JP2006273846A - 新規なフェノール化合物および該化合物を用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なフェノール化合物に関し、さらに詳しくは、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が開示されている(特許文献1、2参照)。また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5、6、7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが開示されている。
さらに本発明者らは、先に特許文献11において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使用することが提案されている(例えば、特許文献12、13参照)。
すなわち、特許文献12には特定の尿素基をもったフェノール化合物を用いることが提案されており、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシル尿素およびN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ドコシル尿素が提案されている。N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシル尿素を用いた記録媒体では、画像濃度は高いものの保存性が悪く、40℃程度の環境で画像濃度が低下してしまったり、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ドコシル尿素は原料であるドコシルイソシアネートの価格が高いため、実用的でないなどの問題を有していた。また、特許文献12に記載のその他の材料を用いた記録媒体では、消色速度が遅く書き替えに時間がかかる、消色が不充分、あるいは発色画像の熱安定性が低いなどの問題を有していた。
つまり、このような材料を用いた記録媒体では、消色速度が遅く書き替えに時間がかかる、消色が不充分、あるいは発色画像の熱安定性が低いなどの問題を有していた。また、特に低温低湿環境での高速な書き替えの際には、消去性が低下して消し残りが発生するなどの問題もあった。
そこで、さらに本発明者らは特許文献13、14に記載のフェノール化合物を用いることで、発色と消色のコントラストが高く、高速消去が可能であり、画像部の発色安定性に優れる記録媒体を提案した。このフェノール性化合物を用いた記録媒体は、ホットスタンプやヒートローラ、セラミックヒータなどの加熱部材による消去が可能であり実用性に優れるものであった。
そこで、さらに本発明者らは特許文献13、14に記載のフェノール化合物を用いることで、発色と消色のコントラストが高く、高速消去が可能であり、画像部の発色安定性に優れる記録媒体を提案した。このフェノール性化合物を用いた記録媒体は、ホットスタンプやヒートローラ、セラミックヒータなどの加熱部材による消去が可能であり実用性に優れるものであった。
しかしながら特許文献14に例示されている化合物は高融点なものが多く、発色および消色の際に高温に加熱する必要があり、高エネルギーの印加が必要であった。
高エネルギーの印加をするために、記録時に長時間のパルスの印加が必要であるため書き込み速度が遅い、また、高温になるため記録媒体へのダメージが大きく打痕が発生しやすい、さらには記録装置の電源が大きくなってしまい書き変え装置が大きくなってしまうなどの問題があった。
一方、前記のように、特許文献12に記載のフェノール化合物には比較的低融点のものも提案されているが、これらの化合物を用いた記録媒体は発色感度は良好なものの画像の保存性が悪く、実用性の低いものであった。とくに、特許文献12には、長鎖アルキル基に置換された尿素基をもったフェノール化合物が検討されており、炭素数18の化合物場合には発色濃度、消色性が優れるものの、画像保存性に大きな問題があり、炭素数22の化合物の場合には発色濃度、消色性、画像保存性といった記録媒体特性は良好になるが、原料であるドコシルイソシアネートが高価であるため、実用性に欠けるという問題があった。
高エネルギーの印加をするために、記録時に長時間のパルスの印加が必要であるため書き込み速度が遅い、また、高温になるため記録媒体へのダメージが大きく打痕が発生しやすい、さらには記録装置の電源が大きくなってしまい書き変え装置が大きくなってしまうなどの問題があった。
一方、前記のように、特許文献12に記載のフェノール化合物には比較的低融点のものも提案されているが、これらの化合物を用いた記録媒体は発色感度は良好なものの画像の保存性が悪く、実用性の低いものであった。とくに、特許文献12には、長鎖アルキル基に置換された尿素基をもったフェノール化合物が検討されており、炭素数18の化合物場合には発色濃度、消色性が優れるものの、画像保存性に大きな問題があり、炭素数22の化合物の場合には発色濃度、消色性、画像保存性といった記録媒体特性は良好になるが、原料であるドコシルイソシアネートが高価であるため、実用性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、可逆性感熱記録媒体の顕色剤として用いられたとき、高い発色感度を有し、安定な発色性と消去性を保持し、優れた保存性を有する新規なフェノール化合物を提供することにあり、また、これを用い高速な書き替え特性に優れた記録媒体を提供することにあり、さらに、感度で消去性に優れ、かつ保存性良好で優れた可逆性感熱記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、このような発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象では、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種々の構造の化合物を設計、合成、検討した。その結果、特定の構造をもつフェノール化合物を顕色剤として用いることにより上記の課題が解決できることを見出した。また、比較的融点が低く発色が高感度であると共に良好な消去性を有する顕色剤を用い、記録媒体構成の高耐久化が重要であると考え種々の検討を行った結果、顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を用い、さらに記記録層中に架橋状態にある樹脂を用いることで上記の課題が解決できることを見出した。熱の効率的な利用と記録層を均一に加熱することが重要であると考え種々の検討を行なった結果、顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を用い、さらに前記支持体と前記記録層との間に中空粒子を含むアンダー層を設けることにより上記の課題が解決できることを見出した。さらにまた、発色濃度と消去の高速化に対しては、顕色剤分子間の相互作用の強さと、染料との相互作用による発色状態の強さのバランスが重要であることが判り、種々の化合物の検討を行った結果、染料として、2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランを用いると共に、顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を用いることによって上記の課題が解決できることを見出した。
而して、上記目的は、以下の本発明によって達成される。
(1)下記式(1)で表わされる新規なフェノール化合物であるN−ヘンエイコシル−N’−(4−ヒドロキシフェニル)尿素。
(1)下記式(1)で表わされる新規なフェノール化合物であるN−ヘンエイコシル−N’−(4−ヒドロキシフェニル)尿素。
