JP2006256280A - 射出成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アキュームレータ装置の駆動機構及び制御系がピストンの熱、可塑化樹脂の熱影響を受けることがなく、安定した動作を行うことができる射出成形装置を提供することにある。
【解決手段】合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置11と、可塑化装置11の流出路と連通するシリンダ21及びこのシリンダ21内に設けられたピストン23とからなり、可塑化装置11から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置12と、アキュームレータ装置12から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置13とを備えた射出成形装置において、アキュームレータ装置12の上部にピストン23を進退駆動する駆動モータ45を設け、ピストン23と駆動モータ45との間に遮熱手段としての断熱材32を設けたことを特徴とする。
【選択図】図7
【解決手段】合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置11と、可塑化装置11の流出路と連通するシリンダ21及びこのシリンダ21内に設けられたピストン23とからなり、可塑化装置11から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置12と、アキュームレータ装置12から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置13とを備えた射出成形装置において、アキュームレータ装置12の上部にピストン23を進退駆動する駆動モータ45を設け、ピストン23と駆動モータ45との間に遮熱手段としての断熱材32を設けたことを特徴とする。
【選択図】図7
Description
この発明は、アキュームレータ装置を介して合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と射出装置とを接続した射出成形装置に関する。
射出成形用金型に溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出成形装置において、合成樹脂材料を可塑化する連続可塑化装置と、可塑化樹脂を計量して射出成形用金型に射出する射出装置との間にアキュームレータ装置を設け、連続可塑化装置から供給された可塑化樹脂をアキュームレータ装置に一時的に貯溜し、射出装置の射出タイミングに合わせてアキュームレータ装置のシリンダに貯溜されている可塑化樹脂をピストンによって射出装置に供給する連続可塑化式射出成形装置が知られている。
この連続可塑化式射出成形装置は、連続可塑化装置が連続運転され、連続可塑化装置から可塑化樹脂がアキュームレータ装置に押出されると、アキュームレータ装置のシリンダ内のピストンが樹脂吐出圧によって押し上げられることにより、連続可塑化装置からアキュームレータ装置のシリンダに供給される。また、シリンダ内のピストンが駆動装置によって押し下げられ、シリンダの開閉バルブが開くと、シリンダ内に貯溜されている可塑化樹脂が射出装置の射出シリンダに供給される。
射出シリンダの射出プランジャが後退して1回の射出に必要な量の可塑化樹脂を計量すると、シリンダの開閉バルブが閉じ、射出プランジャが前進するとともに、射出シリンダの開閉バルブが開くと、射出シリンダから射出成形用金型に可塑化樹脂が射出され、1回の成形サイクルが終了するようになっている。
前述のように構成された連続可塑化式射出成形装置は、アキュームレータ装置のシリンダの底部が射出装置の射出シリンダの側壁に直結されており、シリンダ内のピストンが駆動装置によって押し下げられると、シリンダの底部に設けられた開口から可塑化樹脂が射出装置の射出シリンダに供給されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3,007,920号公報
ところで、前述した連続可塑化式射出成形装置は、連続可塑化装置から可塑化樹脂がアキュームレータ装置のシリンダに押出されると共に、アキュームレータ装置のシリンダから可塑化樹脂が射出装置の射出シリンダに押出される。アキュームレータ装置のシリンダは可塑化樹脂を一時的に貯留するためにアキュームレータ装置のシリンダをヒータによって加熱する必要がある。従って、ピストンは、ヒータ及び高温度の可塑化樹脂によって加熱される。一方、ピストンの上部にはアキュームレータ装置を駆動する油圧シリンダあるいはサーボモータ等の電動モータ、位置制御用のリニアスケールが設けられている。
