JP2006263588A - 水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高額な測定器等を用いることなく、適切に電解反応を制御しつつ、消費電力量を低減することを可能とする水処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明の水処理装置1は、被処理水中の窒素化合物又はリン化合物を処理するものであって、被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極22、23(電子対8)と、被処理水の酸化還元電位を検出するORPセンサ13と、電極への通電を制御する制御装置20とを備え、制御装置20は、ORPセンサ13が検出する被処理水の酸化還元電位の変化の度合いに基づき、電極22、23への通電を制御する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、富栄養化物質として特に、窒素化合物やリン化合物を含有する被処理水の処理を行う水処理装置に関するものである。
従来より、川や湖の富栄養化の原因の1つに窒素化合物の存在があることは周知である。また、この窒素化合物は、一般家庭の生活排水中や工場排水中に多く存在するが、浄化処理が困難なものであり、有効な対策がとれないのが現状である。一般には、生物的処理が行われているが、先ずアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱窒工程の2つの工程により行われるため、2つの反応槽が必要となると共に、処理時間が遅いため、処理効率が低くなる問題があった。
また、上述した如き生物的処理では、硝化細菌及び脱窒素細菌を保有するために大容量の嫌気槽が必要となり、設備建設コストの高騰、装置設置面積の拡大を招く問題があった。更に、該硝化細菌及び脱窒素細菌は、周囲の温度環境、その他、被処理水中に含まれる成分などに著しく影響される。特に、温度が低くなる冬場では、これら細菌の活動が低下することで、脱窒素作用が低下し、処理効率が不安定となる問題もあった。
そこで、上記技術的課題を解決するために、従来の被処理水の電気分解法では、アノードに例えば、白金を用い、被処理水に電流を流して、アンモニア、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素を窒素ガスにまで処理していた(例えば、特許文献1参照)。
このとき、実際に水処理装置において被処理水の窒素化合物を除去する場合には、予め定められた時間だけ、電解処理を行うことで被処理水の処理を終了する。このため、被処理水中の窒素化合物の濃度が変動した場合、即ち、想定される濃度を超える窒素化合物が含有されている場合には、処理途中で電解処理が終了してしまうこととなり、想定される濃度に満たない場合には、電解処理が無駄に行われることとなり、必要以上の電力が消費されることとなる。
特開昭54−16844号公報
そこで、上述した如き処理途中での電解処理の終了や、必要以上の電解処理が行われる不都合を回避するため、被処理水中の窒素化合物の濃度を全窒素濃度測定器等によって検知し、係る検知出力に基づいて水処理装置における反応を制御することが挙げられる。しかしながら、全窒素濃度測定器等のセンサは高額であるため、これにより、水処理装置自体のコストが高騰する問題がある。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、高額な測定器等を用いることなく、適切に電解反応を制御しつつ、消費電力量を低減することを可能とする水処理装置を提供する。
本発明の水処理装置は、被処理水中の富栄養化物質を処理するものであって、被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、被処理水の水質の変動を検出する水質検出手段と、電極への通電を制御する制御手段とを備え、制御手段は、水質検出手段の検出に基づき、電極への通電を制御することを特徴とする。
請求項2の発明の水処理装置は、被処理水中の窒素化合物又はリン化合物を処理するものであって、被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、被処理水の酸化還元電位を検出するORP検出手段と、電極への通電を制御する制御手段とを備え、制御手段は、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位の変化の度合いに基づき、電極への通電を制御することを特徴とする。
