JP2006281882A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】舵角θと車速vに基づいて目標操舵トルクTmを導出する目標操舵トルク演算処理手段40と、目標操舵トルクTmと検出された操舵トルクTとの差ΔTに基づいてフィードバック制御量Dfbを算出するフィードバック制御量演算手段51と、アシストモータの回転角速度ωからアシストモータの逆起電圧VMを算出する逆起電圧演算手段57と、逆起電圧演算手段57が算出した逆起電圧VMと検出した電源電圧VBからフィードフォワード制御量Dffを算出するフィードフォワード制御量演算手段52と、フィードバック制御量Dfbにフィードフォワード制御量Dffを加算して算出されたモータ制御量DMに基づいてアシストモータを駆動する。
【選択図】図3
Description
また、操舵中はモータの回転によって発生する逆起電圧の影響でフィードバック制御の応答性が低下する。
さらに、フィードフォワード制御で補う分だけフィードバック制御のゲインを低く設定できるため、音や振動の発生を抑制することができる。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
ステアリングギヤボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギヤボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
アシストモータMの駆動力をこのウオーム減速機構10を介して操舵ピニオン軸7に作用させて操舵を補助する。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
操舵トルク制御装置30は、PWM制御信号(デューティ信号等)をモータ駆動回路26に出力し、モータ駆動回路26がPWM制御信号に従ってアシストモータMを駆動する。
また、アシストモータMに印加されるバッテリ28の電源電圧VBを検出する電源電圧センサ29が設けられている。
なお、舵角θは、別途舵角センサを備えて、直接舵角センサにより求めてもよい。
図4は、目標操舵トルク演算処理手段40の概略ブロック図であり、同図4に示すように、目標操舵トルク演算処理手段40は、セルフアライニングトルク演算手段41とフリクショントルク演算手段45の2つの演算手段からなる。
セルフアライニングベーストルク抽出手段42は、基準車速における舵角に対するセルフアライニングベーストルクの関係を記憶するセルフアライニングベーストルク(SABT)記憶手段42aから舵角θに基づいてセルフアライニングベーストルクTsbを抽出する。
図5において、横軸の舵角θは、正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示す。
したがって、例えば右舵角θ(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のセルフアライニングベーストルクTsb(>0)が大きくなる。
図6において、車速vの増加に従いセルフアライニングトルク乗算係数ksの値は上昇している。
基準車速Voのとき、セルフアライニングトルク乗算係数ks=1.0である。
なお、このセルフアライニングトルクTsは、実際のセルフアライニングトルクの反力としてのセルフアライニングトルクである。
フリクションベーストルク抽出手段46は、停車時における角速度に対するフリクションベーストルクの関係を記憶するフリクションベーストルク(FBT)記憶手段46aから角速度ωに基づいてフリクションベーストルクTfbを抽出する。
図7において、横軸の角速度ωは、正の値が右方向の角速度(ω>0)、負の値が左方向の角速度(ω<0)を示す。
したがって、例えば右方向の角速度ω(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のフリクションベーストルクTfb(>0)が大きくなり、前記セルフアライニングベーストルクTsbに比べ低いトルクで略一定になる。
図8において、車速v=0(停車時)のとき、フリクショントルク乗算係数kfの値は、1.0を示し、車速vが停車時から高くなるに従いフリクショントルク乗算係数kfの値は減少し、約20km/hを過ぎる辺りから略一定の値(約0.5)となっている。
なお、このフリクショントルクTfは、実際のフリクショントルクの反力としてのフリクショントルクである。
まず、舵角検出手段55が検出した操舵角θを読込み(ステップ1)、角速度演算手段56により角速度ωを算出し(ステップ2)、車速センサ25により検出した車速vを読込む(ステップ3)。
以上の各ステップの処理が繰り返し実行される。
逆起電圧演算手段57は、アシストモータMの回転角速度ωに誘起電圧定数kEを乗算して逆起電圧VM(=ω×kE)を推定する。
すなわち、バッテリ28の電源電圧VBに対する逆起電圧VMの割合VM/VBを、フィードフォワードデューティDffとする。
Dff=(VM/VB)×100 (%) ……… (1)
I=(VB×D−VM)/Rm ……… (2)
ここに、RmはアシストモータMの内部抵抗である。
