JP2006294402A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006294402A
JP2006294402A JP2005113252A JP2005113252A JP2006294402A JP 2006294402 A JP2006294402 A JP 2006294402A JP 2005113252 A JP2005113252 A JP 2005113252A JP 2005113252 A JP2005113252 A JP 2005113252A JP 2006294402 A JP2006294402 A JP 2006294402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction gas
fuel cell
flow path
supply amount
internal reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005113252A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Kumei
秀之 久米井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005113252A priority Critical patent/JP2006294402A/ja
Publication of JP2006294402A publication Critical patent/JP2006294402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池に蓄積した水を排出することのできる技術を提供する。
【解決手段】第2燃料電池スタック200の第2内部反応ガス流路324からの排ガスの運動エネルギを利用することによって、第1燃料電池スタックの第1内部反応ガス流路314内のガスを吸引するガス吸引部316を有する燃料電池システムであって、前記各内部反応ガス流路に接続された第1供給路310及び第2供給路320を有し、何れかの供給路の少なくとも一方に接続され、少なくとも一方の反応ガスの供給量を調節する流量制御部312、322を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。
燃料電池では、発電の際に、カソード側で水(水蒸気)が生成される。このような水が燃料電池内に蓄積すると不具合が発生する可能性がある。そこで、燃料電池に蓄積した水を排出するための種々の努力がなされている。例えば、特許文献1には、燃料電池からのオフガスを、気液分離器を有する循環路を用いて循環させ、オフガスに含まれる水分を除去する方法が提案されている。
特開2004−22198号公報 特開2004−87244号公報 特開2004−146242号公報 特開2003−308858号公報 特開2001−185179号公報
ところが、従来は、燃料電池に蓄積した水の排出に関しては、十分な工夫がなされていないのが実情であった。なお、このような問題は、カソード側に限らず、アノード側にも共通する問題であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池に蓄積した水を排出することのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明における燃料電池システムは、第1内部反応ガス流路を有する第1燃料電池スタックと、第2内部反応ガス流路を有する第2燃料電池スタックと、前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの運動エネルギを利用することによって、前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するガス吸引部と、を備える。
この構成によれば、ガス吸引部が第2燃料電池スタックの排ガスの運動エネルギを利用することによって、第1燃料電池スタック内のガスを吸引するので、燃料電池に蓄積した水を排出することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路に接続された所定の反応ガスの供給路である第1供給路と、前記第2内部反応ガス流路に接続された前記反応ガスの供給路である第2供給路と、前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されるとともに、前記第1内部反応ガス流路と前記第2内部反応ガス流路との少なくとも一方への前記反応ガスの供給量を調整する供給量調整部と、前記各部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記供給量調整部の制御モードとして、前記第1内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量に対する前記第2内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量の比率である供給量比率が比較的小さな値となるように前記供給量調整部を制御する標準モードと、前記供給量比率が比較的大きな値となるように前記供給量調整部を制御する排出モードと、を有し、さらに、前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御することによって、前記ガス吸引部に前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引させることとしてもよい。
この構成によれば、排出モードでは、標準モードと比べて、第1燃料電池スタックへの反応ガスの供給量に対する第2燃料電池スタックへの反応ガスの供給量の比率を大きくすることができる。従って、第1ガス流路によって排出される第1燃料電池スタックの排ガスの量に対する、ガス吸引部が利用可能な第2燃料電池スタックの排ガスの運動エネルギの比率を増大させることができる。その結果、排出モードでは、標準モードよりも強く第1燃料電池スタックが減圧されるので、燃料電池に蓄積した水を効率よく排出することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1供給路と前記第2供給路とに接続されるとともに前記反応ガスを前記各供給路に供給する反応ガス供給部を備え、前記供給量調整部は、前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されたバルブであって、前記バルブが接続された供給路における前記反応ガスの流量を調整可能な調整バルブを有することとしてもよい。
この構成によれば、調整バルブを制御することによって、容易に、供給量比率を調整することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、前記供給量調整部は、前記調整バルブとして、前記第1供給路に設けられるとともに前記第1内部反応ガス流路に対する前記反応ガスの供給量を調整可能な供給量調整バルブを有し、前記制御部は、前記標準モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的大きな値に設定し、前記排出モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的小さな値に設定することとしてもよい。
また、上記燃料電池システムにおいて、前記供給量調整部は、前記調整バルブとして、前記第2供給路に設けられるとともに前記第2内部反応ガス流路に対する前記反応ガスの供給量を調整可能な供給量調整バルブを有し、前記制御部は、前記標準モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的小さな値に設定し、前記排出モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的大きな値に設定することとしてもよい。
上記各燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路における水の蓄積による不具合の可能性の有無を判定する不具合判定部を備え、前記制御部は、前記不具合判定部によって不具合の可能性有りとの判定がされた場合には、前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御し、前記不具合判定部によって不具合の可能性無しとの判定がされた場合には、前記標準モードに従って前記供給量調整部を制御することとしてもよい。
この構成によれば、水の蓄積による不具合の可能性が有るとの判定がなされた場合に、供給量調整部が排出モードに従って制御されるので、燃料電池に蓄積した水を適切に排出することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路からの排ガスの湿度を測定する湿度センサを備え、前記不具合判定部は、前記湿度センサによって測定された湿度が、湿度しきい値以上である場合に、不具合の可能性有りと判定することとしてもよい。
この構成によれば、第1燃料電池スタックからの排ガスの湿度に基づいて、水の蓄積による不具合の可能性の有無を適切に判定することができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記第1燃料電池スタックは、複数の単セルを含み、前記燃料電池システムは、さらに、前記各単セルの電圧を測定する電圧センサを備え、前記不具合判定部は、前記各単セルの電圧に基づいて前記判定を行うこととしてもよい。
