JP2006279785A - アダプティブアンテナ及び無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型化が容易で、帯域が広いアダプティブアンテナ、及びこのアダプティブアンテナを用いた無線通信装置を提供する。
【解決手段】 無線信号を送受信する平行平板型の活性素子RE、活性素子REから空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子PE1〜PE6、パラサイト素子PE1〜PE6の接地リアクタンス調整手段(Zn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6;5)とを備えるアレイアンテナと、活性素子REから受信信号を入力し、規範信号を生成する受信装置1と、規範信号と受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置3と、目的関数生成装置3が出力する目的関数を用いて、目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部4とを備える。アンテナ制御部4からの信号で、接地リアクタンス調整手段が駆動され、パラサイト素子PE1〜PE6の接地リアクタンスが制御され、アレイアンテナの指向性を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】 無線信号を送受信する平行平板型の活性素子RE、活性素子REから空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子PE1〜PE6、パラサイト素子PE1〜PE6の接地リアクタンス調整手段(Zn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6;5)とを備えるアレイアンテナと、活性素子REから受信信号を入力し、規範信号を生成する受信装置1と、規範信号と受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置3と、目的関数生成装置3が出力する目的関数を用いて、目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部4とを備える。アンテナ制御部4からの信号で、接地リアクタンス調整手段が駆動され、パラサイト素子PE1〜PE6の接地リアクタンスが制御され、アレイアンテナの指向性を制御する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、アレイアンテナに係り、特に高速データ通信において高い信号対干渉除去比(SIR)が得られるアダプティブアンテナ、及びこのアダプティブアンテナを用いた無線通信装置に関する。
フェーズドアレイアンテナは電子的に指向性が制御できる複数のアンテナ(放射素子)からなる機能アンテナである。複数の放射素子・移相器と制御回路を必要とするためその利用は軍用レーダなどの特殊用途に限定されていた。ところが近年ではマイクロ波ハードウェアの低廉化により通信応用として衛星搭載中継器や公衆無線基地局にも採用されるようになってきた。無線による高速データ通信において、低電力で高い伝送品質を維持するには、希望波の利得を最大にし、或いは希望波に対する干渉波の影響を最小にするようなアンテナ制御技術が有用である。指向性を電波環境に適応した最適化アルゴリズムによって自動制御される機能アンテナは「アダプティブアンテナ」と呼ばれる。具体的には、主ビームを所望波到来方向へ向ける、ヌル点を干渉波到来方向へ向ける、信号対干渉雑音比SINRを最大にする、アレイ応答によりマルチパス波を合成補償するなど、刻々変動する電波環境にアンテナが自律的に適応させるアンテナ制御技術である。即ち、アダプティブアンテナは、複数のアンテナで受信した信号を用い、空間フィルタによって信号対干渉除去比(SIR)を最大化しようとするものである。
近年、簡単なハードウェア構成のアダプティブアンテナとして電子走査導波器(Electronically Steerable Parasitic Array Radiator(ESPER))アンテナが精力的に研究されはじめている(特許文献1〜3参照。)。電子走査導波器アンテナの開口は,1つの放射素子とその周りに配置された複数の寄生素子から構成される。寄生素子の出力にはバラクタなどのの可変リアクタンス素子が接続されており,そのリアクタンス値を適当に変化させことにより,放射素子の指向性が変化する。電子走査導波器アンテナでは,規範信号系列と放射素子受信信号の相関係数を最大とするリアクタンス値を見出すことにより,信号対干渉雑音比SINRを最大とする指向性を形成させる。
特許文献1〜3で提案されている電子走査導波器アンテナは、開口が地板上のモノポールで構成されているため嵩張るという不具合がある。この不具合を解決するため,本発明者は既に、アンテナ開口にパッチ状の平面アンテナを用いる手法を提案した(特許文献4参照。)。
特開2003−142926号公報
特開2003−209426号公報
特開2003−258532号公報
特開2003−264419号公報(図15及び図16)
しかし,平面アンテナはモノポールアンテナに比較し帯域が狭いという問題があった。
上記問題を鑑み、本発明は、小型化が容易で、帯域が広いアダプティブアンテナ、及びこのアダプティブアンテナを用いた無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(イ)無線信号を送受信するための平行平板型の活性素子と、(ロ)この活性素子から空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子と、(ハ)このパラサイト素子の接地リアクタンス調整手段とを備え、パラサイト素子の接地リアクタンスを制御することにより、活性素子とパラサイト素子からなるアレイアンテナの指向性を制御するアダプティブアンテナであることを要旨とする。
本発明の第1の態様は、(イ)無線信号を送受信するための平行平板型の活性素子、この活性素子から空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子、このパラサイト素子の接地リアクタンス調整手段とを備えるアレイアンテナと、(ロ)活性素子から受信信号を入力し、規範信号を生成する受信装置と、(ハ)規範信号と受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置と、(ニ)この目的関数生成装置が出力する目的関数を用いて、目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部、とを備え、このアンテナ制御部からの信号で、接地リアクタンス調整手段が駆動され、パラサイト素子の接地リアクタンスが制御され、アレイアンテナの指向性を制御する無線通信装置であることを要旨とする。
本発明の第1の態様は、(イ)無線信号を送受信するための平行平板型の活性素子、この活性素子から空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子、このパラサイト素子の接地リアクタンス調整手段とを備えるアレイアンテナと、(ロ)活性素子から受信信号を入力し、規範信号を生成する受信装置と、(ハ)規範信号と受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置と、(ニ)この目的関数生成装置が出力する目的関数を用いて、目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部、とを備え、このアンテナ制御部からの信号で、接地リアクタンス調整手段が駆動され、パラサイト素子の接地リアクタンスが制御され、アレイアンテナの指向性を制御する無線通信装置であることを要旨とする。
本発明によれば、本発明は、小型化が容易で、帯域が広いアダプティブアンテナ、及びこのアダプティブアンテナを用いた無線通信装置を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、放射素子、回路素子や回路ブロックの構成や配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、平行平板型アンテナ(装荷スタック型パッチアンテナ)からなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナ(装荷スタック型パッチアンテナ)からなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。ここで、「活性素子」とは、例えば、無線通信装置のRFフロントエンド部に空中から受信した受信信号を出力し、RFフロントエンド部から入力した送信信号を空中に放射させる励振素子(給電素子)の意味である。「パラサイト素子」とは、受信信号や送信信号に直接寄与しない非励振素子の意味である。即ち、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは可逆回路であるので、受信用にも送信用にも用いることができるが、信号の送受信は活性素子REからのみ行われ、各パラサイト素子PE1〜PE6からの信号取り出しは行われない。各パラサイト素子PE1〜PE6は、全体の指向性パターンを制御し、適応ビームを形成するために設けられている。「適応ビームを形成」とは、主ビームを所望波到来方向へ向ける、ヌル点を干渉波到来方向へ向ける、信号対干渉雑音比SINRを最大にするような指向性制御を言う。
