JP2006250968A - 投射型表示装置、投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法及び液晶表示素子調整接着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投射型表示装置の合成プリズムユニットにおいて、液晶表示素子と合成プリズムとの固着部で液晶表示素子と合成プリズムのアライメント調整を行い、その調整代として確保する部品間の間隔を小さくすることで、部品間の間隔充填する固着材料を少なくし、高精度な調整及び固着を可能にする。
【解決手段】液晶表示素子4を保持する保持枠3の合成プリズム1に対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を保持枠3と中間部材2との間の第1の固着材料(接着剤)で吸収し、第1の固着材料によって一体となった液晶表示素子4と中間部材2とを合成プリズム1に対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、面内3軸の調整代を中間部材2と合成プリズム1との間の第2の固着材料(接着剤)で吸収する。
【選択図】図2
【解決手段】液晶表示素子4を保持する保持枠3の合成プリズム1に対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を保持枠3と中間部材2との間の第1の固着材料(接着剤)で吸収し、第1の固着材料によって一体となった液晶表示素子4と中間部材2とを合成プリズム1に対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、面内3軸の調整代を中間部材2と合成プリズム1との間の第2の固着材料(接着剤)で吸収する。
【選択図】図2
Description
本発明は、投射型表示装置、投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法及び液晶表示素子調整接着装置に関し、さらに詳しくは、投射型表示装置の構成要素である液晶表示素子を合成プリズムに対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整し、また液晶表示素子を合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整することが容易な投射型表示装置、投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法、及び該方法を実施する液晶表示素子調整接着装置に関する。
本発明に関連した従来技術として、以下のような技術が知られている。
特許文献1に開示された「液晶プロジェクターにおける液晶表示素子の取付け構造および取付け方法」は、液晶表示素子を仮止め用のUV仮固定部と本固定用のハンダ固定部を有する中間部材を介して合成手段に固定することで、液晶表示素子のアライメント調整後における経時変化の発生をなくし、高精度な固定を可能とするものである。
特許文献1に開示された「液晶プロジェクターにおける液晶表示素子の取付け構造および取付け方法」は、液晶表示素子を仮止め用のUV仮固定部と本固定用のハンダ固定部を有する中間部材を介して合成手段に固定することで、液晶表示素子のアライメント調整後における経時変化の発生をなくし、高精度な固定を可能とするものである。
特許文献2に開示された「液晶表示装置の取付構造」は、液晶表示素子を合成手段に調整固定するために、第1の固定部材に設けられた穴と第2の固定部材に設けられた軸とによって構成された空間に第1の固着材料を充填し固化し、次に前記空間より狭い第1の固定部材と第2の固定部材の間隔に第2の固着材料を充填し固化することで、調整位置を保った高精度な固定を可能とするものである。
特許文献3に開示された「位置制御型接着接合方法及びその装置」は、本出願人の出願に係るもので、被着物と接着物の接合に寄与する複数の接着(硬化)箇所で発生する硬化収縮力を制御し、この収縮力により発生する接着物にかかる応力を互いに相殺して被着物に対する接着物の相対的な位置を保持して接着硬化を行うことで、接着時の初期位置ずれを低減した高精度接着を可能とするものである。
また、本出願人の出願に係る特許文献4に開示された発明は、第1の被着物と第2の被着物間のエネルギー硬化型接着剤が第1の被着物から第2の被着物に向かって層状に分離部材で分離し、その1層を未硬化の状態で保って硬化した後、残った未硬化層を硬化して第1の被着物と第2の被着物を接合することで、硬化時の収縮力を未硬化層で絶縁し、接合されるぎりぎりまで被着物に伝達させず硬化が可能なため、高精度な接合が可能になるというものである。
また、本出願人の出願に係る特許文献5に開示された発明は、被着物に設けられた複数の柱状突起に対して接着物に設けられた穴を挿入し、接着物の位置、姿勢(6軸)を調整し、柱状突起と穴の間の調整代に接着剤を充填して硬化し固定するという接着形態に対して、エネルギー線照射を制御して接着剤の硬化収縮力のバランスを調整し、接着物の位置、姿勢の調整を可能とする接合方法と接合装置を提供することで、接着時の位置ずれを低減した高精度接合を可能とするものである。
また、本出願人の出願に係る特許文献6に開示された発明は、塗布した接着剤に照射するエネルギー線の照射強度を接着剤面内で空間的に変調(勾配)した照射方法で接着剤を硬化させることにより、硬化プロセスの進度に空間的な勾配をもって硬化させることができるので、硬化する接着剤の隣接領域に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができ、経時変化の少ない接着方法が提供できるというものである。
特開2001−100185号公報
特開2003−149628号公報
特開2004−115545号公報
特願2003−344423
特願2004−357442
特願2004−100871
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置は、光源からの光をRGB3色の光に分離しそれぞれ異なった光路を経て3枚の液晶表示素子に導き、液晶表示素子を通して変調した3色の変調光を合成用プリズムで合成し、投射レンズを通して投影するようにした3板式投射型表示装置で、3枚の液晶表示素子を合成用プリズムに対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)、面内3軸(X、Y、θ)、計6軸を位置調整し固定する必要がある。
