JP2006252938A - 固体高分子形燃料電池用電極およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭素材料の表面により均一な陽イオン交換樹脂の被膜を形成することにより、触媒金属が均一に担持され、超少量触媒金属担持電極における触媒金属の活性を著しく高め、優れた特性を示す固体高分子形燃料電池用電極およびその製造方法を提供する。
【解決手段】固体高分子形燃料電池用電極において、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含むことを特徴とする。また、炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で備えたことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】固体高分子形燃料電池用電極において、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含むことを特徴とする。また、炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で備えたことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池用電極およびその製造方法に関するものである。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、エネルギー変換効率が高いことおよび環境負荷が低いことによって、電気自動車用または家庭用コージェネレーションシステム用電源として有力な候補の一つである。PEFCに用いられる膜/電極接合体は、アノード、カソードおよびそれらの電極を隔てる陽イオン交換膜で構成され、電極と陽イオン交換膜とを加熱圧着で接合することによって製造する。この膜/電極接合体を備える固体高分子形燃料電池は、たとえば、アノ−ドに燃料として水素、カソ−ドに酸化剤として酸素を供給することによって、電力を発生させることができる。
固体高分子形燃料電池用電極には、例えば、特許文献1や特許文献2で開示されているように、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属が主に担持された電極が用いられている。この触媒を用いた電極は、超少量触媒金属担持電極といわれている。
この固体高分子形燃料電池用超少量触媒金属担持電極はつぎの手順で製造する。最初に、炭素材料と高分子電解質の溶液とを混合する。その混合物を電極基材に塗布したのちに、乾燥することによって、触媒金属未担持電極を形成する。つぎに、その触媒金属未担持電極を触媒金属の陽イオンを含んだ溶液に浸漬することによって、その電極に含まれる陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に陽イオンを吸着させる。最後に、その陽イオンを化学的に還元することによって、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素材料の表面との接面に担持される。
一方、固体高分子形燃料電池において、ホウ素含有量0.001〜5質量%の炭素粉に白金(Pt)触媒を担持した触媒を用いることにより、化学的腐食性や導電性が向上した、結晶性に優れた黒鉛化微細炭素粉をもちいる技術が特許文献3で開示されている。また、特許文献4には、ホウ素原子がドープされたカーボンアロイ微粒子を基材とする固体高分子形燃料電池用電極を用い、ホウ素原子のドープ量が0.5〜20原子%とし、カソード極でおこる酸素の還元反応を促進し得るカソード触媒を実現し、触媒担体の炭素材料自身に酸素還元触媒機能をもたせる技術が開示されている。
しかしながら、従来の超少量触媒金属担持電極の製造方法では、炭素材料と陽イオン交換樹脂との親和性が低いので、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂との付着状態が不均一であった。そのために、例えば白金(Pt)などの触媒金属の分布状態が不均一になるので、この触媒金属を用いた電極の触媒活性が低くなる。したがって、従来の超少量触媒金属担持電極を備えるPEFCの出力は低いものであった。
また、固体高分子形燃料電池用電極に用いる炭素にホウ素を含ませる技術があるが、ホウ素を添加した炭素を固体高分子形燃料電池用超少量触媒金属担持電極に応用した技術はなく、ホウ素の添加と炭素粒子表面に形成される陽イオン交換樹脂の被膜との関係に注目した文献はない。
そこで本発明は、炭素材料にホウ素を含むことによって、炭素材料の表面に陽イオン交換樹脂の被膜を均一に形成させることができることを見出したことに基づくものである。本発明の目的は、炭素材料の表面により均一な陽イオン交換樹脂の被膜を形成することにより、触媒金属が均一に担持され、超少量触媒金属担持電極における触媒金属の活性を著しく高め、優れた特性を示す固体高分子形燃料電池用電極およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、固体高分子形燃料電池用電極において、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の固体高分子形燃料電池用電極において、炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法に関するもので、炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第2の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第4の工程を経ることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2記載の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法に関するもので、炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で形成する第2の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第3の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第4の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第5の工程を経ることを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極に用いる炭素材料は、0.1質量%以上10質量%以下の範囲でホウ素を含んだものである。本発明のホウ素を含んだ炭素材料とは、炭素原子の一部がホウ素原子に置換したものである。
ホウ素原子は炭素原子と比べて電子数が1個少ない。このホウ素が炭素材料に含まれることによって正孔が形成されるので、炭素材料は正に帯電する。一方、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路はスルホン酸基などが存在することによって負に帯電している。この負の帯電によって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路はホウ素を含む炭素材料の表面に電気的に引き寄せられるので、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂との親和性が向上する。
炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂との親和性は、ホウ素が含んだ炭素材料に酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基が形成することによって、さらに向上する。この親和性の向上によって、炭素材料の表面に、より均一な陽イオン交換樹脂の被膜が形成される。
炭素材料の表面に触媒金属が均一に担持される結果、超少量触媒金属担持電極の触媒金属の活性が著しく高くなる。さらに、炭素材料の表面に被覆する陽イオン交換樹脂の厚みが減少することによって、陽イオン交換樹脂に含まれるプロトン伝導経路内での水素あるいは酸素の拡散距離が短縮するので、電極反応の速度が著しく向上する。以上のことから、この電極を用いたPEFCの出力は著しく向上する。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極は、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含むことを特徴とする。
本発明による超少量触媒金属担持電極の陽イオン交換樹脂と接触した炭素材料の表層の状態を示す模式図を図1に示す。比較のために、従来の超少量触媒金属担持電極の場合を図2に示す。図1および図2において、11および21は炭素材料、12および22は陽イオン交換樹脂、13および23は陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路、14および24は陽イオン交換樹脂の骨格部分、15および25は電極反応に関与する触媒金属である。
図1の炭素材料11には0.1質量%以上10質量%以下の範囲でホウ素が含む。炭素材料にホウ素が含むことによって、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との親和性が向上するので、陽イオン交換樹脂12がその表面に均一に付着する。したがって、その表面とプロトン伝導経路13との接面が増大する。
従来のように炭素材料に含んだホウ素が0.1質量%未満の場合では、その材料の表面と陽イオン交換樹脂との親和性が低いので、炭素材料表面に陽イオン交換樹脂を均一に付着させることができない。その結果、触媒金属を均一かつ高分散に担持することができない。一方、炭素材料に含むホウ素が10質量%より多い場合は、その材料の高次構造が損壊されるので、電子伝導経路が断絶する。その結果、電極内の電子伝導が低下するので、固体高分子形燃料電池の出力が低下する。
ホウ素が0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含む炭素材料に0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を形成させることによって、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との親和性が著しく向上するので、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂の接面はさらに増大する。その結果、触媒金属15は広い範囲に分散された状態で担持される。
酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基の量が0.1meq/g未満の場合では、炭素材料と陽イオン交換樹脂との親和性の更なる向上が見られなかった。その官能基の量が10.0meq/gより大きい場合では、理由は明確でないが電極内の電子伝導性が低下するので、固体高分子形燃料電池の出力が低下する。
炭素材料11としては、とくに限定されず、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。炭素材料は、触媒金属の陽イオンを含んだ化合物の還元に対して高い活性を示すものが好ましく、たとえば、デンカブラック、バルカンXC−72、ケッチェンブラックEC、ブラックパール2000等のカーボンブラックが好ましい。
