JP2006290961A - ポリオレフィン樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents

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浩史 瀧野
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Abstract

【課題】各種の生活資材製品、産業資材製品、工業部品、家電製品の素材として好適であり、特に、揮発性有機化合物(VOC)の排出が抑制される、表面白化防止性能、耐光性や耐脆化性等の耐侯性及びガラス曇り防止性能に優れたポリオレフィン樹脂組成物及びその成形体の提供。
【解決手段】(A)MFR0.1〜200g/10分の結晶性ポリプロピレン99.9〜20重量%、及び(E)無機フィラー0.1〜80重量%を含む樹脂組成物、または、さらに(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)オレフィン系エラストマー、及び(D)スチレン系エラストマーからなる群から選択された少なくとも1種の樹脂またはエラストマー1〜40重量%を含む樹脂組成物100重量部に対して、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体1〜10重量部を配合したことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面白化防止性能、耐光性(変退色性等)や耐脆化性(伸度保持性)等の耐侯性及びガラス曇り防止性能に優れたポリオレフィン樹脂組成物及びその成形体に関し、詳しくは、各種の生活資材製品、産業資材製品、工業部品、家電製品の素材として好適であり、特に、揮発性有機化合物(VOC)の排出が抑制されたガラス曇り防止性の向上した自動車内装部品、または生活資材用製品として好適なポリオレフィン樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等を主体としたポリオレフィン樹脂組成物は、その優れた機械的強度、成形加工性、経済性の特徴を活かして、バケツ、家具部材等の生活資材製品、コンテナ、大型容器類等の産業資材製品、自動車部材等の工業製品、家電外装材等の家電製品等の素材として多用されている。
このような用途における製品においては、長期耐久性が要求されており、長期耐久性に必須の条件としては、耐侯性の向上が重要な要求性能の一つであり、一般的にポリオレフィン樹脂組成物に対しては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤等の添加剤が添加されている。
しかしながら、一部の添加剤においては、揮発しやすかったりポリオレフィン樹脂組成物中を移行しやすく、成形中に金型が汚染される結果、製品表面の光沢が悪化したり、経時で添加剤が製品表面に浮き出るブリード現象により製品の外観が悪化したり、塗装性に悪影響を与える等の問題がある。また、例えば、自動車内装部品分野においては、製品中に含まれる揮発性の高い添加剤により、密室車内でガラス等を曇らせるガラス曇り性(フォギング)と言われる現象が発生するため、安全上や揮発性有機化合物(VOC)の発散の観点でも問題がある。
このような問題を解決する手段として、例えば、分子量が2000以上のヒンダードアミン系光安定剤を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)、3種類のヒンダードアミン系耐光安定剤を使用する方法(例えば、特許文献2参照。)、分子量500以上のフェノール系酸化防止剤と分子量700以上のヒンダードアミン系光安定剤を組み合わせて用いる方法(例えば、特許文献3参照。)のように、光安定剤の分子量を上げ、添加量を制限することにより光安定剤の移行を抑制し、これらの問題を解決する方法が公知である。
しかしながら、従来の方法では、光安定剤の分子量はいまだ十分に高いレベルとは言えず、温度条件によっては経時で揮発、またはブリードしやすい問題が残されている。また、特にポリオレフィン樹脂組成物に無機フィラーが配合された場合には、比表面積の大きい無機フィラーに低分子量の光安定剤が吸着しやすいため、期待された性能が得られなかったり、無機フィラーを起点として耐侯劣化しやすく、より多くの光安定剤を添加する必要があるため、耐揮発性、耐ブリード性には好ましくない。更に、製品強度に影響を与えないほど劣化が少ない場合でも、太陽光が直接当たる製品表面にはミクロクラックが生じて光を散乱し、見かけ上白っぽくなる白化現象や、色艶の退色現象が生じる。特に、自動車分野ではカーボンブラックを添加して黒色で使用するケースが多いが、このような色目の製品では白化や退色現象が顕著に現れやすい。この現象を抑制するためには光安定剤をより多く必要とするが、反面添加剤のブリードにより製品表面の外観が損なわれるという問題が解決されない。
特開平6−212033号公報 特開2002−12720号公報 特開平9−059447号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、各種の生活資材製品、産業資材製品、工業部品、家電製品の素材として好適であり、特に、揮発性有機化合物(VOC)の排出が抑制される、表面白化防止性能、耐光性や耐脆化性等の耐侯性及びガラス曇り防止性能に優れたポリオレフィン樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のヒンダードアミンを有するビニル化合物とエチレンとの共重合体からなる高分子量のエチレン系共重合体を結晶性ポリプロピレン樹脂に配合することでポリオレフィン中の光安定剤の移行、揮発を無くすことを可能とすることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)メルトマスフローレート(MFR)0.1〜200g/10分の結晶性ポリプロピレン99.9〜20重量%、及び(E)無機フィラー0.1〜80重量%を含む樹脂組成物100重量部に対して、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体1〜10重量部を配合したことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、(A)メルトマスフローレート(MFR)0.1〜200g/10分の結晶性ポリプロピレン98.9〜20重量%、(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)オレフィン系エラストマー、及び(D)スチレン系エラストマーからなる群から選択された少なくとも1種の樹脂またはエラストマー1〜40重量%、並びに(E)無機フィラー0.1〜80重量%を含む樹脂組成物100重量部に対して、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体1〜10重量部を配合したことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記(E)無機フィラーが、平均粒径0.1〜50μmのタルクであることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明において、前記(E)無機フィラーが、カーボンブラックであることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明のポリオレフィン樹脂組成物が、MFR1〜200g/10分であることを特徴とする射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明の射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物を用いて射出成形法または射出圧縮成形法により成形加工して得られることを特徴とする射出成形体が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明のポリオレフィン樹脂組成物が、MFR0.1〜20g/10分であることを特徴とする押出成形用ポリオレフィン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明の押出成形用ポリオレフィン樹脂組成物を用いて押出成形法または異形押出成形法により成形加工して得られることを特徴とする押出成形体が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第6又は8の発明の成形体が、自動車用内外装部品であることを特徴とする成形体が提供される。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン中の光安定剤の移行、揮発を無くすことを可能とし、耐侯性を維持しつつ耐ブリードアウト性、揮発性有機化合物の抑制、耐ガラス曇り性等が向上されると共に、特に無機フィラーのタルクやカーボンブラック等が配合されている場合には、耐侯劣化による退化と耐白化性、光安定剤のブリードアウトによる耐白化性等が高度に解決された成形製品が得られる特徴を有する。
本発明は、(A)結晶性ポリプロピレン、(E)無機フィラー、及び(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を含有するポリオレフィン樹脂組成物、(A)結晶性ポリプロピレンと、(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)オレフィン系エラストマー、及び(D)スチレン系エラストマーからなる群から選択された少なくとも1種の樹脂またはエラストマーと、(E)無機フィラーと、並びに、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体と、さらに必要に応じて、酸化防止剤等の添加剤を含有するポリオレフィン樹脂組成物、及びそれから得られる成形体である。以下にポリオレフィン樹脂組成物の構成成分、ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法、成形体等について詳細に説明する。
1.ポリオレフィン樹脂組成物の構成成分
(A)結晶性ポリプロピレン
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(A)結晶性ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)、プロピレンと他のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等)との二元またはそれ以上のランダム及び/またはブロック共重合体、プロピレン重合体とビニルシラン化合物(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメチルシラン等)、(メタ)アクリル酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等)とのグラフト共重合体、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの内、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン−ランダム共重合体、プロピレン・エチレン−ブロック共重合体が好ましい。
(A)結晶性ポリプロピレンのメルトマスフローレート(MFR:JIS K6921−2(1997)、230℃、21.18Nで測定)は、0.1〜200g/10分である。射出成形用樹脂組成物として用いる場合の成分(A)のMFRは、好ましくは1〜200g/10分、より好ましくは5〜100g/10分、更に好ましくは10〜80g/10分である。また、押出成形用樹脂組成物として用いる場合の成分(A)のMFRは、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.2〜10g/10分、更に好ましくは0.3〜6g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、成形加工性(流動性、製品外観)等が劣る惧れがあり、200g/10分を超えると、衝撃強度等が劣る惧れがある。
(B)ポリオレフィン系樹脂
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(B)ポリオレフィン系樹脂は、成分(A)以外のポリオレフィン系樹脂であって、ポリエチレン系樹脂が好ましい。具体的には、密度0.910g/cm以上0.935g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレン、密度0.910g/cm以上0.940g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.940g/cm以上0.980g/cm以下の高密度ポリエチレン、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満の超低密度ポリエチレン、エチレンとビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等)、α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等)、α,β−不飽和カルボン酸金属塩(例えば、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛等のアイオノマー)、酸無水物(例えば、無水マレイン酸等)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)との二元以上のランダム、ブロック、ないしはグラフト共重合体、及びこれらの混合物等が挙げられる。
成分(B)のMFR(JIS K6922−2(1997)、条件D(190℃、21.18N)で測定)は、0.1〜200g/10分が好ましい。射出成形用樹脂組成物として用いる場合の成分(B)のMFRは、好ましくは1〜200g/10分、より好ましくは1〜100g/10分である。また、押出成形用樹脂組成物として用いる場合の成分(B)のMFRは、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満では、成形加工性(流動性、全体外観)等が劣る惧れがあり、200g/10分を超えると、引張強度等が劣る惧れがある。