従来、合成用プリズムに3枚の液晶表示素子の6軸調整機構を備えた調整枠を固定し、その調整枠に液晶表示素子をネジ止め等で固定し、調整機構を使って画素ずれ、フォーカス、あおり調整を行っていた。しかし、調整機構を備えた調整枠は複雑で部品コストがかかるため、液晶表示素子の調整装置、調整治具側に調整機構を設け、液晶表示素子を固定した保持枠と合成用プリズムに取り付けられた中間部材の間の調整代を液晶表示素子調整後、固着材料で充填固化するという方法が一般的になっている。固着材料としては、当初ハンダが多く用いられていたが、ハンダの充填固着を自動で行おうとすると大がかりな設備を必要とするため、容易に固定できる接着剤による固定方法が多く用いられている。特に接着剤の中でも大がかりな設備を必要とせず、短時間に接着が可能な紫外線硬化型接着剤が多く用いられている。
しかし、硬化の際、どのタイプの接着剤でも体積収縮(硬化収縮)による応力(硬化収縮力)が発生するという問題がよく知られている。一般に、アクリル系紫外線硬化性樹脂は5〜10%、エポキシ系紫外線硬化性樹脂は2〜5%程度硬化収縮し、収縮量に比例して硬化収縮力が増加する。この硬化収縮力による影響は接着強度的には僅かな低下しかなくても、精密組立においては大きな問題であり、高精度な調整を行った後に硬化収縮の影響で、調整した位置にずれが生じてしまったり、硬化時に蓄積した応力がその後の温度変化や外力により解放し、経時的な部品の位置ずれを引き起こしたりする。
ところで、液晶プロジェクタの液晶表示素子は、高精細化と小型化が進んでおり、細かいものでは画素サイズが10μmを切るサイズになってきている。3枚の液晶表示素子の調整に求められる調整精度もこれに伴い高いものが要求されており、更に調整位置を保持した状態で高精度に接着し、その接着位置を経時的に維持できる接着方法が求められている。
前記特許文献1に開示された液晶プロジェクターにおける液晶表示素子の取付け構造は、合成手段に直接貼付される第1中間部材と液晶表示素子に固定される第2中間部材とで構成し、第1中間部材と第2中間部材のいずれか一方に仮止め用のUV仮固定部が形成され、更にハンダで固定する本固定用のハンダ固着部を有することで、液晶表示素子の位置を正確にアライメントした状態をUV接着剤で仮固定し、その後経時変化少ないハンダによる固着で本固定できるため、液晶表示素子サイズの小型化・高精細化に対応した高精度な調整と固着が可能になるというものである。
また、特許文献2に開示された液晶表示装置は、特許文献1に開示された液晶プロジェクターにおける液晶表示素子の取付け構造と同じく、液晶表示素子をUV接着剤で仮固定し、更にハンダで本固定するという固着工程は同じであるが、第1の固定部材に設けられた穴と第2の固定部材に設けられた軸とによって構成された空間に第1の固着材料(UV接着剤)を充填し固化することで仮止めを行い、第1の固定部材と第2の固定部材の間に設けられた仮止め用空間より狭い間隔に第2の固着材料(ハンダ)を充填し本固定することで、より少ない固着材料で固着でき、液晶表示素子サイズの小型化・高精細化に対応したより高精度な調整と固着が可能になるというものである。
しかし、これらの方法では、合成手段(合成プリズム)に予め貼り付けられた第1中間部材(第1の固定部材)に対して液晶表示素子を取り付けた第2中間部材(第2の固定部材)の位置調整を行いその調整位置を保って固着を行うため、第1中間部材(第1の固定部材)と第2中間部材(第2の固定部材)の間に設ける間隔で液晶表示素子の調整軸6軸(あおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)、面内3軸(X、Y、θ))の全ての調整代を吸収しなければならない。また、複数ある固着箇所に調整後充填する固着材料の量のバランスが大きく変わらないようにするため、比較的大きな間隔を部材間に設けておかなければならない。そのため、固着材料の量が多くなり、その固着時の収縮により部材が動いてしまったり、残留応力がたまり、その後応力解放して経時変化を起こしたりする。また、仮固定用の第1の固着材料(接着剤)を塗布、硬化する工程と設備、本固定用の第2の固着材料(ハンダ)を加熱塗布し、冷却する工程と設備が必要となり、工程時間が長くなってしまう問題や2種類の固着材料を扱う設備が必要という問題もある。
また、従来技術として示した特許文献4に開示された発明は、第1の被着物から第2の被着物に向かって層状に分離部材で分離した接着層を構成し、その1層を未硬化の状態で保って硬化した後、残った未硬化層を硬化して第1の被着物と第2の被着物を接合することで、硬化時の収縮力を未硬化層で絶縁し、接合されるぎりぎりまで被着物に伝達させず硬化が可能なため、硬化収縮力による部品のずれを低減して高精度な接合が可能である。
また、特許文献3に開示された位置制御型接着接合方法及びその装置は、被着物と接着物の接合に寄与する複数の接着(硬化)箇所で発生する硬化収縮力を接着剤の硬化進行を制御することでコントロールし、この収縮力により発生する接着物にかかる応力を互いに相殺して被着物に対する接着物の相対的な位置を保持して接着硬化を行うことで、接着時の初期位置ずれを低減している。
また、特許文献5に開示された発明は、特許文献3に開示された発明の高精度接着方法を柱状突起と穴の間の調整代に接着剤を充填して硬化し固定するという接着形態に適用し、エネルギー線照射を制御して接着剤の硬化収縮力のバランスを調整し、接着物の計6軸の位置、姿勢を調整しながら接着することで接着時の位置ずれを低減した高精度接合を可能としている。しかし、接着時の接着剤の硬化収縮力による部品のずれを低減し、初期接着精度を上げることについては大きな効果があるが、硬化時の残留応力により発生する経時変化についてはあまり効果がない。また、接着剤を層状に塗布するために分離部材を挿入したり、エネルギー線の照射を制御する制御手段や複雑な制御を必要としたりするため、従来の工程を複雑にしてしまうという問題がある。
特許文献6に開示された発明は、塗布した接着剤に照射するエネルギー線の照射強度を接着剤面内で空間的に変調(勾配)した照射方法で接着剤を硬化させることにより、硬化プロセスの進度に空間的な勾配をもって硬化させることができるので、硬化する接着剤の隣接領域に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができ、経時変化を低減可能である。しかし、この場合もエネルギー線を変調照射するための装置、制御が必要となり、従来の工程を複雑にしてしまうという問題がある。