(3)前記記録層が、架橋状態にある樹脂(A)を含有するものであることを特徴とする前記第(2)項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(4)前記記録層中に含有される樹脂(A)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする請求項3に記載の可逆性感熱記録媒体。
(5)前記記録層中に含有される樹脂(A)が、アクリルポリオール樹脂であることを特徴とする前記第(3)項又は第(4)項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(6)前記記録層中に含有される樹脂(A)が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする前記第(3)項乃至第(5)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(7)前記支持体と前記記録層との間に中空粒子を含むアンダー層を設けることを特徴とする前記第(2)項乃至第(6)項のいずれかに記載可逆性感熱記録媒体。
(8)前記中空粒子の数平均粒径は、0.2μm以上50μm以下であることを特徴とする前記第(7)項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(9)前記中空粒子の体積中空率は、70%以上95%以下であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(10)前記中空粒子が炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンからなる群から選択される物質によって被覆されているものであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(11)前記中空粒子の隔壁の厚さは、0.05μm以上3μm以下であることを特徴とする前記第(7)項乃至第(10)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(12)前記電子供与性呈色性化合物として2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランを用いることを特徴とする前記第(2)項乃至第(11)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(13)前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が架橋状態にある樹脂(B)を少なくとも含有すものであることを特徴とする前記第(2)項乃至第(12)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(14)前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が、紫外線吸収性ポリマー(C)を含有するものであることを特徴とする前記第(2)項乃至第(13)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(15)前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする前記第(2)項乃至第(14)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(16)情報記憶部を設けたことを特徴とする前記第(2)項乃至第(15)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(17)表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項2乃至16のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
(18)前記第(2)項乃至第(17)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
(19)サーマルヘッドを用いて前記可逆性感熱記録媒体に画像を形成することを特徴とする前記第(18)項に記載の画像処理方法。
(20)サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて前記可逆性感熱記録媒体に形成された可逆画像を消去することを特徴とする前記第(18)項に記載の画像処理方法。
(21)前記第(18)項乃至第(20)項のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置。
本発明のフェノール化合物は新規かつ有用な化合物である。さらに、以下の詳細かつ具体的な説から明らかなように、本発明の該化合物を顕色剤として用いた可逆性感熱記録媒体は発色感度、発色濃度が良好であって、かつ画像保存性に優れた実用性の高い書き替え記録を得ることができ、実用性の高い書き換え型記録媒体が得られ、また、発色濃度が良好であって、かつ繰り返し耐久性に優れた実用性の高い書き替え記録をすることができ、さらに、高感度の記録が可能であって、広い環境範囲での高速消去性にも優れ、高速での書き替え特性に優れたものであり、高速での書き替え特性に優れたものであるという極めて優れた効果を発揮する。
本発明は、下記式(1)で表わされる新規なフェノール化合物に係り、また、これを用い優れた可逆性感熱記録媒体に係わるものである。本発明の可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
この新規な化合物であるN−ヘンエイコシル−N’−(4−ヒドロキシフェニル)尿素(1)は、アジ化化合物からの転移反応を用いて脂肪酸であるベヘン酸とp−アミノフェノールとのカップリング反応から合成することができる。ヒドロキシル基とアミノ基を共に有している場合、ウレタン結合生成反応と縮合反応が競争的になるが、p−アミノフェノールの場合、ベンゼン環の共鳴構造によってヒドロキシル基の電子供与性が減少するため縮合反応が優勢に進行し、高選択的に本発明のフェノール化合物を得ることができる。なお、本発明のフェノール化合物は、この合成法に何ら限定されるものではない。
本発明のフェノール化合物である顕色剤を用いる可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1でロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1でロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明の顕色剤を用いた記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明の化合物では、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
顕色剤は発色性と消色性を与える重要な基本骨格として、発色部位であるフェノール基と、構造を支配している水素結合性会合基及び長鎖脂肪族炭化水素基から成り立っている。これまで、発色部位であるフェノール基と構造に支配的な水素結合性会合基とのバランスに注力が注がれていた。その理由は発色状態の安定性は、顕色剤と発色剤の凝集構造が安定であるほど、より安定となると考えられてきたためである。そのために顕色剤分子構造中に水素結合性の会合基を1種乃至2種類以上導入することがこれまで検討されてきた。しかしながら、顕色剤分子の水素結合が強くなることや、水素結合の数が増えることで顕色剤が高融点なものとなり、発色開始温度が高くなり記録媒体の感度特性が低下してしまう問題が生じた。そのため本発明者らはもう一つの構造を支配していると考えられてきた長鎖脂肪族炭化水素基について着目し、とくに発色性と消色性に優れた、長鎖アルキル置換尿素基をもったフェノール化合物についてアルキル鎖長の検討を実施した。