炭素材料11には、0.1質量%以上10質量%以下の範囲でホウ素が含まれている。そのために、ホウ素を含む炭素材料の表面は正に帯電する。この正の帯電によって、炭素材料の表面と負に帯電している陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路が電気的に引き寄せられるので、炭素材料の表面と陽イオン交換樹脂との親和性が向上する。この向上によって、炭素材料の表面に広くかつ均一に陽イオン交換樹脂を被覆させることができる。つまり、その表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面が広い範囲に形成されるので、触媒金属が均一かつ高分散に担持される。
炭素材料に含まれるホウ素の量を測定する方法は、特に限定されないが、ICP発光分光分析(Inductively Coupled Plasma Emission SpectrosCopy)で定量する方法が好ましい。炭素材料に含むホウ素を定性する方法は、前述のICP発光分光分析あるいはX線電子分光分析(X−ray Photoelectron SpectrosCopy)から求めるのが好ましい。
さらに、本発明のホウ素を0.1質量%以上10質量%以下以下の範囲で含む炭素材料は、0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基が形成していることが好ましい。例えばカルボニル基、スルホン酸基あるいはヒドロキシル基などの酸素原子を含む官能基は、親水性を示すので、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との親和性が高い。この親和性が向上することによって、炭素材料表面と陽イオン交換樹脂との親和性がさらに向上する。
例えば、アミノ基あるいはアミド基などの窒素原子を含む官能基は、非共有電子対の存在によって正に帯電するので、炭素材料の表面と負に帯電している陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路が電気的に引き寄せあう。この帯電によって、炭素材料表面と陽イオン交換樹脂との親和性がさらに増大する。
このさらなる親和性の増大によって、0.1質量%以上10質量%以下の範囲でホウ素を含み、かつ0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基が形成された炭素材料の表面に、陽イオン交換樹脂をより広くかつ均一に被覆させることができる。その結果、触媒金属も、より均一かつ高分散に担持することができる。
酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を定量する方法は、とくに限定されないが、昇温脱離ガス分析装置を用いて定量する方法が好ましい。昇温脱離ガス分析装置を用いることよって官能基を定量する方法は、たとえばつぎのとおりである。最初に1×10−7Pa以下の真空内で炭素材料を赤外線ランプで加熱する。つぎに、脱離するガス成分の質量スペクトルから官能基を定量する。官能基を定性する方法は、前述の昇温脱離ガス分析装置あるいは赤外吸収スペクトルからもとめることが好ましい。
陽イオン交換樹脂12にはプロトン導電性を示す樹脂を用いることができる。たとえば、パーフルオロスルホン酸樹脂あるいはスチレンージビニルベンゼンスルホン酸樹脂などが好ましい。陽イオン交換樹脂の側鎖の末端では、スルホン酸基などの陽イオン交換基が備わる。
プロトン伝導経路13は、複数の陽イオン交換基が水とともに集合することによって形成されており、プロトン、酸素あるいは水素はプロトン伝導経路を移動することができる。したがって、プロトン伝導経路と炭素材料との接する面に存在する触媒金属は電極反応に対して活性が高い。主鎖部分は分子間力により集合することによって、骨格部分14を形成する。この部分では、プロトン、酸素あるいは水素は移動することが困難であるので、電極反応に対する活性は低い。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極の触媒層において、「触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素材料との接面に主として備えられている」とは、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50質量%以上であることを意味する。すなわち、全触媒金属担持量の50質量%以上が、電極反応に対して活性な触媒金属であるため、触媒金属の利用率が著しく高くなる。
なお、本発明においては、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量の全触媒金属担持量に対する割合は高いほど好ましく、特に80質量%を超えていることが好ましい。このようにして、プロトン伝導経路とカーボン粒子との接触面に触媒金属を高率で担持させることによって、電極の高活性化がはかられる。
本発明の触媒担持粉末では、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素材料との接面に主として備えられているが、このことは、文献(M.Kohmoto et.al.,GS Yuasa Technical Report,1,48(2004))に記載のように、固体高分子形燃料電池の高電流密度領域における質量活性と、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路および疎水性骨格の体積比とから判断することができる。
白金の電気化学的活性表面積の経時変化については、従来の電極では、白金の溶解・析出反応による凝集によって、白金の電気化学的活性表面積は減少するが、本発明の触媒担持粉末を用いた電極では凝集がほとんど起こらない。
固体高分子形燃料電池を低電流密度で運転させる場合には、全ての白金が電気化学反応に使われるが、高電流密度で運転させる場合には、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に存在する白金のみが電気化学反応に使われ、疎水性骨格部分に存在する白金は電気化学反応には関与しなくなる。
また、本発明の触媒担持粉末を用いた電極の従来の電極に対する質量活性比は、燃料電池の運転時においては、0.70Vよりも高電圧領域ではほぼ1であり、0.60Vでは2.7となる。一方、陽イオン交換樹脂においては、ポリマー部分に占めるプロトン伝導経路の体積比は約2.5である。このことから、従来の電極では、0.70Vよりも高電圧領域では、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路の白金も疎水性骨格部分の白金も活性であるが、0.60Vでは陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路の白金のみが活性であることが明らかになる。
触媒金属15には、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高いので、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスニウムなどの白金族金属が好ましい。とくに白金とルテニウムとを含む合金は、高い耐CO被毒性が期待できるのでアノードの触媒として好ましい。さらに、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より選ばれた少なくとも一つの元素と白金族金属とを含む合金を触媒金属に用いることによって、白金族金属使用量の低減、耐CO被毒性の向上および酸素の還元反応に対する高い活性が期待できる。
本発明の電極に含まれる触媒金属は、粒子径が3.0nm以下の粒子状、とくに0.5nm以上2.0nm以下の粒子状であることおよびその量が0.1mg/cm2以下、とくに白金族金属量が0.05mg/cm2以下であることは単位重量あたりの触媒活性が高いことから好ましい。
炭素材料表面と陽イオン交換樹脂との界面の面積を評価する方法は、触媒金属未担持電極の0.4Vvs.RHEでの電気二重層容量で評価する方法が好ましい。0.4Vvs.RHEでは、炭素材料表面の官能基の反応が電流密度におよぼす影響が少ない。このことから、0.4Vvs.RHEでの電流密度は、ほぼ電気二重層の容量に比例する。その容量は炭素材料と陽イオン交換樹脂との界面の面積と比例関係にあると報告されているので、その面積を比較する指標となる(城間 純,五百蔵 勉,藤原 直子,西村 靖雄,安田 和明,笹倉 丈博,東 正志,J.Highfield,第7回固体高分子形燃料電池シンポジウム予稿集,p.93(2000),Z.Siroma,T.Sasakura,K.Yasuda,M.Azuma and Y.Miyazaki,J.Electroanal.Chem.,546,73(2003))。
その測定方法は、例えばつぎのとおりである。最初に、作用極として触媒金属未担持電極と、対極として白金担持電極を陽イオン交換膜に加熱圧接することによって膜/電極接合体を製作する。この膜/電極接合体を用いて単セルを製作したのちに、作用極の電位を0.05Vvs.RHEから1.00Vvs.RHEまでの範囲を100mV/sで走査する。このとき、作用極および対極にはそれぞれN2ガスおよびH2ガスを25℃で加湿したのちに供給する。
この測定で得られたサイクリックボルタモグラムの0.4Vvs.RHEの電流密度を(1)式に代入することによって、電気二重層容量を算出する。この値は、触媒層(作用極)の重量で除することにより規格化する。(1)式の記号はそれぞれ、C:電気二重層容量(F/cm2)、j0.4V:0.4Vvs.RHEにおける電流密度(A/cm2)、v:掃引速度(V/s)である。
C=j0.4V/v
本発明に用いられる超少量触媒金属担持電極は、炭素材料にホウ素を含んだ後に、ホウ素を含む炭素材料と陽イオン交換樹脂との混合物をシート状に形成した白金未担持電極に触媒金属を担持する方法、あるいは、炭素材料にホウ素を含ませた後に、ホウ素を含む炭素材料と陽イオン交換樹脂との混合物を粉末状にした白金未担持粉末に触媒金属を担持し、この粉末をシート状に形成する方法で製造することができる。触媒金属未担持電極および触媒金属未担持粉末のそれぞれの製造方法について説明する。
本発明に用いられる超少量触媒金属担持電極は、炭素材料にホウ素を含んだ後に、ホウ素を含む炭素材料と陽イオン交換樹脂との混合物をシート状に形成した白金未担持電極に触媒金属を担持する方法、あるいは、炭素材料にホウ素を含ませた後に、ホウ素を含む炭素材料と陽イオン交換樹脂との混合物を粉末状にした白金未担持粉末に触媒金属を担持し、この粉末をシート状に形成する方法で製造することができる。触媒金属未担持電極および触媒金属未担持粉末のそれぞれの製造方法について説明する。
本発明の、炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含む固体高分子形燃料電池用電極の製造方法(これを「第1の製造方法」とする)は、炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第2の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第4の工程を経ることを特徴とする。
また、本発明の、0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含む炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で備えた固体高分子形燃料電池用電極の製造方法(これを「第2製造方法」とする)は、炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で形成する第2の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第3の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第4の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第5の工程を経ることを特徴とする。
