JP2006257241A - 光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物ならびに光輝性顔料の製造方法 - Google Patents

光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物ならびに光輝性顔料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価で電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズにも対応でき、かつ、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物を提供する。
【解決手段】 顔料を、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜フレーク状金属片で構成し、かつ、該薄膜フレーク状金属片の表面反射率が550nmの波長の光に対して10〜70%となるようにする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物ならびに光輝性顔料の製造方法に関するもので、自動車部品や家電部品などの基材を光輝化する際に好適に用いることができる。
自動車部品や家電部品などの基材を光輝化する手段としては、湿式メッキ、真空蒸着やメタリック塗装などがある。特に、メタリック塗装は、手法が簡便であり、広く用いられている。メタリック塗装では、基材を光輝化するために、アルミニウムの顔料ないしはフレークを混入させた塗料を用いて塗装した後、該塗装の上に、さらにアルミニウムを保護するクリアーコートを塗布する。
メタリック塗装で使用されるアルミニウムフレークは、一般的に、スタンプミル、乾式ボールミルまたは湿式ボールミルなどを用いて、機械的に金属アルミニウムを粉砕して作製したり、あるいは、真空蒸着法により得られるアルミニウム薄膜、すなわち、金属アルミニウムを真空中で蒸発させて得られるアルミニウム薄膜を薄片化するなどして、作製される。
アルミニウムは、価格が安く、表面反射率が高い金属であるという利点があるので、メタリック塗装において、フレーク状のアルミニウムの箔や膜が顔料として使用されている。しかし、アルミニウムの可視光に対する表面反射率は80%以上と高く、このため、アルミニウムを用いたメタリック塗装には、外観が白っぽく、クロムメッキのような高級感に欠けるという外観上の欠点がある。
一方、光輝化する手段としてクロムメッキを使用する場合、クロム薄膜を乾式メッキ法で形成すると、成膜中に酸素、窒素、アルゴンなどのガスの影響を受けて、薄膜の色が黒ずんでしまうという問題点がある。すなわち、電気メッキ法で得られるクロム薄膜の表面反射率が約60%であるのに対して、乾式メッキ法で得られるクロム薄膜の表面反射率が約30〜40%と低いためである。また、クロムメッキには耐クラック性が低いという問題点もある。さらに、アルミニウムホイール等にクロムメッキを用いた場合には、異種金属が混じることとなるため、リサイクルを行うことが難しくなり、環境に対する配慮の観点からも問題となる。
アルミニウムを光輝性顔料として用いる場合、前記外観上の欠点を補うために、黒っぽいアンダーコートを下地として塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1(特開昭62−13565号公報))。
しかしながら、アルミニウムの箔や薄膜は活性であるため、大気に触れると酸化物被膜が形成され、光輝感が失われるだけでなく、酸化物被膜の成長に伴って、基材と塗膜との密着性(塗膜密着性)が低下するという問題がある。また、水分を含む環境下では、酸化物被膜ではなく、水酸化物被膜が形成されるが、アルミニウムの箔や薄膜に形成された水酸化物被膜は、乾燥あるいは加熱により、容易に酸化物被膜となる。このように乾燥および加熱により水酸化物被膜から生成した酸化物被膜には透水性があるため、該酸化物被膜を通過してきた水分とアルミニウムとの水和反応が塗膜内で生じ、塗膜の腐食および剥離が生じる可能性もある。
具体的にいえば、膜厚0.05〜1.0μmのアルミニウム薄膜は、トップコート(該アルミニウム薄膜上に形成する保護被覆層)なしで40〜60℃の温水に浸すと、水和反応により、24〜100時間で溶解する。また、キャス(CASS)試験(JIS H 8502;50℃に設定された試験槽に、4%の塩水と0.027%の塩化第二銅(2水和物)の混合液を噴霧して、試験片の腐食性および耐食性を評価する)では、アルミニウム薄膜上にトップコートを塗布していても、トップコートを通過して試験液が浸透し、60時間以上でアルミニウム薄膜は溶解してしまう。
アルミニウムの箔や薄膜は、上記のような性質を持つが、保護膜としてのトップコートが厚く、かつ、該トップコートに傷などが生じていない場合は、大きな問題は発生しない。
しかし、例えば、基材に凹凸がある場合などには、奥まった個所では、基材に形成されたアルミニウムの箔や薄膜上の保護膜が薄くなる場合があり、その箇所では、保護膜を酸またはアルカリなどの薬品が浸透し、アルミニウムの箔や薄膜を溶解する。また、悪路地帯、海岸地帯、凍結防止のために塩を散布する地帯、高温多湿地帯などで使用され、トップコートに傷が入った場合、例えば、実車が走行中に、飛び石により傷が入ったり、清掃中に実車に傷が付いたりした場合には、アルミニウムの箔や薄膜が外部環境に触れ、その傷から塗膜の腐食が始まる。塗膜の腐食がいったん始まり進行していくと、アルミニウムの箔や薄膜は溶解消失し、アンダーコート層が露出する。そうなると、本来の光輝面が損なわれるだけでなく、アンダーコートとトップコートとの密着力が無くなり、膨れが発生する。さらに、そこを基点として、基材の腐食へと進展する可能性がある。
これらの問題に対し、アルミニウムの箔や薄膜の耐食性および耐薬品性を向上させようとする処理方法が種々提案されている。しかしながら、アルミニウム自体の耐食性および耐薬品性が低いので、あまり大きな効果が得られていないのが実状である。これらの提案例とその欠点を、次の(1)〜(7)に示す。
(1)特許文献2(特開2000−354828号公報)には、有機または無機の着色顔料にアルミニウムフレークを混入させたメッキ調コートで、アルミニウムホイールの表面を被覆することが記載されている。この着色顔料の反射とアルミニウムフレークの反射との混合で、外観意匠ニーズに合った特殊な色調とすることができる。各種の顔料と混合することで、クロムメッキの外観に近い外観を得ることができる。