本発明は、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、液晶表示素子と中間部材を一体で合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、その調整代を中間部材と合成プリズム間の第2の固着材料で吸収するように構成することで、液晶表示素子の6軸調整に伴って液晶表示素子または保持枠と中間部材の固着箇所の部品間間隔、及び中間部材と合成プリズムの固着箇所の部品間間隔が変化しないようにすることを可能とするものである。
本発明は、調整代として確保する部品間の間隔を小さくすることで、充填する固着材料を少なくし、固着材料が硬化するときの硬化収縮、硬化後の残留応力解放による経時変化を低減し、従来の工程を変更することなく液晶表示素子の小型化・高精細化に対応した、高精度な調整及び固着を可能にすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を前記液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、前記液晶表示素子と前記中間部材とを一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、該面内3軸の調整代を前記中間部材と前記合成プリズムとの間の第2の固着材料で吸収する投射型表示装置であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の投射型表示装置において、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材の固着部は、フォーカス軸(Z軸)に平行な互いに対向した間隔を有する固定面で形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の投射型表示装置において、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材の一方の固定面に形成された穴の中央に、他方の固定面に形成されたピン状突起が挿入され、前記穴と前記ピン状突起間に前記第1の固着材料を充填し固定していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の投射型表示装置において、前記第1の固着材料の固定面間の間隔は、0.1〜0.3mmであることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の投射型表示装置において、前記中間部材の前記合成プリズムに対する固着部は、前記合成プリズム面と平行な(面内3軸(X、Y、θ軸)に沿った)固定面で形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の投射型表示装置において、前記第1の固着材料、前記第2の固着材料は、接着剤であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠を合成プリズムに当接した中間部材に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する工程と、前記液晶表示素子と前記中間部材とを一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する工程と、前記各調整工程後に、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材を第1の固着材料によって固着し、前記中間部材と前記合成プリズムを第2の固着材料によって固着する工程とからなる投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法において、前記液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠及び前記中間部材の一方に形成された穴及び他方に形成されたピン状突起からなる対の固着部形状を有し、前記穴に前記ピン状突起を挿入した状態で前記液晶表示素子または保持枠のあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整し、前記穴と前記ピン状突起間に接着剤を充填し固着することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法において、前記2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する工程及び前記面内3軸(X、Y、θ)調整する工程以前に前記接着剤が前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材間及び該中間部材と前記合成プリズム間に充填され、前記液晶表示素子の調整後、硬化させることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠を把持する第1の把持手段と、中間部材を把持する第2の把持手段と、前記第1の把持手段が取り付けられ前記液晶表示素子または保持枠を合成プリズムに対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する第1の調整手段と、前記第2の把持手段が取り付けられ前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材を一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する第2の調整手段を有する投射型表示装置の液晶表示素子調整接着装置であることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の投射型表示装置において、前記保持枠は前記第1の把持手段と嵌合する位置決め形状を有し、前記中間部材は前記第2の把持手段と嵌合する位置決め形状を有することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、液晶表示素子と中間部材を一体で合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、その調整代を中間部材と合成プリズム間の第2の固着材料で吸収することで、液晶表示素子または保持枠と中間部材との間隔、中間部材と合成プリズムとの間隔を小さくすることができ、固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、液晶表示素子または保持枠と中間部材の固着部の形状がフォーカス軸(Z軸)に平行な互いに向かい合う間隔を有する固定面で形成されていることで、あおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整を行ったときに部材間の間隔が大きく変化しないため、調整代として確保する間隔を小さくでき、充填する固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、液晶表示素子または保持枠と中間部材の固着部の形状が穴の中央にピン状突起を挿入しその間を第1の固着材料で充填し固定していることで、ピン状突起の周りを固着材料が360度囲んだ状態で穴の開いた部材と固定され、固着材料の収縮、残留応力の解放により部材間に働く力がバランスし相殺されるため、固着材料の量を低減したことによる効果に加え、初期部品ずれ、経時変化をより低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、液晶表示素子または保持枠と中間部材の固定面間の間隔が0.1〜0.3mmであることで、充填する第1の固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、中間部材と合成プリズム間の固着部の形状がプリズム面と平行な(面内3軸(X、Y、θ軸)に沿った)固定面で形成されていることで、面内調整による調整代を第2の固着材料の充填量を変えずに吸収でき、充填する固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
請求項6に係る発明によれば、液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の固定、中間部材と合成プリズム間の固定に使用される第1、第2の固着材料が接着剤であることで、固着材料の塗布、硬化に大掛かりな設備を必要とせずに低コストで、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な投射型表示装置を提供することができる。
請求項7に係る発明によれば、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠を合成プリズムに当接した中間部材に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する工程と、液晶表示素子と中間部材を一体で合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する工程と、調整後に、液晶表示素子または保持枠と中間部材、中間部材と合成プリズムを第1、第2の固着材料にて固定する工程を有することで、液晶表示素子または保持枠と中間部材との間隔、中間部材と合成プリズムとの間隔を小さくすることができ、固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な投射型表示装置の液晶表示素子調整接着が可能となる。
請求項8に係る発明によれば、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠及び中間部材にそれぞれ形成された穴とピン状突起から成る対の固着部形状を有し、穴とピン状突起を挿入した状態で液晶表示素子または保持枠のあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整し、穴とピン状突起の間を接着剤で充填し固定することで、ピン状突起の周りを固着材料が360度囲んだ状態で穴の開いた部材と固定され、固着材料の収縮、残留応力の解放により部材間に働く力がバランスし相殺されるため、固着材料の量を低減したことによる効果に加え、初期部品ずれ、経時変化をより低減した高精度な投射型表示装置の液晶表示素子調整接着が可能となる。
請求項9に係る発明によれば、第1、第2の固着材料が接着剤で調整前に各部材間に充填され、液晶表示素子の調整後硬化させることで、固着材料の量を少なくし、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減でき、また固着材料塗布時の部品ずれの影響を無くすことができるため、より高精度な投射型表示装置の液晶表示素子調整接着が可能となる。
請求項10に係る発明によれば、液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠を把持する第1の把持手段と、中間部材を把持する第2の把持手段と、第1の把持手段が取り付けられ液晶表示素子または保持枠を合成プリズムに対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する第1の調整手段と、第2の把持手段が取り付けられ液晶表示素子または保持枠と中間部材を一体で合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する第2の調整手段を有することで、液晶表示素子または保持枠と中間部材との間隔、中間部材と合成プリズムとの間隔を小さくすることができ、第1、第2の固着材料の量を少なくすることができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置の液晶表示素子調整接着装置を提供することができる。
請求項11に係る発明によれば、保持枠及び中間部材にそれぞれ第1、第2の把持手段と嵌合する位置決め形状を有することで、保持枠及び中間部材とそれぞれの把持手段の位置関係が再現よく決まるので、保持枠と中間部材の固着部部材間隔を最適な状態に保ったまま液晶表示素子の調整、固着材料での接合ができるため、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
本発明は、投射型表示装置の合成プリズムユニットにおいて、液晶表示素子と合成プリズムとの固着部で液晶表示素子の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)、及び液晶表示素子の合成プリズムに対する面内3軸(X、Y、θ)調整
を行うようにし、部品間の間隔充填する固着材料を少なくし、固着材料が硬化するときの硬化収縮、硬化後の残留応力解放による経時変化を低減し、液晶表示素子の小型化・高精細化に対応した、高精度な調整及び固着を可能にすることを目的とするもので、そのため、液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を前記液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、該第1の固着材料によって一体となった前記液晶表示素子と前記中間部材とを前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、面内3軸の調整代を前記中間部材と前記合成プリズムとの間の第2の固着材料で吸収するようにしたものである。