本発明の、第1の製造方法の第1の工程および第2の製造方法の第1の工程においては、炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる。ホウ素を含む炭素材料は、炭素材料とホウ素化合物との混合物を製作した後に、この混合物を熱処理することによって製作する。ここで用いるホウ素化合物は、炭化ホウ素、酸化ホウ素あるいは窒化ホウ素など熱処理後に炭素材料に含みやすいものを用いることができる。これらの化合物は、単独あるいは2種類以上混合して用いても良い。
炭素材料とホウ素化合物との混合物を製作する方法は、特に限定されないが、プロペラ式撹拌機など均一に混合できるものが好ましい。炭素材料とホウ素化合物との混合物の熱処理は、非酸化性雰囲気および2500℃以上で10分以上保持することが好ましい。加熱温度が2500℃未満および保持時間が10分未満の場合では、炭素材料にホウ素が含まないことから好ましくない。熱処理に用いる炉は、特に限定されないが高周波誘導加熱炉あるいは黒鉛化炉など非酸化性雰囲気および2500℃以上に設定できるものが好ましい。
非酸化性雰囲気は、ヘリウムガス、窒素ガスあるいはアルゴンガス等の不活性ガスで置換することによって得ることができる。ここで用いられる不活性ガスは、単独あるいは2種類以上混合して用いても良い。
本発明の、第2の製造方法の第2の工程において、ホウ素を含む炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で形成させる方法は、例えばつぎのとおりである。
カルボニル基、スルホン酸基およびヒドロキシル基などに代表される酸素原子を含む官能基は、ホウ素を含む炭素材料を酸化させることによって形成する。炭素材料を酸化させる方法は特に限定されないが、例えばオゾン水、硫酸水溶液、過酸化水素水、硝酸水溶液、シュウ酸水溶液、塩酸水溶液、酢酸水溶液あるいは過マンガン酸カリウム水溶液などの酸性溶液に浸漬することによって酸化させる方法、酸素ガス、オゾンガスなどの酸化性ガスに接触させることによって酸化させる方法、あるいはプラズマを照射することによって酸化させる方法を用いることができる。
オゾン水、硫酸水溶液、過酸化水素水、硝酸水溶液、シュウ酸水溶液、塩酸水溶液、酢酸水溶液あるいは過マンガン酸カリウム水溶液などの酸性水溶液は単独あるいは2種類以上混合して用いても良い。
酸化剤の水溶液の濃度は0.01mol/l以上10mol/l以下であることが好ましい。水溶液の濃度が0.01mol/l未満の場合は、ホウ素を含む炭素材料表面の酸化反応が遅いことによって親水性の官能基が備わりにくいこと、逆に10mol/lより大きい場合は酸化反応が著しく速いことによって炭素材料の構造が破壊されることからそれぞれ好ましくない。
水溶液とホウ素を含む炭素材料とを分離する方法は、特に限定されず、一般の遠心分離機、吸引式の濾過器あるいは加圧式の濾過器を用いることができる。酸化剤の水溶液を用いてその材料を酸化したのちは、脱イオン水で洗浄することが好ましい。洗浄しない場合は、ホウ素を含む炭素材料内に酸化剤が付着しているので、陽イオン交換樹脂あるいは固体高分子形燃料電池の部材を腐食させる恐れがあるので好ましくない。
酸素ガス、オゾンガスなどの酸化性ガスは窒素、アルゴンあるいはヘリウム等の不活性ガスで希釈したものでも良い。混合比は、酸化性ガスと不活性ガスとの容積比1:1より酸化性ガスの割合が多い方が好ましい。酸化性ガスと不活性ガスとの容積比1:1より酸化性ガスの割合が少ない場合では、ホウ素を含む炭素材料表面の酸化が進行しにくい。プラズマを照射する方法は、特に限定されないが、常温常圧の空気中で放電するコロナ放電処理装置を用いることが簡便であることから好ましい。
アミド基あるいはアミノ基などの窒素原子を含む官能基は、ホウ素を含む炭素材料を以下の処理をおこなうことによって形成する。炭素材料を処理する方法は特に限定されないが、例えばアミド基あるいはアミノ基を形成させる方法はつぎのとおりである。
アミド基は、たとえばホウ素を含む炭素材料にカルボニル基を形成したのちにその官能基とアンモニアとを反応させることによって形成する方法を用いることができる。カルボニル基の形成は、前述と同様の酸化方法でおこなうことができる。
カルボニル基をアミド基へ反応させる方法はつぎのとおりである。カルボニル基からアミド基へは、カルボニル基とアンモニアとの付加−脱離反応によって進行する。その反応は、カルボニル基を備えた炭素材料とアンモニア水溶液とを混合する方法、あるいはその材料にアンモニアガスを接触させる方法を用いることができる。
アンモニア水溶液の濃度は、1.0×10−4mol/l以上であること、さらにこの水溶液にはホウ素を含む炭素材料に形成しているカルボニル基の量以上のアンモニアが含まれていることが好ましい。この濃度よりも低い場合は、付加−脱離反応が遅いことによってアミド基が形成しにくい。
アンモニアガスは、窒素、アルゴンあるいはヘリウム等の不活性ガスで希釈したものでも良い。そのときの混合比は、アンモニアガスと不活性ガスとの容積比1:1よりアンモニアガスの割合が多い方が好ましい。アンモニアガスと不活性ガスとの容積比1:1よりアンモニアガスの割合が少ない場合では、付加−脱離反応が遅いことによってアミド基が形成しにくい。
アミノ基は、ホウ素を含む炭素材料にニトロ基を付与したのちにその官能基を還元することによって形成する方法、あるいは、ハロゲン元素をその材料に導入したのちにアンモニアと反応させることによって形成する方法を用いることができる。
ニトロ基からアミノ基を形成する方法はつぎのとおりである。ニトロ基の形成は、たとえば濃硝酸と濃硫酸との混合液あるいは濃硝酸でニトロ化する方法を用いることによってできる。
濃硝酸と濃硫酸との混合液あるいは濃硝酸のそれぞれの濃度は5.0mol/l以上であることが好ましい。その濃度が5.0mol/l未満の場合は、ホウ素を含む炭素材料表面のニトロ化反応が遅いことによってニトロ基が備わりにくいことから好ましくない。
ニトロ基からアミノ基へ還元するには、例えば鉄と塩酸との混合物を用いることによってできる。鉄の代わりに亜鉛あるいは錫等、ニトロ基からアミノ基への還元反応に対して活性が高いものを用いることができる。これらの金属は単独あるいは混合しても用いることができる。
その混合溶液に含まれる金属および塩酸の濃度は、それぞれ1.0×10−4mol/lおよび1.0mol/l以上であること、さらにそれらの量は炭素材料に形成しているニトロ基の量より多い方が好ましい。これらの濃度よりも小さい場合は、還元反応が遅いことによってアミノ基が備わりにくい。この反応で用いた金属は、後述の触媒金属の吸着工程の前に触媒金属未担持電極を硫酸あるいは硝酸等の酸化剤水溶液で洗浄することによって取り除くことができる。
ハロゲン元素を導入したのちにアンモニアと反応させることによってアミノ基を形成させる方法はつぎのとおりである。ハロゲン元素を炭素材料に導入する方法は、例えば臭素水,塩酸あるいはヨウ素水と炭素材料を混合する方法あるいは炭素材料に臭素ガス、塩素ガスあるいはヨウ素ガスを接触させる方法を用いることができる。
臭素水,塩酸あるいはヨウ素水を用いる場合は、それらの濃度が0.01mol/l以上であることが好ましい。その濃度が0.01mol/l未満の場合は、炭素材料表面のハロゲン化反応が遅いことによってハロゲン元素が導入しにくいことから好ましくない。
臭素ガス、塩素ガスあるいはヨウ素ガスなどのハロゲンガスを用いる場合は、アルゴンあるいはヘリウム等の不活性ガスで希釈したものでも良い。そのときの混合比は、ハロゲンガスと不活性ガスとの容積比1:1よりハロゲンガスの割合が多い方が好ましい。ハロゲンガスと不活性ガスとの容積比1:1より酸化性ガスの割合が少ない場合では、炭素材料表面のハロゲン化が進行しにくい。ハロゲンガスと炭素材料を接触させる際には、反応を促進させるために加熱あるいは紫外線を照射しても良い。
ハロゲン元素からアミノ基に置換する方法は、たとえばハロゲン元素が導入した炭素材料とアンモニア水溶液とを混合する方法あるいはその材料にアンモニアガスを接触させる方法を用いることができる。アンモニア水溶液の濃度は1.0×10−4mol/l以上であること、さらに炭素材料に導入されているハロゲン元素の量より多い方が好ましい。この濃度よりも小さい場合は、アミノ基への置換反応が遅いことによってアミノ基が備わりにくい。アンモニアガスは、窒素、アルゴンあるいはヘリウム等の不活性ガスで希釈したものでも良い。
そのときの混合比は、アンモニアガスと不活性ガスとの容積比1:1よりアンモニアガスの割合が多い方が好ましい。アンモニアガスと不活性ガスとの容積比が1:1よりアンモニアガスの割合が少ない場合では、炭素材料表面へのアミノ基の導入が進行しにくい。
本発明の、第1の製造方法の第2の工程および第2の製造方法の第3の工程においては、炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る。この炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物はの触媒金属未担持であり、形状は電極または粉末である。
触媒金属未担持電極の具体的な製造方法はつぎのとおりである。炭素材料と陽イオン交換樹脂の溶液とを混合し、その混合物を電極基材に塗布することによってシート状に形成し、最後に、このシート状の混合物を乾燥することによって、触媒金属未担持電極を形成する。
電極基材は特に限定されず、PTFE(Poly tetrafluoroethylene)あるいはPET(Polyetylene Terephtarate)等の高分子シート、あるいはチタンなどの金属のシートを用いることができる。
触媒金属未担持粉末の具体的な製造方法はつぎのとおりである。炭素材料と陽イオン交換樹脂の溶液とを混合した後に、この混合物を粉末状に乾燥することによって、触媒金属未担持粉末を製作する。
炭素材料と陽イオン交換樹脂の溶液との混合物を粉末状に乾燥する方法は、炭素材料と陽イオン交換樹脂の溶液との混合物をシート状に乾燥した後に粉砕する方法、あるいは混合物を噴霧乾燥する方法が好ましい。乾燥の温度は、特に限定されないが50℃以上であることは、溶媒を完全に気化させる時間が短いことから好ましい。一方、その温度が200℃以上であることは、陽イオン交換樹脂が劣化するので好ましくない。
本発明の、第1の製造方法の第3の工程および第2の製造方法の第4の工程において、触媒金属未担持電極あるいは触媒金属未担持粉末中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる工程はつぎのとおりである。
まず、その電極あるいは粉末に含まれる不純物を除去するために硫酸で洗浄する。つぎに、その電極あるいは粉末を触媒金属の陽イオンを含んだ溶液に浸漬することによって、その電極あるいは粉末に含まれる陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に触媒金属の陽イオンを吸着させる。溶液の触媒金属の陽イオンの濃度は、陽イオン交換樹脂が被覆していない箇所への物理吸着を防ぐために100mmol/l以下であることが好ましく、この溶液が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着できる最大モル量以上の触媒金属イオンを含んでいることが好ましい。触媒金属の陽イオンを含んだ溶液に用いる溶媒としては、とくに限定されないが、水あるいは水とアルコールとの混合溶液を用いることができる。
