JP2006284231A - 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法 - Google Patents

遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006284231A
JP2006284231A JP2005101586A JP2005101586A JP2006284231A JP 2006284231 A JP2006284231 A JP 2006284231A JP 2005101586 A JP2005101586 A JP 2005101586A JP 2005101586 A JP2005101586 A JP 2005101586A JP 2006284231 A JP2006284231 A JP 2006284231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescence
gene fragment
nucleotide
fluorescent dye
bound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005101586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4399575B2 (ja
Inventor
Masayuki Machida
雅之 町田
Jun Natsuki
潤 夏木
Akihide Ito
彰英 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2005101586A priority Critical patent/JP4399575B2/ja
Publication of JP2006284231A publication Critical patent/JP2006284231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4399575B2 publication Critical patent/JP4399575B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】遺伝子断片中の所定位置における少なくとも一つのヌクレオチドの種類を、蛍光測定法によって検出する方法を提供する。
【解決手段】遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定が、遺伝子の一塩基多型が知られている個所におけるプリン塩基またはピリミジン塩基について、少なくとも2種類の蛍光緩和時定数の異なる色素を用い、検出用DNA配列と被測定DNA配列とをライゲーションし、蛍光発光における蛍光緩和時定数を測定して、被検体DNA配列がホモかヘテロかを検出して一塩基多型の有無を検出する遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一塩基多型(SNP's)に代表にされる、個体によって存在するヌクレオチドの種類が異なることが知られている部分を含む遺伝子断片中のそのヌクレオチドの種類を、蛍光測定法によって特定する方法に関する。
遺伝子中に存在し、体質や薬剤感受性に関係しているといわれているSNP'sの分析、検出は、遺伝子中のその種類を特定すべきヌクレオチドと結合する蛍光色素で標識された検出用オリゴヌクレオチドを、分析対象の遺伝子断片と反応させ、前記蛍光色素の発する蛍光の強度を測定することで行われている。この際、分析対象の遺伝子断片は、マイクロビーズやガラス板等の担体に固定化される場合が多いが、これらの担体やその他の測定雰囲気中に存在する蛍光放射物質の発する蛍光により、測定目的の蛍光の正確な検出が妨げられることがあった。
一方、医療、生物分野では、フローサイトメータが用いられている。フローサイトメータでは、マイクロビーズにレーザ光を照射することにより、例えば蛍光色素が結合されてなる所定の物質が結合したマイクロビーズの発する蛍光を検出し、この蛍光により、所定の物質の存在を識別することが行われている。ここで、マイクロビーズには、所定の物質を結合させるプローブ(相補的な配列を持つ遺伝子の断片や特定のタンパク質に結合する抗体などの選択的結合機能を有する物質)が表面に設けられている。
具体的には、フローサイトメータは、細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の生体物質であって蛍光色素が結合されてなるものが測定対象物として含まれる混濁液にマイクロビーズを混ぜた後、あるいは、生体物質が測定対象物として含まれる混濁液に、マイクロビーズ及び生体物質に結合でき且つ蛍光色素が結合された物質を混ぜた後、圧力を与えて毎秒10m程度の速度で管路内を流れるシース液にマイクロビーズを流してフローセルを形成する。このフローセル中のマイクロビーズにレーザ光を照射することにより、蛍光色素が発する蛍光を受光する。この蛍光には、マイクロビーズに結合した蛍光色素によるもの(B)と結合していない蛍光色素によるもの(F)とがあるが、フローサイトメータでは物質の大きさの情報も得ることができるため、前者と後者とを区別して測定することができる。
フローサイトメータでは、複数の測定対象物の同時測定が試みられている。特許文献1には、フローサイトメータによる免疫測定方法であって、測定対象物と結合する抗体や抗原が固相化されてなる粒子として、屈折率の異なる2種以上の粒子を用いる方法が開示されている。この方法では、例えば、測定対象物aと結合する抗体が固相化されてなる粒子と、測定対象物bと結合する抗体が固相化されてなる粒子とは、互いに屈折率が異なるため、用いる蛍光色素は一種類でも、多種類の測定対象物を区別して測定することができる。
しかし、上記発明では、粒子、即ちマイクロビーズとして、複数種類のものを調製しなければならない。
また、特許文献2、3では、標識化検出体および結合物質を、検査対象物を介してのみ互いに結合するように選択し、標識化検出体群を、各検査種類ごとに多数含み、各検査種類ごとに識別可能となるように標識化して、DNA抽出液中での複数検査種類の所定塩基配列をもつ遺伝物質をPCR法で増幅して、存在の有無、または存在の程度を検査する方法が記載されている。検出工程はフローサイトメータや蛍光測定装置による検出であるとのみ記載されているが、標識化検出体群を、各検査種類ごとに多数含み、各検査種類ごとに識別可能に検出するためには、さらに、検出精度の向上が必要である。
特開平6−27112号公報 特開2002−181821号公報 特開平2004−12343号公報
本発明は、測定対象物を固定する担体として粒子を用いる蛍光測定による遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法であって、使用される粒子が一種類であっても、また複数種類の蛍光色素を使用しても、高精度で分析対象を分別して測定することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
(1)遺伝子断片中の所定位置における少なくとも一つのヌクレオチドの種類を、担体として粒子を用い変調したレーザ光の照射によって生じる蛍光緩和時定数の測定によって検出することを特徴とする、遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法。
(2)遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定が、遺伝子の一塩基多型が知られている個所におけるプリン塩基またはピリミジン塩基について、少なくとも2種類の蛍光緩和時定数の異なる色素を用い、検出用DNA配列と被測定DNA配列とをライゲーションし、蛍光発光における蛍光緩和時定数を測定して、被検体DNA配列がホモかヘテロかを検出して一塩基多型(SNP’s)の有無を検出する(1)に記載の遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法。
本発明によれば、遺伝子断片中の所定位置における少なくとも一つのヌクレオチドの種類を、正確に、精度高く特定できる。
本発明によれば、遺伝子中の一塩基多型が知られている個所のヌクレオチドの種類を特定することができる。
また、本発明によれば、粒子に結合した蛍光色素による蛍光と、結合していない蛍光色素による蛍光とを分別して測定することができるので、B/F分離を行わなくてもよい。
さらに、本発明によれば、複数種類の蛍光色素を使用することにより、複数種類のヌクレオチドを同時に検出・特定することもできる。
<一塩基多型(SNP's)>
本発明の方法は、遺伝子断片中の所定位置における少なくとも一つのヌクレオチドの種類を検出できるが、特には、固体に固有な相同染色体上の一塩基の違いを簡便に検出する。一塩基多型と呼ばれる相同染色体上の一塩基の違いの組み合わせは、図1に示す、アデニンホモ、へテロ、グアニンホモの3種類となる。一塩基多型の多くは、プリン塩基間(A,G)およびピリミジン塩基間(T,C)でおこり易いので、目的の被測定DNA配列を含む配列の中で、プリン塩基もしくはピリミジン塩基について、ホモかヘテロかを調べることで一塩基多型を検出できる。