その結果、アルキル鎖長を伸長化することによって、発色濃度、発色感度、画像保存性、消色性に極めて優れることが明らかとなった。アルキル鎖長が炭素数14程度の場合には発色濃度、消色性共に低いものであり、さらに発色画像の保存安定性も極めて低いものであった。これは発色状態の顕色剤と染料の作る凝集構造の安定性が低く、充分な発色状態を形成できなく、さらに消去の際には顕色剤分子間の凝集力が低いため結晶化が充分でないためと考えられる。
また、アルキル鎖長が炭素数18の場合には発色濃度および消色性は良好なものとなったが、画像の保存安定性に問題があり、50℃の環境で画像の退色が大きく実用に耐えうるものではなかった。さらに検討を進めた結果、炭素数21にすることで、発色性、消色性はさらに良好となり、加えて、画像保存性が高くなることが明らかとなった。
50℃の画像保存性は通常のオフィス用途やタグ、カード分野でも信頼性の指標として重要なものであり、この50℃での画像保存性をクリアできることは、実用化の際に大きな意味を持つものである。
一方で、実用化のためには材料が比較的安価に製造できる必要がある。従来、これらの長鎖アルキル置換尿素基をもったフェノール化合物は、長鎖アルキルイソシアネートとアミノフェノールの反応によって合成されてきた。しかしながら、この方法では安価に入手できる長鎖アルキルイソシアネートとしては炭素数18のみであり、記録媒体特性に優れる炭素数21以上のものとしては炭素数22があるが、原料として高価であり商品に使用できないものであった。また、従来公知の方法で鎖長の異なる長鎖アルキルイソシアネートを入手する方法としては、長鎖アルキルアミンをホスゲン用いてイソシアネート化することで合成の可能性はあるが、これらの場合にも原料の長鎖アルキルアミンが高価であることと、ホスゲンを用いるために特殊な合成設備が必要となり、非常に高価な材料となってしまい実用化は極めて困難である。
そこで、本発明者らは合成方法を種々検討した結果、アジ化化合物からの転移反応を用いて長鎖脂肪酸とアミノフェノールから目的とする長鎖アルキル置換尿素基をもったフェノール化合物を合成できることを見出した。そしてこの方法を用い、安価に入手有可能なベヘン酸と4−アミノフェノールとの反応によって、簡便に炭素数21のN−ヘンエイコシル−N’−(4−ヒドロキシフェニル)尿素の合成が可能となった。この顕色剤を用いることで、低融点であるにもかかわらず、発色状態の安定性が増加し発色状態の保存性が劇的に向上した。これらの検討によって、原料および製造コストが実用的で、さらには高感度で且つ耐熱保存性を有する可逆性感熱記録媒体の作製が可能となった。
すなわち、本発明においては、顕色剤の分子構造中に尿素基を導入し、脂肪族炭化水素数21の脂肪族炭化水素基を有する骨格であることで顕色剤の高融点化を伴わずに発色の安定性良好となり、発色感度と画像部の保存安定性の両立が可能となった
ここで、本発明において顕色剤として用いられるフェノール化合物は下記式(1)で示されるものである。
本発明とともに用いる発色剤は電子供与性を示すものであり、単独又は混合して用いることができる。発色剤はそれ自体無色または淡色の染料前駆体であり、とくに限定されず、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。これら化合物の例としては、特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−230680号公報などに記載のロイコ染料である。
本発明と共に用いるロイコ染料の更に具体例としては、以下のものが挙げられるが、何等これに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオラン
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド等が挙げられる。
本発明と共に用いるロイコ染料の更に具体例としては、以下のものが挙げられるが、何等これに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオラン
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド等が挙げられる。
これらうち、2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランは、特に好ましく用いることができ、顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を樹脂と共に、有機溶剤または水を用いて溶解あるいは分散した後、支持体上に塗布乾燥することなどによって本発明の可逆性感熱記録媒体を作製することができる。
本発明の化合物である前記フェノール系化合物を含む顕色剤と発色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し本発明の化合物が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体において、ロイコ染料、顕色剤とともに可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで、バインダー樹脂を架橋させて架橋状態にある樹脂(A)としてもよい。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体で用いられる架橋状態にある樹脂(A)としては、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に、好ましくは、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が含有される(当初用いられる)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが用いられるが、本発明の化合物を用いる場合、発色の安定性が良好で、消色性が良好であることから、アクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。水酸基価としては70(KOHmg/g)以上であり、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。本発明者らは、水酸基価が70(KOHmg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することを見い出した。水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が用いられた可逆性感熱記録媒体であるか否かは、残存水酸基の量やエーテル結合の量を分析すること等により確認することができる。
本発明に用いられる硬化剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系硬化剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トルエンジイソシアネートTDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。
また、アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、好ましくは、支持体上に中空粒子を含有するアンダー層を設け、さらにアンダー層上に、顕色剤として顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を含有した可逆性感熱記録層を設け、さらに必要に応じて感熱記録層上に保護層等を形成することで構成される。
