JP2006281454A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体材料を吐出する際に、液体材料の劣化を防ぎつつ、当該液体材料の流動性を確保することが可能な液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】 液体材料がチューブ12内で自然冷却される時間を予め算出しておき、当該時間に応じてヒータ60での加熱温度を制御する。すなわち、算出された時間が短い場合には、自然冷却による温度低下が小さいものとして加熱温度を低く設定して加熱し、算出された時間が長い場合には、自然冷却による温度低下が大きいものとして加熱温度は高く設定して加熱する。これにより、液体材料を常時加熱し続けなくてもヘッドに到達した液体材料の温度を高くすることができ、液体材料の粘度を高い状態にすることができるので、液体材料の劣化を防ぎつつ、当該液体材料の流動性を確保することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液滴吐出装置に関する。
近年、電気光学装置等に形成される配線パターンや、有機EL装置用基板に形成される発光部等のパターンを形成する手法として、インクジェット方式(液滴吐出法)が知られている。インクジェット方式とは、いわゆるインクジェットプリンタに用いられている印刷技術であり、インクジェット装置(液滴吐出装置)の吐出ヘッドに充填されたインクの液滴を、吐出ヘッドから基板上に吐出し、定着させるものである。
このようなインクジェット法を用いて、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置を製造する方法が、例えば特許文献1あるいは特許文献2に開示されている。
特開平11−54270号公報 特開2004−127897号公報
このようなインクジェット法での選択吐出によりパターニングを行う場合の重要なパラメータとしてインクの粘度を上げることができる。インクジェット法で吐出を行う場合、使用するインクの粘度、弾性率等の特性に応じて吐出ヘッドを駆動するパワー、時間等の条件を最適化している。ここで、仮にインク粘度が変化してしまうと、インク液滴吐出重量が変動し、所望の膜厚が得られないか、又は吐出自体が不可能になる惧れがある。
また、均一な膜厚を得るために、インクジェット法により吐出したインクの乾燥条件(温度、圧力等)の最適化も行われている。しかし、インクの粘度が変化すると、乾燥時の膜厚の分布も影響を受け、安定的に均一な膜厚を得ることが難しくなる。
さらに、有機EL装置の機能層に用いる材料をインク化した場合、インク調製後から経時的な粘度の変化が起こることが多い。このようなインク粘度の経時的な変化が、形成した有機機能層の膜厚の変化の原因となり、インクジェット法による有機EL装置の安定的な形成を難しくしている。さらにまた、使用する材料(発光材料、正孔注入材料、インタレイヤ材料等)と、溶媒の組み合わせによってはインク粘度の著しい経時変化がおき、インクジェット法による成膜への適用を困難にしている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、インクジェット法において上記のような経時的なインクの粘度の増大に対処することで、材料や溶媒の選択の幅を広げることを目的とする。また、安定した吐出を実現して工程再現性の高い液滴吐出装置と、液滴吐出方法を提供することを目的とする。さらには、液体材料を吐出する際に、液体材料の劣化を防ぎつつ、当該液体材料の流動性を確保することが可能な液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る液滴吐出装置は、液体材料を保持し、前記保持した液体材料を吐出するヘッドと、前記ヘッドに前記液体材料を供給するための流路を有する供給手段と、前記流路に前記ヘッドから所定の距離をおいて設けられ、前記流路を加熱することが可能な流路加熱部と、前記流路を流れる前記液体材料の流速に関するデータに基づいて前記流路加熱部の加熱温度を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
本発明では、液体材料は流路加熱部によって流路を介して加熱される。流路加熱部で加熱されることで液体材料は、ヘッドからの吐出を行う前に液体材料の元の粘度(増粘が始まる前の状態)に戻すことが可能となるため、安定した吐出を行うことができるようになる。
このとき、インクの流速が大きければ加熱される実効的な時間が短く、流速が小さければ長くなる。実効的な加熱時間が短くなると、加熱処理が不十分となり液体材料を元の粘度に戻すことが出来なくなる。一方実効的な加熱時間が長い場合は、加熱処理が過剰となり、液体材料の劣化を招く惧れがある。このため、流路を流れる液体材料の流速に関するデータに基いて流路加熱部の加熱温度を制御することで、安定した粘度で劣化の無い液体材料を吐出ヘッドに供給することができる。
