JP2006261094A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、白色発光層を有する有機EL表示装置に適用可能であり、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成され、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有する着色層と、上記緑色着色部上に形成された緑色色変換部を少なくとも有する色変換層とを有する有機EL素子用カラーフィルタ基板であって、上記緑色色変換部の面積が、上記赤色着色部上に形成される赤色色変換部および上記青色着色部上に形成される青色色変換部の各々の面積よりも大きいことを特徴とする有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す。)表示装置に用いられる有機EL素子用カラーフィルタ基板に関するものである。
有機EL素子は、原理的には、陽極と陰極との間に発光層を挟んだ構造を有するものである。実際に、有機EL素子を用いて有機EL表示装置を構成する際には、(1)三原色の各色をそれぞれ発光する発光層を配列する方式、(2)白色発光する発光層と、三原色の着色層とを組み合わせるカラーフィルタ方式、ならびに(3)青色発光する発光層と、青色系から緑色系、および青色系から赤色系にそれぞれ変換する色変換層とを組み合わせる色変換方式等がある。
上記(1)の方式では、各色をそれぞれ発光する発光層の特性を揃える必要があり、また高精細なパターニングが困難であるという問題がある。そこで、上記(2)のカラーフィルタ方式および上記(3)の色変換方式が注目されている。これらの方式は、単一種類の発光層のみを使用すれば足りるので、上記(1)の方式のような不具合はない。
上記(2)のカラーフィルタ方式に用いられる白色発光する発光層を得る方法に関しては盛んに研究が行われており、例えば白色発光する発光材料を用いる方法、または補色の関係にある複数色の発光材料を用いる方法などが提案されている。このうち、白色発光する発光材料は少ないことから、補色の関係にある複数色の発光材料を用いる方法が主流となっている。
複数色の発光材料を使用する場合は、青色系発光材料とその補色となる橙色系発光材料とを選択することが知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法により得られる白色光の発光スペクトルは、青色系発光材料および橙色系発光材料に由来する青色および赤色の2つの波長ピークをもつものである。このため、このような白色光が着色層を透過した場合、実際には赤色光および青色光が強く観察され、緑色光はほとんど観察されないこととなるので、白色発光する発光層を用いた有機EL表示装置では三原色の色特性のバランスが悪いという問題があった。
特開平9−63770号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、白色発光層を有する有機EL表示装置に適用可能であり、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成され、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有する着色層と、上記緑色着色部上に形成された緑色色変換部を少なくとも有する色変換層とを有する有機EL素子用カラーフィルタ基板であって、上記緑色色変換部の面積が、上記赤色着色部上に形成される赤色色変換部および上記青色着色部上に形成される青色色変換部の各々の面積よりも大きいことを特徴とする有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供する。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を例えば白色発光層を有する有機EL表示装置に用いる場合、一般に白色発光層から発せられる白色光は赤色光および青色光から構成され緑色光の成分が少ない場合が多いが、本発明においては入射光を緑色光に変換する緑色色変換部を形成し、この緑色色変換部の面積を赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きくすることにより、緑色光の成分を多くすることができる。したがって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いることにより、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置を提供することが可能である。
上記発明においては、上記赤色色変換部および上記青色色変換部が形成されていないことが好ましい。すなわち、色変換層が、緑色着色部上に形成された緑色色変換部のみを有することが好ましい。パターニング工程を繰り返し行う必要がなく、コスト的に有利であり製造工程が簡便となるからである。
この場合、上記赤色着色部の厚みと、上記緑色着色部および上記緑色色変換部を合わせた厚みと、上記青色着色部の厚みとの差が、2.0μm以下であることが好ましい。上記の厚みの差が大きすぎると、着色層および色変換層の構成による段差(凹凸)が大きくなり、その表面を平坦化するのが困難となるからである。
またこの場合、上記赤色着色部の厚みと、上記緑色着色部および上記緑色色変換部を合わせた厚みと、上記青色着色部の厚みとが、1μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。厚みが厚すぎる赤色着色部および青色着色部を形成するのは困難であり、また厚みが薄すぎる緑色色変換部を形成するのも困難であるからである。特に、厚みの薄い緑色色変換部を形成するために緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の濃度を濃くしすぎると濃度消光が生じるおそれがある。
さらに本発明においては、上記赤色着色部上に緑色色変換部が形成されていてもよい。緑色色変換部から発せられた緑色光のうちほとんどは赤色着色部を透過することができないが、緑色光の長波長側の成分は赤色光の短波長側の成分として赤色着色部を透過することができるので、このような構成とすることにより色相の調整を図ることができるからである。
さらに本発明においては、上記色変換層上に平坦化層が形成されていることが好ましい。平坦化層が形成されていることにより、着色層や色変換層を保護することができるからである。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合には、透明電極層形成時の影響を低減し、有機EL層形成時の厚みムラの発生を防止することができるからである。
また本発明においては、上記色変換層上にガスバリア層が形成されていることが好ましい。ガスバリア層が形成されていることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、水蒸気、酸素、または着色層や色変換層等からの脱離ガス等に弱い部材である有機EL層を、このようなガスから保護することができるからである。
さらに本発明においては、上記透明基材上の上記各着色部の間に遮光部が形成されていてもよい。遮光部が形成されていることにより、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、コントラストを高めることができるからである。
本発明は、また、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、2波長発光光源により白色発光する白色発光層を少なくとも含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明の有機EL表示装置は、白色発光する白色発光層を有するものであるが、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、三原色の色特性のバランスに優れるという利点を有する。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を例えば白色発光する白色発光層を有する有機EL表示装置に用いた場合、緑色色変換部の面積を赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きくすることにより、緑色光の成分を多くすることができる。したがって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いた有機EL表示装置では、三原色の色特性のバランスに優れるという効果を奏する。