顕色剤として比較的低融点な顕色剤であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を用いることにより、高感度な発色が可能となり、さらに中空粒子を含有したアンダー層を用いることで、支持体などへの熱の拡散が防止でき、サーマルヘッドからの熱を高効率に使用することができる。アンダー層の断熱効果によって加熱時の記録層内の温度分布が小さく、均一な加熱が可能となり、とくに消色時の記録層内の部分的な発色や消去残りが無く、広い温湿度環境で極めて良好な書き替えが可能となる。
顕色剤として比較的低融点な顕色剤であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素を用いることにより、高感度な発色が可能となり、さらに中空粒子を含有したアンダー層を用いることで、支持体などへの熱の拡散が防止でき、サーマルヘッドからの熱を高効率に使用することができる。アンダー層の断熱効果によって加熱時の記録層内の温度分布が小さく、均一な加熱が可能となり、とくに消色時の記録層内の部分的な発色や消去残りが無く、広い温湿度環境で極めて良好な書き替えが可能となる。
ここで、本発明の可逆性感熱記録媒体のアンダー層に中空粒子を含有させる場合について説明する。
アンダー層に含有させる中空粒子は、ブタン、ペンタン等の低沸点の液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂又は共重合体でマイクロカプセル化したもの等である。あらかじめ発泡させた中空粒子と未発泡状態の中空粒子があるが、未発泡状態で添加し記録媒体作製時又は印字時の熱により発泡させると均一な発泡が難しく画質が劣るため、あらかじめ発泡した中空粒子を添加した方が良好な画質が得られる。
アンダー層に含有させる中空粒子は、ブタン、ペンタン等の低沸点の液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂又は共重合体でマイクロカプセル化したもの等である。あらかじめ発泡させた中空粒子と未発泡状態の中空粒子があるが、未発泡状態で添加し記録媒体作製時又は印字時の熱により発泡させると均一な発泡が難しく画質が劣るため、あらかじめ発泡した中空粒子を添加した方が良好な画質が得られる。
中空粒子の粒径は0.2〜50μmが好ましく、0.2μm未満であると充分なクッション性と断熱性が得られにくい。また50μmを超えると塗膜の平滑性が下がり均一なクッション性が損なわれ、画像抜けや消去の不均一化等が発生しやすくなる。
また、中空粒子の体積中空率は50%以上が好ましく、これより低い体積中空率では充分なクッション性と断熱性が得られにくい。また、中空率が70%〜95%のものが特に好ましい。
また、中空粒子は比重が小さく作業上扱いにくいので、無機顔料で被覆された比重の高い中空粒子を用いてもよい。中空粒子を被覆する無機顔料としては炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンであり、これらを熱融着等で中空粒子に被覆させたものを使用することができる。
さらに、また中空粒子の隔壁の厚さは0.05〜3μmであることが好ましい。かかる厚さが0.05μmより薄い場合は、粒子の強度が低く、印字/消去を繰り返した際に中空粒子が破壊されてしまい、クッション性や断熱性が低下する。一方3μmより厚い場合は、粒子が堅くなるためクッション性が低下したり、断熱性が低くなり、好ましくない。
さらに、本発明によれば、上記の顕色剤、ロイコ染料とともに、直鎖の炭化水素基やアミド基や尿素基などの水素結合基などをもった発色消色制御剤を記録層中に含有させることにより、発色画像の保存安定性が良好であるとともに、消色時の消色性も向上して良好な消去性を得ることができる。
また、可逆性感熱記録層上に架橋状態にある樹脂(B)を含有する保護層を設けることができる。該保護層に用いられる樹脂としては、前述の記録層と同様の熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂が用いられる。
該保護層中に用いる樹脂(B)として、特に好ましくは、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマー(C)が用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
また、官能基を含む単量体としては、例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでもヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。
更に塗膜強度アップや耐熱性向上のために、紫外線吸収性基を含む単量体と官能基を含む単量体の共重合体に下記に示す単量体を共重合させてもよい。例えば、スチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソブチレン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル、メタクリロニトリル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのモノマー群;アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの官能基を含まない(メタ)アクリル酸エステル群;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど1分子中に2個以上の重合性2重結合を有するモノマー群などから挙げられ、特に限定されるものではないが、なかでもスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。また、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
以上より、本発明の化合物を用いた可逆性感熱記録媒体中の紫外線吸収構造を有するポリマー(C)の具体的な好ましい例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンからなる共重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールとメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルとメタクリル酸メチルからなる共重合体などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
さらに、該保護層中に紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することができる。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体で用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体で用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用することにより効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、紫外吸収能の効果が一層顕著に発揮される。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用することにより効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、紫外吸収能の効果が一層顕著に発揮される。
無機顔料(A)の具体例としては硫化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化ガリウム等が挙げられる。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