また、前記流速に関するデータを記憶する記憶部を更に具備し、前記制御部が、前記液体材料の吐出を制御すると共に、前記所定の距離と前記流速とを用いて前記液体材料が前記流路加熱部の設けられた位置から前記ヘッドに到達するまでの到達時間を算出し、前記算出された到達時間の長さに応じて前記流路加熱部の加熱温度を制御することが好ましい。
本発明によれば、所定の流速における液体材料の流路加熱部を通過するまでの経過時間を算出しておき、当該時間に応じて流路加熱部での加熱温度を制御する。すなわち、算出された時間が短い場合には、加熱処理が不足することが考えられるため、加熱温度を高くなるように制御する。また、算出された時間が長い場合には、加熱処理が過剰になると考えることができ、加熱温度を低くなるように制御する。
また、前記流速に関するデータを記憶する記憶部を更に具備し、前記制御部が、前記液体材料の吐出を制御すると共に、前記所定の距離と前記流速とを用いて前記液体材料が前記流路加熱部を通過する所要時間を算出し、前記算出された所要時間の長さに応じて前記流路加熱部の加熱温度を制御することが好ましい。
本発明によれば、所定の流速における液体材料の流路加熱部を通過する所要時間を算出しておき、当該時間に応じて流路加熱部での加熱温度を制御する。すなわち、算出された時間が短い場合には、加熱処理が不足することが考えられるため、加熱温度を高くなるように制御する。また、算出された時間が長い場合には、加熱処理が過剰になると考えることができ、加熱温度を低くなるように制御する。ここで、「所要時間」とは、増粘が始まる(問題となる粘度まで変動する)までの時間をいうものであり、流路加熱部からヘッドまでの到達時間とは比例関係にある。
また、前記ヘッドを加熱することが可能なヘッド加熱部を更に具備し、前記制御部が、前記液体材料をダミー吐出するときには前記流路及び前記ヘッドが加熱されるように、前記液体材料を本吐出するときには前記流路が加熱され前記ヘッドが加熱されないように、前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御することが好ましい。
本発明によれば、ダミー吐出を行うときには流路のみならずヘッドも加熱されるので、液体材料の増粘が発生していた場合でも、吐出不良が発生するのを防止し、確実にダミー吐出を行うことができる。
また、前記液体材料が前記流路加熱部で加熱されて粘度が低下してから前記流路内でもとの粘度に戻るまでの所要時間に関するデータを前記記憶部が更に記憶し、前記制御部が、前記液体材料が加熱されからの経過時間が前記所要時間を超えているかどうかを判断すると共に、前記液体材料がすでにダミー吐出されたかどうかを判断し、前記経過時間が前記所要時間を超えており、前記液体材料がダミー吐出されていないと判断する場合には、前記流路及び前記ヘッドが加熱されるように前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御すると共に、前記液体材料がダミー吐出されるように前記ヘッドを制御し、前記経過時間が前記所要時間を超えており、前記液体材料がすでにダミー吐出されたと判断する場合には、前記流路が加熱され前記ヘッドが加熱されないように前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御すると共に、前記液体材料が本吐出されるように前記ヘッドを制御することが好ましい。
流路加熱部で加熱され始めてからヘッドに保持されるまでの所要時間については、例えば本発明に係る液滴吐出装置と同様の条件下で実験等を行うことによって予め測定しておいても良いし、液滴吐出装置を使用する際に実際に要した時間を記憶させるようにしても良い。また、これらの時間の平均をとり、当該平均値が所要時間となるように設計しても良い。
本発明では、当該所要時間を閾値とすることができ、経過時間が当該閾値を超えた場合には吐出に十分な液体材料がヘッドに保持されたとみなすことができる。また、ダミー吐出は、本吐出の際に液体材料を安定して吐出するために行ういわば試し打ちであるから、本吐出を行う前に行っておく必要がある。本発明では、ダミー吐出が行われた後に本吐出が行われるように制御されるので、本吐出の際に液体材料が安定して吐出されることになる。