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板、およびそれを用いた有機EL表示装置について詳細に説明する。
A.有機EL素子用カラーフィルタ基板
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成され、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有する着色層と、上記緑色着色部上に形成された緑色色変換部を少なくとも有する色変換層とを有する有機EL素子用カラーフィルタ基板であって、上記緑色色変換部の面積が、上記赤色着色部上に形成される赤色色変換部および上記青色着色部上に形成される青色色変換部の各々の面積よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板10においては、透明基材1上に、赤色着色部2R、緑色着色部2Gおよび青色着色部2Bから構成される着色層2と、赤色着色部2R上に形成された赤色色変換部3R、緑色着色部2G上に形成された緑色色変換部3Gおよび青色着色部2B上に形成された青色色変換部3Bから構成される色変換層3とが順次形成され、この着色層2および色変換層3を覆うように平坦化層5が形成されている。着色層2の各着色部2R、2G、2Bの間にブラックマトリクス4が形成されている。また、緑色色変換部3Gの面積は、赤色色変換部3Rの面積よりも大きく、青色色変換部3Bの面積よりも大きい。
このような有機EL素子用カラーフィルタ基板を例えば白色発光層を有する有機EL表示装置に用いる場合には、平坦化層5の上に透明電極層、白色発光層および対向電極層が順次積層される。一般に白色発光層から発せられる白色光は赤色光および青色光から構成され緑色光の成分が少ない場合が多いので、この白色光が着色層を透過すると緑色光はほとんど観察されない。これに対し本発明においては、入射光を緑色光に変換する緑色色変換部3Gの面積を赤色色変換部3Rおよび青色色変換部3Bの各々の面積よりも大きくすることにより、緑色光の成分を増やすことができる。したがって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いることにより、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置を提供することが可能である。
また本発明においては、緑色色変換部の面積が赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きければ、赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積としては特に限定されるものではない。また、上述したように、白色発光層から発せられる白色光は赤色光および青色光の成分を含むので、原則的には赤色色変換部および青色色変換部は色変換を行う必要がない。したがって、赤色色変換部および青色色変換部は、形成されていてもよく形成されていなくてもよい。例えば図1に示すように赤色色変換部3Rおよび青色色変換部3Bが形成されている場合は、赤色および青色の色相を調整できるという利点がある。一方、例えば図2に示すように赤色色変換部および青色色変換部が形成されていない場合は、緑色色変換部3Gのみが形成されていればよいので、各色変換部をパターニングするために例えばフォトリソグラフィ法等を利用してパターニング工程を繰り返し行う必要がなく、コスト的に有利であり、製造工程が簡便であるという利点を有する。本発明においては、上記の中でも赤色色変換部および青色色変換部が形成されていないことが好ましい。
赤色色変換部および青色色変換部が形成されていない場合、例えば図2に示すように、赤色着色部2Rの厚みd1と、緑色着色部2Gおよび緑色色変換部3Gを合わせた厚みd2と、青色着色部2Bの厚みd3との差hが、2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下であり、最も好ましくは0.2μm以下である。上記の厚みの差が大きすぎると、着色層および色変換層の構成による段差(凹凸)が大きくなり、その表面を平坦化するのが困難となるからである。本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置を作製する際には、色変換層側表面上に透明電極層や有機EL層が形成されることとなるので、着色層および色変換層の構成による表面凹凸が大きいとダークエリアの原因となるおそれがある。
一般に、着色層の厚みに比べて色変換層の厚みは大きい。本発明において上記の厚みの差を所定の範囲とするためには、例えば赤色着色部および青色着色部の厚みを厚くする、あるいは緑色色変換部の厚みを薄くすればよい。具体的には、各着色部中の着色剤の濃度を薄くすることにより赤色着色部および青色着色部の厚みを厚くすることができ、また緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の濃度を濃くすることにより緑色色変換部の厚みを薄くすることができる。ただし、厚みが厚すぎる赤色着色部および青色着色部を形成するのは困難であり、また厚みが薄すぎる緑色色変換部を形成するのも困難である。特に、厚みの薄い緑色色変換部を形成するために緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の濃度を濃くしすぎると濃度消光が生じるおそれがある。
したがって、赤色着色部2Rの厚みd1と、緑色着色部2Gおよび緑色色変換部3Gを合わせた厚みd2と、青色着色部2Bの厚みd3とは、いずれも1μm〜3μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm〜2μmの範囲内であり、最も好ましくは1.2μm〜1.8μmの範囲内である。
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の各構成について説明する。
1.色変換層
本発明に用いられる色変換層は、緑色着色部上に形成された緑色色変換部を少なくとも有するものである。また、この緑色色変換部の面積は、赤色着色部上に形成される赤色色変換部および青色着色部上に形成される青色色変換部の各々の面積よりも大きいものとなっている。
各色変換部の面積比としては、緑色色変換部の面積が赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きければ特に限定されるものではない。
なお、ここでいう「面積」とは、透明基材表面に対して水平な面における面積をいう。また、緑色色変換部の面積が、赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きいことは、光学顕微鏡観察等により確認することができる。
また本発明においては、上述したように、赤色色変換部および青色色変換部が形成されていてもよく形成されていなくてもよい。
赤色色変換部および青色色変換部が形成されている場合は、例えば図1に示すように赤色色変換部3Rおよび青色色変換部3Bが赤色着色部2R上および青色着色部2B上の一部にそれぞれ形成されていることにより、緑色色変換部の面積を赤色色変換部および青色色変換部の各々の面積よりも大きくすることができる。この場合、赤色色変換部および青色色変換部の形成位置としては各着色部上の一部であれば特に限定されるものではなく、例えば各着色部の中心に赤色色変換部や青色色変換部が形成されていてもよく、各着色部上に赤色色変換部や青色色変換部が片寄って形成されていてもよい。
また、赤色色変換部および青色色変換部が形成されていない場合は、各着色部上に入射光を透過する透過部がそれぞれ形成されていてもよい。この透過部は、赤色着色部上に形成されている場合は赤色光を透過するものであり、青色着色部上に形成されている場合は青色光を透過するものである。
