JP2006259048A - 減光装置、プロジェクションシステム、およびプロジェクタ - Google Patents

減光装置、プロジェクションシステム、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 重畳領域での帯状の輝度分布を見えなくできるとともに、遮光板の厳密な位置調整を不要にでき、かつ色ずれや着色を生じ難くできる減光装置を提供すること。
【解決手段】減光装置20では、電動モータ25を駆動させると、遮光板23が左右方向に往復動し、エッジ部23Aの凸部および凹部のスイッチング機能により、スクリーンへの投射光の遮光および透過が高速で切り替えられる。この結果、スクリーン上は、重畳領域でフリッカが視認されない良好なグラデーションを得ることができ、エッジ形状が重畳領域に生じるのを防止できる。また、投射レンズの色収差等に起因して生じていた色ずれや着色は、遮光板23が高速で往復動することにより時間平均されるため、視認し難くなる。そして、遮光板23の往復動により、往復動方向の遮光板23の位置決めは大まかでよく、減光装置20の設置に手間がかからない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、減光装置、プロジェクションシステム、およびプロジェクタに関する。
複数台の画像投射型プロジェクタを用いて、継ぎ目のない一つの大画面を形成するマルチプロジェクション技術(所謂タイリング投射)が知られている。
タイリング投射を実施するにあたり、画像を継ぎ目なく投射するには、一方のプロジェクタの投射画像の辺縁部と、隣接する他のプロジェクタからの投射画像の辺縁部とを適当な幅をもたせて重畳させる。そして、重畳領域の輝度増大を抑えるために、各プロジェクタが投射する重畳領域の画像信号レベルを調整するか、または光学的な減光手段を用いるか、あるいは両者を併用することで、重畳領域をその周囲と略同様の輝度レベルにして違和感をなくし、継ぎ目のない画像を実現する。このような技術は一般に、エッジブレンディング技術と称される。
このエッジブレンディング技術において、重畳領域の画像信号レベルを調整する信号処理方式については、継ぎ目がなくかつ重畳領域を違和感なく投射することを目的とした専用の画像処理装置を用いることが多いが、一般にこの装置は特殊用途向けの専用ハードウェアであり、非常に高価である。
また、プロジェクタでは、その光変調素子等のデバイスの特性上、例えば画像信号の輝度レベルをゼロにした「黒」画像を投射しても完全には黒にはならず、「黒浮き」と呼ばれる状態になる。この現象は、迷光や光変調素子の特性によって程度は異なるが、光変調素子として透過型液晶パネルを用いたLCD方式のプロジェクタでは、黒浮きが生じ易い。従って、画像信号レベルを調整するだけでは、この黒浮きが解消されず、特に暗い画像においては、継ぎ目および重畳領域の存在が比較的顕著に見えてしまう。
一方、遮光板などの減光手段を用いる光学方式については、画像信号そのものを加工・処理する必要は基本的にない他、重畳領域での黒浮きを抑えることができる点で優れている。図11(A)〜(D)に示すように、従来、各種のエッジ形状を有した遮光板90が提案されており、このような遮光板90は、図12に示すように、プロジェクタ10とスクリーン100(なお、ここではスクリーン100と投射領域とが同じ大きさで描かれている)との間のデフォーカス領域において、適切な位置に配置される(例えば特許文献1,2)。
ただし、昨今の一般的なプロジェクタと共に、図11(A)に示すような直線状のエッジを有した遮光板90を用いた場合、遮光した投射画像の辺縁部において、図13に示すような帯状の縞模様が生じ、輝度分布が階段状になってしまうため、継ぎ目および重畳領域が視認される原因となって好ましくない。これは、プロジェクタ内部に設けられた格子状のレンズアレイ構造に起因するもので、レンズアレイによって形成された位置の異なる複数の光源が遮光板のエッジを投射しているために発生する。
これに対して、図11(B)〜(D)のような櫛歯状のエッジを有する遮光板を用いた場合、投射画像辺縁部では、帯状の輝度分布が櫛歯状のエッジにより分散されて見え難くなり、また、櫛歯部分の大きさおよびピッチを適切に設定することで、輝度勾配も端縁に向かってなだらかに減少させることができる。そして、隣接配置されたプロジェクタにおいても同様な遮光板を用いることで、投射画像の辺縁部の輝度分布を端縁に向かってなだらかに減少させれば、両プロジェクタの辺縁部を重畳させた重畳領域では、継ぎ目や黒浮きがなく、しかも輝度分布が均一な綺麗なエッジブレンディングを実現できる。