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、平行平板型アンテナ(装荷スタック型パッチアンテナ)からなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナ(装荷スタック型パッチアンテナ)からなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。ここで、「活性素子」とは、例えば、無線通信装置のRFフロントエンド部に空中から受信した受信信号を出力し、RFフロントエンド部から入力した送信信号を空中に放射させる励振素子(給電素子)の意味である。「パラサイト素子」とは、受信信号や送信信号に直接寄与しない非励振素子の意味である。即ち、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは可逆回路であるので、受信用にも送信用にも用いることができるが、信号の送受信は活性素子REからのみ行われ、各パラサイト素子PE1〜PE6からの信号取り出しは行われない。各パラサイト素子PE1〜PE6は、全体の指向性パターンを制御し、適応ビームを形成するために設けられている。「適応ビームを形成」とは、主ビームを所望波到来方向へ向ける、ヌル点を干渉波到来方向へ向ける、信号対干渉雑音比SINRを最大にするような指向性制御を言う。
パラサイト素子PE1〜PE6の配列の中心に設けられた活性素子REは、図1(a)に示すように、互いに所定の面間隔で互いに積層された1対の円板状の導電体板(パッチアンテナ)により、「平行平板型アンテナ」を構成している。この平行平板型アンテナの下層導電体板は、図2に示すように、空間的に直交する2つの給電点F01,F02を介して、3dBハイブリッド回路により2点給電される。即ち、3dBハイブリッド回路は、平衡型伝送ケーブル等の高周波伝送路を介して無線機に接続されるが、3dBハイブリッド回路に入力した信号は、2つの給電点F01,F02から半分ずつ(3dBずつ)、90°の位相差で、平行平板型アンテナの下層導電体板(給電平面アンテナ)に供給される。図2(b)に示す3dBハイブリッド回路の反対側の入力ブランチを切り替えて右回りの円偏波(RHCP)、左回りの円偏波(LHCP)の方向を定める。
図3に示すように、活性素子REの上層導電体板(装荷平面アンテナ)200は、厚さ1.6mm,誘電率2.5のガラス繊維補強ポリテトラフロロエチレン(ガラスクロスPTFE)基板からなる第1誘電体基板210の上に実装されている。又、活性素子REの下層導電体板(給電平面アンテナ)230は、厚さ1.6mm,誘電率2.5のガラスクロスPTFE基板からなる第2誘電体基板240の上に実装されている。第2誘電体基板240の下面(裏面)には、導電性の地板250が貼り付けられている。上層導電体板200の直径は下層導電体板230の1.03倍である。第1誘電体基板210と第2誘電体基板240の間は厚さ8mmの空気層である。第2誘電体基板240及び地板250を貫通するスルーホールを介して、給電導体260、270が下層導電体板230の2つの給電点F01,F02(図2参照)に接続されている。給電導体260、270は、それぞれ3dBハイブリッド回路の2つの出力端子に接続されている。更に、上層導電体板200と下層導電体板230のそれぞれの中心は、短絡導体220により、互いに金属学的に接続され、電気的に接続されている。「金属学的に接続されとは」、溶接、ハンダ付け、熱圧着等の金属同士の物理的接合による接続を意味する。
第1誘電体基板210及び第2誘電体基板240は、ガラスクロスPTFE基板に限定される必要はなく、有機系の種々な合成樹脂、セラミック、ガラス等の無機系の材料が使用可能である。有機系の樹脂材料としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等が、使用可能で、又板状にする際の芯となる基材は、紙、ガラス布、ガラス基材などが使用される。無機系の基板材料として一般的なものはセラミックである。透明な基板が必要な場合には、ガラスが用いられる。セラミック基板の素材としてはアルミナ(Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、ベリリア(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(SiC)等が使用可能である。
上層導電体板200及び下層導電体板230としては、厚さ4μm〜500μm程度の種々の金属膜が使用可能である。厚さ4μm〜50μm程度の薄い金属膜としては、アルミニウム(Al)等の金属薄膜をフォトリソグラフィでパターニングしたものや、金(Au)や銅(Cu)の薄膜を選択メッキしたもの、スクリーン印刷で形成した金属膜等が使用可能である。厚さ50μm〜500μm程度の金属膜としては、打ち抜き成形やエッチング等で所定の形状にパターニングされた金属板材、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、Cu−Fe,Cu−Cr,Cu−Ni−Si,Cu−Sn等の銅合金、Ni−Fe、Fe−Ni−Co等のニッケル・鉄合金、或いは銅とステンレスの複合材料等を用いることが可能である。更に、これらの金属にニッケル(Ni)メッキや金(Au)メッキ等を施したものなどから構成しても良い。給電導体260、270及び短絡導体220としては、Al、Cu、或いはCu−Fe,Cu−Cr,Cu−Ni−Si,Cu−Sn等の銅合金、Ni−Fe、Fe−Ni−Co等のニッケル・鉄合金、或いは銅とステンレスの複合材料等を用いることが可能である。
図5は、第1誘電体基板210及び第2誘電体基板240にガラスクロスPTFE基板を用い、上層導電体板200及び下層導電体板230に、厚さ75μmのCu板を用いた場合における、平行平板型アンテナの単体素子としての電圧定在波比(VSWR)の周波数依存性を示す図である。設計中心周波数3.15GHzに対して、8%の帯域で良好な入力インピーダンス特性を示すことが分かる。
又、図6は3.05GHzにおける,図7は3.2GHzにおける,図8は3.35GHzにおける、円板状の導電体板200,230からなる平行平板型アンテナの、単体素子としての利得の仰角θ依存性を、左旋円偏波及び右旋円偏波について、それぞれ方位角φ=0°及びφ=90°に分けて示す図であるが、指向性の変化もほとんどないことが分かる。仰角θ=0°での、3.05GHz,3.2GHz,3.35GHzにおける利得はそれぞれ,7.9dB,8.3dB,8.3dBである。
図1(b)に示すように、無給電のパラサイト素子PE1〜PE6は、活性素子REを中心として、例えば、半径d=0.4λの円形形状の位置に互いに同一の60度の間隔で配置すれば良い。一般にアダプティブアンテナの放射指向性は素子の指向性(エレメントファクタ)と無指向性素子を同形状に配列して得られる指向性(アレイファクタ)の積で表される。アレイファクタはステアリングベクトル(各素子の配列位置から[θ,φ]方向の遠方点への放射伝達関数を要素とするベクトル)とウェイトベクトル(各素子が指向性合成に寄与する配分率を表すベクトル)の内積で与えられる。
図1では、パラサイト素子PE1〜PE6セットが等間隔円形に配列されているが、これは例示であり、より一般的にKセットのパラサイト素子PE1〜PEKが、等間隔円形に配列される(Kは1以上の正の整数。)。Kセットのパラサイト素子PE1〜PEKの場合で説明すれば、図1(b)における中央の活性素子REの給電点を位相中心とする球座標系では、ステアリングベクトルは仰角θと方位角φの関数として、
a(θ,φ)=[1,ejψ1,ejψ2,...,ejψK]T ・・・・・(1)
ψk =(2πd/λ0)cosθcos(φ−2((k-1)/K)π) ・・・・・(2)
となる。ここでλ0は自由空間波長、dは図1(b)に示す素子配列半径である。ウェイトベクトルは通常のアダプティブアンテナでは給電系(ビーム形成回路網:BFN)で与えるが、エスパアンテナでは給電が1系統でありBFNが存在し得ない。それに代わりK個の可変リアクタンスのリアクタンス値
x=[x1,x2,...,xK]T ・・・・・(3)
の関数としてウェイトベクトルが与えられる。
a(θ,φ)=[1,ejψ1,ejψ2,...,ejψK]T ・・・・・(1)
ψk =(2πd/λ0)cosθcos(φ−2((k-1)/K)π) ・・・・・(2)
となる。ここでλ0は自由空間波長、dは図1(b)に示す素子配列半径である。ウェイトベクトルは通常のアダプティブアンテナでは給電系(ビーム形成回路網:BFN)で与えるが、エスパアンテナでは給電が1系統でありBFNが存在し得ない。それに代わりK個の可変リアクタンスのリアクタンス値
x=[x1,x2,...,xK]T ・・・・・(3)
の関数としてウェイトベクトルが与えられる。
図1(a)に示した例では、無給電のパラサイト素子PE1〜PE6のそれぞれを構成する平行平板型アンテナは、互いに所定の面間隔で互いに積層された1対の円板状の非励振素子からそれぞれ構成されている。非励振素子の下層導電体板は、図2(b)に示した活性素子REの場合と同様に、空間的に直交する2つの90°の位相差の給電点を、3dBハイブリッド回路で結合し、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6に、それぞれ接続される。
より詳細には、図3の断面図に示すように、パラサイト素子PE1の上層導電体板201は、活性素子REの上層導電体板200を搭載している第1誘電体基板210の上に実装されている。又パラサイト素子PE1の下層導電体板231は、活性素子REの下層導電体板230を搭載している第2誘電体基板240の上に実装されている。活性素子REと同様に、上層導電体板201の直径は下層導電体板231の1.03倍である。第2誘電体基板240及び地板250を貫通するスルーホールを介して、給電導体261,271が下層導電体板231の2つの給電点F11,F12(図1(a)参照)に接続されている。給電導体261,271は、それぞれ3dBハイブリッド回路の2つの出力端子に90°の位相差で接続されている。図1(a)に示すように、パラサイト素子PE1の下層導電体板231は、空間的に直交する2つの給電点F11,F12を介して、3dBハイブリッド回路により結合されて、可変リアクタンスZn1に接続される。更に、上層導電体板201と下層導電体板231のそれぞれの中心は、短絡導体221により、互いに金属学的に接続され、電気的に接続されている。