(2)特許文献3(特開平7−292294号公報)には、鱗片状着色金属顔料(Am)と、異なる色調の1色以上の鱗片状着色金属顔料(An)とを含有することを特徴とするカラーフリップフロップ性メタリック塗料が記載されている。具体的には、鱗片状アルミニウムフレークの表面に、さまざまな色の着色顔料を付着させたものを組み合わせたものである。
しかし、特許文献2および3に記載された顔料は、光輝化する材質がアルミニウムであり、これを用いたメッキ調コートは耐食性および耐薬品性が低い。そのため、ホイールなどの隅や縦面など、保護膜が塗布しづらい個所では、フレークが溶解する可能性が高い。また、アルミニウムフレークを使用しているため、白っぽく高級感のない外観を克服することができない。さらに、アルミニウムフレークの混合比率の調整方法によっては、光輝感が低下する。
(3)特許文献4(特開平11−90318号公報)には、アルミニウムフレークを燐酸基含有樹脂の上に塗装することが記載されている。アルミニウムフレーク塗膜を改善するために、特殊な塗装を行っているが、この方法では、作業性が悪く、コスト高になり、広い範囲に塗布する場合には、適用できない。
(4)特許文献5(特開平9−122575号公報)には、アルミニウムフレークが有機溶剤によって変色するのを防止するために、有機溶剤に浸漬した後の色変化が、汚染用グレースケールで色票4号以上の色差を有するアルミニウムフレークを用いることが記載されている。しかし、この塗膜も、アルミニウムフレークを含むため、耐薬品性が低い。
(5)特許文献6(特開平7−150374号公報)には、耐食性を付与するために、アルミニウムフレークを腐食防止剤で処理することが記載されているが、腐食防止剤には、イットリウムおよび希土類金属などの水溶性塩などが含まれる。このような貴重な金属が使用されていることに加え、複雑な工程を経てアルミニウムフレークが処理されるので、アルミニウムフレークがコスト高になる。
(6)特許文献7(特開平7−133440号公報)には、アルミニウムに対してMo金属換算量で0.1質量%〜10質量%のモリブデン酸被膜を成膜し、その上に、アルミニウムに対してP元素換算量で0.05質量%〜5質量%の燐酸エステルを吸着させることが記載されている。しかし、この処理は、複雑で時間がかかり、コストアップの原因にもなる。
(7)特許文献8(特開2003−292823号公報)には、スパッタリング法を用いてAl−Ti膜でフレーク粉を作製することが記載されているが、スパッタリング法は成膜速度が遅く、生産性が低いのでフレークのコストが高くなってしまう。
その他、アルミニウムのフレーク状の箔や薄膜だけでは、明るさおよび色調が同じであるため、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズに答えられないという問題があった。
特開昭62−13565号公報
特開2000−354828号公報
特開平7−292294号公報
特開平11−90318号公報
特開平9−122575号公報
特開平7−150374号公報
特開平7−133440号公報
特開2003−292823号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、安価で電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズにも対応でき、かつ、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る光輝性顔料の第一態様は、薄膜フレーク状金属片からなる光輝性顔料であって、該薄膜フレーク状金属片が銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなり、かつ、該薄膜フレーク状金属片の表面反射率が550nmの波長の光に対して10〜70%であることを特徴とする。
本発明に係る光輝性顔料の第二態様は、2層構造の薄膜フレーク状金属片からなる光輝性顔料であって、該薄膜フレーク状金属片の1層目が銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜からなり、2層目がクロム、チタン、ニッケル、クロム合金、チタン合金、ニッケル合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜からなることを特徴とする。
前記2層構造の薄膜フレーク状金属片の1層目の表面反射率および2層目の表面反射率が、いずれも550nmの波長の光に対して10〜70%であることが好ましい。
前記薄膜フレーク状金属片は、膜厚が10〜200nmであり、大きさが定方向径で5〜40μmであることが好ましい。ここで、定方向径とは、金属片に外接する長方形の縦、横の辺の長さのうち長い方の辺の長さのことである。
本発明に係る光輝性塗膜用塗料組成物は、前記光輝性顔料と、ビヒクルとを含有することを特徴とする。
本発明に係る光輝性塗膜は、前記光輝性塗膜用塗料組成物を用いて形成したことを特徴とする。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第一の態様は、無電解メッキ法を用いて薄膜フレーク状金属片を作製することを特徴とする。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第二の態様は、蒸着法またはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いてさらに金属薄膜を形成して、薄膜フレーク状金属片を作製することを特徴とする。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第三の態様は、(a)無電解メッキ法で基板上に金属薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程2と、を有することを特徴とする。前記工程1で形成する金属薄膜の膜厚は10〜200nmとすることが好ましい。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第四の態様は、(a)無電解メッキ法で基板上に金属薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜上に、無電解メッキ法または電気メッキ法で、前記工程1で形成した金属薄膜の金属と同一または異種の金属からなる薄膜を形成して2層構造の金属薄膜を得る工程2と、前記工程2で形成した2層構造の金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程3と、を有することを特徴とする。前記工程2で形成する2層構造の金属薄膜の膜厚は10〜200nmとすることが好ましい。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第五の態様は、(a)無電解メッキ法を用いることにより、基板上に、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属の薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程2と、を有することを特徴とする。前記工程1で形成する金属薄膜の膜厚は10〜200nmとすることが好ましい。