この構成によれば、不具合の可能性の有無の判定結果に、各単セルの状態を反映させることが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1燃料電池の電力を少なくとも含む発電電力を測定する電力センサを備え、前記不具合判定部は、前記発電電力の積算値である積算電力を算出するとともに、前記積算電力が所定の基準積算電力だけ増加する毎に、不具合の可能性有りと判定し、前記制御部は、前記不具合判定部によって不具合の可能性有りとの判定がされる毎に、前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御する排出処理と、前記排出処理の後に前記標準モードに従って前記供給量調整部を制御する標準処理と、を含む一連の処理を実行することとしてもよい。
この構成によれば、積算電力に基づいて不具合の可能性の有無を適切に判定するとともに、燃料電池に蓄積した水を適切に排出することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路の温度を反映する動作温度を測定する温度センサを備え、前記不具合判定部は、前記動作温度が温度しきい値以下である場合に、不具合の可能性有りと判定することとしてもよい。
この構成によれば、動作温度に基づいて、水の蓄積による不具合の可能性の有無を適切に判定することができる。
上記各燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、を備え、前記ガス吸引部は、前記第1排ガス流路に設けられた第1タービンと、前記第1タービンと機械的に連結されるとともに前記第2排ガス流路に設けられた第2タービンと、を有し、前記第1タービンと前記第2タービンとは、前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスが前記第2タービンを駆動することによって、前記第2タービンが前記第1タービンを駆動するとともに、前記第1タービンが前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するように、構成されていることとしてもよい。
また、上記各燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、を備え、前記ガス吸引部は、前記第2排ガス流路に設けられるとともに、前記第1排ガス流路に連通するエジェクタを含み、前記エジェクタは、前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの流れを利用することによって、前記第1排ガス流路を介して前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するように構成されている、こととしてもよい。
また、上記燃料電池システムにおいて、さらに、前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、所定の反応ガスを供給する反応ガス供給部と、前記反応ガス供給部と前記第1内部反応ガス流路とを接続するとともに、前記反応ガスを前記第1内部反応ガス流路へ供給する第1供給路と、前記反応ガス供給部と前記第2内部反応ガス流路とを接続するとともに、前記反応ガスを前記第2内部反応ガス流路へ供給する第2供給路と、を備え、前記ガス吸引部は、前記第1排ガス流路に設けられた第1タービンと、前記第1タービンと機械的に連結されるとともに前記第2排ガス流路に設けられた第2タービンと、を有し、前記第1タービンと前記第2タービンとは、(A)前記第1排ガス流路を流れる前記第1内部反応ガス流路からの排ガスの流速に対する前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの流速の比率である流速比率が比較的大きい場合には、前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスが前記第2タービンを駆動することによって、前記第2タービンが前記第1タービンを駆動するとともに、前記第1タービンが前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引し、(B)前記流速比率が比較的小さい場合には、前記第1排ガス流路を流れる前記第1内部反応ガス流路からの排ガスが前記第1タービンを駆動することによって、前記第1タービンが前記第2タービンを駆動するとともに、前記第2タービンが前記第2内部反応ガス流路内のガスを吸引するように、構成されていることとしてもよい。
この構成によれば、水が蓄積することによって排ガスの流速が低下した燃料電池から、蓄積した水を排出することが可能となる。
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法または装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、燃料電池システムを駆動用電源として搭載する車両、等の形態で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム900の構成を示すブロック図である。この燃料電池システム900は、燃料電池スタック100、200と、エアコンプレッサ300と、タービン316、326と、電圧センサ130、230と、温度センサ132、232と、湿度センサ134、234と、制御部500と、を備えている。なお、図1では、アノード(水素極とも呼ばれる)側のガスの流路は省略されている。
第1燃料電池スタック100(以下、単に「第1スタック100」とも呼ぶ)は、図示しない燃料電池セル(「単セル」とも呼ぶ)を複数積層したスタック構造を有する固体高分子電解質型の燃料電池である。燃料電池セル(図示せず)の各々は、カソード側に設けられた第1内部空気流路193と、アノード側に設けられた第1内部水素流路194とを、内部に備えている。
第2燃料電池スタック200(以下、単に「第2スタック200」とも呼ぶ)は、第1スタック100と同じ構造を有している。第2スタック200の燃料電池セル(図示せず)の各々は、カソード側に設けられた第2内部空気流路293と、アノード側に設けられた第2内部水素流路294とを、内部に備えている。
各内部空気流路193、293には、酸素を含む酸化ガス(例えば、空気)が供給される。各内部水素流路194、294には、水素を含む燃料ガス(例えば、水素ガス)が供給される。各スタック100、200は、これらの酸素と水素との電気化学反応によって発電を行う。発電によって生じた電力は、スタック100、200に接続される負荷(図示省略)に供給される。
エアコンプレッサ300は、酸化ガスとしての空気を、各内部空気流路193、293に供給する。エアコンプレッサ300には、メインカソードガス供給路302が接続されている。このメインカソードガス供給路302は、第1内部空気流路193に至る第1分岐カソードガス供給路310と、第2内部空気流路293に至る第2分岐カソードガス供給路320と、に分岐している。第1分岐カソードガス供給路310の途中には、第1カソードガス供給量調整バルブ312が設けられ、第2分岐カソードガス供給路320の途中には、第2カソードガス供給量調整バルブ322が設けられている。
なお、第1スタック100の各第1内部空気流路193の上流側は、合流して第1分岐カソードガス供給路310へ至るように構成されている。第2スタック200の第2内部空気流路293の上流側についても同様である。
第1スタック100には、内部空気流路193から排気するための第1カソード排ガス流路314が接続されている。この第1カソード排ガス流路314の途中には第1タービン316が設けられている。一方、第2スタック200には、内部空気流路293から排気するための第2カソード排ガス流路324が接続されている。この第2カソード排ガス流路324の途中には第2タービン326が設けられている。第1タービン316と第2タービン326とは機械的に連結されている。
また、第1カソード排ガス流路314には、排ガスの湿度を測定する第1湿度センサ134が設けられている。第2カソード排ガス流路324にも、排ガスの湿度を測定する第2湿度センサ234が設けられている。
なお、第1スタック100の各第1内部空気流路193の下流側は、合流して第1カソード排ガス流路314へ至るように構成されている。第2スタック200の第2内部空気流路293の下流側についても同様である。
また、第1電圧センサ130は、第1スタック100の各単セル毎に設けられており、単セルの電圧(以下「セル電圧」とも呼ぶ)を測定する。同様に、第2電圧センサ230は、第2スタック200の各単セル毎に設けられており、セル電圧を測定する。また、第1温度センサ132は、第1スタック100の内部温度を測定する。同様に、第2温度センサ232は、第2スタック200の内部温度を測定する。
なお、第1温度センサ132が測定する温度は、第1内部空気流路193の温度を反映した温度であればよい。従って、第1温度センサ132は、第1スタック100の内部の温度を直接測定してもよく、また、第1スタック100から排出される冷却水(図示せず)の温度を測定してもよい。第2温度センサ232についても同様である。
制御部500は、燃料電池システム900を構成する各構成要素からデータ信号を受信するとともに、各構成要素に駆動信号を出力することによって、燃料電池システム900の全体の運転状態を制御する。特に、制御部500は、各センサ130、132、134、230、232、234の測定結果に基づいて、供給量調整バルブ312、322の開度を制御する機能を有している(詳細は後述)。また、制御部500はCPUとメモリとを有しており、コンピュータプログラムを実行することによって種々の機能を実現する。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給され得る。なお、制御部500の機能の一部、または、全部をハードウェアによって実現してもよい。
図2は、燃料電池システム900の発電運転中に制御部500が実行する開度制御処理の手順を示すフローチャートである。この開度制御処理は、燃料電池システム900の起動後に実行される。