を行うようにし、部品間の間隔充填する固着材料を少なくし、固着材料が硬化するときの硬化収縮、硬化後の残留応力解放による経時変化を低減し、液晶表示素子の小型化・高精細化に対応した、高精度な調整及び固着を可能にすることを目的とするもので、そのため、液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を前記液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、該第1の固着材料によって一体となった前記液晶表示素子と前記中間部材とを前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、面内3軸の調整代を前記中間部材と前記合成プリズムとの間の第2の固着材料で吸収するようにしたものである。
以下、本発明の投射型表示装置、投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法及び液晶表示素子調整接着装置を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が対象とする投射型表示装置の光学系を示す平面図である。
本発明が対象とする投射型表示装置は、光源10からの光をレンズアレイ11、コリメータレンズ12を介して平行光とした光を、ダイクロイックミラー13,15でRGB3色の光に分離し、ミラー14,17,19、レンズ20,21,22を介し、それぞれ異なった光路を経て3枚の液晶表示素子4a,4b,4cに導き、液晶表示素子4a,4b,4cを通して変調した3色の変調光を合成プリズム1で合成し、投射レンズ23を通して投影することで、大画面の映像をスクリーン24上に投影する表示装置で、3板式投射型表示装置と呼ばれている。
図1は、本発明が対象とする投射型表示装置の光学系を示す平面図である。
本発明が対象とする投射型表示装置は、光源10からの光をレンズアレイ11、コリメータレンズ12を介して平行光とした光を、ダイクロイックミラー13,15でRGB3色の光に分離し、ミラー14,17,19、レンズ20,21,22を介し、それぞれ異なった光路を経て3枚の液晶表示素子4a,4b,4cに導き、液晶表示素子4a,4b,4cを通して変調した3色の変調光を合成プリズム1で合成し、投射レンズ23を通して投影することで、大画面の映像をスクリーン24上に投影する表示装置で、3板式投射型表示装置と呼ばれている。
図2は、実施例1の投射型表示装置で用いられる合成プリズムユニットを示す斜視図である。
実施例1の投射型表示装置において、合成プリズム1に3枚の液晶表示素子4a,4b,4cを取り付けた合成プリズムユニットは、3枚の液晶表示素子4a,4b,4cの画素を合わせるため、それぞれの面内3軸(X、Y、θ)の調整と、合成プリズム1に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整を行い、計6軸×3枚の液晶表示素子4a,4b,4cの位置調整がなされた状態で液晶表示素子4a,4b,4cを固着して組み立てられる。
実施例1の投射型表示装置において、合成プリズム1に3枚の液晶表示素子4a,4b,4cを取り付けた合成プリズムユニットは、3枚の液晶表示素子4a,4b,4cの画素を合わせるため、それぞれの面内3軸(X、Y、θ)の調整と、合成プリズム1に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整を行い、計6軸×3枚の液晶表示素子4a,4b,4cの位置調整がなされた状態で液晶表示素子4a,4b,4cを固着して組み立てられる。
図3は、実施例1の投射型表示装置で用いられる合成プリズムユニットを分解して示す斜視図であり、図4は、図3において1色分の合成プリズムユニットを分解して示す斜視図である。なお、各色の液晶表示素子は同一の構成であるので、図4は各色の液晶表示素子を代表して示している。
3枚の液晶表示素子4a,4b,4cは、それぞれG,R,B光に対応し3色の変調光を得るためのもので、液晶表示素子4(4a,4b,4c)は保持枠3(3a,3b,3c)、中間部材2(2a,2b,2c)を介して合成プリズム1に取り付けられている。
3枚の液晶表示素子4a,4b,4cは、それぞれG,R,B光に対応し3色の変調光を得るためのもので、液晶表示素子4(4a,4b,4c)は保持枠3(3a,3b,3c)、中間部材2(2a,2b,2c)を介して合成プリズム1に取り付けられている。
ネジ5によって液晶表示素子4が取り付けられた保持枠3は、中間部材2に固定されるが、保持枠3と中間部材2の固着部は、フォーカス軸(Z軸)に平行な互いに対向し、間隔を有する固定面で形成されており、両固定面間の間隔は、0.1〜0.3mmであり、この間隔には第1の固着材料として接着剤が充填される。
また、中間部材2の合成プリズム1に対する固着部は、合成プリズム面と平行な(面内3軸(X、Y、θ軸)に沿った)固定面で形成されており、中間部材2と合成プリズム1間の固定に使用される第2の固着材料として接着剤が充填される。
なお、本実施例においては、液晶表示素子4と中間部材2間に保持枠3が介在する構成であるが、保持枠3は必須のものではなく、液晶表示素子4と中間部材2を直接固着する構成とすることもできる。
また、中間部材2の合成プリズム1に対する固着部は、合成プリズム面と平行な(面内3軸(X、Y、θ軸)に沿った)固定面で形成されており、中間部材2と合成プリズム1間の固定に使用される第2の固着材料として接着剤が充填される。
なお、本実施例においては、液晶表示素子4と中間部材2間に保持枠3が介在する構成であるが、保持枠3は必須のものではなく、液晶表示素子4と中間部材2を直接固着する構成とすることもできる。
液晶表示素子4(4a,4b,4c)を合成プリズム1に取り付けるに際しては、液晶表示素子4の合成プリズム1に対するあおり2軸(α、β)を調整し、またフォーカス1軸(Z軸)、及び合成プリズムに対する面内3軸(X、Y、θ)調整して取り付けられる。そこで、本発明においては、液晶表示素子4または液晶表示素子を保持する保持枠3の合成プリズム1に対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2との間の第1の固着材料で吸収し、液晶表示素子4と中間部材2を一体で合成プリズム1に対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、その調整代を中間部材2と合成プリズム1間の第2の固着材料で吸収する。