本発明に係る光輝性顔料の製造方法の第六の態様は、(a)無電解メッキ法を用いることにより、基板上に、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜上に、無電解メッキ法または電気メッキ法で、クロム、チタン、ニッケル、クロム合金、チタン合金、ニッケル合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成して2層構造の金属薄膜を得る工程2と、前記工程2で形成した2層構造の金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程3と、を有することを特徴とする。前記工程2で形成する2層構造の金属薄膜の膜厚は10〜200nmとすることが好ましい。
前記蒸着法またはスパッタリング法で基板上に形成する金属薄膜は、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
本発明に係る光輝性顔料および光輝性塗膜用塗料組成物によれば、安価で電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズ(反射率が小さく黒っぽい外観から、反射率が大きく明るい金属光沢の外観まで)にも対応でき、意匠性に優れた塗膜を得ることができ、かつ、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる。
また、本発明に係る光輝性塗膜用塗料組成物によれば、塗装法により前記特性を有する薄膜が形成できるので、電気メッキ処理を用いて光輝性薄膜を形成する場合と比べて、施工性に優れ、大きな部品の場合、特に施工性においてきわめて有利である。
さらに、本発明に係る光輝性顔料の製造方法は、湿式法によるため、生産性が高く、顔料のコストが安くなる利点がある。
本発明者は、無電解メッキ法を用いて、または無電解メッキを行った後に電気メッキ法を用いて形成した金属薄膜(同一または異種の金属薄膜を積層したものを含む)を基板より剥離し、粉砕して作製した薄膜フレーク状金属片を、光輝性顔料として用いることにより、良好な特性、すなわち、安価で電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズにも対応でき、かつ、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者は、前記無電解メッキ法により金属薄膜を形成する方法を、蒸着法またはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する方法に代えてもよいことを見出した。
1.光輝性顔料
本発明に係る光輝性顔料は、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜フレーク状金属片からなり、かつ、該薄膜フレーク状金属片の表面反射率が550nmの波長の光に対して10〜70%である。
本発明に係る光輝性顔料を、薄膜フレーク状金属片から構成する理由は、光輝性顔料において表面反射率が重要な性能の1つであるところ、薄膜フレーク状金属片は、その表面のうちに平面が占める割合が高いため、表面反射率が大きくなるからである。
これらの薄膜フレーク状金属片を光輝性顔料として用いることにより、光輝感の強い塗膜が形成され、色調の調整等も容易に行えるからである。
また、前記薄膜フレーク状金属片上に、さらに電気メッキ法で、クロム、チタン、ニッケル及びそれらの合金から選ばれた少なくとも1種の金属薄膜を形成することが、耐食性の点で好ましい。
該薄膜フレーク状金属片は、無電解メッキ法を用いて、または無電解メッキを行った後に電気メッキ法を用いて基板上に形成した金属薄膜(同一または異種の金属薄膜を積層したものを含む)を基板より剥離させ、粉砕することにより得ることができる。
また、前記無電解メッキ法により金属薄膜を形成する方法を、蒸着法またはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する方法に代えてもよい。蒸着法またはスパッタリング法で基板上に形成する金属薄膜は、導電性を得ることを目的としており、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる金属薄膜であることが好ましい。
無電解メッキ法で金属薄膜を作製する際の基板には、プラスチックや金属の板を用いることが好ましく、成膜後にメッキ膜が剥離できるように、該基板上にアクリル、ポリエステル、ゴム系、フェノール樹脂などを薄く塗布する。そして、該基板を無電解メッキ液に浸漬して、任意成分からなる無電解メッキ膜を得ることができる。金属片の膜厚が用途に応じた膜厚になるように、金属薄膜作製時のメッキ時間で制御することが望ましい。
以上述べてきた方法で得られる薄膜フレーク状金属片の表面反射率は、550nmの波長の光に対して10〜70%であることが好ましい。表面反射率をこのような範囲とすることで、得られる耐食光輝性塗膜を、電気クロムメッキに近い表面反射率および外観を有する塗膜とすることができる。上記範囲から外れると、電気クロムメッキに近い表面反射率および外観を有する塗膜とすることができない。
上記の表面反射率を得るためには、使用する薄膜フレーク状金属片の厚さおよび大きさについて、膜厚を10〜200nm、大きさを定方向径(金属片に外接する長方形の縦、横の辺の長さのうち長い方の辺の長さを言う。)で5〜40μmとすることが好ましい。これにより、フレーク状金属片の各金属膜の表面反射率を、上記の表面反射率の範囲内に、適宜調整することができる。
前記薄膜フレーク状金属片の膜厚が10nmより薄いと光輝感が乏しくなり、光を透過するようになる。200nmよりも厚くなると、該薄膜フレーク状金属片が重なって塗膜が形成された場合に、段差が付き乱反射を起こし、白っぽい色になり光輝感が損なわれてしまい好ましくない。また、厚さが200nmを超えても、表面反射率に変化はなく、薄膜作製に時間がかかり、コスト高になる。