本発明の、第1の製造方法の第4の工程および第2の製造方法の第5の工程において、触媒金属未担持電極あるいは触媒金属未担持粉末に吸着した触媒金属の陽イオンを化学的に還元する工程はつぎのとおりである。
陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着した陽イオンを還元するには、量産に適した還元剤を用いる化学的な還元方法を用いることが好ましい。とくに水素ガスあるいは水素混合ガスによって気相還元する方法、あるいはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元する方法が好ましい。還元の温度は、100℃以上、250℃以下であることが好ましい。100℃未満の場合では、触媒金属イオンの還元反応の進行が著しく遅い。一方、250℃より高い場合では、陽イオン交換樹脂が著しく劣化するので好ましくない。
超少量触媒金属担持粉末を用いて超少量触媒金属担持電極を製作する方法は、例えばつぎのとおりである。まず、超少量触媒金属担持粉末と溶媒とを混合することによって、スラリー状の混合物を製造する。つぎに、この混合物を電極基材に塗布したのちに乾燥することによって溶媒を除去することでシート状に形成する。
このスラリー状の混合物を製造する時に用いる溶媒は、水などの無機化合物、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼンなどの炭化水素系の液体、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンなどのハロゲン化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール、アニソールなどのエーテル、アセトンなどのケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシドなどの有機化合物を使用することができる。電極基材はとくに限定されず、PTFEあるいはPET等の高分子シート、あるいはチタンなどの金属のシートを用いることができる。
超少量触媒金属担持電極を陽イオン交換膜に接合することによって、本発明の固体高分子形燃料電池用電極が形成される。陽イオン交換膜には、たとえば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、スチレン−ビニルベンゼンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂、スチレン−ビニルベンゼンカルボン酸樹脂などのプロトン伝導性の陽イオン交換樹脂を用いることができるが、化学的な安定性とプロトン伝導性とが高いパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂からなるものを用いることが好ましい。例えば、その高分子電解質膜として、デュポン社製のナフィオン膜を用いることができる。
陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属が主に担持された超少量触媒金属担持電極と陽イオン交換膜との接合は、加熱圧着することによりおこなうことができる。加熱温度は、陽イオン交換樹脂のガラス転移温度に近い90℃から160℃であることがこの好ましい。加熱圧着には、平プレス機あるいはロールプレス機を用いることができる。
以下実施例を挙げて詳細に説明する。
[実施例1〜5]
[実施例1]
炭素材料(バルカンXC−72、キャボット社製)にホウ素を含んだのちに、触媒金属未担持電極を製作した。最初に、炭素材料(バルカンXC−72、キャボット社製)20gと炭化ホウ素0.1gとをプロペラ式撹拌機で1時間混合した。つぎに、この混合物を高周波誘電加熱炉で2700℃、1時間加熱した。このとき炉内は、アルゴンガスで満たした。最後に、放冷することによってホウ素を含む炭素材料を製作した。その炭素材料をICP発光分光分析で定量したところホウ素が0.10質量%含んでいた。
[実施例1]
炭素材料(バルカンXC−72、キャボット社製)にホウ素を含んだのちに、触媒金属未担持電極を製作した。最初に、炭素材料(バルカンXC−72、キャボット社製)20gと炭化ホウ素0.1gとをプロペラ式撹拌機で1時間混合した。つぎに、この混合物を高周波誘電加熱炉で2700℃、1時間加熱した。このとき炉内は、アルゴンガスで満たした。最後に、放冷することによってホウ素を含む炭素材料を製作した。その炭素材料をICP発光分光分析で定量したところホウ素が0.10質量%含んでいた。
つぎに、この炭素材料を用いた触媒金属未担持電極を製作した。最初に、0.10質量%のホウ素を含む炭素材料8.0gにナフィオン溶液(5質量%溶液、アルドリッチ社製)を86.4g加え、撹拌して混合物を調製した。つぎに、この混合物をプロペラ式撹拌機で撹拌しながら60℃で加熱濃縮して、スラリー状の混合物を調製した。この混合物に対するナフィオンの固形分の質量比は6.5質量%であった。
このスラリー状の混合物を高分子シート(PTFE、厚み50μm)に塗布し、自然乾燥して、高分子シート上に実施例1の触媒金属未担持電極Aを製作した。この時の1cm2当たりの触媒金属未担持電極の重量は、2.2mg/cm2であった。塗布にはスリット幅が300μmのアプリケーターを用いた。最後に、この電極を50mm×50mmの大きさに裁断した。
触媒金属未担持電極Aから、本発明の超少量触媒金属担持電極Aを以下の方法で製作した。まず、触媒金属未担持電極Aを0.5mol/lの硫酸水溶液で洗浄することによって不純物を除去した。つぎに、50mmol/lの[Pt(NH3)4]Cl2の水溶液(60℃)に24時間浸漬して、電極に含まれるナフィオンのプロトン伝導経路に[Pt(NH3)4]2+を吸着させた。つづいて、この電極を25℃の脱イオン水で3回洗浄したのちに、60℃の脱イオン水に1時間浸漬した。
さらに、この電極を乾燥機で、60℃、1時間乾燥した。最後に、プロトン伝導経路に吸着した[Pt(NH3)4]2+を0.15気圧、180℃の水素雰囲気下で6時間還元して、炭素材料とプロトン伝導経路との接面に触媒金属である白金を主に析出させ、超少量触媒金属担持電極A(白金担持量0.05mg/cm2)を製作した。この白金担持量は、別途化学分析によって定量した。
[実施例2]
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素0.50gを混合し、0.52質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の触媒金属未担持電極Bを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Bを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Bを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素0.50gを混合し、0.52質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の触媒金属未担持電極Bを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Bを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Bを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例3]
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素1.0gを混合し、1.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の触媒金属未担持電極Cを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Cを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Cを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素1.0gを混合し、1.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の触媒金属未担持電極Cを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Cを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Cを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例4]
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素5.0gを混合し、5.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の触媒金属未担持電極Dを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Dを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Dを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素5.0gを混合し、5.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の触媒金属未担持電極Dを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Dを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Dを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例5]
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素10.0gを混合し、10.0質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の触媒金属未担持電極Eを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Eを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Eを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
炭素材料(バルカンXC−72)20gと炭化ホウ素10.0gを混合し、10.0質量%のホウ素を含む炭素材料を製作し、この炭素材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の触媒金属未担持電極Eを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Eを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Eを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例6〜10]
[実施例6]
実施例1と同様にして、炭素材料(バルカンXC−72)にホウ素を0.1質量%含ませた後、この炭素材料に、つぎの方法で酸素原子を含む官能基を形成した。
[実施例6]
実施例1と同様にして、炭素材料(バルカンXC−72)にホウ素を0.1質量%含ませた後、この炭素材料に、つぎの方法で酸素原子を含む官能基を形成した。