特開2002−148710号公報 特開2002−148713号公報
しかしながら、図11(B)〜(D)に示した遮光板であっても、遮光板の設置位置が微妙に変わってしまうと、そのエッジ形状が画面上に見えてしまうことがあるため、その位置調整に手間がかかって実用的ではないという問題がある。
また、投射画面上において、映し出されたエッジ形状の周辺部分では、プロジェクタの投射レンズの色収差、あるいは複板式のプロジェクタでの各色光の光路の違いに起因して、色ずれや着色が生じるため、これも画質上の問題となる。
本発明の目的は、重畳領域での輝度勾配を滑らかにして帯状の輝度分布を見えなくできるとともに、遮光板の厳密な位置調整を不要にでき、かつ色ずれや着色を生じ難くできる減光装置、プロジェクションシステム、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の減光装置は、
プロジェクタの投射光の一部を遮光および透過可能に設けられた遮光手段と、前記投射光の一部の遮光および透過がフレームレート以上の周波数で切り替わるように前記遮光手段を駆動する駆動手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遮光手段をフレームレート以上、好ましくは臨界フリッカ周波数以上で駆動させ、投射光の遮光および透過を高速でスイッチングさせる。この結果、重畳領域でフリッカが視認されない良好なグラデーションを得ることができ、従来のような遮光板のエッジの形状が重畳領域に生じるのを確実に防止できる。また、プロジェクタの投射レンズの色収差、あるいは複板式のプロジェクタでの各色光の光路の違いに起因して生じていた色ずれや着色は、遮光手段が高速で駆動することにより時間平均されるため、薄くなって視認し難くできる。しかも、遮光手段がスイッチング方向に駆動されるので、スイッチング方向の遮光手段の位置決めを大まかに行えばよく、減光装置の設置に手間がかからない。
以上により、本発明の目的を達成できる。
本発明の減光装置において、前記遮光手段は遮光板とされ、前記遮光板には前記投射光の一部を遮光および透過させるエッジ部と、前記投射光を完全に遮光する遮光部とが設けられ、このエッジ部は複数交互に並設された凸部および凹部で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、エッジ部を凸部および凹部の並設方向に移動させることで、それらの凸部および凹部を利用して高速なスイッチング機能を実現できる。
本発明の減光装置において、前記凸部は前記遮光部から離間するに従って先細りになる形状であり、前記凹部は前記遮光部から離間するに従って拡開した形状であることを特徴とする。
本発明によれば、重畳領域でのよりなだらかなグラデーションを実現できる。
本発明の減光装置において、前記駆動手段は、前記遮光手段に連結された駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構を駆動するアクチュエータとを備え、前記駆動力伝達機構はリンク機構であり、前記アクチュエータは、モータであることを特徴とする。
本発明によれば、単純な構成により遮光板を機械的に駆動することができるうえ、モータとして超音波モータを用いれば、減光装置を大幅に小型化でき、プロジェクタ内部に容易に内蔵できる。
本発明のプロジェクションシステムは、少なくとも一対のプロジェクタと、各プロジェクタによって行われるタイリング投射での重畳領域のエッジブレンディングを行う前述の減光装置とを備えていることを特徴とする。
本発明のプロジェクタは、前述の減光装置を内蔵していることを特徴とする。
内蔵されている減光装置の数は、投射画面が四角形であれば、その四周の辺縁に応じて4つであることが好ましいが、4つ以外であってもよい。例えば、専ら上下のタイリング投射のみを行うプロジェクタや、左右のタイリングのみを行うプロジェクタでは、減光装置を2つ設ければ足りる。
以上のプロジェクションシステムやプロジェクタにおいても、本発明の減光装置を備えることで、本発明の目的を達成できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステム1の概念を示す斜視図である。なお、従来と同じ構成には同一符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、後述の第2実施形態以降でも、従来および以下の第1実施形態と同じ構成には同一符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