<担体粒子>
本発明の方法に用いる、被測定物質等が結合する担体粒子は、遺伝子断片等のオリゴ−又はポリヌクレオチドをその表面に結合することができるものであれば、特に限定されるものではない。その例を挙げると、有機物粒子、無機物粒子、合成粒子、天然粒子が例示でき、マイクロビーズを含む合成高分子重合体粒子、赤血球、ゼラチン粒子等が挙げられる。
これらの中で、水不溶性水分散型合成高分子重合体粒子が好ましい。水不溶性水分散型合成高分子重合体粒子の具体例としては、ポリスチレン粒子、メタクリル酸トリフルオロエチル等のメタクリル酸フルオロアルキルエステル誘導体の(共)重合体粒子を挙げることができる。
用いる粒子の粒子径は、測定に適切な大きさである限り、特に限定されない。例えば、本発明の方法をフローサイトメータを用いて実施する場合には、通常、その直径が1〜20μmの粒子が好適に用いられる。
次に、本発明方法において、分析対象の遺伝子断片がどのようにして担体である粒子に結合されるのかを説明する。
粒子は多種類の粒子を混合して用いても、1種類の粒子を用いてもよいが、本発明の方法は、屈折率等の光学的性質が異なる粒子を用いる必要はなく、光学的に実質的に同一である粒子に結合した遺伝子断片中の少なくとも一つのヌクレオチドの種類の違いを検出できる。
<(1)第一の測定法>
その第一の例では、1)個体によりその位置に存在するヌクレオチドの種類が異なることが知られている部分を含む二本鎖の遺伝子断片であって、異なる種類のヌクレオチドをその遺伝子断片のセンス鎖の3'末端付近の突出部位に含む分析対象の遺伝子断片(被測定DNA)を、2)そのアンチセンス鎖の3'末端付近の突出部位のヌクレオチド配列が、分析対象の遺伝子断片のセンス鎖の3'末端付近の突出部位のヌクレオチド配列に相補的である蛍光試薬で標識された二本鎖オリゴヌクレオチド(検出用DNA)と反応させる工程と、3)前記被測定DNAおよび・または検出用DNAを担体粒子に結合させる工程と、4)前記二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された蛍光試薬の発する蛍光を測定する工程とを含む。
図2A及び図2Bを参照しながら説明する。これは、遺伝子のある個所がGである個体とAである個体とが知られている一塩基多型の検出の例である。
ここで、分析対象とするDNA中の一塩基多形部分を検出するためのライゲーションに適した形にする方法(一塩基多形を突出末端中に含んだ形態に処理する方法)としては、PCRとクラスIIs制限酵素処理を組み合わせる事で行う事ができる。クラスIIs制限酵素はパリンドロームでない配列を認識し、特定の配列から数bp離れた位置をその配列に関わらず切断する。その性質を利用し、分析対象の配列中の一塩基多形より上流にクラスIIs制限酵素の認識配列をもったプライマーを合成し、そのプライマーを用いて分析対象のDNAをPCRする事で、日的対象のDNAと同じ一塩基多形部位をもちながら、クラスIIs制限酵素サイトを上流に持つ遺伝子断片を多数得ることができる。あとは、この断片を制限酵素処理し、検出用配列とライゲーションさせ、ライゲーションの終わった断片をビーズに結合させ、ビーズの蛍光緩和時定数を計測すれば、一塩基多形の有無を検出することができる。
以下にクラスIIs制限酵素としてBseRI(NewEnglandBioLabs社製)を用いた湯合の例を示す。
分析対象とするDNA中の一塩基多形部より8塩基分、5’上流にCTCCTCという配列その他は分析対象と相補的な配列のプライマーを用いPCRを行う。次ぎにこのPCR産物をBseRIで処理するとその処理物は一塩基多形部を突出末端に含む形で切断される。この断片はTerminal deoxynucleotide transferase(PIERCE社)を用いて,DNAの3’−OH末端にBiotin−N4−CTPを取り込ませてビオチン標識する。一方、検出用配列としては、2塩基の突出末端部分に目的の一塩基多形に対応する配列を有し、その逆側の末端にDIGを標識したオリゴヌクレオチドを用いることができる。2塩基の突出末端部分は合成した長さの違うオリゴヌクレオチドをアニーリングする事で得られる。DIG標織はDIGケミリンクラベリングキット(Rochediagnostics社製)を用いることにより可能である。
上記のBseRIで処理されビオチン標識された断片と検出用配列とをライゲーションする事で、突出未端中の一塩基多形の配列に応じてライゲーションが行われる。ライゲースによる処理の終わったサンプルはストレプトアビジン表面のマイクロビーズ(Polyscience社製)に対して作用させることで検出用配列分析対象の末端に標識されたビオチンとマイクロビーズ表面のストレプトアビジンによる結合によりマイクロビーズ表面に固定化される。このマイクロビーズ由来の蛍光緩和時定数を計測する事で、正確な一塩基多形の計測が行われる。
図2Aは、その表面がストレプトアビジンでコートされた粒子に、そのセンス鎖の5'末端にはビオチンが結合され且つセンス鎖の3'末端はG(この末端はGが突出している)である遺伝子断片(A1)を介して、そのアンチセンス鎖の3'末端はC(この末端はCが突出している)であり且つアンチセンス鎖の5'末端には蛍光色素aが結合された検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D1)が結合する例を示す。
また、図2Bは、その表面がストレプトアビジンでコートされた粒子に、そのセンス鎖の5'末端にはビオチンが結合され且つセンス鎖の3'末端はA(この末端はAが突出している)である遺伝子断片(A2)を介して、そのアンチセンス鎖の3'末端はT(この末端はTが突出している)であり且つアンチセンス鎖の5'末端には蛍光色素bが結合された検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D2)が結合する例を示す。
分析対象の個体は、その遺伝子の特定個所がGであるかAであるかが不明である。そこで、ストレプトアビジンでコートされた粒子、検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D1)、検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D2)及び一塩基多型の個所をそのセンス鎖の3'末端に有する遺伝子断片とを混合すると、遺伝子断片(A1)が存在する場合には、図2A工程2)の反応生成物が生じ、検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(A2)は未結合のままである。
ここで、分析対象の遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとを反応させる工程と、分析対象の遺伝子断片(被測定DNA)および・または検出用DNAを担体粒子に結合させる工程は、それぞれ順序を問わない。また、同時に行ってもよい。
結合反応終了後、未結合の検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D1)及び(D2)を除去し、即ち、B/F分離し、その後に粒子に結合した蛍光色素aの発する蛍光を測定してもよいし、B/F分離をせずに、粒子に結合した蛍光色素aの発する蛍光と、未結合の蛍光色素a及びbの発する蛍光とを、分別定量してもよい。B/F分離後に、粒子に結合した蛍光色素a、bのそれぞれの蛍光波長における蛍光緩和時定数を後述するように測定し、ホモとヘテロとを分別定量してもよい。
上記の例において、一塩基多型が相同染色体上のある位置にあり、従って、相同染色体のいずれもが特定の位置にG(グアニン)を有する固体(Gのホモ体)、いずれもが特定の位置にA(アデニン)を有する固体(Aのホモ体)、及び、相同染色体の一方が特定の位置にGを有し、他方が特定の位置にAを有する固体(ヘテロ体)とが知られている場合には、蛍光色素aに由来する蛍光のみが生ずる場合、蛍光色素bに由来する蛍光のみが生ずる場合、及び蛍光色素aとbとに由来する蛍光が生ずる場合とがある。
なお、蛍光測定法に関しては、後で詳細に述べる。
上記の例において、分析対象の遺伝子断片中のその種類が不明であるヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3'末端に突出させてもよい。この場合、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドは、そのセンス鎖の5'末端に、前記のその種類が不明であるヌクレオチドに相補するヌクレオチドを配することとなる。
また、上記の例とは逆に、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドが担体粒子に結合し、蛍光色素が結合された分析対象の遺伝子断片が、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドに結合するように構成することもできる。そのような場合には、その種類が不明であるヌクレオチドは、センス鎖の5'末端に突出させるか、又はアンチセンス鎖の3'末端に突出させることとなる。
<(2)第二の測定法>