最初に、ホウ素を0.1質量%含む炭素材料(バルカンXC−72)20gを5Lビーカーに採取し、これにエタノール10mlおよび酸化剤水溶液(硫酸、0.10mol/l)2lを加えた。この炭素材料、酸化剤水溶液およびエタノールの混合物を撹拌しながら真空に引いた後、プロペラ式撹拌機で1時間撹拌した。
つぎに、この混合物を吸引ろ過して、炭素材料と酸化剤水溶液とを分離した。その炭素材料に脱イオン水2lを加えて10分間撹拌したのちに吸引ろ過で、炭素材料と脱イオン水とを分離した。この洗浄を5回繰り返して炭素材料を洗浄した。最後に、この炭素材料を100℃、24時間真空乾燥した後、ブレンダーミルで粉砕した。
得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところカルボニル基、スルホン酸基およびヒドロキシル基などが合わせて0.10meq/g存在していた。
この炭素材料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の触媒金属未担持電極Fを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Fを用いて、実施例1と同様にして、超少量触媒金属担持電極Fを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例7]
酸化剤水溶液として0.50mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は0.49meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例7の触媒金属未担持電極Gを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Gを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Gを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として0.50mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は0.49meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例7の触媒金属未担持電極Gを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Gを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Gを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例8]
酸化剤水溶液として1.5mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は1.2meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例8の触媒金属未担持電極Hを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Hを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Hを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として1.5mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は1.2meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例8の触媒金属未担持電極Hを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Hを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Hを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例9]
酸化剤水溶液として5.0mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は4.9meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例9の触媒金属未担持電極Iを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Iを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Iを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として5.0mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は4.9meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例9の触媒金属未担持電極Iを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Iを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Iを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例10]
酸化剤水溶液として10.0mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は10.0meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例10の触媒金属未担持電極Jを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Jを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Jを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として10.0mol/lの硫酸を用いたこと以外は実施例6と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は10.0meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例10の触媒金属未担持電極Jを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Jを用いて、実施例6と同様にして、超少量触媒金属担持電極Jを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例11〜15]
[実施例11]
実施例1と同様にして、炭素材料(バルカンXC−72)にホウ素を0.1質量%含ませた後、この炭素材料に、つぎの方法で窒素原子を含む官能基を形成した。
[実施例11]
実施例1と同様にして、炭素材料(バルカンXC−72)にホウ素を0.1質量%含ませた後、この炭素材料に、つぎの方法で窒素原子を含む官能基を形成した。
最初に、ホウ素を0.1質量%含む炭素材料(バルカンXC−72)20gを5Lビーカーに採取し、これにエタノール10mlおよび酸化剤水溶液(過酸化水素水、0.10mol/l)2lを加えた。この炭素材料、酸化剤水溶液およびエタノールの混合物を撹拌しながら真空に引いた後、プロペラ式撹拌機で1時間撹拌した。
つぎに、この混合物を吸引ろ過して、炭素材料と酸化剤水溶液とを分離した。この炭素材料に脱イオン水2lを加えて10分間撹拌したのちに吸引ろ過で、炭素材料と脱イオン水とを分離した。この洗浄を5回繰り返して炭素材料を洗浄した。最後に、この炭素材料を100℃、24時間真空乾燥した。
得られた炭素材料の表面に存在するカルボニル基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところ0.14meq/g存在していた。
カルボニル基からアミド基への付加−脱離反応は、つぎの方法でおこなった。まず、カルボニル基が形成された炭素材料20gを5Lビーカーに採取し、これにエタノール10ml及びアンモニア水溶液(1.0mol/l)2lを加えた。この炭素材料、酸化剤水溶液およびエタノールの混合物を撹拌しながら真空に引いた後、プロペラ式撹拌機で1時間撹拌した。
つぎに、この混合物を吸引ろ過して、炭素材料とアンモニア水溶液とを分離した。この炭素材料に脱イオン水2lを加えて10分間撹拌したのちに吸引ろ過で、炭素材料と脱イオン水とを分離した。この洗浄を5回繰り返して炭素材料を洗浄し、この炭素材料を100℃、24時間真空乾燥した。
得られた炭素材料の表面に存在する窒素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところアミド基およびアミノ基が合計0.10meq/g存在していた。
この炭素材料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の触媒金属未担持電極Kを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Kを用いて、実施例11と同様にして超少量触媒金属担持電極Kを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例12]
酸化剤水溶液として0.2mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は0.48meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12の触媒金属未担持電極Lを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Lを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Lを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として0.2mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は0.48meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12の触媒金属未担持電極Lを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Lを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Lを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例13]
酸化剤水溶液として0.5mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は1.2meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例13の触媒金属未担持電極Mを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Mを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Mを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として0.5mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は1.2meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例13の触媒金属未担持電極Mを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Mを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Mを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例14]