前記薄膜フレーク状金属片の大きさは、定方向径が5μmよりも小さいと反射面積が小さく光輝感が乏しくなる。また、40μmを越えると、塗装膜に緻密感がなくなってしまう。また、塗装ラインの集塵フィルターを通過できなくなる可能性も出てくる。
前記無電解メッキ法あるいは電気メッキ法で作製された金属薄膜の膜厚は10〜200nmであることが好ましい。厚さが10nmより薄いと、下地が透けて見え、白っぽい外観になり、表面反射率が下がりすぎてしまう。一方、厚さが200nmを超えると、塗膜中のフレーク状金属片に生じる応力が大きくなり、フレーク状金属片に割れが入る可能性が高くなる。また、厚さが200nmを超えても、表面反射率に変化はなく、成膜に長時間かかるだけであり、かえってコストが上昇してしまう。
湿式メッキ法(無電解メッキ法あるいは電気メッキ法)で樹脂基板上に作製した薄膜を基板とともに溶剤に浸し、該基板に薄膜を形成する前に塗布した薄い樹脂層を溶かすことで、該基板上に作製した薄膜を該樹脂基板から剥離することができ、得られた薄膜を粉砕することにより任意の大きさの薄膜フレーク状金属片を得ることができる。溶剤としては、例えばケトン系の溶剤を用いることができる。得られた薄膜の粉砕方法としては、ボールミルなどの従来の手法や、溶液中に入れた後に超音波を適用した手法を用いることができる。あるいは、基板に形成した薄膜を、基板ごと溶液中に入れた後に、化学的に基板より剥離させながら粉砕することもできる。
明るい色調の金属片を得るためには、本発明に係る光輝性顔料を構成する薄膜フレーク状金属片が、ニッケル、錫、銅、銀、金、ニッケル合金、錫合金、銅合金、銀合金、金合金からなっていることが望ましい。
耐食性を高めるには、前記薄膜フレーク状金属片上に、クロム、チタン、ニッケルをメッキして、金属薄膜を積層することが望ましい。また、無電解メッキで得られた金属薄膜上に、さらに電気メッキでクロムやチタンやニッケルの薄膜を成膜して得られた薄膜フレーク状金属片を顔料として用いることにより、光輝感の強い塗膜を形成することができる。成膜された2層目の金属(クロム、チタン、ニッケル)は、反射率が高く、薄膜フレーク状金属片の反射率の向上に寄与し、また、酸化膜になりやすく、不動態化して、耐食性の向上にも寄与する。
クロム、チタン、ニッケルをメッキして得られる薄膜フレーク状金属片において、クロム、チタン、ニッケルによるメッキは、主として耐食性を向上させるために形成されるが、同時に、薄膜フレーク状金属片の表面反射率を高くすることができる。なお、クロム、チタンおよびニッケルの各元素の表面反射率は、およそ、550nmの波長の光に対して、それぞれ60%、56%、58%である。
無電解メッキ法あるいは電気メッキ法で得られた薄膜の上にさらに電気メッキ薄膜を形成し、それぞれの薄膜の色調を変えることにより、2色の反射色を持った薄膜フレーク状金属片も作製でき、意匠的に優れたものとすることができる。
例えば、無電解めっき法で銅薄膜を成膜し、次にクロム薄膜を電気メッキ法で成膜すると、得られた薄膜フレーク状金属片の一方の側の表面は、黒っぽく反射率の低い薄膜となり、反対側の表面は、明るい金属光沢の反射率の高い状態となる。また、蒸着法もしくはスパッタリング法で導電性の金属膜(例えばアルミ、銅、錫、ニッケル)を形成し、その上に電気メッキ法でクロム薄膜を成膜すると、得られた薄膜フレーク状金属片の一方の側の表面は、黒っぽく反射率の低い薄膜となり、反対側の表面は、明るい金属光沢の反射率の高い状態となる。このため、各表面反射率を選択することにより、新しい色調の顔料を得ることができる。
以上述べてきたように、本発明に係る顔料は、薄膜フレーク状金属片の膜厚、大きさ(定方向径)を調整したり、2層構造とすることにより、表面反射率や色調を適宜選択できるので、本発明に係る顔料を用いることにより、反射率が小さく黒っぽい外観の塗膜から、反射率が大きく明るい金属光沢の外観の塗膜まで形成することができる。
2.光輝性塗膜用塗料組成物
本発明に係る光輝性塗膜用塗料組成物は、上記のいずれかの光輝性顔料と、ビヒクルとを混合させて得ることができる。
本発明の光輝性塗膜用塗料組成物における前記光輝性顔料の好ましい含有量は、塗料組成物中のビヒクル100固形分質量部に対して、5〜30質量部である。5質量部よりも少ないと、光輝性顔料の隠蔽性が低下し、鮮明な白さを発現する塗膜を得られないおそれがあり、30質量部を超えると、塗膜外観が悪化するおそれがある。塗膜外観の観点から、より好ましくは5〜15質量部がよい。
本発明において用いるビヒクルは、前記光輝性顔料を分散させるものであって、塗膜形成用樹脂と、必要に応じて架橋剤とから、構成される。
ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等を挙げることができ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、耐候性、密着性の点から、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましい。
(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。共重合体に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。エチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等を挙げることができる。
(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂を挙げることができ、具体的には、例えば多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物を挙げることができる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸および不飽和多塩基酸を挙げることができ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等を挙げることができ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等を挙げることができ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等を挙げることができ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