さらに、本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体の保護層中にこの種の記録媒体に使用される無機/有機のフィラー、滑剤などを用いても良い。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体の支持体としては、紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、感熱記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものが単独あるいは貼り合わす等して用いることができる。すなわち、好ましくは60〜150μmで、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、上述した可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の感熱層を形成する面と反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたものである。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、該可逆性感熱記録媒体を構成する少なくとも感熱層を可逆表示部として機能し、それと情報記憶機能のある部材(情報記憶部)と合わせて作製される情報表示記憶部材として用いることができる。
次に、該情報表示記憶部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
この情報記憶機能のある部材としては、特に限定されないが、一般的なカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットを用いることができる。
次に、該情報表示記憶部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
この情報記憶機能のある部材としては、特に限定されないが、一般的なカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットを用いることができる。
これらの例としては、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等を挙げることができる。
図3〜5には、その1例が示される。図3は、本発明の可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す図であり、図4は、本発明の可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す図であり、図5は、本発明のビデオテープカセットの表示ラベルとして用いた例を示す図である。
この可逆表示機能と情報記憶機能の双方を有する情報表示記憶部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
情報記憶部は、必要な情報を記憶できるものでありさえすれば特に限定されないが、例えば、磁気記録、接触型IC、非接触型ICあるいは光メモリが有用である。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
また、前記(3)の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
また、この可逆性感熱記録ラベルは、フレキシブルディスク、MDやDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの代わりとして用いることができる。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、CD−Rなどの追記型ディスク上に可逆性感熱記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
本発明は、さらに、上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを用い、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法を提供する。
画像の形成は、サーマルヘッド、レーザ等、該媒体を画像上に部分的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風等やサーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用いられる。
この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。図6にはこのようなタイプの本発明の画像処理装置の1例の要部概要が示される。
この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。図6にはこのようなタイプの本発明の画像処理装置の1例の要部概要が示される。
セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
本発明を下記実施例によって具体的に説明する。
実施例1(発明のフェノール化合物の合成)
反応容器にトルエン250mLとベヘン酸11.3gを加え、さらに塩化チオニルを7.9g加え、さらに数滴のDMFを加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム3.2gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.3gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻しエタノールと20%塩酸を加え、析出物をろ別し、エタノールで洗浄した。乾燥後、ろ取したものにTHF500mLを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量12.6g、収率は85%であった。示差走査熱量分析の結果から融点は146℃であった。赤外吸収スペクトルを図2に示す。元素分析、赤外吸収スペクトルから目的物であることがわかった。
実施例1(発明のフェノール化合物の合成)
反応容器にトルエン250mLとベヘン酸11.3gを加え、さらに塩化チオニルを7.9g加え、さらに数滴のDMFを加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム3.2gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.3gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻しエタノールと20%塩酸を加え、析出物をろ別し、エタノールで洗浄した。乾燥後、ろ取したものにTHF500mLを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量12.6g、収率は85%であった。示差走査熱量分析の結果から融点は146℃であった。赤外吸収スペクトルを図2に示す。元素分析、赤外吸収スペクトルから目的物であることがわかった。
実施例2(可逆性感熱記録媒体の作成例)
[感熱記録層の作成]
本発明のフェノール化合物 4部
[感熱記録層の作成]
本発明のフェノール化合物 4部
