JP2006301511A - 電子写真装置用ローラー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラーを提供する。
【選択図】 図2
Description
通常、ポリウレタンにおいても温度上昇に従い硬度などが低下する。また電子写真装置は、通常、屋内に設置されているものの、例えば、季節により使用環境温度が異なっている。加えて、電子写真装置は、通常、内部発熱が大きく、例えば、使用開始直後の室温状態から時間経過とともに内部温度が上昇し、例えば、40〜50℃に達したりする。
このようなことから、ポリウレタン弾性体が用いられた電子写真装置用ローラーも、温度変化により硬度などの特性値が変化し印刷精度を低下させてしまうおそれを有している。さらに、硬度の低下により耐磨耗性が低下するおそれも有している。
すなわち、ポリウレタン弾性体の温度上昇に伴う硬度の低下を抑制させることにより電子写真装置にこれらの問題が発生することを抑制し得る。しかし、先述の特許文献1においても、平均官能基数や分子量が所定の値のポリオールを用いることにより標準状態での硬度や研削性を調整することが記載されてはいるが、温度変化に対して、硬度の変化を抑制させることについては記載されていない。このように、従来、硬度の温度変化を抑制させることについては、何等検討が行われておらず、従って、その対応策についても確立されてはいない。
すなわち、従来の、ポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーにおいては、ポリウレタン弾性体の温度上昇に伴う硬度の低下を抑制させることが困難であるという問題を有している。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラーを提供する。
すなわち、電子写真装置用ローラーにこのようなポリウレタン弾性体を用いることで、温度上昇に伴う硬度の低下が抑制されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーを提供し得る。
図1は、本実施形態の現像ローラーを示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の現像ローラー1は、トナー8を担持して感光ドラム5に供給し得るように構成され、数mm〜十数mmの直径を有する芯金2と仕上がり外径十数mm〜数十mmの太さとなるように、該芯金2の外周に周設された基材層3と、トナー8等との摩擦によりトナー8を負帯電させ且つ負帯電したトナー8を担持すべく、この基材層3の表面に数μm〜数十μmの厚さに形成された表面層4を備えている。
前記カーボンブラックは、ポリウレタンの伸びを適度に低下させ、ポリウレタン弾性体を適度な硬度ならびに伸び特性とし得る点においてポリウレタン弾性体中に1〜10質量%配合されることが好ましい。カーボンブラックのポリウレタン弾性体への配合量が、1〜10質量%であることが好ましいのは、カーボンブラックが1質量%未満の時には、ポリウレタンの伸びの低減効果を得ることが困難で、10質量%を超えて配合された場合には、ポリウレタンが硬化する前のポリオールとポリイソシアネートとの混和物の状態での混和物粘度が高くなりすぎて、電子写真装置用ローラーの製造効率を低下させてしまうおそれがあるためである。
このような点において、ポリウレタン弾性体へのカーボンブラックの配合量は、3〜6質量%であることがさらに好ましい。
また、このカーボンブラックとしては、ポリオールとポリイソシアネートとの混和物の粘度上昇を抑制しつつポリウレタン弾性体の硬度ならびに伸びを調整することができ、少量で高い導電性を付与し得る点から、DBP吸油量60cm3/100g以下のものが好ましく、例えば、三菱化学社から商品名「#45」、「#45L」、「#85」、「MA8」、「MCF88」として市販のものや、旭カーボン社から商品名「旭#15」、「旭#35」、「アサヒサーマル」として市販のものや、新日化カーボン社から商品名「HTC#SL」、「HTC#20」として市販のものを挙げることができる。
なお、DBP吸油量60cm3/100g未満であることは、JIS K 6217に基づき測定することができる。
また、要すれば、旭ライオン株式会社より市販されている「ケッチェンブラック」、CABOT社の「VULCAN」などの他、一般にアセチレンブラックと称される高導電性カーボンブラックを用いることもできる。
また、この低分子量ポリオールの平均官能基数が2.0〜2.5とされるのは、平均官能基数が2未満の場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなり、しかも、ポリウレタン弾性体に未反応部分ができてタック性が生じてしまうためである。一方、平均官能基数が2.5を超えた場合には架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
また、この高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜3.0とされるのは、平均官能基数が2.2未満の場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなり、しかも、ポリウレタン弾性体に未反応部分ができてタック性が生じてしまうためである。一方、平均官能基数が3.0を超えた場合には架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
なお、このような点において高分子量ポリオールの平均官能基数は、2.2〜2.5であることが好ましい。
(数平均分子量の求め方)
数平均分子量(Mn)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)により、次の式により求められる。
Mn=(56100/OHv)・fn
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
(ポリオールの平均官能基数の求め方)