(c)アルキド樹脂としては、前記多塩基酸と多価アルコールに、さらに油脂および油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂および四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fを挙げることができる。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009を挙げることができる。
(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。前記ポリイソシアネート化合物としては、2、4−トリレンジイソシアネート(2、4−TDI)、2、6−トリレンジイソシアネート(2、6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート(4、4’−MDI)、ジフェニルメタン−2、4’−ジイソシアネート(2、4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート(NDI)、3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を挙げることができる。また、前記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
以上述べてきた塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常、硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂が使用される。硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂の場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱することにより、または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と、硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂とを併用することも可能である。
本発明において使用されるビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分ではなくなる。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。なお、架橋剤としては、イソシアネート系、アミン系架橋剤等を挙げることができる。
得られた光輝性塗膜用塗料組成物を、塗装スプレー等を用いて塗装することによって、光輝性塗膜が得られる。
得られた光輝性塗膜を、電気クロムメッキに近い表面反射率や外観を有する塗膜とするために、フレーク状金属片の表面反射率を、550nmの波長の光に対して10〜70%とすることが望ましい。そして、使用するフレーク状金属片の厚さおよび大きさが前述のような所定の範囲に入るように調整するとともに、フレーク状金属片の各金属膜の表面反射率を、前記範囲内で適宜調整することが好ましい。得られる塗膜の乾燥膜厚は、5〜50μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低下するおそれがある。より好ましくは、10〜30μmである。
本発明に係る光輝性塗膜は、得られた光輝性塗膜用塗料組成物を基材に塗布して、ベースコート層としての光輝性塗膜を形成した後、該光輝性塗膜上にトップコート層として少なくとも一層のクリアー塗膜を形成することで得ることができる。
前記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地塗装をしたものである場合には、該下地塗装上にウェットオンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ(W/D)法により本発明に係る光輝性塗料組成物を塗装することができる。本発明に係る光輝性塗料組成物を該基材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましい。
形成された光輝性塗膜上にトップコート層として、クリアー塗膜を少なくとも1層形成することが好ましい。前記ベースコート層中に光輝性顔料が多く含まれる場合には、クリアー塗料を2層以上塗装すると、表面の光輝感を向上させることができる。
前記トップコート層として用いるクリアー塗料としては、上塗り用として一般に使用されている塗料を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤とを混合したものを用いることができる。また、これらのクリアー塗料は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
このようにクリアー塗料を用いて形成したトップコート層は、光輝性塗膜、および必要に応じて下地塗膜とともに120〜160℃で所定時間焼き付けられ、これにより塗膜として完成させることができる。なお、トップコート層の乾燥膜厚は1コート層につき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
以上述べたように、本発明に係る光輝性塗膜用塗料組成物を用いることにより、塗装により光輝性塗膜を得ることができるので、電気メッキ処理を用いて光輝性薄膜を形成する場合と比べて、施工性に優れ、大きな部品の場合、特に施工性においてきわめて有利である。
(実施例1)
幅30cm、長さ100cm、厚さ0.5mmのポリプロピレン板を基板として用い、該基板をアクリルラッカー塗料(日本ペイント製)溶液に浸漬した後、該基板を縦に吊るして余分な塗料は下に落とした。該基板を大気中にて60分乾燥し、約0.1μm厚さのアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を基板上に形成した。
その後、塗膜形成後の基板を無電解銅メッキ液(上村工業製、品名:スルカップ(商標))に1分間、液温50°に保ち浸漬し、30nmの膜厚の銅薄膜を、前記塗膜上に形成した。
次に、薄膜形成後のポリプロピレン板を基板ごとメチルエチルケトン(MEK)に浸すと、アクリルラッカーが溶出し、薄膜も剥離した。剥離した薄膜を、アセトンに浸漬し、アセトンに浸漬したままの状態で、超音波(出力:90W、周波数:43kHz)で、5分間、粉砕し、薄膜をフレーク状にした後、乾燥させて、フレーク状金属片を得た。得られたフレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約35μmであった。
