JP2006305658A - ロボットフィンガ - Google Patents
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Abstract
【課題】フィンガに複雑な動きをさせるために、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布を検出することが可能なロボットフィンガを提供する。
【解決手段】末節2の骨格部材12の先端に円柱面12aを形成し、この円柱面12aに分布型触覚センサ14を設けているので、この円柱面12aでの圧力分布や接触中心等を検出することができ、この圧力分布や接触中心等に基づいて、末節2の先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識しつつ、ロボットフィンガ1の制御を行うことが可能になり、ロボットフィンガ1により小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操ることも可能になる。
【選択図】図1
【解決手段】末節2の骨格部材12の先端に円柱面12aを形成し、この円柱面12aに分布型触覚センサ14を設けているので、この円柱面12aでの圧力分布や接触中心等を検出することができ、この圧力分布や接触中心等に基づいて、末節2の先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識しつつ、ロボットフィンガ1の制御を行うことが可能になり、ロボットフィンガ1により小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操ることも可能になる。
【選択図】図1
Description
本発明は、分布型触覚センサを有するロボットフィンガに関する。
この種の従来の装置としては、例えば特許文献1及び2に記載のものがある。特許文献1では、ロボットハンドの手の平や各フィンガに圧力分布を検出するための感圧部を設け、ロボットハンドの複数箇所に作用した負荷を検出している。感圧部は、1枚のフィルム上に形成されており、このフィルムを手の平やフィンガの各関節間(フィンガの胴部)に巻き付けて、手の平やフィンガの各関節間に作用した負荷を検出している。
また、特許文献2では、フィンガの先端部に第1感圧センサを設け、フィンガの腹部に第2感圧センサを設け、フィンガの先端部に対する対象物の当接を第1感圧センサにより検出して、対象物への接近動作を制御し、フィンガの腹部による対象物の把持力を第2感圧センサにより検出して、この把持力を制御している。これによりフィンガそのものや対象物を破壊することなく、フィンガにより対象物を適確に把持することができる。
特開2004−330370号公報
特開平8−300289号公報
ところで、ロボットハンドに人間の手と同じような複雑な動きをさせて、ロボットハンドにより対象物を操るには、対象物に触れる可能性のあるロボットハンドの複数箇所にそれぞれの感圧部を設けて、これらの感圧部により該各箇所に作用した負荷を検出する必要がある。特に、ロボットハンドにより小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操る場合には、ロボットハンドのフィンガの先端部を対象物に接触させ、このフィンガの先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識しつつ、フィンガの制御を行う必要があり、その様な認識のためにフィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布や接触中心を検出する必要がある。
しかしながら、特許文献1では、フィンガの各関節間(フィンガの胴部)に感圧部を設けていても、フィンガの先端部に感圧部を設けてはいないため、フィンガの先端部の圧力分布を検出することができず、フィンガの先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識することもできず、ロボットハンドにより小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操ることが極めて困難であった。仮に、フィンガの各関節間の圧力分布のみに基づいて、その様な対象物の操り作業を行うならば、フィンガの先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識することができないので、操り作業が不正確になったり、あるいはフィンガの関節の回転角度範囲が極めて制限されてしまい、使用用途が厳しく限定される。