その第二の例では、個体によりその位置に存在するヌクレオチドの種類が異なることが知られている部分を含む二本鎖の遺伝子断片であって、異なる種類のヌクレオチドをその遺伝子断片の3'末端に含む平滑末端の分析対象の遺伝子断片を、平滑末端の二本鎖オリゴヌクレオチドと反応させる工程と、前記分析対象の遺伝子断片を担体粒子に結合させる工程と、前記反応生成物を、遺伝子断片中の異なる種類のヌクレオチドが特定の種類である場合にのみそのヌクレオチド付近で切断をする制限酵素と反応させる工程と、前記二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された蛍光試薬の発する蛍光を測定する工程とを含む。
図3及び図4を参照しながら説明する。これは、遺伝子のある個所がA(センス鎖)とT(アンチセンス鎖)である個体と、C(センス鎖)とG(アンチセンス鎖)である個体とが知られている一塩基多型の検出の例である。
図3は、その表面がストレプトアビジンでコートされた粒子に、そのセンス鎖の5'末端にはビオチンが結合され且つ3'末端はC(センス鎖;アンチセンス鎖はGである)である遺伝子断片(A3)を介して、そのアンチセンス鎖の5'末端には蛍光色素xが結合された検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D3)が結合し(図3工程2))、この反応生成物は、その後HindIIIでは切断されず結合したままである例を示す。
図4は、その表面がストレプトアビジンでコートされた粒子に、そのセンス鎖の5'末端にはビオチンが結合され且つ3'末端はA(センス鎖;アンチセンス鎖はTである)である遺伝子断片(A4)を介して、そのアンチセンス鎖の5'末端には蛍光色素xが結合された検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D3)が結合し(図4工程2))、その後HindIIIで切断される例を示す。
分析対象の個体は、その遺伝子の特定個所がA(T)であるかC(G)であるかが不明である。そこで、ストレプトアビジンでコートされた粒子、検出用二本鎖オリゴヌクレオチド(D3)及び一塩基多型の個所をそのセンス鎖の3'末端(アンチセンス鎖の5'末端)に有する遺伝子断片とを混合すると、遺伝子断片(A4)が存在する場合には、図4工程2)の反応生成物が生じた後に、HindIIIによる切断が生じ、蛍光色素xは担体粒子から離れる。一方、遺伝子断片(A3)が存在する場合には、図3工程2)の反応生成物が生じた後に、HindIIIによる切断が生じず、蛍光色素xは担体粒子に結合したままである。
ここで、分析対象の遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとを反応させる工程と、遺伝子断片を担体粒子に結合させる工程は、順序を問わない。また、同時に行ってもよい。
HindIIIによる切断反応終了後、蛍光色素xが結合された未結合の二本鎖オリゴヌクレオチドを除去し、即ち、B/F分離し、その後に粒子に結合した蛍光色素xの発する蛍光を測定してもよい(なお、図4工程3)の例では蛍光は検出されない)し、B/F分離をせずに、粒子に結合した蛍光色素xの発する蛍光と、未結合の蛍光色素xの発する蛍光とを、分別定量してもよい。
上記の例において、一塩基多型が相同染色体上のある位置にあり、従って、相同染色体のいずれもが特定の位置にA(アデニン)を有する固体(Aのホモ体)、いずれもが特定の位置にC(シトシン)を有する固体(Cのホモ体)、及び、相同染色体の一方が特定の位置にAを有し、他方が特定の位置にCを有する固体(ヘテロ体)とが知られている場合には、B/F分離をした後において、蛍光色素xに由来する蛍光は、Aのホモ体では検出されず、Cのホモ体では強い蛍光が検出され、ヘテロ体では両者の中間となる。
なお、蛍光測定法に関しては、後で詳細に述べる。
上記の例において、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドの遺伝子断片と結合される側の末端付近の配列は、分析対象の遺伝子断片中の、その種類を特定すべきヌクレオチドの種類に応じて、特定の制限酵素によって切断されたりされなかったりするような配列とする。即ち、特定すべきヌクレオチドがある種類のものである場合にのみ、制限酵素認識部位となり、他の種類のヌクレオチドである場合には、その制限酵素が認識しない部位となるような配列とする。また、制限酵素は、分析対象の遺伝子断片中の、その種類を特定すべきヌクレオチドの種類及び検出用二本鎖オリゴヌクレオチドの遺伝子断片と結合される側の末端付近の配列との関係において選択される。
上記の例とは逆に、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドが担体粒子に結合し、蛍光色素が結合された分析対象の遺伝子断片が、検出用二本鎖オリゴヌクレオチドに結合するように構成することもできる。そのような場合には、その種類が不明であるヌクレオチドは、センス鎖の5'末端(アンチセンス鎖の3'末端)に配置される。
<被測定DNA配列>
本発明においては、分析される二本鎖の遺伝子断片は、遺伝子中のヌクレオチドの種類を検出したい位置が遺伝子断片の末端付近に位置するようなプライマーを用い、PCR法等の方法によって増幅することによって入手する。また、遺伝子断片中において、その種類を特定したいヌクレオチドが一方の鎖の突出端に配置されるようにするには、例えば、長さの違う相補配列のオリゴヌクレオチドをアニーリングする等の方法を採用することができる。
上記において、分析対象の遺伝子断片は、一方の鎖あたり、3〜50000個の、好ましくは10〜5000個の、さらに好ましくは50〜100個のヌクレオチドを含む。
また、検出用二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドは、一方の鎖あたり4〜30個の、好ましくは8〜16個のヌクレオチドを含む。
粒子と分析対象の遺伝子断片又は二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドとの結合は、公知の方法によることができる。例えば、分析対象の遺伝子断片が粒子と結合される場合には、その遺伝子断片のセンス鎖又はアンチセンス鎖の、二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドとの結合には使用されない方の末端に、ビオチンを結合させておき、一方、粒子の表面をアビジン又はストレプトアビジンでコートしておけば、ビオチンがアビジン又はストレプトアビジンと結合することにより、分析対象の遺伝子断片が粒子と結合する。あるいは、DIGをヌクレオチド末端に標識しておき、抗DIG抗体がコートされたマイクロビーズに作用させることで、ヌクレオチドをビーズに結合させることができる。また、末端をアミノ化した遺伝子断片をカルボキシ表面やトシル表面のビーズとカップリング剤の存在下で作用させ、ペプチド結合(アミノ結合)させることで結合させることができる。
検出用オリゴヌクレオチドへの蛍光色素の結合は、例えば、当該オリゴヌクレオチドの一方の末端に官能基を導入しておき、その官能基と、蛍光色素の有する官能基とを化学的に結合させる方法、予め蛍光色素を結合させてあるヌクレオチドを、PCR法で取り込ませる方法で行うことができる。また、分析対象の遺伝子断片への蛍光色素の結合は、例えば、予め蛍光色素を結合させてあるヌクレオチドを、PCR法で取り込ませる方法で行うことができる。
上記の例では、遺伝子中のヌクレオチドの種類の特定は、一塩基のみであったが、連続する又は若干離れてはいるが近くにある二以上の塩基の種類を特定するような系も、本発明の範囲内である。また、上記の例では、遺伝子中のその種類が特定されるべきヌクレオチドは、分析対象の遺伝子断片の末端に位置していたが、その位置は、末端付近であればよく、末端である必要はない。例えば、三塩基からなる突出端が形成され、その末端から二番目や三番目のヌクレオチドが、種類を特定すべきヌクレオチドであってもよい。
本発明では、複数種類の遺伝子断片、例えば遺伝子断片Iと遺伝子断片II、の各々におけるある位置のヌクレオチドの種類の特定を、同時に行うこともできる。この方法の実施には、上記した方法において、遺伝子断片とある位置のヌクレオチドの種類との組み合わせごとに、異なる蛍光試薬に由来する蛍光を測定できるように、複数の蛍光試薬を使用すればよい。
<第三の測定法>
第三の例では、個体によりその位置に存在するヌクレオチドの種類が異なることが知られている部分を含む分析対象の一本鎖の遺伝子断片を、当該遺伝子断片中のその種類を特定すべきヌクレオチドを含む1〜60個の、好ましくは10〜60個のヌクレオチドの配列に対して相補的な配列を有する検出用一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせ、次いで、前記分析対象の遺伝子断片を担体粒子に結合させ、そして、前記一本鎖オリゴヌクレオチドに結合された蛍光試薬の発する蛍光を測定する。
この方法において、その種類を特定すべきヌクレオチドは、一つであってもよいし、二つ以上であってもよい。二つ以上である場合、それらのヌクレオチドは、隣接していてもよいし、若干離れていてもよい。
また、上記方法において、分析対象の遺伝子断片と検出用一本鎖オリゴヌクレオチドとをハイブリダイズさせる工程と、遺伝子断片を担体粒子に結合させる工程は、順序を問わない。また、同時に行ってもよい。
