JP2006290854A - ウイスカー強化歯科用セラミックス及びその常圧製造法 - Google Patents

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善裕 高雄
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文学 汪
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Abstract

【目的】アルミナウイスカー強化歯科用セラミックス及びその常圧製造方法を提供する。
【構成】乳鉢を用いてウイスカーとセラミックスマトリックスを液体中で混合することと焼結温度をウイスカーの無いときのセラミックスの焼結温度Tより高くT=T(1+Wwp)±10℃の範囲内に制御することを構成の特徴とし、歯科技工操作が簡便である。

Description

本発明は、高い圧力の要らないウイスカー強化歯科用セラミックスの常圧製造方法に関するものである。
歯科材料として金属、コンポジットレジン、セラミックスがよく用いられている。中でもセラミックスは耐磨耗性、生体への適合性及び審美性に優れるため、修復・補綴材料またはオールセラミックスクラウン材料として高い評価が得られている。特に天然歯に近いオールセラミックスクラウンに対する市場の要求が高まってきている。しかし現在よく用いられている歯科用セラミックスは一般的に曲げ強度や破壊靭性が不十分であり、強く噛み合うところでは欠けやすく、割れやすい。市場の要求を応えるためには、歯科用セラミックスの曲げ強度や破壊靭性の強化は不可欠である。セラミックス材料の曲げ強度や破壊靭性を改善する手段として、セラミックスウイスカーでセラミックスマトリックスを複合強化する方法が知られている。この複合化において高い曲げ強度及び破壊靭性を得るためには、ホットプレスなどによる加圧焼結方法が一般的である。しかし、このような製造方法は特別な装置を必要とし、また製造過程も複雑になり、患者個々のセラミックス歯冠の製造コストは高いものとなる。よって、このような複合化を歯科用セラミックスに適用し、その曲げ強度及び破壊靭性を改善するためには、特別な装置の要らない常圧製造法の発明が必要である。
一般的に、ウイスカーでセラミックスを複合強化するとき、ウイスカー分散の不均一性や凝集などに起因する欠陥や緻密化の低下によって、常圧焼結での強度及び靭性の改善はかなり困難である。この困難を克服ためにこれまで加熱加圧方法が取られてきたが、本発明の目的は、加圧を要しない、歯科技工操作が簡便で、曲げ強度及び破壊靭性を改善できるウイスカー強化歯科用セラミックス常圧製造法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるウイスカー強化歯科用セラミックス常圧製造法は、乳鉢を用いてウイスカーとセラミックスマトリックスを液体中で混合することと焼結温度をウイスカーの無いときのセラミックスの焼結温度より一定温度高く制御することを構成の特徴とする。
本発明のウイスカー強化歯科用セラミックスを構成するウイスカーはアルミナを主成分とする酸化物系セラミックスウイスカーとし、直径が0.5〜1.0μm、長さが10〜30μmであることが好ましい。一方、マトリックスとなるセラミックス粉末は、シリカを主成分とする市販の歯科用陶材であればよい。
複合材の原料配合率はマトリックスのセラミックス粉末に対して、ウイスカーの重量パーセントとして5%あるいはその以下に設定することが好ましい。ウイスカーの配合率が5%を越えると、ウイスカーの分散の不均一性や凝集などを招き、焼結性が悪くなる。その結果、常圧焼結体は透明感を失い、強度と破壊靭性も低下する。
ウイスカーとセラミックスマトリックスとの複合粉末は乳鉢を用いた液式混合と乾燥によって作製される。先ずウイスカーの凝集をほぐすため、ウイスカーと蒸留水を乳鉢に入れて均一になるまで攪拌する。続いて、セラミックスマトリックスを乳鉢に混合し均一になるまで攪拌する。その後、得られた複合系液状原料を自然乾燥または加熱乾燥して複合系粉末を作製する。加熱乾燥を採用するときの液温は60〜80℃の範囲が好ましい。
