JP2006298301A - 可動式収納ポケット - Google Patents
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Abstract
【課題】 可動ポケットを回動させることにより開閉させるとともに、取り外し可能な可動式収納ポケットを提供することを目的とする。
【解決手段】 ドアトリム1の車室内側にはヒンジピン11aが形成され、これに回動孔25aが係合することにより、可動ポケット2がドアトリム1に回動可能に取り付けられている。収容空間Sに物を容易に出し入れするために、可動ポケット2を開状態に向けて移動させると、開閉ロックピン23がドアトリム1に設けられた板バネ15を撓ませながら回動する。可動ポケット2を更に回動させると、ドアトリム1の当てリブ12が可動ポケット2の干渉点25cに当接して、これを中心として、取外しロックピン24が板バネ15を撓ませながら回動し、ヒンジピン11aと回動孔25aとの係合が解除され、可動ポケット2がドアトリム1から、その回動方向に取り外される。
【選択図】 図2
Description
ところで、車両ドア等に取り付けられた収納ポケットは、その内部の収容空間に埃等が溜まり、時々は取り外して埃等を除去する必要があった。また、車両の着座者が、不用意にポケット内に物を落とした場合も、ポケットを取り外さなければ物を回収できないことがあった。
上述した従来技術によるポケットは、ドアトリムから取り外す場合に、ポケットをほぼ閉じた状態で持ち上げ、支軸と支承部との係合を解除していた。従って、ドアトリムからの取り外し動作が、頻度の多いポケットの開閉動作とは異なり、操作性が悪く、戸惑うことが多かった。また、ポケットを上方に移動させる必要性から、ポケットの閉止状態において、ポケットの上縁とドアトリムとの間に空間(持ち上げ代)を設けなければならず、ドアトリムの意匠上の妨げとなっていた。
可動ポケットは、収容空間への物の出し入れを容易にするために、固定部材に対して回動することにより開状態となり、その後、可動ポケットを更に回動させることにより、負荷を発生させる抵抗手段が備えられており、この抵抗手段の発生させる負荷に抗して、可動ポケットの回動を継続させることにより、枢支軸が切欠を通過して、軸受部との係合が解除され、固定部材から、可動ポケットがその回動方向に取り外される構成にしたことにより、可動ポケットを回動させることにより、開閉させるとともに、取り外すことができ、その操作性を向上させることができると同時に、可動ポケットの周囲に空間を設ける必要がなく、その意匠性を向上させることもできる。また、収容空間が開状態となった後に、可動ポケットを更に回動させることにより、負荷を発生させる抵抗手段を設けたことにより、可動ポケットの開閉操作と、取り外し操作との間に節度感を持たせることが可能となり、開閉操作時に、不用意に可動ポケットを取り外してしまうことがない。
固定部材および可動ポケットは、収容空間への物の出し入れを容易にするために、可動ポケットが開状態となった後、可動ポケットを更に回動させることにより、互いに当接して、枢支軸と軸受部に代わって、可動ポケットの回動の中心となり、枢支軸を軸受部から離脱させる当接部位を、それぞれ有する構成としたことにより、特別な操作をすることなく、可動ポケットを固定部材に対して回動させるのみで、枢支軸と軸受部との係合を容易に解除できる。
抵抗手段は、固定部材および可動ポケットのうちの一側に設けられた弾性部材と、他側に設けられ、可動ポケットを固定部材に対して回動させることにより、弾性部材と当接してこれを撓ませて、可動ポケットの取外し時の負荷を発生させる弾性係合部とにより構成されたことにより、簡単な構造で確実に負荷を発生させることが可能である。
固定部材および可動ポケットのうちの他側には、収容空間への物の出し入れを容易にするために、可動ポケットが開状態となる過程において、弾性部材と当接してこれを撓ませることにより、弾性係合部が発生させる可動ポケットの取外し時の負荷以下の負荷を発生させる弾性押圧部が形成された構成としたことにより、可動ポケットを開状態にする過程においても、適度な操作感をもたらすことができ、その開状態の調節を容易に行うことができる。
抵抗手段は、固定部材および可動ポケットのうちの一側に設けられた弾性部材と、他側に設けられた弾性係合部とにより構成され、弾性部材は、収容空間への物の出し入れをするために、可動ポケットが開状態となる過程において、弾性係合部が当接して撓ませる第1撓み部と、その後、可動ポケットを更に回動させた時に、弾性係合部が当接して撓ませることにより、可動ポケットの取外し時の負荷を発生させる第2撓み部とを具備し、弾性係合部が第1撓み部を撓ませた時には、第2撓み部が撓んだ時以下の負荷を発生させる構成としたことにより、単一の弾性係合部により、可動ポケットを開状態にする過程と、取り外す過程の双方において、適度な操作感をもたらすことができる。
本発明の実施形態1を図1乃至図6によって説明する。説明中、図2において左方を車室内側とする。図示しない車両ドアのドアトリム1(本発明の固定部材に該当する)は合成樹脂材料にて形成され、この車室内側面の下方部には、可動ポケット2が開閉可能に取り付けられている。可動ポケット2の内部には、収容空間Sが形成されており、その上方は開口している。図3に示すように、ドアトリム1の下方には、車室外側にへこんだ収納部10が一体に形成されており、これは底面10a、底面10aの両端部に立設された一対の横壁10b、および底面10aと横壁10bを車室外側で連結する奥面10cとにより構成されている。
次に、本発明の実施形態2を図7によって説明する。本実施形態においては、ドアトリム1の車室内側に回動蓋16を取り付け、閉状態にある可動ポケット2の収容空間Sが、上方から見えないようにしている。回動蓋16は、合成樹脂材料にて一体に形成され、ドアトリム1の表面に回動可能に取り付けてある。回動蓋16にはつるまきバネ17の一端が係合し、その他端はドアトリム1に固定されている。つるまきバネ17のスプリング力により、回動蓋16は、図7において時計回りに付勢され、その取付部に形成されたストッパ部16aが、ドアトリム1の表面に当接することにより、その位置が保持されている。その他の構成については、実施形態1のものと同様であるため、説明は省略する。
図8は本発明の実施形態3を示す。本実施形態においては、板バネ18の上部に一対の突部18a、18bが設けられており、第2突部18b(本発明の第2撓み部に該当する)は第1突部18a(本発明の第1撓み部に該当する)に対して、車室内側に形成されているとともに、第1突部18a以上の高さに形成されている。一方、可動ポケット2Aには開閉ロックピン23のみが形成され、取外しロックピン24は設けられていない。可動ポケット2Aが閉状態にある時、箱体22の車室外側端が、ドアトリム1の収納部10の奥面10cと当接するとともに、開閉ロックピン23が板バネ18の第1突部18aよりも車室外側を押圧した状態で保持されている。収容空間Sへの物の出し入れをするために、可動ポケット2Aが開状態に向けて回動されると、開閉ロックピン23が板バネ18の第1突部18aを撓ませて、所定の負荷を発生させながら開閉溝13内を移動する。開閉ロックピン23が第1突部18aを乗越え、第2突部18bとの間に位置すると、可動ポケット2Aが開状態に達し、この状態で保持される。
図9は本発明の実施形態4を示す。本実施形態においては、実施形態1のものに比べて、取外しロックピン26の突部26aを下方に延長している。これにより、開閉ロックピン23と取外しロックピン26の中心点における、板バネ15を乗越える時のそれぞれの回動軌跡が同一であっても、取外しロックピン26が板バネ15を撓ませる量を、開閉ロックピン23による板バネ15の撓み量以上にすることができる。その他の構成については、実施形態1のものと同様であるため、説明は省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)可動ポケットに板バネを設け、ドアトリムに開閉ロックピンおよび取外しロックピンを形成してもよい。