酸化剤水溶液として1.5mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は5.1meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例14の触媒金属未担持電極Nを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Nを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Nを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として1.5mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は5.1meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例14の触媒金属未担持電極Nを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Nを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Nを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例15]
酸化剤水溶液として5.0mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は10.0meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例15の触媒金属未担持電極Oを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Oを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Oを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
酸化剤水溶液として5.0mol/lの過酸化水素水を用いたこと以外は実施例11と同様にして、炭素材料酸素原子を含む官能基を形成した。得られた炭素材料の表面に存在する酸素原子を含む官能基は10.0meq/gであった。この炭素材料を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例15の触媒金属未担持電極Oを製作した。この触媒金属未担持電極の重量は2.2mg/cm2であった。この触媒金属未担持電極Oを用いて、実施例11と同様にして、超少量触媒金属担持電極Oを作製した。この電極の白金担持量を化学分析で求めたところ、0.05mg/cm2であった。
[実施例16〜18]
[実施例16]
実施例1と同様の製法で、0.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作した。この炭素材料を用いた触媒金属未担持粉末をつぎの手順で製作した。最初に、ホウ素を含む炭素材料45.0gにナフィオン溶液(5質量%、アルドリッチ社製)を486.0g加え、攪拌して混合物を得た。
[実施例16]
実施例1と同様の製法で、0.1質量%のホウ素を含む炭素材料を製作した。この炭素材料を用いた触媒金属未担持粉末をつぎの手順で製作した。最初に、ホウ素を含む炭素材料45.0gにナフィオン溶液(5質量%、アルドリッチ社製)を486.0g加え、攪拌して混合物を得た。
つぎに、この混合物をプロペラ式撹拌機で撹拌しながら60℃で加熱濃縮してスラリー状にした。濃縮後の混合物に対するナフィオンの固形分の質量比は6.5質量%であった。このスラリー状の混合物をガラス板の上に塗布し、自然乾燥した。乾燥した混合物をガラス板からはがし、遊星形ボールミルで粉砕して触媒金属未担持粉末を製作した。最後に、この粉末を0.5mol/l硫酸で洗浄して不純物を除去した。
この触媒金属未担持粉末から超少量触媒金属担持粉末をつぎの手順で製作した。最初に、触媒金属未担持粉末25.0gと50mmol/lの[Pt(NH3)4]Cl2の水溶液約380mlとを1Lビーカーに移し、減圧しながらプロペラ式撹拌機を用いて室温で撹拌した。つぎに圧力を大気圧に戻し、温度を80℃に保持しながら24時間撹拌した。
つづいて、[Pt(NH3)4]Cl2の水溶液を吸引ろ過で取り除いたき、この粉末を脱イオン水で洗浄した。この洗浄を5回繰り返した。さらに、その粉末を60℃の乾燥機で1時間乾燥した。最後に、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着した[Pt(NH3)4]2+を0.15MPa、180℃の水素雰囲気下で6時間還元することによって、炭素材料とプロトン伝導経路との接面に触媒金属である白金を主に析出させ、実施例16の超少量触媒金属担持粉末Pを製作した。
この粉末を用いた超少量触媒金属担持電極Pを、つぎの手順で製作した。最初に、超少量触媒金属担持粉末P4.0gとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)19.0gとを混合し、遊星形ボールミルを用いて超少量触媒金属担持粉末Pをスラリー状にした。
つぎに、このスラリーを高分子シート(PRFE、厚み50μm)の上に塗布し、130℃で乾燥して、超少量触媒金属担持電極Pを製作した。塗布にはスリット幅が300μmのアプリケーターを用いた。最後に、この電極を50mm×50mmの大きさに裁断した。以上の工程を経て、実施例16の超少量触媒金属担持電極Pを製作した。この電極の白金担持量は化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[実施例17]
実施例17の超少量触媒金属担持電極Qは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、実施例1と同様の方法でホウ素を0.1質量%含ませた後、実施例6と同様の方法で酸素原子を含む官能基を0.10meq/g形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
実施例17の超少量触媒金属担持電極Qは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、実施例1と同様の方法でホウ素を0.1質量%含ませた後、実施例6と同様の方法で酸素原子を含む官能基を0.10meq/g形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[実施例18]
実施例18の超少量触媒金属担持電極Rは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、実施例1と同様の方法でホウ素を0.1質量%含ませた後、実施例11と同様の方法で窒素原子を含む官能基を0.10meq/g形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
実施例18の超少量触媒金属担持電極Rは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、実施例1と同様の方法でホウ素を0.1質量%含ませた後、実施例11と同様の方法で窒素原子を含む官能基を0.10meq/g形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例1〜5]
[比較例1]
比較例1の触媒金属未担持電極Sおよび超少量触媒金属担持電極Sは、実施例1と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、ホウ素を含ませる処理はおこなわなかった。この炭素材料に含むホウ素をICP発光分光分析で定量したところ0.01質量%であった。さらに、この炭素材料には、酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を形成させる処理が施さなかった。この炭素材料の表面に存在する酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところ、それらの官能基の量はそれぞれ0.01meq/gであった。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例1]
比較例1の触媒金属未担持電極Sおよび超少量触媒金属担持電極Sは、実施例1と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、ホウ素を含ませる処理はおこなわなかった。この炭素材料に含むホウ素をICP発光分光分析で定量したところ0.01質量%であった。さらに、この炭素材料には、酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を形成させる処理が施さなかった。この炭素材料の表面に存在する酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところ、それらの官能基の量はそれぞれ0.01meq/gであった。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例2]
比較例2の超少量触媒金属担持電極Tは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、ホウ素を含ませる処理はおこなわなかった。この炭素材料に含むホウ素をICP発光分光分析で定量したところ0.01質量%であった。さらに、この炭素材料には、酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を形成させる処理が施さなかった。この炭素材料の表面に存在する酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところ、それらの官能基の量はそれぞれ0.01meq/gであった。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
比較例2の超少量触媒金属担持電極Tは、実施例16と同様の手順で製作した。ただし、この電極の炭素材料は、ホウ素を含ませる処理はおこなわなかった。この炭素材料に含むホウ素をICP発光分光分析で定量したところ0.01質量%であった。さらに、この炭素材料には、酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を形成させる処理が施さなかった。この炭素材料の表面に存在する酸素原子あるいは窒素原子を含む官能基を昇温脱離ガス分析装置で定量したところ、それらの官能基の量はそれぞれ0.01meq/gであった。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例3]
比較例3の超少量触媒金属担持電極Uは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極に用いた炭素材料は、20質量%のホウ素を含む。このホウ素を含む炭素材料は、炭化ホウ素20.0gと炭素材料20.0gとを混合し、加熱処理して得た。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