請求項3の発明の水処理装置は、制御手段は、被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことを特徴とする。
請求項4の発明の水処理装置は、被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、制御手段は、pH検出手段が検出する被処理水のpHが降下から上昇に転じた場合、又は、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことを特徴とする。
請求項5の発明の水処理装置は、被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、制御手段は、pH検出手段が検出する被処理水のpHが降下から上昇に転じており、且つ、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことを特徴とする。
本発明によれば、被処理水中の富栄養化物質を処理する水処理装置において、被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、被処理水の水質の変動を検出する水質検出手段と、電極への通電を制御する制御手段とを備え、制御手段は、水質検出手段の検出に基づき、電極への通電を制御することにより、処理対象となる被処理水の水質の状態に応じて、的確に、反応終了時期を判断することが可能となる。
これにより、被処理水中の処理が途中で終了してしまうことで、処理後の被処理水中に富栄養化物質が残存してしまう不都合や、必要以上に電解を行うことで無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
請求項2の発明によれば、被処理水中の窒素化合物又はリン化合物を処理するものであって、被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、被処理水の酸化還元電位を検出するORP検出手段と、電極への通電を制御する制御手段とを備え、制御手段は、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位の変化の度合いに基づき、電極への通電を制御することにより、全窒素濃度測定器等の高額なセンサを用いることなく、処理対象の被処理水の窒素化合物の濃度に応じて、的確に、反応終了時期を判断することが可能となる。
これにより、被処理水中の窒素化合物の処理が途中で終了してしまうことで、処理後の被処理水中に窒素化合物が残存してしまう不都合や、必要以上に電解を行うことで無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
請求項3の発明によれば、制御手段は、被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことにより、より精密に、反応終了時期を判断することが可能となり、的確に節電を行うことができるようになる。
請求項4の発明によれば、被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、制御手段は、pH検出手段が検出する被処理水のpHが降下から上昇に転じた場合、又は、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことにより、より一層、精密に、反応終了時期を判断することが可能となり、的確に節電を行うことができるようになる。
請求項5の発明によれば、被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、制御手段は、pH検出手段が検出する被処理水のpHが降下から上昇に転じており、且つ、ORP検出手段が検出する被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、電極への通電を断つことにより、より一層、精密に、反応終了時期を判断することが可能となり、的確に節電を行うことができるようになる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の水処理装置1の概要を示す説明図である。水処理装置1は、家庭や工場から流出された排水を収容する排水タンク2と、内部に図示しない被処理水としての排水の流入口と流出口5を有する処理室4を構成する処理槽3と、塩化物イオン供給槽16を備えている。処理槽3には、ポンプ6及び流入口を介して排水タンク2内に一旦貯溜された被処理水が導入される。処理槽3内の被処理水中には少なくとも一部が浸漬するように配置された電極対8が設けられ、当該電極対8への通電は、後述する制御装置20に接続された電源9により行われる。なお、この処理槽3には、水位センサ10が設けられており、当該水位センサ10の出力に基づき、前記ポンプ6が運転制御され、処理室4内の水位が制御される。