プロジェクションシステム1は、より大きな投射画像を形成するためのタイリング投射を行うシステムであって、2台の画像投射型のプロジェクタ10(10A,10B)と、各プロジェクタ10の画像投射側に設置された減光装置20とで構成されている。本実施形態では、各プロジェクタ10を上下に並べて縦長のタイリング投射を行う例を示してあるが、プロジェクタ10を左右に並べて図12で示したような横長のタイリング投射を行ってもよく、また、より多くのプロジェクタ10を上下方向あるいは左右方向に並べて用いることで、さらに大きな投射画像のタイリング投射を行ってもよい。
プロジェクタ10は、本実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いたLCD方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLP(Digital Light Processing:TI社の登録商標)方式であってもよい。これらのプロジェクタ10は、一般的に知られているため、ここでの詳細な説明を省略する。
減光装置20は、各プロジェクタ10から投射される投射画像の重畳領域のエッジブレンディングに用いられる装置であり、従って、上下のタイリング投射を行う本実施形態においては、上方のプロジェクタ10Aが投射する投射画像の下側を、下方のプロジェクタ10Bが投射する投射画像の上側を、それぞれ減光するように配置される。なお、本実施形態のように、投射画像の一辺縁にのみ重畳領域が形成される場合には、その投射画像を投射する1台のプロジェクタ10につき1台の減光装置20が設置されるが、投射画像の2辺縁に重畳領域が形成されるタイリング投射では、1台のプロジェクタ10につき2台の減光装置が、3辺縁に重畳領域が形成される場合では3台の減光装置が、4辺縁に重畳領域が形成される場合では4台の減光装置が設置されることになる。
このような減光装置20は、図2、図3に示すように、基台21と、基台21上に設けられたガイド部材22と、ガイド部材22に沿って往復動する遮光手段としての全体短冊状の遮光板23と、遮光板23に連結された駆動力伝達機構としてのリンク機構24と、リンク機構24を駆動するアクチュエータとしての電動モータ25と、電動モータ25の駆動を制御するドライバ回路26と、ドライバ回路26を介して電動モータ25に電力を供給する電源27を備え、リンク機構24、電動モータ25、ドライバ回路26、および電源27により、本発明での駆動手段28が構成されている。図2で示した減光装置20は、上側のプロジェクタ10Aに用いられるものであるが、下側のプロジェクタ10B側でも、同様な減光装置20が向きを変えて用いられる。
これらのうちのガイド部材22は、プロジェクタ10からの投射画像を遮る方向に長尺に設けられており、長手方向に沿ったガイド溝22Aを有している。ガイド溝22Aには遮光板23が長手方向に沿って摺動自在に係合している。ガイド溝22Aと遮光板23との係合構造は任意であるが、往復動する遮光板23が上下および前後(投射方向)にがたつかないことが望ましい。
遮光板23は、長辺側の辺縁に沿って櫛歯状のエッジ部23Aと、投射光を完全に遮光する遮光部23Bとを有している。エッジ部23Aの形状としては、例えば図4(A)〜(D)に示されるものが考えられる。
図4(A)に示したエッジ部23Aは、図11(B)で示した従来の遮光板90と略同様に、外方に向かうに(遮光部23Bから離間するに)従って先細りとなる三角形の複数の凸部231が所定のピッチで並設された形状であり、隣接する一対の凸部231の間は、凸部231とは反対の三角形状に切り欠かれた凹部232になっている。従って、この凹部232は、エッジ部23Aの外方である上端縁に向かうに(遮光部23Bから離間するに)従って拡開するように開口している。このような遮光板90が往復動すると、エッジ部23Aに投射される投射光は凸部231によって遮られ、凹部232によってスクリーン100側に透過する。すなわち、凸部231および凹部232が投射光の遮光/透過を交互に切り替えるのであり、スイッチング機能を有することになる。この結果、投射画像全体においては、投射光が遮光板23の影響を全く受けずに常に投射される領域と、投射光の遮光および透過が遮光板23のエッジ部23Aによって切り替わる領域と、投射光が遮光板23の遮光部23Bによって常時遮光される領域とが存在することになる。