このように構成することで、フォーカス軸(Z軸)に沿った調整の動きとZ軸と垂直な面内の調整の動きを異なる固着箇所で吸収するため、液晶表示素子4(4a,4b,4c)の調整に伴って液晶表示素子または保持枠3(3a,3b,3c)と中間部材2(2a,2b,2c)との間隔、中間部材2と合成プリズム1との間隔がほとんど変化せずに調整代を吸収できるため、予め部品間の間隔を小さく設定することができ、そこに充填する接着剤等の固着材料の量を少なくすることができる。そのため、固着材料の収縮による部品の初期位置ずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能となる。
従来、液晶表示素子または保持枠と中間部材間の間隔は、6軸の調整代、部品の公差等を考慮して1mm程度の間隔が必要であった。これを実施例1のように保持枠3と中間部材2に形成した固定面間の間隔を0.1〜0.3mmにすることで、部品公差を吸収すると伴に、初期部品ずれ、経時変化を1/3から1/5に低減することが可能となる。
また、第1、第2の固着材料としては、接着剤が好ましく、特に接着剤の中でも、硬化の開始、速度を制御し易く、硬化時間が短い紫外線硬化型樹脂が好ましい。また、第1、第2の固着材料が接着剤で、調整前に部材間に充填され、液晶表示素子の調整後硬化させることで、固着材料塗布時の部品ずれの影響を無くすことができるため、より高精度な投射型表示装置の液晶表示素子調整接着が可能になる。
図5は、実施例2の投射型表示装置で用いられる合成プリズムユニットを分解して示す斜視図であり、図6は、図5において1色分の合成プリズムユニットを分解して示す斜視図である。
実施例2の投射型表示装置で用いられる合成プリズムユニットは、実施例1で用いられる合成プリズムユニットの保持枠3と中間部材の固着部の構成において相違する。すなわち、3枚の液晶表示素子4(4a,4b,4c)は実施例1と同様に保持枠3(3a,3b,3c)にネジ5で固定され、保持枠3(3a,3b,3c)と中間部材2(2a,2b,2c)間は固着材料で固着されるが、中間部材2(2a,2b,2c)と合成プリズム1との固着は、従来から液晶表示素子の固着に用いられている穴の中央にピン状突起を挿入し、穴とピン状突起の間を固着材料で充填し固着する固着部形状を利用する。実施例2の調整固着構成においても、ピン状突起の径に対して穴の寸法を極力小さく設定することができるため、固着材料の収縮による部品の初期位置ずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能となる。
実施例2の投射型表示装置で用いられる合成プリズムユニットは、実施例1で用いられる合成プリズムユニットの保持枠3と中間部材の固着部の構成において相違する。すなわち、3枚の液晶表示素子4(4a,4b,4c)は実施例1と同様に保持枠3(3a,3b,3c)にネジ5で固定され、保持枠3(3a,3b,3c)と中間部材2(2a,2b,2c)間は固着材料で固着されるが、中間部材2(2a,2b,2c)と合成プリズム1との固着は、従来から液晶表示素子の固着に用いられている穴の中央にピン状突起を挿入し、穴とピン状突起の間を固着材料で充填し固着する固着部形状を利用する。実施例2の調整固着構成においても、ピン状突起の径に対して穴の寸法を極力小さく設定することができるため、固着材料の収縮による部品の初期位置ずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能となる。
また、ピン状突起の周りを固着材料が360度囲んだ状態で穴の開いた部材と固定されているため、固着材料の収縮、残留応力の解放により部材間に働く力がバランスし相殺され、固着材料の量を低減したことによる効果に加え、初期部品ずれ、経時変化をより低減した高精度な接合が可能となる。なお、実施例2では穴を保持枠3に設け、ピン状突起を中間部材2に設ける構成としたが、穴を中間部材2に設け、ピン状突起を保持枠3に設ける構成とすることもできる。
次に、投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法、及び液晶表示素子調整接着装置について説明する。
図7は、従来の液晶表示素子の調整接着装置を用いて液晶表示素子を合成プリズムユニットに取り付け調整する際の様子を示す正断面図である。
従来一般に用いられている液晶表示素子の調整接着装置を用いて、液晶表示素子を投射型表示装置の合成プリズムに取り付け固定する調整工程では、図7に示すように、予めRGB各色の3つの中間部材2(2a,2b,2c)が合成プリズム1に接着剤61,62等で固定された状態の部品を合成プリズム把持手段52に、RGB各色の液晶表示素子4(4a,4b,4c)またはRGB各色の液晶表示素子に保持枠3(3a,3b,3c)を取り付けた部品を調整装置の第1の把持手段50にセットする。この状態で、調整しようとしている3枚の液晶表示素子4にRGB各色の光57をミラー56を介して導き、液晶表示素子4を通したそれぞれの調整用画像が合成プリズム1で合成され、投射レンズ23によりスクリーン24に投射された調整用画像を検出手段58で検出する。
図7は、従来の液晶表示素子の調整接着装置を用いて液晶表示素子を合成プリズムユニットに取り付け調整する際の様子を示す正断面図である。
従来一般に用いられている液晶表示素子の調整接着装置を用いて、液晶表示素子を投射型表示装置の合成プリズムに取り付け固定する調整工程では、図7に示すように、予めRGB各色の3つの中間部材2(2a,2b,2c)が合成プリズム1に接着剤61,62等で固定された状態の部品を合成プリズム把持手段52に、RGB各色の液晶表示素子4(4a,4b,4c)またはRGB各色の液晶表示素子に保持枠3(3a,3b,3c)を取り付けた部品を調整装置の第1の把持手段50にセットする。この状態で、調整しようとしている3枚の液晶表示素子4にRGB各色の光57をミラー56を介して導き、液晶表示素子4を通したそれぞれの調整用画像が合成プリズム1で合成され、投射レンズ23によりスクリーン24に投射された調整用画像を検出手段58で検出する。
RGB各色の液晶表示素子4をフォーカス(Z軸)方向に動かし、投射スクリーン中央部のフォーカス特性が最良となる位置に液晶表示素子4のZ軸を調整する。フォーカス特性の最良な位置は、例えば液晶表示素子4をZ軸方向に動かした時の画像のコントラストが最大になる位置で検出する。
次に、投射スクリーン4隅の画像のコントラスト差が少なくなるように、液晶表示素子4(4a,4b,4c)のあおり2軸(α、β)を調整する。
次に、投射スクリーン4隅の画像のコントラスト差が少なくなるように、液晶表示素子4(4a,4b,4c)のあおり2軸(α、β)を調整する。
