JP2006290624A - ベルトコンベヤによって被印刷体枚葉紙を搬送する方法、およびその方法に適したベルトコンベヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】枚葉紙を搬送するベルトコンベヤのベルトの磨耗を減らす。
【解決手段】被印刷体枚葉紙を処理する機械のベルトコンベヤは、被印刷体枚葉紙を搬送するベルト11と、ベルト11を案内するローラ8を含む。ベルト11は複数の開口12を有し、ローラ8は複数の開口12に係合する複数のピン10を有する。そして、リング14,15が、ピン10に対して相対的に回転可能にローラ8上に支持されており、このリング14,15の上にベルト11が載っている。ベルト11は、ピン10と開口12の嵌合によってのみ駆動され、ローラ8によってベルト11の内面とローラ8の円周面との間の摩擦係合によって駆動されるのではない。
【選択図】図4
【解決手段】被印刷体枚葉紙を処理する機械のベルトコンベヤは、被印刷体枚葉紙を搬送するベルト11と、ベルト11を案内するローラ8を含む。ベルト11は複数の開口12を有し、ローラ8は複数の開口12に係合する複数のピン10を有する。そして、リング14,15が、ピン10に対して相対的に回転可能にローラ8上に支持されており、このリング14,15の上にベルト11が載っている。ベルト11は、ピン10と開口12の嵌合によってのみ駆動され、ローラ8によってベルト11の内面とローラ8の円周面との間の摩擦係合によって駆動されるのではない。
【選択図】図4
Description
本発明は、請求項1の前提項に記載された、複数の開口を有し、被印刷体枚葉紙を搬送するベルトと、複数の開口に係合する複数のピンを有し、ベルトを案内するローラとを含むベルトコンベヤによって被印刷体枚葉紙を搬送する方法に関する。さらに本発明は、請求項2の前提項に記載された、複数の開口を有し、被印刷体枚葉紙を搬送するベルトと、複数の開口に係合する複数のピンを有するローラとを含む、被印刷体枚葉紙を処理する機械のベルトコンベヤに関する。
特許文献1にはベルトコンベヤが記載されている。このベルトコンベヤの場合、開口が金属環で固定されている。この金属環は、ピンが係合したときの開口の負荷を最小限に抑えるものである。その不都合なところは、一方では、金属環によってベルトの製造コストが高くなることであり、他方では、負荷のために金属環がベルトから外れることがあることである。この従来技術では、開口の負荷の原因はまだ認識されていない。
ドイツ特許出願公開明細書第4017931号
そこで、本発明の目的は、枚葉紙を搬送する方法を提供するとともに、この方法を実施するのに適したベルトコンベヤを提供し、この方法およびベルトコンベヤによりベルトの磨耗をより効果的に減らすことである。
この目的は、請求項1の特徴を備えた方法、および請求項2の特徴を備えたベルトコンベヤによって達成される。
本発明は、複数の開口を有し、被印刷体枚葉紙を搬送するベルトと、複数の開口に係合する複数のピンを有し、ベルトを案内するローラとを含むベルトコンベヤによって被印刷体枚葉紙を搬送する方法において、ベルトは、実質的に、ピンと開口の間の嵌合によってのみ駆動され、実質的に、ローラによってベルトの内面とローラの円周面との間の摩擦係合によって駆動されるのではないことを特徴とする。
本発明は、複数の開口を有し、被印刷体枚葉紙を搬送するベルトと、複数の開口に係合する複数のピンを有するローラとを含む、被印刷体枚葉紙を処理する機械のベルトコンベヤにおいて、上にベルトが載っている少なくとも1つのリングが、ピンに対して相対的に回転可能にローラ上に支持されていることを特徴とする。本発明のベルトコンベヤは、本発明の方法を実施するのに適している。
本発明は、中立線(中立素分:neutral Faser)の半径方向の位置の変化によって生じることがある、ベルトの中立線の円周速度とローラの円周面の円周速度との間の速度差がベルトの磨耗の原因になるという認識が根底にある。中立線の半径方向の位置は、たとえばベルトに予め加わっている張力が経年劣化により弱くなるために変化することがある。中立線は、嵌合によってピンからベルトへ伝達されるトルクの有効半径を規定する。従来技術(特許文献1)のベルトでは、ローラの円周面が、この円周面上に載っているベルトの内面と摩擦係合によって一緒に作用し、その際にトルクをベルトに同様に伝達する時に、ローラの円周面も同様に、トルクの伝達に関する有効半径を規定する。これらの2つの有効半径は、大きさが互いに異なっているため、前述した速度差が生じる。
本発明では、ベルトの内面とローラの円周面の間に作用する摩擦係合が、この摩擦係合によってトルクがローラからベルトへもはや実質的に伝達できなくなるように打ち消されることによって、このような速度差、およびその結果として生じるベルトの磨耗が回避される。本発明のベルトコンベヤでは、ピンに対して相対的に行われるリングの回転運動によって速度差が補償される。リングと、内面がリングの円周面上に載っているベルトが接触している間は、これらの両方の面の間で実質的に滑りのない摩擦が生じており、すなわち実質的に静止摩擦が生じている。速度差を補償する回転滑りは、リングと、ローラの、リングを支持する構成部品との間に生じるか、またはリングの内部に生じる。リングがたとえば構成部品の上で摺動するすべり軸受として構成されている場合には、リングと構成部品の間に滑りが生じる。この構成部品は、たとえばローラの軸であってもよく、あるいはこの軸に装着された、ローラのスリーブ状の中空軸であってもよい。たとえば多数の部分で構成されるリングがころ軸受である場合には、リングの内部に滑りが生じる。