同様に、パラサイト素子PE4の上層導電体板204は、第1誘電体基板210の上に実装され、下層導電体板234は、第2誘電体基板240の上に実装されている。上層導電体板204の直径は、活性素子RE及びパラサイト素子PE1と同様に、下層導電体板234の1.03倍である。第2誘電体基板240及び地板250を貫通するスルーホールを介して、給電導体264,274が下層導電体板234の2つの給電点F41,F42(図1(a)参照)に接続されている。給電導体264,274は、それぞれ3dBハイブリッド回路の2つの出力端子に90°の位相差で接続されている。パラサイト素子PE4の下層導電体板234は、空間的に直交する2つの給電点F41,F42を介して3dBハイブリッド回路により結合されて、可変リアクタンスZn4に接続されている。更に、上層導電体板204と下層導電体板234のそれぞれの中心は、短絡導体224により、互いに金属学的に接続され、電気的に接続されている。上層導電体板201,204及び下層導電体板231,234としては、上層導電体板200及び下層導電体板230と同様な厚さ4μm〜500μm程度の種々の金属膜が使用可能である。したがって、上層導電体板201,204は、上層導電体板200と一括でパターニングすれば良く、下層導電体板231,234は、下層導電体板230と一括でパターニングすれば良い。給電導体261,271,264,274及び短絡導体221,224としては、給電導体260、270及び短絡導体220と同様に、Al、Cu、或いはCu−Fe,Cu−Cr,Cu−Ni−Si,Cu−Sn等の銅合金、Ni−Fe、Fe−Ni−Co等のニッケル・鉄合金、或いは銅とステンレスの複合材料等を用いることが可能である。
断面の表示を省略しているが、他の無給電のパラサイト素子PE2,PE3,PE4,PE6も同様な構造である。そして、パラサイト素子PE2の下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点F21,F22を介して3dBハイブリッド回路により結合されて可変リアクタンスZn2に、パラサイト素子PE3の下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点F31,F32を介して3dBハイブリッド回路により結合されて可変リアクタンスZn3に、パラサイト素子PE5の下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点F51,F52を介して3dBハイブリッド回路により結合されて可変リアクタンスZn5に、パラサイト素子PE6の下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点F61,F62を介して3dBハイブリッド回路により結合されて可変リアクタンスZn6に、それぞれ接続される。
図3に示した断面構造は例示であり、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240の間は、厚さ8mmの空気層に限定する必要はない。アンテナの帯域が、上層導電体板200、201、204と下層導電体板230、231、234の直径比と、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240との間隔との関係で決定されるので、アンテナの帯域と、上層導電体板200、201、204と下層導電体板230、231、234の直径比とを考慮して、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240との間隔を選定すれば良い。
図2(a)に示すように、活性素子REの中心を座標原点とし、座標原点からパラサイト素子PE6中心を通る方位角(回転角)φを変えながら帯域内の逆方向伝達係数(出力端から見た電圧透過係数)S12及び入力ポートから見た電圧反射係数(入力リターンロス)S11をシミュレーションにより求めた結果を図9に示す。本発明の実施の形態に係る平行平板型アンテナは、安定で強い結合特性を有し,2素子の方位角(回転角)φに対する逆方向伝達係数S12の変動も比較的小さいことが分かる。
可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のそれぞれは、例えば、抵抗、インダクタ(コイル)、高周波バイパス用キャパシタ及び可変容量ダイオードからなるはしご型回路でバラクタ回路を構成すれば良い。例えば、3dBハイブリッド回路と接地間に接続された第1インダクタと可変容量ダイオードの直列回路と、第1インダクタと可変容量ダイオードの接続点に一方の端子を接続した第2インダクタと、第2インダクタと接地間に接続された高周波バイパス用キャパシタと、第2インダクタと高周波バイパス用キャパシタとの接続点に接続された抵抗とで構成できる。そして、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のリアクタンス値を変化させるための可変リアクタドライバ5(図4参照。)が、各可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6にそれぞれ接続される。可変リアクタドライバ5は、可変容量ダイオードに対して逆バイアス電圧を印加し、容量を変化させる可変電圧直流電源である。可変リアクタドライバ5により、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6に印加する電圧をそれぞれ変化し、それぞれのバラクタ回路の可変容量ダイオードの容量値を独立に変化させ、リアクタンス値を、それぞれ所望の値になるように独立に制御する。これにより、積層された1対の円板状の非励振素子を備えた各パラサイト素子PE1〜PE6上の励振電流振幅・位相を変化させ、アダプティブアンテナの平面指向性特性を変化させることができる。可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のそれぞれに直列に固定の第1インダクタを挿入しているので、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のリアクタンス値は、正から負の値までの範囲の値をとることができる。可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6を、容量性の回路素子とすれば、リアクタンス値は常に負の値となる。いずれにせよ、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6は、上述した抵抗、第1インダクタ、第2インダクタ、高周波バイパス用キャパシタ及び可変容量ダイオードからなるはしご型回路に限定されず、リアクタンス値を制御可能な素子であれば良い。
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置は、図4に示すように、活性素子REと、この活性素子REに3dBハイブリッド回路を介して接続されたアンテナスイッチ(サーキュレータ)47と、アンテナスイッチ(サーキュレータ)47を介して接続される送信装置2と受信装置1を備える。更に、受信装置1には、目的関数生成装置3が接続され、目的関数生成装置3の出力は、アンテナ制御部4に接続されている。アンテナ制御部4の出力は、可変リアクタドライバ5に接続され、可変リアクタドライバ5の出力は、それぞれのパラサイト素子PE1〜PE6の可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6に接続されている。
受信装置1では、活性素子REからの受信信号SRを復調すると共に、所望信号の既知の符号系列を規範信号SSとして発生する。例えば、所望波の変調方式が位相シフトキーイング(PSK)である場合について述べる。受信モードにおけるエスパアンテナの出力信号を受信装置1で、時系列的に標本化観測し、これを確率統計変数と見立てた高次モーメントに基づく目的汎関数を定義しこれを最適値(最大又は最小)化することを規範とする。ここで着目するPSK変調信号に特有の性質とは、「m相PSK信号は変調データにかかわらずm乗すると一定の複素数値となる」ことである。これはI/Q平面上のPSK変調の信号点配置から明白である。通信路で雑音或いは干渉を被るとこの一定の複素数値からの揺らぎが受信側で観測される。この揺らぎが小さいほど所望信号が高い純度で抽出できていると考えられる。そこで、所定の期間における、受信信号y(ts)の第m次モーメントの絶対値の時間平均値E|y(ts)m|の二乗値を、受信信号y(ts)の第m次モーメントの絶対値の二乗値の時間平均値E[|y(ts)m|2] で除算した関数:
Q(ts)=E|y(ts)m|/E[|y(ts)m|2] ・・・・・(4)
が規範となるように、規範信号SSを生成すれば良い。式(4)の分母のE[|y(ts)m|2] は、m乗信号の平均電力での規格化を意味する。
Q(ts)=E|y(ts)m|/E[|y(ts)m|2] ・・・・・(4)
が規範となるように、規範信号SSを生成すれば良い。式(4)の分母のE[|y(ts)m|2] は、m乗信号の平均電力での規格化を意味する。