(C)オレフィン系エラストマー
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(C)オレフィン系エラストマーは、密度(JIS K6922−1(1997)、JIS K6922−2(1997)、水中置換法で測定)が0.86g/cm以上0.88g/cm未満のエチレン・炭素数3〜18のα−オレフィン共重合体、エチレン・炭素数3〜10のα−オレフィン・非共役ジエン共重合体等(例えば、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエン共重合体(EPDM))、プロピレン重合体とエチレン・プロピレン共重合体(EPR)もしくはEPDM、所望によりエチレン系重合体を有機過酸化物の存在下で動的架橋してなる組成物等が挙げられる。これらの内、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましく、特に好ましくは、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体である。これらのエラストマーは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのエラストマーの製造方法は、特に限定されないが、バナジウム化合物系触媒や、WO−91/04257号公報等に示される様なメタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。
(D)スチレン系エラストマー
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(D)スチレン系エラストマーは、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン−ブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン−ブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・プロピレン−ブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン−ブロック共重合体等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン組成物においては、成分(B)、成分(C)、成分(D)は、成形体に要求される機械物性、二次加工性、成形体成形時に要求される加工性等の改良のために用途に応じて、好ましくは、少なくとも一種が適宜選ばれ配合される。
例えば、衝撃強度が要求される用途に用いられる場合には、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満の超低密度ポリエチレン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーが好ましい。具体的な超低密度ポリエチレンとは、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等)との二元以上の共重合体等が挙げられ、より好ましくはエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン共重合体等が好ましい。これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの超低密度ポリエチレンの製造方法は、特に限定されないが、バナジウム化合物系触媒や、WO−91/04257号公報等に示されるようなメタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。
また、例えば、印刷適正、塗装性、或いはポリオレフィン以外の樹脂との相溶性等が要求される用途に用いられる場合には、エチレンとビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体、α,β−不飽和カルボン酸金属塩、酸無水物等の極性モノマーとの二元以上のランダム、ブロック、ないしはグラフト共重合体等が好ましく、具体的にはエチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸等との二元以上のランダム、ブロック、ないしはグラフト共重合体、アイオノマー等が挙げられ、より好ましくはエチレンとアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等との二元以上のランダム、ブロック、ないしはグラフト共重合体等が好ましく、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのエチレン系共重合体の製造方法は特に限定されないが、高圧法ラジカル重合やグラフト重合等を用いて製造されたものが好ましい。
更に、例えば、押出成形時の加工性が要求される場合には、溶融張力の高い材料が求められるため、高圧ラジカル重合を用いて製造された低密度ポリエチレン、クロム系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレン、チタン系触媒を用いて2段以上の重合槽を用いて製造された高密度ポリエチレン等が挙げられる。
(E)無機フィラー
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(E)無機フィラーは、製品の剛性、耐熱性、耐侯性等の物性の向上、寸法調整、寸法安定性の向上、成形加工性の向上、静電防止性の向上等のため用いられる。成分(E)の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭素繊維、ウィスカー、カーボンブラック等が挙げられる。これらの内では、タルク、カーボンブラックが好ましく、両者を併用しても良い。
上記タルクの平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmであり、特に好ましくは0.1〜15μmである。平均粒径が0.1μm未満では無機フィラーの取り扱い性が低下したり、凝集により物性が低下する惧れがある。平均粒径が50μmを超えると、物性の向上効果が低下する惧れがある。
該タルクの平均粒径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、測定装置としては、例えば、堀場製作所製LA−920型が測定精度において優れているので好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物を用いて、射出または押出成形された成形体は、意匠性が要求されるため、着色が施されているのが一般的であり、カーボンブラックは、色彩調整等のためにも用いられている。特に自動車の内外装材には、黒色、または暗色であることが多く、退色や耐白化性が顕著に認められやすい。例えば、カーボンブラック等の場合では、白化は低分子量の添加剤がブリードアウトすることにより白く浮き出たり、耐侯劣化の結果製品表面のミクロクラックにより光が乱反射されて白く見えることに起因する。従って、耐ブリードアウト性や耐侯性において、カーボンブラックの配合の有無で顕著に悪影響が出ることはないが、黒色となることでより耐白化性の向上が認められやすい。