(三菱レイヨン社製LR503、水酸基価:64、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ188μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作成]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け可逆性感熱記録媒体を作製した。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例1
実施例2で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物を用いた他は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例2で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物を用いた他は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表1に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。結果を表1に示す。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表1に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。結果を表1に示す。
試験2:消色特性
次に、電圧18Vの条件で画像の印字を行って長さ約15cm印字画像を得た。印字部の発色濃度及び印字されていない地肌部の地肌濃度を測定した。その印字部に対して、7.0V〜15.0Vまで0.5V刻みで電圧を変えながら再び印字し、それによって最も消色した部位を消去濃度とし、消去率を下記式により算出した。以上の測定を温度23℃湿度50%の環境で行なった結果を表2に示す。
消去率(%)=(1−(消去濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
次に、電圧18Vの条件で画像の印字を行って長さ約15cm印字画像を得た。印字部の発色濃度及び印字されていない地肌部の地肌濃度を測定した。その印字部に対して、7.0V〜15.0Vまで0.5V刻みで電圧を変えながら再び印字し、それによって最も消色した部位を消去濃度とし、消去率を下記式により算出した。以上の測定を温度23℃湿度50%の環境で行なった結果を表2に示す。
消去率(%)=(1−(消去濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
試験3:画像保存性
試験2で得た印字画像を50℃乾燥条件で24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出した。結果を表3に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
試験2で得た印字画像を50℃乾燥条件で24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出した。結果を表3に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
実施例3
[感熱記録層の作成]
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂 9部
(三菱レイヨン社製LR503、水酸基価:64、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ100μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[感熱記録層の作成]
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂 9部
(三菱レイヨン社製LR503、水酸基価:64、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ100μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作成]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂 9部
(三菱レイヨン社製LR257、水酸基価:107、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)4部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂 9部
(三菱レイヨン社製LR257、水酸基価:107、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)4部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
実施例5
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
水酸基含有ポリエステル樹脂 30部
(大日本インキ社製M8010、水酸基価:24、
15%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 50部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)1部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
水酸基含有ポリエステル樹脂 30部
(大日本インキ社製M8010、水酸基価:24、
15%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 50部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)1部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
実施例6(実施例3〜5との比較用)
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
塩ビ/酢ビ樹脂 30部
(ユニオンカーバイド社製VYHH、水酸基価:0、
15%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 50部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
塩ビ/酢ビ樹脂 30部
(ユニオンカーバイド社製VYHH、水酸基価:0、
15%メチルエチルケトン溶液)
メチルエチルケトン 50部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
比較例2(実施例3〜5との比較用)
実施例6で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素の代わりに、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ステアリル尿素を用いた他は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例6で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素の代わりに、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ステアリル尿素を用いた他は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例3(実施例3〜5との比較用)