従って、アキュームレータ装置を駆動する油圧シリンダあるいはサーボモータ等の電動モータ、位置制御用のリニアスケールがピストンの熱、可塑化樹脂の熱によって加熱され、駆動及び制御に悪影響を及ぼすという問題がある。
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、アキュームレータ装置の駆動機構及び制御系がピストンの熱、可塑化樹脂の熱影響を受けることがなく、安定した動作を行うことができる射出成形装置を提供することにある。
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置とを備えた射出成形装置において、前記アキュームレータ装置の上部に前記ピストンを進退駆動する駆動機構を設け、前記ピストンと前記駆動機構との間に遮熱手段を設けたことを特徴とする。
請求項2は、合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置とを備えた射出成形装置において、前記アキュームレータ装置の上部に電動モータ及びこの電動モータの回転を直線運動に変換して前記ピストンを進退駆動するボールねじ機構を設け、前記ピストンと前記ボールねじ機構との間に遮熱手段を設けたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1または2記載の前記遮熱手段は、断熱材であることを特徴とする。
請求項4は、請求項1または2記載の前記遮熱手段は、ウォータジャケットであることを特徴とする。
請求項5は、合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置とを備えた射出成形装置において、前記アキュームレータ装置の上部に前記ピストンを進退駆動する駆動機構を設け、前記駆動機構の下部に上昇する熱気を遮熱する遮熱手段を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、遮熱手段を設けることにより、アキュームレータ装置の駆動機構及び制御系がピストンの熱、可塑化樹脂の熱影響を受けることがなく、安定した動作を行うことができるという効果がある。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に基づいて連続可塑化式射出成形装置の概略的構成を説明すると、合成樹脂材料を可塑化する連続可塑化装置11と、この連続可塑化装置11と連通して設けられ、供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置12と、このアキュームレータ装置12から供給された可塑化樹脂を計量・射出する射出装置13とから構成されている。そして、射出装置13から射出される可塑化樹脂は型締装置14に設けられた後述する射出成形用金型に充填されるようになっている。
連続可塑化装置11には平行2軸の可塑化スクリュを内蔵した横型の可塑化シリンダ15が設けられ、可塑化シリンダ15の基端側には駆動装置16が設けられている。駆動装置16はインバータモータ17等によって構成され、インバータモータ17の回転軸からギアボックス18を介して可塑化スクリュに回転力が伝達され、平行2軸の可塑化スクリュは同方向に同一速度で回転するようになっている。この可塑化スクリュは軸方向の基端側から先端側に向かって例えばフィード部、混練部、圧縮部として機能するように、スクリュの形状が異なるスクリュエレメントに分割されている。しかも、平行2軸の可塑化スクリュが可塑化シリンダ15の内部で接触しながら同方向に連続回転して合成樹脂材料をヒータ19によって加熱しながら混練し、可塑化シリンダ15の流出路20から流出するようになっている。
従って、連続可塑化装置11は、供給される合成樹脂材料がパウダー、粉砕物でも加熱しながら混練して可塑化することが可能である。従来の一般的な可塑化装置は、1軸の可塑化スクリュであるため混練能力が低い。このため、パウダー状の合成樹脂材料を加熱・混練してペレット状に造粒し、ペレット状の合成樹脂を可塑化装置に供給しているが、本装置の連続可塑化装置11によれば、パウダー状の合成樹脂材料を可塑化できることから造粒工程が省け、省力化、省エネルギー化を図ることができる。
次に、前記アキュームレータ装置12について説明すると、図4〜図8に示すように縦型のシリンダ21を備えている。シリンダ21の側壁には開口15aが設けられ、この開口15aは可塑化シリンダ15の流出路20と連通している。さらに、シリンダ21の内部のアキュームレータ室22にはピストン23が上下方向に移動自在に設けられている。シリンダ21の周囲にはヒータ24が巻装され、内部の可塑化樹脂を加熱して可塑化状態に保つようになっている。