ステップS100では、制御部500は、通常モードに従って各供給量調整バルブ312、322の開度を設定する。第1実施例では、通常モードにおいて、各供給量調整バルブ312、322の開度を所定の値(例えば、全開)に設定することとしている。また、通常モードでは、制御部500は、エアコンプレッサ300の駆動量(空気供給量)を、負荷の大きさが大きいほど大きくなるように設定する。その結果、各内部空気流路193、293に供給される空気量は、負荷の大きさが大きいほど多くなる。
「負荷の大きさ」としては、周知の種々の値を採用可能である。例えば、燃料電池システム900に、負荷に供給される電力を測定する負荷センサを設け(図示省略)、この負荷センサの測定値を用いても良い。
ところで、第1内部空気流路193(図1)からの排ガスは、第1タービン316に供給される。第1タービン316は、この排ガスによって駆動される。一方、第2内部空気流路293からの排ガスは、第2タービン326に供給される。第2タービン326は、この排ガスによって駆動される。ここで、第1タービン316と第2タービン326とは、互いの回転が通常モードにおいては平衡状態にあるように構成されている。すなわち、通常モードにおいては、第1タービン316が第2タービン326を駆動する力と、第2タービン326が第1タービン316を駆動する力とが、釣り合っている。
なお、通常モードにおいて、各バルブ312、322の開度を可変値としてもよい。例えば、制御部500が、負荷の大きさが大きいほど開度を大きな値に設定してもよい。いずれの場合も、通常モードにおいては各タービン316、326の回転が平衡状態となるように、各タービン316、326の構成と、各バルブ312、322の開度とを、設定することが好ましい。
次のステップS110では、制御部500は、各内部空気流路193、293における水の蓄積による不具合の可能性の有無を判定する(以下「不具合判定」とも呼ぶ)。第1実施例では、不具合判定の条件(以下「不具合条件」とも呼ぶ)として、以下の条件を採用する。
「条件C1:セル電圧が電圧しきい値以下である低電圧単セルを含む」
具体的には、制御部500は、この条件C1を満たす燃料電池スタックに不具合の可能性が有ると判定する。
内部空気流路193、293に過剰な水が蓄積すると、反応ガス(空気)の供給が抑制されるので、セル電圧が低下する場合が多い。従って、制御部500は、セル電圧が電圧しきい値以下である場合に、不具合の可能性が有ると推定することができる。なお、電圧しきい値としては、種々の値を採用可能である。例えば、各セル電圧を用いて統計的に算出される統計値(例えば、平均値-2*標準偏差)を採用してもよく、所定の一定値を採用してもよく、負荷の大きさに応じて決まる所定の値を採用してもよい。いずれの場合も、電圧しきい値の形式や値は、予め実験に基づいて定めておけばよい。
制御部500は、不具合の可能性が有ると判定した場合には、次のステップS120で、排出モードに従って各供給量調整バルブ312、322の開度を設定する。排出モードでは、不具合の可能性のある燃料電池スタック(以下「不具合スタック」と呼ぶ)の供給量調整バルブの開度を、通常モードでの開度よりも小さな値に設定する。ただし、不具合スタックによる発電が停止しないように、全閉よりも大きな値に設定する。なお、第1実施例では、排出モードにおいて、一方の供給量調整バルブの開度を小さな値に設定する場合には、他方の供給量調整バルブの開度を変更しないこととしている。また、第1実施例では、制御部500は、排出モードでのエアコンプレッサ300の駆動量(例えば、回転数)を、通常モードでの駆動量と同じ値に維持することとしている。ただし、通常モードでの駆動量よりも大きい値に設定してもよく、また、小さい値に設定してもよい。
図3は、排出モードにおける燃料電池システム900の運転状態を示す説明図である。図3には、第1スタック100に不具合の可能性が有る場合が示されている。制御部500は、第1カソードガス供給量調整バルブ312の開度を小さな値に設定する。すると、通常モードと比べて、第1スタック100への空気供給量に対する第2スタック200への空気供給量の比率が大きくなり、さらに、第1カソード排ガス流路314を流れる排ガスの流速に対する第2カソード排ガス流路324を流れる排ガスの流速の比率も大きくなる。従って、第1タービン316によって生成される駆動力に対する第2タービン326によって生成される駆動力の比率も、通常モードと比べて大きくなる。その結果、第1タービン316は、第2タービン326に駆動されることによって、第1内部空気流路193内のガスを吸引することとなる(ステップS130)。
このように、第1内部空気流路193に供給される空気量に対する第1タービン316による吸引力が強くなるので、第1内部空気流路193は、通常モードよりも強く減圧される。すると、第1内部空気流路193内に蓄積した水が蒸発し易くなるので、第1内部空気流路193に蓄積した水を排出し、不具合を解消することが可能となる。特に、第1内部空気流路193に過剰な水が蓄積すると、ガスの流れによる水の排出が困難となる場合がある。このような場合でも、排出モードでは、水の蒸発が促進されるので、蓄積した水を排出することが可能となる。
以上、第1スタック100に不具合の可能性が有る場合を説明したが、第2スタック200に不具合の可能性が有る場合も、制御部500は同様の制御を実行する。
その後、制御部500は、ステップS110に戻り、不具合判定を行う。ここで、いずれのスタック100、200についても不具合条件が満たされていない場合には、通常モード(ステップS100)を実行する。一方、いずれかのスタック100、200について不具合条件が満たされている場合には、排出モード(ステップS120、S130)を実行する。なお、両方のスタック100、200に不具合の可能性が有る場合には、片方ずつ、排出モードに従った供給量調整バルブの開度設定を行う。
以上説明したように、第1実施例では、排出モードでは、通常モードと比べて、不具合スタックへの空気供給量に対する他方の燃料電池スタックへの空気供給量の比率が大きくなるので、不具合スタックの内部空気流路を通常モードよりも強く減圧することが可能なる。その結果、不具合スタックに蓄積した水を排出することが可能となる。
また、第1実施例では、排出モードにおいて、不具合スタックとは異なる他方の燃料電池スタックに対する空気の供給量が、通常モードと比べて多くなる。従って、他方の燃料電池スタックからの水の排出を促進することも可能となる。
なお、不具合条件としては、上述した条件C1に限らず、他の種々の条件を採用可能である。例えば、以下の条件を採用可能である。
「条件C2:セル電圧のばらつき(偏差)が所定値よりも大きい」
「条件C3:発電時間が所定の一定時間だけ増加した」
「条件C4:積算電力が所定の基準積算電力だけ増加した」
通常の燃料電池では、発電時間の増加や、積算電力(発電電力の積算値)の増加に伴って、水の蓄積による不具合の可能性も高くなる。従って、発電時間の増加量や積算電力の増加量が、しきい値以上となった場合に、不具合の可能性が有ると推定できる。
なお、条件C3を採用する場合には、制御部500にタイマを設け、制御部500が発電時間を計測すればよい。また、条件C4を採用する場合には、各スタック100、200に電力センサを設け、制御部500が、電力の積算値を算出すればよい。ここで、不具合判定をスタック毎に行うためには、このような発電時間や積算電力を、各スタック100、200毎に計測することが好ましい。ただし、両方のスタック100、200に共通の発電時間を計測してもよく、また、両方のスタック100、200の発電電力の合計値を測定する電力センサを用いても良い。この場合には、不具合条件が満たされた場合には、両方のスタック100、200に不具合の可能性が有ると推定すればよい。
また、条件C3や条件C4を採用する場合のように、不具合の解消の確認が困難な場合がある。このような場合には、制御部500は、不具合条件が満たされる毎に、所定の一定時間だけ排出モードを実行し、その後、通常モードに移行する一連の処理を実行すればよい。また、この場合には、一連の処理を実行する毎に、発電時間の増加量や、積算電力の増加量を、ゼロから計測し直すこととすればよい。
ところで、制御部500が、不具合判定結果に基づく開度制御処理を、発電を停止する際に実行してもよい。図4は、燃料電池システム900の停止処理において制御部500が実行する開度制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS200では、制御部500(図1)は、各スタック100、200の排ガスの湿度を、湿度センサ134、234から取得する。
次のステップS210では、制御部500(図1)は、各湿度が所定の湿度しきい値以上であるか否かを判定する。内部空気流路193、293に過剰な水が蓄積すると、排ガス中の湿度も高くなる場合が多い。従って、排ガスの湿度が湿度しきい値以上である場合に、不具合の可能性が有ると推定することができる。なお、湿度しきい値は、予め実験に基づいて定めておけばよい。
制御部500は、不具合の可能性が有ると判定した場合には、次のステップS215で、エアコンプレッサ300を停止させずに駆動を維持し、次のステップS220で、排出モードに従って各供給量調整バルブ312、322の開度を設定する。この際、不具合スタックとは異なる他方の燃料電池スタックに、エアコンプレッサ300の駆動用電力を発電させてもよい。また、燃料電池システム900にエアコンプレッサ300を駆動するための2次電池を設けるとともに、両方の燃料電池スタック100、200の発電を停止させてもよい。
ステップS220、S230の処理は、図2のステップS120、S130と同じである。その結果、内部空気流路193、293に蓄積した水を排出することができる。以後、制御部500は、再びステップS200に戻り、両方のスタック100、200の排ガスの湿度が湿度しきい値未満となるまで、ステップS210〜S230の処理を繰り返し実行する。
一方、いずれのスタック100、200の排ガスの湿度も湿度しきい値未満である場合には、制御部500は、エアコンプレッサ300を停止させて、開度制御処理を終了する。その後、所定の停止処理に戻り、燃料電池システム900を停止させる。