本発明においては、例えば図3に示すように赤色着色部2R上に緑色色変換部3Gが形成されていてもよい。緑色色変換部3Gから発せられた緑色光のうちほとんどは、赤色着色部2Rを透過することができないが、緑色光の長波長側の成分は赤色光の短波長側の成分として赤色着色部2Rを透過することができ、色相を調整することができるからである。
したがって、赤色着色部上には、赤色色変換部が形成されていてもよく、緑色色変換部が形成されていてもよく、赤色色変換部および緑色色変換部の両方が形成されていてもよく、赤色色変換部および緑色色変換部のいずれもが形成されていなくてもよい。
本発明に用いられる緑色色変換部は、入射光を吸収して緑色の蛍光を発する緑色変換蛍光体が樹脂中に分散または溶解されたものである。
緑色変換蛍光体の具体例としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2´−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、もしくは3−(2´−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素;ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料;ソルベントイエロー11、もしくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素;ZnS:Tb等のZnS系蛍光体などの蛍光色素、あるいは、黄緑顔料(例えばシンヒロイ社製 FA005(商品名))などの蛍光顔料を例示することができる。
また、緑色変換蛍光体は、上記蛍光色素を、例えばポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化した蛍光顔料であってもよい。
上記蛍光色素および蛍光顔料は、単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
緑色色変換部に用いられる樹脂の具体例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、もしくはポリアミド樹脂等の透明樹脂を例示することができる。また、上記樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂(実際には、電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂であって、後者であることが多い。)を使用することもできる。
緑色色変換部中の樹脂と緑色変換蛍光体との割合は、100:0.3〜100:5(質量基準)程度が好ましい。緑色変換蛍光体の割合が少なすぎると十分な色変換効率が得られない場合があり、上記の割合が多すぎると濃度消光が生じるおそれがあるからである。
また、緑色色変換部の厚みは、1μm〜10μm程度に設定することができる。中でも、上述したように赤色着色部の厚みと、緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みと、青色着色部の厚みとの差が所定の範囲となるような厚みであり、さらに緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みが所定の範囲となるような厚みであることが好ましい。具体的には緑色着色部の厚みによって異なるものではあるが、緑色色変換部の厚みが1.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.8μm〜2.5μmの範囲内である。
上記の厚みの差や、緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みを所定の範囲とするために緑色色変換部の厚みを比較的薄く設定する場合には、例えば緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の含有量を増やすことにより、色変換効率を低下させずに緑色色変換部の厚みを薄くすることができる。しかしながら、緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の含有量が多すぎると濃度消光が生じる場合がある。したがって、緑色色変換部中の緑色変換蛍光体の含有量を増やして緑色色変換部の厚みを薄くする場合は、濃度消光を考慮して厚みが適宜選択される。
本発明において赤色色変換部が形成されている場合、この赤色色変換部は、入射光を吸収して赤色の蛍光を発する赤色変換蛍光体が樹脂中に分散または溶解されたものである。
赤色変換蛍光体の具体例としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル-2-[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素;ローダミンB、もしくはローダミン6G等のローダミン系色素;オキサジン系色素;ZnS:Mn、ZnS:Mn/ZnMgS等のZnS系蛍光体などの蛍光色素、あるいは、オレンジ顔料(例えばシンヒロイ社製 FA001(商品名))などの蛍光顔料等を例示することができる。
また、赤色変換蛍光体は、上記蛍光色素を、例えばポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化した蛍光顔料であってもよい。
上記蛍光色素および蛍光顔料は、単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、赤色色変換部に用いられる樹脂については、上述した緑色色変換部に用いられる樹脂と同様である。また、赤色色変換部中の樹脂と赤色変換蛍光体との割合については、上記緑色色変換部の場合と同様である。
赤色色変換部および青色色変換部の厚みは、上記緑色色変換部の厚みと同程度であることが好ましい。
さらに、透過部が形成されている場合、この透過部は、赤色着色部上に形成されている場合は赤色光を透過するものであり、青色着色部上に形成されている場合は青色光を透過するものであれば特に限定されるものではなく、例えば色変換蛍光体を含まず、上述した樹脂からなるものとすることができる。
色変換層の形成方法としては、例えば上記各色変換蛍光体および樹脂を必要に応じて溶剤、希釈剤もしくは適宜な添加剤と共に混合して、各色変換部形成用塗工液を調製し、この各色変換部形成用塗工液を用いてフォトリソグラフィ法によってパターニングする方法、あるいは、上記の各色変換部形成用塗工液を用いて印刷法によりパターニングする方法が用いられる。
2.着色層
本発明に用いられる着色層は、透明基材上にパターン状に形成され、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有するものである。各着色部は、各画素に対応して規則的に配列され、遮光部が形成されている場合は遮光部の開口部に対応して設けられる。
本発明に用いられる各着色部は、各色の顔料や染料等の着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色着色部に用いられる着色剤としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色部に用いられる着色剤としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色部に用いられる着色剤としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、各着色部に用いられるバインダ樹脂としては、透明な樹脂が用いられる。
着色層の形成方法として印刷法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィ法を用いる場合、バインダ樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂が使用される。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。
紫外線硬化光性樹脂を使用する場合には、バインダ樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
上述した着色剤の含有量としては、各着色部中に5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、バインダ樹脂の含有量としては、着色剤100重量部に対して30〜100重量部の範囲内であることが好ましい。