ハイブリダイズ反応終了後、蛍光色素が結合された未結合の一本鎖オリゴヌクレオチドを除去し、即ち、B/F分離し、その後に粒子に結合した蛍光色素の発する蛍光を測定してもよいし、B/F分離をせずに、粒子に結合した蛍光色素の発する蛍光と、未結合の蛍光色素の発する蛍光とを、分別定量してもよい。
上記の例とは逆に、検出用一本鎖オリゴヌクレオチドが担体粒子に結合し、蛍光色素が結合された分析対象の遺伝子断片が、検出用一本鎖オリゴヌクレオチドに結合するように構成することもできる。
本発明においては、分析される一本鎖の遺伝子断片は、例えば、asymmetric PCR、RNA polymerase、PCRと変性、ExoIII等の酵素によって片鎖のみを消化する等の方法で調製される。
粒子と分析対象の遺伝子断片又は一本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドとの結合は、公知の方法によることができる。
検出用オリゴヌクレオチドへの蛍光色素の結合は、例えば、当該オリゴヌクレオチドの一方の末端に官能基を導入しておき、その官能基と、蛍光色素の有する官能基とを化学的に結合させる方法、予め蛍光色素を結合させてあるヌクレオチドを、PCR法で取り込ませる方法で行うことができる。また、分析対象の遺伝子断片への蛍光色素の結合は、例えば、予め蛍光色素を結合させてあるヌクレオチドを、PCR法で取り込ませる方法で行うことができる。
<蛍光測定法>
次に、本発明における蛍光測定法について説明する。
本発明では、特に蛍光色素のB/F分離をした場合には、通常の蛍光強度測定法で粒子に結合した蛍光色素による蛍光を測定するのみで、遺伝子断片中のヌクレオチドの種類を特定することができる場合もある。しかし、本発明においては、バックグラウンド蛍光の影響を最小限にするため、B/F分離を行わずに所望の蛍光(一種類とは限らない)を測定するため、あるいは複数種類の蛍光色素によって発せられた蛍光を測定するため、励起光としてレーザ光を用い、且つ、そのレーザ光を変調させて蛍光色素に照射して、生じた蛍光を測定、解析することが好ましい。
レーザ光の具体例としては、半導体レーザ光やガスレーザ光が挙げられる。また、レーザ光は単色光であってもよいし、複数種類の波長のレーザ光をレンズを通過させることによって光路中の所定の位置に集束させたものであってもよい。レーザ光の出力は、例えば5〜100mW程度である。
レーザ光の変調方法としては、高周波重畳変調、パルス変調、多値パルス変調、正弦波変調及びリニア変調等が知られているが、本発明では、正弦波変調を採用することが好ましい。
また、正弦波変調されたレーザ光を蛍光色素に照射し、生じた蛍光の蛍光緩和時定数から、目的とする蛍光を特定し、定量することが好ましい。これにより、検出の精度が高まるとともに、検出又は分析対象が複数であっても、同時に各々を分別して測定することができる。
<フローサイトメータ>
以下、本発明の方法で採用することができる各種蛍光測定法の中で、フローサイトメータを用いた測定について、詳細に説明する。
図5は、本発明の方法中、蛍光測定工程に使用することができるフローサイトメータ10の概略構成図である。
フローサイトメータ10は、レーザ光を変調してマイクロビーズに照射し、その蛍光緩和時定数を測定するものである。
フローサイトメータ10は、レーザ光を測定対象とするマイクロビーズ12に照射し、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素(一種類であるとは限らない)の発する蛍光の光信号、及び場合によってはマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素(一種類であるとは限らない)の発する蛍光の光信号をも検出し、信号処理する信号処理装置(蛍光検出装置)20と、信号処理装置20で得られた処理結果からマイクロビーズ12に結合した蛍光色素に由来する蛍光を解析する分析装置50とを有する。
信号処理装置20は、レーザ光源部22と、受光部24,26と、レーザ光源部22のレーザ光の出射のオン/オフを制御する光源制御部及びマイクロビーズ12に結合した蛍光色素が発する蛍光の光信号と、マイクロビーズ12に結合していない蛍光色素が発する蛍光の光信号とを識別する信号処理部を含んだ制御・処理部28と、励起光の照射や蛍光の検出のために、高速流を形成するシース液に含ませてマイクロビーズ12を流したフローセルを有する管路30と、を有する。管路30の出口には、回収容器32が設けられている。
レーザ光源部22は、波長の異なる3つのレーザ光、例えばλ1=405nm、λ2=533nm及びλ3=650nm等のレーザ光を出射する部分である。レーザ光は、管路30中の所定の位置に集束するようにレンズ系が設けられ、この集束位置でマイクロビーズ12の測定点を形成する。
図6は、レーザ光源部22の構成の一例を示す。
レーザ光源部22は、350nm〜800nmの可視光のパルスレーザ光を出射する部分で、主に赤色のレーザ光Rを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として断続的に出射するR光源22r、緑色のレーザ光Gを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として断続的に出射するG光源22g及び青色のレーザ光Bを極めて短時間のパルス幅でパルスレーザ光として出射するB光源22bと、特定の波長帯域のレーザ光を透過し、他の波長帯域のレーザ光を反射するダイクロイックミラー23a1,23a2と、レーザ光R,G及びBからなるレーザ光を管路30中の測定点に集束させるレンズ系23cと、を有して構成される。
パルスレーザ光のパルス幅は、蛍光色素の発する蛍光をバックグラウンドノイズと区別して効率よく検出できるように設定され、例えば0.5ナノ秒〜4ナノ秒である。
ダイクロイックミラー23a1は、レーザ光Rを透過し、レーザ光Gを反射するミラーであり、ダイクロイックミラー23a2は、レーザ光R及びGを透過し、レーザ光Bを反射するミラーである。
この構成によりレーザ光R,G及びBが合成されて、測定点のマイクロビーズ12を照射する照射光となる。
R光源22r、G光源22g及びB光源22bは、それぞれレーザドライバ34r,34g及び34bによって駆動される。このレーザドライバ34r,34g及び34bは、制御・処理部28に接続されて、レーザ光R,G,Bの出射のオン/オフが制御されるように構成される。ここで、レーザ光R,G,Bの各々は、後述するように制御信号によって出射のオン/オフが制御されて変調される。
R光源22r、G光源22g及びB光源22bは、レーザ光R、G及びBが蛍光色素を励起して特定の波長帯域の蛍光を発するように、予め定められた波長帯域で発振する。レーザ光R、G及びBによって励起される蛍光色素には、マイクロビーズ12に結合されているものと結合されていないものとがあるが、それらは、管路30を通過する際、測定点でレーザ光R、G及びBの照射を受けて特定の波長で蛍光を発する。
図7は、レーザ光の発振波長と、このレーザ光によって蛍光色素の発する蛍光のスペクトル強度分布を模式的に示す。例えば、B光源から出射する波長λ11のレーザ光の照射により、中心波長をλ12とする蛍光を発する。同様に、G光源から出射する波長λ21のレーザ光の照射により中心波長をλ22とする蛍光を発する。また、B光源から出射する波長λ31のレーザ光の照射により中心波長をλ32とする蛍光を発する。
受光部24は、管路30を挟んでレーザ光源部22と対向するように配置されており、測定点を通過するマイクロビーズ12によってレーザ光が前方散乱することによりマイクロビーズ12が測定点を通過する旨の検出信号を出力する光電変換器を備える。この受光部24から出力される信号は、制御・処理部28に供給され、制御・処理部28においてマイクロビーズ12が管路30中の測定点を通過するタイミングを知らせるトリガ信号として用いられる。
一方、受光部26は、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直方向であって、かつ管路30中のマイクロビーズ12の移動方向に対して垂直方向に配置されており、測定点にて照射されたマイクロビーズ12に結合した蛍光色素やマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素の発する蛍光を電気信号に変える光電変換器を備える。
図8は、受光部26の一例の概略の構成を示す。
図8に示す受光部26は、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素やマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素が発する蛍光の光信号を集束させるレンズ系26aと、ダイクロイックミラー26b,26bと、バンドパスフィルタ26c〜26cと、光電子倍増管等の光電変換器27a〜27cと、を有する。
レンズ系26aは、受光部26に入射した光信号を光電変換器27a〜27cの受光面に集束させるように構成されている。