比較例3の超少量触媒金属担持電極Uは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極に用いた炭素材料は、20質量%のホウ素を含む。このホウ素を含む炭素材料は、炭化ホウ素20.0gと炭素材料20.0gとを混合し、加熱処理して得た。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例4]
比較例4の超少量触媒金属担持電極Vは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極の炭素材料は、0.1質量%ホウ素を含ませたのちに20.0meq/gの酸素原子を含む官能基を形成させた。この官能基は15.0mol/lの硫酸水溶液で処理することによって形成した。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
比較例4の超少量触媒金属担持電極Vは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極の炭素材料は、0.1質量%ホウ素を含ませたのちに20.0meq/gの酸素原子を含む官能基を形成させた。この官能基は15.0mol/lの硫酸水溶液で処理することによって形成した。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[比較例5]
比較例5の超少量触媒金属担持電極Wは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極の炭素材料は、0.1質量%ホウ素を含ませたのちに20.0meq/gの窒素原子を含む官能基を形成させた。この官能基は15.0mol/lの過酸化水素水溶液でカルボニル基を形成させたのちに、1.0mol/lアンモニア水溶液で処理することによって形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
比較例5の超少量触媒金属担持電極Wは、実施例1と同様の手順で製作した。その電極の炭素材料は、0.1質量%ホウ素を含ませたのちに20.0meq/gの窒素原子を含む官能基を形成させた。この官能基は15.0mol/lの過酸化水素水溶液でカルボニル基を形成させたのちに、1.0mol/lアンモニア水溶液で処理することによって形成させた。この電極の白金担持量は、化学分析で求めたところ0.05mg/cm2であった。
[電気二重層容量の測定]
実施例1〜5、比較例1および比較例3で製作した触媒金属未担持電極A〜E、S、Uの電気二重層容量は、作用極にこれらの電極を備えた電気化学セルを製作することによって測定した。
実施例1〜5、比較例1および比較例3で製作した触媒金属未担持電極A〜E、S、Uの電気二重層容量は、作用極にこれらの電極を備えた電気化学セルを製作することによって測定した。
この電気化学セルに用いる膜/電極接合体は、作用極として触媒金属未担持電極A〜E、S、対極として白金担持カーボンで製作した電極を、陽イオン交換膜(ナフィオン115、厚み125μm、デュポン社製)の両側に加熱圧着することによって製作した。加熱条件は、プレス面の温度を130℃で5分間保持することである。
対極用電極は白金担持カーボン(TEC10E70TPM、田中貴金属社製)を用いて以下のとおりに製作した。最初に、脱イオン水15mlおよび2−プロパノール1mlの溶液に、白金担持カーボン粉末10.0gを徐々に加えた。つぎに、白金担持カーボン粉末と脱イオン水との混合物にナフィオン溶液(5質量%溶液、アルドリッチ社製)44.2gおよびN,N−ジメチルスルホキシド15.0gを加え、プロペラ式撹拌機を用いて撹拌し、白金担持カーボン粉末とナフィオン溶液との混合物を製作した。
この混合物を高分子シート(PTFE、厚み50μm)に塗布し、130℃で乾燥して、白金担持カーボン粉末を用いた電極(担持量0.5mg/cm2)を製作した。塗布にはスリット幅が60μmのアプリケーターを用いた。最後に、この電極を50mm×50mmの大きさに裁断した。
つぎに、測定で用いる電気化学セルは、この接合体のそれぞれの面に、撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボンペーパーを配し、一対のガスフロープレートで挟持して製作した。このセルを用いて、作用極のサイクリックボルタモグラムを白金担持カーボン粉末を用いた電極を対極として測定し、電気二重層容量を算出した。
測定条件は次のとおりである。掃引速度は100mV/sとし、作用極側にはN2ガス、対極側にはH2ガスをそれぞれ加湿温度25℃で供給した。この測定で得られた0.4Vvs.RHEでの電流密度を掃引速度および触媒金属未担持電極1cm2当たりの重量で除して電気二重層容量を算出した。
実施例1〜5、比較例1および比較例3で製作した触媒金属未担持電極A〜E、S、Uの電気二重層容量を図3に示す。図3から、実施例1〜5の触媒金属未担持電極A〜Eの電気二重層容量は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて104%、113%、121%、117%および100%それぞれ向上したことがわかる。
電気二重層容量は、炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積と比例関係にある。したがって、実施例1〜5の触媒金属未担持電極A〜Eの炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて104%、113%、121%、117%および100%それぞれ向上したことを示す。この向上は、ホウ素を含む炭素材料表面と陽イオン交換樹脂との親和性が向上したことによって、その材料の表面に均一かつ広域に陽イオン交換樹脂が被覆したことに起因するものと考えられる。
さらに図3から、比較例3の触媒金属未担持電極Uの電気二重層容量は、実施例1〜5の触媒金属未担持電極A〜Eと比べて低下したことがわかる。この低下は、20質量%のホウ素を炭素材料に含むことにより、炭素材料が損壊したことに起因するものと考えられる。この損壊によって電極内の電子伝導経路が断絶しで、電気二重層容量が低下したと考えられる。
実施例6〜10、比較例1および比較例4で製作した触媒金属未担持電極F〜J、S、Vの電気二重層容量を図4に示す。図4から、実施例6〜10の触媒金属未担持電極F〜Jの電気二重層容量は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて142%、146%、158%、146%および129%それぞれ向上したことがわかる。
電気二重層容量は、炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積と比例関係にある。したがって、実施例6〜10の触媒金属未担持電極F〜Jの炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて142%、146%、158%、146%および129%それぞれ向上したことを示す。
この著しい向上は、ホウ素が炭素材料に含まれたことに加えて、酸素原子を含む官能基が炭素材料表面に形成したことによって、その材料の表面と陽イオン交換樹脂との親和性が著しく向上したことに起因するものと考えられる。つまり、この親和性の向上によって、炭素材料の表面に均一かつ広域に陽イオン交換樹脂が被覆したと考えられる。
さらに図4から、比較例4の触媒金属未担持電極Vの電気二重層容量は、実施例6〜10の触媒金属未担持電極F〜Jと比べて低下したことがわかる。この低下は、酸素原子を含む官能基を形成する工程で、炭素材料の高次構造が損壊したことに起因するものと考えられる。この損壊によって、電極内の電子伝導経路が断絶したので、電気二重層容量が低下したものと考えられる。
実施例11〜15、比較例1および比較例5で製作した触媒金属未担持電極K〜O、Sの電気二重層容量を図5に示す。図5から、実施例11〜15の触媒金属未担持電極K〜Oの電気二重層容量は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて129%、150%、167%、146%および133%それぞれ向上したことがわかる。
電気二重層容量容量は、炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積と比例関係にある。したがって、実施例11〜15の触媒金属未担持電極K〜Oの炭素材料と陽イオン交換樹脂と界面の面積は、比較例1の触媒金属未担持電極Sの場合と比べて129%、150%、167%、146%および133%それぞれ向上したことを示す。
この著しい向上は、ホウ素が炭素材料に含まれたことに加えて、窒素原子を含む官能基が炭素材料表面に形成したことによって、炭素材料表面と陽イオン交換樹脂との親和性が著しく向上したことに起因するものと考えられる。つまり、この親和性の向上によって、その表面に均一かつ広域に陽イオン交換樹脂が被覆したと考えられる。
さらに図5から、比較例5の触媒金属未担持電極Wの電気二重層容量は、実施例11〜15の触媒金属未担持電極K〜Oと比べて低下したことがわかる。この低下は、窒素原子を含む官能基を形成する工程で、炭素材料の高次構造が損壊したことに起因するものと考えられる。この損壊によって、電極内の電子伝導経路が断絶したので、電気二重層容量が低下したものと考えられる。
[セル性能の測定]
実施例1〜10、実施例16、比較例1〜3で製作した超少量触媒金属担持電極A〜J、P、S〜Uを用いた膜/電極接合体を製作し、この接合体を備える固体高分子形燃料電池の性能を調べた。膜/電極接合体は、カソード側、アノード側ともに超少量触媒金属担持電極を、陽イオン交換膜(ナフィオン115、厚み125μm、デュポン社製)の両側に加熱圧着することによって製作した。加熱条件はプレス面の温度130℃で5分間保持である。
実施例1〜10、実施例16、比較例1〜3で製作した超少量触媒金属担持電極A〜J、P、S〜Uを用いた膜/電極接合体を製作し、この接合体を備える固体高分子形燃料電池の性能を調べた。膜/電極接合体は、カソード側、アノード側ともに超少量触媒金属担持電極を、陽イオン交換膜(ナフィオン115、厚み125μm、デュポン社製)の両側に加熱圧着することによって製作した。加熱条件はプレス面の温度130℃で5分間保持である。
測定で用いる固体高分子形燃料電池は、膜/電極接合体のそれぞれの面に、撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボンペーパーを配し、一対のガスフロープレートで挟持して製作した。超少量触媒金属担持電極A〜J、S〜Uを備える固体高分子形燃料電池を、それぞれ固体高分子形燃料電池A〜J、S〜Uとした。
これらの固体高分子形燃料電池の性能評価を、電流−電圧特性の300mA/cm2におけるセル電圧を比較することによっておこなった。測定条件は、セル温度を70℃、アノードガスを純水素、アノード利用率を70%、アノード加湿温度を70℃、カソードガスを空気、カソード利用率40%、カソード加湿温度を70℃とした。
実施例1〜5、比較例1および比較例3で製作した超少量触媒金属担持電極を用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧を図6に示す。図6から、実施例1〜5で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池A〜Eは、比較例1の電極を備えた固体高分子形燃料電池Sと比べて、それぞれ37mV、41mV、46mV、42mVおよび35mV向上した。