具体的なカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
タルク等の無機フィラーは、一般に比表面積が大きいため、低分子量の有機物を吸着しやすい。このため、低分子量の光安定剤も無機フィラーに吸着され、期待される耐侯性能が損なわれる惧れがある。本発明の組成物では、光安定剤として分子量の極めて高いエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を用いるため、吸着されにくく、無機フィラーが配合された樹脂組成物には特に有効である。
(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体
本発明のポリオレフィン樹脂組成物で用いる(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体は、エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを高圧ラジカル重合法にて重合して得られる。例えば、特許第2695975号に記載の方法で重合して得られる。
また、成分(F)は、以下の(f−1)、(f−2)の物性を満足するものを用いることが好ましい。
(f−1)メルトマスフローレート(MFR)
成分(F)のMFR(JIS K6922−2(1997)、条件D(190℃、21.18N)で測定)は、0.1〜200g/10分が好ましく、より好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは1〜5g/10分である。MFRが0.1g/10分未満であると結晶性ポリプロピレンへの相溶性や分散性が低下し、耐侯性が低下する。MFRが200g/10分を超えると、高分子量の共重合体といえども、オリゴマーが増えることにより拡散透失によるブリードアウトや耐侯性の低下が生じたり、製品物性が低下する惧れが生じる。
(f−2)4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン含有量
成分(F)中の4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含有量は、エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの和に対して4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜6重量%である。4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含有量が0.1重量%未満の場合は、結晶性ポリプロピレンにブレンドして使用する際に、高含量のブレンドが必要であり、また少量ブレンドの場合は、長期耐候性能が得難い。4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含有量が10重量%を超える場合は、適正な耐候性を得るのに、極少量ブレンドとなり均一に分散しにくい。
4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含有量は、公知の窒素分析を用いて窒素含有量を測定し、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの1分子中(分子量211)に含まれる1個の窒素(分子量14)の分子量から計算されるが、微量の濃度になるので、例えば、ダイヤインストルメンツ社製TN−10型微量窒素分析計を用いた燃焼・化学発光法による測定が精度が良く好ましい。
(G)その他の任意成分
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、更に、耐侯性及び耐ガラス曇り性を向上させ、かつ耐熱劣化、加工安定性を向上させる目的で、下記の成分(イ)、(ロ)を配合することもできる。また(E)無機フィラーの分散性向上、無機金属活性点の不活性化等を目的として成分(ハ)を使用することもできる。
(イ)ヒンダードフェノール系酸化防止剤
本発明のポリオレフィン樹脂組成物に含有させることのできるヒンダードフェノール系酸化防止剤(イ)は、110℃以上の融点を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。110℃以上の融点を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(4−メチル−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。
(ロ)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
本発明のポリオレフィン樹脂組成物に含有させることのできるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ロ)は、110℃以上の融点を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。110℃以上の融点を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。
(ハ)脂肪酸またはその金属塩
本発明のポリオレフィン樹脂組成物に含有させることのできる脂肪酸またはその金属塩(ハ)は、600以上の分子量、110℃以上の融点を有する脂肪酸またはその金属塩が好ましい。600以上の分子量、110℃以上の融点を有する脂肪酸またはその金属塩としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸アルミニウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。
(ニ)その他
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、その他の任意の付加的成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。付加的成分としては、例えば、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、有機過酸化物、銅害防止剤、中和剤、顔料、着色剤、帯電防止剤、核剤、スリップ剤、難燃剤、発泡剤、ワックス等の顔料分散剤等が挙げられるが、該付加的成分の内、分子量及び/または融点が110℃以上等なるべく高いものが本発明の効果を損ないにくく、特に好ましい。上記顔料としては、無機質顔料または有機質顔料を包含し、前者では各種金属の酸化物、硫化物、硫酸塩が挙げられ、後者ではフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンジジン系などが挙げられる。
2.各成分の配合割合
本発明のポリオレフィン樹脂組成物において、配合される成分の割合は以下の通りである。