ダイクロイックミラー26b,26bは、所定の範囲の波長帯域の蛍光を反射させて、それ以外は透過させるミラーである。バンドパスフィルタ26c〜26cでフィルタリングして光電変換器27a〜27cで所定の波長帯域の蛍光の光信号を取り込むように、ダイクロイックミラー26b,26bの反射波長帯域及び透過波長帯域が設定されている。
バンドパスフィルタ26c〜26cは、各光電変換器27a〜27cの受光面の前面に設けられ、所定の波長帯域の蛍光のみを透過させる。透過する蛍光の波長帯域は、図7に示す蛍光色素の発する蛍光の波長帯域に対応して、すなわち、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素の発する蛍光及びマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素の発する蛍光に対応して、予め設定されており、例えばB光源から出射した波長λ11のレーザ光の照射によって発する波長λ12を中心とする一定の波長幅の帯域である。
バンドパスフィルタ26c〜26cの波長帯域は、例えば、それらの中の一つは、マイクロビーズ12に結合している蛍光色素の発する蛍光を透過し、他の二つのうち少なくとも一つは、マイクロビーズ12に結合していない蛍光色素の発する蛍光を透過するように波長帯域が設定される。
光電変換器27a〜27cは、例えば光電子倍増管を備えたセンサを備え、光電面で受光した光を電気信号に変換するセンサである。ここで受光された蛍光は、電気信号として出力され、増幅器で増幅されて、制御・処理部28に供給される。
制御・処理部28は、図9に示すように、レーザ光源部22のレーザ光の出射のオン/オフを制御する光源制御部28a、及びマイクロビーズ12に結合した蛍光色素やマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素の発する蛍光の光信号を識別する信号処理部28bを有して構成されている。
光源制御部28aは、受光部24から出力される検出信号がトリガ信号として入力されると、瞬時にレーザ光の出射のオン/オフを制御するパルス制御信号を生成するように構成される。
光源制御部28aは、このパルス制御信号を巡回的に繰り返し生成し、レーザドライバ34r、レーザドライバ34g、レーザドライバ34bの制御信号として供給する。
制御・処理部28は、光源制御部28aにおけるコードの生成のタイミングに同期して一定のクロック信号で駆動して、受光信号のA/D変換を行うA/D変換器28c及び一定のクロック信号で駆動して受光信号に所定の演算処理を施す演算処理部28dを備える。
A/D変換器28cは、受光部26の光電変換器27a〜27cで生成されて増幅された受光信号をA/D変換によりサンプリングする。サンプリングされた受光信号は演算処理部28dにて演算処理に供される。
演算処理部28dは、パルス制御信号の生成のタイミングに同期して受光信号の演算処理を行うように構成され、受光部26から出力された受光信号を、パルス制御信号の生成のタイミングに同期して時系列データとすることにより、レーザ光の照射に対するマイクロビーズ12に結合した蛍光色素の蛍光緩和特性(図11参照)を求める部分である。
ここで、この蛍光緩和特性を特徴付ける蛍光緩和時定数について説明する。蛍光緩和の過程においては、マイクロビーズにレーザ光の照射を開始した時点では、発する蛍光の蛍光強度が高いが、蛍光強度が時間とともに減少する。蛍光緩和時定数は、このときの、レーザ光の照射開始時点の蛍光強度(最大強度)に対して37%(1/e:eは自然対数の底)に蛍光強度が減衰したときの時間をいう。
蛍光緩和時定数は、蛍光強度とは独立したパラメータである。蛍光緩和時定数は、蛍光の減衰曲線から推測される消長時間を示すパラメータであり、この値が大きいほど、蛍光の消長時間は長くなる。この蛍光の消長時間は、蛍光試薬により異なるため、目的配列に応じて検出用オリゴ−又はポリヌクレオチドに蛍光緩和時定数の異なる蛍光試薬を結合させ、蛍光緩和時定数を測定すれば、特定の蛍光試薬で標識された検出用オリゴ−又はポリヌクレオチドと結合した遺伝子断片の種類が判明するとともに、測定雰囲気中に存在する物質によって発せられる蛍光と区別することが可能となる。これにより、分析対象の遺伝子中の特定位置のヌクレオチドの種類が精度よく特定できる。
本発明における蛍光緩和時定数は、蛍光試薬に、周波数変調をした励起光を照射し、その励起光源と生じた蛍光とを検出した後、復調をすることで測定される。
この蛍光緩和時定数が互いに異なる二種類の蛍光色素をごく近くに存在させるようにして測定したとき、蛍光緩和時定数は、それら二種類の蛍光色素の各々が示す蛍光緩和時定数とは異なる数値を示す。これは、二種類の蛍光色素が互いに作用し合い、異なる蛍光緩和特性を作り出すためである。
なお、レーザ光の照射のオン/オフは、パルス制御信号の生成によって所定の周期で断続的に制御されるので、マイクロビーズに結合された蛍光色素は、レーザ光の照射開始とともに蛍光を発するようになり、時間の経過とともにその蛍光強度は減衰する。したがって、この蛍光強度の時系列データを得ることで、蛍光緩和時定数を知ることができる。これにより、マイクロビーズに結合した、レーザ光の照射を受けた蛍光色素の種類を識別することができる。検出用二本鎖オリゴヌクレオチドの種類ごとに、蛍光色素を変えることで、分析対象の遺伝子断片がどの検出用二本鎖オリゴヌクレオチドと結合したかを知ることができる。
図12は、二種類の蛍光色素Q-dot525(Quantum Dot社製)及びCascade Blue(Molecular Probes社製)を配合比率を変えて共存させたときに、蛍光緩和時定数がどのように変化するかを調べた結果を示すグラフである。
Q-dot525の基準濃度を20nMとした溶液Aと、Cascade Blue の基準濃度を20μMとした溶液Bを、下記の比率で混合して、直径1.5m、深さ3mmのスポットサンプル収納部分にサンプル溶液1〜9を作製したものである。
Figure 2006284231
サンプル溶液1〜9には、共通して100μMのCascade Blueを1μl追加している。レーザ光は、半導体レーザにより出射させ、波長405nm、出力40mWのレーザ光を用い、20MHzでパルス変調した。
図12は、このとき発する蛍光の位相遅れを示すグラフである。このグラフによると、位相遅れは蛍光緩和時定数に応じて変化し、しかも、溶液Aと溶液Bの比率の順序に対応している。このことから、蛍光色素の存在比率によって、蛍光緩和時定数が変化することがわかる。このように、異なる二種類の蛍光色素がその比率を変えて存在すると、蛍光緩和時定数が変化する。
制御・処理部28は、マイクロビーズ12の識別結果の情報を分析装置50に供給する。
分析装置50は、制御・処理部28から供給される識別結果の情報を用いて、マイクロビーズ12に結合する蛍光色素、ひいては分析対象の遺伝子断片の特定部位に存在するヌクレオチドの種類を特定する装置である。分析装置50では、使用した蛍光色素の種類が既知であり、この蛍光色素が励起されるレーザ光の波長帯域もわかっているので、制御・処理部28から供給される情報を用いて、マイクロビーズ12に結合する蛍光色素、ひいては分析対象の遺伝子断片の特定部位に存在するヌクレオチドの種類を特定することができる。
こうして、分析装置50は短時間に分析をすることができる。
フローサイトメータ10は以上のように構成される。
このようなフローサイトメータ10の信号処理装置20では、まず、遺伝子断片、検出用二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチド及びマイクロビーズ12の反応混液が管路30を流れ、測定点でレーザ光による照射が成される。そのとき、受光部24でマイクロビーズ12の通過を検出する検出信号が制御・処理装置28にトリガ信号として出力される。
遺伝子断片あるいは検出用二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドに結合される蛍光色素(これは、遺伝子断片あるいは検出用二本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドを介してマイクロビーズに結合され得る)は、二種類以上を使用する場合には蛍光緩和時定数が異なるものが選択される。このため、蛍光色素の蛍光緩和時定数が既知となると、マイクロビーズ12に結合した遺伝子断片の特定個所のヌクレオチドの種類を特定することができる。
制御・処理装置28では、マイクロビーズ12が通過するときの検出信号をトリガ信号とし、このトリガ信号に同期して、図10に示すようなパルス変調信号を生成する。このパルス変調信号は、レーザ光源部22からのレーザ光の出射のオン/オフを制御する制御信号として用いるために、レーザドライバ34r,34g,34bに供給される。
レーザ光源部22では、この制御信号に従って各レーザ光の出射のオン/オフが制御され、レーザ光が出射される。このレーザ光は測定点を通過するマイクロビーズ12に結合した蛍光色素(B/F分離していない場合にはマイクロビーズ12に結合していない蛍光色素も)を励起させるために用いられ、このレーザ光の照射により蛍光色素が発する蛍光は、受光部26にて受光される。その際、蛍光色素からの蛍光は、変調されたレーザ光に励起されて生じるため、レーザ光の変調に対応して蛍光強度も変調する。