さらに、得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、分光光度計(日立製作所製)を用い、550nmの波長の光で測定した。表面反射率は53%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片10gを、溶剤(酢酸エチル)20gに調合し、該金属片を超音波で均等に分散させた上で、アクリル樹脂に分散させて、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。
次に、得られた塗料組成物を基材に実際に塗布し、塗膜を形成して評価を行った。
基材としては、次のようなものを用いた。アルミニウム合金鋳物AC4C(Al−Si−Mg系)製の板材(厚さ3mm)に、クロメート処理により、化成被膜をクロム量に換算して80〜150g/m2となるように形成し、次に、表面を平滑にするため、アクリル粉体塗料を100μm塗布し、150℃で1時間、乾燥させた。さらに、アンダーコートとしてクリアー塗料のポリエステル・メラミン樹脂を、エアースプレーガンで30μm形成し、140℃で30分、乾燥させて基材とした。
その後、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を、前記基材上にエアースプレーで、1〜2μm塗布した。その上に、アクリル・メラミン樹脂のトップコートをエアースプレーガンで厚さ5μm、10μmおよび25μmのものを形成し、140℃で30分、乾燥させた。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来の赤のメタリック塗装材に比べて高い光輝感を持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜の耐食性について評価した。具体的には、得られた表面処理材の塗膜の表面に、1%水酸化ナトリウム、2%硫酸を滴下して塗膜の耐食性について評価するとともに、塩水噴霧試験を実施した。表面処理材の塗膜の表面に、1%水酸化ナトリウム、2%硫酸を滴下してからの放置時間は、5分、2.5時間、3.5時間、5.0時間とした。塩水噴霧試験の試験条件は、JIS H 8502に従った。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
得られた表面処理材の塗膜の表面に、1%水酸化ナトリウムを滴下して5.0時間放置した場合、および2%硫酸を滴下して5.0時間放置した場合、一部変色が見られたが、他の場合は、溶解等は見られなかった。
(実施例2)
実施例1と同様にして無電解銅メッキをした後に、クロムメッキ液(上村工業製、品名:アサヒクロム(登録商標))に1分間浸漬して電気メッキを行い、膜厚50nmのクロム薄膜を形成した。そして、実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥させて、フレーク状金属片を得た。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、クロム薄膜側から、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は65%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキの外観と裏面に赤色の色調を持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜の耐食性について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例3)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解ニッケル液(上村工業製、品名:ニムデン(登録商標))を用い、液温50℃で1分間浸漬してメッキを行い、膜厚30nmのニッケル薄膜を得た。実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥させて、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約38μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、55%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得て、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜の耐食性について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例4)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解銀メッキ液(上村工業製、品名:プレサ(登録商標))を用い、液温30℃で1分間浸漬してメッキを行い、膜厚45nmの銀薄膜を得た。実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥して、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約40μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、57%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜の耐食性について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
Figure 2006257241
(実施例5)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解金メッキ液(上村工業製、品名:ゴブライト(登録商標))を用い、液温30℃で1分間浸漬してメッキを行い、膜厚25nmの金薄膜を得た。実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥して、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約30μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、68%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感を持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例6)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解金メッキ液(上村工業製、品名:ゴブライト(登録商標))を用い、液温30℃で1分間浸漬してメッキを行い、膜厚25nmの金薄膜を得た。さらに、ニッケルめっき液(上村工業製、品名:アサヒライト(登録商標))に0.5分間浸漬して、電気メッキを行い、膜厚50nmのニッケル薄膜を形成した。