そして、遮光板23は、前記遮光/透過の切り替えがフレームレート以上の周波数、より具体的には臨界フリッカ周波数で行われるように往復動する。臨界フリッカ周波数は、人間の目でフリッカ(ちらつき)が視認されなくなる周波数であり、投射画像の明るさや、投射環境、さらには視野によって変わるため、1つの値として決定できるものではないが、人間光学的にはおおよそ80Hz以上とされている。臨界フリッカ周波数以上で遮光/透過が切り替えられると、点滅する光の明るさは、タルボーの法則として知られるように人間には時間平均輝度として認識される。
従って、遮光板23を臨界フリッカ周波数以上で往復動させると、図4(A)に示す形状の凸部231および凹部232を有したエッジ部23Aでは、内方側での投射光の透過率がゼロであるのに対して、外方に向かうに従って透過率がリニアに上昇する。つまり、遮光および透過が切り替わる領域での透過率の特性は、投射光の回折や、投射レンズの色収差、投射光の色によっても異なるが、凸部231(凹部232)の斜辺形状におおよそ類似するのであり、この軌跡に沿った透過率の変化が重畳領域での輝度分布となる。この様な輝度分布の重畳領域を重ねると、一方の輝度不足を他方の輝度で補うことになるため、非重畳領域と同じレベルの略均一な輝度分布を得ることができる。
図4(B)に示したエッジ部23Aでは、凸部231および凹部232がそれぞれ矩形状とされ、凹部232の幅寸法が「a」、凸部231の幅寸法が「b」とされた場合、a/a+bの割合に対応した透過率が一定となる。すなわち、透過率の特性は階段状となる。このため、1投射画像での重畳領域においては、透過率がゼロの全黒部分と、中間輝度の部分とが存在するが、2つの投射画像の重畳領域を重畳させた場合では、略均一な輝度分布を得ることができる。
図4(C)に示したエッジ部23Aでは、凸部231および凹部232がそれぞれ丸味がかった三角形状、つまり略正弦波状とされている。このような形状の場合、透過率はゼロから緩やかに立ち上がり、中程で略リニアに上昇し、徐々に最大透過率に近づく。従って、このようなエッジ部23Aを採用することで、1投射画像においては、重畳領域での自然な輝度勾配を実現でき、2つの投射画像の重畳領域を重畳させた場合では、略均一な輝度分布を得ることができるうえ、非重畳領域と重畳領域との境界を最も目立たなくできる。
その他、図4(D)に示したエッジ部23Aでは、凸部231が先のとがった波形状とされ、凹部232が略放物線状とされている。このような形状の場合、透過率はゼロから緩やかに立ち上がるが、その後は急激に立ち上がって最大透過率に達する。従って、1投射画像において、非重畳領域と重畳領域との境界では、明らかな輝度の違いが感じられ、端縁に近づくにつれて自然なグラデーションが得られる。2つの投射画像の重畳領域を重畳させた場合では、中央部分がやや低輝度になるグラデーションパターンを実現できる。
このように、遮光板23のエッジ部23Aの形状を選択することにより、重畳領域のグラデーションパターンを任意に制御することが可能である。特に、図4(A)、(C)、(D)の凸部231は外方に向かうに従って先細りとされ、凹部232は外方に向かうに従って拡開しているので、図4(B)に示すような階段状の輝度分布とはならず、よりなだらかなグラデーションを実現できる。
図2に戻って、リンク機構24は、電動モータ25の回転軸に取り付けられた回転円板241と、一端が回転円板241の面状部分の一部に回転自在に連結され、かつ他端が遮光板23の端部側に回転自在に連結されたロッド242とで構成されたクランク機構である。回転円板241が回転すると、この回転運動がロッド242によって直進往復運動に変換され、遮光板23はガイド部材22に沿って往復動する。
この際、遮光板23の往復動方向の振幅は、回転円板241の回転中心からロッド242の連結部分での回転中心までの距離の2倍であり、遮光板23に設けられた前記凸部231(凹部232)の並設ピッチの整数倍である。整数倍でないと、常時透過していて遮光/透過の切り替えが行われない部分が生じ、往復動方向に直行する向きで輝度の大きな縞模様が見える可能性があり、重畳領域での画質の低下を招く。