(A)結晶性ポリプロピレン、(E)無機フィラーを含有する組成物にあっては、成分(A)99.9〜20重量%、成分(E)0.1〜80重量%であり、好ましくは成分(A)99.9〜35重量%、成分(E)0.1〜65重量%であり、より好ましくは、成分(A)99.5〜50重量%、(E)0.5〜50重量%であり、特に好ましくは、(A)99〜55重量%、成分(E)1〜45重量%である。
また、(A)、(B)〜(D)の少なくとも1種の樹脂成分、及び(E)無機フィラーを含有する組成物にあっては、成分(A)98.9〜20重量%、成分(B)〜(D)の少なくとも1種の樹脂成分1〜40重量%、成分(E)0.1〜80重量%であり、好ましくは、成分(A)98.5〜35重量%、成分(B)〜(D)の少なくとも1種の樹脂成分1〜30重量%、成分(E)0.5〜65重量%であり、より好ましくは、成分(A)98〜55重量%、成分成分(B)〜(D)の少なくとも1種の樹脂成分1〜25重量%、成分(E)1〜45重量%である。
成分(A)の配合割合が99.9重量%を超えると、本発明の極めて高い耐侯性の改良効果が認められず、20重量%未満だと、製品の剛性や耐衝撃性、耐熱性等が低下する。
成分(E)の配合割合が0.1重量%未満では、物性等の向上効果が得られ難く、80重量%を超えると、製品の衝撃強度や成形加工性等が低下する。射出成形に用いられる場合には、成分(E)の配合割合が30重量%以下であることが特に好ましい。
また、成分(B)〜(D)を用いた場合には、該成分の少なくとも1種の樹脂成分の配合割合が40重量%を超えると、製品の剛性や耐熱性、寸法安定性等が低下し、1重量%未満では、目的とする製品の物性等の向上効果が得られ難くい。
また、カーボンブラックと他の無機フィラー(例えばタルク等)とを併用し、カーボンブラックは色調として用いる場合においては、0.1〜10重量%の範囲で配合することが望ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物に配合される成分(F)の配合割合は、成分(A)〜(E)の樹脂組成物100重量部に対して、1〜10重量部であり、好ましくは2〜8重量部である。成分(F)の配合割合が1重量部未満であると、耐侯性と他の性能の向上が望めない。また、10重量部を超えると、結晶性ポリプロピレン中でドメインとなり製品の衝撃強度等の機械物性が低下する惧れが生じる。
さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イ)は、成分(A)100重量部当たり0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部用いるのが好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ロ)は、成分(A)100重量部当たり0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部用いるのが好ましい。脂肪酸またはその金属塩(ハ)は、成分(E)100重量部当たり0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部用いるのが好ましい。
3.ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法
(1)混練、造粒
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前記の成分(A)〜(F)を前記の配合割合で任意の順番に配合して、一軸押出機、二軸押出機、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等通常の混練機を用いて混練、造粒することによって得られる。この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練、造粒方法を選択することが好ましく、二軸押出機を用いて、混練、造粒することが好ましいが、成分(A)〜(D)及び(F)は、成形時にドライブレンド等で配合することも可能である。更に、成分(F)の分散性を向上させるため、予め粉砕機や粒断機等を用いて粉粒状としたものを用いても良い。混練、造粒の際には、上記成分(A)〜(F)の配合物を同時に混練しても良く、また混練効果の向上を図るべく、各成分を分割、例えば先ず成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の一部または全部を混練し、その後に残りの成分を混練、造粒することもできる。また、成分(E)、(F)は、予め高濃度に成分(A)や成分(B)〜(D)に練り込んだいわゆるマスターバッチとしたものを、混練造粒時や射出成形時等に希釈して用いることもできる。また、成分(F)は、予め成分(A)〜(E)の配合物を混練、造粒した後、成形時等にドライブレンドにより配合して用いること等もできる。
(2)成形
前記のような方法で得られた本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、射出成形、ガスアシスト成形、射出圧縮成形等の射出成形、または押出成形、シート成形、異形押出成形等の押出成形によって各種成形品を得ることができる。このような成形方法で成形される場合に制約は無く、場合によっては、2色成形、インサート成形、共押出成形等の公知方法により他のポリオレフィンや他の樹脂、金属等との複合製品として用いることや、炭酸ガス等との超臨界状態での射出成形、シート成形後の真空成形等を用いることもできる。
(3)ポリオレフィン樹脂組成物のMFR
本発明のポリオレフィン樹脂組成物のメルトマスフローレート(MFR:JIS K6921−2(1997)、230℃、21.18Nで測定)は、好ましくは0.1〜200g/10分である。射出成形用樹脂組成物として用いられる場合のMFRは、好ましくは1〜200g/10分、より好ましくは5〜100g/10分、更に好ましくは10〜80g/10分である。また、押出成形用樹脂組成物として用いられる場合のMFRは、好ましくはMFR0.1〜20g/10分、より好ましくは0.2〜10g/10分、更に好ましくは0.3〜6g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、成形加工性等が劣る惧れがあり、200g/10分を超えると、衝撃強度等が劣る惧れがある。
4.成形体の用途
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前記性能を発現できるため、各種の生活資材製品、産業資材製品、工業部品、家電製品等の耐侯性が要求される成形体としての実用性能を有しており、好ましくは、バンパー、トリム、ピラー、ダッシュボード、インストルメントパネル、コンソール、ランプハウジング、ラゲッジボード、フロアシート、ウィンドストリッパー、ドアモール、ルーフモール、シートフック等の自動車用内外装部品、より好ましくは、耐ガラス曇り性、揮発性有機化合物の排出抑制が要求される自動車用内装部品として好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ポリオレフィン樹脂組成物中のヒンダードアミン含有量は、樹脂組成物に添加した成分(F)及び光安定剤の1分子中に含まれる2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基の量を分子量から計算して求められ、高分子量光安定剤の場合には繰り返し単位中に含まれる2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基の量を分子量から計算して求める。