一方、比較例3で製作した超少量触媒金属担持電極Uを備えた固体高分子形燃料電池Uのセル性能は589mVであり、実施例1〜5の場合と比べて低い値を示した。さらに、実施例16で製作した超少量触媒金属担持電極Pを備えた固体高分子形燃料電池Pのセル性能は631mVであり、比較例2の超少量触媒金属担持電極Tを備えた固体高分子形燃料電池Tの場合と比べて39mV向上した。
実施例1〜5、比較例1および比較例3で製作した触媒金属未担持電極の二重層容量と、それを用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧との関係を図7に示す。図7から、二重層容量の大きい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた実施例1〜5の固体高分子形燃料電池の性能は、二重層容量の小さい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた比較例1および比較例3の固体高分子形燃料電池と比べて向上することがわかった。
実施例1〜5で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が向上したことは、炭素材料の表面に陽イオン交換樹脂が広くかつ均一に被覆されていることに起因するものと考えられる。つまり、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に担持される触媒金属が小さくかつ高分散に存在によって触媒金属の活性が向上したこと、および炭素材料に被覆している陽イオン交換樹脂の厚みが減少することによってプロトン伝導経路内での水素あるいは酸素の拡散距離が短縮したことで電極反応の進行が促進したためと考えられる。
比較例3で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が実施例1〜5のものと比べて低い値を示したことは、炭素材料に多量のホウ素が含まれたことによって、その材料の構造が損壊したことに起因するものと考えられる。その損壊によって、電極内の電子伝導経路が断絶したので固体高分子形燃料電池の性能が低下したと考えられる。
実施例6〜10、実施例17、比較例1、比較例2および比較例4で製作した超少量触媒金属担持電極を用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧を図8に示す。図8から、実施例6〜10で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電F〜Jは、比較例1の電極を備えた固体高分子形燃料電池Sと比べてそれぞれ53mV、57mV、71mV、60mVおよび50mV向上した。
さらに、実施例17で製作した超少量触媒金属担持電極Qを備えた固体高分子形燃料電池Qのセル性能は645mVであり、比較例2の超少量触媒金属担持電極Tを備えた固体高分子形燃料電池Tの場合と比べて53mV向上した。一方、比較例4で製作した超少量触媒金属担持電Vを備えた固体高分子形燃料電池Vのセル性能は589mVであり、実施例6〜10の場合と比べて低い値を示した。
実施例6〜10、比較例1および比較例4で製作した触媒金属未担持電極の二重層容量と、それを用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧との関係を図9に示す。図9から、二重層容量の大きい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた実施例6〜10の固体高分子形燃料電池の性能は、二重層容量の小さい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた比較例1および比較例4の固体高分子形燃料電池と比べて向上することがわかった。
実施例6〜10で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が向上したことは、ホウ素を含む炭素材料に酸素原子を含む官能基を形成したことによって、その材料の表面に陽イオン交換樹脂が広くかつ均一に被覆されていることに起因するものと考えられる。
つまり、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に担持される触媒金属が小さくかつ高分散に存在によって触媒金属の活性が向上したこと、および炭素材料に被覆している陽イオン交換樹脂の厚みが減少することによってプロトン伝導経路内での水素原子あるいは酸素原子の拡散距離が短縮したことで電極反応の進行が促進されたためと考えられる。
比較例4で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が実施例6〜10のものと比べて低い値を示したことは、炭素材料に酸素原子を含む官能基を形成する際に、その材料の高次構造が損壊したことに起因するものと考えられる。この損壊によって、電極内の電子伝導経路が断絶したので、固体高分子形燃料電池の性能が低下したと考えられる。
実施例11〜15、実施例18、比較例1、比較例2および比較例5で製作した超少量触媒金属担持電極を用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧を図10に示す。図10から、実施例11〜15で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池K〜Oは、比較例1の電極を備えた固体高分子形燃料電池Sと比べてそれぞれ57mV、60mV、72mV、59mVおよび55mV向上した。
さらに、実施例18で製作した超少量触媒金属担持電極Rを備えた固体高分子形燃料電池Rのセル性能は649mVであり、比較例2の超少量触媒金属担持電極Tを備えた固体高分子形燃料電池Tの場合と比べて57mV向上した。一方、比較例5で製作した超少量触媒金属担持電Wを備えた固体高分子形燃料電池Wのセル性能は592mVであり、実施例11〜15の場合と比べて低い値を示した。
実施例11〜15、比較例1および比較例5で製作した超少量触媒金属担持電極の二重層容量と、それを用いた固体高分子形燃料電池の300mA/cm2におけるセル電圧との関係を図11に示す。図11から、二重層容量の大きい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた実施例11〜15の固体高分子形燃料電池の性能は、二重層容量の小さい触媒金属未担持電極から製作した超少量触媒金属担持電極を備えた比較例1および比較例5の固体高分子形燃料電池と比べて向上することがわかった。
実施例11〜15で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が向上したことは、ホウ素を含む炭素材料に酸素原子を含む官能基を形成したことによって、その材料の表面に陽イオン交換樹脂が広くかつ均一に被覆したことに起因するものと考えられる。つまり、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に担持される触媒金属が小さくかつ高分散に存在によって触媒金属の活性が向上したこと、および炭素材料に被覆している陽イオン交換樹脂の厚みが減少することによって、プロトン伝導経路内での水素原子あるいは酸素原子の拡散距離が短縮したことで電極反応の進行が促進したためと考えられる。
比較例5で製作した超少量触媒金属担持電極を備える固体高分子形燃料電池のセル性能が実施例11〜15のものと比べて低い値を示したことは、炭素材料に窒素原子を含む官能基を形成する際に、その材料の高次構造が損壊したことに起因するものと考えられる。その損壊によって、電極内の電子伝導経路が断絶したので、固体高分子形燃料電池の性能が低下したと考えられる。
以上の結果から、本発明の製造方法で製造された固体高分子形燃料電池用電極を用いることによって、固体高分子形燃料電池の性能が向上することがわかった。
11、21 炭素材料
12、22 陽イオン交換樹脂
13、23 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路
14、24 陽イオン交換樹脂の骨格部分
15、25 電気化学反応に関与する触媒金属
12、22 陽イオン交換樹脂
13、23 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路
14、24 陽イオン交換樹脂の骨格部分
15、25 電気化学反応に関与する触媒金属
Claims (4)
- 炭素材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に触媒金属を主に担持し、前記炭素材料が0.1質量%以上10質量%以下のホウ素を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池用電極。
- 炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で備えたことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電極。
- 炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第2の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第4の工程を経ることを特徴とする請求項1記載の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法。
- 炭素材料にホウ素を0.1質量%以上10質量%以下の範囲で含ませる第1の工程と、前記炭素材料の表面に、酸素原子または窒素原子を含む官能基を0.1meq/g以上10.0meq/g以下の範囲で形成する第2の工程と、前記炭素材料を陽イオン交換樹脂の溶液に分散した分散物を形成し、前記分散物から溶媒を除去して炭素材料と陽イオン交換樹脂の混合物を得る第3の工程と、前記陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第4の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第5の工程を経ることを特徴とする請求項2記載の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法。
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JP2009125693A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Japan Carlit Co Ltd:The | 触媒体及びその製造方法 |
JP2010251086A (ja) * | 2009-04-15 | 2010-11-04 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2020528199A (ja) * | 2017-07-18 | 2020-09-17 | ピーエイチ マター、エルエルシー | 多機能電極添加剤 |
WO2023218790A1 (ja) * | 2022-05-13 | 2023-11-16 | デンカ株式会社 | 燃料電池用触媒用担体、燃料電池用触媒、電極触媒層及び燃料電池 |
-
2005
- 2005-03-10 JP JP2005067514A patent/JP2006252938A/ja active Pending
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