電動モータ25は、本実施形態では小型のDC(直流)モータを使用している。電動モータ25の回転数は、前述した通り、遮光板23の往復動の周波数が臨界フリッカ周波数以上となるように制御される。一実験によれば、回転円板241の回転中心からロッド242の連結部分での回転中心までの距離を3mm、遮光板23の凸部231のピッチを4mm(凸部231および凹部232の中心間距離で2mm)のとき、2500rpmの回転数で電動モータ25を駆動すると、250Hzで遮光板23を往復動させることができ、フリッカが視認されない良好なグラデーションが得られた。なお、減光装置20には、電動モータ25の駆動中に生じる振動や騒音を吸収するダンパ等を設けることが好ましい。
ドライバ回路26は、電動モータ25用のオン・オフスイッチが設けられている。この他、ドライバ回路26には、電動モータ25を所定の回転数で一定に回転させるためのフィードバック制御用の回路が形成されていてもよい。例えば回転円板241の回転を検出する回転センサを設け、この回転センサからの検出信号に基づいて電動モータ25への出力を調整し、電動モータ25の回転数を制御するのである。
以上のように構成された減光装置20によれば、図5(A)に示す設置状態から電動モータ25を駆動させると、図5(B)に示すように、遮光板23が左右方向に往復動し、エッジ部23Aに相当する分部では、凸部231および凹部232のスイッチング機能により、スクリーン100への投射光の遮光および透過が高速で切り替えられる。この結果、スクリーン100上での投射画像においては、重畳領域でフリッカが視認されない良好なグラデーションを得ることができ、エッジ部23Aの形状が重畳領域に生じるのを確実に防止できる。
また、プロジェクタ10の投射レンズの色収差、あるいは複板式のプロジェクタでの各色光の光路の違いに起因して生じていた色ずれや着色は、遮光板23が高速で往復動することにより時間平均されるため、往復動方向に一様に灰色に近い色となり、薄くなって視認し難くなる。
しかも、プロジェクタ10へ入力される画像信号を処理している訳ではないので、黒浮きといった現象も生じる心配がなく、光変調素子として液晶パネルを用いるLCD方式をプロジェクタ10に適用した場合に特に有効である。
さらに、遮光板23の凸部231の両側で生じる着色(たとえば通常の液晶3板式プロジェクタの場合、一般に緑色成分と紫色成分とからなる)は、前記のように一様となるので、仮に信号処理方式を併用して色補正(緑か紫に偏った色の補正)を行う場合でも、その色補正を容易に行える。
そして、遮光板23が往復動するので、往復動方向の遮光板23の位置決めを大まかに行えばよく、減光装置20の設置に手間がかからない。
また、一般的に高価であるND(Neutral Density)フィルタを用いる必要がないので、綺麗なエッジブレンディングを安価に達成できる。
エッジ部23Aの形状は、比較的寸法精度が粗くてよいため、加工にさほど手間がかからず、この点でも低コスト化を促進できる。
また、遮光板23は画像が投射されている間は往復動しているため、相対的に空気の対流が生じ、冷却されることになる。従って、遮光板23が投射光で加熱され難くなり、材料選定等の自由度も高い。
さらに、生じた対流により埃等が振り払われるため、凹部232等が目詰まりするのを有効に防止できる。
さらに、本実施形態での駆動機構はリンク機構とされ、アクチュエータとしても電動モータ25を用いているため、構造が簡単で、遮光板23を機械的に確実に往復動させることができる。
そしてまた、遮光板23のエッジ部23Aでは、凸部231および凹部232が複数交互に高密度に並設されていれば、遮光板23を往復動させるための電動モータ25では、低い回転数で高いスイッチング周波数を実現でき、少ない消費電力で臨界フリッカ周波数を得ることができる。
〔第2実施形態〕
図6、図7(A)、(B)には、本発明の第2実施形態に係る減光装置20の概略構成およびその動作状態が示されている。
本実施形態では、減光装置20の遮光板23がプロジェクタ10の投射光を遮るように所定の振幅で上下に往復動し、かつ遮光板23のエッジ部23Aの形状が直線状である点、ガイド部材22が遮光板23の短辺側を摺動自在に支持するように一対設けられている点、リンク機構24を構成するロッド242が遮光板23の略中央に連結されている点、で前記第1実施形態とは大きく異なる。