シリンダ21の上端部には例えばセラミックス等の剛性を有するプレート状の断熱材25が水平状態に固定され、断熱材25の上面に支持部材26が重ねて固定されている。支持部材26の上部にはピストン23を挟んで対称的に2個の軸固定部材27が設けられ、これら軸固定部材27にはピストン23と平行にガイド軸28が鉛直方向に突設されている。これらガイド軸28の上端部は支持プレート29に固定された円筒状のケース30が嵌合され、ガイド軸28が平行に保たれている。さらに、支持部材26には軸固定部材27の周囲を囲むように突出環27aが設けられ、ガイド軸28を伝わって流れ落ちるグリスを受け止めるようになっている。
ピストン23の上端部にはスペーサ31を介して例えばセラミックス等の剛性を有する遮熱手段としてのプレート状の断熱材32が固定され、この断熱材32の上面にはボールねじ機構33を構成するナット部材34が重ねて固定されている。ナット部材34の中央部にはねじ穴35が上下方向に貫通して設けられ、ねじ穴35にはボールねじ機構33を構成するねじ軸36が螺合されている。そして、ピストン23とボールねじ機構33を構成するナット部材34とを2枚の断熱材25,32によって熱的に遮断し、ボールねじ機構33を駆動する後述する駆動機構としての電動モータ45に、ヒータ24の熱やアキュームレータ室22内の可塑化樹脂の熱影響を与えない構造としている。
さらに、ナット部材34の両端部にはねじ穴35を挟んで対称的に嵌合穴37が設けられている。これら嵌合穴37には前記ガイド軸28に摺動自在に嵌合するブッシュ38が設けられている。従って、ナット部材34はガイド軸28に案内されて上下動するようになっている。
ナット部材34の上部にはボールねじ機構33を構成するねじ軸36に嵌合して軸荷重を測定する歪ゲージ等のロードセル39が設けられている。ロードセル39の上部にはねじ軸36に嵌合するガイド筒40を介して軸受部材41が設けられている。軸受部材41にはねじ軸36を回転自在に支持する軸受42が設けられている。さらに、ねじ軸36の上端部には大径の従動プーリ43が嵌着されている。
軸受部材41には取付け板44が固定され、この取付け板44にはサーボモータからなる電動モータ45がその回転軸46を鉛直方向に、しかも上向きに取付けられている。電動モータ45の回転軸46には小径の駆動プーリ47が嵌着され、駆動プーリ47と従動プーリ43との間にはベルト48が掛け渡されている。
従って、電動モータ45の回転が駆動プーリ47→ベルト48→従動プーリ43の順に伝わり、電動モータ45の回転がねじ軸36に減速して伝わる減速機構45aを構成している。減速機構45aを設けることにより、電動モータ45の駆動トルクを増幅でき、電動モータ45の小型化、コストダウンを図ることができる。
さらに、電動モータ45がその回転軸46を鉛直方向に、しかも上向きに取付け、ボールねじ機構33を構成するねじ軸36と平行に隣接して設けることにより、電動モータ45を含む減速機構45aが上方に突出することはなく、装置全体の高さ寸法を低く構成でき、装置全体の小型化を図ることができる。また、電動モータ45としてサーボモータを用いることにより、ピストン23の位置決めはエンコーダ等によって行うことができ、リニアスケール等の位置測定手段が不要となる。
また、電動モータ45の駆動によって回転するねじ軸36の回転が、これと螺合するナット部材34によって直線運動に変換され、ナット部材34がガイド軸28に案内されて上下動するようになっている。
ナット部材34とねじ軸36とは相対的に上下動するため、ピストン23の上端部にはその軸方向にねじ軸36の逃げ部及びグリス溜り部を形成する軸嵌合穴49が設けられている。そして、ナット部材34がねじ軸36と相対的に上下動し、ピストン23がナット部材34と一体に上昇したときにはねじ軸36の下端部が軸嵌合穴49に没入し、ピストン23がナット部材34と一体に下降したときにはねじ軸36の下端部が軸嵌合穴49から抜出するようになっている。
また、軸嵌合穴49は密閉されているため、ねじ軸36の下端部が軸嵌合穴49に没入したとき、軸嵌合穴49の内部の空気の逃げが必要になる。そこで、ナット部材34にはピストン23の軸嵌合穴49と外部とを連通して空気抜きを形成する空気通路50が設けられている。空気通路50はナット部材34を横方向に貫通する横穴50aと、横穴50aと連通してナット部材34、スペーサ31及び断熱材32を縦方向に貫通する縦穴50bと、縦穴50bと連通してピストン23の軸嵌合穴49に沿って軸嵌合穴49の内底部に通じる延長縦穴50cとから構成されている。そして、ピストン23がナット部材34と一体に上昇してねじ軸36の下端部が軸嵌合穴49に没入したとき、軸嵌合穴49の内部の空気が空気通路50を介して外部に逃げるようになっている。このとき、同時に軸嵌合穴49の内部に溜まっていたグリスを空気通路50を介して外部に逃がすことができる。