一方、所望波がアナログFMのように包絡線が一定である変調方式の場合には定振幅性に着目した規範信号SSを生成することにより、又16QAMのような直交ディジタル変調の場合には信号点配置の離散性に着目した規範信号SSを生成することによりブラインドビーム形成が可能である。
受信装置1から出力した受信信号SRと規範信号SSは、目的関数生成装置3へ入力される。目的関数生成装置3は、例えば、受信信号SRと規範信号SSの相関をとり、規範信号SSと受信信号SRの相関係数を目的関数(評価関数)Qとして出力する相関器が採用可能である。相関器以外に、目的関数生成装置3は、規範信号SSと受信信号SRの差電力を目的関数(評価関数)Qとして出力するようにしても良い。目的関数(評価関数)Qとしては、その他、信号対干渉雑音比SINRが採用可能であるが、以後の説明は、目的関数(評価関数)Qは、規範信号SSと受信信号SRの相関係数であるとして記載する。目的関数生成装置3の出力した目的関数(評価関数)Qは、アンテナ制御部4へ入力される。
アンテナ制御部4は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように、直接探索法、勾配法、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムによって探索する。「直接探索法」は、最適化問題を解く方法であり,
(a)目的関数の勾配を必要としない,
(b)数学的に収束が保証されている,
(c)中庸な収束が得られることである,
のような特徴があるので、以下では、直接探索法を用いる場合について説明するが、アンテナ制御部4の処理のアルゴリズムは、直接探索法に限定する必要はない。
(a)目的関数の勾配を必要としない,
(b)数学的に収束が保証されている,
(c)中庸な収束が得られることである,
のような特徴があるので、以下では、直接探索法を用いる場合について説明するが、アンテナ制御部4の処理のアルゴリズムは、直接探索法に限定する必要はない。
直接探索法は、現在点の周りの一組の点(「メッシュ」という)を探索し目的関数が現在点より低い値を探す。低い点があれば、現在点を低い点に移し、メッシュを拡大して探索を続け、低い値がなければメッシュを縮小し再探索する手順を繰り返し、目的関数(評価関数)Qを最小にする。目的関数(評価関数)Qの逆数或いはQの負値を用いれば最大値を探索することができる.
このため、アンテナ制御部4は、各パラサイト素子PE1〜PE6の初期値及び初期設定での目的関数値O0を計算する初期設定手段11,各パラサイト素子PE1〜PE6に対応したメッシュを作成するメッシュ作成手段12,各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12を計算し評価する(ポーリングする)ポーリング手段13,現在の最適値とポーリングの結果を比較する最適値/ポーリング結果比較手段14,現在の最適値とポーリングの結果を比較し、低い点(又は高い点)があれば、現在最適値を低い点(又は高い点)に更新し、メッシュサイズを拡大し、低い値(又は高い値)がなければメッシュサイズを縮小するメッシュサイズ変更手段15,収束判定をする収束判定手段16を備える。これらの初期設定手段11,メッシュ作成手段12,ポーリング手段13,最適値/ポーリング結果比較手段14,メッシュサイズ変更手段15,収束判定手段16は、専用のハードウェア(論理回路)で構成しても良く、汎用のプロセッサを用い、それを制御するソフトウェアにより等価な機能を実現するように、構成しても良い。
このため、アンテナ制御部4は、各パラサイト素子PE1〜PE6の初期値及び初期設定での目的関数値O0を計算する初期設定手段11,各パラサイト素子PE1〜PE6に対応したメッシュを作成するメッシュ作成手段12,各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12を計算し評価する(ポーリングする)ポーリング手段13,現在の最適値とポーリングの結果を比較する最適値/ポーリング結果比較手段14,現在の最適値とポーリングの結果を比較し、低い点(又は高い点)があれば、現在最適値を低い点(又は高い点)に更新し、メッシュサイズを拡大し、低い値(又は高い値)がなければメッシュサイズを縮小するメッシュサイズ変更手段15,収束判定をする収束判定手段16を備える。これらの初期設定手段11,メッシュ作成手段12,ポーリング手段13,最適値/ポーリング結果比較手段14,メッシュサイズ変更手段15,収束判定手段16は、専用のハードウェア(論理回路)で構成しても良く、汎用のプロセッサを用い、それを制御するソフトウェアにより等価な機能を実現するように、構成しても良い。
アンテナ制御部4は、直接探索法によって探索した結果を、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6の値を最適化するための制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6として生成する。アンテナ制御部4が、生成した個々の制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6は、可変リアクタドライバ5へ出力される。可変リアクタドライバ5は、各可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のリアクタンスを最適化するために、それぞれの可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6にリアクタンス制御用電圧V1,V2,V3,・・・・・,V6を出力する。
図10に示すフローチャートを用いて、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの制御方法、即ち、アンテナ制御部4による可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6の値を最適化し、これにより主ビームを所望波到来方向へ向け、ヌル点を干渉波到来方向へ向け、信号対干渉雑音比SINRを最大にする指向性制御(最適値が最大値の場合)について、説明する。目的関数を相関値とする場合,相関値の逆数を目的関数とし最小化する。目的関数(評価関数)Qが、信号対干渉雑音比SINRの場合は、アンテナ制御部4は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最大になるように、直接探索法によって探索する。目的関数(評価関数)Qは、規範信号SSと受信信号SRの差電力である場合は、アンテナ制御部4は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最小になるように、直接探索法によって探索する。
(イ)先ず、ステップS101において、アンテナ制御部4の初期設定手段11は、j=1,Kj=1,Zj=[Z1,Z2,Z3,・・・・・,Z6]=0として、各パラサイト素子PE1〜PE6の初期値を設定する。更に、この初期設定での目的関数値O0を計算する,
(ロ)次に、ステップS102において、アンテナ制御部4のメッシュ作成手段12は、各パラサイト素子PE1〜PE6に対応したメッシュポイントを作成する。各パラサイト素子PE1〜PE6は、平行平板型アンテナであり、互いに積層された積層された1対の円板状の非励振素子からなるので、12個のメッシュポイントが作成される。
(ロ)次に、ステップS102において、アンテナ制御部4のメッシュ作成手段12は、各パラサイト素子PE1〜PE6に対応したメッシュポイントを作成する。各パラサイト素子PE1〜PE6は、平行平板型アンテナであり、互いに積層された積層された1対の円板状の非励振素子からなるので、12個のメッシュポイントが作成される。
(ハ)そして、ステップS103において、アンテナ制御部4のポーリング手段13は、各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12を計算し評価する(ポーリングする)。
(ニ)ステップS104において、j=j+1とインクリメントした後、ステップS105において、アンテナ制御部4の最適値/ポーリング結果比較手段14は、現在の最適値とポーリングの結果を比較する。即ち、各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値があるか否か判断する。
(ホ)各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値があればステップS106に進む。ステップS106において、アンテナ制御部4のメッシュサイズ変更手段15は、現在最適値Ojを低い点Zjに更新し、Kjを2Kj-1としてメッシュサイズを、2の倍数で拡大する。
(ヘ)各メッシュポイントでの目的関数値O1−O12の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値がなければ、ステップS107に進む。ステップS107において、アンテナ制御部4のメッシュサイズ変更手段15は、KjをKj-1/2として、メッシュサイズを2の倍数で縮小する。
(ト)そして、ステップS108において、アンテナ制御部4の収束判定手段16は、収束判定をし、終了条件を1つでも満たせば終了とする。通常、メッシュサイズが許容誤差範囲に入ったときを終了条件すれば良い。終了条件を満たさなければ、ステップS102に戻り、メッシュポイントを作成する。 図10に示すフローチャートに従い、入射信号をBPSK信号とし、直接探索法の繰り返し数は600とし、可変リアクタンスの設定範囲は−200Ω〜200Ωとして、直接探索法により収束パターンを求めるシミュレーションを行った。図11,図12,図13は、それぞれ、シミュレーションよって得られた3.05GHz,3.2GHz,3.35GHzにおける適応指向性を示す図である。ここで所望波の到来方向は(φ,θ)=(0°,0°),干渉波の到来方向は(φ,θ)=( 30°,30°)である。周波数帯域内で所望波の方向に主ビームが形成され,干渉波の方向にヌルが形成されていることが分かる。シミュレーションでは、マルチパス波の除去を意図し,1つの所望波と所望波の半分の振幅を持つ2つ相関のないマルチパス波が入射するモデルを考えている。屋内対向通信を意図し,所望波は開口の正面(φ,θ)=(0°,0°)から入射すると仮定している。第2波の到来方向はθ=30°で任意の30°ステップの値である。第3波の到来方向はθ=60°で任意の30°ステップの値である。