このように、図4の開度制御処理では、制御部500は、発電の停止時に各内部空気流路193、293から水を排出させることができる。従って、次回の起動時に、各内部空気流路193、293内の蓄積された水によって発電を開始できなくなることを抑制できる。また、停止後の燃料電池システム900が低温下におかれた場合でも、各内部空気流路193、293内で水が凍結することを抑制できる。
なお、制御部500が、不具合の可能性が有ると判定した場合に、排出モードを所定の時間だけ実行し、その後、開度制御処理を終了することとしてもよい。ここで、排出モードを実行する時間を、湿度が高いほど長い時間に設定することが好ましい。また、制御部500が、排出モードでのエアコンプレッサ300による空気供給量を、通常モードでの供給量よりも大きな値に設定することとしてもよい。
ところで、制御部500が、不具合判定結果に基づく開度制御処理を、発電を開始する際(起動時)に実行してもよい。図5は、燃料電池システム900の起動処理において制御部500が実行する開度制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS300では、制御部500(図1)は、各スタック100、200の温度を温度センサ132、232から取得する。
次のステップS310では、制御部500(図1)は、各温度が、所定の温度しきい値以下であるか否かを判定する。スタック100、200の温度が低いほど、内部空気流路193、293内で水蒸気が凝縮し易くなり、その結果、内部空気流路193、293内に水が蓄積し易くなる。従って、制御部500は、スタック100、200の温度が温度しきい値以下である場合に、不具合の可能性が有ると推定することができる。なお、温度しきい値は、予め実験に基づいて定めておけばよい。なお、スタック100、200の温度が0℃以下になると、蓄積した水が凍結する可能性もある。従って、温度しきい値を0℃以上の値に設定することが好ましい。一方、不具合判定の精度を高めるためには、温度しきい値が低いことが好ましい。例えば、温度しきい値として、0℃〜+10℃の範囲内の値を用いることができる。
制御部500は、不具合の可能性が有ると判定した場合には、次のステップS320で、排出モードに従って各供給量調整バルブ312、322の開度を設定する。ステップS320、S330の処理は、図2のステップS120、S130と同じである。その結果、内部空気流路193、293に蓄積した水を排出することができる。以後、制御部500は、再びステップS300に戻り、両方のスタック100、200の温度が温度しきい値を越えるまで、ステップS310〜S330の処理を繰り返し実行する。
一方、いずれのスタック100、200の温度も温度しきい値を越えている場合には、制御部500は、起動時用の開度制御処理を終了する。その後、所定の起動処理に戻り、燃料電池システム900を起動させる。起動後には、通常モードを実行する。
このように、図5の開度制御処理では、制御部500は、発電の開始時(起動時)に各内部空気流路193、293から水を排出させることができる。従って、低温下における起動時においても、各内部空気流路193、293内に水が蓄積することによって発電を開始できなくなることを抑制できる。
なお、通常は、2つのスタック100、200は同じ場所(例えば、同じ車両の内部)に設置されるので、起動時における両者の温度は同じである場合が多い。このような場合には、制御部500は、ステップS320で、所定の一方の燃料電池スタックを吸引の対象(以下「対象スタック」と呼ぶ)として用いることによって、排出モードを実行する。こうすれば、対象スタックの起動を容易に行うことが可能となる。特に氷点下から起動する場合であっても、対象スタックでは、水の排出が促進され、その結果、水の凍結が抑制されるので、対象スタックの起動を容易に行うことができる。すなわち、2つのスタック100、200の内の少なくとも一方については、起動を容易に行うことが可能となる。
ここで、一方の燃料電池スタックと、他方の燃料電池スタックとを、互いに熱を交換可能であるように構成することが好ましい。こうすれば、一方の燃料電池スタックが発電を開始することによって、その発電によって生じる熱が他方の燃料電池スタックを昇温させることが可能となる。その結果、低温状態(特に氷点下)から起動する場合であっても、両方のスタック100、200を速やかに起動させることが可能となる。
なお、2つの燃料電池スタックの熱交換可能な構成としては、周知の種々の構成を採用可能である。例えば、2つの燃料電池スタックを互いに接触させる構成を採用してもよい。また、2つの燃料電池スタックの間で冷却水を循環させる構成を採用してもよい。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における燃料電池システム900bの構成を示すブロック図である。図6には、アノード側のガスの流路も示されている。図1に示す燃料電池システム900との差異は、各タービン316、326が、カソード側に加えてアノード側を吸引可能な点である。
燃料電池システム900bは、水素供給装置400を有している。水素供給装置400は、燃料ガスとしての水素ガスを、各内部水素流路194、294に供給する。水素供給装置400の構成としては、周知の種々の構成を採用可能である。例えば、水素タンクと調圧弁とを有する構成を採用可能である。
水素供給装置400には、メインアノードガス供給路402が接続されている。このメインアノードガス供給路402は、第1内部水素流路194に至る第1分岐アノードガス供給路410と、第2内部水素流路294に至る第2分岐アノードガス供給路420と、に分岐している。第1分岐アノードガス供給路410の途中には、第1アノードガス供給量調整バルブ412が設けられ、第2分岐アノードガス供給路420の途中には、第2アノードガス供給量調整バルブ422が設けられている。
なお、第1スタック100の各第1内部水素流路194の上流側は、合流して第1分岐アノードガス供給路410に至るように構成されている。第2スタック200の第2内部水素流路294の上流側についても同様である。
第1スタック100には、第1内部水素流路194から排気するための第1アノード排ガス流路414が接続されている。この第1アノード排ガス流路414は、第1カソード排ガス流路314へ至る第1アノード吸引路432と、メインアノードガス供給路402へ向かう第1アノード循環路434とに、分岐している。この分岐点には、第1三方調整弁430が設けられている。また、第1アノード循環路434は、メインアノードガス循環路404に接続されている。メインアノードガス循環路404は、メインアノードガス供給路402に接続されている。
同様に、第2スタック200には、第2内部水素流路294から排気するための第2アノード排ガス流路424が接続されている。第2アノード排ガス流路424は、第2カソード排ガス流路324へ至る第2アノード吸引路442と、メインアノードガス供給路402へ向かう第2アノード循環路444とに、分岐している。この分岐点には、第2三方調整弁440が設けられている。第2アノード循環路444は、メインアノードガス循環路404に接続されている。
なお、第1スタック100の各第1内部水素流路194の下流側は、合流して第1アノード排ガス流路414に至るように構成されている。第2スタック200の第2内部水素流路294の下流側についても同様である。
第2実施例では、制御部500bは、第1実施例と同様に、通常モードと排出モードとを切り替える。通常モードでは、第1内部水素流路194からの排ガスの全量が第1アノード循環路434へ流れるように第1三方調整弁430を制御する。第2三方調整弁440についても同様である。その結果、通常モードでは、内部水素流路194、294からの排ガスは、再び、内部水素流路194、294へ循環される。ここで、メインアノードガス循環路404やメインアノードガス供給路402に、ガスを循環させる循環装置(例えば、ポンプやエジェクタ)を設けても良い。
図7は、排出モードにおける燃料電池システム900bの運転状態を示す説明図である。図7には、第1スタック100に不具合の可能性が有る場合が示されている。図3に示す第1実施例との差異は、2点ある。1つ目の差異は、制御部500bが、第1アノードガス供給量調整バルブ412の開度を、通常モードでの開度よりも小さな値に設定する点である。2つ目の差異は、制御部500bが、第1三方調整弁430を、第1内部水素流路194からの排ガスの全量が第1アノード吸引路432へ流れるように、制御する点である。なお、第2スタック200側の各バルブ(第2カソードガス供給量調整バルブ322、第2アノードガス供給量調整バルブ422、第2三方調整弁440)の開度設定は、通常モード(発電運転中)での設定と同じである。
以上の結果、排出モードでは、第1タービン316は、第1内部空気流路193に加えて第1内部水素流路194も吸引することとなる。従って、第2実施例では、第1内部空気流路193に蓄積した水に限らず、第1内部水素流路194に蓄積した水も排出することが可能となる。
なお、第2実施例のように、1つの第1タービン316で、カソード側の内部流路193と、アノード側の内部流路194との、両方を吸引する場合には、燃料ガスの排出を抑制するために、アノード側の内部流路194に対する燃料ガスの供給量をゼロにすることが好ましい。具体的には、第1アノードガス供給量調整バルブ412の開度を全閉に設定すればよい。ただし、この場合には、対象スタックでの発電が停止することとなる。
なお、図6に示す実施例では、両方のスタック100、200のアノード側内部流路194、294が吸引され得る構成を採用しているが、一方のスタックのアノード側内部流路のみが吸引され得る構成を採用してもよい。例えば、第2三方調整弁440を省略し、第2アノード排ガス流路424を直接にメインアノードガス循環路404に接続することとしてもよい。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例における燃料電池システム900cの構成を示すブロック図である。図1に示す燃料電池システム900との差異は、タービン316、326の代わりに、エジェクタ328と排気弁318とを設けている点だけである。