また、特許文献2では、フィンガの先端部に第1感圧センサを設けていることから、この第1感圧センサによりフィンガの先端部に対する対象物の当接を検出することができるものの、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布や接触中心を検出するまでには至っていない。このため、小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操るときに、フィンガの先端部を対象物に接触させても、フィンガの先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を正確に認識することができず、使用用途が厳しく限定される。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布を検出することが可能なロボットフィンガを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、フィンガの骨格部材を関節軸で支持しており、この骨格部材表面に分布型触覚センサを設けたロボットフィンガにおいて、フィンガの骨格部材の先端部に第1曲面を形成し、この第1曲面に分布型触覚センサを設けている。
また、本発明においては、フィンガの骨格部材は、該フィンガの長手方向の軸周りに形成された第2曲面を有しており、この第2曲面に分布型触覚センサを設けている。
更に、本発明においては、フィンガの骨格部材が柔軟層で覆われており、少なくとも分布型触覚センサの検出範囲で柔軟層の厚みが均一である。
また、本発明においては、第1曲面は、円柱面である。そして、第1曲面である円柱面の中心軸は、骨格部材の関節軸と略平行である。
更に、本発明においては、第2曲面は、円柱面である。そして、第2曲面である円柱面の中心軸は、骨格部材の関節軸と略直交する。
また、本発明においては、第1曲面の分布型触覚センサは、第2曲面の分布型触覚センサよりもフィンガの長手方向の軸側に配置されている。
更に、本発明においては、第1曲面の分布型触覚センサ及び第2曲面の分布型触覚センサは、1枚のフレキシブル基板上に形成されており、このフレキシブル基板が第1及び第2曲面を覆っている。
本発明のロボットフィンガによれば、フィンガの骨格部材の先端部の第1曲面に分布型触覚センサを設けている。このため、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布、及びフィンガの先端部での接触中心等を検出することができ、この先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布及び接触中心等に基づいて、フィンガの先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識しつつ、フィンガの制御を行うことが可能になり、フィンガにより小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操ることも可能になる。
また、フィンガの先端部が第1曲面であるため、フィンガの関節軸が回転して、対象物に対するフィンガの先端部の角度が変化しても、この角度が一定角度範囲で変化する限りは、フィンガの先端部の第1曲面と対象物との間の接触状態を略一定に維持することができる。そして、この第1曲面に分布型触覚センサを設けていることから、対象物に対するフィンガの先端部の角度が一定角度範囲で変化する限りは、この第1曲面の分布型触覚センサが対象物に接触し続けることになり、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布、及びフィンガの先端部での接触中心等を検出することができる。特に、対象物の表面が平面である場合は、対象物の表面と分布型触覚センサ間の接触面積が広がるので、圧力分布、接触状態、及び接触中心等の検出精度が向上する。
すなわち、フィンガの関節軸の回転角度が一定角度範囲で変化する限りは、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布及び接触中心等を知ることができる。このため、先に述べた様なフィンガによる対象物の操り作業が容易になる。
仮に、フィンガの先端部が平面であって、この平面に分布型触覚センサを設けた場合は、対象物に対するフィンガの先端部の角度が一定の角度であるときにだけ、フィンガの先端部の平面が対象物に接触する。従って、フィンガの関節軸が特定の回転角度になったときにだけ、フィンガの先端部での圧力分布もしくは接触状態の分布及び接触中心を検出することが可能になる。このことは、フィンガの制御に大きな制約を与えるので、対象物の操り作業が非常に困難になる。
また、フィンガの骨格部材が該フィンガの長手方向の軸周りに形成された第2曲面を有しており、この第2曲面に分布型触覚センサを設けている。このフィンガの長手方向の軸周りの第2曲面は、フィンガの腹部表面に相当するので、このフィンガの腹部表面に分布型触覚センサを設けることになる。この場合は、フィンガの先端部だけではなく、腹部でも圧力分布もしくは接触状態の分布及び接触中心等の検出が可能となり、制御可能なフィンガの関節軸の角度範囲が広がる。また、フィンガにより対象物を把持したときには、フィンガの腹部の分布型触覚センサにより把持力を検出して、この把持力を制御することができる。