図14は信号対雑音電力比SNR=30dBとしたときの、得られる信号対干渉雑音比SINRの累積分布である。設定した到来信号モデルで周波数帯域内にわたり信号対干渉雑音比SINR>10dBが得られることが分かる。
従来、直接探索法は勾配法に比較すれば、漸近的な収束が遅いとされていたが、本発明者の知見によれば、適応ビーム形成においては、勾配法の1/4から1/6の計算時間で、勾配法よりも深いヌル点を形成できることが分かり、より現実的な手法である。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、非常に簡単な構造を有し、直流電圧V1,V2,V3,・・・・・,V6で指向特性を電子的に制御可能である。アダプティブアンテナは、例えば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDAのような携帯型情報端末へ装着が容易であり、又、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべてのパラサイト素子PE1〜PE6が有効に機能し、指向特性の制御もきわめて容易である。 この様な携帯型情報端末の一例として、図15は、図4に示した無線通信装置の受信装置1を、図16は、図4に示した無線通信装置の送信装置2を、具体的に概略説明するブロック図である。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、非常に簡単な構造を有し、直流電圧V1,V2,V3,・・・・・,V6で指向特性を電子的に制御可能である。アダプティブアンテナは、例えば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDAのような携帯型情報端末へ装着が容易であり、又、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべてのパラサイト素子PE1〜PE6が有効に機能し、指向特性の制御もきわめて容易である。 この様な携帯型情報端末の一例として、図15は、図4に示した無線通信装置の受信装置1を、図16は、図4に示した無線通信装置の送信装置2を、具体的に概略説明するブロック図である。
図15に示す携帯型情報端末の受信装置1は、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナから3dBハイブリッド回路を介して受信信号を入力するRFフロントエンド部として、RFフィルタ41、RFフィルタ41に接続されたミキサ48、ミキサ48に接続された局部発振器49を備える。ミキサ48は、RFフィルタ41の出力するRF信号と局部発振器49の出力するRF信号とを混合し、例えば200MHz〜500MHzの中間周波数(IF)の信号を生成する。RFフィルタ41にはアンテナスイッチ47を介して、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの活性素子REが接続されている。
ミキサ48で混合された活性素子REが受信したRF信号と局部発振器49の出力するRF信号とは、IFフィルタ42に伝達される。IFフィルタ42には、増幅器50が接続され、増幅器50には、I/Q復調回路を備えるレシーバLSIチップ93が接続されている。レシーバLSIチップ93には、共振器58を備えたIQ発信器57が接続されている。IFフィルタ42により、活性素子REが受信したRF信号と局部発振器49の出力するRF信号との差の周波数が抽出され、増幅器50により、差の周波数であるIF信号が増幅され、安定化される。このIF信号は、レシーバLSIチップ93により直交位相復調され、互いに90°位相がずれたI信号及びQ信号が生成される。レシーバLSIチップ93が備えるミキサ51及びミキサ52において、更に低周波、例えば10MHz以下のベースバンドI信号及びベースバンドQ信号がそれぞれ生成される。ベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、それぞれ、増幅器53,54で増幅された後、ベースバンドフィルタ43,44に入力される。ベースバンドフィルタ43,44を介したベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、更に、A−D変換器55,56でディジタル信号に変換され、図示を省略したディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)に入力される。即ち、ベースバンドフィルタ43及びベースバンドフィルタ44を介してそれぞれ抽出されたベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、A−D変換器55及びA−D変換器56により、ディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号となり、ディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)により信号処理され、図4に示した受信信号SRと規範信号SSが生成される。そして、この受信信号SRと規範信号SSを用いて、パラサイト素子PE1〜PE6の可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のそれぞれのリアクタンス値が制御され、適応ビームが形成される。
図16は、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを用いた携帯型情報端末の送信装置2を示す。送信装置2のベースバンド処理部にはディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)からのディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号をアナログ信号に変換するD−A変換器65,66がそれぞれ備えられている。ディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、D−A変換器65及びD−A変換器66により、アナログのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号となり、ベースバンドフィルタ61及びベースバンドフィルタ62を介して、変調器LSIチップ95の増幅器88,89に入力される。
変調器LSIチップ95は、増幅器88,89と、増幅器88,89に接続されたミキサ85,86を備える。変調器LSIチップ95は、更に、発振器60及び移相器87を備える。ミキサ85及びミキサ86には、発振器60からの搬送波のRF周波数が、移相器87により互いに90°位相がずらされて供給される。増幅器88,89の出力は、ミキサ85,86において発振器60からの搬送波のRF周波数と混合され、変調される。変調器LSIチップ95は、更に、加算器84及び加算器84の出力に接続された増幅器83を備える。ミキサ85及びミキサ86の出力は、加算器84に入力され、加算器84の出力は増幅器83に入力される。増幅器83の出力は、送信装置2のRFフロントエンド部を構成するMMIC94に供給される。MMIC94には多段接続されたマイクロ波用パワートランジスタ81,82を備え、RF増幅後、アンテナスイッチ47と3dBハイブリッド回路を介して、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの活性素子REに供給される。送信モードにおけるパラサイト素子PE1〜PE6のそれぞれの可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のリアクタンス値と主ビーム方向の関係は、例えば、規範として既知方向への電力指向性の最大化:
P(θ,φ)=(1/2)|Da(θ,φ)|2 → max ・・・・・(5)
を用いて、直接探索法で制御すれば良い。
P(θ,φ)=(1/2)|Da(θ,φ)|2 → max ・・・・・(5)
を用いて、直接探索法で制御すれば良い。