このようにして、受光部24によるマイクロビーズ12の通過の検出からレーザ光を照射するまでの時間は極めて短く、マイクロビーズ12が測定点を通過する数μ〜数10μ秒の間に、パルス変調信号によって変調されたレーザ光が巡回的にマイクロビーズ12に照射される。
ここで、パルス変調されるレーザ光は、マイクロビーズ12が測定点を通過する数μ〜数10μ秒の間に、0.510μ秒を1周期とする、一連のパルス変調の制御信号が数回〜数10回、断続的に巡回される。
受光部26の光電変換器27a〜27cで受光されて出力される受光信号は、A/D変換器28cにおいて受光部24から出力されたトリガ信号のタイミングで同期が取られ、生成されたパルス変調信号の時間分解幅Δtと同じ時間分解幅で、受光信号のサンプリングが行われる。サンプリングは、例えば8ビットのサンプリング(0〜255の階調のサンプリング)である。
このサンプリングされた受光信号から、巡回して生成されるパルス変調信号に対応させて、蛍光強度の時系列データを平均化処理することにより、図11Aに示すような蛍光緩和特性が求められる。
この蛍光緩和特性の波形において、最大となる蛍光強度に対して、蛍光強度が37%=1/eになる時間が蛍光緩和時定数として求められる。励起光の強度を正弦波で変化させると、検出される蛍光は減衰する時間の分だけ遅れが生じるようになる(位相差ψ図11B参照)。位相差と周波数との関係から蛍光緩和時定数を求める。この蛍光緩和時定数の値から、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素の種類が特定される。
なお、光電変換器27a〜27cは、バンドパスフィルタ26c〜26cにより波長帯域別に受光して受光信号を出力するので、受光信号がどの波長帯域の蛍光の信号なのかを知ることもできる。したがって、マイクロビーズ12に結合した蛍光色素から発せられた蛍光の蛍光緩和時定数と波長帯域とを用いて、蛍光色素の種類をより正確に識別することができる。
本発明では、用いる蛍光色素は特に限定されないが、その例として、蛍光緩和時定数が比較的短いFITC(同仁化学社他製)、PE(和光純薬工業社他製)、Alexa Fluor(Molecular Probes社製)、Cy Dye(Amersham Biosciense社製)、Rhodamine(和光純薬工業社他製)、Cascade Blue(Molecular Probes社製)、Cascade Yellow(Molecular Probes社製)及びNaphtofluorescein(Sigma社製)と、蛍光緩和時定数が比較的長い半導体量子蛍光色素であるQ-Dot(Quantum Dot社製)及びEvic-Tag(Ocean Optics社製)が挙げられる。複数の蛍光色素を用いる場合には、蛍光緩和時定数が異なるものを組み合わせるのがよい。
上述したフローサイトメータ10は、レーザ光を変調してマイクロビーズ12に結合した蛍光色素に照射することで、蛍光緩和時定数を計測するものであるが、レーザ光の強度を所定の周波数で変調してマイクロビーズに照射して、蛍光緩和時定数を計測するものであってもよい。以下、この方法について説明する。
例えば、波長405nmのレーザ光の強度を20MHzで変調し、このレーザ光をフローセル中の測定点を通過するマイクロビーズに照射する。変調した光の照射に対して発する蛍光を光電変換器等で受光する。
光電変換器から出力される蛍光信号を増幅し、レーザ光の変調に用いた変調信号とミキシングし、ローパスフィルタを通して検波する。これにより、蛍光信号のcos成分の信号が抽出される。さらに、蛍光信号を、レーザ光の周波数変調に用いた変調信号に対して位相を90度ずらした信号とミキシングし、ローパスフィルタを通して検波する。これにより、蛍光信号のsin成分の信号が抽出される。
抽出されたsin成分及びcos成分の信号を用いて、蛍光信号の、変調信号に対する位相ずれ角度(位相遅れ角度)を求めることができる。
求められた位相ずれ角度は、蛍光色素の発する蛍光の蛍光緩和時定数に依存しており、例えば一次緩和過程で表した場合、cos成分及びsin成分は、下記式(1),(2)で表される。
cos(θ)=1/(1+(ωτ)2(1/2) (1)
sin(θ)=ωτ/(1+(ωτ)2(1/2) (2)
ここで、θは位相ずれ角度であり、ωはレーザ光の変調周波数であり、τは蛍光緩和時定数である。
蛍光信号のcos成分及びsin成分の比から求められる位相ずれ角度θを用いて、上記式(1)、(2)から、蛍光緩和時定数τを求めることができる。
この蛍光緩和時定数τは、上述したように、蛍光色素の種類によって変わるものであり、また、二種類の蛍光色素の比率を変えて混合すると、比率に応じて蛍光緩和時定数τも変わる。このため、蛍光緩和時定数τを求めることで、二種類の蛍光色素の比率を特定することができる。
このように、蛍光色素が結合されたマイクロビーズに、所定の周波数で強度変調したレーザ光を照射し、そのとき発する蛍光を計測することにより、発する蛍光の種類を識別することができ、これにより、マイクロビーズに結合した遺伝子断片の特定個所のヌクレオチドの種類を識別することができる。
このようなマイクロビーズは、上記実施形態のようなフローサイトメータに使用されるが、フローサイトメータに使用が限定されるわけではない。
しかし、フローサイトメータでは、マイクロビーズ12に結合された蛍光色素の蛍光緩和時定数を求めることで、蛍光色素の種類を的確に識別することが可能であるから、本発明方法における蛍光測定工程には、フローサイトメータを好適に用いることができる。
以上、本発明にかかる遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法中、特定の態様について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
22merのオリゴヌクレオチドを、その一方の末端をCTとした以外は任意のヌクレオチドで合成し、また、その22merのオリゴヌクレオチドのCT以外の部分と相補的配列となるように、20merのオリゴヌクレオチドを合成した。これらをアニーリングさせ、図13(1)に示されるような二本鎖DNAを調製した((株)バイオサービス他に依頼)。同様に、図14(1)に示されるようなTTの突出部位を含む二本鎖DNAも調製した((株)バイオサービス他に依頼)。DIG標識はケミリンクラベリングキット(Rochediagnostics社製)を用いた。アニーリングにより二本鎖DNAを調製した後、抗DIG抗体のコーティングされたQ−Dotを標識した。
実際には、図13(1)に示すグアニンを有する検体を検出するための二本鎖DNA合成に際し、22merのオリゴヌクレオチドとして、その5'末端にジゴキシゲニン(DIG)を標識したものを用いたので、図13(2)に示される二本鎖DNAが合成された。DIG標識ホスホアミダイド試薬を使って合成する。
DIG標識二本鎖DNAには、Q−Dot655(QuantumDot社製)を結合させた。具体的には、DIG標識二本鎖DNAに、抗DIG抗体が表面コートされたQ−Dot655を加え、25℃にて30分間反応させた。反応液中において、Q−Dot655が1pmol、DIG標識二本鎖DNAが4pmol、10倍濃度の結合用Tris−HCl(10mM)緩衝液(EDTAを1mM、NacClを100mM濃度で含有、pH7.5)が1倍濃度となるように、これらを混合する際に蒸留水も添加した。反応終了後、MicroconYM−30(Milipore)社製)を用い、反応混液の溶媒をTE緩衝液(Tris−HClを10mM、EDTAを1mM濃度で含有、pH8.0)で置換した。その際、DNA濃度は2.5μMとなるように調整した。このように調製されたDNAを、グアニン検出用二本鎖DNAという。
アデニンを有する検体を検出するための二本鎖DNA(以下、「アデニン検出用二本鎖DNA」という)の合成の際には、実際には、22merのオリゴヌクレオチドとして、その5'末端にAlexa405(Molecular Probes社製)を標識したものを用いたので、図14(2)に示される二本鎖DNAが合成された。Alexa405のオリゴヌクレオチドへの標識はサクシニジルエステルをアミノ修飾オリゴヌクレオチドに作用させることで行った((株)日本バイオサービスに依頼)。これらの二本鎖DNAの一方の鎖の末端に、ビオチンを結合させ、図15(2)及び図16(2)に示すビオチンが結合された二本鎖DNAを得た。
これらのビオチンが結合された二本鎖DNAは、分析対象の遺伝子断片を模したものであり、以下においては、末端にグアニンを有する二本鎖DNAを「グアニン含有試験用二本鎖DNA」、末端にアデニンを有する二本鎖DNAを「アデニン含有試験用二本鎖DNA」という。ビオチンの標識はTerminal deoxynucleotide transferase(PIERCE社)を用いて、DNAの3’−OH末端にBiotin−N4−CTPを取り込ませてビオチン標識した((株)日本バイオサービスに依頼)。
また、同様に、図15(1)及び図16(1)に示されるような二本鎖DNAも調製した((株)日本バイオサービス他に依頼)。