(実施例1)
(1)射出成形用ポリオレフィン組成物の作成
成分(A)としてMFR16g/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)(ただし、PP−1 100重量部に対し、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量部含む)40重量%、およびMFR10g/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体パウダー(PP−2)23重量%、成分(B)としてMFR3.4g/10分、密度0.896g/cmのメタロセン系触媒を用いて高圧イオン重合法で製造されたエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE)12重量%、成分(E−1)として平均粒径6μmのタルク25重量%からなる樹脂組成物100重量部に、成分(F)としてMFR3.3g/10分のエチレン96.2重量%と4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン3.8重量%との共重合体(日本ポリエチレン(株)製、KOKANOX;XJ100H)3.5重量部、及び紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、チヌビン326;UVA−1)0.2重量部、その他の添加剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.02重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.02重量部、ステアリン酸マグネシウム0.3重量部をスーパーミキサーを用いて混合し、下記の条件で溶融混練した後ペレット化して、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.09重量%であった。
押出機:池貝鉄工製PCM45二軸押出機
樹脂温度:200℃
スクリュー回転数:100〜150rpm
フィーダー回転数:15〜25Hz
(2)成形
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、温度90℃のギアーオーブン中で1時間乾燥させた後、下記の条件で射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
成形機:東芝機械製射出成形機IS90B
溶融樹脂温度:230℃
金型温度:40℃
射出圧力:一次圧力45〜55MPa
保圧:5〜10MPa
射出時間:20〜30秒
全サイクル:45〜60秒
試験片:JIS K7113(1995)、厚み2mm、2号形試験片
縦・横120mm、厚み2mm、平板シート(フィルムゲート)
(3)耐侯性の評価
前記の2号試験片を用い、下記の条件で耐侯性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(i)耐侯試験条件
試験方法:JIS B7753(1993)、サンシャインカーボンアーク灯式耐侯性試験
試験条件:温度63℃、湿度50%、噴霧120分サイクル、ガラス製フィルターA
(ii)耐侯性の評価
サンプリング:500時間まで100時間毎、以降250時間毎に抜き取った。
試験方法:JIS K7113(1995)
試験速度:5mm/min
測定項目:引張破壊伸び
評価方法:引張破壊伸びが、耐侯性試験前の50%以下に低下するまで試験を続け、50%以下に低下した試験時間の直前の試験時間と引張破壊伸びの低下率から、50%に低下する時間を計算し、伸度保持時間として耐侯性を評価した。
(4)耐ガラス曇り性(フォギング)の評価
前記の平板シートから直径80mmの円盤状試験片を打抜き、下記の条件で耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
試験方法:ISO 6452(2000)
加熱条件:80℃、20時間
ガラス板温度:20℃
測定項目:JIS K7136(2000)によるヘーズ
評価方法:ヘーズ値が小さいほど、ガラスが曇りににくく、耐ガラス曇り性が良好である。
(比較例1)
実施例1で、成分(F)、及び紫外線吸収剤UVA−1を配合せずに、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例1と同様にして射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及び平板シートを用いて、実施例1と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で、成分(F)、及び紫外線吸収剤UVA−1を配合せずに、その他の添加剤として、光安定剤ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、キマソーブ944LD;LS−1)0.1重量部、及びコハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、チヌビン622LD;LS−2)0.1重量部を配合して、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.10重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例1と同様にして射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及び平板シートを用いて、実施例1と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で、成分(F)を配合せずに、その他の添加剤として、光安定剤ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、チヌビン770;LS−3)0.15重量部を配合して、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.09重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例1と同様にして射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及び平板シートを用いて、実施例1と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で、樹脂組成物の配合を、成分(A)としてPP−2 21.7重量%に変更し、成分(E−2)としてカーボンブラック1.3重量%を更に配合する以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.09重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例1と同様にして射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