緑色着色部の厚みとしては、上述したように赤色着色部の厚みと、緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みと、青色着色部の厚みとの差が所定の範囲となるような厚みであり、さらに緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みが所定の範囲となるような厚みであることが好ましい。具体的には緑色色変換部の厚みによって異なるものではあるが、緑色着色部の厚みが1μm〜3μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.2μm〜2μmの範囲内であり、最も好ましくは1.5μm〜1.8μmの範囲内である。
なお、赤色着色部および青色着色部の厚みについては、上述した通りである。
上記の厚みの差や、各着色部の厚みを所定の範囲とするためには、例えば各着色部中の着色剤の含有量を調整すればよい。
各着色部の配列としては、各着色部が巨視的に見て平均的に配列されていれば特に限定されるものではなく、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。また、各着色部は、遮光部の開口部毎に形成されていてもよい。
着色層の形成方法としては、例えば各着色剤をバインダ樹脂に混合、分散または可溶化させて各着色部形成用塗工液を調製し、この着色部形成用塗工液を用いてフォトリソグラフィ法によってパターニングする方法、あるいは、上記の各着色部形成用塗工液を用いて印刷法によりパターニングする方法が用いられる。
3.透明基材
本発明に用いられる透明基材は、有機EL素子用カラーフィルタ基板を支える支持体である。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置を構成した際には、観察側に配置されるものであり、有機EL表示装置全体を支える支持体でもある。
透明基材としては、例えばガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明基材、もしくはアクリル樹脂等の有機質(例えば、合成樹脂)の板状透明基材、または、合成樹脂製の透明フィルム状基材を用いることができる。厚みのごく薄いガラスも透明フィルム状基材として利用することができる。
また、透明基材としては、着色層や色変換層等を形成する側の表面の平滑性が高いものであることが好ましい。具体的には、平均表面粗さ(Ra)が、0.5nm〜3.0nm(5μm□領域)であるものを用いることが好ましい。
上記透明基材を構成する合成樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、または環状オレフィン樹脂もしくは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができる。
4.遮光部
本発明においては、透明基材上の各着色部の間に遮光部(ブラックマトリクスともいう。)が形成されていてもよい。遮光部は、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、画像、映像のコントラストを高めるために設けられるものである。したがって、遮光部は必ずしも設けなくてよいが、コントラストを向上させる以外に、着色層や色変換層等を遮光部の開口部に対応させて形成する上で、遮光部が形成されていることが好ましい。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、発光層等を遮光部の開口部に対応させて形成することからも、遮光部が形成されていることが好ましい。
遮光部は、通常、黒色のライン状に形成され、マトリクス状またはストライプ状等の開口部を有するパターン状に形成されたものである。本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした場合、発光層からの発光は、この遮光部の開口部を経由し、観察者側に到達する。
本発明に用いられる遮光部は、絶縁性を有するものであっても、絶縁性を有しないものであってもよいが、中でも絶縁性を有していることが好ましい。遮光部が絶縁性を有するものであれば、本発明の有機EL素子カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、遮光部と透明電極層とが接触する場合であっても、遮光部と透明電極層とが導通するのを回避することができるからである。
絶縁性を有する遮光部の形成材料としては、例えばカーボンブラック等の黒色着色剤を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂、特に電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を使用することができる。また、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、またはポリアミド樹脂等も例示することができる。
また、絶縁性を有しない遮光部の形成材料としては、例えばクロム等の金属または酸化クロム等の金属酸化物が挙げられる。この際、絶縁性を有しない遮光部は、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。
絶縁性を有する遮光部の形成方法としては、上記の樹脂組成物を基材上に塗布して、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法を用いることができる。また、印刷法等を用いることもできる。
また、絶縁性を有しない遮光部の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により薄膜を形成し、フォトリソグラフィ法を利用してパターニングする方法を用いることができる。また、無電界メッキ法等を用いることもできる。
上記遮光部の膜厚としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により形成する場合には0.2μm〜0.4μm程度であり、塗布により形成する場合や印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
5.平坦化層
本発明においては、色変換層上に平坦化層が形成されていてもよい。この平坦化層は、着色層や色変換層を保護する役割を有すると共に、着色層や色変換層の厚みが一定でない場合には、それら層の表面をならして平坦な面とし、有機EL表示装置に用いる場合に透明電極層等を形成する際の影響を低減する目的で設けられるものである。また、平坦化層は、着色層や色変換層の構成により段差(凹凸)が存在する場合に、この段差を解消して平坦化を図り、有機EL表示装置の作製時に有機EL層を形成する際の厚みムラの発生を防止する平坦化作用をなすものである。
本発明に用いられる平坦化層の形成材料としては、透明樹脂を用いることができる。具体的には、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。また、上記透明樹脂として、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。
上記平坦化層の形成方法としては、上述した透明樹脂を含有する平坦化層形成用塗工液が液体の場合、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂の場合は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹脂の場合は成膜後そのまま熱硬化させる方法を挙げることができる。また、上述した透明樹脂がフィルム状に成形されている場合は、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することにより平坦化層を形成することができる。
このような平坦化層の厚みは、例えば1〜5μm程度とすることができる。
6.ガスバリア層
本発明においては、色変換層上にガスバリア層が形成されていてもよい。例えば図4に示すように平坦化層5が緑色色変換部3G上に形成されている場合は、ガスバリア層6は平坦化層5上に形成される。このガスバリア層は、有機EL表示装置に用いた場合、有機EL層へ有機EL素子用カラーフィルタ基板からの水蒸気や酸素または着色層や色変換層等からの脱離ガスが透過するのを遮断するために設けられるものである。
