反転型も作製可能である。このようにして得たシリコンゴム製型を用いて真空注形を行い、ウレタン樹脂やアクリル樹脂、あるいはセラミックスラリー製等のマイクロリアクターを得ることも出来る。
発明の実施の形態1にかかる光造形装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 DMD
3 集光レンズ
4 造形テーブル
5 ディスペンサ
6 リコータ
7 制御部
8 記憶部
9 光硬化性樹脂
10 光硬化性樹脂
100 光造形装置

Claims (14)

  1. 投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成することを特徴とする、マイクロリアクターの製造方法。
  2. 前記マイクロリアクターの三次元構造が、オーバーハング部を有する、請求項1に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  3. 前記光硬化性樹脂液が、セラミックス粉体を含有するものである、請求項1又は2に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  4. 前記投影領域の面積は、100mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  5. 前記硬化樹脂層の1層の厚さは10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  6. 前記光硬化性樹脂液は、ディジタルミラーデバイスによって反射された光によって硬化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のマイクロリアクターの製造方法。
  7. 投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成することを特徴とする、マイクロリアクター用型の製造方法。
  8. 前記マイクロリアクターの三次元構造が、オーバーハング部を有する、請求項7に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  9. 前記投影領域の面積は、100mm以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  10. 前記硬化樹脂層の1層の厚さは10μm以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  11. 前記光硬化性樹脂液は、ディジタルミラーデバイスによって反射された光によって硬化することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  12. 前記マイクロリアクター用型が、マイクロリアクターを製造するための雌型である、請求項7〜11のいずれか一に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  13. 前記光硬化性樹脂液が、セラミックス粉体を含有するものである、請求項12に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
  14. 前記マイクロリアクター用型が、マイクロリアクター用雌型を製造するためのマスター型である、請求項7〜11のいずれか一に記載のマイクロリアクター用型の製造方法。
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CN103895226A (zh) * 2014-03-24 2014-07-02 浙江大学 基于3d打印的三维微流控芯片的加工方法及打印装置

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