このような減光装置20では、図7(A)、(B)に示すように、遮光板23の上下のエッジ部23Aが高速で上下に往復動することにより、プロジェクタ10からの投射光の遮光および透過が高速で切り替わる。この結果、第1実施形態と同様に、スクリーン100上での投射画像においては、重畳領域でフリッカが視認されない良好なグラデーションを得ることができ、エッジ部23Aの形状が重畳領域に生じるのを確実に防止できる。また、色ずれや着色の問題も生じ難くなる。ただし、本実施形態の場合では、複数の凸部231を利用してスイッチングさせていた第1実施形態とは異なり、遮光板23の往復動でスイッチング機能をさせるためには、往復動の周波数を第1実施形態に比して数段高める必要がある。
〔第3実施形態〕
図8には、本発明の第3実施形態に係る減光装置20の要部が示されており、図9には、減光装置20の一構成部材の動きが示されており、図10には、本実施形態でのプロジェクタ10の内部構造が模式的に示されている。
図8において、本実施形態の減光装置20では、リンク機構24を構成する回転円板241が電動モータ25(図2)ではなく、圧電素子51を有する振動体50(アクチュエータ)で駆動される点、および図10に示すように、減光装置20がプロジェクタ10の内部に組み込まれている点、で前記第1、第2実施形態とは大きく異なる。なお、減光装置20がプロジェクタ10内に組み込まれる本実施形態では、減光装置20全体が第1、第2実施形態のものと比較して格段に小さいことは勿論である。
振動体50は、図示しない導電性の補強板を挟むようにその表裏両面に圧電素子51を積層した構造であり、平面矩形状に設けられた超音波モータである。また、各圧電素子51の表裏両面には、ニッケルや金などによる電極が任意の方法で形成されている。各圧電素子51において、補強板と対向する裏面側電極は当該補強板と導通しており、補強板から延設された基台への取付用足部52を介して裏面側電極と導通をとることが可能である。そして、圧電素子51の表面側電極の任意の位置には図示しないリード線等が結線され、このリード線と前記取付用足部52との間に所定の電圧を印可することで、圧電素子51の表裏両面の電極間に電圧が印加されることになり、圧電素子51が補強板ごと振動し、回転円板241を一方向に回転させる。
具体的に振動体50は、図9(A)に示した状態から、前述したように電圧が印可されると、図9(B)に示すように、圧電素子51には長手方向に沿った縦振動と、短手方向に沿ったモーメントによる屈曲振動とが自励し、これらの振動の複合により、図9(C)に示すように、補強板から突出した突起53は楕円軌跡Rを描く。そして、図8に示すように、この突起53を回転円板241に当接させることで、回転円板241が一方向に回転するのである。
一方、図10において、プロジェクタ10では、光源11から射出された照明光が一対のインテグレータレンズ12および偏光変換素子13を通過した後、第1ダイクロイックミラー14で赤色光のみが透過する。透過した赤色光は反射ミラー15で反射し、液晶パネルからなる赤色光用の光変換素子16Rに入射する。第1ダイクロイックミラー14で反射してさらに第2ダイクロイックミラー17で反射した緑色光は、緑色光用の光変換素子16Gに入射する。第1、第2ダイクロイックミラー14,17を透過した青色光は、集光レンズ18を通るように配置された一対の反射ミラー15で反射して青色光用の光変換素子16Bに入射する。各光変換素子16R,16G,16Bに入射した色光で形成された光学像はダイクロイックプリズム19で合成され、投射レンズ191を介してスクリーン100に投射される。
そして、本実施形態の減光装置20は、ダイクロイックプリズム19と投射レンズとの間にあって、光軸回りに4つ配置される(図10では3つのみを図示)。各減光装置20は、図示しない移動手段によって光軸に対して進退自在に設けられており、重畳領域の位置に応じて(タイリングの形態に応じて)適切な減光装置20が選択され、光軸側に寄せられて用いられる。このような減光装置20は、プロジェクタ10内に組み込まれたドライバで駆動制御される。
このような本実施形態では、減光装置20が内蔵されていることで本発明の目的を達成でき、また、同様なプロジェクタ10を複数台用いてタイリング投射を行う時には、減光装置20をプロジェクタ10とスクリーン100との間に設置する手間を省くことができ、準備を容易にできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、減光装置20のアクチュエータとして電動モータ25や圧電素子51を有した振動体50を用い、駆動力機構として回転円板241およびロッド242からなるリンク機構(クランク機構)を用いていたが、本発明でのアクチュエータおよび駆動機構としてはこれらの組み合わせに限定されるものではなく、電動モータの回転軸に偏心ウェイトを取り付けて振動させ、この振動で遮光板23を往復動させるタイプ、電動モータの代わりにステッピングモータや、ボイスコイルモータ等を用いるタイプであってもよい。