なお、ダミー吐出は、加熱部からヘッドまでの流路にある液体材料の量に相当する。このことから、経過時間が一定時間を超えている場合には、液体材料は増粘している可能性があり、ヘッドを加熱しながらダミー吐出を行うことで増粘の影響で吐出が不安定となる惧れのある液体材料を確実に取り除くことができる。また、増粘していない場合には加熱やダミー吐出を行わないように制御することで、液体材料の使用効率の低下を抑えることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の液滴吐出装置1の全体構成を概略的に示す斜視図である。
同図に示すように、液滴吐出装置1は、基台2と、基板ステージ3と、吐出機構4と、制御部5とを主体として構成されている。当該液滴吐出装置1は、有機EL装置用基板(以下、本実施形態では「基板」と表記する。)Sに向けて例えば発光材料等を含んだ液体材料を吐出し、発光部をパターニングする(液滴吐出法)ための装置である。
基板ステージ3は、基板Gに液体材料を吐出する際、当該基板Gを保持する保持部材であり、基台2におけるX方向のほぼ中央に設けられている。基板ステージ3には、当該基板ステージ3を貫通する貫通孔3a及び貫通孔3bが形成されており、当該貫通孔3a及び貫通孔3bは、例えばポンプ機構等の図示しない圧力調節装置等に連通されている。当該圧力調節装置が、貫通孔3a及び貫通孔3b付近の空気を吸引するように作動することで、当該貫通孔3a及び貫通孔3bを介して基板Gが基板ステージ3の上に吸着して保持されるようになっている。
この基板ステージ3は、ガイドレール6(基台2上のY方向に延在している)を有する移動機構7のステージ支持柱8に取り付けられている。ステージ支持柱8はスライダー9に固着されており、スライダー9は例えばリニアモータ形式でガイドレール6上を移動するようになっている。スライダー9がガイドレール6上をY方向に移動するのに伴って、基板ステージ3がY方向に移動するようになっている。スライダー9には、当該スライダー9をθ方向に回転させるための図示しないダイレクトドライブモータ等が設けられている。ダイレクトドライブモータがθ方向に沿って回転することで、基板ステージ3をインデックス(回転割り出し)することができるようになっている。
吐出機構4は、基板Gへ向けて液体材料を吐出するヘッドユニット10と、液体材料を貯蔵するタンク11と、当該液体材料をタンク11からヘッドユニット10へ供給する際の流路となるチューブ12と、チューブ12を加熱するヒータ(流路加熱部)60と、ヘッドユニット10を加熱するヒータ(ヘッド加熱部)61とを有している。
ヘッドユニット10は、ヘッドプレート25と、ヘッド27と主体として構成されている。ヘッドプレート25上には複数のヘッド27が配置され、いわゆるマルチヘッドを構成している。ヘッドユニット10は、ガイドレール14(基台2上のX方向に延在している)を有する移動機構15のヘッド支持部材16に取り付けられている。
移動機構15は移動機構支持部材17によって基台2の上方(図中のZ方向)で支持されており、移動機構支持部材17の両端は基台2のX方向の端部に設けられた支持柱18及び支持柱19によってそれぞれ支持されている。ヘッド支持部材16はスライダー20に固着されており、そのスライダー20は例えばリニアモータ形式でガイドレール14上を移動可能に設けられている。スライダー20がガイドレール14上をX方向に移動するのに伴って、ヘッドユニット10がX方向に移動するようになっている。
ヘッドユニット10は、揺動位置決め装置としてのモータ21、22、23、24を有している。モータ21を作動すればヘッドユニット10がZ軸に沿って上下動し、モータ22を作動するとヘッドユニット10がY軸回りのβ方向に沿って揺動し、モータ23を作動するとヘッドユニット10がX軸回りのγ方向に揺動し、モータ24を作動するとヘッドユニット10がZ軸回りのα方向に揺動するようになっている。このように、移動機構15は、ヘッドユニット10をX方向及びZ方向に移動可能に支持するとともに、ヘッドユニット10をα方向、β方向、γ方向に移動可能に支持している。
タンク11には、例えば図示しないポンプ等が取り付けられており、タンク11内の内圧を変化させることによって、タンク11内の液体材料がチューブ12に供給されるようになっている。
図2は、ヘッド27の構成を示す分解斜視図である。
ヘッド27は、ノズル27aを有するノズルプレート30と、振動板31と、圧力室基板32と、筐体33とを有している。圧力室基板32は、キャビティ34、側壁35、リザーバ38、及び供給口39を備えている。
キャビティ34は、圧力室であってシリコン等の基板をエッチングすることにより形成されるものである。側壁35は、キャビティ34間を仕切るよう構成されている。リザーバ38は、各キャビティ34に液体を充填する時に液体を供給可能な共通の流路として構成されている。供給口39は、各キャビティ34に液体を導入可能に構成されている。