本発明に用いられるガスバリア層としては、水蒸気、酸素、脱離ガスなどのガスに対してガスバリア性を発現することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば透明無機膜、透明樹脂膜、あるいは有機−無機ハイブリッド膜等が用いられる。中でも、ガスバリア性が高い点から、透明無機膜が好ましい。
上記透明無機膜に用いられる材料としては、ガスバリア性を発現することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;窒化酸化ケイ素等の窒化酸化物;などが用いられる。中でも、ピンホールや突起が生じにくくガスバリア性が高いことから、窒化酸化ケイ素が好適である。
また、ガスバリア層は、単層であってもよく多層であってもよい。例えば、ガスバリア層が複数の窒化酸化ケイ素膜が積層された多層である場合は、ガスバリア性をさらに高めることができる。また、ガスバリア層が多層である場合は、各層にそれぞれ異なる材料を用いてもよい。
ガスバリア層の厚みとしては、特に限定されるものではなく、用いる基材やガスバリア層に用いられる材料の種類、あるいはガスバリア層が単層であるか多層であるかによって異なるものであり一概に規定できないが、通常、ガスバリア層全体で50nm〜2μm程度である。ガスバリア層の厚みが薄すぎるとガスバリア性が不十分となる可能性があり、またガスバリア層の厚みが厚すぎると薄膜の膜応力によるクラック等の現象が生じ易いからである。
上記ガスバリア層が透明無機膜である場合、この透明無機膜の形成方法としては、真空状態で形成できる膜の形成方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、イオンプレーティング法、電子ビーム(EB)蒸着法や抵抗加熱法等の真空蒸着法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。このうち、有機EL素子用カラーフィルタ基板の生産性を考慮すると、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法が好ましく、さらには、スパッタリング法を用いることがより好ましい。スパッタリング法を用いることにより、高生産性で、品質安定性に優れたガスバリア層を形成することができるからである。
7.有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法の一例について説明する。
まず、透明基材上の全面に、クロム等の金属または酸化クロム等の金属酸化物を蒸着し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによりブラックマトリクスを形成する。次に、ブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色剤をバインダ樹脂に分散または溶解させた赤色着色部形成用塗工液を塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより赤色着色部を形成する。同様の手順により緑色着色部および青色着色部を形成する。この際、各着色部は、それぞれの厚みが所定の範囲となるように形成する。
次いで、緑色着色部上に、緑色変換蛍光体を樹脂に分散または溶解させた緑色色変換部形成用塗工液を塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより緑色色変換部を形成する。この際、緑色色変換部は、赤色着色部の厚みと、緑色着色部および緑色色変換部を合わせた厚みと、青色着色部の厚みとが所定の範囲となるように形成する。
そして、必要に応じて、緑色色変換部および各着色部を覆うように平坦化層を形成する。
このようにして有機EL素子用カラーフィルタ基板を作製することができる。
B.有機EL表示装置
次に、本発明の有機EL表示装置について説明する。本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、2波長発光光源により白色発光する白色発光層を少なくとも含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL表示装置は、白色発光する白色発光層を有するものであるが、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、三原色の色特性のバランスに優れるという利点を有する。
図4に、本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図を示す。図4において、有機EL素子用カラーフィルタ基板10は、透明基材1上に、三原色の着色部2R、2G、2Bを有する着色層と、緑色着色部2Gに対応する緑色色変換部3Gを有する色変換層とが形成され、各着色部2R、2G、2Bの間に遮光部4が形成されており、着色層および色変換層を覆うように平坦化層5が形成され、その上にガスバリア層6が形成されたものである。本発明の有機EL表示装置20においては、この有機EL素子用カラーフィルタ基板10のガスバリア層6の上に、透明電極層11、白色発光層を含む有機EL層12、および対向電極層13が形成されており、ガスバリア層6上の透明電極層11の間に絶縁層14が形成され、その上に隔壁部(カソードセパレータ)15が形成されている。
以下、本発明の有機EL表示装置の各構成について説明する。
1.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも白色発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも白色発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布による湿式法で有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、溶媒への溶解性が異なるように有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
白色発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、白色発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化されて形成される場合が多い。その他、有機EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
以下、このような有機EL層の各構成について説明する。
(1)白色発光層
本発明に用いられる白色発光層は、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を有し、白色発光するものである。
白色発光層による白色発光は、複数の発光体からの発光の重ね合わせにより得ることができる。本発明における白色発光層は、所定の蛍光ピーク波長を有する2種類の発光体の二色発光の重ね合わせにより白色発光を得るものであってもよく、また所定の蛍光ピーク波長を有する3種類の発光体の三色発光の重ね合わせにより白色発光を得るものであってもよい。中でも、白色発光層が、緑色光の成分が少ない白色発光を示すものであることが好ましい。例えば緑色色変換部を緑色着色部上に部分的に形成することにより、良好な緑色表示を得ることができ、緑色光の輝度を向上させることができるので、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置とすることが可能であるからである。
本発明における白色発光層は、所定の蛍光ピーク波長を有する2種類の発光体の二色発光の重ね合わせにより白色発光を得る、いわゆる2波長発光光源により白色発光するものであることが好ましい。特に、白色発光層は、青色発光体と少量の赤色発光体とを含有し、2波長発光光源により白色発光するものであることが好ましい。このような白色発光層で得られる白色発光には緑色光の成分が少ないが、上述したように例えば緑色色変換部を緑色着色部上に部分的に形成することにより、良好な緑色表示を得ることができ、緑色光の輝度を向上させることができるので、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置とすることが可能であるからである。
