JP2006291002A - 冷却液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱伝導率および熱交換効率を向上させ、自動車内燃機関用冷却液として必要なpH範囲を有し、かつ他の成分と反応せず長期間安定して使用することができる冷却液組成物を提供する。
【解決手段】 水および/またはグリコール類を主成分とし、成分中に、カーボンナノチューブを含有し、アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤を含有し、pHが7〜9の範囲である冷却液組成物。
【解決手段】 水および/またはグリコール類を主成分とし、成分中に、カーボンナノチューブを含有し、アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤を含有し、pHが7〜9の範囲である冷却液組成物。
Description
本発明は、熱交換器内に充填して用いる熱輸送流体に係り、特に、他の諸特性を低下させることなく熱伝導率を向上させた冷却液組成物に関する。
自動車の内燃機関、携帯用電子機器、空調、発電所等においては、装置内に熱輸送流体を循環させ、熱エネルギーが著しく発生する箇所において熱輸送流体に熱エネルギーを吸収させる冷却過程と、吸熱した熱輸送流体を他の箇所に導いて熱エネルギーを放出させる放熱過程を繰り返すことによって冷却を連続的に行っている。
このような熱輸送流体のうち、特に自動車内燃機関用の冷却液としては、水またはグリコール類を主成分とする冷却液が一般的に用いられている。内燃機関を効率良く冷却するために、冷却液としては、なるべく熱伝導率の高い液体が望まれている。冷却液の熱交換効率が向上すれば、冷却液の使用量を減らすことおよびラジエーター等の放熱器の放熱面積を縮小することができ、自動車の軽量化・コスト削減に寄与することもできる。
液体の熱伝導率を向上させる方法として、粒子径がナノメートルオーダー(直径100nm程度)以下の金属粒子(Al2O3、CuO、TiO2、Fe2O3等)を分散剤と共に液体に混合する方法が提案されている。
しかしながら、金属ナノ粒子を用いて液体の熱伝導率を向上させるには、5重量%程度以上の金属ナノ粒子を添加することが必要であるため、液体の動粘度が増加し、流体を循環させるポンプ動力が増大してしまう。また、流体が通過する際の管内抵抗が増加するため、熱交換効率が低下してしまう。
また、液体の熱伝導率を向上させるために、金属ナノ粒子の代わりにカーボンナノチューブ等の炭素ナノ粒子を分散させる技術が知られている。しかしながら、カーボンナノチューブは容易に沈殿してしまい、そのままでは液体中に分散することが困難であるので、これらの技術においては、表面に酸処理を行ったり(例えば、特許文献1〜5参照)、含フッ素ポリマーやアミノ基を有する塩基型ポリマーを用いて(例えば、特許文献6参照)カーボンナノチューブに対して表面処理を行い、可溶化している。
しかしながら、カーボンナノチューブに酸処理を行って表面に酸性官能基を付与した場合、カーボンナノチューブを少量を添加しただけでpHが低下して冷却液としての使用可能なpH領域を逸脱してしまうという問題がある。また、塩基性ポリマーを添加した場合は、配管系等の金属部品の腐食抑制のために添加されている防錆剤と反応し、溶液の分離、沈殿や浮遊物の生成、冷却液の変性等を起こすという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、熱伝導率および熱交換効率を向上させるのはもちろんのこと、自動車内燃機関用冷却液として必要なpH範囲を有し、かつ冷却液の他の成分と反応せず長期にわたって安定して使用することができる冷却液組成物を提供することを目的としている。
本発明の冷却液組成物は、水および/またはグリコール類を主成分とし、成分中に、カーボンナノチューブを含有し、アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤を含有し、pHが7〜9の範囲であることを特徴としている。
上記構成の冷却液組成物によれば、カーボンナノチューブが添加されているので、溶液の熱伝導率が向上している。また、アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤を含有し、かつpHが7〜9の範囲であるので、カーボンナノチューブが溶液に可溶化されており、かつ防錆剤等の冷却液の他の成分と反応しないので、自動車内燃機関用冷却液として長期にわたって安定的に使用することができる。
以下、本発明の冷却液組成物の好適な実施形態について説明する。
本発明の冷却液組成物に用いるカーボンナノチューブの添加量は、全溶液に対して0.1〜5.0重量%であることを好ましい形態としている。この範囲内では、動粘度を自動車内燃機関用冷却液に要求される範囲内に抑えつつ、熱伝導率を向上させることができる。添加量が0.1重量%未満の場合は、熱伝導率向上効果が不十分であり、5.0重量%を超えると、動粘度が増加して自動車内燃機関用冷却液に要求される範囲を超えてしまう。なお、冷却液の送出のためのポンプ動力の増大を容認することができる用途に本発明を用いる場合は、5.0重量%以上の添加量とすることも可能である。
本発明の冷却液組成物に用いるカーボンナノチューブの添加量は、全溶液に対して0.1〜5.0重量%であることを好ましい形態としている。この範囲内では、動粘度を自動車内燃機関用冷却液に要求される範囲内に抑えつつ、熱伝導率を向上させることができる。添加量が0.1重量%未満の場合は、熱伝導率向上効果が不十分であり、5.0重量%を超えると、動粘度が増加して自動車内燃機関用冷却液に要求される範囲を超えてしまう。なお、冷却液の送出のためのポンプ動力の増大を容認することができる用途に本発明を用いる場合は、5.0重量%以上の添加量とすることも可能である。