また、前記シリンダ21の下端部にはシリンダヘッド51がボルト52によって固定されている。シリンダヘッド51には下方に向って先細になるテーパ凹面53を有する空洞54が設けられている。そして、前記ピストン23の下端部にはシリンダヘッド51のテーパ凹面53に密接するように下方に向って先細になるテーパ凸面55が形成されている。
シリンダヘッド51の空洞54は小径穴の連通穴56を介して大径穴の嵌合穴57に連通している。この嵌合穴57には小径の連通穴56と同心的な樹脂流出口58を有する接続筒59が嵌合されている。
接続筒59はシリンダヘッド51に対して軸方向及び周方向に移動自在に接続されている。さらに、接続筒59の上端部には連通穴56の内周面に密接する薄肉部60を有する下方に向って先細のテーパ管61が一体に設けられ、シリンダヘッド51と接続筒59とのシール手段62を構成している。
つまり、アキュームレータ室22内の可塑化樹脂の温度は、160℃〜230℃に及ぶが可塑化樹脂の熱によってシリンダ21が軸方向に膨張しても、また歪等によってシリンダ21が周方向に捩れが発生しても、接続筒59はシリンダヘッド51に対して軸方向及び周方向に移動自在に接続されているために、シリンダ21と連結される射出装置13の射出シリンダ64に変形等に影響を及ぼさないように構成されている。さらに、シリンダ21内の可塑化樹脂の樹脂圧力によって薄肉部60が拡径してシリンダヘッド51の連通穴56の内周面に密接し、樹脂漏れを防止するシール手段62を構成している。
さらに、接続筒59の下端部にはバルブブロック63が固定されている。このバルブブロック63は前記射出装置13の横型の射出シリンダ64の側壁にボルト65によって固定されている。従って、射出装置13にはアキュームレータ装置12が搭載されている。バルブブロック63には接続筒59の樹脂流出口58と同心的に樹脂流出路66が設けられ、この樹脂流出路66にはロータリバルブからなる開閉バルブ67が設けられている。
次に、前記射出装置13について説明すると、図1及び図3に示すように、射出シリンダ64の内部には射出プランジャ68が進退自在に設けられている。射出シリンダ64の周囲には内部の可塑化樹脂を加熱して溶融状態を保つヒータ(図示しない)が巻装されている。さらに、射出シリンダ64の先端側の内腔には計量室69が形成されている。この計量室69はアキュームレータ装置12のシリンダ21に設けられた樹脂流出路66と連通していると共に射出ノズル70に接続されている。
射出シリンダ64は、前記連続可塑化装置11と共に移動フレーム71に搭載され、移動フレーム71は固定フレーム72に搭載されている。移動フレーム71は電動モータ73とボールねじ機構74からなるフレーム駆動装置75と連結され、射出装置13を連続可塑化装置11と共に前進・後退するようになっている。移動フレーム71の前部側には図1、図9及び図10に示すように、剛性を有する構造体としてのシリンダ支持部材76が固定され、このシリンダ支持部材76によって射出シリンダ64の基端部を支持している。シリンダ支持部材76の上部にはアキュームレータ支持部材77が設けられ、アキュームレータ支持部材77にはアキュームレータ装置12のシリンダ21が固定されている。
すなわち、アキュームレータ装置12は、その側部が連続可塑化装置11に固定され、下部が射出シリンダ64に固定されている。しかし、アキュームレータ装置12は、その重量が大きいため、アキュームレータ装置12の重量で射出シリンダ64が下方へ変形するのを防止するためにシリンダ支持部材76でも支持する構造を採用している。
さらに、シリンダ支持部材76の上面にはアキュームレータ支持部材77が射出シリンダ64の軸方向に摺動自在に支持されている。すなわち、アキュームレータ支持部材77は、図9に示すように、基部77aの上下に左右に突出するフランジ部77b,77cが設けられている。上部のフランジ部77bはボルト77dによってシリンダ21の側壁に取付けられた取付け板21aに固定されている。下部のフランジ部77cはシリンダ支持部材76の上面にボルト77eによって取付けられた受け駒77fに摺動自在に支持されている。従って、射出シリンダ64が可塑性樹脂やヒータの熱によって加熱されて軸方向に膨張した場合、シリンダ支持部材76とアキュームレータ支持部材77との間で滑り、熱膨張を吸収してアキュームレータ装置12に変形等の影響を及ぼさないように構成されている。
