JP2006316653A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スクイーズ効果に基づく開弁バウンスの抑制と、閉弁応答性を両立することができる燃料噴射装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 燃料噴射装置(1)は、弁ボディ(2)内に固定した固定コア(3)、固定コア(3)よりも先端側に往復移動可能に収容され、先端側にニードル弁(4)を備えたアーマチャ(5)を備える。固定コア(3)とアーマチャ(5)との間にはスプリング(7)が挟着されている。アーマチャ(5)の基端部分には凹部(8)が設けられ、この凹部(8)内に磁性体からなる移動子(9)が収容されている。開弁時にはこの移動子(9)の基端側端面(11)のみが固定コア側対向面(3a)と密着する。これにより、閉弁応答性が向上する。一方、移動子(9)の先端側端面(10)とアーマチャ側第二対向面(5b)との間のスクイーズ効果により開弁バウンスの抑制を図る。
【選択図】 図2
【解決手段】 燃料噴射装置(1)は、弁ボディ(2)内に固定した固定コア(3)、固定コア(3)よりも先端側に往復移動可能に収容され、先端側にニードル弁(4)を備えたアーマチャ(5)を備える。固定コア(3)とアーマチャ(5)との間にはスプリング(7)が挟着されている。アーマチャ(5)の基端部分には凹部(8)が設けられ、この凹部(8)内に磁性体からなる移動子(9)が収容されている。開弁時にはこの移動子(9)の基端側端面(11)のみが固定コア側対向面(3a)と密着する。これにより、閉弁応答性が向上する。一方、移動子(9)の先端側端面(10)とアーマチャ側第二対向面(5b)との間のスクイーズ効果により開弁バウンスの抑制を図る。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関に用いられる電磁式の燃料噴射装置に関し、特に燃料噴射時における弁の開閉動作を改善することのできる燃料噴射装置に関する。
従来、内燃機関に用いられる燃料噴射装置には、噴射孔が形成された弁ボディの内部にコイルを備えた固定コアが装着され、このコイルの通電状態により弁ボディ内で往復移動するアーマチャを備えた構成のものがある。このアーマチャは、先端側に前記噴射孔の開閉を行うニードル弁を備えた構成となっている。すなわち、コイルの通電状態によってアーマチャと一体的にニードル弁を往復移動させて噴射孔からの燃料の噴射、停止を行う。また、このような燃料噴射装置では、ニードル弁を閉弁状態とすべく、ニードル弁又はこのニードル弁と一体となったアーマチャを押圧するスプリング等が装着されている。
このような構成の燃料噴射装置ではコイルに通電されることによって固定コア側に引き寄せられたアーマチャは、固定コアに接近することによって生じるスクイーズ効果により、開弁時にアーマチャ(ニードル弁)が固定コアに衝突することによって発生するニードル弁の微振動(開弁バウンス)が抑制される。ところが、スクイーズ効果は、開弁バウンスの抑制に有効である一方で、閉弁時には閉弁遅れ、閉弁応答性の悪化の原因ともなるものである(逆スクイーズ現象)。
このようにスクイーズ効果は、ニードル弁の開閉動作に影響を及ぼすものであることから、スクイーズ効果を考慮してニードル弁の動作特性を改善する提案がなされている(特許文献1)。特許文献1には、以下のような燃料噴射弁が開示されている。特許文献1記載の燃料噴射弁では、ボディ内に移動可能に収容したニードル弁は、ボディの軸心に対してわずかに傾斜させて配設されている。また、ニードル弁側のストッパ部が当接するストッパプレートがボディ側に設けられ、ストッパ部とストッパプレートとの間に、ニードル弁の軸と直行する垂直面に対する傾斜角度が付与されている。
前記特許文献1に記載された燃料噴射弁は、ニードル弁のボディに対する角度を傾斜させたり、ストッパ部とストッパプレートとの間に、ニードル弁の軸と直行する垂直面に対する傾斜角度を付与したりすることにより、開弁時及び閉弁時に適度なスクイーズ力を発生させ、ニードル弁の良好な動作特性を実現している。
しかしながら、燃料噴射弁内の所定箇所において所望の傾斜角度を実現するためには高い寸法精度、工作精度が要求される。また、異なる燃料噴射系毎の適合を図るために多くの工程が必要となり、高コスト化を招くおそれがあった。
そこで、本発明は、加工に際して所望の傾斜角度を実現するための特別な加工等を必要とせず、スクイーズ効果に基づく開弁バウンスの抑制と、閉弁応答性を両立することができる燃料噴射装置を提供することを課題とする。
かかる課題を達成するための、本発明の燃料噴射装置は、噴射孔が形成された弁ボディと、当該弁ボディ内に装着された固定コアと、前記弁ボディ内の前記固定コアよりも先端側に往復移動可能に収容されると共に、先端側に前記噴射孔の開閉を行うニードル弁を備えたアーマチャと、通電状態によって当該アーマチャを前記固定コアに対して接近及び離間させるコイルと、前記ニードル弁が閉弁状態となるように前記アーマチャを押圧するアーマチャ押圧手段とを有する燃料噴射装置において、前記固定コアの先端側端面を固定コア側対向面とし、前記アーマチャには、前記固定コア側対向面と対向するアーマチャ側第一対向面、及び、当該アーマチャ側第一対向面よりも先端側に位置するアーマチャ側第二対向面とが形成され、当該アーマチャ側第二対向面と固定コア側対向面との間で前記アーマチャとは別個に往復移動する磁性体からなる移動子を備え、当該移動子の先端側端面が前記アーマチャ側第二対向面と密着すると共に基端側端面が前記固定コア側対向面と密着した状態で、当該固定コア側対向面と前記アーマチャ側第一対向面との間に隙間が形成される構成であることを特徴とする(請求項1)。なお、本明細書において、通常の燃料噴射装置において噴射孔が設けられている側を先端側、他端側を基端側と称することとする。
本発明は、スクイーズ効果が固定コアの先端側端面とアーマチャの基端側端面との間で生じ、スクイーズ効果の大小は固定コアとアーマチャとの接触面積に関連していることに着目してなされたものである。ここで、スクイーズ効果による開弁バウンスの抑制と閉弁応答性の背反性について整理すると以下の如くである。通常、アーマチャと固定コアとの接触面積が大きくなるとスクイーズ効果により開弁バウンスの抑制効果は高まる。しかし、その反面、閉弁時にはアーマチャと固定コアとの離間が困難となって閉弁応答性が悪化する。一方、アーマチャと固定コアとの接触面積を小さくすると閉弁応答性は向上するものの開弁バウンスの抑制という面では不利となる。
このような事情を踏まえて、本発明の燃料噴射装置では、ニードル弁と一体となったアーマチャとは別体の移動子を備え、この移動子の基端側端面のみが開弁時に固定コアの先端側端面と密着する構成としている。このため、従来、固定コアの先端側端面、すなわち固定コア側対向面と対向するアーマチャの基端側端面のほぼ全面が固定コア側対向面と密着していたものと比較して、固定コア側対向端面との接触面積を小さくすることができる。この結果、逆スクイーズ効果を減少させ、アーマチャと一体となったニードル弁の閉弁応答性を向上させることができる。
このように固定コア側対向面の接触面積が小さくなっていることから固定コアとアーマチャとの間のスクイーズ効果は減少しており、この結果、固定コアとアーマチャとの間で発揮される開弁バウンスの抑制効果も減少することとなる。ところが、本発明の燃料噴射装置では、アーマチャ側第二対向面と移動子の先端側端面との間でスクイーズ効果を得ることができ、これにより、固定コアとアーマチャとの間のスクイーズ効果の減少分を補うことができ、開弁バウンスの抑制効果を得ることができる。
このような燃料噴射装置では、例えば、前記アーマチャの基端側に凹部を設け、当該凹部の底面を前記アーマチャ側第二対向面とした構成とすることができる(請求項2)。すなわち、この凹部内に移動子を収納する構成とすることができる。このように凹部を形成した構成とする場合、前記移動子の基端側に小径筒状部及び当該小径筒状部に連続する肩部を形成すると共に、前記凹部の開口端部に前記肩部が係止する係止部を形成した構成とすることができる(請求項3)。本発明における移動子は磁性体からなり、コイルの通電状態によってアーマチャとは別個に固定コア側に引き寄せられるが、移動子に肩部を形成すると共に凹部の開口端部に肩部が係止する係止部を形成することにより、開弁時、係止部に肩部が係止した後は、移動子とアーマチャとが一体的にコイルが発生する磁力により基端側、すなわち固定コア側へ引き寄せられる。なお、このような構成とすることにより、小径筒状部が係止部にガイドされて移動子を往復移動させることができる。