実施例6で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素の代わりに、N−(3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ)−N’−ステアロイルヒドラジドを用いた他は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例6で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素の代わりに、N−(3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ)−N’−ステアロイルヒドラジドを用いた他は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表4に記載の電圧で印字を行ない、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表4に示す。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表4に記載の電圧で印字を行ない、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表4に示す。
つぎに、電圧18Vの条件で画像の印字を行ない、130℃に加熱したヒートローラで30mm/秒の条件で消去した。
この印字と消去を30回繰り返した後、画像部の状態を目視評価したところ、実施例3から5は印字跡の発生が無く、良好な状態で印字できていたのに対し、実施例6は記録媒体の表面凹凸のためか、印加電圧が低いときから印加電圧を上げても画像濃度にさほど変化がなく、比較例2、3はいずれも記録媒体の表面に凹凸が発生し、均一な印字ができない状態となっていた。
この印字と消去を30回繰り返した後、画像部の状態を目視評価したところ、実施例3から5は印字跡の発生が無く、良好な状態で印字できていたのに対し、実施例6は記録媒体の表面凹凸のためか、印加電圧が低いときから印加電圧を上げても画像濃度にさほど変化がなく、比較例2、3はいずれも記録媒体の表面に凹凸が発生し、均一な印字ができない状態となっていた。
実施例7
[アンダー層の作製]
中空粒子 10部
粒子径:5〜15μm
壁材主成分:架橋アクリル
ポリビニルアルコールの10%水溶液 150部
クラレ社製PVA618
水 20部
上記組成からなる混合物を撹拌分散して得られた塗布液を、100μmの白PET上に厚さ約15μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布乾燥した。
[アンダー層の作製]
中空粒子 10部
粒子径:5〜15μm
壁材主成分:架橋アクリル
ポリビニルアルコールの10%水溶液 150部
クラレ社製PVA618
水 20部
上記組成からなる混合物を撹拌分散して得られた塗布液を、100μmの白PET上に厚さ約15μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布乾燥した。
[感熱記録層の作製]
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、上記のアンダー層上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、上記のアンダー層上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作製]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例8
実施例7のアンダー層の代わりに下記に例示する組成物のアンダー層を用いた以外は実施例7と同様に可逆的感熱記録媒体を得た。
[アンダー層液の作製]
中空粒子 10部
平均粒子径:4μm
中空率:90%
壁材主成分:アクリロニトリル、メタクリロニトリル
ポリビニルアルコールの10%水溶液 150部
クラレ社製PVA618
水 20部
実施例7のアンダー層の代わりに下記に例示する組成物のアンダー層を用いた以外は実施例7と同様に可逆的感熱記録媒体を得た。
[アンダー層液の作製]
中空粒子 10部
平均粒子径:4μm
中空率:90%
壁材主成分:アクリロニトリル、メタクリロニトリル
ポリビニルアルコールの10%水溶液 150部
クラレ社製PVA618
水 20部
実施例9(実施例7,8との比較用)
実施例7で作製したアンダー層を作製しなかった以外は実施例7と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例7で作製したアンダー層を作製しなかった以外は実施例7と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表5に記載の電圧で印字を行い、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表5に示す。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表5に記載の電圧で印字を行い、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表5に示す。
つぎに、電圧18Vの条件で画像の印字を行って長さ約15cmの印字画像を得た。印字部の発色濃度および非印字部の地肌濃度を同様に測定した。発色画像上に7.0V〜15.0Vまで0.5V刻みで電圧を変えて消去を行い、最も消えた部分を消色濃度として同様に濃度測定し、下記式より消去率を算出した。以上の測定を23℃50%RHと−5℃30%RHの環境で行なった。
結果を表6に示す。
消去率(%)=(1−(消色濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
結果を表6に示す。
消去率(%)=(1−(消色濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
実施例10
[感熱記録層の作成]
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ100μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[感熱記録層の作成]
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素 4部
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ100μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作成]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例11(実施例10との比較用)
実施例10で用いた2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランの代わりに2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリル)アミノフルオランを用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例10で用いた2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランの代わりに2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリル)アミノフルオランを用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例4(実施例10との比較用)