更に、フィンガの骨格部材を柔軟層で覆っているので、フィンガの外側を滑らかな曲面を描く形状とすることができ、フィンガを保護したり、フィンガを人間の手の指の形状に近付けたり、フィンガによる対象物の把持を容易にすることができる。そして、少なくとも分布型触覚センサの検出範囲で該柔軟層の厚みを均一にしているので、柔軟層の厚みのバラツキが原因となって、分布型触覚センサの検出感度にバラツキが生じることはなく、分布型触覚センサの検出誤差を生じることもない。
また、第1曲面が円柱面であり、より好ましくは、第1曲面である円柱面の中心軸が骨格部材の関節軸と略平行である。この場合は、フィンガの関節軸が回転して、対象物に対するフィンガの先端部の角度が変化しても、対象物に対してフィンガの先端部の円柱面が平行移動するだけであるから、両者間の接触状態を略一定に保つことができる。従って、フィンガの先端部の分布型触覚センサによる対象物の検出状態も殆ど変化せず、対象物に対するフィンガの先端部の角度変化が原因となって、分布型触覚センサの検出誤差を生じることはない。
更に、第2曲面が円柱面であり、より好ましくは、第2曲面である円柱面の中心軸が骨格部材の関節軸と略直交する。この場合は、フィンガの関節軸が回転すると、骨格部材の円柱面が関節軸と直交する方向に回転移動するので、フィンガの制御が容易になる。また、骨格部材を覆う柔軟層表面を滑らかな曲面とすることが容易になる。
また、第1曲面の分布型触覚センサは、第2曲面の分布型触覚センサよりもフィンガの長手方向の軸側に配置されているので、第1曲面と第2曲面が滑らかにつながり易く、第1曲面と第2曲面間での分布型触覚センサの検出感度の低下を防止することができる。
更に、第1曲面の分布型触覚センサ及び第2曲面の分布型触覚センサは、1枚のフレキシブル基板上に形成されており、このフレキシブル基板が第1及び第2曲面を覆っているので、構成の簡単化、部品点数の低減、及び製造工程の簡略化等を実現することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明のロボットフィンガの実施形態1を該ロボットフィンガの腹側から見て示す斜視図である。本実施形態のロボットフィンガ1は、フィンガの先端側の末節2と、フィンガの中節3とを備え、末節2を関節(図示せず)を介して中節3に連結し、中節3を他の関節(図示せず)を介して他の中節(図示せず)又はロボットハンドの手の平部に連結したものである。末節2及び中節3等を各関節周りで回転させて、このロボットフィンガ1を屈伸動作させる。
[実施形態1]
図1は、本発明のロボットフィンガの実施形態1を該ロボットフィンガの腹側から見て示す斜視図である。本実施形態のロボットフィンガ1は、フィンガの先端側の末節2と、フィンガの中節3とを備え、末節2を関節(図示せず)を介して中節3に連結し、中節3を他の関節(図示せず)を介して他の中節(図示せず)又はロボットハンドの手の平部に連結したものである。末節2及び中節3等を各関節周りで回転させて、このロボットフィンガ1を屈伸動作させる。
尚、ロボットフィンガ1の駆動機構として、プーリとワイヤーを組み合わせたものやギヤを組み合わせたもの等、多種多様なものが提案されているので、これらの駆動機構を適宜に適用すれば良い。
このロボットフィンガ1の末節2は、該末節2の胴部となる円柱状(又は円筒状)の骨格部材11と、該末節2の先端部となる骨格部材12とを備えている。
骨格部材11は、フィンガの中央を通る長手方向の軸A2を中心軸とする円柱面11aを有する。この骨格部材11の円柱面11aの中心軸A2は、末節2と中節3とを連結する関節軸A1と直交している。
また、骨格部材12は、骨格部材11の先端面に固定されており、末節2と中節3とを連結する関節軸A1に対して平行な軸A3を中心軸とする円柱面12aを有する。
従って、骨格部材11の円柱面11aの中心軸A2と骨格部材12の円柱面12aの中心軸A3は、直交している。
骨格部材11の円柱面11aには、分布型触覚センサ13の基材であるフレキシブル基板21が巻き付けられて貼り付けられている。また、骨格部材12の円柱面12aには、分布型触覚センサ14の基材であるフレキシブル基板21が貼り付けられている。
柔軟層15は、フィンガの腹部、側部、甲部、及び先端部を覆っており、その外側を滑らかな曲面を描く形状とされている。この柔軟層15は、各分布型触覚センサ13、14を保護したり、対象物の把持を容易にするために設けられている。
また、この柔軟層15は、少なくとも各分布型触覚センサ13、14の各感圧ゴム22の配置範囲で均一な厚みを有している。このため、各分布型触覚センサ13、14のいずれの箇所でも、柔軟層15の厚みのバラツキが原因となって、それらの検出感度に誤差が生じることはなく、正確な圧力分布検出が可能である.