2号試験片、及び平板シートを用い、実施例1と同様の条件で伸度保持時間と耐白化性による耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、耐白化性の評価は平板シートを用い、下記の条件で耐侯性試験前のシートと試験後のシートの色差を測定し、耐白化性を評価した。
サンプリング:3000時間耐侯性試験後、サンプルを抜き取った。
試験方法:JIS Z8730(2002)、分光測色方法
測定項目:L表色系による、耐侯性試験前後での色差
評価方法:色差が小さいほど白化が少なく、耐白化性が良い。
(比較例4)
実施例2で、成分(F)、及び紫外線吸収剤UVA−1を配合せずに、その他の添加剤として、光安定剤LS−1 0.1重量部、及びLS−3 0.1重量部を配合して、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.10重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例1と同様にして射出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及び平板シートをそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及び平板シートを用いて、実施例2と同様にして伸度保持時間と耐白化性による耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
(1)押出成形用ポリオレフィン組成物の作成
成分(A)としてMFR0.3g/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体パウダー(PP−3)53.7重量%、成分(C)としてMFR11.9g/10分(JIS K7210(1999)、条件M(230℃、2.16kg)で測定)、密度0.872g/cmのメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で製造されたエチレン・1−オクテン共重合体(EOR)5重量%、成分(E−1)としてタルク 40重量%、成分(E−2)としてカーボンブラック1.3重量%からなる樹脂組成物100重量部に、成分(F)としてXJ100H 5重量部、及びその他の添加剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.1重量部、ステアリン酸マグネシウム0.5重量部をスーパーミキサーを用いて混合し、下記の条件で溶融混練した後ペレット化して、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.12重量%である。
押出機:池貝鉄工製PCM45二軸押出機
樹脂温度:200℃
スクリュー回転数:100〜150rpm
フィーダー回転数:15〜25Hz
(2)成形
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、温度90℃のギアーオーブン中で1時間乾燥させた後、下記の条件で押出成形し、物性評価用の厚み2mmのシート試験片、及び2号試験片をそれぞれ得た。
成形機:ラボプラストミル単軸押出機、シリンダー直径20mm
溶融樹脂温度:210℃
金型形状:厚み2mm、幅50mm
試験片:押し出されたシート状溶融樹脂を、冷却プレスを用いて、金型温度30℃、圧力80MPaで厚み2mmのシート試験片を作成した。更に、下記の試験片を打ち抜いた。
JIS K7113(1995)、厚み2mm、2号形試験片
(3)耐侯性の評価
前記の2号試験片、及びシート試験片を用い、実施例2と同様にして伸度保持時間と耐白化性による耐侯性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(4)耐ガラス曇り性評価
前記のシート試験片から1600πmm相当の面積となるように切り出した試験片(約50mm×100mm)を用い、実施例2と同様にして耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例3において、その他の添加剤として、紫外線吸収剤UVA−1 0.3重量部を配合し、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.12重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及びシート試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例3において、樹脂組成物の配合を、成分(A)のPP−3 58.7重量%に変更し、成分(C)を配合せずになる樹脂組成物100重量部に、その他の添加剤として、紫外線吸収剤UVA−1 0.3重量部を配合し、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.12重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmのシート試験片、及び2号試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例3において、成分(F)を配合せずに、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及びシート試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例3において、成分(F)を配合せずに、その他の添加剤として、光安定剤LS−1 0.25重量部を配合し、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.12重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及びシート試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例3において、成分(F)を配合せずに、その他の添加剤として、紫外線吸収剤UVA−1 0.3重量部を配合し、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及びシート試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例3において、成分(F)を配合せずに、その他の添加剤として、光安定剤LS−1 0.2重量部、LS−3 0.2重量部、及び紫外線吸収剤UVA−1 0.3重量部を配合し、実施例3と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物の耐侯性に有効な官能基(ヒンダードアミン)含有量は、0.21重量%である。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、実施例3と同様にして押出成形し、物性評価用の厚み2mmの2号試験片、及びシート試験片をそれぞれ得た。