(2)可動ポケットあるいはドアトリムに、開閉ロックピンおよび取外しロックピン双方の機能を有する構成を、一体的に設けてもよい。
(3)本発明による可動式収納ポケットは、ダッシュパネル等のドア以外の車室内装備に設けてもよいし、住宅の室内備品に形成してもよい。
(4)板バネ、開閉ロックピンおよび取外しロックピンは、ドアトリムあるいは可動ポケットの前後方向の片側のみに、それぞれ一つだけ設けてもよい。
(5)可動ポケットを閉状態から開状態へとなるように回動させる時の板バネの撓み量と、可動ポケットを取り外す時の板バネの撓み量を等しくしてもよい。
2…可動ポケット
11a…ヒンジピン
12…当てリブ
15、18…板バネ
18a…第1突部
18b…第2突部
23…開閉ロックピン
24、26…取外しロックピン
25…ヒンジプレート
25a…回動孔
25b…切欠
25c…干渉点
S…収容空間
Claims (5)
- 枢支軸を有する固定部材、および
前記枢支軸を取り囲む円周上に切欠が形成されることにより、前記枢支軸に対して回動可能に係合するとともに、前記枢支軸から取り外し可能な軸受部を有し、その内部には収容空間が形成され、前記収容空間の上方が開口した可動ポケットを備えた可動式収納ポケットにおいて、
前記可動ポケットは、前記収容空間への物の出し入れを容易にするために、前記固定部材に対して回動することにより開状態となり、その後、前記可動ポケットを更に回動させることにより、負荷を発生させる抵抗手段が備えられており、この抵抗手段の発生させる負荷に抗して、前記可動ポケットの回動を継続させることにより、前記枢支軸が前記切欠を通過して、前記軸受部との係合が解除され、前記固定部材から、前記可動ポケットがその回動方向に取り外されることを特徴とする可動式収納ポケット。 - 前記固定部材および前記可動ポケットは、前記収容空間への物の出し入れを容易にするために、前記可動ポケットが開状態となった後、前記可動ポケットを更に回動させることにより、互いに当接して、前記枢支軸と前記軸受部に代わって、前記可動ポケットの回動の中心となり、前記枢支軸を前記軸受部から離脱させる当接部位を、それぞれ有することを特徴とする請求項1記載の可動式収納ポケット。
- 前記抵抗手段は、前記固定部材および前記可動ポケットのうちの一側に設けられた弾性部材と、他側に設けられ、前記可動ポケットを前記固定部材に対して回動させることにより、前記弾性部材と当接してこれを撓ませて、前記可動ポケットの取外し時の負荷を発生させる弾性係合部とにより構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の可動式収納ポケット。
- 前記固定部材および前記可動ポケットのうちの他側には、前記収容空間への物の出し入れを容易にするために、前記可動ポケットが開状態となる過程において、前記弾性部材と当接してこれを撓ませることにより、前記弾性係合部が発生させる前記可動ポケットの取外し時の負荷以下の負荷を発生させる弾性押圧部が形成されたことを特徴とする請求項3記載の可動式収納ポケット。
- 前記抵抗手段は、前記固定部材および前記可動ポケットのうちの一側に設けられた弾性部材と、他側に設けられた弾性係合部とにより構成され、前記弾性部材は、前記収容空間への物の出し入れをするために、前記可動ポケットが開状態となる過程において、前記弾性係合部が当接して撓ませる第1撓み部と、その後、前記可動ポケットを更に回動させた時に、前記弾性係合部が当接して撓ませることにより、前記可動ポケットの取外し時の負荷を発生させる第2撓み部とを具備し、前記弾性係合部が前記第1撓み部を撓ませた時には、前記第2撓み部が撓んだ時以下の負荷を発生させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の可動式収納ポケット。
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