成膜後のニッケル薄膜の反射率は、55%であった。また、実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥して、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約40μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、ニッケル側から測定すると55%で、裏面の金側から測定すると68%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得られた表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例7)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解ニッケルメッキ液(上村工業製、品名:ニムデン(登録商標))を用い、液温50℃で2分間浸漬してメッキを行い、膜厚50nmのニッケル薄膜を形成した。さらに、ニッケルめっき液(上村工業製、品名:アサヒライト(登録商標))に2分間浸漬して、電気メッキを行い、膜厚50nmのニッケル薄膜を形成した。実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥させて、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約40μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、62%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例8)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、無電解ニッケルメッキ液(上村工業製、品名:ニムデン(登録商標))を用い、液温30℃に2分間浸漬してメッキを行い、50nmのニッケル膜を形成した。さらに、クロムめっき液(上村工業製、品名:アサヒクロム(登録商標))に0.5分間浸漬して電気メッキを行い、膜厚30nmのクロム薄膜を形成した。
実施例1と同様にして、薄膜を剥離し、粉砕して、その後乾燥させて、フレーク状金属片を得た。得られた薄膜フレーク状金属片の大きさ(定方向径)は約35μmであった。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は65%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例9)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、イオンプレーティング装置でニッケル膜を20nm形成した。その後、クロムめっき液(上村工業製、品名:アサヒクロム(登録商標))に0.5分間浸漬して電気メッキを行い、ニッケル膜上に膜厚30nmのクロム薄膜を形成した。その他の処理、条件は実施例1と同じとした。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は62%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
(実施例10)
実施例1と同様にして基板上にアクリルラッカー塗料の平滑な塗膜を形成した後、アクリルラッカーの上にイオンプレーティング装置で銅膜を40nm形成した。その後、クロムめっき液(上村工業製、品名:アサヒクロム(登録商標))に0.5分間浸漬して電気メッキを行い、銅膜上に膜厚30nmのクロム薄膜を形成した。その他の処理、条件は実施例1と同じとした。
得られた薄膜フレーク状金属片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は62%であった。
得られた薄膜フレーク状金属片0.01gを、溶剤(酢酸エチル)90gに調合した以外は、実施例1と同様にして、本実施例の光輝性塗膜用塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。その結果、トップコートの厚さにかかわらず、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。なお、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の評価結果はすべて同様の結果が得られた。
Figure 2006257241
(比較例1)
10cm角、厚さ1mmのポリプロピレン板の基板を用い、アクリルラッカー塗料(日本ペイント製)溶液に浸漬し取り出して、基板表面に厚さ約0.1μmのアクリルラッカー塗料の塗膜を形成した。
その後、蒸着装置として、電子銃を備え、金属を蒸発させる坩堝を3個有するイオンプレーティング装置(神港製作所製)を用い、蒸発源をAlのみとし坩堝にそれぞれ配置した。
前記アクリルラッカー塗料の塗膜を形成した基板を蒸着装置内に配置した後、前記蒸発源を蒸発させ、該基板上に、蒸着法により、厚さ20nmの薄膜を形成した。ここで、電子銃の成膜電流は230mAとし、5分間成膜を行った。得られた薄膜の反射率は80%であった。
次に、ポリプロピレン板を基板ごとアセトンに浸すと、アクリルラッカーが溶出し、薄膜も剥離した。剥離した薄膜を、アセトンに浸漬したまま、超音波(出力:90W、周波数:43kHz)で、5分間、粉砕し、乾燥して、フレーク状金属片を得た。得られたフレーク状金属片の大きさは約44μmであった。
さらに、得られたAlフレークの表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、70%であった。