なお、ここでいう「2波長発光光源」には、完全な2波長発光だけではなく、主な発光が2波長である場合が含まれる。
白色発光層に用いられる青色発光体は、蛍光ピーク波長が380nm以上480nm未満であることが好ましく、より好ましくは420nm以上475nm未満である。このような青色発光体としては、例えば特開平3−231970号公報、国際公開特許WO92/05131号公報または特開平7−26254号公報に記載されている化合物の中で、上記の蛍光条件を満足するものが挙げられる。具体的には、特開平6−207170号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
また、白色発光層に用いられる赤色発光体は、蛍光ピーク波長が575nm以上650nm以下であることが好ましく、より好ましくは580nm以上620nm以下である。このような赤色発光体としては、例えばヨーロッパ公開特許第0281381号公報に記載されている赤色発進レーザー色素として用いられるジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、フルオレセイン誘導体、ペリレン誘導体などが挙げられる。この赤色発光体の含有量は、濃度消光が生じない範囲とされる。
白色発光層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜1μm程度とすることができる。
上記白色発光層の形成方法としては、高精細なパターニングが可能な方法であれば特に限定されるものではない。例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、またはスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、および自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。中でも、蒸着法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることが好ましい。また、白色発光層をパターニングする際には、マスキング法により塗り分けや蒸着を行ってもよく、または白色発光層間に隔壁部を形成してもよい。
(2)正孔注入層
本発明においては、白色発光層と陽極(透明電極層もしくは対向電極層)との間に正孔注入層が形成されていてもよい。正孔注入層を設けることにより、白色発光層への正孔の注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる正孔注入層の構成材料としては、一般的に有機EL素子の正孔注入層に使用されている材料を用いることができる。また、正孔注入層の構成材料としては、正孔の注入性もしくは電子の障壁性のいずれかを有するものであればよく、有機物もしくは無機物のいずれであってもよい。
具体的に正孔注入層の構成材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、もしくはチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等を例示することができる。さらに、正孔注入層の構成材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、もしくはスチリルアミン化合物等を例示することができる。
上記ポルフィリン化合物としては、例えばポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、もしくは銅オクタメチルフタロシアニン等が挙げられる。
また、上記芳香族第三級アミン化合物としては、例えばN,N,N´,N´−テトラフェニル−4,4´−ジアミノフェニル、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1´−ビフェニル]−4,4´−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4´−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、3−メトキシ−4´−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、もしくは4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等が挙げられる。
このような正孔注入層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜0.5μm程度とすることができる。
(3)電子注入層
本発明においては、白色発光層と陰極(透明電極層もしくは対向電極層)との間に電子注入層が形成されていてもよい。電子注入層を設けることにより、白色発光層への電子の注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる電子注入層の構成材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、もしくはオキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、もしくはジスチリルピラジン誘導体等を例示することができる。
上記電子注入層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜0.5μm程度とすることができる。
2.透明電極層
本発明に用いられる透明電極層は、対向電極層との間に挟んだ有機EL層に電圧をかけ、所定の位置で発光を起こさせるためのものである。この透明電極層は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成されるものであり、例えば図4に示すように透明電極層11は、遮光部4の開口部の幅に相当する幅のストライプ状に形成される。この場合、ストライプ状の透明電極層11のピッチは遮光部4の開口部のピッチと同じである。
本発明における透明電極層は、通常、透明性および導電性を有する金属酸化物の薄膜で構成される。このような金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第二錫等が挙げられる。
このような透明電極層の形成方法としては、例えば蒸着法もしくはスパッタリング法等によって金属酸化物の薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
3.対向電極層
本発明に用いられる対向電極層は、有機EL層を発光させるための他方の電極をなすものであり、上記透明電極層と反対の電荷をもつ電極である。この対向電極層は、有機EL層上に形成される。
本発明における対向電極層は、通常、仕事関数が4eV以下程度と小さい金属、合金、もしくはそれらの混合物から構成される。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、もしくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等を例示することができる。より好ましくは、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、もしくはリチウム/アルミニウム混合物を挙げることができる。
上記対向電極層は、シート抵抗が数百Ω/cm以下であることが好ましい。
また、対向電極層の厚みとしては、10nm〜1μm程度が好ましく、より好ましくは50〜200nm程度である。
このような対向電極層の形成方法としては、蒸着法もしくはスパッタリング法等によって薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
4.その他
本発明においては、ストライプ状の透明電極層の間に、遮光部に対応して絶縁層が形成されていてもよい。
また、絶縁層上には、発光層等を形成する際のマスクの役割を果たす隔壁部が形成されていてもよい。この隔壁部の形成材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、あるいは無機材料などを用いることができる。この場合、隔壁部の表面エネルギー(濡れ性)を変化させる処理を行ってもよい。