上述のようにして調製されたグアニン検出用二本鎖DNA及びアデニン検出用二本鎖DNA各々4pmol(4μl)、試験用二本鎖DNA10pmol(グアニン含有試験用二本鎖DNAのみ、アデニン含有試験用二本鎖DNAのみ、又は両者を2.5pmolずつ)(4μl)、2倍濃度のQuickLigeseMixture(日本ジーン社製)5μl(全体量の1/5となる量)を混合し、室温にて正確に30分間反応させた。
上記ライゲーション反応の間、表面にストレプトアビジンがコートされたマイクロビーズ(DynabeadsM280;Dynal社製)を2倍濃度のBW緩衝液(Tris−HCl(10mM)緩衝液、EDTAを1mM、NaClを2M濃度で含有、pH7.5)で洗浄し、その後、BW緩衝液を用い、マイクロビーズ濃度が出荷時の1/5となるように希釈した。
アニーリング反応後の反応溶液と、希釈されたマイクロビーズ分散液とを、等量ずつ混合し、25℃にて10分間反応させた。その後、マイクロビーズをBW緩衝液で3回洗浄した。
フローサイトメータに、洗浄後のマイクロビーズを含むシース液を流し、各粒子(マイクロビーズ)の平均蛍光緩和時定数を測定、算出した。なお、測定条件は、励起光源に408nmの周波数変調レーザ(出力30mw)を用い、流速6m/sでシース液を流しながら計測を行い、450nmの蛍光(Q−dotによるもの)と650nmの蛍光(Alexa405によるもの)を測定し蛍光緩和時定数を得た。
結果を表2及び図17に示す。
これらから明らかなように、本発明の方法によれば、蛍光緩和時定数を測定、算出することで、分析対象の遺伝子断片中のヌクレオチドの種類を、正確に区別して測定することができる。
Figure 2006284231
*: 相同染色体上のある個所の塩基が、いずれもグアニン(GとCで相補している)であるホモ体を模したもの
**:相同染色体上のある個所の塩基が、いずれもアデニン(AとTで相補している)であるホモ体を模したもの
***:相同染色体上のある個所の塩基が、一方の染色体はグアニン、他方の染色体はアデニンであるヘテロ体を模したもの
図1(A),(B),(C)は、遺伝子断片中の特定位置のオリゴヌクレオチドの種類を特定するための、遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとの反応を示す模式図である。 図2(A),(B)は、遺伝子断片中の特定位置のオリゴヌクレオチドの種類を特定するための、遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとの反応を示す模式図である。 遺伝子断片中の特定位置のオリゴヌクレオチドの種類を特定するための、遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとの反応と、反応生成物が制限酵素で切断されることを示す模式図である。 遺伝子断片中の特定位置のオリゴヌクレオチドの種類を特定するための、遺伝子断片と検出用二本鎖オリゴヌクレオチドとの反応と、反応生成物が制限酵素で切断されないことを示す模式図である。 本発明の方法中、蛍光測定工程を実施するフローサイトメータの概略構成図である。 図5に示すフローサイトメータに用いられるレーザ光源部の一例を示す概略構成図である。 図6に示すレーザ光源部から出射されるレーザ光と蛍光色素の発する光のスペクトル強度分布を模式的に示す図である。 図5に示すフローサイトメータに用いられる受光部の一例を示す概略構成図である。 図5に示すフローサイトメータに用いられる光源制御部及び信号処理部の一例を示す概略構成図である。 図5に示すフローサイトメータで生成されるパルス変調信号の例を示す図である。 図11(A),(B),は、蛍光色素が発する蛍光の強度の特性を説明する図である。(A)は、蛍光の減衰曲線を示し、(B)は、励起光の変調により生じる蛍光の位相差を示す図である。 二種類の蛍光色素を混合して、パルス変調のレーザ光を照射したときの蛍光の位相遅れの結果を示すグラフである。 図13(1)、(2)は、実施例で使用したグアニン検出用二本鎖DNAを示す模式図である。 図14(1)、(2)は、実施例で使用したアデニン検出用二本鎖DNAを示す模式図である。 図15(1)、(2)は、実施例で使用したグアニン含有試験用二本鎖DNAを示す模式図である。 図16(1)、(2)は、実施例で使用したアデニン含有試験用二本鎖DNAを示す模式図である。 実施例における蛍光緩和時定数の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
A1,A2,A3,A4 分析される遺伝子断片
D1,D2,D3,D4 検出用二本鎖オリゴヌクレオチド
10 フローサイトメータ
12 マイクロビーズ
20 信号処理装置
22 レーザ光源部
22r R光源
22g G光源
22b B光源
23a1,23a2,23b1,23b2 ダイクロイックミラー
23c.26a レンズ系
24,26 受光部
26c1,26c2,26c バンドパスフィルタ
27a〜27c 光電センサ
28 制御・処理部
28a 光源制御部
28b 信号処理部
28c A/D変換器
28d 演算処理部
30 管路
32 回収容器
34r,34g,34b レーザドライバ

Claims (2)

  1. 遺伝子断片中の所定位置における少なくとも一つのヌクレオチドの種類を、担体として粒子を用い変調したレーザ光の照射によって生ずる蛍光の緩和時定数の測定によって検出することを特徴とする、遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法。
  2. 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定が、遺伝子の一塩基多型が知られている個所におけるプリン塩基またはピリミジン塩基について、少なくとも2種類の蛍光緩和時定数の異なる色素を用い、検出用DNA配列と被測定DNA配列とをライゲーションし、蛍光発光における蛍光緩和時定数を測定して、被検体DNA配列がホモかヘテロかを検出して一塩基多型の有無を検出する遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法。
JP2005101586A 2005-03-31 2005-03-31 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法 Expired - Fee Related JP4399575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005101586A JP4399575B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005101586A JP4399575B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006284231A true JP2006284231A (ja) 2006-10-19
JP4399575B2 JP4399575B2 (ja) 2010-01-20

Family

ID=37406325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005101586A Expired - Fee Related JP4399575B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4399575B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009180730A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Palo Alto Research Center Inc 被検体発光経時変化装置及び方法
JP4540751B1 (ja) * 2009-01-09 2010-09-08 三井造船株式会社 蛍光検出装置及び蛍光検出方法
WO2010116595A1 (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ ナノポアを用いたバイオポリマー決定方法、システム、及びキット
WO2011089897A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 三井造船株式会社 蛍光検出方法、蛍光ビーズの作製方法および蛍光ビーズ
WO2013100137A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 デンカ生研株式会社 気泡吸着抑制方法
CN111272715A (zh) * 2018-12-04 2020-06-12 长光华大基因测序设备(长春)有限公司 一种基因测序仪的荧光成像***

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5149790A (ja) * 1974-08-21 1976-04-30 Block Engineering Aikotonarukeikogensuijumyoojusuru 2 shuruinokeikoseibiryushishuzokuoshikibetsusuruhoho oyobisochi