なお、本発明においては、カーボンナノチューブとして、アルドリッチ社製Multiwall Carbon nanotube(商品コード:63652−5、外径:10〜20nm、内径:5〜10nm、長さ:0.5〜200μm、純度:95%以上)およびアルドリッチ社製Multiwall Carbon nanotube(商品コード:63649−5、外径:20〜30nm、内径:1〜2nm、長さ:0.5〜2μm、純度:95%以上)を使用したが、いずれの場合も動粘度を向上させずに熱伝導率向上効果が得られた。本発明によって得られる効果は、カーボンナノチューブの構造自体に起因していると考えられ、径や長さの異なるカーボンナノチューブを用いても、同様に熱伝導率向上効果を得ることができる。したがって、本発明はこれらのみに限定されず、他の仕様のカーボンナノチューブを使用することもできる。
従来のカーボンナノチューブ分散方法では、上述のとおり溶液のpHが低下したり、冷却液の他の成分と反応してしまうという問題のため、本発明では分散剤として非イオン系の界面活性剤、アニオン系のポリマー型界面活性剤を使用している。また、これらの添加量は、0.05〜0.2重量%であることが好ましい。これにより、冷却液のpHを、自動車内燃機関用冷却液に求められるpH7〜9の範囲に維持している。添加量が0.05重量%未満であると、カーボンナノチューブを十分に分散させることができず、カーボンナノチューブが沈殿してしまう。また、0.2重量%を超えると、pHが9を超えるおそれがある。
非イオン系界面活性剤としては、冷却液組成物に添加される防錆剤との化学反応が起こらない限り任意のものが使用できるが、そのような物質として、例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット・ソルビタン脂肪酸エステル等から選択された1種または混合物を使用することができる。
アニオン系ポリマー型界面活性剤としては、冷却液組成物に添加される防錆剤との化学反応を防止するため、防錆剤として添加されている物質に類似した界面活性剤の使用が好ましく、具体例としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等の低級脂肪酸類、ビス(ポリカルボキシエチル)ホスフィン酸等のリン酸類などが挙げられる。
上記界面活性剤は、平均分子量が約500〜50000の範囲であることが好ましく、カーボンナノチューブの直径・平均長さによって適宜調製して添加する。
金属部材の腐食抑制のために添加する防錆剤は、0.1〜5.0重量%の範囲で添加することが好ましい。0.1重量%未満では腐食抑制効果が不十分であり、5.0重量%を超えると、界面活性剤との化学反応を起こす可能性が大きくなる。また、特にゴム材料等を膨潤させるなど、他の材料への攻撃性が増大する。
防錆剤としては、オルトリン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸等のリン酸、およびこれらのNa塩またはK塩、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸、およびこれらのNa塩またはK塩、安息香酸、トルイル酸、p−tertブチル安息香酸、フタル酸、パラメトキシ安息香酸、ケイ皮酸等の芳香族カルボン酸およびこれらのNa塩またはK塩、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、シクロベンゾトリアゾール、4−フェニル−1,2,3−トリアゾール等のトリアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類、メタ珪酸、水ガラス(Na2O/XSiO3,X=0.5〜3.3)等の珪酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム等のホウ酸塩、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミン塩等から選択された1種または混合物を挙げることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明する。
1.分散剤の検討
[試料1]
エチレングリコール50%水溶液に、カーボンナノチューブ(商品名:Multi Carbon nanotube、アルドリッチ社製、外径:10〜20nm、内径5〜10nm、長さ:0.5〜200μm、純度:95%以上)が0.1重量%、分散剤(β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)が0.1重量%となるように配合し、スターラーを用いて室温にて2時間攪拌した。続いてバス型超音波洗浄機にビーカーのまま投入し、24時間超音波処理を行い、冷却液組成物試料1とした。
1.分散剤の検討
[試料1]
エチレングリコール50%水溶液に、カーボンナノチューブ(商品名:Multi Carbon nanotube、アルドリッチ社製、外径:10〜20nm、内径5〜10nm、長さ:0.5〜200μm、純度:95%以上)が0.1重量%、分散剤(β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)が0.1重量%となるように配合し、スターラーを用いて室温にて2時間攪拌した。続いてバス型超音波洗浄機にビーカーのまま投入し、24時間超音波処理を行い、冷却液組成物試料1とした。
[試料2]
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:デモールEP、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料2の冷却液組成物を作製した。
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:デモールEP、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料2の冷却液組成物を作製した。
[試料3]
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ520、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料3の冷却液組成物を作製した。