また、処理槽3には、ポンプ15及び図示しない流入口を介して塩化物イオン供給槽16から食塩水若しくは次亜塩素酸を含む溶液が供給される。
また、処理槽3内の被処理水は、流出口5、ポンプ11、電磁開閉弁12を介してORPセンサ13に送出される。このORPセンサ13は、被処理水の酸化還元電位を検出するものであり、検出された酸化還元電位は、前記制御装置20に出力される。また、ORPセンサ13を経た被処理水は、次いで、pHセンサ14に送出され、再び処理槽3に送出される。このpHセンサ14は、被処理水のpHを検出するものであり、検出されたpH値は、前記制御装置20に出力される。なお、前記電磁開閉弁12は、三方弁であり、制御装置20により制御されることで、流出口5を介して処理槽3から送出された被処理水は、外部又は次の処理施設等に排出可能とされている。
図2は、本実施例における水処理装置1の制御ブロック図である。水処理装置1に設けられる制御装置20は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、水処理装置1全体の動作を制御するものである。当該制御装置20の入力側には、水位センサ10、ORPセンサ13、pHセンサ14が接続される。出力側には、電極対8へ電力を供給する電源9、ポンプ6、11、15及電磁弁12が接続され、前記各センサの検出出力に基づき制御される。
以上の構成により、処理槽3内に硝酸イオンや亜硝酸イオンなどの窒素化合物を含む被処理水を貯溜し、制御装置20により電源9をONとし、電極対8に電位を印加する。なお、電極対8は、図3に示す如くアノードを構成する電極22とカソードを構成する電極23とを含むこととする。また、処理槽3内の被処理水中では、食塩水(塩化ナトリウム)を添加されることにより、以下の反応A、Bの平衡が成立している。
反応A H2O→H++OH-
反応B NaCl→Na++Cl-
また、アノードを構成する電極22近傍では、反応C乃至Eに示すように、水の電気分解により酸素ガスが発生し、塩化物イオンは塩素ガスとなり、塩素ガスの一部は水和して次亜塩素酸を生成する。
反応C 2H2O→O2↑+4H++4e-
反応D 2Cl-→Cl2↑+2e-
反応E Cl2+H2O→H++Cl-+HClO
そして、カソードを構成する電極23近傍では、反応F、Gに示すように、水の電気分解により水素ガスが発生し、アノードを構成する電極22で生じたナトリウムイオンが水酸化物イオンと反応して水酸化ナトリウムが生成される。これによりカソードを構成する電極23近傍では、水酸化ナトリウムが生成されて、被処理水がアルカリ性となる。
反応F 2H2O+2e-→H2↑+2OH-
反応G Na++OH-→NaOH
また、処理槽内に貯溜された被処理水中の硝酸イオンは、カソードを構成する電極23表面で、亜硝酸イオンに還元される(反応H)。さらに、亜硝酸イオンは、カソードを構成する電極23側において、電子が供給され、アンモニア(アンモニウムイオン)にまで還元される(反応I)。
反応H NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応I NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
そして、上述の如く生成された次亜塩素酸は、反応Iで被処理水中に生成されたアンモニア(アンモニウムイオン)と反応し、複数の化学変化を経た後、窒素ガスに変換される(反応J)。
反応J NH3+HClO→NH2Cl+H2
NH2Cl+HClO→NHCl2+H2
NH2Cl+NHCl2→N2↑+3HCl
これにより、被処理水中の窒素化合物としての硝酸イオンや亜硝酸イオン及びアンモニアなどを同一の処理槽3内において効率的に処理することが可能となる。そのため、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力が向上される。