従属請求項には、本発明によるベルトコンベヤの有利な態様が記載されている。
1つの態様では、ピンはローラの円周に沿って列をなすように配置されており、列は、リングと、ピンに対して相対的に回転可能に支持され、かつ上にベルトが載っている別のリングとの間に配置されている。
別の態様では、最初に述べたリングはすべり軸受である唯一のリングとして構成され、または、最初に述べたリングと別のリングとがすべり軸受として構成されている。
別の態様では、最初に述べたリングはころ軸受である唯一のリングとして構成され、または、最初に述べたリングと別のリングとがころ軸受として構成されている。
別の態様では、ローラは、最初に述べたリングが唯一のリングとして、回転可能に上に載る部分を備えており、または、ローラは、最初に述べたリングが回転可能に上に載る部分と、別のリングが回転可能に上に載る別の部分とを備えている。
本発明またはその態様のうちの1つに対応して構成されたベルトコンベヤを備えている、被印刷体枚葉紙を処理する機械の枚葉紙排紙装置も本発明に属している。本発明またはその態様のいずれかに対応して構成されたベルトコンベヤを備えている印刷機も、同様に本発明に属している。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1から図7では、互いに対応する部材および構成部品に同じ符号が付されている。
図1は、被印刷体である枚葉紙4を処理する機械、特に印刷機1を示している。印刷機1は、平版オフセット印刷用の印刷ユニット2と、枚葉紙4を排紙する排紙装置3とを有している。排紙装置3は、枚葉紙4を搬送するチェーンコンベヤ5と、チェーンコンベヤ5の下方、かつ取り除かれた枚葉紙4から形成されている排紙パイル6よりも手前に配置されたベルトコンベヤ7とを含んでいる。ベルトコンベヤ7は枚葉紙制動装置であり、チェーンコンベヤ5から解放された枚葉紙4を減速させて、この枚葉紙4を排紙パイル6まで運ぶ。
図2は、ベルトコンベヤ7が、第1のローラ8と、第2のローラ9と、両ローラ8,9に巻かれた無端のベルト11とを有している様子を示している。第1のローラ8はベルト11の循環運動を駆動する駆動ローラであり、第2のローラ9は、ベルト11によって駆動される、ベルト11を方向転換させるガイドローラである。両ローラ8,9は同じ構造なので、現状の第1のローラ8の構造についての以下の説明は、比喩的な意味で第2のローラ9についても当てはまる。
第1のローラ8は、ベルト11を駆動するためにベルト11の複数の開口12に係合する複数のピン10を有している。複数のピン10は、ピン10同士の間に存在する一定の間隔が開口12同士の間にある一定の間隔とまったく同じ大きさになると見込まれるように、第1のローラ8の円周方向に延びる列17をなすように配置されている。開口12は、枚葉紙4をベルト11の外面23に吸い付ける吸引開口である。ベルト11の内面22に当接し、開口12に真空を作用させる吸気ボックスが、図面をより分かりやすくするために図示されていない。ベルトの中立線が符号25で示され、第1のローラ8のローラ円周面が符号24で示されている。
図3は、ピン10が、第1のローラ8の中心部分を構成する軸13に嵌め込まれている様子を示している。
それとは異なり、ピン10と軸13を、たとえば射出成形法で一体的に構成することもでき、その場合、ピン10は軸13に一体成形される。
図3に見られるとおり、列17の左右には、第1の支持リング14と第2の支持リング15が軸13に装着されている。両支持リング14,15はそれぞれころ軸受として構成されており、その内側の軸受リングは軸13に回転不能に装着されており、ローラ円周面24(図2参照)を形成する、その外側の軸受リングには、円周面上にベルト11が載っている。ベルト11はその内面22が、第1のローラ8に関しては両支持リング14,15上にだけ載っており、第1のローラ8のそれ以外のどの部材の上にも載っていない。両軸受リング14,15の間に配置された円筒体、たとえば球またはニードルは、各支持リング14または15の内部でピン10に対して相対的に生じる、幾何学上の軸26を中心とした回転運動を可能にする。両支持リング14,15は、ピン10および安全リング16によって、軸13に沿って行われる移動が生じないように軸方向に固定されている。
図4は、第1の部分19と第2の部分20とフランジ21とを備えている軸13の構成と、すべり軸受としての両支持リング14,15の構成の点のみで、図5に示す実施形態と区別される実施形態を示している。したがって、第1の部分19上に第1の支持リング14が回転可能に載っており、第2の部分20上に第2の支持リング15が回転可能に載っている。両方の部分19,20の間に配置されたフランジ21から、ピン10が突出している。ベルト11はその内面22が、ブシュ状の支持リング14,15の軸受外面上に載っているだけでなく、円周表面が軸受外面と同一平面上にあるフランジ21上にも載っている。回転軸26の方向に測ったときのフランジ21の幅は、同じ方向に測ったときの両支持リング14,15を合わせた幅よりもはるかに短いので、フランジ21の円周表面とベルト11の内面22との間に生じる摩擦係合は、ベルト11に対する力の作用に関しては無視できるほど小さい。この摩擦係合が、実際に、中立線25とローラ円周面24の間に不都合な速度差を引き起こすことはあり得ない。