また、図10及び図11に示すように、前記移動フレーム71にはその移動方向に沿ってガイドレール78が設けられている。このガイドレール78には移動ブロック79が搭載されている。移動ブロック79は移動フレーム71に幅方向に延長して形成され、この移動ブロック79の両端部にはそれぞれボールねじ機構80を構成するナット部材81が離間して平行に設けられている。
移動ブロック79と対向するシリンダ支持部材76にはナット部材81と同心的に軸受82が設けられ、これら軸受82にはボールねじ機構80を構成するねじ軸83が回転自在に軸支されている。一対のねじ軸83はナット部材81に螺合されており、ねじ軸83の回転によって移動ブロック79がガイドレール78にガイドされて移動するようになっている。
さらに、一対のねじ軸83には従動プーリ84が嵌着されている。この従動プーリ84の上部に位置するシリンダ支持部材76にはサーボモータからなる電動モータ85が固定され、この電動モータ85の回転軸には駆動プーリ86が嵌着されている。駆動プーリ86と従動プーリ84との間にはベルト87が掛け渡されている。そして、電動モータ85の駆動によって回転するねじ軸83の回転が、これと螺合するナット部材81によって直線運動に変換され、ナット部材81と一体に移動ブロック79がガイドレール78にガイドされて移動するようになっている。
また、射出装置13の射出シリンダ64の後端部には貫通穴88が設けられ、射出プランジャ68のプランジャロッド89は貫通穴88を貫通して後方に突出している。プランジャロッド89の突出端部は連結具90を介して前記移動ブロック79に連結されている。そして、移動ブロック79の移動によって射出プランジャ68が射出シリンダ64の内部で進退するようになっている。
また、射出シリンダ64の射出ノズル70は、射出時に型締装置14に設けられた射出成形用金型91のノズルタッチ面92に接合されるようになっている。射出成形用金型91にはノズルタッチ面92と樹脂通路を介して連通するキャビティ(図示しない)が設けられ、キャビティに可塑化樹脂が充填されて成形品が成形されるようになっている。
次に、前述のように構成された連続可塑化式射出成形装置の作用について説明する。合成樹脂材料、例えばポリプロピレン等のパウダーとマイカ等の強化あるいは充填材料が混入された材料が連続可塑化装置11の可塑化シリンダ15に供給される。連続可塑化装置11のインバータモータ17は連続駆動しており、インバータモータ17の回転はギアボックス18を介して2軸の可塑化スクリュに伝達される。可塑化スクリュは軸方向にフィード部、混練部、圧縮部としての機能するスクリュを持ち、可塑化シリンダ15の内部で接触しながら同方向に連続回転し、しかもヒータ19によって加熱されているため、パウダー状の合成樹脂材料は均一に加熱溶融・混練されて可塑化樹脂となる。
可塑化樹脂は可塑化シリンダ15の流出路20から押出され、アキュームレータ装置12のシリンダ21に押出され、その内部に可塑化樹脂が蓄積される。
この間、射出装置13の射出プランジャ68は1サイクル前の射出及び保圧工程を行っている。この保圧工程が完了したところで、射出プランジャ68が後退してアキュームレータ装置12のシリンダ21の開閉バルブ67が開く。従って、アキュームレータ室22内の可塑化樹脂は樹脂流出路66から射出シリンダ64の計量室69に流入する。
このとき、アキュームレータ装置12の電動モータ45は回転し、駆動プーリ47→ベルト48→従動プーリ43→ねじ軸36と動力が伝達される。ねじ軸36の回転によってナット部材34がガイド軸28に案内されて下降する。ナット部材34にはピストン23が連結されているため、ピストン23は押出限位置まで下降する。
ピストン23の下降に伴ってアキュームレータ室22の下部、つまり、シリンダヘッド51の空洞54は可塑化樹脂の樹脂圧力によって高まり、その樹脂圧力によって接続筒59の薄肉部60が拡径してシリンダヘッド51の連通穴56の内周面に密接し、樹脂漏れを防止するという効果がある。
このようにして1回の射出に必要な所定量の可塑化樹脂がアキュームレータ室22から射出シリンダ64の計量室69に流出して計量されると、開閉バルブ67が閉じる。そして、アキュームレータ装置12の電動モータ45は逆転し、駆動プーリ47→ベルト48→従動プーリ43→ねじ軸36と動力が伝達される。ねじ軸36の逆方向の回転によってナット部材34がガイド軸28に案内されて上昇する。ナット部材34にはピストン23が連結されているため、ピストン23は上昇する。ピストン23の上昇に伴ってねじ軸36の下端部が軸嵌合穴49に没入し、軸嵌合穴49の内部の空気及びグリスが空気通路50を介して外部に逃げる。