なお、上述した如き一連の電解反応において、早期に塩化物イオンが処理槽3内に存在すると、カソードを構成する電極23において硝酸イオンを還元することで生成された亜硝酸イオンが、アノードを構成する電極22側に移動すると、アノードを構成する電極22において酸化反応が生じ、亜硝酸イオンが硝酸イオンに酸化されてしまう(反応K)。つまり、反応Hの逆反応が生起される。
反応K NO2 -+H2O→NO3 -+2H++2e-
そのため、本実施例においては、処理槽3への塩化物イオンを含有する化合物(塩化ナトリウム)の添加は、電解開始から所定時間経過後とされている。また、このように塩化物イオンを含む化合物の添加を遅らせることは、特に、処理槽3に貯溜された被処理水中に、クロム、鉛、モリブデン、バナジウム等の、次亜塩素酸に容易に酸化されて酸化物を形成する元素が含まれている場合に有効である。このような元素の次亜塩素酸による酸化は、前記反応Jのアンモニアの次亜塩素酸による酸化よりも反応速度がかなり速いため、前記反応Hで生じた亜硝酸イオンが、反応H乃至Jの律速反応である反応Iで消費される前に、反応Hの逆反応で硝酸イオンへと酸化されるためである。さらに、このような元素の酸化物はカソードを構成する電極23上で還元されるために、当該元素の酸化還元が処理槽3内でサイクリックで生起し、処理水中の当該元素が微量であっても次亜塩素酸は当該元素によって消費されるためである。
次に、図4乃至図6を参照して、上記被処理水中の窒素化合物の処理終了判断について説明する。処理槽3内では、上記反応A乃至反応Kの化学反応に従って、被処理水中の硝酸イオンは、亜硝酸イオン、アンモニアを順に経て窒素ガスへと還元処理される。この場合、被処理水中の窒素化合物、最終的にはアンモニアの処理が進行すると、被処理水中に蓄積される次亜塩素酸の量に起因する酸化還元電位(ORP)が変化する。また、上述した如き処理反応時には、処理に伴うアンモニアの量の減少及び水酸化ナトリウムの生成によりpHが変化する。これにより、本実施例では、処理槽3内の被処理水のORP及びpHに基づいて、窒素化合物の除去反応の進行度合いを推定し、当該推定に基づいて、電極対8への電力供給を制御する。
図4に、水処理装置1の電解反応によって窒素化合物(硝酸イオン及び亜硝酸イオン)が除去される際の処理槽3における電解時間と被処理水のORP及びpHの関係の一例を示す。
図4では電解時間が約40分(2400秒)程度のところで、処理槽3における窒素酸化物としてのアンモニアの除去が終了した例が示されている。そして、図4から考察されるように、処理槽3の被処理水のORPは、処理時間が長くなるにつれORPが上昇する度合いが増加し、一旦ORPが降下した後、ORPの変化の度合いが減少する。これは、被処理水中に生成される次亜塩素酸及び、アンモニアと次亜塩素酸との反応(反応J)により生成されるクロロアミン(NH2Cl)が蓄積することで、ORPが上昇することによるものである。また、窒素化合物の処理が終了又は、終了に近づくことで、ORPがオーバーシュートした後、次亜塩素酸と反応するクロロアミン若しくはアンモニアがなくなることで、ORPの変化の度合いが減少するものである。
また、処理槽3の被処理水のpHは、処理時間が長くなるにつれ一度低下し、極小値をとった後、上昇している。極小値をとるまでのpHの低下は、反応Jに示したように、アンモニア態窒素が窒素として除去されることに基づくものである。そして、極小値をとった後のpHの上昇は、アンモニア態窒素の除去が終了した後、電解反応によって、反応Gに従った強アルカリ性の水酸化ナトリウムと、反応Eに従った弱酸性の次亜塩素酸とが生成されることに基づくものである。
そして、本実施例では、処理槽3内の被処理水のORPの変化の度合い及びpHの低下の度合いからアンモニア態窒素の除去反応の進行度合いを推定し、当該進行度合いに基づいて電極対8のアノードを構成する電極22と、カソードを構成する電極23との間に流す電流値を制御すると共に、処理槽3内の被処理水のORPの上昇する度合いが増加した後、一旦降下し、その後変化の度合いが減少した場合であって、処理槽3の被処理水のpHが極小値をとったときに、アンモニア態窒素の除去が終了したと推定して、電極対8に供給する電力を制御する。
本実施例による制御内容について、図5及び図6のフローチャート図を参照して、以下に説明する。先ず、図5によるORPの変化に基づく制御について説明する。制御装置20は、S1で処理槽3内の被処理水のORPをORPセンサ13により測定し、当該測定したORP値をORPaとして記憶する。次に、S2で、制御装置20は、前回(S1又はS2で)ORPを測定してから5秒後(所定時間経過後)に、ORP値を測定し、当該測定したORP値をORPbとして記憶する。