この後、液晶表示素子4(4a,4b,4c)の画素調整(コンバーゼンス調整)を行い、Gの液晶表示素子4aの画素を基準として、R、Bの液晶表示素子4b,4cの画素を面内3軸(X、Y、θ)調整する。この状態で、RGB各色に中間部材2と液晶表示素子4または保持枠3の間に充填された固着材料61を硬化させて固定する。あおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整を行うと、液晶表示素子4または保持枠3は中間部材2に対してほぼZ軸に沿った動きをするのに対して、面内3軸(X、Y、θ)調整を行うとZ軸に垂直な面に沿った動きをする。したがって、中間部材2と液晶表示素4子または保持枠3の間で6軸の調整代を吸収しようとすると、固着部の部品間の間隔を広く取っておく必要があり、充填する接着剤等の固着材料61,62の量が多くなり、その結果硬化収縮による部品の初期位置ずれ、固着材硬化後の部品位置の経時変化が大きくなる。検出調整用画像は検出手段58で検出され、コンピュータからなる制御装置59によって第1の調整手段53を制御して、あおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)を調整し、第2の調整手段54を制御して、面内3軸(X、Y、θ)調整を行う。
図8は、本発明の液晶表示素子の調整接着装置を用いて液晶表示素子を合成プリズムに取り付け調整する際の様子を示す正断面図である。
実施例3の液晶表示素子の調整接着装置の調整部の構成としては、実施例1または2の投射型表示装置における液晶表示素子4(4a,4b,4c)または液晶表示素子を保持する保持枠3(3a,3b,3c)を把持する第1の把持手段50と、中間部材2(2a,2b,2c)を把持する第2の把持手段51と、第1の把持手段50が取り付けられ液晶表示素子4または保持枠3を合成プリズム1に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整するα軸自動ステージ53a、β軸自動ステージ53b、Z軸自動ステージ53cで構成された第1の調整手段53と、第2の把持手段51が取り付けられ液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2を一体で合成プリズム1に対して面内3軸(X、Y、θ)調整するθ軸自動ステージ54a、X軸自動ステージ54b、Y軸自動ステージ54cで構成された第2の調整手段54を有することで、合成プリズム1のプリズム面に固着材料を挟んで押し当てられた中間部材2に対して液晶表示素子4または液晶表示素子を保持する保持枠3を第1の調整手段53によりあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整し、その状態を保持して、液晶表示素子の画素調整(コンバーゼンス調整)を第2の調整手段54で行うことができる。また、第1の調整手段53,第2の調整手段54は一体となって、Z軸粗動ステージ55によって合成プリズム1に対しZ軸方向に粗調整することができる。
実施例3の液晶表示素子の調整接着装置の調整部の構成としては、実施例1または2の投射型表示装置における液晶表示素子4(4a,4b,4c)または液晶表示素子を保持する保持枠3(3a,3b,3c)を把持する第1の把持手段50と、中間部材2(2a,2b,2c)を把持する第2の把持手段51と、第1の把持手段50が取り付けられ液晶表示素子4または保持枠3を合成プリズム1に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整するα軸自動ステージ53a、β軸自動ステージ53b、Z軸自動ステージ53cで構成された第1の調整手段53と、第2の把持手段51が取り付けられ液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2を一体で合成プリズム1に対して面内3軸(X、Y、θ)調整するθ軸自動ステージ54a、X軸自動ステージ54b、Y軸自動ステージ54cで構成された第2の調整手段54を有することで、合成プリズム1のプリズム面に固着材料を挟んで押し当てられた中間部材2に対して液晶表示素子4または液晶表示素子を保持する保持枠3を第1の調整手段53によりあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整し、その状態を保持して、液晶表示素子の画素調整(コンバーゼンス調整)を第2の調整手段54で行うことができる。また、第1の調整手段53,第2の調整手段54は一体となって、Z軸粗動ステージ55によって合成プリズム1に対しZ軸方向に粗調整することができる。
第2の調整手段54により、液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2は一体で合成プリズム1のプリズム面に沿って面内3軸(X、Y、θ)調整される。また、中間部材2と合成プリズム1間の固着部形状がプリズム面と平行な(面内3軸(X、Y、θ軸)に沿った)固定面で形成されていることで、中間部材2と合成プリズム1を面接着で固着することができ、第2の固着材料62の量を薄く、少なくできる。
また、プリズム面に沿った面内3軸(X、Y、θ軸)の調整を行っても、中間部材2と合成プリズム1間に塗布された第2の固着材料62の体積を変化させることなく、面内3軸の調整代を吸収することができる。また、液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2の間であおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代のみを吸収すればよく、6軸全ての調整代を吸収するのに比べ部材間に充填する第1、第2の固着材料の量を減らすことができる。
更に、液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2の固着部の形状がフォーカス軸(Z軸)に平行な互いに向かい合う間隔を持った固定面で形成されていることで、液晶表示素子4のあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整を行ってもほとんど液晶表示素子4または保持枠3と中間部材2間の間隔が変化しないため、予め第1の固着材料61の量をきわめて少なくなるように部材間の間隔を設定することができる。
また、投射型表示装置に用いられる合成プリズムにおいて、保持枠3及び中間部材2は、それぞれ液晶表示素子の調整接着装置の第1,及び第2の把持手段と嵌合する位置決め形状を有することで、保持枠及び中間部材と第1,第2の把持手段の位置関係が再現よく決まり、保持枠と中間部材の位置関係が部品の公差によって決まるので、固着部部材間隔を最適な状態に保ったまま液晶表示素子の調整、固着材料での接合ができる。そのため、固着材料の量を極めて少なく設定することができ、固着材料の収縮による部品のずれ、残留応力の解放による経時変化を低減した高精度な接合が可能な投射型表示装置を提供することができる。