筐体33には図1に示したチューブ12を取り付けるチューブ口36が設けられている。チューブ口36を介してタンク11とヘッド27とが連通され、タンク11から供給される液体材料がヘッド27へと供給されるようになっている。振動板31上のキャビティ34に相当する位置には圧電素子37が設けられている。圧電素子37はPZT素子等の圧電性セラミックスを上部電極及び下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電素子37は、例えば制御部5から電気信号を供給されると振動板31側に膨張するように構成されている。
キャビティ34に液体材料を保持させた状態で、制御部5から圧電素子37に電気信号を供給すると、当該圧電素子37が振動板31側へ膨張する。膨張による力が加えられて振動板31がキャビティ34側へと食い込む。振動板31が食い込むと、キャビティ34内に圧力が加えられる。この圧力により、ノズル27aから液滴が吐出されるようになっている。
図1に戻って、ヒータ60は、チューブ12のうちヘッドユニット10からL1離れた位置に取り付けられており、チューブ12を加熱することによってチューブ12内を流通する液体材料を加熱することができるようになっている。当該ヒータ60には、ヒータ60の加熱開始からの時間を測定するタイマー32が取り付けられている。ヒータ61は、ヘッドユニット10に取り付けられている。ヘッドユニット10を加熱することにより、ヘッド27内の液体材料を加熱することができるようになっている。
タイマー32は、ヒータ60での加熱が開始されてからの経過時間を測定する。ここでは、例えばヒータ60の加熱開始とタイマー32の測定スタートとを同期させておき、ヒータ60により加熱が開始されたときに自動的にタイマー32がスタートするように設定されている。当該タイマー32は、必ずしもヒータ60に取り付けられていることを要するわけではなく、例えばチューブ12等、液滴吐出装置1のいずれかの部位に取り付けられていても良いし、液滴吐出装置1内に独立して設けられていても良い。
制御部5は、図3に示すように、CPU40と、ROM41と、RAM42と、入出力部43と、データ格納部44と、プログラム格納部45とを有している。
CPU40、ROM41、RAM42は、処理・演算等を行うためのものである。入出力部43は、外部との間で信号の送受信を行う。
データ格納部44には、液体材料がチューブ12内を流れる流速に関する流速データ46と、ヒータ60とヘッドユニット10との距離L1のデータである距離データ47と、ヒータ60及びヒータ61の温度設定に関する温度データ48と、液体材料がヒータ60で加熱されてからヘッド27に保持されるまでの所要時間となる時間データ49と、ヘッド27から液体材料が吐出された履歴に関する吐出履歴データ50が格納されている。
チューブ12を流れる液体材料の流速と、ヘッド27から吐出される液体材料の吐出量とは相関関係が認められる。すなわち、ヘッド27からの吐出量が多ければ流速も大きくなり、当該吐出量が小さければ流速も小さくなる。したがって、流速データ46としては、具体的にはヘッド27からの吐出量を挙げることができる。
距離データ47については、例えば液滴吐出装置1を製造する過程でヒータ60を設置する際に、当該ヒータ60とヘッドユニット10との間のチューブ12の長さを測定しておき、当該チューブ12の長さを距離データ47とすることができる。
温度データ48については、例えばヒータ60とヘッド27との間で液体材料が自然冷却され、当該自然冷却により温度が低下することを考慮し、液体材料がヘッド27に到達した時の液体材料の温度が流動性を維持可能な温度となるように加熱温度を設定する。加熱温度を液体材料の溶質として使用する高分子材料(発光材料、正孔注入/輸送材料等)のガラス転移温度以上の温度とすると、当該高分子材料が劣化して所望の特性が得られなくなるおそれがある。本実施形態では、液体材料としては、例えばフルオレン骨格を有する高分子材料をベンゼン系若しくはビフェニル系溶媒(例えばイソプロピルビフェニル、シクロへキシルベンゼン、ジメチルジフェニルエーテル)に溶解ないし分散させたものを用いることができる。この液体材料は、図4に示すように粘度が経時変化するものである。なお、図4は粘度の経時変化を示すグラフであって、縦軸は粘度を、横軸は時間変化を示している。上述した高分子材料は150℃〜250℃のガラス転移を有するものが多いため、マージンを考慮して120℃以下とすることが望ましい。また、60℃未満の温度では液体材料を調製した当初の粘度に戻す効果が得られないか、或いはその効果が得られるまでの処理時間が長くなり、液滴吐出装置1の稼働率を保つことが難しくなる。