そして、S3において、制御装置20は、ORPaとORPbと差(ORPb−ORPa)であるORPcを算出した後、それまでORPbとして記憶していた値をORPaとして記憶し直す。なお、ここで、算出されるORPcは、処理槽3における5秒間のORPの変化値ということになる。
次に、S4で、制御装置20は、ORPcの値が+5mV以上であるか否かを判断し、+5mVに満たないと判断すれば、再びS2に戻る。他方、+5mV以上であると判断すれば、S5に処理を進め、電極対8による電解を終了させた後、処理を終了させる。これにより、単位時間(5秒間)当たりのORPの変化率が所定の値(+5mV)を超える場合には、処理槽3内の被処理水の処理反応が終了したものと判断することができる。
そのため、ORPの変化により、処理槽3内の被処理水内の窒素化合物の電解反応の進行状況を判断することで、的確に被処理水内の窒素化合物の処理を行うことができると共に、必要以上に電力を消費する不都合を回避することができる。
他方、図6によるpHの変化に基づく制御について説明する。制御装置20は、S10で処理槽3内の被処理水のpHをpHセンサ14により測定し、当該測定したpH値をpHaとして記憶する。次に、S11で、制御装置20は、前回(S1又はS2で)pHを測定してから5秒後(所定時間経過後)に、pH値を測定し、当該測定したpH値をpHbとして記憶する。
そして、S12において、制御装置20は、pHaとpHbと差(pHa−pHb)であるpHcを算出した後、それまでpHaとして記憶していた値をpHbとして記憶し直す。なお、ここで、算出されるpHcは、処理槽3における5秒間のpHの変化値ということになる。
次に、S13で、制御装置20は、pHcの値が0.01以下であるか否かを判断し、0.01以下であると判断すれば、S14に処理を進め、0.01を超えていると判断すれば、S17に処理を進める。
S14では、制御装置20は、内部タイマをスタートさせた後、S15で当該内部タイマをスタートさせてから30秒が経過したか否かを判断し、経過したと判断すると、S16に処理を進める。そして、S16で、制御装置20は、電極対8による電解を終了させた後、処理を終了させる。
一方、S17では、制御装置20は、pHcが0.1以下であるか否かを判断し、0.1以下であると判断すればS18に処理を進め、0.1を超えていると判断すればS19に処理を進める。また、S19では、制御装置20は、pHcが0.5以下であるか否かを判断し、0.5以下であると判断すれば、S20に処理を進め、0.5を超えていると判断すればS21に処理を進める。
そして、制御装置20は、アノードを構成する電極22とカソードを構成する電極23の間に流す電流値を、S18では10Aとし、S20では20Aとし、S21では30Aとした後、S11に処理を戻す。
かかる処理を行うことにより、処理槽3における単位時間(5秒間)当たりの被処理水のpHの上昇率を算出し、当該上昇率が大きいほど、被処理水における窒素化合物の除去の度合いが低いとして、電極対8の電極間に流す電流値を大きくしている。そして、当該上昇値が所定値(0.01)以下である場合には、所定時間(30秒間)だけ電解を行って、電解を終了する。
なお、本実施例では、反応終了時期の判断を行う材料として、ORPの変化率及びpHの上昇率の両者を採用し、いずれか早いほうにより電解処理を終了する判断を行った際に、制御装置20は、電解処理を終了するものとする。
これにより、全窒素濃度測定器等の高額なセンサを用いることなく、実際に処理の対象とされる被処理水の窒素化合物の濃度に応じて、反応終了時期を判断することが可能となる。そのため、処理が途中で終了してしまうことで、処理後の被処理水中に窒素化合物が残存してしまう不都合や、必要以上に電解を行うことで無駄な電力が消費される不都合を回避することができるようになる。
また、本実施例では、上述した如く反応終了時期の判断を行う材料として、ORPの変化率及びpHの上昇率の両者を採用しているため、的確に、窒素化合物の処理終了を判断することが可能となり、より一層、処理後の被処理水中に窒素化合物が残存してしまう不都合や、必要以上に電解を行うことで無駄な電力が消費される不都合を回避することができる。
なお、本実施例では、ORPの変化率及びpHの上昇率の両者を採用しているが、ORPの変化率のみ、又はpHの上昇率のみから反応終了時期の判断を行ってもよいものとする。