本発明の有機EL表示装置の駆動方式としては、パッシブマトリクス、もしくはアクティブマトリクスのいずれであってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ブラックマトリクスの形成)
透明基材として、370mm×470mm、厚み0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子社製)を準備した。この透明基材上に、スパッタリング法により酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成した。この酸化窒化複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、および酸化窒化複合クロム薄膜のエッチングを順次行って、80μm×280μmの長方形状の開口部が、短辺方向に100μmのピッチ、長辺方向に300μmのピッチでマトリクス状に配列したブラックマトリクスを形成した。
(着色層の形成)
赤色、緑色および青色の各色着色部形成用塗工液を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造社製、リオノールグリーン2Y−301)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用いた。また、バインダ樹脂としてはバインダ樹脂としてはアクリル系UV硬化性樹脂組成物(アクリル系UV硬化性樹脂20%・アクリル系UV硬化性樹脂モノマー20%・添加剤5%・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)55%)を用いた。アクリル系UV硬化性樹脂組成物10部に対し、各着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合して、十分に混合分散させ、各色着色部形成用塗工液を得た。
上記の各色着色部形成用塗工液を順次用いて各着色部を形成した。すなわち、上記のブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色部形成用塗工液をスピンコート法により塗布し、120℃で2分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光(積算露光量300mJ/cm)し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、230℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに同調させ、幅85μm、厚み1.5μmのストライプ状の赤色着色部を、その幅方向がブラックマトリクスの開口部の短辺方向になるよう形成した。以降、緑色着色部形成用塗工液および青色着色部形成用塗工液を順次用い、幅85μm、厚み1.6μmのストライプ状の緑色着色部、および、幅85μm、厚み1.6μmのストライプ状の青色着色部を形成した。これにより、三原色の各着色部が幅方向に繰り返し配列した着色層を形成した。
(色変換層の形成)
緑色変換蛍光体(アルドリッチ社製、クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを緑色色変換部形成用塗工液とし、この緑色色変換部形成用塗工液をブラックマトリクスおよび着色層が形成された上にスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行った。これにより、緑色着色部上に、幅85μm、厚み3.3μmのストライプ状の緑色色変換部を形成した。
(平坦化層の形成)
次いで、色変換層が形成された上に、アクリレート系光硬化性樹脂(新日鐵化学社製、商品名:「V−259PA/PH5」)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した平坦化層形成用塗工液を調製し、スピンコート法により塗布し、120℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行って、色変換層上に厚み2μmで着色層および色変換層の全体を覆う透明な平坦化層を形成した。
(ガスバリア層の形成)
次に、上記の平坦化層上にスパッタリング法により、Siターゲット(3N)を用い、アルゴンガス導入量:40sccm、RFパワー:430kW、基板温度:100℃で成膜し、厚み150nmの酸化窒化ケイ素膜を積層し、透明なガスバリア層を形成した。
上述した一連の操作により、有機EL素子用カラーフィルタ基板を作製した。
(透明電極層の形成)
次いで、上記の有機EL素子用カラーフィルタ基板のガスバリア層上にイオンプレーティング法により膜厚150nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。
(補助電極の形成)
次に、上記の透明電極層を覆うようにガスバリア層上の全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み0.2μm)を形成し、このクロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、クロム薄膜のエッチングを行って、補助電極を形成した。この補助電極は、透明基材上から色変換層上に乗り上げるように透明電極層上に形成されたストライプ状のパターンであった。
(絶縁層および隔壁部の形成)
平均分子量が約100000であるノルボルネン系樹脂(JSR社製、ARTON)をトルエンで希釈した絶縁層形成用塗工液を使用し、スピンコート法により透明電極層を覆うようにガスバリア層上に塗布した後、ベーク(100℃、30分)を行って絶縁膜(厚み1μm)を形成した。次に、この絶縁膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、絶縁膜のエッチングを行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、透明電極層と直角に交差するストライプ状(幅20μm)のパターンであり、ブラックマトリクス上に位置するものとした。
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン社製、フォトレジスト、ZPN1100)をスピンコート法により絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定のフォトマスクを用いて露光し、現像液(日本ゼオン社製、ZTMA−100)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。この隔壁部は、高さ10μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅26μmである形状を有するものであった。
(有機EL層の形成)
次いで、上記の隔壁部をマスクとして、真空蒸着法により正孔注入層、白色発光層、電子注入層からなる有機EL層を形成した。
すなわち、まず4,4´,4´´―トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを、画像表示領域に相当する開口部を備えたフォトマスクを介して200nmまで蒸着して成膜し、その後4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを20nm厚まで蒸着して成膜することによって、隔壁部がマスクパターンとなり、各隔壁部間のみを正孔注入層の形成材料が通過して透明電極層上に正孔注入層が形成された。
同様にして、4,4´−ビス(2,2´−ジフェニルビニル)ビフェニル(蛍光ピーク波長:465nm(固体))を40nmまで蒸着して成膜した。このとき、同時にルブレン(アルドリッチ(株)製、蛍光ピーク波長:585nm(ジメチルホルムアミド0.1重量%溶液))を少量含有させた。これにより白色発光層を形成した。
その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層とした。このようにして形成された有機EL層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして各隔壁部間に存在するものであり、隔壁部の上部表面にも同様の層構成でダミーの有機EL層が形成された。