実施例10で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素のかわりにN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ステアリル尿素を用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例10で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素のかわりにN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ステアリル尿素を用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例5(実施例10との比較用)
実施例10で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素のかわりにN−(3−(p−ヒドロキシフェニルプロピオノ)−N’−ステアロイルヒドラジドを用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例10で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヘンエイコシル尿素のかわりにN−(3−(p−ヒドロキシフェニルプロピオノ)−N’−ステアロイルヒドラジドを用いた他は実施例10と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表7に記載の電圧で印字を行い、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表7に示す。
ビーコム社製印字シミュレーターを用い、パルス幅2.0msecの条件で表7に記載の電圧で印字を行い、印字部の発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。
結果を表7に示す。
つぎに、電圧18Vの条件で画像の印字を行って長さ約15cmの印字画像を得た。印字部の発色濃度および非印字部の地肌濃度を同様に測定した。発色画像上に7.0V〜15.0Vまで0.5V刻みで電圧を変えて消去を行い、最も消えた部分を消色濃度として同様に濃度測定し、下記式より消去率を算出した。以上の測定を23℃50%RHと5℃30%RHの環境結果を表8に示す。
消去率(%)=(1−(消色濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
消去率(%)=(1−(消色濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
Claims (21)
- 支持体上に、電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該電子受容性化合物が、N−ヘンエイコシル−N’−(4−ヒドロキシフェニル)尿素を少なくとも含むものであることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 前記記録層が、架橋状態にある樹脂(A)を含有するものであることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記記録層中に含有される樹脂(A)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする請求項3に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記記録層中に含有される樹脂(A)が、アクリルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項3又は4に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記記録層中に含有される樹脂(A)が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記支持体と前記記録層との間に中空粒子を含むアンダー層を設けることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載可逆性感熱記録媒体。
- 前記中空粒子の数平均粒径は、0.2μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記中空粒子の体積中空率は、70%以上95%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記中空粒子が炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンからなる群から選択される物質によって被覆されているものであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記中空粒子の隔壁の厚さは、0.05μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記電子供与性呈色性化合物として2−アニリノ−3−メチル−6−N,N,−ジ−n−ペンチルアミノフルオランを用いることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が架橋状態にある樹脂(B)を少なくとも含有すものであることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が、紫外線吸収性ポリマー(C)を含有するものであることを特徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に保護層を有し、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 情報記憶部を設けたことを特徴とする請求項2乃至15のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項2乃至16のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 請求項2乃至17のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
- サーマルヘッドを用いて前記可逆性感熱記録媒体に画像を形成することを特徴とする請求項18に記載の画像処理方法。
- サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて前記可逆性感熱記録媒体に形成された可逆画像を消去することを特徴とする請求項18に記載の画像処理方法。
- 請求項18乃至20のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006054312A JP2006273846A (ja) | 2005-03-03 | 2006-03-01 | 新規なフェノール化合物および該化合物を用いた可逆性感熱記録媒体 |
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---|---|---|---|
JP2005059675 | 2005-03-03 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 2006-03-01 JP JP2006054312A patent/JP2006273846A/ja active Pending
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JP7127684B2 (ja) | 2018-06-29 | 2022-08-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 感熱記録体 |
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