特に、ORPの変化率のみから反応終了時期の判断を行った場合であっても、当該ORPの変化は、図4からも明らかであるように、処理対象であるアンモニア態窒素がなくなった時点で著しく変化することから、より的確な判断を行うことができるようになる。
なお、本実施例における水処理装置1は、家庭や工場から流出されてきた廃液における窒素化合物を除去するものとして説明したが、これ以外にも、窒素化合物等を含有する雨水から窒素化合物を除去し、植物等に散水するために、利用されることもできる。
上記実施例では、窒素化合物を含有する被処理水の電解処理における反応終了時期の判断についてORP若しくはpHの変化率を用いたことを記載しているが、これに限らず、リン化合物を含有する被処理水の電解処理における反応終了時期の判断についてORPの変化率を用いてもよいものとする。以下、当該リン化合物を含有する被処理水の場合について記載する。
即ち、処理槽3内にリン酸イオンなどのリン化合物を含む被処理水を貯溜し、制御装置20により電源9をONとし、電極対8に電位を印加する。なお、電極対8は、図7に示す如くアノードを構成する電極30とカソードを構成する電極31とを含むこととする。また、少なくともアノードを構成する電極30は、鉄材料にて構成されているものとする。
そのため、電極30、31間に通電することにより、アノードを構成する電極30より鉄(II)イオンが被処理水中に溶出され、カソードを構成する電極31では、水が電気分解され、水素ガスが発生する。溶出された鉄(II)イオンは、被処理水中において鉄(III)イオンにまで酸化される(反応L)。生成された鉄(III)イオンは、反応Mに示す如く脱リン反応により、被処理水中のリン酸イオンと凝集沈殿し、水に難溶性のリン酸鉄を生成する。
反応L Fe→Fe2++2e-
2H2O+2e-→H2↑+2OH-
Fe2+(+O2)→Fe3+
反応M Fe3++PO4 3-→FePO4
これにより、被処理水中に含有されたリン化合物としてのリン酸イオンをリン酸鉄として沈殿処理することができる。
上述した如く処理槽3内では、上記反応L及び反応Mの化学反応に従って、被処理水中のリン酸イオンは水に難溶性なリン酸鉄として処理される。この場合、被処理水中のリン酸イオンの処理が進行すると、酸化還元電位(ORP)が電解処理前の電位値よりも減少する。これにより、かかる実施例では、処理槽3内の被処理水のORPに基づいて、リン化合物の除去反応の進行度合いを推定し、当該推定に基づいて、電極対8への電力供給を制御する。
図8に、水処理装置1の電解反応によってリン化合物(リン酸イオン)が除去される際の処理槽3における鉄溶解量と被処理水のORPの関係の一例を示す。
図8では鉄溶解量が約2.7mmol/L程度のところで、処理槽3におけるリン化物としてのリン酸イオンの除去が終了した例が示されている。そして、図8から考察されるように、処理槽3の被処理水のORPは、初め約45mV程度であったものがリン酸イオンがほぼ処理された時点、即ち、鉄溶解量が約1.8mmol/L程度のところで、約−250mVに低下し、リン酸イオンがほぼ完全に処理された時点、即ち、鉄溶解量が約2.7mmol/L程度のところで、処理槽3の被処理水のORPは、約−300mV程度にまで低下している。
これにより、かかるリン化合物の電解処理においても、被処理水のORPの変化の度合いにより、リン化合物の反応終了時期を判断することが可能となる。
そのため、必要以上に鉄を溶解させることなく、被処理水中のリン化合物の濃度に応じて、リン化合物を的確に処理することが可能となる。これにより、無駄な鉄の溶解を回避することができ、鉄電極の長寿命化を図ることができるようになる。
なお、上記各実施例では、窒素化合物やリン化合物等を含有する被処理水の処理において、酸化還元電位を検出するORPセンサやpHセンサを用いて、被処理水中の窒素化合物やリン化合物等の処理対象物の処理の進行状況を判断して、反応終了時期を判断しているが、これ以外にも、被処理水として、生物的な物質もを含む富栄養化物質を含有する被処理水を処理対象としてもよく、被処理水中の水質を検出する手段として溶存酸素濃度の検出手段や、導電率検出手段、濁度検出手段などを用いることにより、処理対象物の処理の進行状況を判断して、反応終了時期を判断してもよいものとする。即ち、被処理水中の富栄養化物質の処理の進行状況に応じて被処理水の溶存酸素濃度が変化することから、これに基づき、処理の反応終了時期を判断することができる。被処理水中の富栄養化物質の処理の進行状況に応じて被処理水の導電率が変化することから、これに基づき、処理の反応終了時期を判断することができる。被処理水中の富栄養化物質の処理の進行状況に応じて被処理水の濁度が変化することから、これに基づき、処理の反応終了時期を判断することができる。