一方、射出装置13の電動モータ85は回転し、駆動プーリ86→ベルト87→従動プーリ84→ねじ軸83と動力が伝達される。ねじ軸83の回転によってナット部材81が引き寄せられ、ナット部材81が移動ブロック79と一体にガイドレール78に案内されて前進する。移動ブロック79にはプランジャロッド89が連結されているためプランジャロッド89と一体に射出プランジャ68が前進し、計量室69内の可塑化樹脂が射出ノズル70から射出成形用金型91のキャビティに射出して成形を行う。
前述したように、連続可塑化装置11が連続運転するのに対し、射出装置13は間欠的に動作して可塑化樹脂を射出成形用金型91に射出して成形を行うため、連続可塑化装置11から連続的に送り出される可塑化樹脂をアキュームレータ装置12に一時的に貯溜し、射出装置13の射出タイミングに合わせてアキュームレータ装置12から可塑化樹脂を計量室69に流入することができる。
図12はこの発明の第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態のピストン23の上端部には例えばセラミックス等の剛性を有する遮熱手段としてのプレート状の第1の断熱材101が設けられている。第1の断熱材101は、筒部102と、この筒部102と一体に形成された鍔部103とからなり、筒部102はピストン23の上端部に設けられた軸嵌合穴49の内周面に嵌合され、鍔部103はピストン23の上端面にボルト104によって固定されている。第1の断熱材101の上面には例えばセラミックス等の剛性を有する遮熱手段としてのプレート状の第2の断熱材105が固定され、この第2の断熱材105の上面にはボールねじ機構33を構成するナット部材34が重ねて固定されている。ナット部材34の中央部にはねじ穴35が上下方向に貫通して設けられ、ねじ穴35にはボールねじ機構33を構成するねじ軸36が螺合されている。そして、ピストン23とボールねじ機構33を構成するナット部材34とを2枚の断熱材101,105によって熱的に遮断し、ボールねじ機構33を駆動する駆動機構としての電動モータ45に、ヒータ24の熱やアキュームレータ室22内の可塑化樹脂の熱影響を与えない構造としている。
図13はこの発明の第3の実施形態を示し、第1,2の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態のピストン23の上端部には例えばセラミックス等の剛性を有する遮熱手段としてのプレート状の断熱材106が設けられている。断熱材106は、筒部102と、この筒部102と一体に形成された鍔部103とからなり、筒部102はピストン23の上端部に設けられた軸嵌合穴49の内周面に嵌合され、鍔部103はピストン23の上端面にボルト104によって固定されている。
断熱材106の上面には遮熱手段としてのウォータジャケット107が固定され、このウォータジャケット107の上面にはボールねじ機構33を構成するナット部材34が重ねて固定されている。ウォータジャケット107は、熱伝導性が優れた金属ブロックに冷却水を通水するための冷却水路108が設けられ、断熱材106とナット部材34との間を強制的に冷却している。そして、ピストン23とボールねじ機構33を構成するナット部材34とを断熱材106とウォータジャケット107によって熱的に遮断し、ボールねじ機構33を駆動する駆動機構としての電動モータ45に、ヒータ24の熱やアキュームレータ室22内の可塑化樹脂の熱影響を与えない構造としている。
図14はこの発明の第4の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態のピストン23の上端部における外周壁には軸嵌合穴49の内部と外部とを連通する複数の放熱穴109が放射状に設けられている。一方、ボールねじ機構33を構成するねじ軸36の下端部には軸嵌合穴49の内部に臨む複数の羽根110が放射状に設けられている。
従って、ボールねじ機構33のねじ軸36が回転すると、軸嵌合穴49の内部の空気は羽根110によって撹拌され、複数の放熱穴109から外部に放出される。このように、ピストン23がヒータ24や可塑化樹脂によって加熱されても、放熱作用によってボールねじ機構33を駆動する駆動機構としての電動モータ45に、ヒータ24の熱やアキュームレータ室22内の可塑化樹脂の熱影響を与えない構造としている。
図15はこの発明の第5の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、アキュームレータ装置12のピストン23を進退駆動するボールねじ機構111のナット部材112がベアリング113を介して支持部材114に設けられている。一方、フレーム115には駆動モータ116が回転軸117を下向きにして取付けられている。回転軸117にはプーリ118が設けられ、このプーリ118はベルト120を介してボールねじ機構111のナット部材112のプーリ119に連動している。