同図10における実線が、アシストモータMをデューティDで回転させている場合のデューティDに対するモータ電流Iの関係を示している。
前記(2)式が成立している。
この場合のデューティDに対するモータ電流Iの関係は、次式で示すものである。
I=(VB/Rm)×D ……… (3)
この逆起電圧VMによるモータトルクの低下分を補うべく、(1)式に示すデューティDffをフィードフォワードデューティとしてアシストモータMを駆動すれば、図10で2点鎖線で示すモータ電流(モータトルク)を回復することができる。
まず、操舵トルクセンサ20により検出された操舵トルクTを読込み(ステップ21)、目標操舵トルク演算処理手段40により算出された目標操舵トルクTmを読込み(ステップ22)、電源電圧センサ29が検出した電源電圧VBを読込み、角速度演算手段56により算出されたアシストモータMの回転角速度ωを読込む(ステップ24)。
そして、ステップ28でフィードバックデューティDfbにフィードフォワードデューティDffが加算されてモータ制御量DM(PMW制御信号のデューティDM)が求められる。
さらに、フィードフォワード制御で補う分だけフィードバック制御のゲインを低く設定できるため、音や振動の発生を抑制することができる。
30…操舵トルク制御装置、
40…目標操舵トルク演算処理手段、41…セルフアライニングトルク演算手段、42…セルフアライニングベーストルク抽出手段、42a…セルフアライニングベーストルク記憶手段、43…セルフアライニングトルク乗算係数抽出手段、43a…セルフアライニングトルク乗算係数記憶手段、44…乗算手段、45…フリクショントルク演算手段、46…フリクションベーストルク抽出手段、46a…フリクションベーストルク記憶手段、47…フリクショントルク乗算係数抽出手段、47a…フリクショントルク乗算係数記憶手段、48…乗算手段、49…加算手段、
50…減算手段、51…フィードバック制御量演算手段、52…フィードフォワード制御量演算手段、52a…フィードフォワード制御量記憶手段、53…加算手段、55…舵角検出手段、56…角速度演算手段、57…逆起電圧演算手段。
Claims (3)
- アシストモータの駆動力がステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出するトルクセンサと、
車速を検出する車速センサと、
舵角を検出する舵角検出手段と、
前記アシストモータの電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
前記アシストモータの回転角速度を検出する角速度検出手段と、
前記舵角検出手段により検出された舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいて目標操舵トルクを導出する目標操舵トルク演算処理手段と、
前記目標操舵トルク演算手段により算出された目標操舵トルクと前記トルクセンサにより検出された操舵トルクとの差に基づいてフィードバック制御量を算出するフィードバック制御量演算手段と、
前記角速度検出手段が検出したアシストモータの回転角速度からアシストモータの逆起電圧を算出する逆起電圧演算手段と、
前記逆起電圧演算手段が算出した逆起電圧と前記電源電圧検出手段が検出した電源電圧からフィードフォワード制御量を算出するフィードフォワード制御量演算手段と、
前記フィードバック制御量演算手段が算出したフィードバック制御量に前記フィードフォワード制御量演算手段が算出したフィードフォワード制御量を加算してモータ制御量を算出するモータ制御量演算手段と、
前記モータ制御量演算手段により算出されたモータ制御量に基づいて前記アシストモータを駆動するモータ駆動手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記フィードフォワード制御量演算手段が、
前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧に対する前記逆起電圧演算手段により算出された逆起電圧の割合をフィードフォワード制御量とすることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記目標操舵トルク演算処理手段は、
舵角またはモータ回転角の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記舵角検出手段により検出された舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいてセルフアライニングトルクを算出するセルフアライニングトルク演算手段と、
前記角速度検出手段により検出された角速度と前記車速センサにより検出された車速に基づいてステアリングのフリクショントルクを算出するフリクショントルク演算手段とを備え、
前記セルフアライニングトルク演算手段により算出されたセルフアライニングトルクに前記フリクショントルク演算手段により算出されたフリクショントルクを加算して目標操舵トルクを算出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
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