JP2006312948A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した回転摩擦トルクを得ることができるボールジョイントを提供する。
【解決手段】ボールシート4のソケット3の内室21の赤道に対応する位置よりも下側の外周部に、ボールシート4を内室21に圧入した状態で内室21に圧接して変形するとともに、ボールシート4の外周面部45の上側部分と内室21の内周面部31との間に隙間を形成する縦リブ部を設ける。ソケット3のかしめ変形時のボールシート4の縦方向変形により隙間が縮小し、内室21の寸法公差とボールシート4の外周面部45との寸法公差を吸収する。ボールシート4の摺動面41のボール部15への圧接の程度を容易に設定してばらつきを抑制し、安定したボールジョイント1の回転摩擦トルクを得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ボールシート4のソケット3の内室21の赤道に対応する位置よりも下側の外周部に、ボールシート4を内室21に圧入した状態で内室21に圧接して変形するとともに、ボールシート4の外周面部45の上側部分と内室21の内周面部31との間に隙間を形成する縦リブ部を設ける。ソケット3のかしめ変形時のボールシート4の縦方向変形により隙間が縮小し、内室21の寸法公差とボールシート4の外周面部45との寸法公差を吸収する。ボールシート4の摺動面41のボール部15への圧接の程度を容易に設定してばらつきを抑制し、安定したボールジョイント1の回転摩擦トルクを得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ソケットの内室に収容されるベアリングシートを備えたボールジョイントに関する。
従来、例えば、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるボールジョイントは、略有底円筒状のソケットの内室に、ボールスタッドのボール部を回動可能に収容したベアリングシートとしてのボールシートが保持されて構成されている。そして、このようなボールジョイントは、ボールスタッドのボール部を保持したボールシートをソケットの内室に圧入した後、ソケットをかしめ変形することで製造される(例えば、特許文献1参照。)。
実開平5−42741号公報(第4頁、図1)
ボールスタッドに適正な回転摩擦トルクを与えるためには、ボールシートの摺動面のボール部への圧接の程度を所定値に調整する。そして、この圧接の程度は、ボールシートをソケットの内室へ圧入する際の締め代及びソケットのかしめ圧によって設定される。
しかしながら、ソケット及びボールシートの寸法にはばらつきがあり、この寸法のばらつきによって締め代がばらつくので、上述のようなボールジョイントでは、ボールスタッドの回転摩擦トルクのばらつきを所定範囲内とすることが容易でなく、回転摩擦トルクが過剰に高くなったり低くなったりするおそれがあるという問題点を有している。
また、上記のような締め代のばらつきを抑制するために、ボールシートの摺動面のボール部の赤道に対応する位置に単なる凹溝状の逃がし部を設ける構成も考えられるが、回転摩擦トルクはソケットのかしめ圧にも依存するため、回転摩擦トルクのばらつきを抑制する効果が充分であるとはいえない。
さらには、回転摩擦トルクのばらつきを抑制するために各部品の寸法精度を上げると、製造コストが増加するという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、安定した回転摩擦トルクを得ることができるボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントは、内室及びこの内室に連通する開口部を備えた略有底円筒状のソケットと、略球面状の摺動面、及び、この摺動面に連続して一端に開口形成された開口を備え、前記開口が前記開口部と連通するように前記ソケットの前記内室に圧入され、かつ、前記ソケットの前記開口部側のかしめ変形により変形してこのソケットの前記内室に保持される略筒状のベアリングシートと、このベアリングシートの前記摺動面に回動可能に保持される略球状のボール部を備えたボールスタッドとを具備し、前記ベアリングシートは、前記内室の赤道に対応する位置よりも前記開口と反対側である他端側の外周部に突設され、前記ベアリングシートが前記ソケットの内室に圧入された状態で、前記内室の側面に圧接されて変形するとともに、前記ソケットの開口部側のかしめ変形による前記ベアリングシートの変形にて縮小される隙間を前記ベアリングシートの外周部の前記開口側と前記内室との間に形成する外周圧接部を備えているものである。
そして、ベアリングシートのソケットの内室の赤道に対応する位置よりも開口と反対側である他端側の外周部に、ベアリングシートがソケットの内室に圧入された状態で内室に圧接されて変形するとともに、ベアリングシートの外周部の開口側とソケットの内室との間に隙間を形成する外周圧接部を突設することで、ソケットのかしめ変形時のベアリングシートの変形によりこの隙間が縮小されてソケットの内室とベアリングシートの外周部との寸法公差が吸収され、ベアリングシートのボール部への圧接の程度が容易に設定されて、安定した回転摩擦トルクが得られる。
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ベアリングシートは、ソケットの内室に収容された状態でこの内室の側面に対向し、ボールスタッドのボール部の赤道に対応する位置よりも他端側に外周圧接部が突設された外周面部と、この外周面部よりも開口と反対側に設けられ、前記内室に収容された状態でこの内室の底面に対向する傾斜面部と、この傾斜面部に突設され、前記ソケットの開口部側のかしめ変形時に前記内室の前記底面に圧接されて変形する底面圧接部とを備えているものである。
そして、ソケットの内室の側面に対向しボールスタッドのボール部の赤道に対応する位置よりも他端側に外周圧接部が突設された外周面部のよりも開口と反対側に設けられた傾斜面部に、ソケットの開口部側のかしめ変形時に底面に圧接されて変形する底面圧接部を突設することにより、ソケットの内室及びベアリングシートの外周部のそれぞれの寸法公差が、底面圧接部の変形によってより確実に吸収され、回転摩擦トルクがより安定する。
請求項3記載のボールジョイントは、請求項1または2記載のボールジョイントにおいて、外周圧接部は、四角形状に複数に分割され、ベアリングシートの周方向に互いに離間されているものである。
そして、外周圧接部を複数に分割し、ベアリングシートの周方向に互いに離間することで、ベアリングシートをソケットの内室に圧入した際に、分割された互いの外周圧接部間にも余肉が逃げ、寸法公差がより確実に吸収されるので、回転摩擦トルクがより安定するとともに、分割された各外周圧接部を四角形状とすることで、ソケットの内室でのベアリングシートの保持力が向上する。
請求項1記載のボールジョイントによれば、ソケットのかしめ変形時のベアリングシートの変形により隙間が縮小されてソケットの内室の寸法公差及びベアリングシートの外周部の寸法公差を吸収でき、ベアリングシートのボール部への圧接の程度を容易に設定できて、安定した回転摩擦トルクを得ることができる。
請求項2記載のボールジョイントによれば、請求項1記載のボールジョイントの効果に加えて、ソケットの内室及びベアリングシートの外周部のそれぞれの寸法公差を、底面圧接部の変形によってより確実に吸収でき、回転摩擦トルクをより安定させることができる。
請求項3記載のボールジョイントによれば、請求項1または2記載のボールジョイントの効果に加えて、ベアリングシートをソケットの内室に圧入した際に、分割された互いの外周圧接部間にも余肉が逃げ、寸法公差をより確実に吸収できるので、回転摩擦トルクをより安定させることができるとともに、分割された各外周圧接部を四角形状とすることで、ソケットの内室でのベアリングシートの保持力を向上できる。
以下、本発明の一実施の形態のボールジョイントの構成を図1及び図2を参照して説明する。
図1において、1はボールジョイントで、このボールジョイント1は、例えば、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるものである。そして、このボールジョイント1は、鋼鉄製などのボールスタッド2、金属製などの略有底円筒状のソケット3、ベアリングシートとしての合成樹脂製などのボールシート4、及び、ゴムあるいは軟質合成樹脂などにて略円筒状に形成されたダストカバー5などを備えている。
なお、以下、便宜的に図1及び図2に示す上下方向を上下方向として説明する。
ボールスタッド2は、ボールシート4に回動可能に保持されたボール部15と、このボール部15から軸状に突設されたスタッド部16と、このスタッド部16のボール部15側の外周部に突設された鍔部17とを有している。
ボール部15は、ボールシート4に保持された状態でソケット3内に収容されている。また、スタッド部16は、ソケット3から軸状に突出している。
ソケット3は、例えばアルミニウムなどの部材を鋳造、あるいは鍛造して成形されたものであり、ボールシート4が嵌着される内室21を内部に備え、軸方向の一端部である上端部に内室21に連通する開口部22が開口形成され、この一端側の外周面にダストカバーが取り付けられ、かつ、軸方向の一端側の外周部に、中心軸側にかしめ変形されることでボールシート4を内室21に保持するかしめ保持部24が設けられる。
内室21は、開口部22側に位置する側面としての内周面部31が設けられるとともに、この内周面部31の開口部22と反対側すなわち下側に、底面としての底面部32が設けられている。
内周面部31は、ボールシート4の外周面が圧接される部分であり、円筒内面状に形成されている。そして、この内周面部31は、少なくともソケット3の内室21の赤道を含んで形成されている。
なお、ソケット3の内室21の赤道とは、ボールシート4に保持されたボール部15をソケット3の内室21内に収容した状態でのボール部15の赤道Eを含む平面と内室21との交差円環部をいい、ボール部15の赤道Eとは、ボールスタッド2をソケット3に対して直立状態とした際のボールスタッド2の中心軸に直交する平面上でボール部15の半径が最大となる位置をいう。
底面部32は、内周面部31に連続して設けられソケット3の中心軸側に傾斜した傾斜底面部34と、この傾斜底面部34の内周面部31と反対側すなわち下側に連続して設けられた内室底面部35とを有している。
傾斜底面部34は、内室21にボールシート4を圧入した状態でボールシート4の下部が圧接される部分である。
また、内室底面部35は、内室21内に保持されたボールシート4に対して離間されている。
そして、ボールシート4は、例えば可撓性を有するポリアセタールなどの合成樹脂を射出成形することにより、ソケット3の内室21に対応して下側が縮径した略円筒状に形成され、ボール部15を回動可能に保持する球面状の摺動面41が内部に設けられ、軸方向の一端側すなわち上側に摺動面41に連通する開口42が開口形成されているとともに、軸方向の他端側すなわち下側に摺動面41に連通する底部開口43が開口形成されている。
また、このボールシート4の外周部には、ソケット3のかしめ変形時にこのソケット3の内周面部31により保持される外周面部45と、底面部32により保持される傾斜面部46とが形成されている。さらに、このボールシート4の軸方向の上端部には、複数、例えば4つのスリット48が切り込み形成されている。
摺動面41は、図1及び図2に示すように、開口42側に位置した開口側摺動面部51と、この開口側摺動面部51の開口42と反対側すなわち下側に連続して形成された逃がし部52と、この逃がし部52の開口側摺動面部51と反対側すなわち下側に連続して形成された底部開口側摺動面部53とを有し、開口側摺動面部51と底部開口側摺動面部53とがボールスタッド2のボール部15の外周形状に沿った球面凹状に形成されている。
開口側摺動面部51は、ボール部15の外径寸法よりも小さい内径寸法を有している。すなわち、開口側摺動面部51は、ボール部15に対して締め代が与えられている。このため、この開口側摺動面部51は、かしめ保持部24のかしめ変形時にボール部15の赤道Eよりもスタッド部16側すなわち上側の外周面に圧接される部分となる。
逃がし部52は、摺動面41の赤道を含む部分に円環帯状に形成されており、ボール部15を保持したボールシート4をソケット3の内室21に保持した状態でボール部15との間に若干の隙間部55を形成する。ここで、この逃がし部52は、必ずしも必要なものではない。
なお、摺動面41の赤道とは、ボールシート4をソケット3内に保持した状態でのボール部15の赤道Eを含む平面と摺動面41との交差円環部をいう。
底部開口側摺動面部53は、ボール部15の赤道Eよりもスタッド部16と反対側すなわち下側を保持する部分であり、この底部開口側摺動面部53には、図示しない潤滑剤を保持する球面凹状のディンプル57が複数設けられている。これらディンプル57は、例えば周方向及びボールシート4の軸方向に平行な方向すなわち上下方向に互いに離間されて設けられている。
なお、これらディンプル57は、例えば放射状の油溝としたり、凸型の突起、あるいは、平面状の突起などとしたりすることもできる。
開口42は、開口部22に連通し、ボールスタッド2のスタッド部16が挿通される部分である。
底部開口43は、ソケット3の内室底面部35に対向し、ソケット3の底面部32とボールスタッド2のボール部15の外周面との間に図示しない潤滑剤を保持するものである。
外周面部45は、ボールシート4をソケット3の内室21に収容した状態で内周面部31に対向する部分であり、この内周面部31の内径寸法よりも小さい外径寸法を有している。また、この外周面部45の、内室21の赤道に対応する位置よりも下側には、外周圧接部としての縦リブ部61が径方向に突設され、この縦リブ部61部分の外径寸法が、ソケット3の内室21の内周面部31の内径寸法よりも大きく設定されている。このため、縦リブ部61は、ボールシート4をソケット3の内室21に圧入する際に内周面部31に圧接されて変形し、図3に示すように、ソケット3の内室21の内周面部31とボールシート4の外周面部45の図2に示す開口42側である図3上側の部分との間に隙間Gを形成する。この隙間Gは、ソケット3の図2に示す開口部22側をかしめ変形する際にボールシート4の図2に示す開口42側部分の縦方向すなわち軸方向への変形により縮小される。なお、本実施の形態では、隙間Gの略全てが潰れるように縮小されているが、ボールシート4の外周面部41とソケット3の内室21との寸法公差によっては、隙間Gが多少残ることもある。
また、この縦リブ部61は、図2に示すように、複数の長径部61aに分割されている。これら長径部61aは、ボールシート4の周方向に沿う面を有する四角形状に形成され、ボールシート4の周方向に互いに離間されている。このため、各長径部61aの間には、上下方向に沿って溝部61bがそれぞれ形成されている。そして、各縦リブ部61は、ボールシート4の周方向に対して、溝部61bよりも幅広に形成されている。
傾斜面部46は、図1及び図2に示すように、ボールシート4をソケット3の内室21に収容した状態で底面部32の傾斜底面部34に対向する部分であり、外周面部45側に円環状の円環溝部62が形成されているとともに、この円環溝部62の下側に複数の底面圧接部としての底面リブ部63がそれぞれ突設されている。
円環溝部62は、溝底部となる上端部が断面視で円弧状に形成されているとともに、外周面部45側の縁部がリップ部64となっている。このリップ部64は、先端側が中心軸側に傾斜し、かつ、先端部が断面視凸弧状に形成されており、ボールシート4の射出成形時の金型からの離型性が向上されるようになっている。
また、各底面リブ部63は、ボールシート4をソケット3の内室21に圧入した状態で内室21の傾斜底面部34にそれぞれ圧接されて変形する部分であり、傾斜面部46の傾斜方向に沿って長尺状に形成され、ボールシート4の周方向に互いに離間されている。
各スリット48は、開口42から底部開口側摺動面部53の位置まで上下方向に沿って切り込み形成され、それぞれのスリット48は、ボールシート4の周方向に略等間隔に離間されている。なお、これらスリット48は、設ける個数を任意に設定でき、また、設けない構成とすることもできる。
ダストカバー5は、ブーツとも呼ばれ、ソケット3の内室21内への塵埃などの侵入を防止するものである。そして、このダストカバー5は、弾性変形可能な、たとえばゴム、あるいは軟質の合成樹脂などにて形成された略円筒状のカバー本体71を備え、このカバー本体71の軸方向の一端に、鍔部17のボール部15側に当接する鍔部当接部72が設けられ、また、カバー本体71の軸方向の他端に、ソケット3の外周面に当接するソケット当接部73が設けられている。
次に、上記一実施の形態の組み立て動作を説明する。
まず、ボールスタッド2のボール部15に潤滑剤を塗布し、このボール部15をボールシート4内に圧入する。
このとき、ボールシート4の底部開口側摺動面部53は、ボール部15の外周面を保持し、ボールシート4の逃がし部52は、ボール部15の外周面に当接せず、ボール部15の外周面との間に若干の隙間部55を形成する。
そして、ボール部15を保持したボールシート4を、ソケット3の内室21に圧入する。
このとき、縦リブ部61の各長径部61aの余肉がこれら長径部61a間の溝部61b、あるいは上下方向に逃げるように変形しつつ各長径部61aが内室21の内周面部31に圧接され、ボールシート4の外周面部45の開口42側部分とソケット3の内室21の内周面部31との間に、図3に示す隙間Gが形成される。
この状態で、ソケット3の外周面の上端部を中心軸側にかしめ変形してかしめ保持部24を形成することで、ボールシート4の開口42側部分が縦方向に変形し、隙間Gが縮小され、例えばボールシート4の外周面部45全体がソケット3の内周面部31と密着するとともに、ボールシート4の各底面リブ部63の余肉が、これら各底面リブ部63間に逃げるように変形しつつ各底面リブ部63が内室21の底面部32の傾斜底面部34に圧接され、摺動面41の開口42側部分がボール部15にプレロードを与える。
そして、ボールシート4がボール部15の中心側にさらに締め付けられてボール部15が抜け止め保持されるとともに、これらボールシート4及びボールスタッド2がソケット3に対して抜け止め保持される。
このように、上記一実施の形態によれば、ボールシート4のソケット3の内室21の赤道に対応する位置よりも下側の外周部に、ボールシート4が内室21に圧入された状態で内室21に圧接されて変形するとともに、ボールシート4の外周面部45の上側と内室21の内周面部31との間に隙間Gを形成する縦リブ部61を突設することで、ソケット3のかしめ変形時のボールシート4の変形によりこの隙間Gが縮小されて内室21とボールシート4の外周面部45との寸法公差が吸収され、ボールシート4の摺動面41のボール部15への圧接の程度が容易に設定されてばらつきが抑制され、安定したボールジョイント1の回転摩擦トルクを得ることができるとともに、ボールジョイント1の使用寿命を向上できる。
特に、ソケット3をアルミニウムなどの鋳造によって成形するボールジョイントにおいては、ソケット3の内室21などの寸法公差のばらつきが比較的大きくなるため、上述のようにボールシート4側で寸法公差のばらつきを吸収することで、所定の回転摩擦トルクを確実に得ることができる。
また、ボールシート4の開口42側にスリット48を複数設けることにより、ボールシート4の開口42側の屈曲性が向上するため、かしめ保持部24を形成する際に開口側摺動面部51がボール部15に均一に圧接され、ボールジョイント1の使用寿命をより向上できる。
さらに、内室21の赤道よりも下側に縦リブ部61を突設した外周面部45の下側に連続した傾斜面部46に底面リブ部63をそれぞれ突設することにより、ソケット3の内室21とボールシート4の外周面部45との寸法公差が、各底面リブ部63が底面部32に圧接されて変形することで、より確実に吸収され、ボールジョイント1の回転摩擦トルクをより安定させることができる。
しかも、縦リブ部61を複数の長径部61aに分割し、これら長径部61aを周方向に互いに離間することで、ボールシート4をソケット3の内室21に圧入した際に、これら長径部61a間の溝部61bにも余肉が逃げ、寸法公差をより確実に吸収できるので、ボールジョイント1の回転摩擦トルクをより安定させることができるとともに、縦リブ部61のそれぞれを四角形状とすることにより、例えば各長径部をリブ状とする場合などと比較して、内室21の内周面部31と各長径部61aとの接触面積を確保し、内室21でのボールシート4の保持力を向上できる。
そして、底部開口側摺動面部53に複数のディンプル57を設けることにより、ボール部15の摺動性をより向上できる。
なお、上記一実施の形態において、縦リブ部61の各長径部61aは、上記以外の形状とすることも可能である。同様に、底面リブ部63も、他の様々な形状とすることができる。
また、ボールスタッド2のスタッド部16及び鍔部17などの形状、あるいは、ダストカバー5の形状などは、それぞれ任意に設定できる。
1 ボールジョイント
2 ボールスタッド
3 ソケット
4 ベアリングシートとしてのボールシート
15 ボール部
21 内室
22 開口部
41 摺動面
42 開口
45 外周面部
46 傾斜面部
61 外周圧接部としての縦リブ部
63 底面圧接部としての底面リブ部
G 隙間
2 ボールスタッド
3 ソケット
4 ベアリングシートとしてのボールシート
15 ボール部
21 内室
22 開口部
41 摺動面
42 開口
45 外周面部
46 傾斜面部
61 外周圧接部としての縦リブ部
63 底面圧接部としての底面リブ部
G 隙間
Claims (3)
- 内室及びこの内室に連通する開口部を備えた略有底円筒状のソケットと、
略球面状の摺動面、及び、この摺動面に連続して一端に開口形成された開口を備え、前記開口が前記開口部と連通するように前記ソケットの前記内室に圧入され、かつ、前記ソケットの前記開口部側のかしめ変形により変形してこのソケットの前記内室に保持される略筒状のベアリングシートと、
このベアリングシートの前記摺動面に回動可能に保持される略球状のボール部を備えたボールスタッドとを具備し、
前記ベアリングシートは、前記内室の赤道に対応する位置よりも前記開口と反対側である他端側の外周部に突設され、前記ベアリングシートが前記ソケットの内室に圧入された状態で、前記内室の側面に圧接されて変形するとともに、前記ソケットの開口部側のかしめ変形による前記ベアリングシートの変形にて縮小される隙間を前記ベアリングシートの外周部の前記開口側と前記内室との間に形成する外周圧接部を備えている
ことを特徴としたボールジョイント。 - ベアリングシートは、
ソケットの内室に収容された状態でこの内室の側面に対向し、ボールスタッドのボール部の赤道に対応する位置よりも他端側に外周圧接部が突設された外周面部と、
この外周面部よりも開口と反対側に設けられ、前記内室に収容された状態でこの内室の底面に対向する傾斜面部と、
この傾斜面部に突設され、前記ソケットの開口部側のかしめ変形時に前記内室の前記底面に圧接されて変形する底面圧接部とを備えている
ことを特徴とした請求項1記載のボールジョイント。 - 外周圧接部は、四角形状に複数に分割され、ベアリングシートの周方向に互いに離間されている
ことを特徴とした請求項1または2記載のボールジョイント。
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