また、駆動モータ116の下方には支持部材114に対して遮熱板121が固定ねじ122によって固定され、シリンダ21やピストン23から上昇する熱気を遮熱板121によって遮熱する遮熱手段を構成している。つまり、ボールねじ機構111を駆動する駆動機構としての電動モータ116に、ヒータ24の熱やアキュームレータ室22内の可塑化樹脂の熱影響を与えない構造としている。なお、遮熱板121は電動モータ116を含む動力伝達系から滴下するグリス等を受ける役目もする。
前述した実施形態によれば、アキュームレータ装置及び射出装置の駆動源として電動モータを用い、ボールねじ機構を駆動してシリンダ内のピストンを進退することにより、装置の全電動化が可能となり、省エネ、環境保護に貢献できるという効果がある。しかし、この発明としては、アキュームレータ装置及び射出装置の駆動源として油圧またはエアシリンダによって駆動するものにおいても同様の作用効果がある。
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
11…可塑化装置、12…アキュームレータ装置、13…射出装置、21…シリンダ、23…ピストン、32…断熱材(遮熱手段)、33…ボールねじ機構、34…ナット部材、36…ねじ軸、45…駆動モータ
Claims (5)
- 合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、
前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、
前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置と、
を備えた射出成形装置において、
前記アキュームレータ装置の上部に前記ピストンを進退駆動する駆動機構を設け、前記ピストンと前記駆動機構との間に遮熱手段を設けたことを特徴とする射出成形装置。 - 合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、
前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、
前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置と、
を備えた射出成形装置において、
前記アキュームレータ装置の上部に電動モータ及びこの電動モータの回転を直線運動に変換して前記ピストンを進退駆動するボールねじ機構を設け、前記ピストンと前記ボールねじ機構との間に遮熱手段を設けたことを特徴とする射出成形装置。 - 前記遮熱手段は、断熱材であることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形装置。
- 前記遮熱手段は、ウォータジャケットであることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形装置。
- 合成樹脂材料を可塑化する可塑化装置と、
前記可塑化装置の流出路と連通するシリンダ及びこのシリンダ内に設けられたピストンとからなり、前記可塑化装置から供給された可塑化樹脂を一時的に貯溜するアキュームレータ装置と、
前記アキュームレータ装置から供給された可塑化樹脂を射出する射出装置と、
を備えた射出成形装置において、
前記アキュームレータ装置の上部に前記ピストンを進退駆動する駆動機構を設け、前記駆動機構の下部に上昇する熱気を遮熱する遮熱手段を設けたことを特徴とする射出成形装置。
Priority Applications (1)
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JP2005080532A JP2006256280A (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 射出成形装置 |
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JP2010111020A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Toshiba Mach Co Ltd | 射出成形機 |
JP2022107765A (ja) * | 2018-03-28 | 2022-07-22 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機 |
-
2005
- 2005-03-18 JP JP2005080532A patent/JP2006256280A/ja active Pending
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