水処理装置の概要を示す説明図である。 水処理装置の制御装置の電気ブロック図である。 図1の処理槽において電極対に通電されることにより起こると考えられる化学反応を模式的に示す図である。 図1の水処理装置の電解反応によって窒素化合物が除去される際の処理槽における電解時間と被処理水のORP及びpHの関係の一例を示す図である。 図1における水処理装置における制御装置の制御内容のフローチャート図である。 図1における水処理装置における制御装置の制御内容のフローチャート図である。 他の実施例における処理槽において電極対に通電されることにより起こると考えられる化学反応を模式的に示す図である。 図7の実施例における水処理装置の電解反応によってリン化合物が除去される際の処理槽における鉄溶解量と被処理水のORPの関係の一例を示す図である。
符号の説明
1 水処理装置
2 排水タンク
3 処理槽
4 処理室
5 導出口
6 ポンプ
8 電極対
9 電源
10 水位センサ
11 ポンプ
12 電磁開閉弁
13 ORPセンサ
14 pHセンサ
15 ポンプ
16 塩化物イオン供給槽
20 制御装置
22、23、30、31 電極

Claims (5)

  1. 被処理水中の富栄養化物質を処理する水処理装置であって、
    前記被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、
    前記被処理水の水質の変動を検出する水質検出手段と、
    前記電極への通電を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記水質検出手段の検出に基づき、前記電極への通電を制御することを特徴とする水処理装置。
  2. 被処理水中の窒素化合物又はリン化合物を処理する水処理装置であって、
    前記被処理水に少なくとも一部が浸漬された少なくとも一対の電極と、
    前記被処理水の酸化還元電位を検出するORP検出手段と、
    前記電極への通電を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記ORP検出手段が検出する前記被処理水の酸化還元電位の変化の度合いに基づき、前記電極への通電を制御することを特徴とする水処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、前記電極への通電を断つことを特徴とする請求項2の水処理装置。
  4. 前記被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記pH検出手段が検出する前記被処理水のpHが降下から上昇に転じた場合、又は、前記ORP検出手段が検出する前記被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、前記電極への通電を断つことを特徴とする請求項2の水処理装置。
  5. 前記被処理水のpHを検出するpH検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記pH検出手段が検出する前記被処理水のpHが降下から上昇に転じており、且つ、前記ORP検出手段が検出する前記被処理水の酸化還元電位が上昇する度合いが増加した後、その変化の度合いが減少した場合に電解終了と判断し、前記電極への通電を断つことを特徴とする請求項2の水処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015009173A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 住友金属鉱山エンジニアリング株式会社 窒素除去方法及びその装置
JP2020062592A (ja) * 2018-10-16 2020-04-23 株式会社オメガ 排水処理方法
JP2020075217A (ja) * 2018-11-08 2020-05-21 株式会社オメガ 排水処理方法
CN114162917A (zh) * 2021-12-03 2022-03-11 赣州有色冶金研究所有限公司 一种电化学法处理高盐氨氮废水的终点判定方法

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