図示を省略するが、本発明の第1の実施の形態の変形例に係るアダプティブアンテナは、図1〜図4と同様な平行平板型アンテナからなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナからなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。第1の実施の形態の変形例に係るアダプティブアンテナは、図17に示すように、活性素子REの上層導電体板(装荷平面アンテナ)200、パラサイト素子PE1の上層導電体板201、パラサイト素子PE4の上層導電体板204が、厚さ1.6mm,誘電率2.5の第1誘電体基板210の上に実装されている。更に、活性素子REの下層導電体板(給電平面アンテナ)230、パラサイト素子PE1の下層導電体板231、パラサイト素子PE4の下層導電体板234は、厚さ1.6mm,誘電率2.5の第2誘電体基板240の上に実装されている。更に、図3と同様に、上層導電体板200と下層導電体板230とは、それぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体220により、上層導電体板201と下層導電体板231とは、それぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体221により、上層導電体板204と下層導電体板234とは、それぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体224とにより互いに接続されている。図17では、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240の間は、下層導電体板230、231、234の厚さ分しか開いていない。上層導電体板200、201、204と下層導電体板230、231、234の直径比は、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240との間隔と、必要とする帯域を考慮して決定すれば良い。他の構造、例えば、第2誘電体基板240の下面(裏面)には、導電性の地板250が貼り付けられ、第2誘電体基板240及び地板250を貫通するスルーホールを介して、給電導体260、270が下層導電体板230の2つの給電点F01,F02(図2参照)に接続され、給電導体261,271が下層導電体板231の2つの給電点F11,F12(図1(a)参照)に接続され、給電導体264,274が下層導電体板234の2つの給電点F41,F42(図1(a)参照)に接続される構造等は、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様であり、重複した説明を省略する。断面の表示を省略しているが、他の無給電のパラサイト素子PE2,PE3,PE4,PE6も、図17に示したパラサイト素子PE1,PE4と同様な構造である。
(第2の実施の形態)
図示を省略するが、本発明の第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、図1〜図4と同様な平行平板型アンテナからなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナからなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。
図示を省略するが、本発明の第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、図1〜図4と同様な平行平板型アンテナからなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナからなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。
第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、図18に示すように、活性素子REの上層導電体板(装荷平面アンテナ)200、パラサイト素子PE1の上層導電体板201、パラサイト素子PE4の上層導電体板204が、厚さ1.6mm,誘電率2.5の第1誘電体基板210の上に実装されている。更に、活性素子REの下層導電体板(給電平面アンテナ)230、パラサイト素子PE1の下層導電体板231、パラサイト素子PE4の下層導電体板234は、厚さ1.6mm,誘電率2.5の第2誘電体基板240の上に実装されている。
しかし、図3とは異なり、上層導電体板200と下層導電体板230のそれぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体220、上層導電体板201と下層導電体板231のそれぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体221、及び上層導電体板204と下層導電体板234のそれぞれの中心を金属学的に接続する短絡導体224は存在せず、上層導電体板200と下層導電体板230とが電磁的に結合し、上層導電体板201と下層導電体板231とが電磁的に結合し、上層導電体板204と下層導電体板234とが電磁的に結合している点が、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナとは異なる。短絡導体220、221,224を除くと、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと比して、帯域は狭ばまるが、製造が容易になるという有利な効果を奏することが可能である。
上層導電体板200、201、204と下層導電体板230、231、234の直径比は、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240との間隔と、必要とする帯域を考慮して決定すれば良い。他の構造、例えば、第2誘電体基板240の下面(裏面)には、導電性の地板250が貼り付けられ、第2誘電体基板240及び地板250を貫通するスルーホールを介して、給電導体260、270が下層導電体板230の2つの給電点F01,F02(図2参照)に接続され、給電導体261,271が下層導電体板231の2つの給電点F11,F12(図1(a)参照)に接続され、給電導体264,274が下層導電体板234の2つの給電点F41,F42(図1(a)参照)に接続される構造等は、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様であり、重複した説明を省略する。
断面の表示を省略しているが、他の無給電のパラサイト素子PE2,PE3,PE4,PE6も、図18に示したパラサイト素子PE1,PE4と同様な構造である。
なお、帯域が許せば、図17に示した本発明の第1の実施の形態の変形例に係るアダプティブアンテナと同様に、第1誘電体基板210と第2誘電体基板240の間は、下層導電体板230、231、234の厚さ分しか開いていないような構造にしても良い。
図4と同様なシステム構成で、第2の実施の形態に係る無線通信装置は、7素子アダプティブアンテナの指向性を制御することが可能である。即ち、受信装置1から出力した受信信号SRと規範信号SSは、目的関数生成装置3へ入力される。目的関数生成装置3から出力された目的関数(評価関数)Qは、アンテナ制御部4へ入力され、アンテナ制御部4は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように、探索した結果を、可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6の値を最適化するための制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6として生成する。アンテナ制御部4が、生成した個々の制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6は、可変リアクタドライバ5へ出力される。可変リアクタドライバ5は、各可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6のリアクタンスを最適化するために、それぞれの可変リアクタンスZn1,Zn2,Zn3,・・・・・,Zn6にリアクタンス制御用電圧V1,V2,V3,・・・・・,V6を出力して、7素子アダプティブアンテナの指向性を制御する。
本発明の第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナによれば、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、所望の周波数帯域内で所望波の方向に主ビームを形成することが可能で、干渉波の方向に明確なヌルを形成できる。又、所望の周波数帯域内にわたり、良好な信号対干渉雑音比を得ることが可能である。
(第3の実施の形態)
図示を省略するが、本発明の第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、平行平板型アンテナからなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナからなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。「平行平板型アンテナ」とは、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナで説明したような、互いに所定の面間隔で互いに積層された1対の円板状の導電体板から構成されるアンテナである。そして、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、無給電のパラサイト素子PE1〜PE6のそれぞれを構成する下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点に3dBハイブリッド回路が接続されている。
図示を省略するが、本発明の第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、平行平板型アンテナからなる活性素子REと、活性素子REから空間的に分離して配置された6セットの無給電の平行平板型アンテナからなるパラサイト素子PE1〜PE6とを備える7素子アダプティブアンテナである。「平行平板型アンテナ」とは、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナで説明したような、互いに所定の面間隔で互いに積層された1対の円板状の導電体板から構成されるアンテナである。そして、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、無給電のパラサイト素子PE1〜PE6のそれぞれを構成する下層導電体板は、空間的に直交する2つの給電点に3dBハイブリッド回路が接続されている。