図3に戻って、時間データ49については、液体材料がヒータ60を通過するまでの時間(経過時間)についてのデータ(経過時間データ)と、液体材料がヒータ60で加熱されて粘度が低下してからもとの粘度に戻るまでの時間(所要時間)についてのデータ(所要時間データ)とがある。経過時間データは、距離データ47及び時間データ49によって算出されるデータである。所要時間データについては、例えば吐出量やチューブの長さ等の条件が本実施形態に係る液滴吐出装置1の吐出量やチューブ12の長さ等と同様の条件となる装置を用いて実験することにより、予め測定しておいた時間を所要時間としても良い。また、液滴吐出装置1を使用する際に実際に要した時間を所要時間としても良い。予め測定した時間や実際に要した時間等の平均をとり、当該平均値が所要時間となるように設計しても良い。なお、図4のグラフを参照する場合、所定時間としては約40日となる。
プログラム格納部45には、液体材料がヒータ60からヘッドユニット10に到達するまでの到達時間を算出する到達時間算出部51と、ヒータ60及びヒータ61の最適な設定温度を温度データ48の中から選択する温度選択部52と、チューブ12内の液体材料がヒータ60を通過してからの時間(タイマー32により計測された時間)が時間データ49の所定の時間を超えたか超えないかを判断する経過時間判断部53と、液体材料の吐出に関する判断・指示等を行う吐出制御部54とを有している。
次に、図5から図7を基にして、上記のように構成された液滴吐出装置1の動作を説明する。ここでは、例えば基板に形成される発光部等のパターンを形成する場合を例に挙げて説明する。当該液滴吐出装置1では、液体材料の吐出量を安定させるためにダミー吐出を行ってから、発光部等のパターンを形成する本吐出を行う。図5は、液滴吐出装置1の動作を示すフローチャートである。図6は、ダミー吐出の様子を示す図である。図7は、本吐出の様子を示す図である。
タンク11に液体材料を充填させて液滴吐出装置1を駆動すると、所定の流速で液体材料がチューブ12内を流通する。
到達時間算出部51は、流速データ46及び距離データ47を基にして、液体材料がヒータ60からヘッドユニット10に到達するまでの時間、すなわち、チューブ12内の液体材料がヘッド27に保持されるまでの時間を算出する(ステップ301)。温度選択部52は、当該算出された到達時間を基にして、温度データ48の中からヒータ60の最適な加熱温度を選択する(ステップ302)。
ヒータ60で加熱された液体材料は、チューブ12内を流通してヘッド27に到達するまでに自然冷却され、ヒータ60で加熱されたときの温度よりも低温になる。増粘が始まる(問題となる粘度まで変動する)までの時間(所要時間)が短い場合には、加熱処理が不足することが考えられるため、加熱温度を高くなるように制御する。したがって、温度データ48の範囲の中から高い温度になるように加熱温度を選択する。なお、当該所要時間は、算出された到達時間とは比例関係にある。また、増粘が始まるまでの時間が長い場合には、加熱処理が過剰になると考えることができ、加熱温度を低くなるように制御する。したがって、温度データ48の範囲の中から低い温度になるように加熱温度を選択する。ヒータ60は、温度選択部52によって選択された温度でチューブ12の加熱を開始する(ステップ303)。
ヒータ60による加熱開始とともに、タイマー32の計時がスタートする。経過時間判断部53は、当該タイマー32により測定された経過時間を読み取り、時間データ49の所要時間(閾値)と比較する。
経過時間が閾値を上回っていると判断された場合(ステップ304のYes)、吐出制御部54は、吐出履歴データ50に記録された吐出履歴を確認し、ダミー吐出がすでに行われたかどうかを判断する。ダミー吐出が行われていないと判断された場合(ステップ305のNo)、温度選択部52は、ヒータ61により加熱する最適温度を選択し、ヒータ61は選択された温度でヘッド27を加熱し(ステップ306)、ヒータ60及びヒータ61の両方で加熱している状態になる。
この状態で、吐出制御部54がヘッドユニット10に対して液体材料を吐出するように命令すると、図6に示すように、ヘッド27から基板Sのダミー領域Dに液体材料がダミー吐出される(ステップ307)。ヘッド27の内部の液体材料が吐出されたら、ヒータ61による加熱を終了し、ヘッド27を冷却する(ステップ308)。なお、ステップ304において経過時間が閾値を下回っていると判断された場合(ステップ304のNo)には、ステップ304が繰り返し行われる。
ステップ305において、ダミー吐出がすでに行われていると判断された場合(ステップ305のYes)、ヒータ60では加熱しており、ヒータ61では加熱していない状態で、図7に示すように、基板Sの例えば表示領域Aに液体材料が本吐出される(ステップ309)。