更に、この柔軟層15内周面は、各分布型触覚センサ13、14の各感圧ゴム22に密着する形状とされている。これにより、フィンガの先端部に作用した荷重が柔軟層26を通じて各分布型触覚センサ13、14に確実に作用して検出される。
更に、この柔軟層15内周面は、各分布型触覚センサ13、14の各感圧ゴム22に密着する形状とされている。これにより、フィンガの先端部に作用した荷重が柔軟層26を通じて各分布型触覚センサ13、14に確実に作用して検出される。
各分布型触覚センサ13、14は、その基本構成が同様である。図2に示す様にフレキシブル基板21上に複数の触覚センサ23を行列方向に配列したものである。各触覚センサ23は、感圧ゴム22と、対向配置された2つの櫛歯電極24a、24bとをそれぞれ有している。
各触覚センサ23の列毎に、各櫛歯電極24aをフレキシブル基板21表側の信号線(図示せず)により共通接続して、各列の信号線を信号処理チップ(図示せず)に接続している。また、各触覚センサ23の行毎に、各櫛歯電極24bをフレキシブル基板21裏側の信号線(図示せず)により共通接続して、各行の信号線を信号処理チップに接続している。
各感圧ゴム22は、各櫛歯電極24a、24bに接触した状態でフレキシブル基板24表面に重ね合わせられ、少なくとも各櫛歯電極24a、24bを除く範囲でフレキシブル基板21表面に接着される。例えば、各感圧ゴム22別に、感圧ゴム22の周縁だけがフレキシブル基板21表面に接着される。
また、感圧ゴム22は、例えばシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴムや、ゴム弾性を示す熱可塑性エラストマー等の非導電性エラストマーの中に、金属粒子、カーボンブラック、黒鉛粒子等の導電性粒子を混合分散させてなる。この感圧ゴム22は、荷重により圧縮変形したり伸張変形すると、その変形箇所で各導電性粒子が接近もしくは接触して抵抗値が低下する。従って、抵抗値が低下した感圧ゴム22の箇所、及び該感圧ゴム22の抵抗値の低下変動分を検出すれば、いずれの箇所に、どの程度の荷重が作用したかを知ることができる。
信号処理チップは、各触覚センサ23別に、列の信号線及び行の信号線を通じて、触覚センサ23の各櫛歯電極24a、24b間で感圧ゴム22の抵抗値を検出する。例えば、各櫛歯電極24a、24bのどちらかと電圧印加部位との間に固定抵抗(図示せず)を接続しておき、各列の信号線を順次選択し、列の信号線を選択する度に、各行の信号線を順次選択し、選択された列の信号線の櫛歯電極24aと選択された行の信号線の櫛歯電極24b間に信号電圧を印加して、この間の印加電圧を感圧ゴム22と固定抵抗で分圧し、感圧ゴム22の抵抗値に対応する電圧を検出する。
そして、信号処理チップは、各触覚センサ23の箇所で感圧ゴム22の抵抗値に対応するそれぞれの電圧を検出すると、各電圧を2値信号に順次変換して、各電圧を示すそれぞれの2値信号を形成する。これらの2値信号は、骨格部材11の円柱面11a及び骨格部材12の円柱面12aのいずれの箇所に、どの程度の荷重が作用したかを示すものである。
更に、信号処理チップは、荷重が作用した各触覚センサ24の検出信号に基づいて、骨格部材11の円柱面11a及び骨格部材12の円柱面12aに対する圧力分布(又は接触状態の分布)を求めたり、各2値信号のラベリング処理により圧力分布の重心位置(接触中心)等を求め、これらの圧力分布や接触中心等を例えば外部のマイクロコンピュータ(図示せず)に出力する。
マイクロコンピュータは、骨格部材11の円柱面11a及び骨格部材12の円柱面12aに対する圧力分布や接触中心等を入力すると、これらの圧力分布や接触中心等に基づいて、ロボットフィンガ1を制御する。
この様な構成のロボットフィンガ1においては、末節2の骨格部材12の先端に円柱面12aを形成し、この円柱面12aに分布型触覚センサ14を設けているので、この円柱面12aでの圧力分布や接触中心等を検出することができ、この圧力分布や接触中心等に基づいて、末節2の先端部と対象物との間の接触状態や相対位置を認識しつつ、ロボットフィンガ1の制御を行うことが可能になる。この結果として、ロボットフィンガ1により小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操ることが可能になる。