第1カソード排ガス流路314には、排気弁318が設けられている。また、第2カソード排ガス流路324には、エジェクタ328が設けられている。このエジェクタ328は、さらに、第1カソード排ガス流路314のスタック100と排気弁318との間にも接続されている。
エジェクタ328は、第2カソード排ガス流路324を流れる排ガスの流れを利用することによって、第1カソード排ガス流路314、すなわち、第1内部空気流路193内のガスを吸引することが可能である。このようなエジェクタの構成としては、周知の種々の構成を採用可能である。例えば、ノズルとディフューザとを有する構成を採用可能である。
第3実施例では、制御部500cは、第1実施例と同様に、通常モードと排出モードとを切り替える。制御部500cは、通常モードでは、排気弁318の開度を、第1内部空気流路193からの排ガスが排気弁318を流れるような開度(例えば、全開)に設定する。
図9は、排出モードにおける燃料電池システム900cの運転状態を示す説明図である。制御部500cは、図3に示す第1実施例と同様に、第1カソードガス供給量調整バルブ312の開度を、通常モードでの開度よりも小さな値に設定する。さらに、制御部500cは、排気弁318の開度を全閉に設定する。すると、通常モードと比べて、第1スタック100への空気供給量に対する第2スタック200への空気供給量の比率が大きくなるので、エジェクタ328が第1内部空気流路193内のガスを吸引する力も強くなる。その結果、第1内部空気流路193は、通常モードよりも強く減圧される。すると、第1内部空気流路193内に蓄積した水が蒸発し易くなるので、第1内部空気流路193に蓄積した水を排出することが可能となる。
なお、排出モードにおける排気弁318の開度としては、全閉に限らず、エジェクタ328が排気弁318を介して外部のガスを吸引することを抑制できるような種々の開度を採用可能である。但し、通常モードよりも小さい開度が好ましい。また、排出モードにおけるエジェクタ328の吸引力が十分に強い場合には、排気弁318を省略してもよい。また、図8に示す実施例では、第2カソード排ガス流路324のみにエジェクタ328が設けられているが、さらに、第1カソード排ガス流路314にもエジェクタを設けてもよい。
D.第4実施例:
図10は、第4実施例における燃料電池システム900dの構成を示すブロック図である。図1に示す燃料電池システム900との差異は、カソードガス供給量調整バルブ312、322が省略されている点である。第4実施例では、制御部500dは、上述した各実施例とは異なり、各内部空気流路193、293に対する空気供給量バランスの意図的な調整処理を、実行しない。ただし、各スタック100、200のうちの一方の内部空気流路に水が蓄積した場合には、蓄積した水が自然にタービンによって吸引される。
図11は、第1内部空気流路193に水が蓄積した場合の燃料電池システム900dの運転状態を示す説明図である。この場合には、空気が第1内部空気流路193内を流れにくくなるので、自然に、第1内部空気流路193を流れる空気量が減少し、第2内部空気流路293を流れる空気量が増加する。すると、第1カソード排ガス流路314を流れる排ガスの流速に対する第2カソード排ガス流路324を流れる排ガスの流速の比率も大きくなる。従って、第1タービン316は、第2タービン326に駆動されることによって、第1内部空気流路193内のガスを吸引することとなる。その結果、第1内部空気流路193に蓄積された水が自然に排出される。
こうして第1内部空気流路193から水が排出されたら、第1内部空気流路193における空気の流れ易さが元に戻るので、各内部空気流路193、294を流れる空気量も元に戻る。
以上、第1内部空気流路193に水が蓄積した場合を説明したが、第2内部空気流路293に水が蓄積した場合も同様に、蓄積した水は自然に排出される。このように、第4実施例では、一方の燃料電池スタックの内部空気流路に水が蓄積しても、蓄積した水は自然に排出される。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上記各実施例では、制御部500、500b、500c(図1、図6、図8)が、本発明における「不具合判定部」としての機能を有している。また、第1と第2と第4の実施例(図1、図6、図10)では、第1タービン316と第2タービン326との全体が、本発明における「ガス吸引部」に相当する。また、第3実施例(図8)では、エジェクタ328が、本発明における「ガス吸引部」に相当する。なお、ガス吸引部の構成としては、これらとは異なる種々の構成を採用可能である。一般に、一方の燃料電池スタック内のガスを、他方の燃料電池スタックの排ガスの運動エネルギを利用することによって吸引する任意の構成を採用可能である。ここで、排ガスの運動エネルギを他の形態(例えば、電気エネルギや熱エネルギ)に変換せずに利用する構成を採用することが好ましい。
変形例2:
上記第1〜第3実施例(図1、図6、図8)において、供給量調整バルブ312、322の開度設定モードとしては、上述した通常モードと排出モードとに限らず、他の種々のモードを採用可能である。ただし、制御部500、500b、500cが、少なくとも排出モードを有することが好ましい。ここで、排出モードとは、ガス吸引部が、対象スタックの内部空気流路のガスを吸引するように、各バルブ312、322の開度を設定する動作モードを意味している。なお、排出モードにおける各バルブ312、322の開度は、予め実験に基づいて定めておけばよい。
さらに、制御部500、500b、500cは、排出モードに加えて、ガス吸引部による減圧の程度が排出モードと比べて弱い通常モードを有することが好ましい。このような通常モードと排出モードとしては、例えば、以下の関係R1が成立する設定モードを採用可能である。
「関係R1:排出モードにおける損失係数比率が、通常モードにおける損失係数比率と比べて小さい」
ここで、「損失係数比率」とは、対象スタックに接続されたガス供給路の損失係数に対する、他方の燃料電池スタックに接続されたガス供給路の損失係数の比率を意味している。また、「損失係数」とは、流路におけるガスの流れにくさを示す指標を意味している。損失係数としては、例えば、流路を流れるガスの圧力損失が、流路を流れるガスの流速の2乗に比例すると仮定したときの比例定数を用いることができる。このような損失係数は実験によって取得可能である。
ここで、上述の関係R1が成り立つと仮定する。制御部500、500b、500cが、動作モードを排出モードから通常モードに切り替えると、対象スタックへのガス供給量に対する他方の燃料電池スタックへのガス供給量の比率が小さくなる。すると、対象スタックから排出される排ガスの流量に対する、ガス吸引部が利用可能な他方のスタックの排ガスの運動エネルギの比率も小さくなる。従って、通常モードにおける対象スタックの減圧の程度は、排出モードと比べて弱くなる。その結果、対象スタックにおける発電効率が過剰に低下することを抑制できる。逆に、動作モードを通常モードから排出モードに切り替えることによって、対象スタックに蓄積した水を排出することができる。
なお、通常モードを基準としたときの、排出モードにおける各供給量調整バルブ312、322の開度設定としては、対象スタック側の供給量調整バルブの開度が小さい設定に限らず、他の種々の設定を採用可能である。例えば、対象スタック側の供給量調整バルブの開度を小さくするとともに、さらに、他方のスタック側の供給量調整バルブの開度を大きくすることとしてもよい。また、対象スタック側の供給量調整バルブの開度を変更せずに、他方のスタック側の供給量調整バルブの開度を大きくすることとしてもよい。一般には、上述の関係R1が成立するような任意の開度設定を採用可能である。
なお、損失係数調整部としては、ガス供給量調整バルブ312、322に限らず、ガス流路の損失係数を調整可能な任意の装置を採用可能である。例えば、図1の燃料電池システム900において、メインカソードガス供給路302と2つの分岐カソードガス供給路310、320との合流点に三方弁を設けてもよい。こうすれば、三方弁を制御することによって、各スタック100、200へのガス供給量の比率を調整することができる。
変形例3:
上記各実施例では、1つのエアコンプレッサ300が、2つの燃料電池スタック100、200に酸化ガスを供給することとしているが、この代わりに、各燃料電池スタック100、200のそれぞれに、独立のエアコンプレッサを接続することとしてもよい。例えば、燃料電池システム900、900b、900c(図1、図6、図8)において、各分岐カソードガス供給路310、320のそれぞれを、互いに異なるコンプレッサに接続してもよい。この場合には、制御部500、500b、500cは、対象スタック側のコンプレッサ(「対象側コンプレッサ」とも呼ぶ)による空気供給量に対する、他方の燃料電池スタック側のコンプレッサ(「他方側コンプレッサ」とも呼ぶ)による空気供給量の比率を大きくすることによって、対象スタックから水を排出することが可能となる。例えば、通常モードを基準としたときに、排出モードにおける対象側コンプレッサによる供給量が小さくなるように、対象側コンプレッサの駆動量を制御してもよい(例えば、回転数を下げる)。また、排出モードにおける他方側コンプレッサによる供給量が大きくなるように、他方側コンプレッサの駆動量を制御してもよい(例えば、回転数を上げる)。ここで、排出モードにおいて、いずれか一方のコンプレッサの供給量(駆動量)のみを変更することとしてもよく、両方のコンプレッサの供給量(駆動量)を変更することとしてもよい。なお、通常モードでの各コンプレッサの供給量(駆動量)は、ガス吸引部による吸引力が、排出モードでの吸引力よりも小さくなるように、予め設定しておくことが好ましい。
なお、酸化ガスを供給する供給部としては、エアコンプレッサに限らず、周知の種々の装置を採用可能である。
変形例4:
上記各実施例では、ガス吸引部が、カソード側の内部空気流路を吸引することとしているが、この代わりに、アノード側の内部水素流路のみを吸引することとしてもよい。ただし、通常の燃料電池では、アノードと比べてカソードに蓄積される水の量が多い傾向にあるので、少なくとも、カソード側の内部空気流路を吸引することが好ましい。
また、上記各実施例では、ガス吸引部は、内部空気流路の排ガスを利用することとしているが、この代わりに、内部水素流路の排ガスを利用することとしてもよい。ただし、吸引に利用するガスは、吸引の対象となるガスと同一のガスであることが好ましい。いずれの場合も、ガス吸引部は、燃料電池スタック内部の発電用反応ガスが流れる流路からの排ガスを利用することが好ましい。こうすれば、ガス吸引部の駆動装置(例えばモータ)を別途設けずに済む。
さらに、上記各実施例では、ガス吸引部が、排ガス流路(例えば、図1の第1カソード排ガス流路314)を介して内部反応ガス流路(例えば、内部空気流路193)内のガスを吸引することとしているが、ガス吸引部がガスを吸引する位置は、内部反応ガス流路に連通する任意の位置に設定可能である。例えば、ガス吸引部がガス供給路(例えば、第1分岐カソードガス供給路310)を介して吸引する構成を採用してもよく、内部反応ガス流路の途中から吸引する構成を採用してもよい。ただし、内部反応ガス流路に蓄積する水の量は、内部反応ガス流路の下流側ほど多くなる傾向にある。従って、ガス吸引部が排ガス流路を介して吸引する構成を採用すれば、内部反応ガス流路に蓄積した水を効率よく排出することが可能となる。
変形例5:
上記第1〜第3実施例において、制御部500、500b、500cが、実行する動作モードを決定する方法としては、不具合判定結果に応じて動作モードを切り替える方法に限らず、他の種々の方法を採用可能である。例えば、制御部500、500b、500cが、実行する動作モードをユーザの指示に従って決定することとしてもよい。
変形例6:
上記各実施例では、2つの燃料電池スタック100、200を用いることとしているが、3つ以上の燃料電池スタックを用いることとしてもよい。この場合も、各燃料電池スタックの排ガス流路に、互いに機械的に連結されたタービンを設ければよい。こうすれば、各燃料電池スタックへのガス供給量を調整することによって、各タービンによって生成される駆動力のバランスを調整することが可能となる。その結果、駆動力が比較的小さいタービンは、駆動力が比較的大きな他のタービンによって駆動されることによって、燃料電池スタック内のガスを吸引することが可能となる。
変形例7:
上記各実施例において、燃料電池スタック100、200としては、固体高分子電解質型燃料電池に限らず、固体酸化物電解質型や、リン酸電解質型や、アルカリ水溶液電解質型や、溶融炭酸塩電解質型等、種々のタイプの燃料電池を採用可能である。
本発明の一実施例としての燃料電池システム900の構成を示すブロック図。 発電運転中に制御部500が実行する開度制御処理の手順を示すフローチャート。 排出モードにおける燃料電池システム900の運転状態を示す説明図。 停止処理において制御部500が実行する開度制御処理の手順の一例を示すフローチャート。 起動処理において制御部500が実行する開度制御処理の手順の一例を示すフローチャート。 第2実施例における燃料電池システム900bの構成を示すブロック図。 排出モードにおける燃料電池システム900bの運転状態を示す説明図。 第3実施例における燃料電池システム900cの構成を示すブロック図。 排出モードにおける燃料電池システム900cの運転状態を示す説明図。 第4実施例における燃料電池システム900dの構成を示すブロック図。 第1内部空気流路193に水が蓄積した場合の燃料電池システム900dの運転状態を示す説明図。
符号の説明
100...第1燃料電池スタック
130...第1電圧センサ
132...第1温度センサ
134...第1湿度センサ
193...第1内部空気流路
194...第1内部水素流路
200...第2燃料電池スタック
230...第2電圧センサ
232...第2温度センサ
234...第2湿度センサ
293...第2内部空気流路
294...第2内部水素流路
300...エアコンプレッサ
302...メインカソードガス供給路
310...第1分岐カソードガス供給路
312...第1カソードガス供給量調整バルブ
314...第1カソード排ガス流路
316...第1タービン
318...排気弁
320...第2分岐カソードガス供給路
322...第2カソードガス供給量調整バルブ
324...第2カソード排ガス流路
326...第2タービン
328...エジェクタ
400...水素供給装置
402...メインアノードガス供給路
404...メインアノードガス循環路
410...第1分岐アノードガス供給路
412...第1アノードガス供給量調整バルブ
414...第1アノード排ガス流路
420...第2分岐アノードガス供給路
422...第2アノードガス供給量調整バルブ
424...第2アノード排ガス流路
430...第1三方調整弁
432...第1アノード吸引路
434...第1アノード循環路
440...第2三方調整弁
442...第2アノード吸引路
444...第2アノード循環路
500、500b、500c、500d...制御部
900、900b、900c、900d...燃料電池システム

Claims (15)

  1. 燃料電池システムであって、
    第1内部反応ガス流路を有する第1燃料電池スタックと、
    第2内部反応ガス流路を有する第2燃料電池スタックと、
    前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの運動エネルギを利用することによって、前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するガス吸引部と、
    を備える、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された所定の反応ガスの供給路である第1供給路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された前記反応ガスの供給路である第2供給路と、
    前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されるとともに、前記第1内部反応ガス流路と前記第2内部反応ガス流路との少なくとも一方への前記反応ガスの供給量を調整する供給量調整部と、
    前記各部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記供給量調整部の制御モードとして、前記第1内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量に対する前記第2内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量の比率である供給量比率が比較的小さな値となるように前記供給量調整部を制御する標準モードと、前記供給量比率が比較的大きな値となるように前記供給量調整部を制御する排出モードと、を有し、さらに、
    前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御することによって、前記ガス吸引部に前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引させる、
    燃料電池システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1供給路と前記第2供給路とに接続されるとともに前記反応ガスを前記各供給路に供給する反応ガス供給部を備え、
    前記供給量調整部は、前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されたバルブであって、前記バルブが接続された供給路における前記反応ガスの流量を調整可能な調整バルブを有する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムであって、
    前記供給量調整部は、前記調整バルブとして、前記第1供給路に設けられるとともに前記第1内部反応ガス流路に対する前記反応ガスの供給量を調整可能な供給量調整バルブを有し、
    前記制御部は、
    前記標準モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的大きな値に設定し、
    前記排出モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的小さな値に設定する、
    燃料電池システム。
  5. 請求項3に記載の燃料電池システムであって、
    前記供給量調整部は、前記調整バルブとして、前記第2供給路に設けられるとともに前記第2内部反応ガス流路に対する前記反応ガスの供給量を調整可能な供給量調整バルブを有し、
    前記制御部は、
    前記標準モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的小さな値に設定し、
    前記排出モードでは、前記供給量調整バルブの開度を比較的大きな値に設定する、
    燃料電池システム。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路における水の蓄積による不具合の可能性の有無を判定する不具合判定部を備え、
    前記制御部は、
    前記不具合判定部によって不具合の可能性有りとの判定がされた場合には、前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御し、
    前記不具合判定部によって不具合の可能性無しとの判定がされた場合には、前記標準モードに従って前記供給量調整部を制御する、
    燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路からの排ガスの湿度を測定する湿度センサを備え、
    前記不具合判定部は、前記湿度センサによって測定された湿度が、湿度しきい値以上である場合に、不具合の可能性有りと判定する、
    燃料電池システム。
  8. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
    前記第1燃料電池スタックは、複数の単セルを含み、
    前記燃料電池システムは、さらに、前記各単セルの電圧を測定する電圧センサを備え、
    前記不具合判定部は、前記各単セルの電圧に基づいて前記判定を行う、
    燃料電池システム。
  9. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1燃料電池の電力を少なくとも含む発電電力を測定する電力センサを備え、
    前記不具合判定部は、前記発電電力の積算値である積算電力を算出するとともに、前記積算電力が所定の基準積算電力だけ増加する毎に、不具合の可能性有りと判定し、
    前記制御部は、前記不具合判定部によって不具合の可能性有りとの判定がされる毎に、前記排出モードに従って前記供給量調整部を制御する排出処理と、前記排出処理の後に前記標準モードに従って前記供給量調整部を制御する標準処理と、を含む一連の処理を実行する、
    燃料電池システム。
  10. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路の温度を反映する動作温度を測定する温度センサを備え、
    前記不具合判定部は、前記動作温度が温度しきい値以下である場合に、不具合の可能性有りと判定する、
    燃料電池システム。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、
    を備え、
    前記ガス吸引部は、
    前記第1排ガス流路に設けられた第1タービンと、
    前記第1タービンと機械的に連結されるとともに前記第2排ガス流路に設けられた第2タービンと、を有し、
    前記第1タービンと前記第2タービンとは、
    前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスが前記第2タービンを駆動することによって、前記第2タービンが前記第1タービンを駆動するとともに、前記第1タービンが前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するように、構成されている、
    燃料電池システム。
  12. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、
    を備え、
    前記ガス吸引部は、
    前記第2排ガス流路に設けられるとともに、前記第1排ガス流路に連通するエジェクタを含み、
    前記エジェクタは、前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの流れを利用することによって、前記第1排ガス流路を介して前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するように構成されている、
    燃料電池システム。
  13. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された第1排ガス流路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された第2排ガス流路と、
    所定の反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
    前記反応ガス供給部と前記第1内部反応ガス流路とを接続するとともに、前記反応ガスを前記第1内部反応ガス流路へ供給する第1供給路と、
    前記反応ガス供給部と前記第2内部反応ガス流路とを接続するとともに、前記反応ガスを前記第2内部反応ガス流路へ供給する第2供給路と、を備え、
    前記ガス吸引部は、
    前記第1排ガス流路に設けられた第1タービンと、
    前記第1タービンと機械的に連結されるとともに前記第2排ガス流路に設けられた第2タービンと、を有し、
    前記第1タービンと前記第2タービンとは、
    (A)前記第1排ガス流路を流れる前記第1内部反応ガス流路からの排ガスの流速に対する前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの流速の比率である流速比率が比較的大きい場合には、前記第2排ガス流路を流れる前記第2内部反応ガス流路からの排ガスが前記第2タービンを駆動することによって、前記第2タービンが前記第1タービンを駆動するとともに、前記第1タービンが前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引し、
    (B)前記流速比率が比較的小さい場合には、前記第1排ガス流路を流れる前記第1内部反応ガス流路からの排ガスが前記第1タービンを駆動することによって、前記第1タービンが前記第2タービンを駆動するとともに、前記第2タービンが前記第2内部反応ガス流路内のガスを吸引するように、構成されている、
    燃料電池システム。
  14. 燃料電池システムを制御する方法であって、
    前記燃料電池システムは、
    第1内部反応ガス流路を有する第1燃料電池スタックと、
    第2内部反応ガス流路を有する第2燃料電池スタックと、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された所定の反応ガスの供給路である第1供給路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された前記反応ガスの供給路である第2供給路と、
    前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの運動エネルギを利用することによって、前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するガス吸引部と、
    前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されるとともに、前記第1内部反応ガス流路と前記第2内部反応ガス流路との少なくとも一方への前記反応ガスの供給量を調整する供給量調整部と、
    を備え、
    前記制御方法は、
    (A)前記第1内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量に対する前記第2内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量の比率である供給量比率が比較的小さな値となるように前記供給量調整部を制御する標準モードで前記供給量調整部を制御する工程と、
    (B)前記供給量比率が比較的大きな値となるように前記供給量調整部を制御する排出モードで前記供給量調整部を制御することによって、前記ガス吸引部に前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引させる工程と、
    を備える、制御方法。
  15. 燃料電池システムを制御する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記燃料電池システムは、
    第1内部反応ガス流路を有する第1燃料電池スタックと、
    第2内部反応ガス流路を有する第2燃料電池スタックと、
    前記第1内部反応ガス流路に接続された所定の反応ガスの供給路である第1供給路と、
    前記第2内部反応ガス流路に接続された前記反応ガスの供給路である第2供給路と、
    前記第2内部反応ガス流路からの排ガスの運動エネルギを利用することによって、前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引するガス吸引部と、
    前記第1供給路と前記第2供給路との少なくとも一方に接続されるとともに、前記第1内部反応ガス流路と前記第2内部反応ガス流路との少なくとも一方への前記反応ガスの供給量を調整する供給量調整部と、
    を備え、
    前記コンピュータプログラムは、
    (A)コンピュータに、前記第1内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量に対する前記第2内部反応ガス流路への前記反応ガス供給量の比率である供給量比率が比較的小さな値となるように前記供給量調整部を制御する標準モードで前記供給量調整部を制御させる機能と、
    (B)コンピュータに、前記供給量比率が比較的大きな値となるように前記供給量調整部を制御する排出モードで前記供給量調整部を制御させることによって、前記ガス吸引部に前記第1内部反応ガス流路内のガスを吸引させる機能と、
    を実現させるコンピュータプログラム。
JP2005113252A 2005-04-11 2005-04-11 燃料電池システム Pending JP2006294402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005113252A JP2006294402A (ja) 2005-04-11 2005-04-11 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005113252A JP2006294402A (ja) 2005-04-11 2005-04-11 燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006294402A true JP2006294402A (ja) 2006-10-26

Family

ID=37414740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005113252A Pending JP2006294402A (ja) 2005-04-11 2005-04-11 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006294402A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057977A2 (en) * 2007-10-31 2009-05-07 Korea University Industry and Academy Cooperation Foundation Fuel cell device and the method for controlling the same
JP2009151987A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Toyota Motor Corp 流体分配システム及び燃料電池システム
JP2009295291A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Daihen Corp 流体供給装置
KR100949421B1 (ko) 2007-12-15 2010-03-24 한밭대학교 산학협력단 작동 성능 신뢰성 확보를 위한 연료 전지 장치 및 이의제어 방법
JP2011165588A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子形燃料電池発電システム
WO2014111686A1 (en) * 2013-01-18 2014-07-24 Afc Energy Plc Fuel cell system
WO2016062506A1 (de) * 2014-10-21 2016-04-28 Volkswagen Ag Brennstoffzellensystem sowie verfahren zum abschalten eines brennstoffzellenstapels
DE102015118972A1 (de) 2014-11-14 2016-07-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem und Verfahren zum Wiederherstellen der Zellenspannung desselben
JP2020072011A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
DE102021116052A1 (de) 2020-06-26 2021-12-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem
JP7517354B2 (ja) 2022-02-01 2024-07-17 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057977A2 (en) * 2007-10-31 2009-05-07 Korea University Industry and Academy Cooperation Foundation Fuel cell device and the method for controlling the same
WO2009057977A3 (en) * 2007-10-31 2009-06-25 Univ Korea Ind & Acad Coop Fuel cell device and the method for controlling the same
KR100949421B1 (ko) 2007-12-15 2010-03-24 한밭대학교 산학협력단 작동 성능 신뢰성 확보를 위한 연료 전지 장치 및 이의제어 방법
JP2009151987A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Toyota Motor Corp 流体分配システム及び燃料電池システム
JP2009295291A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Daihen Corp 流体供給装置
JP2011165588A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子形燃料電池発電システム
WO2014111686A1 (en) * 2013-01-18 2014-07-24 Afc Energy Plc Fuel cell system
GB2530142A (en) * 2013-01-18 2016-03-16 Afc Energy Plc Fuel cell system
WO2016062506A1 (de) * 2014-10-21 2016-04-28 Volkswagen Ag Brennstoffzellensystem sowie verfahren zum abschalten eines brennstoffzellenstapels
CN107078325A (zh) * 2014-10-21 2017-08-18 大众汽车有限公司 燃料电池***以及用于关停燃料电池堆栈的方法
US10727508B2 (en) 2014-10-21 2020-07-28 Audi Ag Fuel cell system and method for switching off a fuel cell stack
DE102015118972A1 (de) 2014-11-14 2016-07-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem und Verfahren zum Wiederherstellen der Zellenspannung desselben
JP2020072011A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP7035964B2 (ja) 2018-10-31 2022-03-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
DE102021116052A1 (de) 2020-06-26 2021-12-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem
JP2022022560A (ja) * 2020-06-26 2022-02-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
US11552314B2 (en) 2020-06-26 2023-01-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system
JP7211400B2 (ja) 2020-06-26 2023-01-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP7517354B2 (ja) 2022-02-01 2024-07-17 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006294402A (ja) 燃料電池システム
KR100811806B1 (ko) 연료전지 시스템의 제어장치, 연료전지 시스템, 연료전지 하이브리드 차량
JP6112882B2 (ja) 燃料電池システムの起動方法
WO2010150337A1 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システムにおける始動時制御方法
JP2007109615A (ja) 燃料電池システム及びその停止方法
US20090280372A1 (en) Fuel cell system
US7662494B2 (en) Fuel cell system
JP2005302304A (ja) 燃料電池システム
JP2019087470A (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP2008103228A (ja) 燃料電池システム
JP2007157449A (ja) 燃料電池システム及びその起動方法
KR20190134062A (ko) 연료전지의 공기 공급 제어방법 및 제어시스템
JP2006196402A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP2009117066A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP2007220355A (ja) 燃料電池システムと燃料電池の低温起動方法
JP2007242449A (ja) 燃料電池システム
JP2007027078A (ja) 燃料電池システム
US8241804B1 (en) Method for controlling fuel cell system
JP2005093111A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP2010061960A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池制御方法
JP6972920B2 (ja) 燃料電池システム
CN113745600B (zh) 燃料电池***
JP2009076261A (ja) 燃料電池システム及びその起動方法
JP2009104955A (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP2005032502A (ja) 燃料電池システム