平均官能基数(F)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)とポリオールの総不飽和度(USV)(meq/g)により、次の式により求められる。
F=(OHv/56.1)/〔{(OHv/56.1)−USV}/fn+USV〕
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
一方、40/60よりも低分子量ポリオールが多く含有されると、ポリウレタン弾性体の架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
さらに、40/60よりも低分子量ポリオールが多く含有されると全体の官能基数が低下してポリウレタン弾性体の成形時に脱型性などに劣るものとなり、製造効率を低下させてしまうおそれがあるためである。
また、前記ポリウレタン弾性体中におけるポリオールとポリイソシアネートの配合割合は、通常、NCO/OH=0.7〜1.2とされる。
この芯金には、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属及びその合金や、これらに、溶融めっき、電解めっき、無電解めっきなどの手段によるめっきを施して用いることができ、より詳しくは、強度、耐久性に優れるステンレス鋼に、さらに導電性と基材層との密着性を高めるために無電解ニッケルめっきを施したものを用いることができる。
なお、現像ローラーに担持されるトナー8の層は、現像ローラー近傍に配された現像ブレード6によって均一な薄層とされる。
また、電子写真装置としても、これらの電子写真装置用ローラーを備えることにより、印刷精度に優れたものとなる。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
各実施例、比較例のポリオールを、表1に示す市販の高分子量ポリオールと、表2に示す市販の低分子量ポリオールとを用いて表3に示す配合比率でブレンドした。
次いで、このブレンドされたポリオールを80℃で12時間脱水し、ポリイソシアネート(メーカー名:住化バイエルウレタン社製、商品名「デスモジュールT−80」)をNCO/OH比が1.05となるよう加え、さらに、ポリオールとポリイソシアネートとの総量に対して、質量で100ppmとなるようにジブチルスズラウレートを加え混合攪拌した。
このポリオールとポリイソシアネートとが混合されたものを、直径8mmの芯金に、ポリウレタン弾性体が5mm強の厚さとなるように金型に流し込み、130℃×1時間の架橋を実施した後に、金型より取り出し、さらに80℃×12時間のアフターキュアを実施しロ外径18.5mmのーラー形状とした。
このローラー形状の試料を200rpmで回転させつつ、2000rpmで回転させたローラー砥石(ノリタケカンパニー社製「#GC80」)を表面に当接させてウレタン弾性体厚さが5mmとなるまで研磨を行い外径18.0mmの評価用ローラーを作製した。なお、試料とローラー砥石の回転方向は、当接位置での移動方向が同一方向となるように回転させた。
(硬度ならびに硬度温度変化率測定とその判定)
標準状態(23℃)と50℃における硬度とを、SRIS 0101 スプリング式アスカーC硬度計で測定した。
そして、標準状態の硬度の値を50℃における硬度の値で除して硬度温度変化率とした。
判定は、硬度温度変化率が1.2以上のものを「×」、1.2未満のものを「○」とした。また、通常、硬度70以上ものは、電子写真装置用ローラーに用いることが困難であることから、標準硬度が70以上のものを「×」、標準硬度が70未満のものを「○」として判定した。結果を表3に示す。
Claims (9)
- ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、
前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラー。 - 前記高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜2.5である請求項1に記載の電子写真装置用ローラー。
- 前記ポリウレタン弾性体には、カーボンブラックが1〜10質量%含有されている請求項1又は2に記載の電子写真装置用ローラー。
- 前記カーボンブラックのDBP吸油量が60cm3/100g以下である請求項3に記載の電子写真装置用ローラー。
- 芯金にポリウレタン弾性体が周設された電子写真装置用現像ローラーであって、
前記ポリウレタン弾性体がポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されてなり、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用現像ローラー。 - 前記高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜2.5である請求項5に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 前記ポリウレタン弾性体には、カーボンブラックが1〜10質量%含有されている請求項5又は6に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 前記カーボンブラックのDBP吸油量が60cm3/100g以下である請求項7に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 請求項5乃至8のいずれかに記載の電子写真装置用現像ローラーが用いられている電子写真装置。
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2005
- 2005-04-25 JP JP2005126557A patent/JP2006301511A/ja active Pending
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