また、このようにアーマチャの基端側に凹部を設けた構成とする場合、前記アーマチャ及び/又は前記移動子に、前記凹部の内外を連通させる通路を形成した構成とすることができる(請求項4)。本発明の燃料噴射装置では、移動子の先端側端面とアーマチャに形成したアーマチャ側第二対向面との間でスクイーズ効果を得る構成としている。アーマチャの基端側に凹部を設け、この凹部の底面をアーマチャ側第二対向面とする構成とした場合、十分なスクイーズ効果を得るためには凹部内に燃料が存在していることが必要となる。そこで、前記アーマチャ及び/又は移動子に、前記凹部の内外を連通させる通路を形成しておけば、弁ボディ内に供給された燃料を凹部内にも引き込むことができ、十分なスクイーズ効果を得ることができる。
本発明によれば、アーマチャとは別個に往復移動する磁性体からなる移動子を備え、開弁状態において、面積の小さい移動子の基端側端面のみが固定コアの先端側端面(固定コア側対向面)と密着するようにしたので、閉弁応答性を向上させることができる。また、開弁動作時に、アーマチャ側第二対向面と移動子の先端側端面との間でスクイーズ効果を得ることができるようにしたので、開弁バウンスの抑制を図ることができる。このような構成の燃料噴射装置は超精密な加工を伴うことなく製造が可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料噴射装置1の主要部分を示した模式図である。燃料噴射装置1は、先端部に噴射孔2aが形成された弁ボディ2と、この弁ボディ2内に固定して装着された固定コア3を備えている。さらに、弁ボディ2内の固定コア3よりも先端側に往復移動可能に収容され、先端側に噴射孔2aの開閉を行うニードル弁4を備えた基端部分を磁性体で形成したアーマチャ5を備えている。このニードル弁4はアーマチャ5の先端側に溶接され、アーマチャ5の一部を構成している。燃料噴射装置1はさらに通電状態によってアーマチャ5を固定コア3に対して接近及び離間させるコイル6を備えている。このコイル6は図に示すように固定コア3の内部に埋め込まれた形で装着されている。このように装着されたコイル6とアーマチャ5との間には本発明におけるアーマチャ押圧手段に相当するスプリング7が挟着されている。アーマチャ5はこのスプリング7によってニードル弁4が閉弁状態となるように弁ボディ2の先端側に付勢されている。また、アーマチャ5の基端部分には凹部8が設けられており、この凹部8内に磁性体からなる移動子9が収容されている。
以上のような基本構成を有する燃料噴射装置1の固定コア3及びアーマチャ5の周辺の詳細な寸法、形状等について該当部分の拡大断面図である図2、アーマチャ5の基端部分の拡大断面図である図3、移動子9の拡大断面図である図4を参照しつつ説明する。なお、図2は、ニードル弁4によって噴射孔2aを閉塞した閉弁状態を示している。
まず、固定コア3において、参照番号3aを付した先端側端面が、本発明における固定コア側対向面である。次にアーマチャ5であるが、前記のように基端部分に凹部8が形成されており、参照番号5aを付した面が固定コア側対向面3aと対向する本発明におけるアーマチャ側第一対向面であり、参照番号5bを付した凹部8の底面が本発明におけるアーマチャ側第二対向面である。このためアーマチャ側第二対向面は、図3に示すようにアーマチャ側第一対向面よりも先端側に位置している。また、凹部8の開口端部には後述する移動子9の肩部9bが係止される係止部8aが形成されている。
このような凹部8には、図4に示すような移動子9が収容される。移動子9は、基端側、すなわち凹部8内に収容されたときに凹部8の開口部側に位置する側に小径筒状部9aが形成され、さらにこの小径筒状部9aに連続する肩部9bが形成されている。このような移動子9は、アーマチャ5の基端部と同様に磁性体からなり、固定コア3に埋め込まれたコイル6の通電状態により生じる磁界によってアーマチャ5とは別個に往復移動する。参照番号10は移動子9の先端側端面を示し、参照番号11は移動子9の基端側端面を示している。