場合によってはフランジ21の直径をほんの少しだけ小さくすることができ、その結果、軸受外面が、もはや半径方向においてフランジ21と同一平面上で終わるのではなく、フランジ21の上に少し突出して、ベルト11の内面22とフランジ21がもはや全く接触しなくなる。
図5から図7は、軸13が、中に別の軸18が回転不能に収まっているスリーブ状の中空軸として構成されている点のみで図4の実施形態と区別される実施形態を示している。
1 印刷機
2 印刷ユニット
3 排紙装置
4 枚葉紙
5 チェーンコンベヤ
6 排紙パイル
7 ベルトコンベヤ
8 第1のローラ
9 第2のローラ
10 ピン
11 ベルト
12 開口
13 軸
14 第1の支持リング
15 第2の支持リング
16 安全リング
17 列
18 別の軸
19 第1の部分
20 第2の部分
21 フランジ
22 内面
23 外面
24 ローラ円周面
25 中立線
26 回転軸
2 印刷ユニット
3 排紙装置
4 枚葉紙
5 チェーンコンベヤ
6 排紙パイル
7 ベルトコンベヤ
8 第1のローラ
9 第2のローラ
10 ピン
11 ベルト
12 開口
13 軸
14 第1の支持リング
15 第2の支持リング
16 安全リング
17 列
18 別の軸
19 第1の部分
20 第2の部分
21 フランジ
22 内面
23 外面
24 ローラ円周面
25 中立線
26 回転軸
Claims (8)
- 複数の開口(12)を有し、被印刷体枚葉紙(4)を搬送するベルト(11)と、前記複数の開口(12)に係合する複数のピン(10)を有し、前記ベルト(11)を案内するローラ(8)とを含むベルトコンベヤ(7)によって前記被印刷体枚葉紙(4)を搬送する方法において、
前記ベルト(11)は、実質的に、前記ピン(10)と前記開口(12)の間の嵌合によってのみ駆動され、実質的に、前記ローラによって前記ベルト(11)の内面(22)と前記ローラ(8)の外周面(24)との間の摩擦係合によって駆動されるのではない
ことを特徴とする、ベルトコンベヤによって被印刷体枚葉紙を搬送する方法。 - 複数の開口(12)を有し、被印刷体枚葉紙(4)を搬送するベルト(11)と、前記複数の開口(12)に係合する複数のピン(10)を有するローラ(8)とを含む、特に請求項1に記載の方法を実施するための、被印刷体枚葉紙(4)を処理する機械(1)のベルトコンベヤ(7)において、
上に前記ベルト(11)が載っている少なくとも1つのリング(14)が、前記ピン(10)に対して相対的に回転可能に前記ローラ(8)上に支持されていることを特徴とする、被印刷体枚葉紙を処理する機械のベルトコンベヤ。 - 前記複数のピン(10)は前記ローラ(8)の円周に沿って列(17)をなして配置されており、前記列(17)は、前記リング(14)と、前記ピン(10)に対して相対的に回転可能に支持され、かつ上に前記ベルト(11)が載っている別のリング(15)との間に配置されている、請求項2に記載のベルトコンベヤ。
- 前記リング(14)、または前記リング(14)と前記別のリング(15)の各々が、すべり軸受として構成されている、請求項2または3に記載のベルトコンベヤ。
- 前記リング(14)、または前記リング(14)と前記別のリング(15)の各々が、ころ軸受として構成されている、請求項2または3に記載のベルトコンベヤ。
- 前記ローラ(8)は、前記各リング(14,15)ごとに、上に前記リング(14,15)が回転可能に装着された部分(19,20)が設けられている、請求項2から5までのいずれか1項に記載のベルトコンベヤ。
- 請求項2から6のいずれか1項に記載のベルトコンベヤ(7)を備えている、被印刷体枚葉紙(4)を処理する機械(1)の枚葉紙排紙装置。
- 請求項2から6のいずれか1項に記載のベルトコンベヤ(7)を備えている印刷機。
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DE102005015096 | 2005-04-01 |
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JP2019517968A (ja) * | 2016-05-17 | 2019-06-27 | レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー. カーゲー | 金属搬送ベルトを有する、基板の表面処理装置 |
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- 2006-04-03 US US11/396,993 patent/US20060220306A1/en not_active Abandoned
- 2006-04-03 JP JP2006101871A patent/JP2006290624A/ja active Pending
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Publication number | Publication date |
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CN1840453A (zh) | 2006-10-04 |
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