上記の複合粉末を素材に歯冠を作製する方法として、現在歯科技工士によく用いられている築盛法を採用する。焼結温度をT=T(1+Wwp)±10℃の範囲に制御する。Tはウィスカーの添加が無いときの歯科用セラミックスの焼成温度、Wwpはウイスカーの重量パーセントである。焼結温度の違いを除き焼結プロセスはウイスカーの無いセラミックス原料を用いる歯科用常圧(減圧脱泡過程を含む)焼結プロセスと同じである。
上記の本発明の常圧製造法によって製作されるウイスカー強化歯科用セラミックスは、従来の歯科用セラミックスより20%の曲げ強度の上昇及び23%〜40%破壊靭性の向上を得ることができる。
本発明のウイスカー強化歯科用セラミックス常圧製造法は、特別な加圧装置を必要とせず、技工操作も従前通りと容易である。しかも、本発明によって作製されるウイスカー強化歯科用セラミックスでは曲げ強度及び破壊靭性の向上が得られ、歯冠材料として有用である。また、歯科材料に限らず、一般的な低ウイスカー含有率のウイスカー強化セラミックスの常圧製作にも応用できる。
発明を実施するための最良状態
本発明を実施するための最良状態は、焼結温度がT=T(1+Wwp)±10℃となり、ウイスカーの配合比率がセラミックスマトリックスに対し重量比で5:95となる状態である。
マトリックスとして、歯科用セラミックス粉末スーパーポーセレンAAA(Noritake製)及びセラビアン(Noritake製)、強化材としてアルボレックスアルミナウイスカー(四国化成製)を用いてウイスカー強化セラミックスを作製し、3点曲げ試験及び圧子圧入試験(IF)による強度及び破壊靭性の測定を行った以下の実施例によって本発明を具体的に鋭明する。
ウイスカーとセラミックスマトリックスとの複合粉末は、乳鉢にアルミナウイスカーと蒸留水を入れ、15分間混合した後にセラミックス粉末を入れ、さらに15分間混合した後で乾燥することによって得られた。
試験片は、IS06872を参照し、得られた粉末を蒸留水と調合した後に型枠に入れ、枠を軽く叩いて振動を与えながら表面に浮き出た水分を吸い取る作製方法によって矩形スラリーを作製し、このスラリーをT=T(1+Wwp)±10℃で1分間2回焼成することによって得られた。具体的には、1回目の焼成では、先ず650℃にて5分間乾燥し、次に650℃にて29mm/Hgに達するまで減圧し、続いて29mm/Hg減圧状態にて50℃/分の速度でT=T(1+Wwp)±10℃に達するまで温度を上げ、T=T(1+Wwp)±10℃に達した時点で減圧処理を止め、T=T(1+Wwp)±10℃にて1分間焼成した後に焼成した試験片を炉から取り出し、空気中にて室温まで冷却させる。2回目の焼成は、5分間の乾燥及び減圧を省いた以外、1回目と同じ要領である。その後、ダイヤモンドペーパー2000番(粗さ4〜8μm)までを用いて焼成後の試験片を鏡面に研磨仕上げた。最終的に1mmx3mmx20mmの3点曲げ試験片及び1mmx3mmx5mmの圧子圧入破壊靭性試験片を作製した。
ポーセレンAAAとセラビアンを用いた実施例の試験結果を表1及び表2に示す。ウイスカーを添加しない試験片に比べ、本製造法で作製したウイスカー強化歯科用セラミックスは20%近い高い曲げ強度及び23%〜40%高い破壊靭性を示した。
Figure 2006290854
Figure 2006290854

Claims (2)

  1. 歯科用陶材(ガラスセラミックス)をマトリックスとし、アルミナを主成分とするウイスカーを強化材として5%以内添加して焼成するウイスカー強化歯科用セラミックス。
  2. 歯科用陶材(ガラスセラミックス)をマトリックスとし、アルミナを主成分とするウイスカーを強化材として5%以内添加し、大気圧条件において焼成温度をT=T(1+Wwp)±10℃の範囲に制御したウイスカー強化歯科用セラミックスの常圧製造法。ここで、Tはウイスカーの添加が無いときの歯科用セラミックスの焼成温度、Wwpはウイスカーの重量パーセントである。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110028333A (zh) * 2019-03-06 2019-07-19 北京化工大学 齿科修复用树脂渗透零维/一维多孔陶瓷复合材料及其制备方法
CN114209599A (zh) * 2021-11-19 2022-03-22 武汉高登齿科材料有限公司 一种牙科硅橡胶印模材料及其制备方法

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