前記各実施形態では、遮光板23が短冊状とされていたが、第1実施形態のように、凸部231や凹部232が設けられる遮光板としては、環状の無端ベルト状であってもよい。このような場合には、ベルト状の遮光板を往復動させるのではなく、一方向に高速で送ることにより、重畳部分での良好なグラデーション等を得ることができる。
また、本発明の遮光手段としては、回転自在な円筒部材の外周面に、周方向および軸方向の位置を違えて複数の凸部を螺旋状にかつ複数条設けた構造であってもよく、このような円筒部材を高速回転させることにより、本発明の目的を達成できる。
本発明は、プレゼンテーションやホームシアタの他、野外での大規模なタイリング投射に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクションシステムの概念を示す斜視図。 第1実施形態のプロジェクションシステムでの主な構成を示す斜視図。 第1実施形態での減光装置を示すブロック図。 第1実施形態での遮光板のエッジ形状を(A)〜(D)にわたって形状別に示す図。 第1実施形態での減光装置の動きを説明するための図であり、(A)は停止状態を、(B)は駆動状態を示す図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクションシステムでの主な構成を示す斜視図。 第2実施形態での減光装置の動きを説明するための図であり、(A)は停止状態を、(B)は駆動状態を示す図。 本発明の第3実施形態に係る減光装置の要部を示す図。 第3実施形態での減光装置の一構成部材の動きを(A)〜(C)にわたって説明するための図。 第3実施形態でのプロジェクタの内部構造を示す模式図。 従来の遮光板を(A)〜(D)にわたって示す図。 タイリング投射を説明するための図。 従来の過大を説明するための図。
符号の説明
1…プロジェクションシステム、10,10A,10B…プロジェクタ、20…減光装置、23…遮光手段である遮光板、23A…エッジ部、24…駆動力伝達機構であるリンク機構、25…アクチュエータである電動モータ、28…駆動手段、50…アクチュエータである振動体(超音波モータ)、231…凸部、232…凹部。

Claims (6)

  1. プロジェクタの投射光の一部を遮光および透過可能に設けられた遮光手段と、
    前記投射光の一部の遮光および透過がフレームレート以上の周波数で切り替わるように前記遮光手段を駆動する駆動手段とを備えている
    ことを特徴とする減光装置。
  2. 請求項1に記載の減光装置において、
    前記遮光手段は遮光板とされ、
    前記遮光板には前記投射光の一部を遮光および透過させるエッジ部と、前記投射光を完全に遮光する遮光部とが設けられ、
    このエッジ部は複数交互に並設された凸部および凹部で形成されている
    ことを特徴とする減光装置。
  3. 請求項2に記載の減光装置において、
    前記凸部は前記遮光部から離間するに従って先細りになる形状であり、
    前記凹部は前記遮光部から離間するに従って拡開した形状である
    ことを特徴とする減光装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の減光装置において、
    前記駆動手段は、前記遮光手段に連結された駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構を駆動するアクチュエータとを備え、
    前記駆動力伝達機構はリンク機構であり、
    前記アクチュエータは、モータである
    ことを特徴とする減光装置。
  5. 少なくとも一対のプロジェクタと、
    各プロジェクタによって行われるタイリング投射での重畳領域のエッジブレンディングを行う請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の減光装置とを備えている
    ことを特徴とするプロジェクションシステム。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の減光装置を内蔵している
    ことを特徴とするプロジェクタ。
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