(対向電極層の形成)
次に、画像表示領域よりも広い所定の開口部を備えたフォトマスクを介して、上記の隔壁部が形成されている領域に、真空蒸着法によりマグネシウムと銀とを同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁部がマスクとなって、マグネシウム/銀化合物からなる厚み200nmの対向電極層を有機EL層上に形成した。この対向電極層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして有機EL層上に存在するものであり、隔壁部の上部表面にもダミーの対向電極層が形成された。
上記一連の操作により、有機EL素子を作製した。
(有機EL表示装置)
上記の有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
[実施例2]
実施例1において、緑色色変換部の厚みを10.8μmとした以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
[比較例1]
実施例1において色変換層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
[評価]
実施例1,2および比較例1の有機EL表示装置について、ミノルタ(株)製分光測色計CM2500dを用いて、色度x,yおよび反射率Yを測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2006261094
表1より、実施例1,2では比較例1に比べて、鮮やかな緑色を観察することができ、さらに幅広い色再現範囲を実現できることがわかった。
[実施例3]
実施例1において、下記に示すように着色層および色変換層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
まず、赤色および青色の着色部形成用塗工液を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルレッドBRN)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用いた。また、バインダ樹脂としてはアクリル系UV硬化性樹脂組成物(アクリル系UV硬化性樹脂20%・アクリル系UV硬化性樹脂モノマー20%・添加剤5%・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)55%)を用いた。アクリル系UV硬化性樹脂組成物10部に対し、各着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合して、十分に混合分散させ、赤色および青色の色着色部形成用塗工液を得た。
次に、緑色着色部形成用塗工液を調製した。緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造社製、リオノールグリーン2Y−301)を用いた。また、バインダ樹脂としては上記のアクリル系UV硬化性樹脂組成物を用いた。アクリル系UV硬化性樹脂組成物10部に対し、着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合して、十分に混合分散させ、緑色着色部形成用塗工液を得た。
上記の各色着色部形成用塗工液を順次用いて各着色部を形成した。すなわち、上記のブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色部形成用塗工液をスピンコート法により塗布し、120℃で2分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光(積算露光量300mJ/cm)し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、230℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに同調させ、幅85μm、厚み3.0μmのストライプ状の赤色着色部を、その幅方向がブラックマトリクスの開口部の短辺方向になるよう形成した。以降、緑色着色部形成用塗工液および青色着色部形成用塗工液を順次用い、幅85μm、厚み1.6μmのストライプ状の緑色着色部、および、幅85μm、厚み3.0μmのストライプ状の青色着色部を形成した。これにより、三原色の各着色部が幅方向に繰り返し配列した着色層を形成した。
(色変換層の形成)
緑色変換蛍光体(アルドリッチ社製、クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを緑色色変換部形成用塗工液とし、この緑色色変換部形成用塗工液をブラックマトリクスおよび着色層が形成された上にスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行った。これにより、緑色着色部上に、幅85μm、厚み3.3μmのストライプ状の緑色色変換部を形成した。
(評価)
実施例1,2の有機EL表示装置と同様に、実施例3の有機EL表示装置では鮮やかな緑色を観察することができ、さらに幅広い色再現範囲を実現できた。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 透明基材
2 … 着色層
2R … 赤色着色部
2G … 緑色着色部
2B … 青色着色部
3 … 色変換層
3R … 赤色色変換部
3G … 緑色色変換部
3B … 青色色変換部
4 … 遮光部
5 … 平坦化層
6 … ガスバリア層
10 … 有機EL素子用カラーフィルタ基板
11 … 透明電極層
12 … 有機EL層
13 … 対向電極層
20 … 有機EL表示装置

Claims (9)

  1. 透明基材と、前記透明基材上にパターン状に形成され、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有する着色層と、前記緑色着色部上に形成された緑色色変換部を少なくとも有する色変換層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板であって、前記緑色色変換部の面積が、前記赤色着色部上に形成される赤色色変換部および前記青色着色部上に形成される青色色変換部の各々の面積よりも大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  2. 前記赤色色変換部および前記青色色変換部が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  3. 前記赤色着色部の厚みと、前記緑色着色部および前記緑色色変換部を合わせた厚みと、前記青色着色部の厚みとの差が、2.0μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  4. 前記赤色着色部の厚みと、前記緑色着色部および前記緑色色変換部を合わせた厚みと、前記青色着色部の厚みとが、1μm〜3μmの範囲内であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  5. 前記赤色着色部上に緑色色変換部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  6. 前記色変換層上に平坦化層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  7. 前記色変換層上にガスバリア層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  8. 前記透明基材上の前記各着色部の間に遮光部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、2波長発光光源により白色発光する白色発光層を少なくとも含む有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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