しかし、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナとは異なり、下層導電体板は、3dBハイブリッド回路を介して、第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16に、それぞれ接続される。第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16は、それぞれ整合抵抗R1,R2,R3,・・・・・,R6と並列接続されている:
R0=R1=R2=R3=・・・・・=R6 ・・・・・(6)
第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16と整合抵抗R1,R2,R3,・・・・・,R6とからなる並列回路は、それぞれ直列接続される第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26を介して接地されている。
R0=R1=R2=R3=・・・・・=R6 ・・・・・(6)
第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16と整合抵抗R1,R2,R3,・・・・・,R6とからなる並列回路は、それぞれ直列接続される第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26を介して接地されている。
なお、本発明の第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナは図19に示すような、整合抵抗R1,R2,R3,・・・・・,R6よりも整合リアクタンスを用いた方が、性能が良くなる。50オーム系での整合リアクタンス(最適値)はj90オームである。
本発明の第3の実施の形態に係る無線通信装置は、図19に示すように、活性素子REと、この活性素子REに3dBハイブリッド回路を介して接続されたアンテナスイッチ(サーキュレータ)47と、アンテナスイッチ(サーキュレータ)47を介して接続される送信装置2と受信装置1を備える。更に、受信装置1には、目的関数生成装置3が接続され、目的関数生成装置3の出力は、アンテナ制御部4に接続されている。アンテナ制御部4の出力は、スイッチドライバ8に接続され、スイッチドライバ8の出力は、それぞれのパラサイト素子PE1〜PE6の第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16及び第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26に接続されている。
受信装置1では、活性素子REからの受信信号SRを復調すると共に、所望信号の既知の符号系列を規範信号SSとして発生する。受信装置1から出力した受信信号SRと規範信号SSは、目的関数生成装置3へ入力される。目的関数生成装置3は、目的関数(評価関数)Qを出力する。目的関数生成装置3の出力した目的関数(評価関数)Qは、アンテナ制御部4へ入力される。アンテナ制御部4は、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズム等によって、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように探索する。
アンテナ制御部4は、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムによって探索した結果を、第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16及び第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26の値を最適化するための制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6として生成する。アンテナ制御部4が、生成した個々の制御信号Sc1,Sc2,Sc3,・・・・・,Sc6は、スイッチドライバ8へ出力される。スイッチドライバ8は、第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16及び第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26をそれぞれ個別に切り換える。
これにより、パラサイト素子PE1〜PE6のそれぞれは、整合、開放、短絡のいずれかの状態が形成され、接続されたパラサイト素子PE1〜PE6に誘導される電流が調整される。アンテナ制御部4からの2ビットのディジタル制御信号によって駆動されるスイッチドライバ8は、ディジタル制御信号レベルにより電子スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16,S21,S22,S23,・・・・・,S26 の順電流に対する逆バイアスを作って電子スイッチをオン/オフ駆動するようにすれば良い。2ビットのディジタル制御信号の各ビットの1,0の値は、それぞれのビットが対応する電子スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16,S21,S22,S23,・・・・・,S26 のオン/オフを指示する。これにより、本発明の第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、アンテナ制御部4による第1切換スイッチS11,S12,S13,・・・・・,S16及び第2切換スイッチS21,S22,S23,・・・・・,S26をオン/オフ制御し、主ビームを所望波到来方向へ向け、ヌル点を干渉波到来方向へ向け、信号対干渉雑音比SINRを最大にする指向性制御を実行できる。
本発明の第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナによれば、第1及び第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナと同様に、所望の周波数帯域内で所望波の方向に主ビームを形成することが可能で、干渉波の方向に明確なヌルを形成できる。又、所望の周波数帯域内にわたり、良好な信号対干渉雑音比を得ることが可能である。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、第1〜第3の実施の形態においては、図1〜図4に示したような1対の円板状の導電体板(パッチアンテナ)からなる平行平板型アンテナを例示したが、平行平板型アンテナを構成する導電体板の形状は円形に限定されるものではない。即ち、図20に示すように楕円で平行平板型アンテナを構成し、1点給電するようにしても良い。1点給電により、3dBハイブリッド回路が省略でき、回路構成が簡単になるが、帯域が狭まり,結合の角度依存性が発生し、アンテナの性能は劣化する。更に、8角形の他6角形、4角形、12角形、24角形、36角形等種々の形状が採用可能である。
更に図21に示すように、円板の周辺部に対角状に凸部を設けた導電体板(パッチアンテナ)や図22に示すように、円板の周辺部に対角状に凹部を設けた導電体板(パッチアンテナ)で、平行平板型アンテナを構成し、1点給電により下層の導電体板に電気的に接続しても良い。図21及び図22に示す構造も、1点給電により、3dBハイブリッド回路が省略でき、回路構成が簡単になるが、帯域が狭まり,結合の角度依存性が発生し、アンテナの性能は劣化する。
又、第1〜第3の実施の形態においては、6セットのパラサイト素子PE1〜PE6を用いた7素子エスパアンテナ(アダプティブアンテナ)を例示したが、パラサイト素子の数は少なくとも1セットあれば、アダプティブアンテナの指向特性を電子的に制御することができる。又、7本以上の多数の素子を用いた構造でも構わない。又、数だけでなく、パラサイト素子PE1〜PE6の配置形状も図1に示したトポロジーに限定されず、活性素子REから所定の距離だけ離れていれば良い。即ち、各パラサイト素子PE1〜PE6間の間隔や、PE1〜PE6と活性素子REとの間隔dは一定でなくても良い。更に、例えば、半径0.4λと半径0.8λの同心円上に2重に配置するような、トポロジー等でも構わない。
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…受信装置
2…送信装置
3…目的関数生成装置
4…アンテナ制御部
5…可変リアクタドライバ
6…接地導体
7…同軸ケーブル
8…スイッチドライバ
11…初期設定手段
12…メッシュ作成手段
13…ポーリング手段
14…最適値/ポーリング結果比較手段
15…メッシュサイズ変更手段
16…収束判定手段
31…合成樹脂フイルム
41…RFフィルタ
42…IFフィルタ
43,44…ベースバンドフィルタ
47…アンテナスイッチ
48…ミキサ
49…局部発振器
50…増幅器
51,52…ミキサ
53,54…増幅器
55,56…A/D変換器
57…IQ発信器
58…共振器
60…発振器
61,62…ベースバンドフィルタ
65,66…D/A変換器
81,82…マイクロ波用パワートランジスタ
83…増幅器
84…加算器
85,86…ミキサ
87…移相器
88,89…増幅器
93…レシーバLSIチップ
94…MMIC
95…変調器LSIチップ
200,201,204…上層導電体板
210…上層基板
220,221,224…短絡導体
230,231,234…下層導電体板
240…下層基板
250…地板
260,261,271,264,274…給電導体
RE…活性素子(中心素子)
PE1〜PEK…パラサイト素子
F01,F02,F11,F12,F21,F22,F31,F32,F41,F42,F51,F52,F61,F62…給電点