得られた2号試験片、及びシート試験片を用いて、実施例3と同様にして耐侯性、耐ガラス曇り性を評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2006290961
Figure 2006290961
表1において、実施例1、2、及び比較例1〜4は、タルクを25重量%配合する射出成形用樹脂組成物の実施例、及び比較例である。
実施例1は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合しているため、耐侯性、耐ガラス曇り性に優れる。
比較例1は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合していないため、耐侯性に著しく劣る。
比較例2は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、実施例1とほぼ同量の有効官能基含有量となるように分子量の低いヒンダードアミン系光安定剤を配合しているが、耐侯性に劣る。
比較例3は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、実施例1とほぼ同量の有効官能基含有量となるように分子量、融点の低いヒンダードアミン系光安定剤を配合おり、耐侯性は認められるものの、耐ガラス曇り性に劣る。
実施例2は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体、及びカーボンブラックを配合しているため、耐侯性に更に優れる。
比較例4は、実施例2でエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、実施例1よりやや多い有効官能基含有量となるように分子量、融点の低いヒンダードアミン系光安定剤を配合しており、耐侯性は認められるものの、耐ガラス曇り性に劣る。
表2において、実施例3〜5、及び比較例5〜8は、タルクを40重量%配合する押出成形用樹脂組成物の実施例、及び比較例である。前記の実施例1、2、及び比較例1〜4と比較すると、タルクを高含量配合するため、耐侯性は悪化しやすい。
実施例3は、結晶性ポリプロピレンにエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合しているため、耐侯性、耐ガラス曇り性に優れる。
実施例4は、実施例3に更に融点が高い紫外線吸収剤を配合しているため、耐侯性、耐白化性に更に優れる。
実施例5は、成分(B)〜(D)を含まないが、実用上十分な耐侯性、耐ガラス曇り性に優れる。
比較例5は、実施例3でエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合していないため、耐侯性、耐白化性に著しく劣る。
比較例6は、実施例3でエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、実施例3とほぼ同量の有効官能基含有量となるように分子量の低いヒンダードアミン系光安定剤を配合しているが、耐侯性、耐白化性にやや劣る。
比較例7は、実施例3でエチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、紫外線吸収剤を配合しているが、耐侯性、耐白化性に劣る。
比較例8は、実施例3で4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合せずに、実施例3のほぼ1.5倍量の有効官能基含有量となるように分子量の低いヒンダードアミン系光安定剤と紫外線吸収剤を配合おり、耐侯性、耐白化性は優れるものの、融点が低いヒンダードアミン系光安定剤が配合されているため、耐ガラス曇り性に劣る。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン中の光安定剤の移行、揮発を無くすことを可能とし、耐侯性を維持しつつ耐ブリードアウト性、揮発性有機化合物の抑制、耐ガラス曇り性等が向上されると共に、特に無機フィラーや顔料のカーボンブラック等が配合されている場合には、耐侯劣化による退化と耐白化性、光安定剤のブリードアウトによる耐白化性等が高度に解決された成形製品が得られる特徴を有する。したがって、各種の生活資材製品、産業資材製品、工業部品、家電製品等の耐侯性が要求される成形体としての実用性能を有しており、特に、自動車用内外装部品、より好ましくは、耐ガラス曇り性、揮発性有機化合物の排出抑制が要求される自動車用内装部品として好適である。

Claims (9)

  1. (A)メルトマスフローレート(MFR)0.1〜200g/10分の結晶性ポリプロピレン99.9〜20重量%、及び(E)無機フィラー0.1〜80重量%を含む樹脂組成物100重量部に対して、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体1〜10重量部を配合したことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  2. (A)メルトマスフローレート(MFR)0.1〜200g/10分の結晶性ポリプロピレン98.9〜20重量%、(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)オレフィン系エラストマー、及び(D)スチレン系エラストマーからなる群から選択された少なくとも1種の樹脂またはエラストマー1〜40重量%、並びに(E)無機フィラー0.1〜80重量%を含む樹脂組成物100重量部に対して、(F)エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体1〜10重量部を配合したことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 前記(E)無機フィラーが、平均粒径0.1〜50μmのタルクであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 前記(E)無機フィラーが、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン樹脂組成物が、MFR1〜200g/10分であることを特徴とする射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物を用いて射出成形法または射出圧縮成形法により成形加工して得られることを特徴とする射出成形体。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン樹脂組成物が、MFR0.1〜20g/10分であることを特徴とする押出成形用ポリオレフィン樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の押出成形用ポリオレフィン樹脂組成物を用いて押出成形法または異形押出成形法により成形加工して得られることを特徴とする押出成形体。
  9. 前記成形体が、自動車用内外装部品であることを特徴とする請求項6又は8に記載の成形体。
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