また、末節2の関節軸が回転して、対象物に対する末節2の角度が変化しても、この角度が一定角度範囲で変化する限りは、末節2の先端部の円柱面12aと対象物との間の接触状態を略一定に維持することができる。そして、この円柱面12aに分布型触覚センサ14を設けていることから、対象物に対する末節2の角度が一定角度範囲で変化する限りは、この円柱面12aの分布型触覚センサ14が対象物に接触し続けることになり、末節2の先端部での圧力分布及び接触中心等を求めることができる。特に、対象物の表面が平面である場合は、対象物の表面と分布型触覚センサ14間の接触面積が広がるので、圧力分布及び接触中心等の検出精度が向上する。このため、ロボットフィンガ1の制御を正確に行うことが可能になり、ロボットフィンガ1により小さな対象物や細かな凹凸を有する対象物を操り作業がより容易になる。
仮に、末節2の先端部が平面であって、この平面に分布型触覚センサを設けた場合は、対象物に対する末節2の角度が一定の角度であるときにだけ、末節2の先端部の平面が対象物に接触する。従って、末節2の関節軸が特定の回転角度になったときにだけ、末節2の先端部での圧力分布及び接触中心等を求めることが可能になる。このことは、ロボットフィンガ1の制御にとって大きな制約となるので、対象物の操り作業が非常に困難になる。
また、骨格部材12の先端の円柱面12aの中心軸A3が末節2の関節軸A1に対して平行となっているため、末節2の関節軸A1が回転して、対象物に対する末節2の角度が変化しても、対象物に対して末節2の先端部の円柱面12aが平行移動するだけであり、末節2と対象物との間の接触状態を略一定に保つことができる。従って、末節2の先端部の分布型触覚センサ14による対象物の検出状態も殆ど変化せず、対象物に対する末節2の角度変化が原因となって、分布型触覚センサ14の検出誤差を生じることはない。
更に、末節2の胴部となる円筒状の骨格部材11に円柱面11aを形成し、この円柱面11aに分布型触覚センサ13を設けている。この末節2の胴部の円柱面11aは、末節2の腹部表面に相当する。このため、末節2の先端部だけではなく、腹部でも圧力分布及び接触中心の検出が可能になり、制御可能な末節2の関節軸の回転角度範囲が広がる。また、ロボットフィンガ1により対象物を把持したときには、末節2の腹部の分布型触覚センサ13により把持力を検出して、この把持力を制御することができる。
また、末節2の胴部の円柱面11aの中心軸A2が末節2の関節軸A1と略直交することから、末節2の関節軸A1が回転すると、末節2の胴部の円柱面11aが関節軸A1と直交する方向に回転移動することになり、ロボットフィンガ1の制御が容易になる。また、末節2の胴部を覆う柔軟層15表面を滑らかな曲面とすることが容易になる。
尚、感圧ゴム22の形状や配列等を適宜に変更しても構わない。また、各櫛歯電極24aや24bは必ずしも各列、各行毎に共通接続する必要は無く、櫛歯電極毎に独立した信号線で信号処理チップに接続しても良い。
[実施形態2]
図3は、本発明のロボットフィンガの実施形態2を該ロボットフィンガの甲側から見て示す斜視図である。また、図4は、本実施形態のロボットフィンガを指先側から見て示す正面図である。
[実施形態2]
図3は、本発明のロボットフィンガの実施形態2を該ロボットフィンガの甲側から見て示す斜視図である。また、図4は、本実施形態のロボットフィンガを指先側から見て示す正面図である。
本実施形態のロボットフィンガ31も、図1のロボットフィンガと同様に、フィンガの先端側の末節32を備えており、この末節32を関節(図示せず)を介して中節(図示せず)に連結し、この中節を他の関節(図示せず)を介して他の中節(図示せず)又はロボットハンドの手の部に連結したものである。末節32及び中節を各関節の部位で回転させて、このロボットフィンガ31を屈伸動作させる。
このロボットフィンガ31では、末節32の胴部となる骨格部材41が半円柱状(又は半円筒状)であり、末節32の先端部となる骨格部材42が骨格部材41の先側に固定されている。
骨格部材41外周の半円柱面41a及び側周平面41bには、分布型触覚センサ43の基材であるフレキシブル基板44が巻き付けられて貼り付けられている。このフレキシブル基板44は、側周平面41bで平面状に展開されており、この側周平面41bのフレキシブル基板44の平面状部分に信号処理チップ45が搭載されている。
また、骨格部材42の曲面42aには、分布型触覚センサ46の基材でもあるフレキシブル基板44が貼り付けられている。
フレキシブル基板44は、各分布型触覚センサ43、46に共通の1枚のものである。図5は、フレキシブル基板44を展開して示す平面図である。この図5に示す様に骨格部材41の半円柱面41a(フィンガの腹部表面)を覆うフレキシブル基板44の部分44aに分布型触覚センサ43を配置し、骨格部材42の曲面42a(フィンガの先端部表面)を覆うフレキシブル基板44の部分44bに分布型触覚センサ46を配置している。