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ520、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料3の冷却液組成物を作製した。
[試料4]
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ530、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料4の冷却液組成物を作製した。
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ530、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料4の冷却液組成物を作製した。
[試料5]
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ532A、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料5の冷却液組成物を作製した。
分散剤として特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ532A、花王社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料5の冷却液組成物を作製した。
[試料6]
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC40、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料6の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC40、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料6の冷却液組成物を作製した。
[試料7]
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC60、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料7の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC60、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料7の冷却液組成物を作製した。
[試料8]
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC100、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料8の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:HC100、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料8の冷却液組成物を作製した。
[試料9]
分散剤としてトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:RWIS350、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料9の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名:RWIS350、日本エマルジョン社製)を使用した以外は試料1と同様にして、試料9の冷却液組成物を作製した。
[試料10]
分散剤としてポリマレイン酸ソーダを使用した以外は試料1と同様にして、試料10の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてポリマレイン酸ソーダを使用した以外は試料1と同様にして、試料10の冷却液組成物を作製した。
[試料11]
分散剤としてビス(ポリカルボキシエチル)ホスフィン酸を使用した以外は試料1と同様にして、試料11の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてビス(ポリカルボキシエチル)ホスフィン酸を使用した以外は試料1と同様にして、試料11の冷却液組成物を作製した。
[試料12]
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムを使用した以外は試料1と同様にして、試料12の冷却液組成物を作製した。
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムを使用した以外は試料1と同様にして、試料12の冷却液組成物を作製した。
[試料13]
分散剤を添加しなかった以外は試料1と同様にして、試料13(ブランク)の冷却液組成物を作製した。
分散剤を添加しなかった以外は試料1と同様にして、試料13(ブランク)の冷却液組成物を作製した。
試料1〜13を静置し、18時間経過後および1400時間経過後に溶液を目視にて確認し、分散状態が完全に維持されているものは◎、ほぼ分散状態を維持されているものは○、沈殿して上澄みが透明なものは×として評価した。結果を表1に示す。
2.冷却液組成物の検討
[実施例1]
エチレングリコール50%水溶液に、カーボンナノチューブ(商品名:Multi Carbon nanotube、アルドリッチ社製、外径:10〜20nm、内径5〜10nm、長さ:0.5〜200μm、純度:95%以上)が0.1重量%、分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)が0.1重量%、防錆剤(商品名:ウエストンアンチラスト26B、シーシーアイ社製)が4.0重量%となるように配合し、スターラーを用いて室温にて2時間攪拌した。続いてバス型超音波洗浄機にビーカーのまま投入し、24時間超音波処理を行い、実施例1の冷却液組成物とした。
[実施例1]
エチレングリコール50%水溶液に、カーボンナノチューブ(商品名:Multi Carbon nanotube、アルドリッチ社製、外径:10〜20nm、内径5〜10nm、長さ:0.5〜200μm、純度:95%以上)が0.1重量%、分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)が0.1重量%、防錆剤(商品名:ウエストンアンチラスト26B、シーシーアイ社製)が4.0重量%となるように配合し、スターラーを用いて室温にて2時間攪拌した。続いてバス型超音波洗浄機にビーカーのまま投入し、24時間超音波処理を行い、実施例1の冷却液組成物とした。
[実施例2]
防錆剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例2の冷却液組成物を作製した。
防錆剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例2の冷却液組成物を作製した。
[比較例1]
分散剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の冷却液組成物を作製した。
分散剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の冷却液組成物を作製した。
[比較例2]
分散剤を添加する代わりに、カーボンナノチューブに酸による可溶化処理を行った以外は実施例1と同様にして、比較例2の冷却液組成物を作製した。
分散剤を添加する代わりに、カーボンナノチューブに酸による可溶化処理を行った以外は実施例1と同様にして、比較例2の冷却液組成物を作製した。
[比較例3]
カーボンナノチューブと分散剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の冷却液組成物を作製した。
カーボンナノチューブと分散剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の冷却液組成物を作製した。
[比較例4]
カーボンナノチューブの代わりにアルミナ粒子を5.0重量%添加し、ポリアクリル酸ナトリウムを1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして、比較例4の冷却液組成物を作製した。
カーボンナノチューブの代わりにアルミナ粒子を5.0重量%添加し、ポリアクリル酸ナトリウムを1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして、比較例4の冷却液組成物を作製した。
[比較例5]
カーボンナノチューブの代わりにアルミナ粒子を10.0重量%添加し、ポリアクリル酸ナトリウムを1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして、比較例5の冷却液組成物を作製した。
カーボンナノチューブの代わりにアルミナ粒子を10.0重量%添加し、ポリアクリル酸ナトリウムを1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして、比較例5の冷却液組成物を作製した。
実施例1、2および比較例1〜5の冷却液組成物のpH、50℃における動粘度、熱伝導率、および熱伝導率向上率を測定し、表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1の冷却液組成物では、必要とされるpH範囲(7〜9)、動粘度を維持しつつ、かつ従来よりも熱伝導率が13.16%向上していた。また、実施例2でも10.53%の向上が見られた。一方、比較例1では、分散剤を添加していないため、カーボンナノチューブが沈殿してしまい、熱伝導率は向上しなかった。比較例2では、分散剤ではなくカーボンナノチューブへの酸による可溶化処理を施して分散させているので、動粘度を維持しつつ熱伝導率は向上しているものの、pHに問題を有していた。比較例3では、カーボンナノチューブを添加していないため、熱伝導率は全く向上しなかった。比較例4および5では、アルミナを分散させているため、カーボンナノチューブより多くの添加量を要して結果的に動粘度に問題を有し、さらに、pHが高くなるという問題があった。
以上説明したように、本発明の冷却液組成物によれば、pH、動粘度等、他の特性に悪影響を与えることなく、熱伝導率のみを向上させた冷却液組成物を得ることができる。
Claims (5)
- 水および/またはグリコール類を主成分とし、成分中に、カーボンナノチューブを含有し、アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤を含有し、pHが7〜9の範囲であることを特徴とする冷却液組成物。
- 前記カーボンナノチューブの含有量が、主成分に対し0.1〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の冷却液組成物。
- 前記アニオン系のポリマー型界面活性剤および/または非イオン系界面活性剤の含有量が、主成分に対して0.05〜0.2重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却液組成物。
- さらに防錆剤が0.1〜5.0重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却液組成物。
- 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリマレインソーダ、ビス(ポリカルボキシエチル)ホスフィン酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷却液組成物。
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