このように、本実施形態によれば、液体材料はヒータ60によってチューブ12を介して加熱される。ヒータ60で加熱されることで液体材料は、ヘッド27からの吐出を行う前に液体材料の元の粘度(増粘が始まる前の状態)に戻すことが可能となるため、安定した吐出を行うことができるようになる。
このとき、液体材料の流速が大きければ加熱される実効的な時間が短く、流速が小さければ当該加熱される実効的な時間が長くなる。実効的な加熱時間が短くなると、加熱処理が不十分となり液体材料を元の粘度に戻すことが出来なくなる。一方実効的な加熱時間が長い場合は、加熱処理が過剰となり、液体材料の劣化を招く惧れがある。このため、チューブ12を流れる液体材料の流速に関するデータに基いてヒータ60の加熱温度を制御することで、安定した粘度で劣化の無い液体材料を吐出ヘッドに供給することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、流速データについては液体材料の吐出量を基に形成されていると説明したが、これに限ることなく、例えば流速計を用いて実際に測定し、測定値を流速データとしても構わない。
本発明の実施の形態に係る液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る液滴吐出装置のヘッドの構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る液滴吐出装置の制御部の構成を示すブロック図である。 液体材料の粘度の経時変化を示すグラフである。 本実施形態に係る液滴吐出装置の動作を示すフローチャートである。 本実施形態に係る液滴吐出装置の動作の様子を示す図(その1)である。 本実施形態に係る液滴吐出装置の動作の様子を示す図(その2)である。
符号の説明
1…液滴吐出装置 5…制御部 10…ヘッドユニット 12…チューブ 32…タイマー 44…データ格納部 45…プログラム格納部 46…流速データ 47…距離データ 48…温度データ 49…時間データ 50…吐出履歴データ 51…到達時間算出部 52…温度選択部 53…経過時間判断部 54…吐出制御部 60、61…ヒータ

Claims (4)

  1. 液体材料を保持し、前記保持した液体材料を吐出するヘッドと、
    前記ヘッドに前記液体材料を供給するための流路を有する供給手段と、
    前記流路に前記ヘッドから所定の距離をおいて設けられ、前記流路を加熱することが可能な流路加熱部と、
    前記流路を流れる前記液体材料の流速に関するデータに基づいて前記流路加熱部の加熱温度を制御する制御部と
    を具備することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記流速に関するデータを記憶する記憶部を更に具備し、
    前記制御部が、前記液体材料の吐出を制御すると共に、前記所定の距離と前記流速とを用いて前記液体材料が前記流路加熱部を通過するまでの経過時間を算出し、前記算出された経過時間の長さに応じて前記流路加熱部の加熱温度を制御することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記ヘッドを加熱することが可能なヘッド加熱部を更に具備し、
    前記制御部が、前記液体材料をダミー吐出するときには前記流路及び前記ヘッドが加熱されるように、前記液体材料を本吐出するときには前記流路が加熱され前記ヘッドが加熱されないように、前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記液体材料が前記流路加熱部で加熱されて粘度が低下してから前記流路内でもとの粘度に戻るまでの所要時間に関するデータを前記記憶部が更に記憶し、
    前記制御部が、
    前記液体材料が加熱され始めてからの経過時間が前記所要時間を超えているかどうかを判断すると共に、前記液体材料がすでにダミー吐出されたかどうかを判断し、
    前記経過時間が前記所要時間を超えており、前記液体材料がダミー吐出されていないと判断する場合には、前記流路及び前記ヘッドが加熱されるように前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御すると共に、前記液体材料がダミー吐出されるように前記ヘッドを制御し、
    前記経過時間が前記所要時間を超えており、前記液体材料がすでにダミー吐出されたと判断する場合には、前記流路が加熱され前記ヘッドが加熱されないように前記流路加熱部及び前記ヘッド加熱部を制御すると共に、前記液体材料が本吐出されるように前記ヘッドを制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。

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