このような移動子9は、図2に示すように凹部8内に収容される。図2に示した状態は、前記のようにニードル弁4によって噴射孔2aを閉塞した閉弁状態であるが、移動子9の先端側端面10と凹部8内のアーマチャ側第二対向面5bとが密着した状態で係止部8aと肩部9bとの間には隙間bが形成されている。また、アーマチャ側第一対向面5aと移動子9の基端側端面11との間にはギャップcが形成されている。アーマチャ5と移動子9とは、開弁時においても図2に示した位置関係を維持し、基端側端面11のみが固定コア側対向面3aと密着することになるので、ギャップcは、図5における(4)に示した状態のように、そのまま開弁時の固定コア側対向面3aとアーマチャ側第一対向面5aとの間の隙間cとなる。また、図2に示した状態で、移動子9の基端側端面11と固定コア3の固定コア側対向面3aとの間にはギャップaが形成されている。このギャップaと、係止部8aと肩部9bとの間の隙間bとはa>bの関係となっている。
以上のように構成される燃料噴射装置1の主として固定コア3及びアーマチャ5、移動子9の動作につき、図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、(1)に示した閉弁時の状態から、(4)に示した開弁時の状態まで、順を追って示したものである。また、図6は、移動子9と、アーマチャ5の基準位置からの移動状況を図5における(1)〜(4)の状態に対応させて示したものである。
まず、図5における(1)の状態であるが、コイル6に通電されておらず、ニードル弁4が噴射孔2aを閉塞した閉弁状態である。この状態では、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとが密着し、移動子9の基端側端面11と固定コア側対向面3aとの間にはギャップaが保たれている。また、アーマチャ側第一対向面5aと固定コア側対向面3aとの間にはギャップaとギャップcとを合わせた距離の隙間が保たれている。この状態を以後の各部の移動状況を説明する際の基準位置とする。従って、図6における(1)の部分では、移動子9及びアーマチャ5の位置はいずれも「0」を示している。
次に、図5における(2)の状態であるが、コイル6に通電が開始された通電初期の状態を示している。この状態ではコイル6に通電が開始されたことにより、磁界が生じ、磁性体からなるアーマチャ5及び移動子9には、共に固定コア3側に引き寄せられる力が加わる。ところが、アーマチャ5は、スプリング7により先端側へ押圧されている。このため、この時点では、アーマチャ5は応答遅れにより移動できず、移動子9のみが固定コア3側に隙間b分だけ移動し、肩部9bが係止部8aに係止した状態となっている。この結果、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとは距離b分だけ離間した状態となる。従って、図6における(2)の部分では、移動子9の位置は「b」を示し、アーマチャ5の位置は依然として「0」を示している。なお、現時点での移動子9の基端側端面11と固定コア側対向面3aとの間隔は「a−b」ということになる。
次に、図5における(3)の状態であるが、(2)に示した移動子9の肩部9bが係止部8aに係止して移動子9とアーマチャ5とが一体的に固定コア3側に引き寄せられている状態である。すなわち、アーマチャ5もスプリング7の弾性に抗して固定コア3側に移動を開始した状態である。このようにアーマチャ5と一体的に固定コア3側に引き寄せられた移動子9は、基端側端面11が固定コア側対向面3aと当接した状態となる。ここで、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとは依然として距離b分だけ離間した状態を保っている。従って、図6における(3)の部分では、移動子9の位置は「a」、すなわち、(1)で示した初期の状態のギャップa分だけ移動し、アーマチャ5は、「a−b」、すなわち、(2)で示した状態における移動子9の基端側端面11と固定コア側対向面3aとの間隔分だけ移動している。
次に、図5における(4)の状態であるが、(3)に示した状態で移動子9の基端側端面11は既に固定コア側対向面3aと当接した状態となっているので、これ以上、移動することはない。一方、アーマチャ5は、(3)に示した状態で移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとは距離b分だけ離間した状態とっていることから、距離b分だけ固定コア3側に移動し、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとが密着する。従って、図6における(4)の部分では、移動子9の位置は(3)の部分と同様に「a」を示し、アーマチャ5の位置も同様に「a」を示す。すなわち、アーマチャ5の初期位置(基準位置)からの移動量は、ギャップaと等しい。従って、図5における(4)の状態において、固定コア側対向面3aとアーマチャ側第一対向面5aとの間にはギャップcと同等の隙間cが形成されており、両者が密着することはない。なお、この状態がニードル弁4の開弁時の状態である。
図5における(4)の状態では、アーマチャ5と移動子9との位置関係は、以上説明した関係となるが、このとき、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bとの間でスクイーズ効果が得られる。この結果、ニードル弁4の開弁バウンスが抑制される。
次に図5における(4)の状態、すなわち、ニードル弁4の開弁時の状態から閉弁時の状態へ移行する際の各部の動作について説明する。コイル6の通電を停止すると、磁界が消滅することからスプリング7に付勢されたアーマチャ5及びこれと一体となったニードル弁4は閉弁動作を開始する。このとき、固定コア側対向面3aとアーマチャ側第一対向面5aとの間は、前記のように隙間cが形成されており、両者は密着していないことから、当該箇所におけるスクイーズ効果(逆スクイーズ効果)は発生しない。このため、ニードル弁4は、良好な応答性をもって閉弁動作を開始し、図5における(1)の状態まで復帰することができる。
なお、図5における(4)の状態で、移動子9の基端側端面11と固定コア側対向面3aとが密着していることから、当該箇所において逆スクイーズ効果が生じることが考えられるが、密着している部分の面積が小さいことからニードル弁4の閉弁動作にはそれ程大きな影響を及ぼしていないと考えられる。また、移動子9の先端側端面10とアーマチャ側第二対向面5bも密着した状態となっていおり、当該箇所において逆スクイーズ効果が生じることが考えられるが、移動子9自体が固定された状態のものではなく、自由に往復移動できるものであることから、当該箇所における逆スクイーズ効果もニードル弁4の閉弁動作にはそれ程大きな影響を及ぼしていないと考えられる。
以上のような燃料噴射装置1のニードル弁4の弁挙動について、図7を参照しつつ、従来例との比較において説明する。図7中、符号(1)〜(4)は、図5に示した(1)〜(4)に示した状態に対応する時間を示している。図7中、二点鎖線で示した従来例1は固定コアとアーマチャとの接触面積を大きくした燃料噴射装置におけるニードル弁の弁挙動を示すものである。固定コアとアーマチャとの接触面積が大きいと、(3)で示した開弁時付近で弁のバウンスは見られないが、その一方で、コイルの駆動信号がOFFとされてからの弁応答性が悪い。これに対し、図7中、一点鎖線で示した従来例2は固定コアとアーマチャとの接触面積を小さくした燃料噴射装置におけるニードル弁の弁挙動を示すものである。固定コアとアーマチャとの接触面積が小さいと、コイルの駆動信号をOFFとしてからの弁応答性は良好であるが、(3)で示した開弁時付近で弁のバウンスが観測されている。これらの従来例に対し、図7中、実線で示した本発明の燃料噴射装置1の弁挙動は、(3)で示した開弁時付近で弁のバウンスが観測されることもなく、また、コイルの駆動信号をOFFとしてからの弁応答性も良好である。すなわち、本発明の燃料噴射装置1によれば、開弁バウンスの抑制と良好な閉弁応答性が確保されたことを確認することができた。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、図8に示したように、アーマチャ5に孔5cを穿設したり、図9に示すように移動子9に縦溝9cを設けたりして凹部8の内外を連通させる通路を形成した構成とすることができる。本発明の燃料噴射装置1では、移動子9の先端側端面10と凹部8の底面であるアーマチャ側第二対向面5bとの間に生じるスクイーズ効果を利用するものであるが、このスクイーズ効果を利用するためには、凹部8内に燃料が存在していることが必要となる。前記実施例では、係止部8aと小径筒状部9aとの間から弁ボディ2内の燃料が凹部8内に入り込むことができ、これにより凹部8内に燃料が存在する。このため前記実施例の構成であってもスクイーズ効果を得ることができるが、孔5cや縦溝9cを設けて凹部8の内外を連通させれば燃料が確実に凹部8内に入り込み、確実にスクイーズ効果を得ることができる。
また、係止部8aを設けない構成とすることもできる。
また、係止部8aを設けない構成とすることもできる。
1 燃料噴射装置
2 弁ボディ
2a 噴射孔
3 固定コア
3a 固定コア側対向面
4 ニードル弁
5 アーマチャ
5a アーマチャ側第一対向面
5b アーマチャ側第二対向面
5c 孔
6 コイル
7 スプリング
8 凹部
8a 係止部
9 移動子
9a 小径筒状部
9b 肩部
9c 縦溝
10 先端側端面
11 基端側端面
2 弁ボディ
2a 噴射孔
3 固定コア
3a 固定コア側対向面
4 ニードル弁
5 アーマチャ
5a アーマチャ側第一対向面
5b アーマチャ側第二対向面
5c 孔
6 コイル
7 スプリング
8 凹部
8a 係止部
9 移動子
9a 小径筒状部
9b 肩部
9c 縦溝
10 先端側端面
11 基端側端面
Claims (4)
- 噴射孔が形成された弁ボディと、
当該弁ボディ内に装着された固定コアと、
前記弁ボディ内の前記固定コアよりも先端側に往復移動可能に収容されると共に、先端側に前記噴射孔の開閉を行うニードル弁を備えたアーマチャと、
通電状態によって当該アーマチャを前記固定コアに対して接近及び離間させるコイルと、
前記ニードル弁が閉弁状態となるように前記アーマチャを押圧するアーマチャ押圧手段とを有する燃料噴射装置において、
前記固定コアの先端側端面を固定コア側対向面とし、
前記アーマチャには、前記固定コア側対向面と対向するアーマチャ側第一対向面、及び、当該アーマチャ側第一対向面よりも先端側に位置するアーマチャ側第二対向面とが形成され、
当該アーマチャ側第二対向面と固定コア側対向面との間で前記アーマチャとは別個に往復移動する磁性体からなる移動子を備え、
当該移動子の先端側端面が前記アーマチャ側第二対向面と密着すると共に基端側端面が前記固定コア側対向面と密着した状態で、当該固定コア側対向面と前記アーマチャ側第一対向面との間に隙間が形成されることを特徴とした燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記アーマチャの基端側に凹部を設け、当該凹部の底面を前記アーマチャ側第二対向面としたことを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項2記載の燃料噴射装置において、
前記移動子の基端側に小径筒状部及び当該小径筒状部に連続する肩部を形成すると共に、
前記凹部の開口端部に前記肩部が係止する係止部を形成したことを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項2又は3記載の燃料噴射装置において、
前記アーマチャ及び/又は前記移動子に、前記凹部の内外を連通させる通路を形成したことを特徴とする燃料噴射装置。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2006316653A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014025419A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 電磁式燃料噴射弁 |
-
2005
- 2005-05-11 JP JP2005138193A patent/JP2006316653A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014025419A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 電磁式燃料噴射弁 |
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