フレキシブル基板44の部分44aを骨格部材41の円柱面41aに貼り付け、部分44aの一端側部分を骨格部材41の側周平面41bに貼り付ける。また、フレキシブル基板44の部分44bを側周平面41bから骨格部材42を乗り越える様にして骨格部材42の曲面42aに引き回して貼り付ける。
この様な1枚のフレキシブル基板44を用いれば、ロボットフィンガ31の組み立てが容易になり、部品点数の増加を抑え、ロボットフィンガ31の構造の単純化や小型化を図ることができる。
各分布型触覚センサ43、46は、その基本構成が図1の各分布型触覚センサ13、14と同様である。ただし、分布型触覚センサ43は、フィンガの長手方向に延びる帯状の各感圧ゴム22aを有している。
信号処理チップ45は、フレキシブル基板44の配線パターンを通じて、各分布型触覚センサ43、46に接続されており、分布型触覚センサ43の各感圧ゴム22aの抵抗値を検出したり、分布型触覚センサ46の各感圧ゴム22の抵抗値を検出し、骨格部材41の半円柱面41a及び骨格部材42の曲面42aに対する圧力分布(又は接触状態の分布)及び圧力分布の重心位置(接触中心)等を求め、これらの圧力分布や接触中心等を、このロボットフィンガ31を制御するマイクロコンピュータ(図示せず)に出力する。
この様な本実施形態では、骨格部材42が骨格部材41の側周平面41bよりもフィンガの甲部側(図3及び図4で上側)に突出している。従って、末節32の先端部の分布型触覚センサ46が末節32の胴部の分布型触覚センサ43よりも末節32の長手方向の軸側に位置する。このため、骨格部材42の曲面42aと骨格部材41の半円柱面41aが滑らかにつながり易く、曲面42aと半円柱面41aの境目付近での各分布型触覚センサ43、46の検出感度の低下を防止することができる。
本発明のロボットフィンガは、圧力分布検出や接触分布検出が必要なロボットハンドに使用することができる。
1、31 ロボットフィンガ
2、32 末節
3 中節
11、12、41、42 骨格部材
11a、12a 円柱面
13、14、43、46 分布型触覚センサ
15 柔軟層
21、44 フレキシブル基板
22 感圧ゴム
23 触覚センサ
24a、24b 櫛歯電極
45 信号処理チップ
A1、A2、A3 中心軸
2、32 末節
3 中節
11、12、41、42 骨格部材
11a、12a 円柱面
13、14、43、46 分布型触覚センサ
15 柔軟層
21、44 フレキシブル基板
22 感圧ゴム
23 触覚センサ
24a、24b 櫛歯電極
45 信号処理チップ
A1、A2、A3 中心軸
Claims (9)
- フィンガの骨格部材を関節軸で支持しており、この骨格部材表面に分布型触覚センサを設けたロボットフィンガにおいて、
フィンガの骨格部材の先端部に第1曲面を形成し、この第1曲面に分布型触覚センサを設けたことを特徴とするロボットフィンガ。 - フィンガの骨格部材は、該フィンガの長手方向の軸周りに形成された第2曲面を有しており、この第2曲面に分布型触覚センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載のロボットフィンガ。
- フィンガの骨格部材が柔軟層で覆われており、少なくも分布型触覚センサの検出範囲で柔軟層の厚みが均一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットフィンガ。
- 第1曲面は、円柱面であることを特徴とする請求項1に記載のロボットフィンガ。
- 第1曲面である円柱面の中心軸は、骨格部材の関節軸と略平行であることを特徴とする請求項4に記載のロボットフィンガ。
- 第2曲面は、円柱面であることを特徴とする請求項2に記載のロボットフィンガ。
- 第2曲面である円柱面の中心軸は、骨格部材の関節軸と略直交することを特徴とする請求項6に記載のロボットフィンガ。
- 第1曲面の分布型触覚センサは、第2曲面の分布型触覚センサよりもフィンガの長手方向の軸側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のロボットフィンガ。
- 第1曲面の分布型触覚センサ及び第2曲面の分布型触覚センサは、1枚のフレキシブル基板上に形成されており、このフレキシブル基板が第1及び第2曲面を覆うことを特徴とする請求項2に記載のロボットフィンガ。
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