得られたAlフレーク1gを、溶剤(メチルエチルケトン(MEK))99gに調合し、該金属片を超音波で均等に分散させた上で、アクリル樹脂に分散させて、本比較例の塗料組成物を得た。そして、実施例1と同様にして塗膜を得て、表面処理を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れはなかった。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目に基づき、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材の塗膜について評価した。具体的な評価方法は実施例1と同様である。
1%水酸化ナトリウムを滴下した場合、試験時間2.5時間で塗膜中のAlフレークが溶解していた。また、2%硫酸を滴下した場合、5.0時間で塗膜中のAlフレークが溶解していた。試験結果を表3に示す。
Figure 2006257241

Claims (17)

  1. 薄膜フレーク状金属片からなる光輝性顔料であって、該薄膜フレーク状金属片が銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなり、かつ、該薄膜フレーク状金属片の表面反射率が550nmの波長の光に対して10〜70%であることを特徴とする光輝性顔料。
  2. 2層構造の薄膜フレーク状金属片からなる光輝性顔料であって、該薄膜フレーク状金属片の1層目が銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜からなり、2層目がクロム、チタン、ニッケル、クロム合金、チタン合金、ニッケル合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜からなることを特徴とする光輝性顔料。
  3. 前記2層構造の薄膜フレーク状金属片の1層目の表面反射率および2層目の表面反射率が、いずれも550nmの波長の光に対して10〜70%であることを特徴とする請求項2に記載の光輝性顔料。
  4. 膜厚が10〜200nmであり、大きさが定方向径で5〜40μmである請求項1〜3のいずれかに記載の光輝性顔料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光輝性顔料と、ビヒクルとを含有することを特徴とする光輝性塗膜用塗料組成物。
  6. 請求項5に記載の光輝性塗膜用塗料組成物を用いて形成したことを特徴とする光輝性塗膜。
  7. 無電解メッキ法を用いて薄膜フレーク状金属片を作製することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  8. 蒸着法またはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いてさらに金属薄膜を形成して、薄膜フレーク状金属片を作製することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  9. (a)無電解メッキ法で基板上に金属薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程2と、を有することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  10. 前記工程1で形成する金属薄膜の膜厚を10〜200nmとすることを特徴とする請求項9に記載の光輝性顔料の製造方法。
  11. (a)無電解メッキ法で基板上に金属薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて金属薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜上に、無電解メッキ法または電気メッキ法で、前記工程1で形成した金属薄膜の金属と同一または異種の金属からなる薄膜を形成して2層構造の金属薄膜を得る工程2と、前記工程2で形成した2層構造の金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程3と、を有することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  12. 前記工程2で形成する2層構造の金属薄膜の膜厚を10〜200nmとすることを特徴とする請求項11に記載の光輝性顔料の製造方法。
  13. (a)無電解メッキ法を用いることにより、基板上に、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属の薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程2と、を有することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  14. 前記工程1で形成する薄膜の膜厚を10〜200nmとすることを特徴とする請求項13に記載の光輝性顔料の製造方法。
  15. (a)無電解メッキ法を用いることにより、基板上に、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成するか、または、(b)蒸着法もしくはスパッタリング法で基板上に金属薄膜を形成した後、該金属薄膜の上に電気メッキ法を用いて銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成する工程1と、前記工程1で形成した金属薄膜上に、無電解メッキ法または電気メッキ法で、クロム、チタン、ニッケル、クロム合金、チタン合金、ニッケル合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなる薄膜を形成して2層構造の金属薄膜を得る工程2と、前記工程2で形成した2層構造の金属薄膜を基板から剥離し、粉砕することにより薄膜フレーク状金属片を得る工程3と、を有することを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
  16. 前記工程2で形成する2層構造の金属薄膜の膜厚を10〜200nmとすることを特徴とする請求項15に記載の光輝性顔料の製造方法。
  17. 蒸着法またはスパッタリング法で基板上に形成する金属薄膜が、銅、銀、錫、ニッケル、金、銅合金、銀合金、錫合金、ニッケル合金、金合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属からなることを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載の光輝性顔料の製造方法。
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