1…合成プリズム、2(2a,2b,2c)…中間部材、3(3a,3b,3c)…保持枠、4(4a,4b,4c)…液晶表示素子、5…ネジ、61…第1の固着材料、62…第2の固着材料、7…合成プリズムホルダ、10…光源、11…レンズアレイ、12…コリメータレンズ、13,15…ダイクロイックミラー、14,17,19…ミラー、16,18,20,21,22…レンズ、23…投射レンズ、24…スクリーン、50…第1の把持手段、51…第2の把持手段、52…合成プリズム把持手段、53…第1の調整手段、53a…α軸自動ステージ、53b…β軸自動ステージ、53c…Z軸自動ステージ、54…第2の調整手段、54a…θ軸自動ステージ、54b…X軸自動ステージ、54c…Y軸自動ステージ、55…Z軸粗動ステージ、58…検出手段、59…制御装置。
Claims (11)
- 液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠の合成プリズムに対するあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)の調整代を前記液晶表示素子または保持枠と中間部材との間の第1の固着材料で吸収し、前記液晶表示素子と前記中間部材とを一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整し、該面内3軸の調整代を前記中間部材と前記合成プリズムとの間の第2の固着材料で吸収することを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1に記載の投射型表示装置において、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材の固着部は、フォーカス軸(Z軸)に平行な互いに対向した間隔を有する固定面で形成されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1に記載の投射型表示装置において、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材の一方の固定面に形成された穴の中央に、他方の固定面に形成されたピン状突起が挿入され、前記穴と前記ピン状突起間に前記第1の固着材料を充填し固定していることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項2または3に記載の投射型表示装置において、前記第1の固着材料の固定面間の間隔は、0.1〜0.3mmであることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1に記載の投射型表示装置において、前記中間部材の前記合成プリズムに対する固着部は、前記合成プリズム面と平行な固定面で形成されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の投射型表示装置において、前記第1の固着材料、前記第2の固着材料は、接着剤であることを特徴とする投射型表示装置。
- 液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠を合成プリズムに当接した中間部材に対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する工程と、前記液晶表示素子と前記中間部材とを一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する工程と、前記各調整工程後に、前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材を第1の固着材料によって固着し、前記中間部材と前記合成プリズムを第2の固着材料によって固着する工程とからなることを特徴とする投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法。
- 請求項7に記載の投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法において、前記液晶表示素子または該液晶表示素子を保持する保持枠及び前記中間部材の一方に形成された穴及び他方に形成されたピン状突起からなる対の固着部形状を有し、前記穴に前記ピン状突起を挿入した状態で前記液晶表示素子または保持枠のあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整し、前記穴と前記ピン状突起間に接着剤を充填し固着することを特徴とする投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法。
- 請求項8に記載の投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法において、前記2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する工程及び前記面内3軸(X、Y、θ)調整する工程以前に前記接着剤が前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材間及び該中間部材と前記合成プリズム間に充填され、前記液晶表示素子の調整後、硬化させることを特徴とする投射型表示装置の液晶表示素子調整接着方法。
- 液晶表示素子または液晶表示素子を保持する保持枠を把持する第1の把持手段と、中間部材を把持する第2の把持手段と、前記第1の把持手段が取り付けられ前記液晶表示素子または保持枠を合成プリズムに対してあおり2軸(α、β)、フォーカス1軸(Z軸)調整する第1の調整手段と、前記第2の把持手段が取り付けられ前記液晶表示素子または保持枠と前記中間部材を一体で前記合成プリズムに対して面内3軸(X、Y、θ)調整する第2の調整手段を有することを特徴とする投射型表示装置の液晶表示素子調整接着装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の投射型表示装置において、前記保持枠は前記第1の把持手段と嵌合する位置決め形状を有し、前記中間部材は前記第2の把持手段と嵌合する位置決め形状を有することを特徴とする投射型表示装置。
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