R1,R2,R3,・・・・・,R6…整合抵抗
S11,S12,S13,・・・・・,S16…第1切換スイッチ
S21,S22,S23,・・・・・,S26…第2切換スイッチ
2…送信装置
3…目的関数生成装置
4…アンテナ制御部
5…可変リアクタドライバ
6…接地導体
7…同軸ケーブル
8…スイッチドライバ
11…初期設定手段
12…メッシュ作成手段
13…ポーリング手段
14…最適値/ポーリング結果比較手段
15…メッシュサイズ変更手段
16…収束判定手段
31…合成樹脂フイルム
41…RFフィルタ
42…IFフィルタ
43,44…ベースバンドフィルタ
47…アンテナスイッチ
48…ミキサ
49…局部発振器
50…増幅器
51,52…ミキサ
53,54…増幅器
55,56…A/D変換器
57…IQ発信器
58…共振器
60…発振器
61,62…ベースバンドフィルタ
65,66…D/A変換器
81,82…マイクロ波用パワートランジスタ
83…増幅器
84…加算器
85,86…ミキサ
87…移相器
88,89…増幅器
93…レシーバLSIチップ
94…MMIC
95…変調器LSIチップ
200,201,204…上層導電体板
210…上層基板
220,221,224…短絡導体
230,231,234…下層導電体板
240…下層基板
250…地板
260,261,271,264,274…給電導体
RE…活性素子(中心素子)
PE1〜PEK…パラサイト素子
F01,F02,F11,F12,F21,F22,F31,F32,F41,F42,F51,F52,F61,F62…給電点
R1,R2,R3,・・・・・,R6…整合抵抗
S11,S12,S13,・・・・・,S16…第1切換スイッチ
S21,S22,S23,・・・・・,S26…第2切換スイッチ
Claims (11)
- 無線信号を送受信するための平行平板型の活性素子と、
該活性素子から空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子と、
該のパラサイト素子の接地リアクタンス調整手段
とを備え、前記パラサイト素子の接地リアクタンスを制御することにより、前記活性素子と前記パラサイト素子からなるアレイアンテナの指向性を制御することを特徴とするアダプティブアンテナ。 - 前記活性素子及び前記パラサイト素子は、それぞれ上層導電体板と下層導電体板とで、前記平行平板型の構造をなし、
前記活性素子及び前記パラサイト素子のそれぞれの前記上層導電体板を上面に搭載した第1誘電体基板と、
前記活性素子及び前記パラサイト素子のそれぞれの前記下層導電体板を上面に搭載した第2誘電体基板と、
該第2誘電体基板の下面に設けられた導電性の地板
とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記活性素子の、前記上層導電体板と前記下層導電体板とを金属学的に接続する短絡導体と
前記パラサイト素子の、前記上層導電体板と前記下層導電体板とを金属学的に接続する短絡導体
とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記地板及び前記第2誘電体基板を貫通するスルーホールを介し、前記活性素子の前記下層導電体板に接続される給電導体と、
前記地板及び前記第2誘電体基板を貫通するスルーホールを介し、前記パラサイト素子の前記下層導電体板に接続される給電導体
とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記接地リアクタンス調整手段は、
前記パラサイト素子に接続された可変リアクタンスと
該可変リアクタンスのリアクタンスを制御する可変リアクタドライバ
とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記可変リアクタンスは可変容量ダイオードを含む回路からなり、前記可変容量ダイオードに印加する逆バイアス電圧を変化させることにより前記可変リアクタンスのリアクタンス値を制御することを特徴とする請求項5に記載のアダプティブアンテナ。
- 前記活性素子は、受信装置に接続され、
前記受信装置が生成した規範信号と前記受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置と、
該目的関数生成装置が出力する目的関数を用いて、前記目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部
とを更に備え、前記可変リアクタドライバは、前記アンテナ制御部が出力する制御信号に駆動されて、リアクタンス値を制御することを特徴とする請求項5に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記接地リアクタンス調整手段は、
前記パラサイト素子に接続された整合負荷と
該整合負荷に並列接続された第1切換スイッチと、
前記整合負荷と前記第1切換スイッチからなる並列回路に直列接続される第2切換スイッチと、
前記第1切換スイッチ及び前記第2切換スイッチを駆動するスイッチドライバ
とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記活性素子は、受信装置に接続され、
前記受信装置が生成した規範信号と前記受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置と、
該目的関数生成装置が出力する目的関数を用いて、前記目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部
とを更に備え、前記スイッチドライバは、前記アンテナ制御部が出力する制御信号に駆動されて、前記第1切換スイッチ及び前記第2切換スイッチを駆動することを特徴とする請求項8に記載のアダプティブアンテナ。 - 前記パラサイト素子を複数個備え、該複数個のパラサイト素子は、前記活性素子を囲む位置に配置されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のアダプティブアンテナ。
- 無線信号を送受信するための平行平板型の活性素子、該活性素子から空間的に分離した平行平板型のパラサイト素子、該パラサイト素子の接地リアクタンス調整手段とを備えるアレイアンテナと、
前記活性素子から前記受信信号を入力し、規範信号を生成する受信装置と、
前記規範信号と前記受信信号から目的関数を生成する目的関数生成装置と、
該目的関数生成装置が出力する目的関数を用いて、前記目的関数が最適値になる条件を探索するアンテナ制御部、
とを備え、該アンテナ制御部からの信号で、前記接地リアクタンス調整手段が駆動され、前記パラサイト素子の接地リアクタンスが制御され、前記アレイアンテナの指向性を制御することを特徴とする無線通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005098744A JP2006279785A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | アダプティブアンテナ及び無線通信装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005098744A JP2006279785A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | アダプティブアンテナ及び無線通信装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=37214011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005098744A Pending JP2006279785A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | アダプティブアンテナ及び無線通信装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008211668A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | National Univ Corp Shizuoka Univ | 適応指向性受信装置、自動車及び携帯情報機器 |
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JPWO2014045966A1 (ja) * | 2012-09-21 | 2016-08-18 | 株式会社村田製作所 | 偏波共用アンテナ |
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-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005098744A patent/JP2006279785A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7352731B2 (ja) | 2019-11-14 | 2023-09-28 | エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド | 一地点対多地点通信のためのクライアント類別 |
US11791869B2 (en) | 2019-11-14 | 2023-10-17 | KYOCERA AVX Components (San Diego), Inc. | Client grouping for point to multipoint communications |
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