JPS59174742A (ja) * 1983-03-25 1984-10-03 Agency Of Ind Science & Technol 微小粒子を区分又は選別する方法及びその装置
JPS6080764A (ja) * 1983-10-12 1985-05-08 Agency Of Ind Science & Technol 微小粒子を識別する方法及びその装置
JPH03221838A (ja) * 1990-01-26 1991-09-30 Canon Inc 検体測定方法及び検体測定装置
JP2001520895A (ja) * 1997-10-28 2001-11-06 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア フローサイトメトリーを用いるdna多型の同定方法
JP2002311027A (ja) * 2001-04-09 2002-10-23 Hitachi Software Eng Co Ltd ビーズ、ビーズ製造方法、フローサイトメータ及びプログラム
JP2003329588A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Masaya Fukui 材料識別方法および材料識別システム並びに材料識別装置
JP2004194619A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Olympus Corp 競合核酸を使用した酵素反応方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5149790A (ja) * 1974-08-21 1976-04-30 Block Engineering Aikotonarukeikogensuijumyoojusuru 2 shuruinokeikoseibiryushishuzokuoshikibetsusuruhoho oyobisochi
JPS59174742A (ja) * 1983-03-25 1984-10-03 Agency Of Ind Science & Technol 微小粒子を区分又は選別する方法及びその装置
JPS6080764A (ja) * 1983-10-12 1985-05-08 Agency Of Ind Science & Technol 微小粒子を識別する方法及びその装置
JPH03221838A (ja) * 1990-01-26 1991-09-30 Canon Inc 検体測定方法及び検体測定装置
JP2001520895A (ja) * 1997-10-28 2001-11-06 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア フローサイトメトリーを用いるdna多型の同定方法
JP2002311027A (ja) * 2001-04-09 2002-10-23 Hitachi Software Eng Co Ltd ビーズ、ビーズ製造方法、フローサイトメータ及びプログラム
JP2003329588A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Masaya Fukui 材料識別方法および材料識別システム並びに材料識別装置
JP2004194619A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Olympus Corp 競合核酸を使用した酵素反応方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009180730A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Palo Alto Research Center Inc 被検体発光経時変化装置及び方法
JP4540751B1 (ja) * 2009-01-09 2010-09-08 三井造船株式会社 蛍光検出装置及び蛍光検出方法
WO2010116595A1 (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ ナノポアを用いたバイオポリマー決定方法、システム、及びキット
US10365287B2 (en) 2009-03-30 2019-07-30 Hitachi High-Technologies Corporation Method for determining biopolymer using nanopore, and system and kit therefor
WO2011089897A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 三井造船株式会社 蛍光検出方法、蛍光ビーズの作製方法および蛍光ビーズ
JP4918178B2 (ja) * 2010-01-21 2012-04-18 三井造船株式会社 蛍光検出方法
CN102713576A (zh) * 2010-01-21 2012-10-03 三井造船株式会社 荧光检测方法、荧光微球的制备方法以及荧光微球
JPWO2011089897A1 (ja) * 2010-01-21 2013-05-23 三井造船株式会社 蛍光検出方法
WO2013100137A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 デンカ生研株式会社 気泡吸着抑制方法
CN111272715A (zh) * 2018-12-04 2020-06-12 长光华大基因测序设备(长春)有限公司 一种基因测序仪的荧光成像***

Also Published As

Publication number Publication date
JP4399575B2 (ja) 2010-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5934817B2 (ja) 分子オブジェクトを検出及び識別する装置と方法
JP5479910B2 (ja) Pcrのリアルタイムでの多重分析のためのシステムおよび方法
US9417190B2 (en) Calibrations and controls for droplet-based assays
JP4399575B2 (ja) 遺伝子断片中のヌクレオチドの種類の特定方法
JP2010532485A (ja) ナノfetを含む電子検出のためのシステムおよび方法
KR20140024247A (ko) 생체분자 특징을 평가하기 위한 시스템 및 방법
WO2010009060A2 (en) Molecular beacon-based methods for detection of targets using abscription
US11313857B2 (en) System and method for identifying and quantifying species with nanopores, using complexes of nanoparticles with carrier particles
CN106460034B (zh) 具有高准确度的单分子分析
US20040023229A1 (en) Direct detection of individual molecules
JP4652868B2 (ja) 蛍光分析方法
KR101899372B1 (ko) 핵산 복합체 페어를 포함하는 pcr용 키트 및 이의 용도
JP4300366B2 (ja) 蛍光検出方法、蛍光検出用ビーズの作製方法及び蛍光検出用ビーズ
US20040214176A1 (en) Multiplexed DNA assays using structure-specific endonucleases
JP2004187581A (ja) 標的核酸の多型決定方法
JP2004187607A (ja) 核酸増幅産物に関する情報を得る方法
JP3910000B2 (ja) 1塩基置換検出方法
KR102052853B1 (ko) 핵산서열 검출 방법, 다중 핵산마커 검출 방법 및 이를 위한 키트
EP2182075A1 (en) Real-time high multiplex detection by primer extension on solid surfaces
US20050221319A1 (en) Use of capturing probes for identifying nucleic acids
Bijak et al. Methods of detecting biological materials
JPH11164700A (ja) Dna検出方法
US20110003308A1 (en) Nanoparticle-mediated signal amplification
JP2020532306A (ja) 核酸を分析するための方法及びデバイス
JP2001269198A (ja) 多型遺伝子の型を決定する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141106

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees